Harking
11月 30, 2009 at 05:29 午前 | Permalink | コメント (4) | トラックバック (0)
エンジン01最終日。
勝間和代さんとの対談。
変革をいかに起こすか、という
熱い議論となった。
ミュージカル『「海とおりょうとピストヲル」~
龍馬は水平線の向こうに何を見ていたのか?』
私は勝海舟の役。
おりょうを演じた林真理子さんが
最後に感極まった。
会場の方々が全員立ち上がって
拍手してくださった。
土佐の心は熱い。
舞台は、「自分だけの視点」
が交錯するところ。
客席から見える光景は、
一人ひとり違う。
演じる者にとって、体験は
一つの宇宙。
自分の出番と、
他の人がやっているのを
見守っている時間と。
フィナーレで、舞台に向けられた
光が眩しかったな。
姿月あさとさんの
圧倒的な力量に、
一つの新しい世界を見ました。
みなさん、ありがとうございました!
11月 30, 2009 at 05:28 午前 | Permalink | コメント (18) | トラックバック (4)
エンジン01で高知へ。
朝から夜まで、びっしりと
スケジュール。
空いている時間は、書籍の販売の
場所にいってサインをした。
地元の本屋さんが一生懸命
売ってくださっているのだから、
少しでも売り上げに貢献できれば、
と思った。
朝、和霊神社を訪れる。
ワンカップ大関で、
「脱藩の誓い」をした。
11月 29, 2009 at 08:55 午前 | Permalink | コメント (11) | トラックバック (2)
ロイヤルパークホテルで、
文藝春秋の大川繁樹さん、
山下奈緒子さんと打ち合わせ。
笑ったり、ボルトとナットを組み合わせたり、
外のサンタの家を見たり。
Work in progress.
新しい試みはとても愉しい。
もう時間が来てしまって、
最後にふりかえって見たとき、
大川さんがまるでサンタクロースの
ように映った。
ほーほーほほ!
フォトジェニックな山下さんは
空想の動物さんみたいに。
ぴょん、ぴょん。
一年くらい前だったろうか。
有吉伸人さんが、「茂木さん、
これを見てください。この方たちは、
本当にまじめに俳句を教育に
活かそうととりくんでいらっしゃいますよ」
と一通の手紙を見せてくれた。
江東区立八名川小学校の
小山正見校長先生からのお手紙。
文字を追っているうちに、
情熱がしみこんできた。
美しく晴れた午後、
八名川小学校にうかがう。
教室から教室へ。
子どもたちが、俳句をつくっている。
お互いにどの俳句に心を動かされたか。
話し合い、伝え合う。
ああ、いい光景だなと思った。
ぼくも、かつて、あの机の間に
座っていた。
『天才バカボン』で、何でも
俳句にしてしまうおじさんが出てきて、
それのマネをして、すべて5、7、5
で言いあいっこをしていた。
女の子の方が精神年齢は高いもの。
きっと、ぼくたちのことを軽蔑して
いただろう。
それでよい。男の子のやけくそなエネルギー。
八名川小学校の生徒たちの俳句は、
よほど立派だったけれども、
男の子たちは鮎のような力に満ち溢れており、
女の子たちは路傍のスミレのようにたたずんでいた。
小山先生の情熱。
小学校のあるあたりは、小林一茶、
松尾芭蕉にゆかりがあるのだという。
歴史と、子どもたちの元気と。
ある晴れた日に、なかまたちとわいわい
俳句を詠み合った。
その楽しさを、彼らは一生忘れないだろう。
小山先生と再会を約して羽田へ。
高知へ飛ぶ。
11月 28, 2009 at 08:17 午前 | Permalink | コメント (15) | トラックバック (3)
Flower-like life
花のように生きること
The Qualia Journal
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27th November 2009
11月 27, 2009 at 08:08 午前 | Permalink | コメント (8) | トラックバック (1)
東京大学駒場キャンパスで、
池上高志と会う。
キャンパスを歩いていたら、
和仁陽の姿を見かけた!
池上とは、ファカルティ・クラブで
生命と脳について対談。
ふたりで猛スピードで話して、
40分くらいで真っ直ぐに
ある地点に到達。
「自然法則の埋め込み」についての
視点。
わあわあと言葉と思考を
踊りながらたどり着いて、
その時には、ふたりで
「もうこれでいいだろう」
と納得していた。
編集の大山景子さんは、だいじょうぶだった
かしら。
池上高志の研究室のゼミに参加。
エリックが、polymathについて
紹介していた。
ソニーコンピュータサイエンス研究所。
慶應大学、National University Singaporeの
Adrian David Cheokが来る。
Adrianの学生たちも数人来て、
さらに池上高志のところからも来て、
理研から柳川透も来たりして、
たいへんな大人数となった。
Adrianが今までやってきた
研究を紹介。
いかに、単なるデータだけではなく、
他者の存在を遠隔地において
感じることができるか。
いろいろな挑戦の連続。
本当に有意義な時間だった。
Adrian、ありがとう!
関根崇泰は、年明けから、
Adrianの研究室があるシンガポール
国立大学(NUS)へと行く。
関根クン、大いに暴れてくれ!
12月12日、対談させて
いただく宮本亜門さん。
宮本亜門さんが演出をしている
ミュージカル『グレイ・ガーデンズ』
を見る。
ケネディ大統領の妻、ジャックリーンの
叔母とその娘の実話に基づくミュージカル。
大竹しのぶさん、草笛光子さん
を始めとする実力ある俳優たち。
大竹さんの存在感は尋常ではない。
宮本さんの演出は、華やかで、
驚きに満ちていて、最後は人間そのもの
へとつながっていく。
まるでブロードウェーにいるようだった。
堪能した。
宮本さん、すばらしいステージをありがとう!
11月 27, 2009 at 08:07 午前 | Permalink | コメント (11) | トラックバック (4)
サンデー毎日連載
茂木健一郎 歴史エッセイ
『文明の星時間』 第91回 神または自然 サンデー毎日 2009年12月6日号
http://mainichi.jp/enta/book/sunday/
抜粋
バールーフ・デ・スピノザは17世紀の中頃にオランダで活躍した。その主著『エチカ』は、その思想が当時の神学と相容れず、スピノザの生前には出版されることがなかった。
スピノザの「神」の概念は、「神または自然」という言葉で表される。当時の人々が神を人間を思わせる「人格神」と考えていたのに対して、スピノザは、自然法則に従って発展していくこの宇宙そのものが、「神」だと考えた。
脳を含む私たちの身体と、私たちの心。これらの二つの「世界」は、たった一つの「神または自然」の表れであるとスピノザは考える。スピノザの考えでは、私たちの心自体が、「神」の表れであり、「自然」の属性なのである。
全文は「サンデー毎日」でお読みください。
本連載をまとめた
『偉人たちの脳 文明の星時間』(毎日新聞社)
好評発売中です。
11月 26, 2009 at 07:05 午前 | Permalink | コメント (5) | トラックバック (2)
京都駅のエスカレーターで
「茂木さん!」
と後ろから声をかけられた。
誰だろう、と振り返ったら、
「同じ新幹線だったんですね」
と笑顔。
宮崎緑さん。
私と同じフォーラムに参加
することになっていた。
「ニュースセンター9時」
のキャスターをしていた頃の
印象が鮮明に残る。
京都国際会館。
私がお話させていただいたあと、
宮崎緑さんがコーディネーターで
パネル・ディスカッション。
海原純子さん、森谷敏夫さん、
横山清さん、
家森幸男さん
宮崎さんの見事なさばき振りに驚いた。
反応が早く、また言葉の精度が高い。
本当に素晴らしい。
フォーラムは、家森先生が始められたもの。
家森さんの人徳もあり、広い国際会議場が
超満員であった。
このところ、新幹線は眠ることと決まっていた。
ところが、行きも帰りも終わらせなければ
ならぬ仕事があって、眠れない。
ひたすら集中する。いつの間にか、とっぷりと
暮れた。
ぼくは時速300キロで動いてる。
地球は秒速29.8キロで公転
している。
池袋芸術劇場。
『題名のない音楽会』。
佐渡裕さんと指揮台の上で跳ねた。
久保田直子さんは笑っていたんじゃ
ないかな。
佐渡さんから素晴らしいニュースを聞く。
音楽は、人の心を、把握できないほど
深い場所で元気にするんじゃないかな。
佐渡さん、ありがとう!
