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2009/12/31

打ち合わせの段階では、ナレーションというものは

打ち合わせの段階では、ナレーションというものは

プロフェッショナル日記

2009年12月31日

http://kenmogi.cocolog-nifty.com/professional/

12月 31, 2009 at 08:24 午前 | | コメント (2) | トラックバック (1)

The knack is to be struck unawares.

The knack is to be struck unawares.

最高なのは、不意打ち。

The Qualia Journal

31st December 2009

http://qualiajournal.blogspot.com/

12月 31, 2009 at 08:23 午前 | | コメント (4) | トラックバック (0)

いろいろなことの始まり

植田工に会った。

東京芸大で授業を始めた時、
まっさきに声をかけてきてくれた
植田工。

「茂木さんが来るっていうんで、
いろんな人に、一緒に聴きに
いこうよ、って声をかけたんですよ。」

授業をして、それから上野公園の
砂場のところで談笑して。

あの時間の流れは、まさに黄金であり、
今となっては伝説となった。

今は卒業してインハウスの
アートディレクションをしている
植田工。

アニメーションにかける
熱い思いを語ってくれる。

「ゆうなちゃんが、ぼくのウェブページを
つくってくれたんですよ。」

植田工のウェブページ 

歳末の街は、思い思いの話を
する人であふれていて。

「作品がすべてだよな」

「遠くから見るほど、作品しか
視覚に入らなくなる。」

「すべては黄金の午後に」

植田工と電車に乗る。

「あの時、茂木さんと東京駅から
移動したのが、いろいろなことの
始まりでした。」

別れたあと、植田は森の方へと歩いていった。

がんばろうよ、植田!


例によって「百面相」をする植田工


植田工のスケッチブックには、何ものかの
似顔絵が描いてあった。

12月 31, 2009 at 08:23 午前 | | コメント (11) | トラックバック (2)

2009/12/30

朝日出版社 座談会 参加者募集

朝日出版社主催 

英語に関する座談会 参加者募集中

締め切り 2010年1月12日

詳細 

12月 30, 2009 at 09:05 午前 | | コメント (0) | トラックバック (0)

Full of life!

Full of life!

生命でいっぱいだ!

The Qualia Journal

30th December 2009

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12月 30, 2009 at 08:57 午前 | | コメント (6) | トラックバック (0)

やなちゃんと、ブルーマウンテン。

 ぼくのところで博士号をとって、
今理化学研究所の藤井直敬さんの
ところで研究を続けている
柳川透くん。

 いろいろなものを注文する時に、
「高級なもの」「一番高いもの」
が好きだった。

 「やなちゃんは、きっと、
一番いいものを注文するに違いない」
と皆が思っていた。

 その期待にやなちゃんはきちんと
応えていたのは偉い。

 一度、すずかけ台の「てんてん」
でてんぷらを食べた時、
やなちゃんは「あわびの天ぷら」
を注文した。

 ぼくも、少しお裾分けしてもらったが、
やわらかくて美味しかった。

 柳川とご飯をたべたり、
お酒を飲んだりする機会が減ったのは
さびしい。

 ぼくが子どもの頃、高いものにあこがれた
思い出としては、小学校5年生の時の
コーヒーがある。

 小倉の母の親戚の家に遊びに行った
ときのこと。

 母の妹の、「綾子おばさん」
が、喫茶店でコーヒーをおごって
くれるといった。

 大人っぽい雰囲気のある店で、
それまで私はそんな店に入ったことが
なかったし、入っても
コーヒーを注文したことなどなかった。

 綾子おばさんは、一時期新宿に
住んでいて、私と二つ違いの妹は
「新宿のおばさん」と呼んでいたのである。

 不思議なことに、綾子おばさんが
小倉に住むようになってからもしばらく、
「新宿のおばさん」と呼んでいた。

 新宿のおばさんが、コーヒーを
おごってくれるというので、
メニューを見た。

 そうしたら、「ブルーマウンテン」
というのが一番高かった。

 当時の値段で、600円とか、700円
したように記憶する。

 「ブルーマウンテンがいい!」
と言ったら、新宿のおばさんは笑った。

 そうして、「けんちゃん、高級なものを
頼むね」と言った。

 「ブルーマウンテンを飲むんなら、
砂糖もミルクも入れちゃダメよ。」

 実は、それまで、コーヒーを
ブラックで飲んだことがなかった。

 砂糖やミルクなしで飲めるのか
どうか、心許なかったが、
 おごってくれるおばさんが
そう言うんだから、仕方がない。

 店の人が、ハンドドリップ
で淹れてくださった。

 衆人注目の下、
私は、カップの中の褐色の液体を
味わった。

 「どう?」

 「おいしい。」

 生まれて初めて味わう、
苦くて、そうして頭の芯がカーンと
刺激されるような感覚。

 あの「出会い」は今でも
鮮明に心に残る。

 背伸びをして
「ブルーマウンテン」を注文した
少年の日。

 あの時のことを、柳川透君が
高級なものを注文する時に
いつも無意識のうちに思い出して
いた。
 
 そんな事実に、昨日都内を移動
していて突然気付いた。

 潜在していても、気付かなかった。
 
 やなちゃんと、ブルーマウンテン。

 私の中で、メタ認知が一つ成立した。


柳川透くん。昨年のSociety for Neuroscience meetingの際に、ホワイトハウスの前で。

12月 30, 2009 at 08:57 午前 | | コメント (7) | トラックバック (3)

2009/12/29

今森光彦さんとの対談

今森光彦さんと大阪で対談いたします。

20世紀を考える上での
キーワードの一つ「里山」。

自然と人間が調和した美しい
里山の様子を撮影してきた
今森さんと、深い話を
したいと思っています。

自分自身の生命の「明日」のために。

みなさん、会場でお待ちしております。

詳細

2009年1月16日(土) 14時〜16時
大阪YMCAホール


今森光彦さん

12月 29, 2009 at 07:33 午前 | | コメント (4) | トラックバック (1)

The ultimate role model

The ultimate role model

究極のロール・モデル

The Qualia Journal

29th December 2009

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12月 29, 2009 at 07:20 午前 | | コメント (3) | トラックバック (0)

プラクティカルなアドヴァイス

ここのところ何をしている
時間が一番楽しいかといえば、
「勉強」ということになろうか。

際限がない。昨日移動しながら
読んでいたのはOrigin of Species
とThe Greatest show on earth。

夜からはLeo TolstoyのThe Gospel in Briefを
読み始めた。

これは、Wittgensteinが読んで、
感激し、とにかく周囲の人に
勧めて回ったので、一時期「福音書の男」
と言われたといういわくつきの本である。

塩谷賢のお師匠さんだった
廣松渉さんには、一度だけ
お目にかかったことがある。

その御著書の、きわめて難解な
印象とは異なり、
まるで春風のようにさわやかな人だった。

その廣松さんが、塩谷に、
「勉強というのは、一日三千頁読まないと
ダメだ」
と言ったそうである。

それを聞いて、ぼくは「うへー」と驚いたが、
本当に学問をやろうとしたら、
そんなものなのかもしれない。

たとえば、Immanuel Kant本人の著作を
読むだけでも、大変である。

その上、Kantについていろいろな
人がいろいろなことを言う。
さまざまな研究書がある。

Kantをある程度わかったとしても、
Hegelだ、Schaupenhaur だ、Nietszcheだ、
なんだと言っていたら、
読むべき本が増える。

西洋哲学をある程度押さえたとしても、
廣松さんのように相対性理論や量子力学にも
興味を持っていたり、
あるいは数学基礎論、言語哲学、
心の哲学、あるいは東洋思想、
文学、音楽、絵画史、
政治史、などなどと考えていったら、
この世の森羅万象を理解するのに
いったいどれくらいの本を読まなければならないか。

これは、しかも、基礎をつけるに必要な
最小限というだけであって、
その上に独自の体系を展開するしたら、
実に気が遠くなるじゃないか、諸君!

塩谷が、18歳の春から延々と
変わらずに分厚い本を何冊も
一澤帆布の中に入れて持ち歩き、
付箋をして、線を引きながら読んでいるのは、
実に師である廣松渉氏の教えを守っていると
言えよう。

そうして、学問というものは、
基本的に「無償」のものだと思う。

いくら勉強したからと言って、
別に誰も褒めてくれるわけでもないし、
社会が認めてくれるわけでもない。

たとえ、賞賛されることが
あったとしても、それは「ボーナス」
のようなもの。

塩谷賢を見たまえ。あれだけ学識を
ため込んでいながら、大きくなったのは
ペタンペタンとたたくと
お餅のようで気持ちがいいお腹だけだよ。

現代において一つ良いことは、
インターネットに接続できさえすれば、
誰でも、無限の学びを続ける
状況が整ったこと。

その時に何よりも必要なのは
「語学」であろう。

「語学をやりたまえ」というのが、
おそらくは、現代の学問における
もっともプラクティカルなアドヴァイスでは
ないか。

「語学」の中には、数学が含まれる。

12月 29, 2009 at 07:19 午前 | | コメント (15) | トラックバック (2)

2009/12/28

Soseki without stomachache

Soseki without stomachache

胃痛のない漱石

The Qualia Journal

28th December 2009

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12月 28, 2009 at 07:43 午前 | | コメント (1) | トラックバック (0)

秘密の花園

論文でも小説でも、
あるテクストを読み始めると、
次第に「深く」入り込んでいって、
水面のかなり下の方で
泳いでいる感覚になる。

こうなると、もう慣性がついているから、
ずっとそのテクストを読んでいたくなる。

他のことをするのが一切面倒になって、
コーヒーを淹れるのもおっくう。

テクストを持ったまま、歩いていき、
そうして読み続ける。

そんな時は、テクストに脳が
乗っ取られているような気持ちになる。
さまざまな回路のモードが、
そのテクストを読むという
課題のために動員されることに
なるのだ。

言葉というものは、日本語にせよ、
英語にせよ、ドイツ語にせよ、
世界のすべての人に通じる
というわけにはいかない。

言語の問題だけではない。
そもそも、ある特定の内容については、
読者が限られている、
ということがある。

すべての人に通じるわけではない、
という悲しみを抱えたままに、
私たちは表現する。

それでも、言葉が紡ぎ出す世界が、
ある純度の高いお花畑のようになっている
時があって、
そのような時は、ああ、生きていて
良かったなと思う。

言葉が「秘密の花園」をつくるのだ。

新しいノートブックパソコンへの
引っ越しの作業で、十数時間の
ブランクができて、
その間ずっとテクストを読んでいた。

新しいノートブックパソコン
に、アルベルト・アインシュタイン
のシールをぺたんを貼って、
私の言語のゆりかごが完成した。

引っ越しが終わって、最初に
書いているテクストがこの日記である。

世界のあちらこちらにすでに
存在している、
そうして、まだ種しかない、
あるいは種すらも形成されていない
数々の秘密の花園を想う。

12月 28, 2009 at 07:43 午前 | | コメント (14) | トラックバック (2)

2009/12/27

文蔵 連載「言葉と測りあうために」

PHP研究所の「小説・エッセイ」文庫

『文蔵』 2009年11月号から、
連載「言葉と測りあうために」
が始まっています。

毎回、珠玉の名言を取り上げて、
それについての随想を書いています。


取り上げた言葉

茂木健一郎 連載
『言葉と測りあうために』 第一回 
岡本太郎 「この酒を飲んでしまったら、死んでしまうと思え。乾杯!」
文蔵 2009年11月号

茂木健一郎 連載
『言葉と測りあうために』 第二回 
澁澤龍彦「その行為をすべて肯定する。友人だからだ」
文蔵 2009年12月号

詳細 

12月 27, 2009 at 11:23 午前 | | コメント (1) | トラックバック (0)

