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2009/09/30

東京大学 内藤塾

東京大学 内藤塾

2009年10月11日、12日

東京大学山中寮

詳細 

テーマ

初日 『認知神経科学のシステム論的転回』
二日目 『心脳問題』ークオリアと自由意志を巡ってー

推奨図書リスト

茂木健一郎『脳とクオリア』日経サイエンス社
茂木健一郎『心を生みだす脳のシステム』NHK出版
茂木健一郎『意識とはなにか』筑摩書房
茂木健一郎『脳と創造性』PHPエディターズグループ
Roger Penrose The Emperor's New Mind
Daniel Dennet Freedom evolves
David Chalmers The conscious mind

Otherwise, google these words:
qualia, consciousness, mirror neurons, intentionality, free will,
contingency, compatibility theory

9月 30, 2009 at 05:26 午後 | | コメント (5) | トラックバック (2)

業務連絡

関係者のみなさま

本日は「兆一」ではなく、
「ライオン」新宿センタービル店です。

9月 30, 2009 at 05:16 午後 | | コメント (0) | トラックバック (0)

(本日) 有吉伸人 茂木健一郎 対談

「プロフェッショナル」の極意
超絶! 企画・演出論

NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」チーフプロデューサー 有吉 伸人
脳科学者 茂木 健一郎

朝日カルチャーセンター新宿

2009年9月30日(水)
18時30分〜20時30分

『プロフェッショナル 仕事の流儀』
のチーフプロデューサー、有吉伸人
さんと対談いたします。

有吉さんの、「映像演出論」に関する
深い見識、そして凄まじいまでの執念。

『プロフェッショナル 仕事の流儀』
が好きだという方はもちろん、
ドキュメンタリー、映像演出に
関心のあるすべての方、必聴です。

詳細

有吉伸人氏

9月 30, 2009 at 07:21 午前 | | コメント (8) | トラックバック (2)

Friendship

Friendship

漱石と子規の友情のこと

The Qualia Journal

30th September 2009

http://qualiajournal.blogspot.com/

9月 30, 2009 at 07:20 午前 | | コメント (8) | トラックバック (0)

数字に正確だなあ

松山でお昼の五色そうめんを食べている時に、
ちょうどその時間になった。

携帯のワンセグで、まずは
松山のチャンネルを検索する。

ワンセグは室内に弱い。
最初は三つしか引っかかってこないで、
窓を開けてやっと朝日放送が
リストに乗った。

自分がよく知っている人がテレビに
出るというのは、なぜそんなにも
くすぐったいのだろう。

白洲信哉が『徹子の部屋』に出た。
なにやら骨董をいじり回しながら
喋っている。

含羞を帯びた、独特の表情。

なんだかもう、恥ずかしくて、
こっちがどきどきしてくる。

信哉は、頭の回転の速い黒柳徹子
さんにちゃんと対抗して、
徹子の部屋のゲストという大役を
立派に果たしていた。
放送終了後、すぐに電話をした。

「もしもし」
信哉の声がする。

「あれっ! テレビの声と同じだ!」

「何ですか。ひとをからかうために
電話してきたんですか」と信哉。

「いやあ、立派にやっていたじゃ
ないですか。すごいすごい。」

「何をいうんですか。」

電話の向こうで、信哉が
照り桜になるのが伝わってくる。

恥じらいは、感性の
重要な指標。

来るべきものへの予感。

「骨董をずいぶんもっていったね。」

「池田さんたちと寿司幸に行った
日ですよ。」

「ああそうだったのか。」

「ひとのことを、新子をみんなで
100個食べたとか書くから、
まったくいい迷惑ですよ。
池田さんが、さすが自然科学者、
数字に正確だなあ、と呆れていましたよ。」

「ははは。」

鯛そうめんを一人前だけ食べる。

好きなものだったら、徹底して
同じものを食す。

そんな信哉の猛進が、なんだか
なつかしかった。

9月 30, 2009 at 07:20 午前 | | コメント (12) | トラックバック (0)

2009/09/29

プロフェショナル 進藤奈邦子

プロフェッショナル 仕事の流儀

新型インフルエンザを食い止める
~WHOメディカルオフィサー・進藤奈邦子~
WHOの進藤奈邦子
さんが再登場。

懸念される新型インフルエンザに対する
人類の闘いの最前線に立つ進藤さんの
姿を追います。

新型インフルエンザについての
情報も満載。

必見です!


NHK総合
2009年9月29日(火)22:00〜22:49

http://www.nhk.or.jp/professional/

すみきち&スタッフブログ

Nikkei BP online 新型インフルエンザとのグローバルな戦い WHOメディカルオフィサー・進藤奈邦子(produced and written by 渡辺和博(日経BP))

9月 29, 2009 at 07:24 午前 | | コメント (6) | トラックバック (3)

A brain the size of Kent

A brain the size of Kent

オスカー・ワイルドと、スティーヴン・フライのこと。

The Qualia Journal

29th September 2009

http://qualiajournal.blogspot.com/

9月 29, 2009 at 07:23 午前 | | コメント (5) | トラックバック (0)

古代ギリシャに戻っている

夏目漱石のことで、
松山へ。

道後温泉本館のお湯につかりながら、
青山ブックセンターの後の飲み会で
港千尋さんに聞いた話を
思い出していた。

フランスでは、大学生が
ストライキをしていて、
もう半年くらい大学が閉鎖
されているそうだ。

それで、教授と学生が
通りを歩きながら議論していて、
即席の講義が成立する。

「古代ギリシャに戻っているんですよ。
ははは。」と港千尋さん。

すっかり運命は分かれてしまった。

日本では、国が定めた
祝日にまで、大学は授業を
している。

「授業日数」を確保するという
理屈らしい。

「文部科学省の役人は、
学生を机に座らせていれば、
それに比例して賢くなると
思っているんだよ。」

私の信頼するある学究は、
そう憤慨していた。

「自由」は進化する。

精神を闊達にすることを真剣に
考えなければ、
私たちは次のステップに行けない。

フランス革命を起こした
国のあり方は、時にまぶしく、
温かい。

松山城のライトアップは、
午後11時で終わった。

夜の底から虫の声が聞こえる。

8階なのに、すぐそこから
響いているかのように届いている。

9月 29, 2009 at 07:22 午前 | | コメント (20) | トラックバック (2)

2009/09/28

High tension

High tension

池上高志とのトークセッションのこと

The Qualia Journal

28th September 2009

http://qualiajournal.blogspot.com/

9月 28, 2009 at 07:19 午前 | | コメント (10) | トラックバック (0)

チコ

東京に戻る。

ホテル・オークラ。
文藝春秋の講演会。

二子玉川 高島屋。
リバーサイド・クラシックスの
オープニングのトーク、
サイン会。

青山ブックセンター。
池上高志とのトーク・セッション、
サイン会。

前日の博多から数えて、
全部で400冊くらいの
本にサインした。

キリンと火山をたくさん描いた。

朝ぼらけ、
さすがに呆然として、
近くのコンビニにポテト・サラダを
買いに行った。

目の前を犬が横切った。
白と黒のぶちの、かわいい犬。

それで思い出した。チコのこと。

チン。小学校5年生の時に、
平井さんのところからうちにやって
きた。

ずいぶん可愛がって、大学院生の
頃まで生きた。

よく、自転車の前のカゴに乗せて、
チコと散歩に行った。
おとなしくちょこんと座って、
現地につくとだっとかけた。

だんだん衰弱して、ものが
食べられなくなった。

大学から帰ってきたら、
ベランダでひなたぼっこを
していた。

チコ、と抱き上げると、
まるで、ぼくが帰ってくるのを
待っていたように、
腕の中ですーっと息を吐いて、
それでもう動かなくなった。

犬は言葉を持たないけれども、
その芯の気分のようなものは
伝わってくる。

地上を去って、光のスピードで
宇宙を旅しているチコの魂。

今はもう、あのあたりまで
行っているんだろう。

9月 28, 2009 at 07:17 午前 | | コメント (27) | トラックバック (2)

2009/09/27

Audience laugh

Audience laugh

講演会のこと

The Qualia Journal

27th September 2009

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9月 27, 2009 at 05:35 午前 | | コメント (8) | トラックバック (1)

遠くにあるもの

セレンディピティのためには、
視野の中心に見えているものだけでなく、
視野の周辺にあるものに気を配らなければ
ならない。

飛行機が福岡空港に着き、
降りたその足でずっと歩いて、
ふと窓の外を眺めた時、
はるか向こうに山々が見えた。

「あっ、そうか、福岡は
山に囲まれているんだな」
と思った。

母の故郷、九州。
子どもの頃から数限りなく来て、
今年だけでも数回。

でも、山々をきちんと認識したことが
なかった。

周辺視野とともに、遠くをも。
日常において、自分を取り囲むもの
だけではなく、
遠くにあるものをも、
目に留めていなければならない。

北極星を見ていれば、
人生の軌道を誤ることはない。

山々を見たおかげで、
博多で忙しいスケジュールを
こなしつつも、
心は一日中ざわざわしていた。

遠くにあるものに、思いを馳せて。

twitterから。

kenmogi
Talk and Book signing in Hakata. 150 books. Giraffes for girls and Volcanoes for boys. Party in 15 minutes. Some typing before that.

9月 27, 2009 at 05:31 午前 | | コメント (15) | トラックバック (6)

2009/09/26

二子玉川 トーク&サイン会

トーク&サイン会

二子玉川 高島屋

2009年9月27日(日)
15時〜

詳細 

9月 26, 2009 at 06:52 午前 | | コメント (6) | トラックバック (0)

At the Imperial Hotel

At the Imperial Hotel

帝国ホテルのこと。

The Qualia Journal

26th September 2009

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9月 26, 2009 at 06:42 午前 | | コメント (6) | トラックバック (0)

水素ヘリウム真空放射。

朝日を見た。

木の間から上がってくる、赤い太陽。

その不思議な光を見ると、
全身に力を受け取っている
ように感じる。

文明以前、夜に人工的な光など
なかった頃、
太陽はいかに人を勇気づけた
ことだろう。

私もまたその力を受け取る。

やらねばならぬことが
山積していて、
どうやって切り抜けたら
良いのか、とんと見当がつかぬ。
来週まで、
果たしてどうやって
目の前の仕事、やらねばならぬ
ことを片付けていけば良いのだろう。

しかし、朝日を見れば何とか
なるように思う。

水素ヘリウム真空放射。

ぼくは、君たちの力を
今日も受けて、
ぶるんぶるん。

ほら、プロペラが回り始めた。

9月 26, 2009 at 06:41 午前 | | コメント (22) | トラックバック (3)

2009/09/25

The brat element

The brat element

私はどんなガキだったか

The Qualia Journal

25th September 2009

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9月 25, 2009 at 07:29 午前 | | コメント (10) | トラックバック (0)

ナチュナル

『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の収録中、ぼくは時々
V字テーブルでとなりにすわっている
住吉美紀さん(すみきち)
のことをまじまじと見る。

どんな表情をしているか知りたいという
こともあるが、ある技術的な
意味もある。
(昨年のプロフェッショナル班の
忘年会で、班員にはその理由を
教えてしまった。
ここには書けません!)