11月 26, 2009 at 07:04 午前 | Permalink | コメント (9) | トラックバック (3)
Fighting with the floor
床と闘え! 椎名誠の教え
The Qualia Journal
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25th November 2009
11月 25, 2009 at 07:13 午前 | Permalink | コメント (6) | トラックバック (0)
朝、明治神宮の森の中で、
dictionaryの取材。
桑原茂一さんが、リュックを下さった。
本当にいいひと。茂一さん。
ありがとうございます。
吉村栄一さんにぴったりの服を
神宮の売店で売っていた。
立派な龍の模様がついている。
日本マーケティング・リサーチ協会の
カンファレンスで講演。
自分自身のために、ではなく、
他人のために、という利他性が、
いかに自然な論理的延長として
マーケティングにつながるか。
そして、インターネットにおける
新たな展開。
夕刻。宮野勉から
先日久しぶりにもらったメール。
誘われて、和仁陽と三人の飲み会に行く。
四谷荒木町のとらたつま。
宮野の行きつけの店だという。
座敷で向き合うと、まるで
小津安二郎の『秋刀魚の味』
のようだと思った。
学芸大学附属高校の同窓生。
時が経って、みんなオヤジになった。
宮野勉については、
『欲望する脳』
の冒頭で次のように書いた。
ティーンエージャーの頃、私は孔子よりも老子の方が好きだった。高校のクラスメートで、「論語」を愛読している宮野勉という男がいて、老荘思想にかぶれていた私と何時も議論になった。私が、孔子は世俗を説くだけじゃないかと言うと、宮野は、老子は浮世離れしていて役に立たないと言い返す。「世間知」と「無為自然」の間はなかなか埋まらない。妥協の仕方が見つからないままに、時は流れ、宮野は弁護士に、私は科学者になった。やはり三つ子の魂百までか、というと、人間はそんなに単純でもない。
私は、孔子が次第に好きになってきたのである。社会に出て人間(じんかん)に交わるようになって、「論語」の持つ思想的深みが味わえるようになってきた。しかも、単なる処世知として評価するというのではない。「私」という人間の存在の根幹に関わるような根本的なことをこの人は言っている、と孔子を見直すようになった。人間を離れて、世界の成り立ちについて考える上でも、孔子の言っていることを避けて通ることができないと思い定めるようになってきた。逆に宮野は、孔子の知は、時に余りにも実践的過ぎて鼻につくこともあると近頃漏らすようになった。人生というのは面白い。正反対から出発して、いつの間にか近づいて行く。やはり、中庸にこそ真実があるのだろう。
和仁陽については、『疾走する精神』
の中で次のように書いた。
私がその時『旅人の夜の歌』をめぐる話をしていた相手は、和仁陽。天才だった。その言行には友人として常に畏敬の念を抱いていた。和仁は私たちの学年のセンター試験(当時の名称は共通一次試験)の全国一番になった。助手論文を基に書かれた『教会・公法学・国家―初期カール・シュミットの公法学』(東京大学出版会)は名著である。現在は、東京大学法学部で教鞭を執っている。
和仁は高校の時からドイツ語が抜群にできて、私が朗唱していたゲーテの件の詩ももちろん知っていた。何しろ、和仁は、「はやく大学に入ってドイツ語のテクストを思う存分読んでみたい」と言っていたのだ。
和仁のことを思い出すと、自然に「本物の知性」とは何かということについて考える。それは、知識の量でもないし、短時間に正確に問題を解くことでもない。むしろ、ある種の脆弱さであり、春に万物が芽吹くように、変化しつつふくらんでいく何ものかの運動である。
知性を働かせるとは、「運命の女神」の「着衣の裾」に触れようとするような、そんなときめきと不安に満ちた行為であり、感性であるのではないかと思う。ヘルマン・ヘッセが『知と愛』で描いたような、何ものかへの期待と不安に胸をふくらませた、論理と感情がないまぜになった疾風怒濤の運動である。
和仁陽が高校の卒業文集に寄せた文章のタイトルは、「ラテン民族における栄光の概念について」であった。ある時、高校からの帰りの駅のプラットフォームで和仁の姿を見かけたので、「何をしているのか」と尋ねた。和仁は、「ぼくは受験の勉強でずっといそがしいから、こんな時くらいこんな本を読まないと、精神の平衡が保てないんですよ」と答えた。彼が読んでいたのは、イギリスの女王、エリザベス一世の伝記であった。
高校という、もっとも劇的な精神の変化が
ある時代をともに過ごした経験はなにものにも
代え難い。
時を経て、また会っていろいろと愉快に
話す。
こんな悦楽はなかなかない。
また、『秋刀魚の味』宴会をやってみたい。
さそってくれた宮野勉、ありがとう。
小津安二郎 『秋刀魚の味』より
11月 25, 2009 at 07:13 午前 | Permalink | コメント (16) | トラックバック (3)
日高敏隆先生の訃報に接し、
深い哀しみの思いに打たれました。
思えば、小学生の時から
蝶の研究をして学生科学展などに
発表していた私が、日高先生の
『蝶はなぜとぶか』に出会って、
動物行動学の面白さに目覚めたのでした。
以来、日高先生の著作をたくさん
読んで、育ちました。
大学院生の時には、日高先生が翻訳された
『鼻行類』に見事に「かつがれ」、医学部図書館に
わざわざ「掲載論文」を探しに行ったりしました。
そのように、たくさんのものを受け取った
日高先生に、図らずもお目にかかり、
いろいろとお話する機会を得たのは、
人生における何よりの僥倖でした。
東京や京都にて、お話をうかがうことを
重ねたのです。
とりわけ、
昨年の夏、日高先生とコスタリカにご一緒に
旅行した経験は、生涯の宝ものと
なりました。
ジャングルのさまざまな生きものを見て、
子どものように目を輝かせていた
日高先生のご様子を、忘れることが
できません。
折に触れ、日高先生から発せられた
鋭くも深い言葉の数は、いつまでも
私の心の中に残っていることでしょう。
日高先生は、生物たちにとっての『環世界』
について論じるなど、深い哲学、世界観を持った
方でした。
日高先生の深い思想を示すエピソードを、
一つ想起したいと思います。
私たちのゼミにいらして下さった日高先生は、
「おばけ」の話をなさいました。
タクシーの運転手さんが、女性を乗せた。
ある場所で、突然いなくなった。
てっきり「おばけ」だと思ったが、
よく調べたら、合理的な説明ができた。
世の中の多くのものが、「おばけ」
のようなものである。
日高先生は、そう、看破されたのです。
そして、日高先生は、今日私たちが絶対的な
ものと思い信じている科学的な真理でさえ、
本当は「おばけ」かもしれないと
おっしゃったのです。
私の魂は、その時、震撼したことを
告白します。
そのような深い洞察に満ちた言葉が
人の口から生み出されることは、
滅多にない。そのように感じました。
ここに、日高先生に教えていただいた数々の
ことに深く感謝するとともに、
そのお人柄の温かさを忍び、
深くご冥福をお祈りいたします。
日高先生、本当にありがとうございました。
そして、お疲れさまでした。
茂木健一郎
コスタリカのジャングルにて、日高敏隆先生と。
(2008年8月14日)
11月 24, 2009 at 08:25 午前 | Permalink | コメント (15) | トラックバック (5)
プロフェッショナル 仕事の流儀
人気ショップは、こうして生まれる
~インテリアデザイナー・片山正通~
お店の空間設計を、どのように考えるか。
人はついつい「感性」に頼りがちだが、
片山正通さんは徹底してロジックを積み重ねる。
その凄まじいまでの緻密な思考。
徹する時、人は「突き抜ける」ことができる。
情熱の量に、印象は比例する。
片山さんを見て下さい。そうして、インスパイア
されてください。
NHK総合
2009年 11月24日(火)22:00〜22:49
http://www.nhk.or.jp/professional/
Nikkei BP online 「考え抜いた自分を信じる
インテリアデザイナー・片山正道」(produced and written by 渡辺和博(日経BP))
11月 24, 2009 at 08:24 午前 | Permalink | コメント (5) | トラックバック (4)
Tokyo Sky Tree
建設中の東京スカイツリーに想う。
The Qualia Journal
http://qualiajournal.blogspot.com/
24th November 2009
11月 24, 2009 at 08:24 午前 | Permalink | コメント (3) | トラックバック (0)
身体のふしぶしが痛かったのは、
一日で何とか治った。
文京区民センターにて、
講演会。
デジタルラジオでお世話になった
樺沢泉さんと再会。
エンジン01のミュージカルで
勝海舟の役を練習する。
練習会場に出かける途中、
建設中の東京スカイツリーが見えた。
浅草のアサヒビールの本社の向こうに、
すでに大きく見えていたので驚いた。
これから、浅草から見える光景も
変わるだろう。
長谷川祐子さんと対談。
ボールを打つと、
その何倍ものスピードや量で
帰ってくる。
長谷川さんは素晴らしい人。
宝もの。
余人をもってはかえがたい。
鈴木芳雄さんのブログ
「フクヘン」
に、詳しいレポートが
あります。
鈴木さん、本当にありがとう!