Autobiography too soon

Autobiography too soon

早すぎる自伝

The Qualia Journal

27th December 2009

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12月 27, 2009 at 08:12 午前 | | コメント (2) | トラックバック (0)

よほど強く新しいことをやろうとしなければ

自分がやってきたこと、
積み上げてきたことを大切にしつつ、
さらに新しいことをやる、
という視点からは、
例えば8割くらいが既成のこと、
2割くらいが新しいことという
バランスが良い。

揺れ動いていなければ、
状況の変化に適応したり、
新しい世界に入ることができない。

2割の「遊び」があって、
初めて面白いことが
いろいろ起こるのである。

ところが、慣性の法則
というものがあって、
よほど強く新しいことを
やろうとしなければ、
実際には2割とはならない。

今までやっていることを
続けた方がラクである。

だから、2割がついつい1%とか、
そんなものになってしまう。

そもそも、人間は新奇なものを
より鮮明に記憶の中に焼き付ける。

だから、印象としては、既存の
ことと、新しいことが1:1くらいの
割合にならないと、
実際には8割、2割を実現することは
できない。

黛まどかさんと対談。

「龍馬本」に関する取材。

読売新聞、中央公論新社のみなさんと
打ち上げ。

今年もうお目にかからない
方々には、「よいお年を」
と言って別れていく。

そんな季節になった。

12月 27, 2009 at 08:11 午前 | | コメント (11) | トラックバック (3)

2009/12/26

Star of the Giants

Star of the Giants

『巨人の星』

The Qualia Journal

26th December 2009

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12月 26, 2009 at 08:02 午前 | | コメント (5) | トラックバック (2)

クリスマスも深夜になると

「あさり」の昼食からゼミが始まる。

いつも、研究室の飲み会で
お世話になっている「あさり」。

奥の座敷に座ると、
ついつい、「生ビール4つ」
とか頼みたくなってしまう。

前に座った石川哲朗に、
「最近、何か面白いことあった?」
と聞いた。

石川が、「やっぱりダークマターですかね」
と言った。

「ダークマター見つかったのか?」

「なんか、イベントが3つ見つかって、
統計的に有意になるためには5つなければ
ならないそうなんですが。」

「それは、新しい物理かもしれないな。」

生姜焼き定食が来た。

あさりの生姜焼きは、やわらかくて
おいしい。
卵の黄身の中につけてしばらく
置いたような味。

「他にも、何か面白いことあったか?」

「量子検索ですかねえ。」

「それ、encripitionと関係しているのか?」

「データを読み取り可能な形で
蓄積しないままに、検索するのです。」

研究所へ。

ゼミ。

高野委未、田辺史子、野澤真一が
それぞれ熱弁を振るう。

関根崇泰が、「いちばん面白い発言を
した人にこの目玉おやじの汁をあげます」
と不気味なことを言って缶詰を
見せた。

みなそれでもめげずにがんばって
議論した。

おやじ汁は野澤真一がもらった。
おめでとう。

NHK。

『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の打ち合わせ。

ディレクターが必死になって撮ってきた
VTRを見て、どのような質問をするか
考え、議論する。

4年間にわたって続けてきたこと。

今回初めて担当した宮川ディレクター。

本当に、よい仕事をしている。
異国でいろいろ苦労もあったろうに。

宮川さん、ありがとう。

塩谷賢が、かつて言ったこと。

「この世界は、瞬間毎に死んでいく
たくさんの可能性で出来ている。」

渋谷の街は、さまざまな会を
楽しむのか、たくさんの人が
出ていた。

クリスマスも深夜になると、
サンタクロースもなぜか照れくさそうな
顔をしていて、
曖昧な様子で夜の静寂をやり過ごしていた。

12月 26, 2009 at 08:00 午前 | | コメント (12) | トラックバック (1)

2009/12/25

Thunderbird 2, my friend.

Thunderbird 2, my friend.

わが友サンダーバード2号

The Qualia Journal

25th December 2009

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12月 25, 2009 at 08:14 午前 | | コメント (8) | トラックバック (3)

ヨーロッパの個人主義


今日はクリスマス。

キリストという人の造形は、
たいへん興味深い。

マタイ受難曲や、メサイアなどにも
引用されている『イザヤ書』
の中の言葉

He was despised and rejected--
a man of sorrows, acquainted with deepest grief.

彼は軽蔑され、そして拒絶された。
哀しみの男、そして、深い悲嘆に近しく

は、キリストという人の本質を
表している。

人々に救済をもたらすメサイアが、
社会からは軽蔑され、拒絶される
存在だととらえられていること。

ここに、「キリスト教」の
深い叡智がある。

ルートヴィッヒ・ヴィトゲンシュタインは、
トルストイのキリスト教に関する著作に
出会って、すっかり虜になってしまった。

一時期、「福音書」を持ち歩き
誰彼となく語りかけていたという。

ヴィトゲンシュタインの
『哲学宗教日記』を読むと、
彼の「自身」のとらえ方が、
個人と社会の間の「予定調和」
を前提としない厳しいものであった
ことが伝わってくる。

オスカー・ワイルドは、投獄されて、
初めて「キリスト」の本質を理解した。

東洋の集団主義に対して、
ヨーロッパの個人主義とはよく
言われることだが、
「個人主義」の一つの原型として、
キリストという存在があるのだと思う。

12月 25, 2009 at 08:14 午前 | | コメント (7) | トラックバック (4)

2009/12/24

twitterとqualia journalについて

私のtwitterのIDは、kenmogiとkenichiromogi です。

kenmogiの方は、英語で書いています。

kenichiromogiの方は、日本語で書いています。

現在のところ、英語で書くkenmogiの方を主に使っています。
kenmogiの方でつぶやいている
英語の短文は、英語のレッスンにもなるように工夫していますので、ぜひfollowしてみてください!

http://twitter.com/kenmogi 

英文のブログ、
qualia journalについて、お知らせがあります。

最近、コメントスパムが急増しているため、対策として、
moderationをonにしました。今後のコメントは、
管理者によって承認された後に表示されることになります。

よいholiday seasonを!

12月 24, 2009 at 11:25 午前 | | コメント (4) | トラックバック (0)

Quite close to the weakness often lies one's strength

Quite close to the weakness often lies one's strength

ある人の欠点のすぐ近くに長所がある

The Qualia Journal

24th December 2009

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12月 24, 2009 at 09:13 午前 | | コメント (5) | トラックバック (1)

週刊ポスト 脳のトリセツ 温泉の流儀

2010年1月1・8日号

脳のトリセツ 第24回

温泉の流儀

抜粋

 冬場など、身体が冷え切っているから、早く温まりたい。お湯につかったら、五感で温泉を受け止める。手を動かして水の肌触りを確かめたり、少し口に含んでみたり、匂いを嗅いでみたり。そのようにして、全身で温泉と対話する。
 じっくりと温泉を堪能してから、脱衣場に出る。「ああ、いい湯だった。」火照った身体で、少し涼みつつ、浴衣をまとう。そんなゆったりとした時間の中で、「おや、そういえばこんなところに」とばかり温泉分析書を見る。その時になって初めて、「はて、今私が入った温泉はどんなものだったのだろう?」と振り返るのである。
 もともと、人間の脳は、ヘタな知識を与えられてしまうとその先入観にとらわれてしまう。一体何が起きているのか。把握しないままに感覚で受け止めることで初めて、感情を始めとする脳の回路は柔軟かついきいきと働く。入浴した後で、じっくり温泉分析書を見る。この順序こそ、温泉の効能を最大にする流儀なのである。

全文は「週刊ポスト」でお読み下さい。

http://www.weeklypost.com/100108jp/index.html

12月 24, 2009 at 09:11 午前 | | コメント (2) | トラックバック (1)

文明の星時間 キャピタリズム

サンデー毎日連載
茂木健一郎 歴史エッセイ

『文明の星時間』 第95回 キャピタリズム

サンデー毎日 2010年1月3−10日合併号

http://mainichi.jp/enta/book/sunday/ 

抜粋

 ムーア監督の映画が、批判の対象になっているはずの当のアメリカ国内でも人気があるのは、その表現の根底に祖国に対する「愛」があるからだろう。
 アメリカの現状は情けない。しかし、アメリカ合衆国は、本来もっと素晴らしい国だったはずだ。とりわけ、建国の父たちは理想に燃えていた。その理想をどこかで見失ってしまったのが、現在のアメリカである。
 理想を簡単に見失わない。深い「愛国心」に支えられているからこそ、その映画はアメリカ国内でも支持される。見方を変えれば、ムーア監督の一連の作品は、アメリカに対する愛の告白だということもできるのである。


全文は「サンデー毎日」でお読みください。

本連載をまとめた
『偉人たちの脳 文明の星時間』(毎日新聞社)
好評発売中です。


12月 24, 2009 at 09:09 午前 | | コメント (1) | トラックバック (0)

「ちきゅう」の上で

養老孟司さんに最初にお目にかかったのは、
養老さんが『日経サイエンス』上で
やっていた対談のゲストに呼ばれた
時だった。

「初めて会う気がしないね」
と養老さんが言われたことを
昨日のことのように覚えている。

その『日経サイエンス』の
対談シリーズを担当させていただく
ことになった時、何とも言えない感慨があった。

中学校の時から、購読していた。

思い切り背伸びして、科学の世界に
あこがれた。

マーティン・ガードナーの
「数学リクリエーション」
のコーナーを熱心に読んだ。

ぼくの大好きな雑誌、日経サイエンス。

現在の担当は、古田彩さん。

古田さんは
量子力学の基礎に詳しく、
Many Worlds Interpretationに基づく
理論を構築しているDavid Deutschと
親しくされている。

その
古田彩さんが、「対談シリーズは、現場に
出かけていくようにしませんか」
と言って下さってから、
さまざまな場所にお邪魔している。

今回うかがったのは、清水港に
停泊中の「ちきゅう」。

水面下数千メートルの海底から、
さらに数千メートル掘ると
到達する「マントル」。

そのマントルに至る掘削を
人類史上初めて実現するという
グランド・ミッションを掲げて
日本主導で進められているのが、
「ちきゅう」のプロジェクトである。

中心メンバーである倉本真一さんに、
「ちきゅう」の中をご案内いただきながら
説明いただいた。

初めて見る「ちきゅう」の船体。

大きい!