昨日も、すみきちのことを
まじまじと見ていた。

そうしたら、突然、
「あっ!」
と思った。

すみきちは、「ナチュラル・メイク」
をしている。

見事だ。

男というものはバカだから、
ナチュラル・メイクは素顔に
近いと思っているが、
そうではない。

手間がかかる。色をグラデーションで
描かなければならない。

そのありさまが、ありありと
わかってしまった。

すみきちの頬の色が、微妙に
変化していく様子に、私は
本番中に気付いてしまったのである。

終了後、メイク室で落としている
すみきちに、「今日、ナチュラル・メイク
だって本番中に思ったよ!」
と言った。

そうしたら、すみきちが
「うふふ」と笑った。

「今日から、ファウンデーションを
変えたんですよ。」

「何も知らない人が、はっと気付くという
ことは、やっぱり違うというこですね。」

すみきちが、ファウンデーションを変えた。
そして、ぼくはナチュラル・メイクだと
思った。

一日ごとに、秋が深まっていく。

9月 25, 2009 at 07:28 午前 | | コメント (12) | トラックバック (3)

2009/09/24

Dinner party

Dinner party

カンタベリー大主教を囲むディナーパーティー

The Qualia Journal

24th September 2009

http://qualiajournal.blogspot.com/

9月 24, 2009 at 07:28 午前 | | コメント (6) | トラックバック (0)

文脈設計者

脳というものは、一度文脈(context)を
設定してしまうと、その中で
一生懸命適応しようとする。

それはそれで素晴らしい働きだが、
より大切なのは、どのような
文脈を設定するか、ということに
ついての「メタ認知」である。

いわば、ガーデナーの立場に
立って、自分の脳という「植物」
を育むこと。

「受験」というのも一つの文脈であるし、
「科学」も一つの文脈。
政治家にとっては、「選挙」が自分の人生を
左右する重大な文脈だろう。

与えられた文脈の中でベストを尽くす。
これは、人間としての基本である。

同時に、自分が今いる文脈が果たして
どのような意味合いを持つのか、常に
「外」からモニターして、必要に
応じてそれを取捨選択することが
大切である。

時には、世の中にそのような
文脈がないのならば、自分で
そのような文脈を設計、発明
してしまえば良い。

人は、文脈に没入するだけではなく、
時には「文脈設計者」にならなければ
ならない。

昨日のtwitterより

kenmogi
Just had Tomasero miso ramen for lunch. Did not realize that Tomasero stood for tomato+celery until the actual thing came. Tasty. Surprise!

kenmogi
Dinner in honor of the Archbishop of Canterbury at the British Embassy. Great conversation, nice atmosphere. The ambassador a nice person.

twitterを英語で書いていることの
意味の一つは、followして下さっている
方にとって、英語の勉強の一助になれば
ということ。

130 wordsのとても短い英語を配信しますので、
みなさんの英語力向上に役立ててください!

英国大使館にて、カンタベリー大主教
をお迎えしての夕食会。

夕食の席。
英語でさまざまなことについて
会話する、というのも一つの「文脈」。

私はその文脈をとても楽しむ。

詳細は
英語のブログ
qualia journalにて。

9月 24, 2009 at 07:27 午前 | | コメント (14) | トラックバック (5)

2009/09/23

文明の星時間 ボーア・アインシュタイン論争

サンデー毎日連載
茂木健一郎 歴史エッセイ

『文明の星時間』 第82回 ボーア・アインシュタイン論争


サンデー毎日 2009年10月4日号

http://mainichi.jp/enta/book/sunday/ 

抜粋

 人間の脳は、孤立していてはその潜在能力を発揮することができない。他の人と向き合うことによって、異なる資質がかけ算され、お互いに高め合うことができる。
 「論争」は、二つの脳が融合して混ざり、新しいものを生み出すダイナミクスそのもの。仲が悪いから議論するわけではない。むしろ、志を同じくするからこそ意見を闘わせる。二人の脳が溶け合う中で、一人ではこの世に送り出すことができないものが飛び出す。
 かたや、相対性理論をつくった世紀の天才、アルベルト・アインシュタイン。一方は、二十世紀の物理学をつくる上で決定的な仕事をした、ニールス・ボーア。ともにノーベル物理学賞を受けた二人の偉大な科学者の間で交わされたいわゆる「ボーア・アインシュタイン論争」は、人類の文化史に燦然と輝く金字塔である。

全文は「サンデー毎日」でお読みください。

本連載をまとめた
『偉人たちの脳 文明の星時間』(毎日新聞社)
好評発売中です。


9月 23, 2009 at 10:51 午前 | | コメント (11) | トラックバック (0)

A good gardener

A good gardener

脳が育つ文脈を選択するメタ認知について

The Qualia Journal

23rd September 2009

http://qualiajournal.blogspot.com/

9月 23, 2009 at 10:51 午前 | | コメント (6) | トラックバック (0)

来るな来るな来るな!

一番最初に英語のブログThe Qualia Journalを
書いたのは、2004年10月9日だった。

その日のエントリ−は、
Hello World. 

タイトルをJournalにしたのは、
Diaryではなく、もう少し異なるニュアンスの
ものにしようと思ったのである。

以来、散発的に英語のブログを書いてきたが、
なかなか継続しなかった。

2004年は11エントリー。
2005年は44エントリー。
2006年は29エントリー。
2007年は68エントリー。
2008年は11エントリー。

それが、2009年6月6日から
続いているのは、その頃に、
ついて、ある決定的な心理的事件が
起こったからである。

以来、続けてきた。

一つの実験で、東京に住んで経験
することのさまざまを英語で
綴っていくと、思いもかけぬことが
見えてきた。

その詳細は、今週書く
「サンデー毎日」の連載
『文明の星時間』の原稿で
展開したいと思うけれども、
要するに、英語で自分たちの体験を
綴ることが、日本人にとって、世界を
広げることと同時に、大いなる
「癒し」になることを発見した
のである。

英文でブログを書くことが癒しに
なるということは、実際にしつこく
継続しなければ見えないことであった。

今年のエントリーは、今朝の時点で
116。

Twitterを英語で書くことにも
同じ意味があり、当分はその実験を
続けようと思う。

昨日のTweetsより。

kenmogi

Have been working for 13 hours without break. The darkness of night provides solace for the soul. I have not had supper yet. Poor me.

kenmogi

Intelligence is defined within a particular context. The choice and scrapping of contexts should then be considered meta-intelligence.

祝日の朝。
明治神宮の森を抜けて、NHKへ。

粟田賢さんによる、
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
脳活用法スペシャルのロケ。

緑の中を吹き抜けてくる風が気持ち
良かった。

粟田さんの笑顔で、地上にも再び
太陽が。カメラは中野大輔さん。
音声は椎名寛之さん。



ザ・ロケ・チーム。
粟田賢さん、中野大輔さん、椎名寛之さん

局内で、打ち合わせ二件。

打ち合わせの間、指の間から駒井幹士さんを
のぞいてみた。


机に向って仕事をする細田美和子デスク。



須藤祐理ディレクターと、池田由紀ディレクター


駒井幹士ディレクター


打ち合わせ中の私(下から)



打ち合わせ中の有吉伸人さん(橫から)

有吉伸人さんが、9月30日(水)
の朝日カルチャーセンターの対談
「プロフェッショナル」の極意
超絶! 企画・演出論」 
について、「どうしますかねえ」
と仰るので、
「有吉さんが喋りたいことをどーんと
話してください!」
とお願いした。

細田美和子さんが、「楽しみですね」
と言うと、「君たちは来るな来るな来るな!」
と有吉さんがあせった。

プロフェッショナル班のみんなに、
「来るな来るな来るな!」と叫ぶ
有吉さん。

対談がどのようなものになるのか、
9月30日の朝日カルチャーセンターが
見逃せない。

フジテレビへ。

「エチカの鏡」の収録。

久保田カヨ子さんがいらした。

久保田競先生のお話をする。
愉快愉快。

朝倉千代子さんはハワイ帰りで、
アロハな雰囲気を醸し出していた。

9月 23, 2009 at 10:50 午前 | | コメント (11) | トラックバック (2)

2009/09/22

池上高志とトークショウをします!

青山ブックセンターで、
畏友 池上高志とトークショウをします!

『脳の饗宴』(青土社)刊行記念
茂木健一郎×池上高志トークショー

「日本のみなさん、遊んでいますか?」

2009年9月27日(日)
19時〜
青山ブックセンター

詳細 


9月 22, 2009 at 08:48 午前 | | コメント (7) | トラックバック (0)

The magical transformation

The magical transformation

指揮者佐渡裕さんの急速な「モードチェンジ」について。

The Qualia Journal

22nd September 2009

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9月 22, 2009 at 08:02 午前 | | コメント (5) | トラックバック (0)

茂木さん着きましたよ

尾道から新横浜へ。

横浜のヤマハにて、音楽についての
お話をする。

終了後、本にサインをさせて
いただく。

ピアノの先生。音楽教育の実践者。
ルネッサンスのリコーダー音楽が
専門の方。

音楽に関わる方々のたたずまいは
美しい。

いつもたましいの中に美しい
音楽を。

半蔵門。

午後2時40分。

「ゆで太郎」を見つけて、
遅い昼食。

カレーライスに、コロッケをつけようと
思ったが、売り切れている。

諦めてカウンターに行ったら、
「温泉たまご」というのがあった。

これだ!

「すみません、カレーに温泉たまごを
のせていただけますか?」

「50円です。」

休日の半蔵門。ゆで太郎店内は、
他にそばをすすっているおじさんだけ。

カレーライスを食べながら、
twitterに書き込みをした。

kenmogi
My late lunch is curry rice with Ontama topping, at Yudetaro in Hanzomon. 400 yen + 50 yen = 450 yen


ぼくのtwitterはRichard Dawkinsと
Stephen Fryをfollowしていて、
ぼくが東京で書き込みをすると、
その橫にStephen Fryの書き込みも
表示される。

stephenfry

Noon and already damnably hot. Doing that very West Hollywood Fred Segal, Melrose Sunday thing. And I should be writing. Tish and tush.