11月 24, 2009 at 08:23 午前 | Permalink | コメント (7) | トラックバック (1)
Bittersweet reflections
昔のことを思い出すうちに
The Qualia Journal
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23rd November 2009
11月 23, 2009 at 10:20 午前 | Permalink | コメント (3) | トラックバック (1)
蚕糸の森公園を抜ける。
たくさん人が出ている。
都市の中の公園は、
ゆったりとしたたたずまいを
見せている。
本来あるべき場所。
子どもたちがわあわあと
横をかけて行った。
大学生協会館にて、
大学生たちと話す。
もし、学生時代のぼくが、塩谷賢と
ここに来ていたら、どんな
反応をするかな。
若い時に大切なのは、
足もとのことをきちんとやると
同時に、「遠くを見ること」
だと思う。
望遠鏡で、できるだけ遠くを
見る。
同時に足もとをちゃんとしていないと
いろいろなことが覚束ない。
大学1、2年の時に塩谷と
いろいろ話したとき、
あいつが高校の時から本当に
ヤジウマ的に難書を読みあさって
いたことに驚いたっけな。
寒い中を歩き回っていたら、
夜にかけて、なんだか身体のふしぶしが
痛くなってきた。
着込んで眠ったら、
どうにも妙な夢を見た。
体調が悪化した時には観念まで溶ける。
たっぷり眠ったので、
今日はたぶんもうだいじょうぶだと思う。
11月 23, 2009 at 10:19 午前 | Permalink | コメント (14) | トラックバック (2)
Amazon Kindle
英語の本を読みまくっていること
The Qualia Journal
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22nd November 2009
11月 22, 2009 at 09:56 午前 | Permalink | コメント (2) | トラックバック (0)
日経サイエンスの対談にて、
立教大学の上田恵介先生にお目にかかる。
上田先生は鳥類の生態、行動の研究がご専門。
最近、カッコウの托卵行動に対する
防御として、卵のうちに排除するの
ではなく雛がかえってから排除
するという行動を報告して注目された。
上田先生は、鳥のことを話すのが
楽しくて仕方がない、という
様子で、お話していると、
その熱意がこちらにも伝染してくる。
本当に、いい人。
たくさんのことを教えていただきました。
ありがとうございました。
上田先生のフィールドである、
オーストラリアのダーウィンに、
一度行ってみたい。
対談の詳細については、日経サイエンス
をお読み下さい。
上田恵介先生と、立教大学にて。
上田恵介先生と、立教大学にて。木立に囲まれて。
中央大学のビジネススクールの
講演会でお話する。
田中洋先生と久しぶりにお話する。
田中先生と私には、共著
『欲望解剖』
がある。
中央大学のビジネススクールは、
社会人が仕事をしながらMBAが
取れるカリキュラムになっているとのこと。
土曜日のお茶の水界隈は、
なつかしい雰囲気に満ちていた。
かつて、「でぶしお」こと、
塩谷賢とよくこのあたりを
歩いたなあ。
あの頃のことを、少し書き留めて
おくことにしよう。
塩谷賢とは、東京のあちらこちらを歩き回った。
一番歩いた道筋の一つは、本郷キャンパスからお茶の水へと抜けるルートだった。
龍岡門から出て、湯島のあたりをずっと進んでいく。途中、「古式蕎麦」という、太くて濃い味のそばを食べさせる店に寄ることもある。ダイコンおろしとかつおぶしをたっぷり使うのである。
塩谷は、歩いている間、ずっと熱にうなされたように「無限がどうした」とか、「時間がどうした」とかばあばあ喋っている。私は、それをじっくり聴きながら、時折感想や意見のようなものを差し挟む。
塩谷のことを良く知っている人は誰でもうなづくところだが、その言っていることの半分もわからない。それでも、気にならない。なかばやわらかく、なかば堅い、不思議な混淆がそこにはあるのだ。
ある時、「真性異言」という言葉がうかんだ。塩谷のしゃべっていることは、日本語でありながら、まさに「真性異言」。あれで、本人には脈絡がついているのかと思うと、とてもふしぎだ。
塩谷と数限りない時間を歩いた青春の街。お茶の水に出れば、そこからいくらでもいくべき場所がある。
黄金コースの一つが、神田連雀町まで歩いて、「まつや」や「藪」でそばを喰い、それから甘味の「竹むら」へ行って「クリーム白玉みつまめ」を食べること。
「竹むら」は、黒蜜がほんとうに美味しい。深い甘さを堪能しながら、塩谷の真性異言をさらに聞き続けるというのが、私の学生時代のもっとも象徴的な経験であった。
11月 22, 2009 at 09:55 午前 | Permalink | コメント (20) | トラックバック (3)
演出家の宮本亜門さんと対談します。
数々のすばらしい舞台を手がけてきた
宮本亜門さん。
限りない情熱。
人間をまっすぐに見つめる眼差し。
観る者を勇気づける芸術の力
について、語り合います。
聞けば、元気が出る。
そんな対談になるはずです。
みなさま、ぜひお出かけください!
2009年12月12日(土)
19時〜20時30分
有楽町朝日ホール(有楽町マリオン)
11月 21, 2009 at 06:52 午前 | Permalink | コメント (2) | トラックバック (2)
関根崇泰は、ぼくのところで
博士号をとった。
そして、もう少ししたら
シンガポールに行く。
そのために、少しテクノロジーの
ことを考えておいてね、
と言っていたら、ちゃんといろいろと
巡らせてきた。
偉い。一週間前に、
「augmented realityが・・・」
と言ったら、「それは
何ですか?」と言ってたのに。
関根は、ちゃんと
やる気を出して、鏡と、ねずみと、
猫でストーリーをつくってきた。
まるで『トムとジェリー。』
星野英一も良かった。
普段自分が読んでいない分野、
『セル』のバイオケミストリーの
論文を引っ張ってきた。
偉いエライ!