「ちきゅう」の雄姿

船の中は国際的な雰囲気。

クルーも研究者たちも、さまざまな
国籍の人たちが集まっている。

まさに「ちきゅう」規模の大プロジェクト。
科学においては、「初めて」に何よりも
価値がある。

マントルは、地球の体積の約83%
を占める。

地震波の測定などから、さまざまな
推測がなされているマントルだが、
実際にはどのような性質を持っているのか。

「ちきゅう」がマントルに至る掘削に
成功した時、そこには思いがけない
「サプライズ」が待っているかもしれない。

倉本さんと「ちきゅう」船内を歩きながら、
何とも言えない知的高揚を覚えた。

すでに、「ちきゅう」は掘削オペレーションを
始めている。

「地震の巣」の一つである「南海トラフ」
においても、掘削オペレーションを
成功させた。

マントルへの掘削を実現するには、
数多くの技術的、科学的課題を
解決しなければならない。

トーマス・クーンが「科学革命の構造」
で言う「パラダイム・シフト」に
最もよくあてはまる科学分野の一つが、
地球科学。
たとえば、「大陸移動説」や、
最近の「スノウボール・アース」
など、従来の常識ではとらえきれないような
新しい考え方が、地球の見方を一新させた。

地殻、マントルが長い時間をかけて
ダイナミックに循環しているというのが
最近の地球像。

現在問題とされている気候変動の
問題を理解するためにも、
地球内部を含めた物質循環の
プロセスの理解は欠かせない。

「ちきゅう」が掲げている
目標が達成される日が来ることを
心から祈り、応援したい。

掘り出された地層の円筒状のサンプルは
「コア」と呼ばれる。

実験室でサンプルを見せて
いただいて、その美しさに息を呑んだ。

「現物」だけが持っている迫力。


これが手に入れたかった! 「コア」の実物。

このサンプルを地上にもたらすために、
多くの人が言うに言われぬ苦労を
重ねてきたのだ。

こいつらだって、ずっと地球の内部で
眠っていて、
まさか自分たちが地上に連れ上げられる
なんて夢にも思っていなかったろう。

詩情と科学の論理が交錯する。

コアは、地上に持ってくると
どんどん変質してしまう。

「生鮮食料品」のようなもの。

すぐに非侵襲計測などをしなければ
ならないのだけれども、
そこは科学者の性。

現物を見ると、ついつい「これは
こうだ」などと議論を始めて
しまうのだそうだ。

そこを、「はい、気持ちを切り替えて」
と作業に徹するのが難しいのです
と倉本さんは言った。


「コア」の解析を終えて研究者がつくったという
記念のモデル。仕事を達成した解放感が
あふれる。


各ミッションの後に、そのプロセスで起こった
顕著な出来事をデザインするコンペが開かれる
とのこと。このような遊び心も、プロジェクトを
進めていく上で欠かせない。

居住スペースや、食堂を見せていただく。

長い航海の中で仕事の質を保つには、
気晴らしも欠かせない。

卓球台があった。

「卓球は人気があって、トーナメント戦が
あるのです」と倉本さんは言った。


「ちきゅう」内の卓球台



「ちきゅう」の居住スペースの様子。


居住スペースで考えにふける倉本真一さん


通りすがる人が「ハーイ!」
と言って去っていく。

楽しい中に緊張した空気が漂う
この科学プロジェクトが、
大きな実を結ぶ日が来ることを
みんなで見守りたい。


「ちきゅう」の食堂。さまざまな食文化に対応する。
おいしかった!


食堂の片隅には、クリスマス・ツリーが。


恩田裕治船長、私、倉本真一さん

12月 24, 2009 at 09:08 午前 | | コメント (13) | トラックバック (2)

2009/12/23

Paper hat

Paper hat

ホラスが紙の帽子をかぶってニコニコしていたこと

The Qualia Journal

23rd December 2009

http://qualiajournal.blogspot.com/

12月 23, 2009 at 06:18 午前 | | コメント (6) | トラックバック (0)

バルーン郵便

 塩谷賢が、WhiteheadのThe concept of nature

を訳していると聞いて、なつかしくなった。

 学生の時に読んだ。そうして、
『脳とクオリア』(1997年)に引用した。

_________

 自然哲学にとっては、感覚されるもの全ては、自然の一部である。私たちは、その一部分だけを都合良く選択することはできないのだ。私たちにとって、夕日の「赤い色」の感覚は、その現象を科学者が説明するのに用いる分子や、電磁波と同じように自然の一部でなければならない。自然哲学の目的は、「赤の感覚」と「分子、電磁波」といった自然の様々な要素がどのように結び付いているかを明らかにすることである。

 アルフレッド・ホワイトヘッド 「自然の概念」(1919年)

(茂木訳)
_______

『脳とクオリア』の改訂をする仕事を、
本格的に始めようと思う。

 明治神宮の森を抜けて、NHKへ。

 「光の道」ができている。

 『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の収録。
 ゲストは、埼玉県小川町で
有機農業を営む金子美登さん。

 金子さんは、化学的に合成された
肥料や農薬を使わず、
 「他品種少量生産」で農業を
営んできた。

 核になるのは土作り。
 一年ではできない。数年はかかる。

 今でこそ、循環型農業に対する理解は
深まっているが、金子さんが始めた
頃は周囲から「変わり者」と言われた
という。
 
 それでも、自分の道を貫くことが
できたのは、土の中にたくさんの微生物が
いて、その作用が良い土を作るという
知識があったから。

 やがて、すばらしい土ができあがり、
成果が出始めると、周囲の人も金子さんを
見直すようになった。

 お話を伺っていて、「なるほど!」と
思ったのは、生産と消費のあり方。

 大規模農業で、一つの品種を大量に
作った場合、流通はどうしてもマーケット
任せになりがちである。

 金子さんは、契約している
家庭に直接野菜を届ける。
 ここで、米、数十種類の
野菜を作るという「他品種少量生産」
の考え方が生きてくる。

 もともと、各家庭では、ある一つの
農作物だけを食べ続けるわけではない。
 家庭での消費のあり方とは、
すなわち「多品種少量消費」。

 金子さんの「多品種少量生産」と、
家庭の「多品種少量消費」
が結びついた時、そこに新しい
時代の農業のあり方が見えてくるのではないか。

 金子さんの「土づくり」の思想に
感銘を受け、共感した。

 「土」をつくるのが一番難しい。
 しかし、「土」さえできれば、あとは
植物がそれぞれの力で伸びていって
くれる。

 同じことは、組織でも言えるのではないか。
 一人ひとりが「農薬」や「肥料」で
「成長」を強制されるのではなく、
 組織の中にできた「暗黙知」
という「土」の中で、それぞれのやり方で
のびのびと育っていくこと。

 金子さんの農場を、機会があれば
ぜひ訪問したいと思う。

 有吉伸人さんと、話す。
 有吉さんが、切手が大好きな人だと
いうことを知った。

 「パリがドイツに占領された時、
一ヶ月だけバルーンで郵便を輸送した
ことがあるんですよ。消印も特別な
ものが押されていて。それで、その
バルーン郵便で、一通だけ、
オーストラリアに宛てられたものが
あって、それを先日サルコジが
落札したのです。」

 「・・・・・」

 「見返り美人」や「月に雁」
の世界ばかりだと思っていたら、
思わぬディープな有吉伸人ワールド。

 ぼくは思う。才能がある人は、
必ず過剰である。

 有吉さんの過剰が、切手にも
及んでいるとは思わなかった。

12月 23, 2009 at 06:18 午前 | | コメント (18) | トラックバック (1)

2009/12/22

Giant trees

Giant trees

巨大な樹木について

The Qualia Journal

22nd December 2009

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12月 22, 2009 at 08:17 午前 | | コメント (5) | トラックバック (1)

ぼくはぼくで

 塩谷賢と、久しぶりにゆっくり
話した。

 改めて思うけれども、
大学に入った18の春に
彼と知り合ったことは、何という
奇遇だったのだろう。

 「佐藤の超函数論」や、「場の古典論」、
吉田夏彦さんの「論理学」など、
全学で10人くらしかとらない
ようなマイナーな授業に行くと、
必ず彼がいた。 
 
それで、一緒に歩くようになった。

聞くと、入学当時の彼の体重は、
69キロだったのだという。

今の私よりも少ない。

おじさん温泉からの帰りに、
塩谷は言った。

科学もなにも、せいぜい10年くらいの
ことしか考えていない。

本当は、300年くらいのことを
考えたいのだけれどもと。

塩谷が、電車の中で分厚い本を読み、
付箋をしたり、書き込みをしたり
しているのを見て、ああ、こいつが
やっていることは18の時から
何も変わらないな、と思った。

一時期は、塩谷に、しきりに論文を
書け、大学に就職しろと
友人としてのありったけの思いを込めて
言っていたけれども、
最近は、これでいいのかもしれないと
思うようになった。

学問の世界にも、「市場性」というものがある。

市場に向き合うことは大切なことだけれども、
それでは、塩谷の言うような「300年」
という時間でのことは考えられない。

だから、今のままでいいんだ。

そう思う。

付箋の数がハンパじゃない。

赤線の箇所も。

こんなに引いていると、むしろ、
赤を引いていないところが何らかの
意味を持つんじゃないか、と言ったら、
塩谷は笑った。

仕事が終わった後、再び塩谷と会った。

久しぶりに、塩谷と満員電車に
揺られて帰った。

「また議論しような」

ぼくはぼくで、次に会うその時まで、
クオリアを巡るさまざまを
考え続けているよ。


電車の中で本を読む塩谷賢


付箋がこんなにたくさん。


書き込みがこんなにたくさん。

12月 22, 2009 at 08:16 午前 | | コメント (14) | トラックバック (3)

2009/12/21

Can we really speak of "red"?

Can we really speak of "red"?

本当に「赤」について語ることはできるのか

The Qualia Journal

21st December 2009

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12月 21, 2009 at 09:48 午前 | | コメント (7) | トラックバック (0)

おじさん温泉2009

日曜日の昼下がり。

 東京駅に停車中の特急列車
「踊り子」号に次々と
乗り込む目つきの鋭い男たちがいた。

 茂木健一郎、佐々木厚、
増田健史、大場旦。

 そう、毎年恒例「おじさん温泉」
に参加する面々である。


集合早々、気合いを入れる増田健史

 横浜で乗り込んできた有吉伸人は、
4人の変わり果てた姿に驚いた。

 「東京から横浜までの間に、
すっかり酔っぱらってしまって」

 そうなのである。ビールから
日本酒へのリレーにより、有吉が
特製シュウマイを持って参戦した
時にはもう、4人はすっかり
出来上がっていた。


有吉伸人氏

4人プラス1人で5人は、
修善寺に着き、温泉へ。


宿についたあ!

夕食前の軽い身ごなしとして、
「温泉卓球」が始まる。

そうして、5人が宴もたけなわ
な頃、一人の巨体がぬっと
姿を現した。

塩谷賢。

「おや、関取、もうケイコは終わった
んですか。」

「はい、ごっつぁんです!」

「それでは、ここに素晴らしいチャンコが
用意してありますから、お食べください。」

「はい、わかりました。」

塩谷賢は、ぱくぱくと料理を食べ始めた。


食事を始める塩谷賢

「今、体重どれくらいあるんだい?
0.12トンくらいか?」

「まあ、それくらいだ。120を上がったり
下がったりしているよ。」

食事を終えると、塩谷は、「薬を飲まなくちゃ」
と言い出した。

「いくつ飲むんだい?」

「なあに、10種類、11粒さ。」

塩谷はそれから、テーブルの上に薬を
置き始めた。

「なんの薬だい?」

というと、持ち前の記憶力で説明
してくれる。

「脂肪合成阻害剤だろ、脂肪吸収阻害剤、
例のグリセリンの回路のところさ。
尿酸値を下げる薬だろ、
高血圧の薬だろ、
ここのところ鼻炎だったから、
炎症をおさえるやつだろう、
それから、抗アレルギー剤だろ、
今週お腹を壊したから、
抗生物質だろ、整腸剤だろ、それから、
胃酸過多だから、その薬。」

覚えきれなかったところもあるが、
とにかく塩谷がタイヘンだ、という
ことはわかった。


塩谷賢の薬たち大集合

しかし、塩谷賢はとても元気であった。

佐々木厚が電通の近況を熱く語り、
大場旦がNHK出版の生活人新書の
編集長としての抱負を弁じ、
有吉伸人がニューヨークロケの
思い出を語り、
増田健史がちくま新書の今後の
傾向と対策について私見を開陳
する。

やがて、4人は昼間の卓球疲れ
からすやすやと眠ってしまう。


ぼくたちはお休みなさい

その頃から、塩谷賢の眼が
ランランと輝き始める。

4人が卓球をやっている間、
中学2年生の時卓球部だった
経歴を隠すかのように寝たふり
をしていた茂木も、気合いを入れ直す。

それから、塩谷と茂木は、
まるで学生時代に戻ったように、
ヴィトゲンシュタインの哲学から
フレーゲに及び、
チューリングマシンにおけるオラクル、
ライプニッツの神、スピノザの神、
空間概念の深淵、
その他もろもろについて
熱く語り合ったのだった。