東京とロンドンがシンクロしているような、
不思議な感覚。

PHP研究所。

雑誌「アンアン」の取材。

本の口述。「ちびっこギャング」こと、
三浦愛子さんと石井綾子さん。

「キャミー」こと、木南勇二さん。

木南さんが、「絶対編集感」について
熱く語る。

ブラインドスポットの浦野稚加さん。

新宿オペラシティ。

『題名のない音楽会』の収録
(英文ブログThe Qualia Journalに書きます)

叙々苑で、焼き肉を食べて打ち上げ。

石井さんが、「うわあ、私、叙々苑の焼き肉を食べるのが夢だったんですう」と言う。

木南さんが焼き肉を食べながら、
PHP漫画編集部の夢を熱く語った。

ぼくは前夜2時間睡眠であったが、
焼き肉のお蔭で元気であった。

しかし、タクシーに乗ってパソコンを
開くといつの間にか意識がなく、
気付くと、となりの木南さんが
「茂木さん着きましたよ」と
声をかけてくれていた。

9月 22, 2009 at 08:01 午前 | | コメント (18) | トラックバック (2)

2009/09/21

Vulnerable for change

Vulnerable for change

The Qualia Journal

21st September 2009

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9月 21, 2009 at 06:46 午前 | | コメント (4) | トラックバック (0)

尾道

尾道で講演。

東京芸大にいた津口在五が
呼んでくれた。

本当に素敵な、津口の仲間たち。

大好きな尾道で、
これからいろいろな
ことが起こることを
確信した一日。

9月 21, 2009 at 06:45 午前 | | コメント (22) | トラックバック (1)

2009/09/20

Chitty Chitty Bang Bang

Chitty Chitty Bang Bang

The Qualia Journal

20th September 2009

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9月 20, 2009 at 08:03 午前 | | コメント (5) | トラックバック (0)

コーヒーをいそいそと

総武線で千葉へ。

駅舎の近くにはモノレールが
あって、なんだか未来都市の
ようである。

三井ガーデンホテルは、大通りを
まっすぐに行ったところにあった。

日展理事長の中山忠彦さんとお話しする。

世界最大の公募による美術展覧会、日展。

国際的な美術の文脈の中で、
どのように日展のDNAを生かして
いくか。

長年にわたって、西洋アンティークの
ドレスをまとった奥さんをモデルに
描いてきた中山忠彦さん。

日展の特徴は、「品格」にあるという
言葉が印象的だった。


中山忠彦さんと。(photo by Tomio Takizawa)

ニッポン放送の方々と打ち合わせ。

朝日カルチャーセンター千葉主催の
講演会。

「遊び」について、そして、他人を
鏡として自分を磨くことについて。

静岡から
河村隆夫さん
いらっしゃる。

島田市の河村さんの家から
見える山の景色がなつかしい。

民主党が次々と政策を打ち出している。

政権交代すること自体にメタ・レベルでの
意義がある、ということを改めて
感じる。

かつて、日本は不平等条約の改正の
ために、当時の基準において
「まともな」国になろうと
努力した。

戦後長く続いた自由民主党による
政権は、国際的に見れば明らかな
anomalyだったが、不平等条約の
改正のような、外からの圧力が存在しなかった。

やっと成った、政権交代。

今度は自由民主党が、与党への返り咲きを
目指して政策を磨く番なのだろう。

現実を回していくために、
ある程度のことには目をつぶって、
とにかく継続していくことを
目指す「与党脳」。

現状を批判的に分析し、
時には理想を解き、
岡目八目でヴィジョンを磨く
「野党脳」。

本来は、ひとりの人が時に
よって「与党脳」になり、あるいは
「野党脳」になるのが理想だが、
日本は長らくそういうことを
してこなかった。

偶有性の時が、成熟を迎える。

朝起きて、コーヒーをいそいそと
淹れる。

新しい一日がまた始まった。

9月 20, 2009 at 08:03 午前 | | コメント (18) | トラックバック (2)

2009/09/19

(本日)朝日カルチャーセンター 千葉 公開講座

朝日カルチャーセンター 千葉 公開講座

茂木健一郎
『脳ともっと遊んでみよう』
2009年9月19日(土)15時〜17時
朝日カルチャーセンター 千葉
会場 三井ガーデンホテル千葉
4F 白鳳の間

詳細

9月 19, 2009 at 10:33 午前 | | コメント (8) | トラックバック (1)

Visually stunning drama

Visually stunning drama

The Qualia Journal

19th September 2009

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9月 19, 2009 at 09:23 午前 | | コメント (5) | トラックバック (0)

幻の銭屋

必要があって、ダーク・スーツを
つくった。

店員さんが、「これは、いい生地ですよ。
なにしろ、ゼニヤのですから」と言った。

それで、私は不思議な気がした。
そうか、最近は日本の繊維業界も進んで
いるんだな。
それにしても、銭屋の生地を使うのか。

話を聞いているうちに、何だか
ヘンな気がしたので、念のため、
「あのう、銭屋というのは、日本でも老舗の
メーカーなんですか」と聞くと、
店員さんが唖然としている。

「あの、イタリアのメーカーなんですが。」

「えつ。どんな綴りですか? Zenya?」

テーブルの中から生地の見本を
見せてくれた。

「Ermenegildo Zegna」と書いてある。

「あっ、この文字の並び、見たことがあります! 
そうか、Zegnaか。ぼくは、銭屋だと
思っていました。ごめんなさい。」
「ぜんぜん大丈夫です!」

店員さんは、「ぜんぜん大丈夫です!」
と言って下さったが、ぼくはぜんぜん大丈夫
じゃないような気がする。

それで思い出した。畏友、田森佳秀と
同じ飛行機で学会に行った時のこと。
となりの席で熱心にカタログを見ていた
田森が、突然、「ああそうか!」
と言った。

「どうした?」

「いやあ、フェラガモって、カモの
絵が描いてあるからフェラガモって
言うんだね!」

「?!」

「ほら」

田森が見せてくれたSalvatore Ferragamo
バッグには、確かに、たまたま、カモの
絵が描いてあった。

「あのね、田森ね、フェラガモというのは
イタリアのブランドなんだよ。イタリア語
でカモはカモと言わないと思うぞ。」

「あっ、そうか、ごめんごめん。」

田森は、電光石火で自分の間違いに
気付いた。

教訓。イタリア語は日本語に似ているので、
間違いのないように気をつけましょう。

埼玉会館で行われた、
民生委員、児童委員大会で講演。

コミュニティ作りについて。

銀座の歌舞伎座にて、
吉右衛門さんが出ていらっしゃる
浮世柄比翼稲妻、勧進帳、松竹梅湯島掛額を
見る。

吉右衛門さん演ずる
幡随院長兵衛、富樫左衛門、紅屋長兵衛が
それぞれ存在感があって渋く、
奥行きのあるせりふ回しと
美しい立ち姿を堪能した。

一幕と二幕の間に、
楽屋に吉右衛門さんを訪ねる。

富樫の準備でおしろいを塗りながら、
吉右衛門さんは温かくお話下さった。

 「勧進帳」が、なぜ歌舞伎の
古典なのか、改めてその理由を
認識する。

(英文ブログ、The Qualia Journalに書きます。)

松竹梅湯島掛額のうち、第二場
櫓のお七の八百屋お七の福助さんの
「人形振り」が絶品。

好きな男に会いたいが為に、御法度を犯す、
その狂気に至るプロフィールが、美しく
描かれた。

芝居がはねた後、サンデー毎日
『文明の星時間』でイラストを描いて
下さっている
谷山彩子さん、編集者の大場葉子さんと、
築地の「つかさ」へ。

店へのアプローチでわかった。
以前、佐藤雅彦さんに連れていって
いただいた店である。

藤田浩毅さんからマグロを仕入れている店。

マグロもシンコもシンイカもみんな美味しく、
堪能した。

9月 19, 2009 at 09:22 午前 | | コメント (17) | トラックバック (1)

2009/09/18

A diligent boy

A diligent boy

The Qualia Journal

18th September 2009

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9月 18, 2009 at 07:14 午前 | | コメント (7) | トラックバック (0)

もう夕暮れのはずなのに

汐留の電通にて、雑誌広告に
ついてのブレスト。

五反田のチェゴヤに学生たちと
いったら、いつの間にか改装されていたので
驚いた。

 ソニーコンピュータサイエンス研究所

The Brain Club。

野澤真一が、自閉症の子どもたち
の運動学習の特性についての
論文
Haswell et al.
Representation of internal models of action in the autistic brain.
を紹介。

Zhangさんが、fear conditioningについての
論文
Gogolla et al. Perineuronal nets protect fear memories from erasure
を紹介。

最後に、戸嶋真弓さんが、言語関係の
論文。
Siok et al.
Biological abnormality of impaired reading is constrained by cultureを紹介。

論文を自分で読んでその内容をわかりやすく
紹介し、質問に対して答え、議論する
Journal Clubは、とても大切な鍛錬の場。

知識が増え、科学的思考の型ができ、
また論文の書き方がわかる。

最初は紹介するために長い時間を
かけて読まなければならないのが、
次第に短時間でぱっと要点を
つかむことができるように
なってくるのである。

今はインターネットがあるので、
上のように論文の一部の情報を
記しておけばあとで検索できるから
便利である。


論文紹介する野澤真一くんと、それを聞く
関根崇泰くん、星野英一くん。


論文を読む田谷文彦くんと、戸嶋真弓さん。

NHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の粟田賢ディレクターがいらっしゃる。

粟田さんと言えば、素敵な笑顔が
印象的。

打ち合わせを終えたあと、
「いやあ、茂木さん」とばかりに
粟田さんがにこっと笑う。

もう夕暮れのはずなのに、
心の地平線から太陽が
昇った。


粟田賢さん

9月 18, 2009 at 07:13 午前 | | コメント (17) | トラックバック (2)

2009/09/17

A swarm of bacteria

A swarm of bacteria

The Qualia Journal

17th September 2009

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9月 17, 2009 at 08:53 午前 | | コメント (7) | トラックバック (0)