夜、輿水精一さんに久しぶりにお目にかかった。
「ウィスキーのブレンドでね・・・」
と輿水さん。
「以前、これは使えない、ダメだと
思ったやつが、ひらめいて使ってみたら、
見事に活きましたよ。」
相変わらず渋くて格好いい輿水さん。
輿水さんとアイラ島に旅したのは、
去年の夏。
一緒にピート・カッティングをしたのが、
楽しかったな。
輿水精一さんと、ジンジャーにピ
ート・カッティングを教わる。
荒野の中を吹く風、忘れない。
11月 21, 2009 at 06:51 午前 | Permalink | コメント (13) | トラックバック (1)
東京芸大の授業などを通して
いろいろアートの議論をしてきた
荻野夕奈さんの個展が
熊本で開かれています。
11月23日まで!
荻野さんは、「東京芸大の風雲児」
だった植田工くんと結婚され、
そのことによる様々な苦労を
ものともせず、素敵な作品を
生み出し続けています。
特に、蝶のような小さな生きものを
描いた作品群が、私は大好きです。
ぜひぜひお出かけください。
茂木健一郎
________
荻野夕奈個展
小さな庭にあるもの
Yuna Ogino Solo Exhibition: Things in a Small Garden
会期:2009年11月8日~23日
会場:ギャラリーADO(熊本)
http://www.kawaramachi.net/
後援:熊本放送
詳細
______
荻野夕奈
"Things n.01-09" | 2009 | 22x27.3cm(4点組) | 油彩/キャンバス
11月 20, 2009 at 11:11 午前 | Permalink | コメント (6) | トラックバック (2)
Precisely because it is absurd.
Jabberwockyの詩について
The Qualia Journal
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20th November 2009
11月 20, 2009 at 08:09 午前 | Permalink | コメント (2) | トラックバック (2)
朝、公園の森の中を走っていると、
季節が変わるとともに
自然の様子が移っていくことが
手に取るようにわかる。
ついしばらく前までは、
コミスジがすーい、すーいと
飛んでいたのに、すっかり姿を
見なくなってしまった。
コミスジは幼虫で越冬する
はずだから、成虫は皆死に絶えて
しまったのだろう。
ちらっと見て、「あっ、コミスジだ!」
と思うけれども、本当は一つひとつが
この世にかけがえのないindividualityである。
私の友人で言えば、塩谷賢や、
竹内薫、郡司ペギオ幸夫、池上高志、
白洲信哉、井上智陽、田森佳秀
みたいなのが飛んでいる。
そう想ってコミスジたちを
振り返ってみると、なんだか
しみじみするねえ。
久しぶりに、田森についてバカ話を
書きたくなった。
田森、ごめんね。
田森佳秀というのは面白い男で、凝り始めると徹底的にやるところがある。
田森が生まれ育ったのは、北海道の豊頃町というところで、「人の数よりも牛の数の方が多い」のだそうである。
田森は、子どもの頃から、機械いじりが好きだった。そのあたりに捨ててあるテレビを分解して、中のトランジスタやコンデンサなどを、種類ごとに分類してとっておいた。箱いっぱいに素子があって、それを使って電子回路を設計するのが趣味だった。
学校の先生が、「東京に行くと、アキハバラというところがあって、そこに行くと何でも揃うんだぞ!」と言うのを聞いて、田森少年は限りないあこがれを抱いたのだという。
「ぼくも、そのアキハバラというところに行きたい!」
人の数よりも牛の数の方が多い町に住んでいる田森少年にとって、「アキハバラ」というのはまるで魔法の呪文のように思えたのだろう。
田森少年にとって、人生はいつも思ったように行くとは限らなかった。小学校高学年のある日、学校に来てみると、みんながわーわー騒いでいる。「おい、田森!」とからかっている。
あとで知ったのだが、その前の晩、テレビにタレントのタモリが出演していたのだった。そのことで、それまで取りたてて目立たなかった「田森」という名字が、俄然光り輝く特別な意味を持つようになってしまった。
田森佳秀の回想によれば、その日以来、田森は「ハードボイルドな人生を送ることができなくなってしまった」というのである。
しかし、私に言わせれば、田森は角度によってはゴルゴ13に似ている。ただ、体型があまりにも違いすぎるだけなのである。それに、田森がショットガンを構えているところを私は一度も見たことはない。
田森少年が一生懸命テレビを分解して整理し、とっておいたトランジスタやコンデンサは、結婚する時に奥さんに「これゴミでしょう?」と言われて、全部捨てられてしまった。
哀れ、田森少年!
田森佳秀氏
11月 20, 2009 at 08:08 午前 | Permalink | コメント (16) | トラックバック (2)
A picture or conversation, please!
絵か、会話をください!
The Qualia Journal
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19th November 2009
11月 19, 2009 at 08:26 午前 | Permalink | コメント (6) | トラックバック (1)
内田樹さんの『日本辺境論』を
読んでいたら、
電車を一駅乗り過ごしてしまった。
「あっ」と思った時はもう遅い。
ホームに降りて、反対側の電車を待つ。
このようなときは、本当に恥ずかしい。
猫が、獲物をとろうとして失敗すると、
ごまかすような仕草をする時がある。
あれと同じ。
「あっ、あの人乗り過ごしちゃったんだ!」
と気付かれないように、何か用事が
あるようにふらふら歩きながら、
本を開いてみたり、携帯をいじってみたり。
渋谷教育学園幕張中学校、高等学校に
うかがって、生徒たちに話をした。
とてもいい子たち。
明るくて、そして礼儀正しい。
「望遠鏡」を使って、遠くを見ている。
つま先だって。耳をそばだてて。
質疑応答になったら、
「次の世代にいろいろなものを
伝える、としても、いつか地球が終わったら
すべては消える。生きることの目的は
何なのでしょう」
「宗教と科学の関係はどのようなものですか」
など、するどい質問がたくさんくる。
ぼくはすっかりうれしくなって、
真摯に、そして熱を込めて答えた。
講演が終わったあとも、部屋にたくさん
生徒がきて、いろいろ話をした。
素敵な時間だったな。
君たち、みんな、それでいい。
悩んだ分だけ、大きくなるよ。
11月 19, 2009 at 08:25 午前 | Permalink | コメント (17) | トラックバック (2)
サンデー毎日連載
茂木健一郎 歴史エッセイ
『文明の星時間』 第90回 神前の呼び名
サンデー毎日 2009年11月29日号
http://mainichi.jp/enta/book/sunday/
抜粋
「高千穂」という場所を、私は何とはなしに峻厳なる山々が連なっているところだと想像していた。何しろ天から神が降りてきたところ。人を寄せ付けぬ、切り立った崖があるのだろうと思っていた。
とりわけ、「高天原遙拝所」は、「高天原」が遠くにあって、そこを文字通り遙かに拝するのだろうと思っていた。「高天原」自体は聖域だから入れず、遠くから見るのだろうと思っていた。
私の想像の中では、「高天原」は陽光を受けて白く光っていた。天孫が降臨した岩のようなものがあって、そのあたりには清澄な空気が漂っているのだろうと思った。私は、その光景を、まるで実際に見たかのようにありありと思い浮かべることができた。
車が高千穂に近づくにつれて、何だか違うと思った。山々はあるものの、むしろ「里山」に近い光景である。いよいよ「高天原遙拝所」という標識が現れた。小高い丘に至る道がある。
全文は「サンデー毎日」でお読みください。
本連載をまとめた
『偉人たちの脳 文明の星時間』(毎日新聞社)
好評発売中です。
11月 19, 2009 at 08:24 午前 | Permalink | コメント (1) | トラックバック (1)
A tiny leaf dancing
大海に浮かぶ小さな葉っぱ
The Qualia Journal
http://qualiajournal.blogspot.com/
18th November 2009
11月 18, 2009 at 08:06 午前 | Permalink | コメント (7) | トラックバック (1)
朝、傘を持って出なかったので、
一日中走り回っていた。
ケンブリッジにいた二年間の
ことを振り返ると、
どういうわけか、
傘を持って歩いた記憶がない。
下宿から大学まで、最初は自転車で
行っていたのが、通りをふらふらしながら
考えることが愉しくなって、
毎日歩いていた。
一時間くらいかかったろうか。
とにかく、傘を差してあるいて
いたという記憶がない。
イギリスも雨が多いはずなのに、
どうしてなのだろう。
雨は、夜の間に降ってしまって、
朝には上がっていることが
多かったようにも記憶する。
植島啓司さんとお話した時、
雨の前から