独自の哲学を展開する塩谷賢


夜が明ける。

有吉伸人は仕事があると
一足先に帰った。

塩谷と茂木も、その後すぐに出る。

やや遅れて、増田健史、大場旦、
佐々木厚。

それぞれ、自分の仕事の現場に帰って
いく。

かくして、おじさん温泉classic、2009
はそれぞれの胸の中に言うに言われぬ
温かいこだまを残しつつ、
幕を閉じたのだった。


出版業界の明日について熱く語り合う大場旦と増田健史


有吉さんは一足先に帰ってしまいました。

12月 21, 2009 at 09:22 午前 | | コメント (14) | トラックバック (0)

2009/12/20

Sumo wrestling with Akira

Sumo wrestling with Akira

和仁陽と相撲をとったこと。

The Qualia Journal

20th December 2009

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12月 20, 2009 at 10:03 午前 | | コメント (2) | トラックバック (0)

北極星

「ザ・ベストハウス123」
の収録で、
池上彰さんとご一緒した。

ぼくは池上さんのことが
とても好きで、
直接お話を聞けてうれしかった。

『週刊こどもニュース』の
話をしたら、「あれはこどもニュースと
言って、実は大人も見ていたんですよ。」
と池上さん。

「今は、リサーチなどのスタッフは
いらっしゃるんですか?」
と聞くと、
「いやあ、自分でやります。
ぼくは記者だから、自分で
調べて書くのが楽しいんです。」
と池上さんは言われた。

池上さんが解説したのは、
ルーマニアのチャウシェスク政権の崩壊、
それに、ピュリツッアー賞を
受けたケビン・カーターの『ハゲワシと少女』
について。

池上彰さんが素晴らしいと思うのは、
歴史とは何か、民主主義とは何か、
ジャーナリズムの役割とは何か
ということについて
揺るぎない真っ直ぐな信念を
持っていて、それを誰にでも
通じるわかりやすい言葉で
語ってくださる点である。

いわば、ジャーナリズムにおける
北極星のようなもの。

メディアの中では、どうしても、
ショッキングなことを言ったり、
目立った主張をしたりといった
論調が注目されがちだが、
それは、寄席でいう「色物」
のようなもの。

楷書ののびのびとした美しい
論議をやさしく届けてくれる、
池上彰さんが本当に好きだ。

インターネットの発達で、
大学に行かなくても誰もが
本格的な学問ができる時代。

そのことに、みんなもっと
早く気付かないかなと思う。

インターネット上に蓄積されつつ
あるリソースは膨大である。

たとえば、Bryan Mageeの
哲学解説シリーズ。

そうして、かつてNHKで
放送された、埴輪雄高さんの
『死霊』をめぐるドキュメンタリー。

どちらも、それぞれyoutubeにて
「Bryan Magee」、「埴輪雄高」
という名前で検索すると出てきます。

学問というものを、institutionから
解放できる、そして解放すべき
時期がきた。

もちろん、大学を始めとする組織は、
人々が集う場所として機能しつづける
だろうけれども、それは理想を
言えば「志の共同体」でなければならない。

ただ単に、「なになに大学卒」
などという「ブランド」を身につける
ための場ならば、その人自身も、大学も、
そうして日本も沈没していくことだろう。

朝食べるチョコレート一個。

うれしい。コーヒーとの組み合わせ。

そうして、また、活気に満ちた一日
が始まることの予感。

12月 20, 2009 at 10:03 午前 | | コメント (15) | トラックバック (4)

2009/12/19

The variable unconscious

The variable unconscious

より変動性の高い無意識

The Qualia Journal

19th December 2009

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12月 19, 2009 at 10:17 午前 | | コメント (3) | トラックバック (0)

憂愁の表情

慶應志木高校へ。
私の研究室で博士号をとり、
来年シンガポールに行く
「かものはし」こと、関根崇泰の母校。

講演前、舞台そでに行くと、
関根が「お久しぶりです」
と妙にていねいに話している。

河野文彦先生。

「先生、よく小津安二郎の映画を
見せてくださっていましたね。」

そんな過去が関根にあるとは思わなかった。

高校生に『東京物語』や『秋刀魚の味』
を紹介してくださるなんて、
いい先生じゃないか。

関根くん、君は、芸術的な感性が
育っているはずだったのだね。

そのわりには、ぼくを「トド」
に見立てたヘンなイラストを
描いているのは、一体どういうわけなんだ!

自分の話が終わった後、
学生たちが「生徒会会長選挙」の
演説と質疑応答をするのを
聴いていた。

エネルギーがある。ヤジや拍手、
笑いが飛び交う。

バンカラはここに生きていた。

慶應志木高校、実にいいじゃないか!

『ケンブリッジの卵』で著名で、
慶應大学教授と慶應志木高校を
兼任されている下村裕先生と
一緒に帰る。


関根崇泰と、恩師の河野文彦先生


関根崇泰と、河野文彦先生、私、下村裕先生


慶應志木高校の校門前を
通り過ぎた時、関根が見せた
一瞬の憂愁の表情を私は
見逃さなかった。


慶應志木高校前。憂愁の関根の横を、
後輩たちが通りすぎていく。

The Brain Club。

チェゴヤでスタート。

年内のゼミは、あと一回となった。

朝日カルチャーセンター。

ヴィトゲンシュタインの話をする。

そして、モーツァルトの天才。

誰も通っていない道を探りあてていくこと。

東京FMで仕事をして、
再びカルチャーセンターの打ち上げの
席に戻る。

今週は睡眠不足が続いていて、
ワインがちょうどよい微睡みへの
導入となりました。

まわりではどんな会話が弾んで
いたのかな。

12月 19, 2009 at 10:17 午前 | | コメント (11) | トラックバック (0)

2009/12/18

クーリエ・ジャポン

クーリエ・ジャポン

ベルリン特集!!! 発売中!!!

私も、壁崩壊から20周年のベルリンを
取材しました。

http://courrier.jp/contents/index.html 

書店にてお買い求めください!

12月 18, 2009 at 03:38 午後 | | コメント (3) | トラックバック (1)

Portable texts

Portable texts

「持ち運べる音楽」から「持ち運べるテクスト」への嗜好性の変化について

The Qualia Journal

18th December 2009

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12月 18, 2009 at 07:06 午前 | | コメント (2) | トラックバック (0)

脳とこころを考える 『脳と冒険』

脳とこころを考える
『脳と冒険』

第3回

朝日カルチャーセンター新宿
2009年12月18日(金)18時30分〜

詳細 

12月 18, 2009 at 07:06 午前 | | コメント (5) | トラックバック (0)

「黒船」を見たら「乗ってみたい」

『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の収録。

『龍馬伝』で坂本龍馬を演ずる
福山雅治さんがスタジオにいらして、
坂本龍馬の魅力、演じる上での
さまざま苦労、喜び、発見について
お話をうかがった。

福山雅治さんは、当代きっての
いい男。

間近に接する福山さんは、とても
かっこよく、気持ちの良い、そして
愉快な人だった。
 
坂本龍馬は、力強い
行動力と、他人を思いやる
優しさと、剛柔両方持ち合わせて
いた人。

織田信長では、ヒーローとして
現代の間尺に合わないが、
龍馬だったら、今日の日本でも、
十分存在しうる。

まさに、優しさと強さと。
福山雅治さんは、龍馬を演じるに
これ以上ふさわしい人はいない、
というような存在ではないか。

福山さんは、演じている中で、
龍馬が「黒船」を見たら
「乗ってみたい」と思うような
「好奇心」の人だということを
発見したという。

これは重要なポイントではないか。

激動の時代は、状況がどんどん変化する。

好奇心を持って、次から次へと
新しいことに挑戦し、吸収して
いかなければ適応できない。

「坂本龍馬」を演じてみて、
初めて発見できることはたくさんあるだろう。

『龍馬伝』が本当に楽しみだ。

NHKの5階にある食堂を、
私はいつも「メンテイ」という名前だと
間違えてしまう。

本当は「ばらえ亭」という。

そして、「ばらえ亭」に行くと、
いつもワンタン麺を注文してしまう。

やわらかくて、甘くて、
つるんと喉をすべっていくワンタン。

ああ、思えば君はなんと素敵な
存在なのだ。

龍馬にワンタンを食べさせたかったな。

12月 18, 2009 at 07:05 午前 | | コメント (8) | トラックバック (4)

2009/12/17

Wuthering Heights

Wuthering Heights

『嵐が丘』のこと

The Qualia Journal

17th December 2009

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12月 17, 2009 at 09:06 午前 | | コメント (4) | トラックバック (0)

週刊ポスト 脳のトリセツ 脳のハードルは高いほどいい

2009年12月25日号

脳のトリセツ 第23回

脳のハードルは高いほどいい

難しい課題にチャレンジして成功することは、いわば脳にとって良質の「サプライズ」。ぐんと学習が進む効果がある。

抜粋

 音楽評論家の吉田秀和さんにお目にかかった時、現代からはともすれば失われがちな「ハードルを高くすることの価値」に改めて思い至った。
 名曲の美しさの本質について、磨き上げられた言葉で語る吉田秀和さん。音楽にとどまらず、芸術一般や歴史についての吉田さんの知識は圧倒的。現代の日本における「知の巨人」として、そのお仕事を私は敬愛している。
 そもそも教養というものはどのように生み出されてくるのか?、自らが受けた旧制高校の教育について、吉田さんはこんなことを言われた。
 「いやあ、ぼくの頃のドイツ語の授業なんかはね、初日にABC(アーベーツェー)を習って、文法の基礎の基礎を教わり、次の日にはいきなりニーチェのショウペンハウエル論を読まされたんですよ。」
 私を含め、その場に居合わせた人がびっくりし、黙って聞いていると、吉田さんはさらに言葉を継がれた。
 「いやあ、今に比べると、あれは実に野蛮な時代でしたよ。あはははは。」

全文は「週刊ポスト」でお読み下さい。

http://www.weeklypost.com/091225jp/index.html

12月 17, 2009 at 09:05 午前 | | コメント (2) | トラックバック (2)

文明の星時間 漱石と寅彦

サンデー毎日連載
茂木健一郎 歴史エッセイ

『文明の星時間』 第94回 漱石と寅彦

サンデー毎日 2009年12月27日号

http://mainichi.jp/enta/book/sunday/ 

抜粋

 よく知られているように、寺田寅彦は夏目漱石の弟子である。漱石が熊本の第五高等学校で英語の教師をしている時にふたりは知り合った。そして、漱石が没するまでずっと師弟関係が続いた。
 出会いの経緯が面白い。漱石没後に書かれた追悼文『夏目漱石先生の追憶』によれば、ふたりが知り合うきっかけは、試験で落第した学生のために点をもらう「運動委員」の一人に寺田寅彦が選ばれたことだった。
 用向きが済んだ後、寺田寅彦は「俳句とはいったいどんなものですか」と尋ねた。それに対して、漱石は、「俳句はレトリックの煎じ詰めたものである。」「花が散って雪のようだといったような常套な描写を月並みという。」「秋風や白木の弓につる張らんといったような句は佳い句である。」などと説明した。
 それで、寅彦は急に俳句がやりたくなって、夏休みの間に句作をした。学校が始まると、それを持参して漱石を訪ねた。漱石は懇切丁寧に添削した。それから、寅彦は週に二三度も漱石の家に通うようになった。長く続く師弟関係の始まりである。


全文は「サンデー毎日」でお読みください。

本連載をまとめた
『偉人たちの脳 文明の星時間』(毎日新聞社)
好評発売中です。


12月 17, 2009 at 09:05 午前 | | コメント (2) | トラックバック (0)

近いものと、遠いもの

 吉例によりまして、
ゼミThe Brain Clubの年一回の
特別version、Xmas Special。

 まずはあみだクジを引き、その
順番で演し物をする。

 私は、今年は、「偶有性の王子」
と題して、坂本龍馬についての考察と、
公園でランニングしたり、
トレーニングした
映像を編集したものを出した。

 終了後、みなで投票。
 今年優勝したのは、
高野委未さんと、戸嶋真弓さん。

 私も同点だったが、主催者に
つき権利外。

 高野さんと戸嶋さんには、
それぞれ、賞品の「木村秋則さんの
りんご」、「amazon kindle」が
贈られた。

 オメデトウ!