100年経ったらそんなこと

 赤坂の全日空ホテル。
 田原総一朗さんと。

 田原さんの「さえぎりの技術」
について深掘りする。

 タイミングよくさえぎるためには、
相手の話をよく聞かなければならない。

 田原さんは、実は、相手の話を
よく聞いているのだ。

 浜松町。Mitsubishi Chemical Junior Designers
Award

の審査会。

 審査員、スタッフのみなさんとは、ここ数年
ずっと顔を合わせているので、
仲間のように感じる。

 水野誠一さん、石井幹子さん、榮久庵憲司さん、
柏木博さん、河原敏文さん、坂井直樹さん、
都築響一さん、日比野克彦さん、向井周太郎さん、
そして事務局のみなさん。
 
 今年は気合いの入った作品が
多かった。
 挑戦することはいい。
 世の中の常識を破ろうとすること。

 東京芸術大学。

日経サイエンスの対談で、
宮永美知代さん
にお目にかかる。

宮永さんは、最近、御著書『美女の骨格』
を上梓された。

日経サイエンス編集部の古田彩さんから、
「次回の対談は宮永さんでどうでしょう?」
と打診された時には、驚いた。

東京芸大で定期的に授業をしていた頃から、
宮永さんとは時々顔を合わせていたが、
ちゃんと話したことはなかった。

 とてもとても面白い対談になった。

 日経サイエンス編集部の古田彩さんが
写真を送って下さった。


宮永美知代さんと、東京芸術大学にて。

 山の上ホテル。
 『熱帯の夢』の打ち上げ。

 日高敏隆さんの
娘さんのレミさん、だんなさんの
加部麻人さん、5月25日
に生まれた朝陽くん、
集英社の岸尾昌子さん
と鯉沼広行さん、
カメラマンの中野義樹さん、
それにテレビマンユニオン
の花野剛一さん。

 たのしいひととき。日高さんの
奥様の喜久子さんから頂いた
美味しいワインを飲んだ。

 朝陽くんは、元気いっぱい。
 大物なり。

加部ご夫妻をお見送りした後、
「人魚の嘆き」へ 。

 やっぱり、と思ったが、
読売新聞の鵜飼哲夫さんと、
松本良一さんがいらした。


松本良一さん(左)と鵜飼哲夫さん(右)。
2007年12月のパーティーにて。

 信頼できる人かどうかは、
ある種の事柄に対する態度でわかる。

 鵜飼さんは、「100年経ったらそんな
ことみんな忘れられているでしょ」
といった。

 その通り。ぼくは鵜飼さんを信頼する。

「芥川賞はね・・・」
 鵜飼さんの分析に耳を傾けながら、
ワインを啜る神保町の夜

9月 17, 2009 at 08:52 午前 | | コメント (16) | トラックバック (3)

2009/09/16

週刊ポスト 脳のトリセツ 脳は一流の「遊び」を目指す

週刊ポスト 

2009年9月25日・10月2日号

脳のトリセツ 第11回
脳は一流の「遊び」を目指す


http://www.weeklypost.com/091002jp/index.html

9月 16, 2009 at 06:34 午前 | | コメント (2) | トラックバック (0)

文明の星時間 ターナー賞の叡智

サンデー毎日連載
茂木健一郎 歴史エッセイ

『文明の星時間』 第81回 ターナー賞の叡智


サンデー毎日 2009年9月27日号

http://mainichi.jp/enta/book/sunday/ 

抜粋

 評価の定まった作品ばかりを見ていると、それらを生み出した生の偶有性を忘れてしまう。とりわけ、日本のように「権威」や「伝統」といったものに対して弱い国では、「正統」を標榜することが、生命原理から離れることにつながりやすい。
 今日、現在進行形で新しい文化が生み出されているとすれば、それは社会的に権威や価値が定まったものではなく、むしろ毀誉褒貶の激しいものの中にあるはずである。賛成と反対の対立の中から未来の傑作が生み出される。そのようなダイナミックな認識を、日本人はもっと持った方が良い。
 現代美術における最も有名な賞の一つである英国の「ターナー賞」に、しばらく前から惹かれていた。最近、ロンドンを訪れたことをきっかけに、ターナー賞のあり方について改めて考えた。現代日本からともすれば欠けている「論争を通した新しい価値の創造」に向けての智恵がそこにはあるように思う。
 「ターナー賞」は、18世紀から19世紀中頃まで活躍した英国を代表する画家、ジョセフ・マラード・ターナーに因んだ賞である。1984年に創設されたターナー賞は、候補作が発表されると同時に作家たちがメディアの注目を集め、受賞作が決定されるとその当否を巡って激しい論争が起こることで知られている。

全文は「サンデー毎日」でお読みください。

本連載をまとめた
『偉人たちの脳 文明の星時間』(毎日新聞社)
好評発売中です。


9月 16, 2009 at 06:33 午前 | | コメント (1) | トラックバック (0)

Butterfly road

Butterfly road

The Qualia Journal

16th September 2009

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9月 16, 2009 at 06:33 午前 | | コメント (5) | トラックバック (0)

マルオミナエシ

竹富島二日目の午後は、
星砂の浜でマルオミナエシを
拾った。

山のような模様が重なっていく
優美な貝。
二つとして同じものはない。
 
ここにはないかな、と思って
歩いていると、
コンドイ浜に向かう浜の
途中に、それらはあった。

大抵は、裏返って内側が
見えている。

それでも、慣れてくると、
「あっ」と電撃が走ってわかる。

他の貝にくらべてもっと丸みがあって、
やわらかく女性的な印象。

帰りの飛行機で、那覇に降り立った
時、ああもうここは文明なのだと
思った。

『生きて死ぬ私』の
「もの言わぬものへの思い」を書いた
時のきもちがよみがえった。

都会に戻ってみれば、もう、
さまざまな文脈が私のことをとらえて、
息つくひまもない。

砂浜にころがっている
マルオミナエシたちのような
存在の消息を、遠くから響く潮騒
のように聞いている。

___________

<もの言わぬものへの思い>

 数年前の春、私は渡嘉敷島にいた。島の南西部にある阿波連の白い砂浜に、マルオミナエシの貝殻がたくさん落ちていた。マルオミナエシの貝殻の模様は独特であり、そのひとつ一つが時には山々の頂のように、時には「止」や「山」といった漢字のように、また時には波が砂浜に残していた文様のように見える。貝殻の中には、波に揉まれ、砂に磨耗して模様がすり切れ、その模様の名残を残しているだけのものもあった。
 浜辺を歩く人間にとっては奇妙な模様のついた、一時的な収集の興味を満足させるものに過ぎないマルオミナエシの貝殻の一つ一つは、実はマルオミナエシの一つ一つの個体の「生」の歴史の痕跡である。私たちは、マルオミナエシという貝が、その成長の過程で貝殻の独特の模様を描き上げていく過程を想像することはできても、それをはっきりとつかむことはできない。珊瑚礁の中で幼生として生まれ、懸命に餌を食べ、仲間の多くを失い、波に揺られ、太陽の光を感じ、砂に潜り、異性を求め、やがて何らかの理由で力つき、貝殻のみを残して自らは屍となり、そしてその貝殻が砂浜に打ち上げられ、人間によって発見されるまでのマルオミナエシの生は、決して誰にも知られずに、密やかに行われる。私たちの手元にあるのは、そのようなマルオミナエシの生の痕跡としての貝殻だけである。
 島の美しいサンゴの海の周辺には、様々な「もの言わぬもの」の生が満ちあふれていた。海燕や、ゆったりと飛ぶ蝶、そして、珊瑚礁にすむ名も知らぬ色鮮やかな魚たちーーこれらは、私たち人間の作り上げた「言葉」、そして「歴史」や「文明」といった「流通性」や「操作性」のネットワークに決してのることのない、物言わぬもの、無に等しいものである。もし、大手の資本が、リゾート開発という文明の中で流通することのできる記号をもって乗り込んでくれば、これらもの言わぬものたちは、ひとたまりもなくどこかへ追いやられてしまうであろう。古代のアミニズムの精神がもの言わぬものたちの存在を直感的に感じとっていたとすれば、私たちの「歴史」や「文明」は、これらもの言わぬものたちを切り捨て、人間の間だけで流通する「言葉」のネットワークを構築することから始まったのだ。
 阿波連の美しい浜辺を歩きながら、私はおよそそのようなことを考えていた。
 やがて、島を去る日が来た。船は、汽笛を鳴らすと、ゆっくりと港を出ていった。船が次第に旋回するのを感じながら、私の胸は、渡嘉敷島で見てきた「もの言わぬものたち」への想いでいっぱいだった。少なくとも、その時の私には、彼ら「もの言わぬものたち」は、私たちの文明の中で流通するものと同じように、あるいはそれ以上に価値があるもののように思われたのである。
 船は、那覇港を目指して航行していた。私は、那覇がビルの林立し、車が行き交う、文明の都であることを思い出していた。私は、渡嘉敷島に残してきた「もの言わぬものたち」を思い出しながら、暗然とした気持ちになっていた。その時の私には、人間が操作し、管理することのできる人工物=「言葉」に支えられて運営されている文明に対する違和感が非常に強く感じられていた。 
 船が那覇までの行程の半分ほどを過ぎた頃であろうか。船の後方を振り返った私は、意外なことに気がついた。渡嘉敷島もその一部である慶良間諸島の島影が、水平線の彼方におぼろげながら見えていたからだ。心の中で、「文明」の世界への再突入の準備をしていた私にとって、慶良間諸島の姿がまだ見えていたことは、新鮮な驚きだった。
 それから三十分くらいの航海の様子を、私は忘れることができない。船の前方には、次第に那覇の港が近づいてきていた。大型船、小型船が行き交い、灯台が見え、浮標が点在し、海面にはオイルが浮き、飛行機が上空を飛び、そしてビル群はますます大きく見えてきた。これらのものが、「文明」を構成する「言葉」であることが、その時痛切に私の胸に迫ってきた。好きであれ、嫌いであれ、私たちの文明は、これらの「言葉」、私たちが作り出し、流通させ、操作する「言葉」から成り立っているのである。一方、船の後方には、なつかしい慶良間諸島の島影が見えていた。その姿は、自然が数十億年かけて作り上げてきた豊かで多様な世界、それにも関わらず私たちの「文明」という言葉のネットワークの前では、「もの言わぬもの」、「流通しないもの」であるものたちの世界を象徴していた。その時の私には、那覇と慶良間諸島が代表する二つの世界が、私の乗った船から同時に見えたということは、きわめて意味深いことのように思われたのである。
 船が那覇港に着いても、慶良間諸島は依然として洋上遥か彼方に見え続けていた。私は、「言葉」以前の、「もの言わぬものたち」があふれる世界から、「言葉」が飛び交い、流通するものがあふれる文明の世界へと戻ってきたのである。
 人間にとって、「言葉」とはマルオミナエシの貝殻のようなものだ。「言葉」は、私たちの生の痕跡の、ほんの一部分の、不十分かつ誤謬に満ちた証人に過ぎないのである。それにも関わらず、人間は「言葉」にすがって生きていかざるを得ない。「言葉」という貝殻に、必死になって自分の人生の模様を書いていくしかないのである。
 だが、もの言わぬものたちが存在しないわけではない。
 私は、蟻の様子を見るのが好きだ。蟻が巣をつくっているのを見るとき、その動作の不可思議さが私の心を強くとらえる。今、この特定の場所、特定の時間に、蟻の足の下にある砂の様子や、草を揺する風の動きや、それらを全てを照らしだす太陽の光がどうしてこのような形で世界の中に現れたのか、不思議な感じがする。そのことは、どんなに科学が発達しても決して解くことのできない謎である。
 私の心は、もの言わぬものたちとともにある。

茂木健一郎 『生きて死ぬ私』より

_____________

「蝶の道」については、
英文ブログ(The Qualia Journal)をご参照ください。

9月 16, 2009 at 06:32 午前 | | コメント (14) | トラックバック (1)

2009/09/15

プロフェッショナル 仕事の流儀

闘いの螺旋、いまだ終わらず

~漫画家・井上雄彦~

孤高の天才漫画家の創造性の秘密に
迫る。

一時間スペシャル!!