傘を持ち歩いているんじゃなくって、
降ってきたらそのあたりにある
はっぱや何やらで対処するのが
ブリコラージュだと言っていた。
カエルが蓮の葉っぱを持って
雨を避けているところを想像する。
カエルの身体は、躍動しているようだ。
雨が降ってくるのがうれしい。
それを言祝ぐ傘の使い方も
あるに違いない。
"Singin' in the rain"
という映画があったっけ。
11月 18, 2009 at 08:06 午前 | Permalink | コメント (21) | トラックバック (0)
プロフェッショナル 仕事の流儀
リハビリが、人生を面白くする
~作業療法士・藤原茂~
スタジオで話ながら、
藤原さんは声を詰まらせた。
立ち止まった時に見えてくる、
人生の真実。
藤原さんの横に立って、
見えてくる光景に耳を澄ます。
NHK総合
2009年 11月17日(火)22:00〜22:49
http://www.nhk.or.jp/professional/
Nikkei BP online 「“ムキ”になることで情熱に火をつける
作業療法士・藤原茂」(produced and written by 渡辺和博(日経BP))
11月 17, 2009 at 07:16 午前 | Permalink | コメント (15) | トラックバック (6)
If you have the soul of a poet
原爆ドームの前で考えたこと
The Qualia Journal
http://qualiajournal.blogspot.com/
17th November 2009
11月 17, 2009 at 07:16 午前 | Permalink | コメント (3) | トラックバック (1)
岡山から、広島へ。
マツダ財団の山根英幸さん
といっしょに、会場へ。
原爆ドームが見える。
いつ見ても、何か深いものを
たたえた、強いつよい印象。
平和記念公園内の広島国際会議場にて、
マツダ財団25周年の講演を
させていただく。
質疑応答も、深く響く問い
ばかりで、素敵な講演会だった。
本会場に入れなかった方々が
第二会場でビデオを見ていらっしゃると
いうので、終了後山根さんと走って
第二会場へ。
こちらにもたくさんいらっしゃった。
本当にありがとうございました。
山根さんと広島駅へ。
「財団の方にはどれくらいいられる
予定なのですか?」
と伺うと、
「2年です。それで、私は定年ですよ」
というので、びっくりして
山根さんを見た。
「ぜんぜんそんな風に見えないですね。」
「もうすぐ60ですよ。この髪だって、
黒く染めているんです。染めていなければ、
真っ白ですよ。」
「定年されたあとは、どのようなご予定
なのですか?」
「大学で学生たちに教えながら、ゆっくり
やっていきますよ。」
「そうですか。本当に、お疲れさまでした!」
疲れがたまっていたのだろう。
広島からの新幹線は、ぐっすりと
眠ってしまった。
名古屋でいったん目が覚めて、
姿勢を工夫して、
それからまた泥人形のように
眠った。
新庄村でお土産にいただいた
箱を開けてみると、
栗饅頭だった。
大きな栗が入っている。
本当は、栗といっても、一つひとつ違う。
樹も違うし、育ちかたも違うし、
息を潜めていた、宇宙のすみっこの
場所も違う。
それが、なかよく饅頭の中で
具となっている。
けなげな栗たちよ。
君たちに降り注いだ陽光を忘れない。
11月 17, 2009 at 07:15 午前 | Permalink | コメント (15) | トラックバック (3)
Surprise visit of sunbeam
突然差す陽光のように
The Qualia Journal
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16th November 2009
11月 16, 2009 at 12:02 午後 | Permalink | コメント (5) | トラックバック (0)
新庄村では、宍戸勝利さんのお宅に
お世話になった。
すてきな変人、勝利さん。
新庄村役場の島田兼広さんが
岡山駅まで送って下さった。
リュックを抱いて座っていたら、
「茂木さん、荷物置いたら
どうですか」というので、
いいです、いいですと
答えた。
いつでもノートブックパソコンを
取り出せる、という理由でリュックを
膝の上に置いている。
はっとして、
他の理由もあると気付いた。
抱きまくらのようなもの。
かかえていると、何となく
安心する。
そういえば、5歳くらいまで、
ぼくはやたらと赤いものばかり
欲しがった。帽子も、編みバスケットも、
靴も。
どうして、赤があんなに好きだったの
だろう。
岡山駅に着いたら、ネットが
通じるようになった。
少し残念な気分。
川まで歩く。
オックスフォードの川縁の
静かな気配を思い出す。
雲は流れている。
11月 16, 2009 at 12:02 午後 | Permalink | コメント (22) | トラックバック (0)
「開高健さんの可能性の、20%も、
まだ明らかになっていないと思うんですよ。」
「本当にそうですね。」
部屋を出たり入ったりしながら、
時折、雨の音を聴いた。
雨が降ると、かえって
冬の気配がやわらぐように
印象される。
今朝は、穏やかな雨。
まるで、初めてフランスに行って
味わった、カフェオレのように。
ニームの宿で、クロワッサンと
カフェオレの組み合わせの中に
ひそむ無限の歓喜を知った。
デニムはニームでできたから。
中学生になって、初めて
母親とジーンズを買いにいった時は、
何だか恥ずかしかったな。
11月 14, 2009 at 07:31 午前 | Permalink | コメント (5) | トラックバック (1)
Paris.
Paris.
パリのこと
The Qualia Journal
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10th November 2009
Secret base
Secret base
秘密基地のこと
The Qualia Journal
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11th November 2009
Apple story
Apple story
リンゴの話
The Qualia Journal
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12th November 2009
Dandelions
Dandelions
タンポポのこと
The Qualia Journal
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13th November 2009
Kobe
Kobe
アメリカのステーキハウスのこと
The Qualia Journal
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14th November 2009
11月 14, 2009 at 07:25 午前 | Permalink | コメント (0) | トラックバック (0)
駅に立っていると、二人の男の人が
話しているのが聞こえてきた。
「ものづくり、ものづくりと言い過ぎるのは
好きじゃないんだけれど」
「うん」
「それしかないんだったら、やっぱり
とことんやるしかないと思うんだよ。」
「そうだね」
「もうそれ以外には、逃げ場がないんだと、
覚悟を決めるしかないと思うんだ。」
「本当にそうだな。」
雨は上がって、いよいよ
本格的な冬が近づいてきたようだった。
「寒いですね」とタクシーの
運転手さんがいった。
「本当ですね。」
日付が変わった頃、
コンビニエンスストアに寄った。
大好きな飲み物。
そう言えば、子どもの頃は、
粉ジュースというのがあって、
水に溶かすのを待ちきれずに
ついつい舐めてしまったっけ。
あの頃、仲間と通った
「太田さん」という駄菓子やさんの
様子は、ありありと思い浮かべることが
できる。
11月 13, 2009 at 08:13 午前 | Permalink | コメント (2) | トラックバック (3)
「クオリア日記」は、「ブログ」の前身となる
「掲示板」にて、1999年11月12日に
スタートしました。
2004年9月28日から、
このブログへと引っ越しました。
本日、クオリア日記は、掲示板で
スタートしてから10周年を
迎えました。
お読みいただいている
方々に、心からお礼を申し上げます。
今後とも、よろしくお願い申し上げます。
茂木健一郎
11月 12, 2009 at 06:46 午前 | Permalink | コメント (3) | トラックバック (3)
この度は、多くの方々に御迷惑、ご心配を
おかけしたことを深くお詫び申し上げます。
お寄せいただいた叱責のお言葉を
真摯に受け止め、今後はきちんと処理を
して参ります。
本当に申し訳ございませんでした。
茂木健一郎
11月 11, 2009 at 07:28 午前 | Permalink | コメント (0) | トラックバック (3)
"Kinder, schafft Neues!"