優勝した戸嶋真弓さんの発表


残念ながら優勝はできなかったものの、
熱演する野澤真一クン。

 続いて、これも吉例にて、
研究室の忘年会。

 外からもたくさんのゲストが
いらして、楽しい時間を過ごした。

 幹事として本当にいろいろとやって
くれた野澤真一くん、ありがとう!
 
 近いものと、遠いもの。

 先日、雑誌の一頁にあった
 アララト山の写真に目が釘付けになった。

 「ノアの箱舟」が流れ着いたという
伝説のある山。

 市街地からまっすぐに大きく
そびえ立っているその姿に魅せられた。

 いつか行ってみたいな、アララト山。

 近いものと、遠いもの。

12月 17, 2009 at 09:04 午前 | | コメント (9) | トラックバック (2)

2009/12/16

Reading fever

Reading fever

読むことの熱狂

The Qualia Journal

16th December 2009

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(2009年6月6日に始まった
qualia journal連続記録は200日となりました)

12月 16, 2009 at 08:04 午前 | | コメント (6) | トラックバック (1)

恥じらう半月

 スピノザは、『エチカ』の中で、
さまざまな感情を、正、負の二つの
要素の組み合わせで説明する。

 自分が愛する者に対してプラスか、マイナスか
自分が憎む者に対してプラスか、マイナスか。

 さらにはそれらの作用が、自分や他者に対して、
どのような形式で作用するか。

 そのような解析を通して、妬みや、
自負など、一見複雑に見える感情の
起源をも説明する。

 この世の素粒子が限られた種類しか
ないことは周知の事実である。

 一見無限の多様性を持つように見える
感情も、起源を突きつめれば正、負
の二種類の相互作用、ダイナミクスで
しかないとしても、何の驚くことが
あろうか。

 電通でミーティング。
 
 歩く道、相変わらずコートを
着ないで歩いている。

 余り寒いので、ホッカイロを
一つ買ってお腹に仕込んだ。
 
 NHK。
 
 第一食堂でかけそばを食べた。

 卵を落とす。そば汁の中に入って
暖まった卵が大好きなのだよ。

 『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の打ち合わせを二件。

 VTRを見ながら、
長く、大変で、そうして充実して
いたであろうディレクターのみなさんの
取材の日々を思う。

 NHKを出る。
 移動しながら、Bryan Mageeが
やっているWestern Philosophyの
番組のことをいろいろと考える。

 銀座の地下鉄のところのカレー屋さんに。

 学生の頃から、歌舞伎を見る前などに
通ったなあ。
 カレーのルーで味がついたブロッコリが
美味しい。

 Japan Timesの記事を読みながら、
夕方のカレーを堪能する。

 帝国ホテルのラウンジで必死の
仕事。

 ライフゲームの「グライダー」のスピードで、
書き上げて送信。

 実はお腹にはホッカイロが仕込んだまま。

 何だかちょっとみっともない。

 フジテレビ。

 松本人志さんの番組の収録。

 プロデューサーは有吉伸人さんの
大学時代からの友人、小松純也さん。

 現場での小松さんを間近で見て、
その集中力に驚嘆。

 白熱電灯のようにかっかとして。

 終了した時には、日付が変わっていた。

 でも、本当に楽しかった。

 フジテレビには、
 偶然、NHKの『プロフェッショナル班』
の堤田健一郎さんが別件でいらしていた。

 「あれ、堤田さん、何でこんなところに
いるんですか?」

 「あれ、茂木さん、何でこんなところにいる
んですか?」

 イチローを撮った堤田さん。
 シャイで、男気がある堤田さん。

 「写真撮りますよ」と朝倉千代子さんが
カメラを構えると、
 恥ずかしがって下を向いた。

 月がきれいなのは十三夜。
 娘がきれいなのは十七よ。

 昔、NHKの「みんなの歌」
で流れていた曲。

 堤田さんの顔が、恥じらう半月のように
見えた。


 「恥じらう半月」堤田健一郎さんと。
フジテレビにて。

12月 16, 2009 at 08:04 午前 | | コメント (8) | トラックバック (1)

2009/12/15

My mother and Hibari

My mother and Hibari

私の母とひばり

The Qualia Journal

15th December 2009

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12月 15, 2009 at 07:29 午前 | | コメント (4) | トラックバック (1)

概念世界のパス回し

 移動しながらWittgensteinを
読む。

 Wittgensteinは大学を出た後、
ノルウェーに行って一人で小屋を建てて
住んでいた。

 その時代の気配を想像し、
耳を傾けながら。

 そうして、Wilhelm Kempfが
ピアノを弾く時の表情。

 竹ノ塚の改札を出ると、
羽生善治さんの姿が見えた。

 将棋連盟の山田穣太郎さんとともに、
竹の塚小学校へと向かう。

 体育館で、羽生さんと一緒に
子どもたちに将棋の魅力を語る。

 集中することの大切さ、
理解することと、記憶すること。
 目標を持つこと。
 人とかかわること。

 最近、ごく普通の子どもが、
いかに活き活きしているかということに
瞠目される。

 一瞬のうちに、気付き、目を開き、
笑い、歓声を上げる。

 そこには完璧な人間の原型がある。
 
 そして羽生善治さん。

 見えないものを見ている。
 何ごとも物質中心的、
見かけ重視の現代において、
将棋という概念世界のパス回しに
傾注する羽生善治という人の
顔の表情が、いかに深い示唆を
与えていることか。

 集英社の鯉沼広行さんが
迎えに来る。

 吉祥寺の成蹊小学校へ。
 
 講堂で、今度は保護者の
みなさんにお話しする。
 
 子どもの脳の可能性は、驚くべき
ものなのです。
 ぜひ、それを伸ばす手立てを
して上げてください。

 「良い学校」に行くことと、
能力を伸ばすことは相関はしますが、
必ずしも一致するわけではありません。

 成蹊は、噂に聞いていた通り、
静かで美しいたたずまいだった。

 やがて鯉沼さんと出た街は、
歳末の慌ただしい匂いがした。

12月 15, 2009 at 07:29 午前 | | コメント (16) | トラックバック (4)

2009/12/14

Imagine no universities

Imagine no universities

大学が無かったら、と想像してみよう。

The Qualia Journal

14th December 2009

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12月 14, 2009 at 07:38 午前 | | コメント (6) | トラックバック (0)

4人のジェントルマンに囲まれて

 再び歳末の銀座を歩く。

 「夢book」の取材で、
松本智恵美さんと話す。

 松本さんは
将来脳の研究をしたいとのこと。

 自分が将来物理学をやりたいと
思ってがんばっていた頃のことを
思い出す。

 ニッポン放送。

 「オールナイトニッポンサンデー」。

 二年前、新潟大学の学園祭で講演した
時、「いきものがかり 来る!」
と大きな看板が出ていた。

 あの時ニヤミスしたのであった。

 いきものがかり、 ニッポン放送の
スタジオにいらした!
 
 楽曲がいい。そして、三人の
ハーモニーがいい。

 ますます好きになりました。 
 いきものがかり。

 私は、休んだ友だちに給食のパンを
持っていく係でした。

 放送終了後、打ち上げ。

 冨山雄一さんが、「茂木健一郎」
と書かれたノートを持っていた。

 むむむ。ノートのタイトルが
「茂木健一郎」。

 その謎のノートと、冨山さんの
写真をパチリと撮った。


冨山雄一さん

 冨山さんは、NHK時代
「ファブリーズ座間味」こと
座間味圭子さんの御同僚なのである。

 冨山さんいわく「座間味さんに
焼き肉をおごってもらいました。」

 座間味さんがロックンローラーであった
という極秘情報も入手。

 丸の内界隈では、最近、
紳士が自転車を漕いでくれるタクシーが
出没している模様。

 4人のジェントルマンに囲まれて
記念撮影。
 
 いよいよ、東京の歳末もスタイリッシュに
なってまいりましたゾ。


photo by Atsushi Sasaki
 
 朝起きたら、冨山さんからメールが
届いていた。

冨山さん、ありがとうございました!

From: 冨山 雄一
To: kenmogi
Subject: ニッポン放送の冨山でございます。
Date: Mon, 14 Dec 2009 05:37:53

茂木様、滝沢様

ニッポン放送の冨山でございます。
昨晩は、素敵な生放送並びに懇親会にご参加頂きまして
本当にありがとうございました!

今、リスナーからの昨晩の放送の感想を
読んでいるのですが、
▼月1ではなくもっと、放送してほしい
(録音して繰り返し聴いている)
▼茂木さんの声を聴いていると、眠気がふっとぶ。
▼こんなに茂木さんがユーモア溢れる方だとは知らなかった。
という声が非常に多く届いています。

懇親会で新年の放送へ向けてたくさんのヒントも頂きました!
面白い企画と、ビックリとするような
ゲストご用意できるように準備致します!

年明けは、1月10日になります!
ぜひよろしくお願い致します。

年末に向けて、ますますお忙しくなることと思いますが、
お体にお気をつけ下さい。それでは、失礼致します。

ニッポン放送 冨山

12月 14, 2009 at 07:37 午前 | | コメント (13) | トラックバック (2)

2009/12/13

(本日)オールナイトニッポンサンデー

2009年12月13日(日)
18時〜19時30分
ラジオ局 AM1242 ニッポン放送
オールナイトニッポンサンデー

生放送!

いきものがかりの皆さんがゲストです!


http://www.1242.com/annsunday/ 

12月 13, 2009 at 09:57 午前 | | コメント (1) | トラックバック (0)

Eight below

Eight below

とっても寒かった思い出。

The Qualia Journal

13th December 2009

http://qualiajournal.blogspot.com/

12月 13, 2009 at 09:56 午前 | | コメント (5) | トラックバック (0)

この浮き沈みそのものが

 打ち合わせ一件、
 龍馬についての取材二件。

 銀座の歩行者天国には、
春のような日差しがあたり、
 歩いているうちに自然に笑みが
こぼれる。

 朝日ホール。
 宮本亜門さんとの対談。

 舞台のマジックは、どこから
生まれてくるのだろう。

 幼少期から舞台に親しみ、
舞台芸術のいわば「ネイティヴ」
である宮本亜門さん。

 負の感情をどのように正の
エネルギーへと変えていくか。
 
 役者との相互作用のダイナミズム。
 アウェーでの闘い。
 宮本亜門さんのお母さんのこと。
 沖縄のこと。

 こんなに強く、深く、楽しい
対談相手を得ると、こちらも
魂の底が本気になる。

 「一緒に、きわどいところまで
行ってくれるかどうか。それが、役者に
とっての舞台の真剣勝負なんですよ。」

 ぼくは宮本さんとテニスのラリーを
した。
 ぱかーん、ぱかーんと、
球が弾けて往復する音がした。
 
 師走の街。

 宴会や、二次会をする人たちの
波があって。
 
 この浮き沈みそのものが
 一つのすてきな舞台のマジックのように
思えて。

12月 13, 2009 at 09:56 午前 | | コメント (11) | トラックバック (4)

2009/12/12

Gino Yu came to visit

Gino Yu came to visit

ジーノの楽しい講義!