生の偶有性に向き合うことで、
人間はその潜在能力を最大限に発揮することが
できるのだ。

NHK総合
2009年9月15日(火)22:00〜23:00

http://www.nhk.or.jp/professional/

すみきち&スタッフブログ

Nikkei BP online 「「バガボンド」を生み出した“根っこ”
漫画家・井上雄彦」
(produced and written by 渡辺和博(日経BP))

9月 15, 2009 at 03:38 午後 | | コメント (21) | トラックバック (4)

We somehow coped

We somehow coped

The Qualia Journal

15th September 2009

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9月 15, 2009 at 03:31 午後 | | コメント (3) | トラックバック (1)

Transformation

Transformation

The Qualia Journal

14th September 2009

http://qualiajournal.blogspot.com/

9月 15, 2009 at 03:30 午後 | | コメント (5) | トラックバック (0)

ようやくのこと、


ネットが通じる場所に出てきました。

9月 15, 2009 at 03:25 午後 | | コメント (6) | トラックバック (1)

2009/09/14

新潮社の金さま

学生たちがウタキ巡りをしている間に、涙ちよちよぎれる思いで民宿大浜荘の庭で、一人風に吹かれ、偶有性の自然誌第八回30枚、一気に書き上げました。しかし火曜の夜までネットだめです。ひょっとすると火曜午後つうじるかもです。今回は遊びやフロー。織田信長やボルトがでてきます。ごめんなさい。携帯で文字打つの疲れますね。

9月 14, 2009 at 11:33 午前 | | コメント (7) | トラックバック (2)

竹富

ネットが通じません。いいところ。新潮社の金さん火曜夜までネットが通じません。ごめんなさい。

9月 14, 2009 at 07:25 午前 | | コメント (6) | トラックバック (1)

2009/09/13

朝日カルチャーセンター 千葉 公開講座

朝日カルチャーセンター 千葉 公開講座

茂木健一郎
『脳ともっと遊んでみよう』
2009年9月19日(土)15時〜17時
朝日カルチャーセンター 千葉
会場 三井ガーデンホテル千葉
4F 白鳳の間

詳細

9月 13, 2009 at 08:47 午前 | | コメント (2) | トラックバック (0)

The Chicago rain

The Chicago rain

The Qualia Journal

13th September 2009

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9月 13, 2009 at 07:10 午前 | | コメント (7) | トラックバック (1)

一日遅れて

 秋が深まってきた。

 『ザ・ベストハウス123』
の収録で、マツタケが出てきた。

 スタジオに匂いが立ちこめる。
本当に美味しそうなマツタケ。

 Shellyさんが食べるのを見ながら、
ふと、子どもの頃に好きだった
 永谷園の「松茸の味お吸いもの」
を思い出した。

 ああ、これが松茸の味だと、
案外本気で思っていて、
幸せだったな。

 闘病生活の末、亡くなった
三人の方のVTRを見た。

 アツシさんが、「ここに
あったものがすべてで、それ以上
付け加えることはない」と
言った。

 僕は思う。
 
 現代人は、どこか肝心なところを
我慢して生きているんじゃないかな。

 若い頃、ヨーロッパの美術館
などにいって、宗教画のセクションに
来ると足を速めた。

 何となく、過ぎ去った時代の
もののように思っていたからだ。

 今は違う。生と死についての
さまざまな思いを込めた表現に
向き合うと、現代人が失ったものを
思い出す。

 フラ・アンジェリコの描く
受胎告知をうける聖母マリアは
なんて澄んだ眼をしているのだろう。

 ベストハウスのスタジオで、
フラ・アンジェリコを思い出す。

『世界一受けたい授業』の収録。
EXILEのみなさんと問題を出した。
EXILEは、かっこよくて、そして
やさしい。

去る6月6日に、思うことがあって、
特に支障がない限り英文ブログ
The Qualia Journal)を
毎日書き続けようと決意した。
それから、三ヶ月。

論文や決まったテーマじゃなくて、
自分が経験してきたこと、世の中の
森羅万象について、英語で表現する
回路をつくる。

一度そのようなことをしなければ
できないことがあると、
はっきりとわかったのである。

私個人も、そして日本という国も。

今日は研究室の合宿のために
竹富島に向かいます。

学生たちは、もう沖縄の風を
受けているはず。

仕事があったので、私は一日
遅れてしまいました。

9月 13, 2009 at 07:09 午前 | | コメント (20) | トラックバック (2)

2009/09/12

Professor Higgins

Professor Higgins

The Qualia Journal

12th September 2009

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9月 12, 2009 at 09:09 午前 | | コメント (8) | トラックバック (0)

一つの蝶が、心の中に生き始める

 東京プリンスホテル ザ・タワーにて、
ACC(全日本シーエム放送連盟)
主催の2009 49th ACC CM
フェスティヴァルの審査会。

私と佐藤可士和さん、小山薫堂さん、
斎藤孝さん、天野祐吉さんが特別審査員
として参加。

委員会が選定した候補作品を見るのは
楽しかった。

逗子駅から、佐島マリーナへ。

ソニーコンピュータサイエンス研究所の合宿。

最後に所眞理雄さんが総括。

バスに乗って駅まで戻る道すがら、
仲間たちと話す時間は幸福。

新宿。朝日カルチャーセンター。

「遊び」について考える。

「ゲーム」を通して子どもたちの
行動変容をうながす古典的研究の
論文を読む。

「マイ・フェア・レディー」
のレックス・ハリソン教授の
人物像について。

(この点については英語のブログ
The Qualia Journalに詳しく書きます。)

昨日はうれしいことがあった。

朝、近くの公園を走っていた時、
白と黒の斑の蝶がふわっと飛んで、
遊び場の壁の上に止まった。

普通のゴマダラチョウのように
見えたが、後ろバネに赤い
星が点々とある。

「アカボシゴマダラだ!」

そう思った瞬間、蝶はふわっと
また飛んで、近くの木立の中に消えて
いった。

数年前から、都内でもアカボシゴマダラが
見られるようになった、とは聞いていた。

普通のゴマダラチョウとは飛び方が
違って、ゆったりとしているとも
聞いていた。

それで、どんな飛び方をするのか、
一度見たいと思っていたが、
果たせないでいた。

走りながらも、いつも無意識の
中でどこか、アカボシゴマダラが
どこかから飛んで来ないかな、と身構えて
いたように思う。

その願いがやっとかなった。

いつ訪れるかわからない、まさに
セレンディピティ。

アカボシゴマダラの飛び方は、
確かにゴマダラチョウの力強さとは
違っていたけれども、
想像していたのはオオゴマダラや
アサギマダラに近い飛び方で、
実際のアカボシゴマダラの
飛び方はそれよりは少しきびきび
していた。

いずれにせよ、N=1。

これから、目撃が重なれば、
私の中にアカボシゴマダラの飛び方が
鮮明に刻印されていくだろう。

一つの蝶が、心の中に生き始める。
そのことがうれしい。

夜、道を歩く。

あのアカボシゴマダラは、
木立のどこかで休んでいることだろう。

9月 12, 2009 at 09:08 午前 | | コメント (14) | トラックバック (2)

2009/09/11

朝日カルチャーセンター 脳とイメージ

朝日カルチャーセンター

脳とイメージ

本日第3回。

詳細

9月 11, 2009 at 07:22 午前 | | コメント (6) | トラックバック (0)

立ち止まること

立ち止まること

プロフェッショナル日記

2009年9月11日

http://kenmogi.cocolog-nifty.com/professional/

9月 11, 2009 at 07:22 午前 | | コメント (2) | トラックバック (1)

Not an easy place to live

Not an easy place to live

The Qualia Journal

11th September 2009

http://qualiajournal.blogspot.com/

9月 11, 2009 at 07:19 午前 | | コメント (5) | トラックバック (0)

秋味。

朝、明治神宮参道の木もれ日の
中を歩いていたら、
メール着信があった。

フジテレビの朝倉千代子さんから。
_________
From: Chiyoko Asakura
To: Ken Mogi
Subject:おはようございます

ありがとうございました
昨日のベストハウス奇跡の復活脳2時間SP視聴率は
21〜22時平均15.7%
22時台は17.1%でトップ

次回も、是非宜しくお願いいたします

ちなみに…
日本テレビ
21:00〜仰天ニュース
18.6%
22:00〜赤鼻のセンセイ
9.8%

TBS
21:00〜となりの芝生
9.5%
22:00〜地Qウォーカー
6.7%

テレビ朝日
21:00〜警視庁9係
11.3%
21:54〜報道ステーション
14.7%

テレビ東京
ミステリー9
7.6%

NHK
21:00〜ニュースウォッチ
11.0%
22:00〜歴史秘話ヒストリア
9.0%

でした。
よろしくお願いします。
朝倉
_______


明治神宮の木もれ日の中で。

NHK出版。

高井健太郎さん、ノンフィクション
ライターの伴田薫さんを
相手に、脳を育むことについて
お話しする。

茨城大学の榊原玄くんが
研修生として同席した。

榊原くんはまだ2年生。
将来は出版マスコミ志望なのだ
そうである。がんばれ!