世界が壊れたあとで受け取るメッセージ
The Qualia Journal
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9th November 2009
11月 9, 2009 at 02:53 午後 | Permalink | コメント (0) | トラックバック (1)
ベルリン滞在、明けて三日目。
お昼をイタリアンで食べていた。
前に座っているのは、講談社の西川浩史さん。
なんだかひもじそうに見えたので、
「ほら、西川さん」とお皿に私の
パスタを少し載せた。
西川さんは、「ありがとう」と言った。
それからしばらくして、また
「西川さん、あちらの方から」
と言って、私のパスタを少し載せた。
それから、みんなの食事を少しずつ載せて
回ってきたお皿からも、「みなさんから」
と言って西川さんのお皿に載せた。
そうしたら、西川さんが、
「もう要りませんよ!」
と言って、突然、テーブルの私との
間にバルサミコやら、オリーブ・オイルやら、
こしょう、グラス、ソルトなどを
並べ始めた。
やがて、もう西川さんのお皿に
載せられないくらいに、障害物ができた。
「うわあ、ベルリンの壁だ!」
テーブルの上に突然出現した
ベルリンの壁。
西川さんが、「そんなに要らない
ったら要らないんですから!」
と笑いながらこっちをにらみ付ける。
「もっとコワイ顔をしてください」
と注文しながら、写真を撮り続ける。
十分コワイ顔になったな、
と思って、満足したが、後で
見たら西川さんの目はやっぱり
笑っていた。
ベルリンの壁の向こうから、
西川さんは笑っていた。
となりでは、「クーリエ・ジャポン」
の古賀義章編集長がクールに食事を続けている。
ベルリンの壁出現! 西川浩史さんは壁の向こうか
らにらみつけるようで笑っていた。
西川浩史さんの横では古賀義章さんが食事を続ける。
ベルリンの中にある大きな公園、
ティアガルテンへ。
西川さんが写真を撮ってくれた。
ティアガルテンにて。(西川浩史撮影)
古賀義章さんと、ベルリン在住の写真家、
サワベ・カイさんの写真を撮る。
古賀義章さんとサワベ・カイさん
シュターツ・オパーにて、
『ローエングリーン』。
シュターツ・オパーの前にて。
新しいことに挑戦し続ける演出家と、
それを受け入れる観客と。
ワグナーを脱構築した演出は、
一幕目、二幕目とも、終わると同時に
正面から大声で「ブー!」
と叫ぶ人がいて、
それをかき消さんばかりに
「ブラボー!」の反響。
シュターツ・オパーでは、
「ブー!」と「ブラボー!」
で「ベルリンの壁」ができる。
演出家の意図が浸透したのか、
あるいは「ブラボー!」のこだまに気圧された
のか、
三幕が終わった後は、「ブラボー!」
しか聞こえなかった。
ローエングリーンはピアノ線につり上げられて
照明の中に消え、
照明ランプが降りてきて、
やがて「ブー!」たちは「ブラボー!」
たちへと変換されてしまった。
11月 9, 2009 at 02:53 午後 | Permalink | コメント (1) | トラックバック (0)
"Longtimes"
人をだまそうとして、しかし愉快なおじさん
The Qualia Journal
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8th November 2009
11月 8, 2009 at 02:38 午後 | Permalink | コメント (4) | トラックバック (1)
ベルリンには、20年前まで
壁があった。
その壁ができていく途中の
様子が写真に残っていて、
最初は、子どもたちが肩車をして
みたり、こっちとあっちで
握手したり、
まるであそびのような雰囲気。
壁の建設中。子どもたちが肩車。
壁の建設中。東と西で握手。
それが、次第にシリアスになっていく。
多くの人が、東から西へと乗り越えようと
して命を落とした。
何か深刻な障害が生まれる時というのは、
そんなものかもしれない。
最初はゆっくりと、しかし
気付いたらとても大きく、
その障害が立ちはだかっている。
ベルリンの壁は崩壊したが、
私たちの社会にはまだまだ
たくさん見えない「壁」
がある。
それがあまりにも当たり前で、
気に留めないでいるものも含めて。
夕刻。
連邦議会の建物の前に座って、
次第に暮れなずむ空を見ていた。
連邦議会の前で、日は暮れていく。
ライトアップされた連邦議会。
「ここにはないもの」
がたくさん思い浮かんだ。
雑踏。温かい空気。自然の
さまざま。
日本とドイツは似ているようで、
全く違う。
人と人との距離の取り方。
ベルリンは、日本の基準から
言えばすべての間の距離が大きすぎる。
新宿の雑踏のような、密集した
猥雑さはその気配すらない。
我彼は圧倒的に違うんだな。
青年期だったら絶望をもたらした
その認識が、今はなぜか
癒しであるように思われる。
それぞれ違う、その入り口から、
やがて一つの「普遍性」に至る。
そんな道があるように思えて。
11月9日が壁崩壊20年なので、
あちらこちらで様々な気配。
それぞれの人、それぞれの道が、
それぞれの切実さを生きて
たった一回のダイナミクスをたどっている。
今も記念に残されている壁。空には月。
11月 8, 2009 at 02:36 午後 | Permalink | コメント (21) | トラックバック (1)
郵便局を改装したというレストラン。
白いテーブルクロスの上にもこもことある
模様がかわいかったな。
11月 7, 2009 at 02:22 午後 | Permalink | コメント (17) | トラックバック (3)
Alienation of the familiar
飛行機の中から見たふしぎな富士山
The Qualia Journal
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7th November 2009
11月 7, 2009 at 02:33 午前 | Permalink | コメント (5) | トラックバック (0)
成田から飛行機に乗ってパリへ。
今、シャルルドゴール空港で、
ベルリン行きの飛行機を待っている。
ベルリンに着くといろいろと
忙しいので、
今のうちに11月7日付けの
日記を書いてしまおうと思う。
ケンブリッジの恩師、ホラス・バーローの
ことがこのところとても気にかかっていた。
何しろ1921年生まれだから、
二年くらい前に会った時は元気
だったけれども、
いつ何があってもおかしくない。
このところ、半年くらいメールを
やりとりしていなかった。
それで、心配になって、メールをした。
返事が来て、元気そうだったので、
本当に安心した。
安堵の気持ちで飛行機へ。
ホラスのこともそうだけれども、
気にかかっていることがあると、
世界が違って見える。
気分というものは空間的に投影
されるものなのだ。
飛行機の中で、久しぶりに
The Quiet Manを見た。
John WayneがMaureen O'Hara
を引っ張っていくシーンがやっぱり
良くって、感動してしまった。
11月 7, 2009 at 02:28 午前 | Permalink | コメント (13) | トラックバック (2)