The Qualia Journal

12th December 2009

http://qualiajournal.blogspot.com/

12月 12, 2009 at 09:55 午前 | | コメント (5) | トラックバック (0)

(本日)ミューズがここに降りてくる! 宮本亜門さんとの対談

演出家の宮本亜門さんと対談します。

数々のすばらしい舞台を手がけてきた
宮本亜門さん。

先日、ミュージカル『グレイ・ガーデンズ』
を観て、改めて宮本亜門演出の
素晴らしさに目を啓かされました。

限りない情熱。
人間をまっすぐに見つめる眼差し。

観る者を勇気づける芸術の力
について、語り合います。

聞けば、元気が出る。

そんな対談になるはずです。

みなさま、ぜひお出かけください!

2009年12月12日(土)
19時〜20時30分
有楽町朝日ホール(有楽町マリオン)

詳細

12月 12, 2009 at 09:55 午前 | | コメント (5) | トラックバック (0)

志を共有する集まり

雨の南青山。

高田純次さんといろいろなことを
話す。

高田さんは、「東京乾電池」
に関わるなど、演劇経験が
深い。

新宿梁山泊や、状況劇場の舞台で、
最後にばっと開けて
外のリアルな風景が取り込まれる演出。

「あれはいいよね。あれはね、イギリスの
演出家が最初に始めたんですよ。」

「あっ、そうなんですか。」

「サーの称号までもらった人なんだけれどもね。」


高田さんたちの演劇は、即興で、
事前に集まってストーリーをどんどん
決めていってしまうのだという。

「だから、初日と楽日では、やっている
ことがぜんぜん違うんですよ。」

そういう演劇だったら、やってみたいな。

還暦を越えたという高田さんだが、
相変わらずダンディーで元気。

「5時から男」の元気さは
時間帯に関係なく発揮されている
ということを知る。

明治大学。合田正人さん主催の
講演会の第4回。

スピノザと、オスカー・ワイルドの
話をした。

終了後、香港理工大学の
Gino Yuがトークをしてくれた。

合田研と、私の研究室の
学生、それにキュレーターの渡辺真也
が加わって懇親会。

朝日カルチャーセンターを終えた
合田正人さんも合流。

いやあ、楽しかったな。

志を共有する集まりというのは、
突然何の前触れもなく
できるものなんだね。

大切なのは、反射神経と即興性。

驚いて身体をくねらせる魚のように。


さあ、これから講義。


合田正人先生

12月 12, 2009 at 09:54 午前 | | コメント (12) | トラックバック (2)

2009/12/11

Tree house

Tree house

今年見た、素敵なツリーハウスのこと。

The Qualia Journal

11th December 2009

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12月 11, 2009 at 07:03 午前 | | コメント (8) | トラックバック (1)

(本日)明治大学 脳科学と哲学との対話

脳科学と哲学との対話

第4回

2009年12月11日(金)
16時20分〜17時50分

明治大学駿河台校舎アカデミーコモン
3階 アカデミーホール

合田正人教授の『フランス文学演習』
の枠で開催されますが、どなたでも聴講可です。

詳細

スピノザの『エチカ』の体系、
神の概念、偶有性の存否と
心脳問題の関係について
考察します。

12月 11, 2009 at 07:02 午前 | | コメント (4) | トラックバック (0)

今眠っていたと思います


明治神宮にて、
森について話す。

橋本麻里さん、鈴木芳雄さん、
ラジオデイズの皆さん。

話は、自然とインターネットと
森の深い関係へとつながっていった。

よき相手を得た時の
話ののびしろは大きいなり。

NHK。

『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の収録。

ゲストは、日本IBMフェローの
浅川智恵子さん。

事故がもとになり、14歳の時に
視力を失った浅川さん。

視覚に頼らずにコンピュータ、インターネット
のアクセシビリティを向上させる
技術において、世界的な業績を
上げた。

浅川さんとお話して、深い感動が
あった。

浅川さんの人生の転機は、
会社に入ってすぐに、
「英語を点字に変換するシステムを
考えているなんてすごい」
「視覚が不自由な人だからこそ、
できることがある」
と同僚に言われたこと。

そのことで、一生チャレンジし続けられる
課題を見つけることができた。

人間の脳は、挑戦することで
生き甲斐を感じる。

生涯挑み続けても果たせない。

そんな奥行きのある課題を見つける
ことは、何と幸せなことだろう。

素敵な浅川さん。
見る人の心に灯をともす。

原宿VACANT で行われた
桑原茂一さんのイベントに参加。

しりあがり寿さん、桑原茂一さんと
三人で、「脱藩」について語った。

会場に来ていたやつら、いいやつら
だったな。

もっとあいつらと話したかったけれども、
ごめん、ぼくはもう行かなくてはならない。

茂一さんの誕生日。バースデーケーキが
運ばれてきた。

茂一さん、一気に吹き消す。

ぼくの大好きな人が、やさしい暗闇に包まれた。

細田美和子さんからの電話に促され、
浅川智恵子さんとの懇談の席へ。

細田さん、徹夜明けだと言っていたけれども、
高校生のように若く見えたよ。

有吉伸人さんの姿が見えないので、
探しにいったらソファで眠っていた。


有吉さんの靴を持って、
ジャケットを持って、
「ありよしさん、帰りましょう」
と言うと、有吉さんは「うんん?」
と起き上がった。

「いやあ、ぼく眠っていました?」

確か、今眠っていたと思います。

帰りながら仕事をしたら、
ぼくもいつの間にか眠ってしまって、
はっと気付いた時には
明かりに照らされた看板が大きく
見えた。

12月 11, 2009 at 07:01 午前 | | コメント (9) | トラックバック (4)

2009/12/10

Pub time in London

Pub time in London

白洲信哉と過ごしたロンドンでのパブの時間

The Qualia Journal

10th December 2009

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12月 10, 2009 at 08:29 午前 | | コメント (4) | トラックバック (0)

週刊ポスト 脳のトリセツ 孔子の『論語』を脳科学する

2009年12月18日号


脳のトリセツ 第22回

孔子の『論語』を脳科学する
四十歳の脳は四十年生きなければ出来上がらない。
様々な経験を積むことで到達できる世界観があるのだ。

抜粋

 人生というのは面白いもので、歳月を重ねるうちに、以前嫌いだったものが好きになる、ということが度々ある。
 子どもの頃、親がふざけて「味見してみろ」と言うのを、「苦いからイヤだよ!」と逃げ回っていたビールが大人になって好きになる。一つの典型的な例であろう。
 ビールと並べては大変失礼だが、中国の聖人、孔子もそうだった。高校の時、私は孔子が嫌いだった。『論語』に書かれているような思想は、「常識」的なこと、あえて言うまでもないことのように思えたのである。

全文は「週刊ポスト」でお読み下さい。

http://www.weeklypost.com/091218jp/index.html

12月 10, 2009 at 08:23 午前 | | コメント (1) | トラックバック (0)

文明の星時間 鼻行類と先生

サンデー毎日連載
茂木健一郎 歴史エッセイ

『文明の星時間』 第93回 鼻行類と先生

サンデー毎日 2009年12月20日号

http://mainichi.jp/enta/book/sunday/ 

抜粋

 動物行動学の大家。日高先生の本を、子どもの頃から愛読していた。特に、中学1年生で読んだ『チョウはなぜ飛ぶか』には大きな影響を受けた。
 クロアゲハなどの蝶が、いつも決まった道を通る。「蝶道」と呼ばれる飛行の経路のようなものがあることは、ものごころついてからずっと蝶を追いかけていた私には、経験からわかっていた。
 日高先生の『チョウはなぜ飛ぶか』は、日照や、緑の分布などの条件によって、いかに蝶の飛行ルートが決定されるかということを極めて明晰に論じていた。子どもの頃から、ずっと疑問に抱いていたことが一つひとつ解明される快感があった。
 具体的な実験の積み重ね。仮説とその検証。ものごとの本質を見抜く力。中学生になって、「科学者になる」という夢を実現させる階段を一歩ずつ上り始めていた私。日高先生の本は、「科学とはなにか」ということを教えてくれた。その日高先生が訳された本だったから、私は『鼻行類』を真に受けてしまったのである。

全文は「サンデー毎日」でお読みください。

本連載をまとめた
『偉人たちの脳 文明の星時間』(毎日新聞社)
好評発売中です。


12月 10, 2009 at 08:23 午前 | | コメント (2) | トラックバック (0)

それをマネして口癖にして

 ソニーコンピュータサイエンス研究所にて、
The Brain Club。

関根崇泰がhindsightに興味を持っている
ということで、
箆伊智充が関連した論文を引っ張って
きた。

Superbowlの試合結果についての
hindsight。

ある特定の問題を、一般化すると
見通しが良くなってより普遍的な
意義がわかることがある。

hindsightも、self-esteemや
self-approvalの維持という
ことだけでなく、
cognitive processとouter eventsの
間のconsistencyや、predictionに
つながるworld modelの(事後)修正
といったより一般的なdynamic homeostasisの
問題の一部と考えて初めて
意味が出てくるのではないか。

続いて、田谷文彦が、
perceptual decision makingの一般原理に
関する論文を紹介。

DLPFCがchoiceの確信度と
相関を持つ。
しかし、specificなsensory information
そのものは、皮質の他の場所で表現
されているのである。

みんなでチェゴヤへ行って
議論しながら昼食。

コンビニに行って、買い出しをする。

このような、ごく普通のゼミの
流れとか、そのようなありきたりの
ことを、10年後、20年後には
とても懐かしく思い出すのだろう。

人生において大切なことは
ごくごく平凡なことの中に
あるような気がする。

田谷文彦と一緒に研究所を出て、
山の手線で田町へ。

田谷が今研究をしている
慶應大学のGCOEプロジェクト
を見学する。

近くにある三階建てのビルの
一階の黄色いところが、
噂の「ラーメン二郎」
だと教えてもらった。

ラーメン二郎に、あと100メートル
まで近づいた。

東京タワーの下まで歩く。

『チューボーですよ!』の
収録。

堺正章さん、枡田絵理奈さん
と一緒にキッチンで
働く。

隣りに立つ、というのは
何とも言えない温かさが
伝わってくるもの。

ぼくは、小学校1年生の時に、
堺さんが「やってやれないことは
ない、やらずにできるわけがない」
と言っているのをテレビで見て、
それをマネして口癖にして、
縄跳びの二重回しにチャレンジ
していたのだった。

12月 10, 2009 at 08:22 午前 | | コメント (8) | トラックバック (2)

2009/12/09

The lights corridor

The lights corridor

光の回廊

The Qualia Journal

9th December 2009

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12月 9, 2009 at 07:30 午前 | | コメント (9) | トラックバック (0)