高井健太郎さんと、伴田薫さん


榊原玄くん

『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の収録。

ゲストは、酪農家の三友盛行さん。

本当に素晴らしいお話でした。

詳しくは、「プロフェッショナル日記」
にて。

有吉伸人さんと、渋谷の街を
行きながらお話しする。

ほんの少しでも、しみじみと
した話ができる関係は
とても良い。

住吉美紀さんとも、心に
残る言葉のやりとりがあった。

秋の空気が深まる。仲間たち
はみなそれぞれの気配で
佇んでいる。

家に着いたら、ぶどうと
花束が届いていた。

花束はフジテレビから。

_____
茂木健一郎 さん江
「ザ・ベストハウス123 茂木健一郎プレゼンツ
破壊された能力が復活 才能開花で天才誕生!!
実録! 奇跡の脳スペシャル」
15.7% 高視聴率御礼
株式会社 フジテレビジョン
編成制作局局次長兼編成部長 荒井昭博
主任            濱  潤
__________
とある。

深謝。


花束

ぶどうは、塩谷賢から。朝のメールで
運送屋さんに電話したので無事出会う
ことができた。

_____

To: 茂木健一郎 ,茂木健一郎, <@nifty.ne.jp>,
Subject: 宅配便の受け取り
Date: Thu, 10 Sep 2009

to Mogi
(どのアドレスがいいのか分からなかったので、複数送りました。
常用のはどれか教えてください)

久しぶり、昨日、TVでチラッと見たよ。
元気そうだな。

先日、葡萄を送ったのだが、さっき宅配便の会社から、
「何度か訪ねたが不在で、電話(自宅)もつながらない」、
と連絡を受けたので、君の携帯の番号を伝えておいた。

ナマモノなので何とか連絡して受け取ってください。

Ken
_____

ぶどうを口に含む。

ああ、秋味。

9月 11, 2009 at 07:19 午前 | | コメント (14) | トラックバック (2)

2009/09/10

週刊ポスト 脳のトリセツ 漫画「道」の追求

週刊ポスト 
2009年9月18日号

脳のトリセツ 第十回
漫画「道」の追求

http://www.weeklypost.com/090918jp/index.html

9月 10, 2009 at 07:37 午前 | | コメント (2) | トラックバック (0)

文明の星時間 社会の若さ

サンデー毎日連載
茂木健一郎 歴史エッセイ

『文明の星時間』 第80回 社会の若さ

サンデー毎日 2009年9月20日号

http://mainichi.jp/enta/book/sunday/ 

抜粋

 イギリスの歴史家、エドワード・ギボンは1776年から1789年にかけて出版された6巻の著書『ローマ帝国衰亡史』の中で、かつては隆盛を誇ったローマ帝国が没落していった理由を追及した。
 ギボンは、ローマ人の意識の変質に根本原因を求めた。繁栄が続く中で、ローマ人たちは自ら国を守る気概をなくして、外国人の傭兵たちに頼るようになった。また、キリスト教の来世に対する信仰が、現世の境遇に対するいきいきとした関心を奪ったことも、影響を与えたと考えた。
 人間がつくる社会は複雑な有機体であり、その相互作用のあり方もまたさまざまである。ギボンが指摘するローマ人社会の変質は、確かに帝国の衰退とかかわりを持つだろう。一方で、その原因のすべてを説明しているとは言えぬ。
 古のローマ人たちは、自分たちの社会に何が起きているのか、必ずしも把握してはいなかったのではないか。一人ひとりは、自分の人生を精一杯生きている。与えられた条件の中で、懸命に工夫をしている。それでもなお、社会全体としては衰退を隠せない。そこに一つの美学を見る人さえ、いたかもしれない。そうしているうちに、やがてローマ帝国は亡びた。

全文は「サンデー毎日」でお読みください。

本連載をまとめた
『偉人たちの脳 文明の星時間』(毎日新聞社)
好評発売中です。


9月 10, 2009 at 07:37 午前 | | コメント (1) | トラックバック (2)

Lights are everywhere

Lights are everywhere

The Qualia Journal

10th September 2009

http://qualiajournal.blogspot.com/

9月 10, 2009 at 07:37 午前 | | コメント (7) | トラックバック (0)

朝夕がずいぶんと

NHK。
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の打ち合わせ。

朝のオフィスは、なんだかすがすがしく、
有吉伸人さんや細田美和子さんの
表情も、さわやかに日に輝く。

宇田川スタジオ。デジタルラジオ
の収録。

プロレスラーの小橋建太さん。

師であるジャイアント馬場さんに、
「リング上では怪物になれ、リングを
降りたら紳士であれ」と教えられた
という小橋さん。

鍛え上げられた肉体と、
やさしい心遣いと。

小橋さんのリングでの闘いぶりを、
ぜひ見たいと思った。

小橋建太さんと

デジタルラジオの収録は、今回で
終わり。

樺沢泉さんからメールをいただいた。

______

From: "樺沢 泉"
To: "茂木健一郎"
Date: Wed, 09 Sep 2009
Subject: デジタルラジオ収録お礼

茂木さま

本日のデジタルラジオの収録お疲れ様でした。
お忙しいなか本当にありがとうございます。

茂木さんとの、小橋建太さんの「闘争心」の源に
迫ることがでたように思います。

「プロレスとは、自分にとって生きること」
そうおっしゃった小橋さんの言葉には、
プロレスと真摯に向き合う三沢魂があふれて
いたように感じました。

10回にわたり様々な分野の方と対談をして
いただきましたが、どのお話も大変充実した
内容で、興味深いものだった思います。

心より御礼申し上げます。

デジタルラジオの収録はこれで最後となりますが、
 今後も茂木さんとお仕事をさせていただきながら、
 《地上の生》について考えていけたら幸いです。

樺沢 泉
______

樺沢さん、本当にありがとう!

すきやばし次郎。

『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の取材。
粟田賢さんのディレクションで、
小野次郎さんにインタビューする。

久しぶりにお目にかかる小野次郎さん。

相変わらずとてもお元気。

「最高齢三つ星シェフ」のギネス・ブック
認定証が掲げられていた。

いつまでもお元気でご活躍くださいますよう。

東京大学の安田講堂にて、
NPO法人WINの創立10周年
記念のシンポジウム。

板生清先生が、ウェアラブルコンピュータ
などの技術についてのお話をされる。

河口洋一郎さんが短いスピーチをする。

5分でも、聴衆を異界に連れていくことが
できる。
河口さんはすごい。

イノベーションについて、40分間
お話しする。
「遊び」の領域に到達することの
重要性を、脳科学の知見を交えながら
検討した。

吉田たかよしさんと対談。

吉田さんのそつのないさばきで、
素敵な時間になった。

書くことの大切さ。

書くことで、私たちは過去
の歴史の上に経ち、時間を
超えて対話をすることが
できる。

書くという行為の連続が、思考の
血肉とならねばならぬ。

朝夕がずいぶんと涼しくなった。

走るのにも、最適な時期。

誘われて、どこまでもどこまでも
走っていきたくなる。

9月 10, 2009 at 07:36 午前 | | コメント (12) | トラックバック (2)

2009/09/09

東京大学 安田講堂 講演会

本日 東京大学 安田講堂 講演会

WIN10周年記念講演会
茂木健一郎氏「クオリア・テクニカの世界」

15:30~17:00


詳細

9月 9, 2009 at 07:18 午前 | | コメント (4) | トラックバック (0)

深夜の音楽会

深夜の音楽会

中村紘子さんと対談いたします。

2009年9月9日(水)
26時29分〜27時29分

日本テレビ系列
番組表

9月 9, 2009 at 07:17 午前 | | コメント (7) | トラックバック (0)

ザ・ベストハウス123 脳スペシャル

ザ・ベストハウス123 脳スペシャル

2009年9月9日(水)21:00〜22:48
フジテレビ系列

番組表

9月 9, 2009 at 07:16 午前 | | コメント (29) | トラックバック (5)

Why doesn't he write and find out?

Why doesn't he write and find out?

The Qualia Journal

9th September 2009

http://qualiajournal.blogspot.com/

9月 9, 2009 at 07:16 午前 | | コメント (6) | トラックバック (0)

魔法のよう

ぼくは特に味噌ラーメンが
大好きで、隙さえあれば食べようとしている。

ただ、ラーメンにふさわしいTPOが
なかなか訪れないのである。

北海道でラーメンを二回食べた。

とてもうれしかった。
お店に入って、
「味噌ラーメンお願いします」
と言う。

新聞や雑誌を読みながら待って
いると、おじさんが一生懸命
フライパンを動かし作って
くれる。

「お待ちどおさま」

一杯のラーメンが、目の前に
現れる。

頂きます。

箸をつける。味噌の香ばしさが
広がる。

自分でつくると、プロセスが
すべて見える。

モヤシや野菜を炒めたり、
麺を茹でたり。

だから、出来上がった時には、
もう、脳が「ラーメンができる」
ということを織り込み済みに
なっている。

それに対して、お店で頼むと、
途中のプロセスなしに、
いきなりラーメンが表れる。

ありがたい。

まるで魔法のよう。

登別の温泉街にあったラーメン屋には、
普通の味噌ラーメンに加えて、
地獄ラーメンもあった。

地獄ラーメンは、辛いのだという。

店内には、大きな金棒を持った
鬼のポスターが張られている。

しばし考えた後で、味噌ラーメンにした。

鬼のラーメンさん、また機会が
あったら会いましょう。


登別の地獄谷にて。

9月 9, 2009 at 07:15 午前 | | コメント (17) | トラックバック (2)

2009/09/08

プロフェッショナル 松本尚

プロフェッショナル 仕事の流儀

ドクターヘリ、攻めの医療で命を救え

~救急医・松本 尚~

一分一秒の差が生死をわける
救急医療の現場。

松本尚さんは、決してあきらめない。
あらゆる可能性を検討し、手を尽くし、
患者さんの命を救おうとする。

息をもつかせぬ、迫真のドキュメントが
撮影された。

松本さんが、どのようにして
患者さんを救おうとするのか。
その魂の真髄に触れて、
見るものは深く感動する。

NHK総合
2009年9月8日(火)22:00〜22:49

http://www.nhk.or.jp/professional/

すみきち&スタッフブログ

Nikkei BP online 「命を支えるドクターヘリの流儀」(produced and written by 渡辺和博(日経BP))

9月 8, 2009 at 08:05 午前 | | コメント (19) | トラックバック (5)

Yutaka Ozaki

Yutaka Ozaki

The Qualia Journal

8th September 2009

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9月 8, 2009 at 08:05 午前 | | コメント (7) | トラックバック (2)