The old teacher gets drunk again
人生に疲れた時に、観て癒されるもの
The Qualia Journal
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6th November 2009
11月 6, 2009 at 06:31 午前 | Permalink | コメント (7) | トラックバック (0)
近くの公園を走り、
さらに代々木から明治神宮を抜けて
NHKまで歩く。
毎日これくらいの運動をしないと
本当はいけないのダ。
2009年11月21日(土)に
放送されるBS2
『BSまるごと大全集 ちあきなおみ』
にちなんで、ちあきなおみさんに
ついてのインタビューを受ける。
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の収録。
ゲストは、小売業の再生に取り組む
大久保恒夫さん。
一番大切なことは、「人が変わる」
こと。
そして、「人が変わる」ために
一番大事なのは、
「本当のこと」「真実」
に向き合うこと。
そんな大久保さんのお話は、
ゆっくりと深く浸透して
心を動かす何かがあった。
西口でメールをチェックしていたら、
「プロフェッショナル」班から
「クローズアップ現代」に移った
河瀬大作さんが通りかかった。
河瀬さんと立ち話。
これから自転車で移動とのことで、
「ライダー」な出で立ち。
しばらく話した後で、
河瀬さんがすっとあるものを取り出した。
「あっ、iPhoneだ! いいなあ」
河瀬さんの目がキラリと光る。
「っていうか、茂木さん、なんでiPhone
持っていないんですか。」
「いやあ、電話だけは、タッチパネル
というのに抵抗があるんだよねえ。
それに、いつもノートブックパソコンを
持ち歩いているし。」
「iPhneいいですよ〜。人生変わりますよ〜。」
「くそう。悔しいなあ。」
「ははは。」
「いいよいいよ。そのうち見てろよ!」
何が「そのうち見てろよ!」なのかは、
自分でもわからない。
iphoneでぼくをからかった河瀬大作さん
NHK近くの「二合目」
にて、収録後の打ち合わせを終えた
大久保さんたちと懇談。
『プロフェッショナル』班の安全基地、「二合目」
「お疲れさまでした!」
大久保恒夫さんとお仲間たち
有吉伸人さんの大好物の
「鶏の唐揚」。
専用に一皿頼んだら、
あっという間に平らげてしまった。
しばらくして、有吉さんの
気配を感じて、3切れくらい
残っているお皿を有吉さんの前に
そっと置いたら、
有吉さんが、「ありがとうございます」
と言って、それから、
「ぼくは食べませんよ!」
と言った。
焼酎のロックを二三回すすってから、
有吉さんのお皿を見たら、
鶏の唐揚はあとかたもなく消えていた。
有吉マジック! 鶏の唐揚があっという間に消える!
奥は、末次徹ディレクター。
細田美和子さんを写したら、
かわいく撮れた。
細田さんに、「この写真でいいでしょうか」
と聞いたら、
細田さんは、「苦しゅうない」と言った。
「苦しゅうない」の細田美和子さん。奥に
日経BPの渡辺和博さん。
番組も、もう少しで丸四年になりますね。
先日、「ファブリーズ座間味」 こと、
座間味圭子さんが編集室でスタジオ部分を編集
しているのを見学した時に感じたこと。
「すみきちは、変わらず相変わらずきれいだなあ」
そう言ったら、すみきちが謙遜して
「いやあ、変わりましたよ。」
と言う。
「ぼくの方が変わったよ。お腹がふくれたし」
と言うと、有吉さんがすかさず
「12キロは太ったでしょう」
という。
「あのねえ、有吉さん、12キロも太っている
はずないでしょ! せいぜい3キロですよ。」
「茂木さん、こっちには、VTRがあるんですよ。
それで画像を比較してみれば、歴然と
するんですから、ごまかしてもダメですよ。
NHKが開発した、画像から体重いくら、
という機械で、12キロ、という数字が
出ているんですから。」
「んなわけないでしょ! 3キロ、
いや、百歩譲って、せいぜい5キロくらいの
ものですよ。でもねえ、有吉さん、
ぼくは、番組がもっと人気が出るために、
というんだったら、ダイエットしますよ!」
「甘いなあ、茂木さん、テレビ番組というのは、
太った人が出ている方がいいんですよ。」
「えっ、そうなんですか?!」
「その方が福が来るんですよ。」
「本当かなあ。じゃあ、ぼくに、もっと
太れというんですか?」
「目標12キロ!」
ぼくは、有吉さんはシドイと思った。
けたけた笑っている細田さんもシドイと
思った。
あんまりシドイので、鶏の唐揚を
もう一皿注文した。
クソウ。今日から腕立てだ!
11月 6, 2009 at 06:31 午前 | Permalink | コメント (19) | トラックバック (6)
サンデー毎日連載
茂木健一郎 歴史エッセイ
『文明の星時間』 第88回 冷泉家の蝶
サンデー毎日 2009年11月15日号
http://mainichi.jp/enta/book/sunday/
抜粋
一間に向き合って座り、為人さんとお話しする。
「私は、藤原定家に大変興味があるのです。名月記にある、紅旗征戎吾ガ事ニ非ズという言葉が素晴らしい。」
為人さんが、居ずまいを正す。
「それは、今でも、冷泉家にとって大切な精神です。」
定家十九歳の時の言葉が表すものは、「覚悟」。その時々の政治や社会の動きから距離を保ってきたからこそ、冷泉家は大切な文化財を今日に伝えることができた。
歌の会を終えた貴実子さんが戻ってくる。
「子どもの頃は、どんなことをして遊んでいたのですか?」と尋ねると、にっこりと笑って、「廊下で三輪車を乗り回していましたね。」と答えた。
「近所の子どもたちが、庭に来て缶蹴りをしたりしてね。あの頃は、塀が空いていて自由に出入りできましたから。」
冷泉家が受け継いできたのは、やまと歌に象徴される「言の葉」の力。あくまでもやわらかく、繊細に、私たちの生活のすべてを包んでいく。
私が子どもの頃蝶を好きだったと知って、貴実子さんの目が輝いた。
全文は「サンデー毎日」でお読みください。
本連載をまとめた
『偉人たちの脳 文明の星時間』(毎日新聞社)
好評発売中です。
11月 5, 2009 at 08:25 午前 | Permalink | コメント (2) | トラックバック (1)
Well before my first love
初恋のずっと前に
The Qualia Journal
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5th November 2009
11月 5, 2009 at 08:24 午前 | Permalink | コメント (5) | トラックバック (1)
五反田駅で降りて、
ソニーコンピュータサイエンス研究所
に向かおうとしていた。
歩く時は、私はぼんやりとしている。
考え事をしているからだ。
二つめの横断歩道を渡ろうとした
時、前を車が横切った。
「!」
黒いセダン。屋根の上に、円形の物体が
取り付けられている。
ずらりとあらゆる方向にカメラが
向いている。
なめらかなハンドルさばきで
運転している男が見えた。
しまった、写真を撮って
おけば良かった、と思った時には、
車はもう通りすぎてしまっていた。
凄い!