メダカヘリコプター

 やることが、重なって、
 再びライフ・ゲームで言えば
「グライダー」の動きに。

 秋はすっかり冬になった。

 歩道に落ちている葉っぱの
数々も、すっかり踏まれて、
もう路面に溶け込み始めて
しまった。

 NHK。
 『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の打ち合わせ。

 小国ディレクターの初めての
仕事。

 まっすぐで、剛直な小国さんの
仕事ぶりが印象付けられる。

 思えば、人生とは旅である。

 一人ひとりが、子どもの頃から
思いを抱き、学校に進み、
夢を見て、努力し、やがて
社会の中でそれぞれの居場所を
見つけていく。

 「今、ここ」という
「スナップ・ショット」から、
来し方行く末を想像する。

 荒川格さんと、屋上で、
ロケをした。

 ヘリコプターが遠くを飛んでいる。
 小さな点となって、お腹のところが
光ってまるでメダカのよう。

 そういえば、宇久島で
タクシーの運転手さんに
イノシシの話を聞いたな。

 前はイノシシなんていなかったのに、
最近見るようになったそうだ。

 隣りの島から海をわたって
やってくるらしい。

 「猟犬に追われた時なんかに、
海に飛び込むらしいですよ。」

 「そうですか。」

 「漁師が、沖で漁をしている時に
海をおよいでいるのを見た、とよく聞きますよ。」

 「それにしても、泳ぎ着いても、
オスとメスが揃わないと繁殖できませんね。」

 「どうやら、つがいで泳いでいるらしいですよ。」

 隣の島を目指して泳ぐイノシシ。

 人生でもそういうことはありそうではないか。

 スピノザによれば、「神」はイノシシも
メダカヘリコプターもグライダーも
皆見ているはずだ。

12月 9, 2009 at 07:29 午前 | | コメント (9) | トラックバック (1)

2009/12/08

(今度の土曜)ミューズがここに降りてくる! 宮本亜門さんとの対談

演出家の宮本亜門さんと対談します。

数々のすばらしい舞台を手がけてきた
宮本亜門さん。

先日、ミュージカル『グレイ・ガーデンズ』
を観て、改めて宮本亜門演出の
素晴らしさに目を啓かされました。

限りない情熱。
人間をまっすぐに見つめる眼差し。

観る者を勇気づける芸術の力
について、語り合います。

聞けば、元気が出る。

そんな対談になるはずです。

みなさま、ぜひお出かけください!

2009年12月12日(土)
19時〜20時30分
有楽町朝日ホール(有楽町マリオン)

詳細

12月 8, 2009 at 11:13 午前 | | コメント (4) | トラックバック (2)

The headmaster's platform

The headmaster's platform

校長先生の演説台

The Qualia Journal

8th December 2009

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12月 8, 2009 at 07:20 午前 | | コメント (2) | トラックバック (1)

即興的。そして、時々刻々移り変わる。

人間を考える上で、すべてのよき
ものの原型は、子どもの時代に
あるのではないかと思う。

宇久島の小学生たちと、
話をして、そんなことを思う。

新しいものとの出会い、発見、驚き。

彼らの日常は、瑞々しい生命の気配に
満ちていて、
そんなものを忘れてしまっている
大人たちに貴重な教訓を与えてくれるのだ。

大人が、縄跳びをする、と知った
時の爆発するような喜び。

「ねえ、二重回しやってみて」

「はやぶさ跳びできる?」

「見てみて。私は、これができるの。」

いっせいにわーっと集まってきて、
身体を動かす。そのスピード感と
躍動感、没我。時の流れを忘れること。

なんて素晴らしいんだろう。

福岡国際マラソンの選手たちも、素晴らしかった。

でも、彼らはやはり大人で、その集中は
管理と持続という枠の中で行われている。

子どもたちの熱狂は違う。
即興的。そして、時々刻々移り変わる。
かつては、皆、そんな素晴らしい
存在だったのだ。

小学校を卒業して以来初めて、
「給食」を食べた。

メニューはカレーライス。

子どもたちと机を並べて
スプーンでぱくん!

小学校の先生はいつも
こんな時間を過ごしている。
素晴らしい。

時代の流れが、ITから
農業や環境へと最先端が移って
きているように、教育の現場でも、
大学よりも小学校の方へと
重点が変わってきているように
思えてならない。

むろん、大学も大切である。
しかし、それはどちらかと
言えばITに似ている。

子どもたちは、より自然に近い。

木村秋則さんが無農薬、無肥料で
りんご栽培に成功したのと
同じような、
「複雑系の制御理論」における
香ばしい難しさとやりがいが
子どもたちに向き合う時間の
中にあると思う。

船で4時間かけて福岡に戻る。

島がたくさんある海を通った。
地球は広い。そしてたくさんの
宝ものを秘蔵している。


12月 8, 2009 at 07:20 午前 | | コメント (16) | トラックバック (2)

2009/12/07

In a nutshell, yes.

In a nutshell, yes.

お昼に食べたいものは、つまり

The Qualia Journal

7th December 2009

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12月 7, 2009 at 08:01 午前 | | コメント (6) | トラックバック (1)

びゅーんと張り詰めた空気が

今は日曜日の午後1時20分。

福岡にいる。

目黒実さんと会っている。

午後、佐世保に出て宇久島にわたる。

そこはネットが通じないらしい。

そこで、今のうちに書いて、ブログの
更新を月曜朝に予約しておこうと
思う。

一風堂でラーメンを食べていたら、
「マラソン」をやっているという。

まさか、と思ったら、まさに
福岡国際マラソンだった!

子どもの頃、あこがれてみた
大会。ショーター選手や、
宗兄弟。

生で見られるなんてこんな
チャンスは滅多にない。

一風堂近くの薬院通りは
13時くらいに通るという。

ラーメンを食べて、交差点で待った。

パトカーが通ったら、子どもが
「あっ、パトカーだパトカーだ!
とうれしそうに笑った。

その後すぐに先頭集団がきた。
ほとんどがアフリカ勢。

スピードマラソン時代になって、
アフリカの人たちが強い。

びゅーんと張り詰めた空気が、
ぼくの前をあっという間に
通り過ぎていった。

ついに福岡国際マラソンを生で見た!

幸せだった。

12月 7, 2009 at 08:00 午前 | | コメント (15) | トラックバック (2)

2009/12/06

明治大学 脳科学と哲学との対話

脳科学と哲学との対話

第4回
2009年12月11日
16時20分〜17時50分

明治大学駿河台校舎アカデミーコモン
3階 アカデミーホール

合田正人教授の『フランス文学演習』
の枠で開催されますが、どなたでも聴講可です。

詳細

スピノザの『エチカ』の大系、
神の概念、偶有性の存否と
心脳問題の関係について
考察します。

12月 6, 2009 at 07:27 午前 | | コメント (9) | トラックバック (0)

I could not have been otherwise.

I could not have been otherwise.

私は、他の私ではありえなかった。

The Qualia Journal

6th December 2009

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12月 6, 2009 at 07:26 午前 | | コメント (2) | トラックバック (0)

何となく寒いと

あまりなじみのない駅で降りる時は、
いつもドキドキする。

武蔵小金井の改札を出て、

東京学芸大学附属小金井中学校へ。

高校を学芸大学附属に行ったから、
なんとはなしに後輩たちに会うような気持ちになる。

体育館に、中学1年生2年生3年生。
そうして、保護者のみなさん。

一生懸命話をしたよ。

お子さんが通われているということで、
田口善弘夫妻がいた。

田口さんの『砂時計の七不思議』
は名著である。
田口さんは、現在、サバティカルで
英国ケンブリッジ郊外の研究所にいる
とのこと。

何度もドライヴしたA10のことや、
Duxfordの航空博物館の話をすると、
本当になつかしい思いにかられた。

Stephen Fryのtwitterで、
ケンブリッジ大学創設800年記念の
ガラがニューヨークで開かれたと知った。

お台場スタジオ
『ベストハウス123』の収録。

生理学研究所の柿木隆介教授が
EEGの計測をする。

柿木さんの、経験に裏付けられた
波形の解析を聴きながら、
経験の積み重ねが「知」につながる
ということを改めて思う。

冬の雨は冷たい。

何となく寒いと我は思ふのみ 漱石 

12月 6, 2009 at 07:26 午前 | | コメント (10) | トラックバック (2)

2009/12/05

The Orange Revolution

The Orange Revolution

オレンジ色の革命

The Qualia Journal

5th December 2009

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12月 5, 2009 at 08:19 午前 | | コメント (4) | トラックバック (0)

いつ推移は

 TEDx Tokyoをやっている
Patrick Newellが研究所にやってきて
話し込む。

 一時間の予定が、気付いたらオーバー
していた。

 楽しいと時間を忘れる。

 龍馬についての打ち合わせ。

 歌舞伎についての取材。

 みんなで、「あさり」
にお昼ご飯を食べに行く。
 ぼくはカキフライとコロッケの
ミックス定食。

 The Brain Club。

 箆伊智充くんが、
Rubber Hand Illusionが起こると
実際の手の皮膚の温度が
下がるという興味深い現象を紹介。

 ぼくは、air puffの皮膚感覚が
音素認識に影響を与えるという論文と、
 スピノザの『エチカ』の一部
(英文)を議論。

 戸嶋真弓さんが、言語習得に
伴う脳の解剖学的変化についての
論文紹介。

 こうやって、皆で脳やその他の
ことを考えているのが一番楽しいな。
 
 朝日カルチャーセンター。

 打ち上げは、「ライオン」。

 いろいろな人が来て、話した。

 もう街は、歳末。

 二次会の席で、ぼくは
そうだ仕事をしないと間に合わないと思って
パソコンを打っていたが、
 気付いたらいつの間にかダッコして
眠っていた。

 不思議だな。いつ推移は起こったのだろう。

12月 5, 2009 at 08:19 午前 | | コメント (15) | トラックバック (3)

2009/12/04

Eating kaki

Eating kaki

カキ食えば

The Qualia Journal

4th December 2009

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12月 4, 2009 at 07:24 午前 | | コメント (5) | トラックバック (0)

脳とこころを考える 『脳と冒険』

脳とこころを考える
『脳と冒険』

第2回

朝日カルチャーセンター新宿
2009年12月4日(金)18時30分〜

詳細 

12月 4, 2009 at 07:24 午前 | | コメント (5) | トラックバック (0)

新しいということは

山から降りたら、ネットが通じた。

原稿が送れた。たくさんメールが
届いていた。

鎌倉へ。

神奈川県立近代美術館で行われている
内藤礼
『すべて動物は、世界の内にちょうど
水のなかに水があるように存在している』
 
を見る。

第一展示室のインスタレーションが
圧倒的。

ぼくはそこを離れたくなくて、
いつまでもいつまでも歩き回っていた。

人間の魂と、命のありかたに関心がある
すべての人は、この展覧会に行かなければ
だめです。

美術館の中のカフェで内藤礼さんと
対談。

寒い日で、外の空も暗かったけれども、
ぼくたちはきっと見えない白熱電灯を見つめていた。

ほのかなあかりは、それだけで
希望を抱かせてくれる。

新しいということは、つまり
それがかつて「誕生」と結びついて
いたということであり、
だからこそ、どこかなつかしい
気持ちがするのだろう。

12月 4, 2009 at 07:23 午前 | | コメント (13) | トラックバック (2)

2009/12/03

Collision without prior knowledge

Collision without prior knowledge

The Qualia Journal

3rd December 2009

http://qualiajournal.blogspot.com/

12月 3, 2009 at 10:16 午前 | | コメント (4) | トラックバック (0)

選んだ5句のうち2句は

NHK出版の前にくると、
いるかと持った高井健太郎さんがいなかった。

二階で呆然としていると、高井さんから
電話があった。

「入れ違いになったんですね」

高井さんが部屋に連れていって
下さった。

伴田薫さんがにこにこ笑っている。

部屋詰めでゲラを見る。

大場旦がやってくる。

怪奇オオバタン。

どうしても気になって、
オオバタンの方をちらちら見る。

オオバタン曰く「ゲラに集中して
ください!」

すごむと迫力があるのは、
編集長になってますます磨きがかかった。

品川駅から小田原へ。

新幹線を降りると、作曲家の渡辺俊幸さんと
いっしょになる。

湯河原でタクシーに乗ると、運転手さんが
不思議がった。

「今日は何かあるんですか。さっきも
お客さんをうおしづまで乗せました。」

黛まどかさん主宰の「湯河原句会」。

今回の参加者は、

煎茶家元の小川後楽さん
構想日本の伊藤伸さん
日経新聞論説委員の伊奈久喜さん
東京財団会長の加藤秀樹さん
国文学者の高橋世織さん。
登山家の竹内洋岳さん
表装作家の麻殖生素子さん
スポーツジャーナリストの増田明美さん
写真家の南浦護さん
作曲家の渡辺俊幸さん
小田原高校の岩本明子さん
そして、黛まどかさん
だった。