信哉だけだと思っていたら

ビジネス社の岩崎英彦さんと、
登別へ。

長島久幸と2003年に
学会の折、訪れた場所。

仕事の合間の休息、
地獄谷を眺めながら、
露天風呂でビールを飲む。

懐かしい。

お世話になったタクシーの
運転手の本多勝英さん。

バスの運転を25年されて、
定年後、遊んでいるよりは、
とタクシーを始めたのだという。

いろいろお話をうかがっていると、
温かいお人柄が伝わってくる。

昼食に入った苫小牧の
「らーめん縄文」にて、
本多さんに色紙を頼まれる。

感謝の思いを込めて書きました。

らーめん縄文の、
元祖味噌ラーメン、とても美味であった。


本多勝英さんと。苫小牧のらーめん縄文にて。

夜、白洲信哉からメールがあった。

神楽坂の「寿司幸」で、新子を
食べているのだという。

「写真は寿司幸の新子ざまあみろ!」

と書いてあるが、肝心の写真が
添付されていない。

まったく、と思いながら電話した。

「新子、いくつ食べているんですか?」
と聞くと、
「30個!」
と言って、いばっている。

「橫にいるから」といきなり電話が
代わって、うってかわって落ち着いた
声が聞こえる。

新潮社の、池田雅延さん。
長年小林秀雄さんの担当を
されていた、すばらしい人格者。

「あっ、池田さん、ごぶさたしています。」
こちらも最敬礼して口調が変わる。

「最近、茂木さんにお目にかかって
いないから、何だか不足でね。」

「あっ、こちらこそ、お目にかかるのを
楽しみにしています。」
と相変わらず丁寧に喋る。

「まだまだいますから、代わりますよ」
と池田さん。

「もしもし。」
今度は、明子さんが出た。小林秀雄さんの
娘さん。信哉のお母さん。

「あっ、ごぶさたいたしております。新子
おいしいですか。」
まだまだ丁寧口調である。

「もう一人いますから、代わりますね。」
と明子さん。

「もしもし」と今度は
白洲千代子さんの声。
ちょっとほっとする。

「今度二子玉川で展覧会がありますから」

「あっ、それでは、ぼくのイベントと
ちょうど同じ時期ですね。」

「その頃に。」

「ええでは、その時に。」

「信哉に代わりますね。」

一周して、信哉に戻り、やっと調子が
戻る。

「新子が好きだからと言って、よく
30も食べられるね。」と私。

「4人で、100個食べたらしいよ。」
と信哉。

白洲家は、寿司幸にずいぶんも前から
「この日に新子を食べにいくよ」
と伝えてあって、満を持して
信哉もでかけたらしい。

だから、30個くらいは食べるかも
しれないが、それにしてもやり過ぎだ。

新子、おいしかったろうな。

電話を切ってから、はてな、と思った。

信哉が30個食べたとしても、あと70個を
3人で。
おかしい。計算が合わない。

紳士中の紳士たる池田さんはもちろん、
にこやかに笑う明子さんも、
やさしい千代子さんも、
新子を10個も20個も食べる
エキセントリックなところがあるようには
見えない。

しかし、4人で100個ということは、
10個も20個も食べた、と考えないと
計算があわない。

信哉だけだと思っていたら、
なんだ、みんなそうなのか。

そう考えたら、自分もその風狂の宴に
いたかったなと、急にうらやましくなった。
登別から見ると、神楽坂は遠い。

外を見ると、地獄谷はもうまっくらで、
硫黄の匂いだけがぷんとした。

9月 8, 2009 at 08:02 午前 | | コメント (10) | トラックバック (2)

2009/09/07

Liquid in life

Liquid in life

The Qualia Journal

7th September 2009

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9月 7, 2009 at 07:01 午前 | | コメント (6) | トラックバック (0)

そんな夕べ

桑原茂一さんや、吉村栄一さんと、
シャングリラ・ホテルで会う。

dictionaryで連載中の、how to agrue。
伝説の、ボーア・アインシュタイン
論争を検討する。

いつも、最後にイラストを描く。

内容に即したものを即興で
書かなければならないので
大変だ。

茂一さんと、パリにいる
ローラン安斎の話をした。

会いたいな、と思った。

丸の内にて、イノベーションについて
短い議論。

丸善丸の内本店。

『熱帯の夢』サイン会。

たくさんの方に来ていただき、
本当にありがとうございました。

東急Bunkamura。

佐藤卓さんとの対談。

すばらしくダイナミックな
言葉のやりとりとなった。

(詳細は、英語のブログ
qualia journalに書くことといたします。

夜、道を歩いていると、
いろいろなところから虫の音が
聞こえてくる。

都会の中でも伝わってくるから、
ああ、土と草がある場所ならば、
どこでも発生するのだなと思う。

限りある命という意味では、
彼らも私たちもかわらない。

だからこそ愛おしくて、
ずっと聞き惚れていたいけれども、
現代人はどうやら何かに追われていて、
結局は足早に通り過ぎる。

ゆったりと、虫の音を聞く
そんな夕べがあればいいのにと
思う。

9月 7, 2009 at 07:01 午前 | | コメント (16) | トラックバック (1)

2009/09/06

Bunkamura 佐藤卓対談

佐藤卓さんと対談します!

2009年9月6日(日)
17時〜 Bunkamura

詳細

9月 6, 2009 at 06:28 午前 | | コメント (1) | トラックバック (1)

『熱帯の夢』刊行記念サイン会

『熱帯の夢』
刊行記念サイン会

本日!

詳細

9月 6, 2009 at 06:26 午前 | | コメント (5) | トラックバック (0)

Beetle mania

Beetle mania

The Qualia Journal

6th September 2009

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9月 6, 2009 at 06:26 午前 | | コメント (8) | トラックバック (0)

数と詩情

考えてみると、もう数年間、
移動しながら少しでも時間が
空くと何か手元の仕事を始める、
そんな生活をしている。

席に座った瞬間にコンピュータを
開ける。
それが、日常と化してしまった。

開けた瞬間に、仕事の続きを
その先からやる。
クロックが動き始める。
仕事をそこで打ち切っていた、
続きをつむいでいく。

考えることもそうで、
歩きながら、問題の続きについて
あれこれと考えをめぐらせる。

タイム・シェアリング・システム
のようなもの。

そんな時間の流れの中でも、
詩情は時に心の中に忍び込んでくるから
不思議だ。

見上げると、満月だった。
不意打ち。
月齢を意識していなかった。

月の光は、太陽の光の465000分の1
の明るさだと、
石川賢治さんの本にある。

月の質感と、太陽の質感は余りにも
違う。

その相違が、465000分の1に限らず、
どんな数字にも帰着できないように
思えて、ぐるぐると考えが巡る。

数と詩情の間の、不思議な関係。

そう言えば、先日ロンドンで
白洲信哉とそんな
話をしたなと、夜道を歩き見上げて
思い出した。

9月 6, 2009 at 06:25 午前 | | コメント (17) | トラックバック (2)

2009/09/05

Whims of nature

Whims of nature

The Qualia Journal

5th September 2009

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9月 5, 2009 at 07:51 午前 | | コメント (10) | トラックバック (0)

厚みのある知の源流

比叡山の飯室谷不動堂に、
酒井雄哉さんを訪ねる。

酒井さんは二度にわたり
千日回峰行を成し遂げた
大阿闍梨。


名古屋の朝日カルチャーセンター以来。
『どんな人にも役割が』

お話をうかがっているうちに、比叡山に脈々と
受け継がれる「幻覚」をめぐる文化
に目が啓かされた。
そもそも、心と脳の対応関係から考えれば、
現実と幻覚は原理的に同じだという
こともできる。

身体を追い込めば、illusionを見るのは
いわば当然。

どんな風にそのillusionを見たか、
その「流れ」が大切なのだと
酒井さんは言われる。

そして、illusionを見るのは、
仏への道の途中に過ぎないとも。

山川草木悉有仏性。


途中のillusionにとらわれて
しまっては、かえって「魔界」
に落ちる。

現代人のように、幻覚を例外的な
ものとして無視するのではなく、
それが起こるのは当然だとして、
どのように向き合うのか、
その文化と叡智を積み上げる。

酒井さんのお話から伝わって
くる「天台宗」の知の蓄積には
深みがあった。

知の深みは、歴史に比例する。

日本の大学は、ヨーロッパの
それに比べると歴史が短く、
だから物足りない。

しかし、考えてみると、天台宗は
最澄によって806年に伝えられてから、
1200年。

かくも長き年月のうちに、修行中の
幻覚に対する事例が積み上げられ、
洗練されていくのであろう。

日本における厚みのある知の
源流は、仏教界にあった。


酒井雄哉さん


酒井雄哉さんと。飯室谷不動堂にて。

9月 5, 2009 at 07:50 午前 | | コメント (16) | トラックバック (5)

2009/09/04

It's my job never to give up

It's my job never to give up

The Qualia Journal

4th September 2009

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9月 4, 2009 at 04:31 午前 | | コメント (8) | トラックバック (0)

あれを見れば

午前中取材3件。

PHP研究所の木南勇二さん(キャミー)
が迎えに来る。

NHK。『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の撮影。

ゲストは、ドクターヘリ、松本尚さん。
松本さんと一緒に、改めて3Vを見る。
息をもつかせぬ迫真。

ヘリコプター出動要請の
電話がかかってくる。

生死の境をさまよう患者さんに、
松本さんたちが懸命の
処置をする。

紆余曲折。
やがて、ようやくのことに危機を脱する。

どんなに困難な状況でも決して
諦めない、本当に素敵な
松本さん。

克明に描かれるそのプロセス。

収録が終わった後の
スタジオで、松本尚さんとお話する。

「やはり、あのようなケースは
年に1件あるかないかですね。」
と松本さん。

「あのようなことが、映像に
収められたということは今まで
ないでしょう。」

待ち時間に第一食堂の喫茶で
仕事をする。

お昼を食べていない。空腹に
耐えかねて、190円のかけそばに
30円の生卵を落としたものを食べた。

食券を買い、カウンターの前に立つと、
おじさんが顔を見て、
「プロフェッショナルはいつ放送して
いるんでしたっけ?」と聞いてくる。

「火曜日夜10時です。夏休みをいただいて
いましたが」と答える。

「ああ、良い番組だね」と言いながら、
おじさんは奥の方に移動して、そばを
湯の中にいれた。

近くには、おじさんの同僚がいる。
同僚に向って、「プロフェッショナル
というのはいい番組だね。あれを見れば、
死ぬ人はいないでしょう。」
と言っている。

私は、意味がわからず、一生懸命
耳を傾けた。

そばのお湯を切り、おじさんが
こちらに来る。

「プロフェッショナルというのはいい番組だね。
あれを見れば、死ぬ人はいないでしょう。」
おじさんが、もう一度、今度は私の
顔を見て言った。

それで、やっとわかった。

長い不況が続く、困難な時代。
番組を見れば、勇気が湧く。

どんなに苦しい時でも、きっと
そのトンネルの向こうに明かりがあると
信じることができる。

だから、自殺なんかしなくなる。

そんな意味だとわかった。

ビデオのチェックを終えた
松本尚さんとともに、「二合目」へ。

長いロケの間の苦労をともにした
ディレクター、デスク、カメラマン、
音声さんと一緒に、ゲストと懇談する
場は、本当に大切な、振り返りの時間。

有吉伸人さんに、「さっき、一食で、
そばを注文して、おじさんに、
プロフェッショナルはいい番組だね、
あれを見れば、死ぬ人はいないね、
と言われたんですよ。」
と報告した。

