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2009/12/01

文明の星時間 「のもひげ」を探して

サンデー毎日連載
茂木健一郎 歴史エッセイ

『文明の星時間』 第92回 「のもひげ」を探して

サンデー毎日 2009年12月13日号

http://mainichi.jp/enta/book/sunday/ 

抜粋

 「これは新種に違いない!」
 ぼくたちはもう、何の根拠もなくそう思い込んでしまった。それまでの人生で、そんな姿の生きものを見たことがなかったのだ。
 新種の名前を付けるのは発見者の特権だくらいのことは知っていた。一緒に見つけたのは、布目君と大野君。二人とも鼻息が荒かった。ぼくが、「見つけた人が名前をつけて、学会に報告できるんだよ!」とすごい勢いでまくし立てたせいもあるかもしれない。
 早くしないと、他の誰かが見つけてしまうかもしれない。しかし、親友どうしで、功を争い合うのも避けたい。本来目出度いことのはずなに、仲違いはイヤだ。はやる気持ちを抑えて、三人で平等に命名することにした。
 どうしたらいいんだろう、早くしなくちゃ、急がなくちゃと田んぼの横で議論した。子どもなりの智恵を絞ってしばらく考えた後、三人の名前の一部をとって、それをつなげることにした。
 「もぎけんいちろう」の「も」、「ぬのめひとし」の「ひ」、「おおのしげゆき」の「げ」、それに、大野君と布目君に共通の「の」をとって、「のもひげ」と名前をつけた。

全文は「サンデー毎日」でお読みください。

本連載をまとめた
『偉人たちの脳 文明の星時間』(毎日新聞社)
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12月 1, 2009 at 09:05 午前 |

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今日から12月、師走にはいり、 にわかに気ぜわしくなる。 [続きを読む]

受信: 2009/12/01 11:39:21

コメント

「奇跡のりんご」!大変興味深い話です。人類の文明というものを考えさせられます。
我が家でも、最近奇跡の「ミニトマト」がありました?腐らないでただしおれていくのです。女房の言によると、
「これは木村さん林檎とおなじなのよ。土が違うの。」
「本当かな?」
と思いつつ、しかし、コンビニの添加物だらけの弁当ばかり食べていたらどうなってしまうのか。奇跡のりんごが奇跡にならないようにしないと、人間の体は内側から朽ちてしまうのかもしれないと思ったりします。

投稿: | 2009/12/02 5:19:10

おはようございます 茂木サン 。
「のもひげ」 に命名されるはずの 生き物は
一体どんなものでしょう?
健一郎少年と二人の友人と いつまでも 仲の良い関係が 続きよかったですね。
ほのぼのします。
今宵のお月様のように

投稿: | 2009/12/02 1:19:38

“のもひげ”と名付けた「新種生物」が、実はホウネンエビという、すでに知られた種類だったなんて…。

少年の日の茂木さんとお友達の、ほろにがな思い出ですね…。

何も知らない、ということは、ある意味、幸せなときもあるのだなぁ、特に子供の頃は…。

そういえば、これは私事ですが、ある植物園で、これまで私が見た事がない、あめ色の透明な殻を持つ、不思議な木の実を沢山拾った。振ると、カラカラと乾いた音がする。

これは何の実なのだろう…?と必死で考えたが分からないので、係の人に聞いたら、正月の羽根突きの羽根の先に使う黒い固い球…“むくろじ”のことだった。

むくろじ、と知ってしまった時の、ある種の安堵感と、不思議の正体が前からあったものと知ってしまった時の、幾許かの落胆との入り混じった、複雑な気持ちが、今思い返すに、じんわり…と沸いてくる。

投稿: 銀鏡反応 | 2009/12/01 22:55:31

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