加藤秀樹さんに「必殺仕分け人」
と書かれたはちまきを頂く。

加藤さんは、まさに「仕分け」
の総元締め。

貴重なものを下さった。

前回の句会で、私は「嵐樹」(らんじゅ)
という俳号を考えてきたが、
「ケンケンにはかっこよすぎるわよ」
と黛まどかさんに一蹴されて、
「天保丼」という俳号をつけられた。

そろそろ「嵐樹」を許してもらえると
思ったら、「まだまだダメよ。」
と師匠のお許しがでない。

仕方がないので、謹んで
師匠に頂いた俳号を使う。

ひどい俳号を師匠からつけられたのは
私ばかりではない。

皆、「それはかっこ良すぎるわね」
とヘンな俳号をつけられる。

それでも、みなにこにこ笑っているのは
師匠の人徳というものだろう。

今回私が詠んだ俳句

冬の蝶 ビークマークの 相名残り

深山来て 出会いし鹿の 後ずさる

見納めの 紅葉は光に 変容す 

           天保丼


寺田寅彦の追想によると、漱石は
俳句について次のように語っていたそうだ。

「俳句はレトリックの煎じ詰めたものである。」
「扇のかなめのような集注点を指摘し描写して、
それから放散する連想の世界を暗示するものである。」
「花が散って雪のようだといったような常套な描写を
月並みという。」
「秋風や白木の弓につる張らんといったような句
は佳い句である。」
「いくらやっても俳句のできない性質の人がある
し、始めからうまい人もある。」

ぼくが俳句をどれくらいわかっているか
知らないけれども、
選んだ5句のうち2句は師匠の句だったから、
それなりに選句眼はあるのだろう。

「特選」に選んだのも、師匠の句だった。

宴会が終わり、まだ少し早いが
ちょっと横になろう、と布団に入ったら、
そのまま朝まで眠ってしまった。
エレベーターに乗ってぶんぶん振り回され、
荷物を忘れる妙な夢を見た。

だから今朝は、早くから温泉に入って
気持ちが良かったが、
ネットが通じないので日記のアップは
後になる。

12月 3, 2009 at 10:16 午前 | | コメント (21) | トラックバック (2)

2009/12/02

Make me whole

Make me whole

私が全き存在になる

The Qualia Journal

2nd December 2009

http://qualiajournal.blogspot.com/

12月 2, 2009 at 08:22 午前 | | コメント (7) | トラックバック (2)

この人はいいんです。

朝、コンビニの袋と
はさみを持って風呂場に行き、
髪の毛を切った。

ここのところ、ちょっと長いな、
と思っていたのだ。

所要時間2分。チョキチョキチョキと
切っていく。

一応鏡は見る。後ろは手で触って
勘である。

イギリスに留学している時、
最後にキプロス島の兄弟がやっている
床屋に行って、一時間ずっと
キプロス島の話をした。

次に髪の毛を切る段になった
時、「またキプロス島の話をするのは
大変だな」と思って、下宿で自分で
切った。

それ以来、髪はずっと自分で
切っている。

『エチカの鏡』の収録前、
トイレで鏡を見たら、横が
ちょっとはねていたので、
水をつけて直そうと思ったら、
あまり効果がなかった。

朝倉千代子さんが入り口に
いたので、「髪の毛直そう
としたらだめでした」
と言ったら、「茂木さん、髪の毛
一応直そうとすることがあるんですか!」
と言って笑った。

「そもそも、どこをどう直そう
というんですか・・・」

私は、髪の毛は朝しか洗わない。
小学校の時、夜髪の毛を洗って
寝ると、朝になってあちらこちらに
「芽」が出ている。

それをいくら押さえても直らず、
参ったなと思いながら登校した。

朝洗えば、少しはましになる。
ぴょんぴょん跳ねない。

前室に入ったら、小林幸子さんが
会話を聞いていたらしく、
「髪ちょっと整えてもらったら」
と言った。

小林幸子さんの髪の毛は
飴細工のようにキレイなかたち。

朝倉さんが、「この人はいいんです」
と説明してくれた。

「この人はいいんです」

ほっとしたような、情けないような。

タイムマシンに乗って、
小学校の教室に戻る。

ぼくの
髪の毛がぴょんぴょんはねている
のを、小学校の同級の女の子たちは
どんな風に見ていたのだろう。

12月 2, 2009 at 08:21 午前 | | コメント (24) | トラックバック (2)

2009/12/01

Hideo Kobayashi

Hideo Kobayashi

一本の電話がきっかけで、小林秀雄の夢を見る。

The Qualia Journal

1st December 2009

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12月 1, 2009 at 09:06 午前 | | コメント (4) | トラックバック (1)

週刊ポスト 脳のトリセツ 第21回

2009年12月11日号


脳のトリセツ 第21回

子どもを「進化」させる教育

〝公立か私立か〟という風潮は教育の本質を見失っている。
子どもをぐんと伸ばすのは教師の人柄の魅力だ。


抜粋

 先日、小学校時代の恩師と会う機会があった。
 お目にかかったのは小林忠盛先生。小学校5年と6年の二年間担任していただいた。いつも生徒のことを考えて下さっている、熱血先生だった。
 小林先生から受けとったものは測り知れない。小学校を卒業してから三十数年経った今も、時折思い出すことがある。

全文は「週刊ポスト」でお読み下さい。

http://www.weeklypost.com/091211jp/index.html

12月 1, 2009 at 09:06 午前 | | コメント (0) | トラックバック (1)

文明の星時間 「のもひげ」を探して

サンデー毎日連載
茂木健一郎 歴史エッセイ

『文明の星時間』 第92回 「のもひげ」を探して

サンデー毎日 2009年12月13日号

http://mainichi.jp/enta/book/sunday/ 

抜粋

 「これは新種に違いない!」
 ぼくたちはもう、何の根拠もなくそう思い込んでしまった。それまでの人生で、そんな姿の生きものを見たことがなかったのだ。
 新種の名前を付けるのは発見者の特権だくらいのことは知っていた。一緒に見つけたのは、布目君と大野君。二人とも鼻息が荒かった。ぼくが、「見つけた人が名前をつけて、学会に報告できるんだよ!」とすごい勢いでまくし立てたせいもあるかもしれない。
 早くしないと、他の誰かが見つけてしまうかもしれない。しかし、親友どうしで、功を争い合うのも避けたい。本来目出度いことのはずなに、仲違いはイヤだ。はやる気持ちを抑えて、三人で平等に命名することにした。
 どうしたらいいんだろう、早くしなくちゃ、急がなくちゃと田んぼの横で議論した。子どもなりの智恵を絞ってしばらく考えた後、三人の名前の一部をとって、それをつなげることにした。
 「もぎけんいちろう」の「も」、「ぬのめひとし」の「ひ」、「おおのしげゆき」の「げ」、それに、大野君と布目君に共通の「の」をとって、「のもひげ」と名前をつけた。

全文は「サンデー毎日」でお読みください。

本連載をまとめた
『偉人たちの脳 文明の星時間』(毎日新聞社)
好評発売中です。


12月 1, 2009 at 09:05 午前 | | コメント (3) | トラックバック (1)

太陽と龍とネオンと。

高知から一番の便で、羽田へ。

カレーライスを食べて、青森行きの便を
待つ。

『脳と仮想』以来、羽田空港の朝の
カレーライスには、特別な意味を見い出す。

Graziaの大久保さんが、入り口に
立っている。
「海老蔵さんがまだなんで、待って
います」

ぼくは一足先に機内に入って、
Japan Timesを読み始めた。

やがてその人は来る。

海老蔵さんの顔をみると、思わず
笑みがこぼれる。

周囲を元気にする不思議な力を持った
人。

空港で降りる。おはよう、おはよう。

一路弘前へ。うまいそばを食べる。

木村秋則さんのりんご畑へ。

木村さんは畑仕事をしていて、
私たちの姿を見つけて、
大きく一つ笑って、それからこちらにやってきた。

海老蔵さんと木村秋則さんは初対面。

リンゴの木の下で二人は話し込む。


木村秋則さんと海老蔵さん、初対面の瞬間


りんごの木の下で。

ぼくは『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の木村秋則さんの回を撮影した
原田人さんといろいろと旧交をあたためる。

以前、木村秋則さんの畑を雪の中
訪れた時に、ぼくが撮った
原田人さんの写真がとても良かった。


木村秋則さんの畑で撮影する原田人さん。
(2008年11月25日)

それを再現しようと、いろいろと
アングルを試みる。


木村さんの畑でカメラを構える原田人さん。
2009年11月30日。


木村秋則さんを撮影する原田人さん

それから、ぼくは、歩き回って、
探り続けた。

木村さんが、ずっとりんごの花が
咲かないで、隣りの人が
「おい木村、りんごが咲いているぞ」
と教えに来てくれて、
畑を見に出かけていって、
それでも、信じられなくて、
恐くて仕方がなくって、
隣の畑の小屋の陰からそっと見た、
その小屋からの視界を体験してみた。


木村秋則さんが恐る恐る自分の畑を覗いた
小屋の隅。ネットの向こうにあるのが木村さんの畑。

それから、りんご作りが
ずっとうまく行かなくて、木村さんが
ついに死を決意して、首をくくるための
ロープを持って、岩木山へと歩いていった、
その道を私もたどってみた。

途中から、ちゃんとした道はなくなって、
林の中を抜ける細くかすかな小径となる。

木村さんは、この小径を歩いていった
んだなと思うと、頬をなでる風が
冷たくて温かくて変な感じだった。


運命の夜。岩木山へと至る道。


木村さんのりんご畑


木村さんのりんごの木を、土が育む


木村さんのりんご。


木村さんの「奇跡のりんご」
を使ったスープが出される
弘前市内のレストラン山崎へ。


レストラン山崎

スープは口の中でまるで生きものの
ように踊って。
まさにミラクル。

この一口のために、わざわざ弘前まで
来る価値がある!

レストランの中で、木村秋則さん、
市川海老蔵さんと話し込む。

海老蔵さんが、木村さんに、
「なぜそんなに元気なんですか」
と聞くと、木村さんは、
「一度捨てた命だからねえ」
と言って、それから太陽のように
笑った。

木村さんの声に呼応して、
海老蔵さんが身体をくねくねと
動かすと、そこに龍がいるようだった。

舞台で見得を切り、六法を踏み、
荒事をする海老蔵さんの身体は
アスリートのようにしなやかに
鍛えられている。

弘前で、ぼくは太陽と龍に囲まれた。


太陽と龍に囲まれて。

デザートが出る頃。

「貧乏した時に、アルバイトをした
パチンコ屋さんがとなりにあるよ。」

木村さんが言うので、ぼくは外に出てみた。

とっぷりと日が暮れた弘前の街。

木村さんが言っていたネオンの看板は
暗闇の中、美しく輝いている。

太陽と龍とネオンと。

忘れられない一日が、こうして
暮れていくのだなと思った。


12月 1, 2009 at 09:04 午前 | | コメント (14) | トラックバック (1)