グーグル・ストリート・ビューの
車を見てしまった。
何という遭遇。
しばらく経ったら、五反田駅の
その地点の画像に、
私が登場することになるのだろうか。
NTT出版の山下さんの
取材。
ゼミ。The Brain Club。
高野委未さんと
田辺史子さんが論文紹介。
論文を読みながら
いろいろと議論するゼミの時間は
何よりもかけがえのないもの。
学生たちがぐんぐん成長
しているのがうれしい。
こっちもオチオチしていられないゾ。
亀戸の花王にて、
講演会。
終了後、みなさんと懇談。
近くには、東京スカイツリー
が建設中。
懇談の部屋から身をかがめて
一生懸命見ようとしたが、
なかなかその姿を視野に
とらえることができない。
「すでに、ものすごい高さなのに、
あれ以上高くなるのかと思うと、
びっくりしますよ」と聞いて、
ますます見たいが、見ることが
できない。
グーグル・ストリート・ビューの車は
見ることができたが、
東京スカイツリーは見られなかった
晩秋の一日。
中央公論新社の谷口法子さんから
原稿催促のメールが来た。
From: 谷口法子
Subject: 中公の谷口です(お原稿の進捗状況について)
To: kenmogi
茂木健一郎 様
先日はお世話になりました。中央公論の谷口です。
島田雅彦さんとの対談、非常に面白かったです。
茂木さんの対談を拝聴していると、科学の炎色反応実験を思い出します。
茂木さんというガスバーナーに、対談相手という物資がかざされると、
美しい色が浮かび上がる、そのような印象を受けます。
また次の対談も楽しみにしています。
さて、ラクレ12月刊『あるとき脳は羽ばたく』
のお原稿についてですが、進捗状況はいかがでしょうか。
先日、直接お渡しした「加筆原稿のお願い」のペーパーには、
勝手ながら締切を11月10日とさせていただいていました
(先日のメールでは11月6日でしたが、変更いたしました)。
よろしくお願い申し上げます。
谷口法子拝
中央公論新社 書籍編集局
ラクレ編集部
11月 5, 2009 at 08:24 午前 | Permalink | コメント (11) | トラックバック (1)
Admiration of the moon
月見に理想的な場所
The Qualia Journal
http://qualiajournal.blogspot.com/
4th November 2009
11月 4, 2009 at 08:18 午前 | Permalink | コメント (6) | トラックバック (0)
私の母親は、4年前に総胆管結石
で死にかけた。
幸いにして、手術がうまくいって、
今でもピンピンしている。
私は、最近講演会の冒頭で
よく言う。
「とにかくもう、講演会のお話は
ほとんどすべてお断りしなければ
ならない状況なのです。唯一うかがう
のは、何らかのしがらみで仕方がない
時で・・・」
と申し上げると、「しがらみで」
というところで聴衆の方はたいてい
どっと笑う。
ここのところ、その「しがらみ」
の最たるものが母を経由してくる
依頼で、
死にかけたのが生きているんだから
ありがたいことだから、
せいぜい親孝行と思って
できる限りでお受けすること
にしている。
文化の日。
母経由の講演会のお仕事を
二つ。
おかげで、小学校の時の恩師、
新井梅子先生と小林忠盛先生に
再会できた。
また、中学校の時の親友の
岡部浩史の元気な顔も見た。
みんな少しずつ歳をとって
いくな。
自然は毎年再生しているから、
至って元気なものだ。
「この河原をジャコウアゲハが飛ぶ
んですよ」と教えていただいた。
保全するために、
ウマノスズクサを植えたり
しているそうである。
『エチカの鏡』の収録。
最近出張した時に、寝る前に
昔の笑いを研究しようと思って、
酒を飲みながら
バカ殿を見ていたら、
「優香姫」が出てきた。
収録に優香さんがいたので、
「見ました」と言いました。
「見たのですか」
「はい、youtubeで見ました。あれは面白いですね。」
「はい、楽しいです。」
笑いは、まるで自然のように
再生する作用がある。
『バカ殿』は、日本の宝なり。
11月 4, 2009 at 08:15 午前 | Permalink | コメント (21) | トラックバック (1)
Oranges
「みかん」が「TVオレンジ」になったこと
The Qualia Journal
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3rd November 2009
11月 3, 2009 at 07:11 午前 | Permalink | コメント (9) | トラックバック (1)
鹿児島から熊本へ移動。
熊本市現代美術館 で、
『九州ゆかりの日本画家たち』
を見る。
田村一村のような大家から、
1980年代生まれの若手まで
を網羅した、見応えのある
展覧会だった。
河口恵さんの、
羊がたくさん並んでいる
絵がおもしろい。
熊本県立劇場にて、
熊本大学設立60周年記念講演会。
細川佳代子さん、そして私が、
それぞれ1時間お話しした。
私のお話は、2010年1月17日
放送のNHKラジオ第二
『文化講演会』で放送される予定です。
東京へ。
羽田に降り立つと、ずいぶんと寒い。
Winter has come!
NHKにて、『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の打ち合わせ。
末次徹ディレクターが担当の回。
小売り再生人、大久保恒夫!
細田美和子デスク、有吉伸人チーフ・
プロデューサーと一緒にVTRを見た。
座間味圭子さんが担当の
藤原茂さんの回の
編集の様子を編集室で見学。
座間味さんが、有吉さんと私に
インスタント・コーヒーを
淹れてくださった。
座間味さんのコーヒー。
温かくておいしかった。
アリガトウ。
有吉伸人さんとふたりで、
「S」にて話す。
いろいろと話すことがあって、
1時間、と思っていたのが
2時間となった。
すでに
もう「小さな時間」(small hours)
が更けている。
外は寒風。
西口まで戻ったら、
「あら」と言って、
生田聖子さんと、細田美和子さんが
ちょうど外に出てくるところだった。
十五夜。
細田さんの顔が、
まあるいお月様のように明るく見えた。
11月 3, 2009 at 07:10 午前 | Permalink | コメント (25) | トラックバック (3)
鹿児島には何度も来ているけれども、
いちども桜島が噴火しているのを
見たことがない。
そのことを地元の方に言ったら、
「よく噴いているんですけれどもね」
とのこと。
「二日前も、ちょっと降っていたんですけれども」
めぐり合わせの不思議さ。
ぼくは錦江湾が大好きだ。
指宿に下る道から見る
陽光も良いし、
種子島に向かう舟から
見た波頭も忘れられない。
味が途中で変わるから、
焼酎のロックはあまり
好きではないと思っていたけれども、
それさえも愛しく思うようになった。
陽光の魔法はすべてを変える。
11月 2, 2009 at 08:52 午前 | Permalink | コメント (18) | トラックバック (2)
Nobody home
何にもないことこそが私たちの魂の故郷
The Qualia Journal
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1st November 2009
11月 1, 2009 at 06:28 午前 | Permalink | コメント (7) | トラックバック (0)
学会で鹿児島に来た。
電車に乗っていたら、となりの
人がゆで卵をくれた。
本当に親切に、ありがとう。
焼酎を氷で飲んでいると、
とても美味しく、素敵な気持ちに
なってくる。
ある場所に住む、ということの
意味について考える。
九州の地図を見ていると、
へえ、こんなところが、
というようなぐねぐね曲がった
ような地形があって、
そこを道路が通っている。
もし、自分がその海の際に
住んでいたら、と想像する。
インターネットが社会を変え始めてから
10年余り。
私たちは、まだ、その革命的な
意味のすべてに気付いていない。
ネットは、地球上のどこからでも、
同じ情報にアクセスすることを
可能にした。
もはや、たとえ大自然の中に
包まれてあっても、
ネットを通して世界の
中にある尊いものすべてに
つながることは可能である。
スピノザだって、ヴィトゲンシュタインだって、
若冲だって、三島由紀夫だって、
みんなみんな、
ネットを通して「お隣さん」
なのだ。
その気になれば、古今東西の偉人たちを、
自分の方へと「引き寄せる」ことができる。
そのことの革命的な意味に、ぼくたちは
まだ気付いていないんじゃないかな。
田舎住まいと、都会住まいは
もはや等価なり。
鹿児島の繁華街は「天文館」という。
アーケードを歩いていたら、
ぽん、ぽん、ぽんという
音。
花火。
それで、思い出した。
桜島。
暗がりにどっしりとあって、
目をこらしてもよく見えない。
11月 1, 2009 at 06:28 午前 | Permalink | コメント (27) | トラックバック (5)
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