有吉さんは、「最高の褒め言葉ですね」
と言って、それから
目に腕をあててクククと泣いた。

やがて、有吉さんは、
大好物の鶏の唐揚げをうれしそうに食べた。


生田聖子ディレクターと、松本尚さん


有吉伸人さん


有吉伸人さん、井田カメラマン

9月 4, 2009 at 04:22 午前 | | コメント (22) | トラックバック (0)

2009/09/03

有吉伸人 茂木健一郎 対談

「プロフェッショナル」の極意
超絶! 企画・演出論

NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」チーフプロデューサー 有吉 伸人
脳科学者 茂木 健一郎

朝日カルチャーセンター新宿

2009年9月30日(水)
18時30分〜20時30分

『プロフェッショナル 仕事の流儀』
のチーフプロデューサー、有吉伸人
さんと対談いたします。

有吉さんの、「映像演出論」に関する
深い見識、そして凄まじいまでの執念。

『プロフェッショナル 仕事の流儀』
が好きだという方はもちろん、
ドキュメンタリー、映像演出に
関心のあるすべての方、必聴です。

詳細

有吉伸人氏

9月 3, 2009 at 07:52 午前 | | コメント (9) | トラックバック (1)

Home coming

Home coming

The Qualia Journal

3rd September 2009

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9月 3, 2009 at 07:51 午前 | | コメント (7) | トラックバック (0)

ドキュメンタリーの魂

変な時間にいったん目が覚めて、
目覚ましで起こされた。

「なんでこんな時間に起こしやがるんだ」
と一瞬思う。

それから、「ああそうか、こいつは
心なきやつだったな」
と考えた。

とにかく起きて顔を洗う。

ずいぶんと涼しくなった。

成田からNHKへ。

『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の打ち合わせ。

社会情報番組の部屋に入っていくと、
細田美和子さんがにっこりと
笑って迎えて下さった。

打ち合わせ室に入ると、
山口佐知子さん(さっちん)
がやってきた。

「帰ろうと思っていたんだけれども、
茂木さんがおいしいお土産をもって
くるんじゃないかと思って」

「すみません。ウォーカーズですけれども。」

「あっ、これ、おいしいですよね。」

そうしたら、「クローズアップ現代」
に移動した河瀬大作さんまでやってきた。

「うまいうまい。」

河瀬さんとさっちんが、並んで
ショートブレッド・フィンガーを食べる。

ドクターヘリの松本尚さんの回。

担当のディレクターは、生田聖子さん。
担当のデスクは、山本出さん。

有吉伸人さんが、「茂木さん、ドクターヘリの
回の3Vはすごいですよ。」
と言っていたので、どんなものかと、
身構えてみた。

緊急医療の最先端に立つ
ドクターヘリ、松本尚さん。

3Vは、そのお仕事の緊迫する
現場を追った、いわば「ドキュメンタリー
の王道」とでも言うべきものだった。

見終わって、「いやあ生田さん、すごいですね。」
と感想を言う。

「何というか、事実そのものが、そのまま
ドラマになっている、特に、松本さんが、
粘るところが心に迫る。」

生田聖子さんの渾身。
打ちのめされた。

「有吉さん、このような映像を、
すごいというということは、
やっぱり有吉さんはすごい人ですね。
ドキュメンタリーの魂。」
と言うと、有吉さんは
「ははは何を言っているんですか。」
と照れた。

その有吉伸人さんと、「映像演出論」
をめぐって今月末に朝日カルチャーセンター
で対談する。

ドクターヘリ、松本尚さんの
回の放送は、来週の火曜日、
9月8日です。


細田美和子さん


河瀬大作さんと、山口佐知子さん


山本出さんと、生田聖子さん


有吉伸人さんと、山本出さん

9月 3, 2009 at 07:50 午前 | | コメント (10) | トラックバック (0)

2009/09/02

帰国

帰国して、仕事場に移動中。

機内では、仕事をして、
ごはんを食べて、仕事をして、
それから、Just for laughs,
007のDiamonds are forever,
それから、Night Museumを
30分だけ見た。

飛行機を降りて手荷物受け取り
場に向かう時、「ああそうか、
政権交代するんだな」と思った。

そうしたら、これまでいろいろな
ことが停滞していたこの国が、
少しは変化するような、そんな
気持ちになった。

英国でも、日本の今回の選挙のことは
何十年ぶりの変化ということで、
大きく報道されていた。

フジテレビの朝倉千代子さんから
メールをいただいた。

ベストハウス123
「脳スペシャル」の放送は、9月9日。

From: 朝倉 千代子
To: Ken Mogi
Subject: ロンドンの空

茂木様

ロンドンはいかがですか?

土曜日は色々なプレッシャーの中、ありがとうございました。
笠原さんが、編集に入っています。

やっぱり、これぞ!!というものを作り上げる
には時間とパワーが必要ですね。
半年以上かけて、やっと辿り着いて、
あらためて痛感します。
茂木さんがベストハウスに存在していただいてるお陰で、
脳スペシャルのような前向き、知的好奇心、そして
楽しい番組ができるってもんです。

次もまた是非、宜しくお願いいたします!!

無事のお帰りをお待ちしております。

朝倉

9月 2, 2009 at 04:52 午後 | | コメント (19) | トラックバック (1)

A Farewell to Arms

A Farewell to Arms

The Qualia Journal

2nd September 2009

http://qualiajournal.blogspot.com/

9月 2, 2009 at 02:30 午前 | | コメント (4) | トラックバック (0)

白洲信哉になった

ロンドン滞在最終日は、
大英博物館のバックヤードを見る。

日本部門のTimothy Clarkさんが、
Study Roomやbackyardを見せて
下さった。

Printの収蔵庫、閲覧室を見る。
デュラーなどもあるとのこと。
大変立派である。

平山郁夫さんが寄贈した
修復室、Hiryama Studioを見る。

Senior Conservatorの杉山恵助さんが、
お仕事のことなどいろいろと
ご説明下さった。

Grand Courtにて、白昼の
シャンパンを飲みながら
白洲信哉と
今回の経験を振り返る。

昼食は飲茶。
引き続き話し続ける。

Knightsbridge high streetにある
新立昭夫さんのスタジオを
訪れ、デザインのプロセスに
ついて話を伺う。

近くの気持ちの良いパブで
ビターを飲む。

「やっぱりこのあたりはいいね」
と信哉。

私はコンピュータを出して
「野良電波」がないかどうか
チェックした。
残念ながら、使えるWiFiは周囲にはなかった。

「その無線というのは、どうやって
やるんですか?」
と信哉。

新立さんが、「ロンドンには、USBに差して、
pay as you goで使える無線LANが
あります」と説明した。

納得しない信哉。
「でも、そのUSBというのと、
無線LANというのは別でしょ。」

「いや、USBであることと、
無線LANであることは独立
しています。USBに差したもの自体が、
無線LANの機器になっている
ということはあるでしょ。」と私。

信哉は納得しない。
「うそだ。USBというのは、線で
つなげるんでしょ、それは、無線とは
違うんじゃないですか。」

白洲信哉は、ロンドンにコンピュータを
持ってきてはいるんだけれども、
ホテルで無線LANの使い方が
わからないので、ブログを更新して
いない。

「でもね、原稿は一応書いたんですよ。
それを携帯で撮って送って、
打ち直してくれと言ったら、
それはさすがに勘弁してくれと
先方が言ってきた。」

「ん?」
と太田真三さんが反応する。
「つまり、携帯で写真を撮って、
それを携帯メールで送ったということ
ですか?」

「それはかえってすごい!」
と渡辺倫明さん。

「いっそのこと、そのJPG fileを
そのままブログに載せてしまえば
良かったんじゃないですか?」
と私。

「ん? JPGって何ですか?」
と信哉。

「画像ですよ。画像。」

「ん? あっ、そうか。画像か。」

ビールは1パイントずつじゃなくて、
ハーフ・パイントずつ飲むのが
いい、と言いながら、
そのハーフ・パイントを、信哉は
もう数回繰り返していた。

「もういいですよ。その無線というのは
どうせ使えないから。使えるところに
いったら、まとめて送りますよ。」
と開き直る信哉。

信哉が「えっ?!」と言って、
顔を見上げる、その調子が
心地良く、ナイツブリッジの
午後が過ぎていく。

残念ながら、私だけ空港に
向かう時間になる。

さようなら。
心残りを置いて、仲間たちに
別れをつげた。

ヒースロー空港第三ターミナル。

ラウンジでこれを書いている。

デジカメの画像を取り込む
コードを預け荷物の中に入れてしまったので、
一時的に、
「えっ? 何? 写真をアップする?
どうやって?」の白洲信哉になった。

もう少ししたら飛行機が出ます。

みなさんごきげんよう。

9月 2, 2009 at 02:29 午前 | | コメント (7) | トラックバック (4)

2009/09/01

白洲信哉×茂木健一郎 トークショー

白洲信哉さんと、トークショー
をします。

白洲信哉さんと、カラヤンや白洲次郎、
美のこと、生命のこと、神のこと、
日本のこと、自分たちのことを
話したいと思います。

好評につき、会場を調節して、
締め切りを9月13日まで
延ばしたそうであります。

皆様、ぜひいらしてください!

2009年10月26日(月)
ザ・リッツ・カールトン東京 グランドボールルーム

詳細


9月 1, 2009 at 03:35 午後 | | コメント (2) | トラックバック (0)

The sublime in Turner

The sublime in Turner

The Qualia Journal

1st September 2009

http://qualiajournal.blogspot.com/

9月 1, 2009 at 03:12 午後 | | コメント (7) | トラックバック (0)

大好きなレストラン

一日かけて、ロンドンの美術館を巡る。

まずはTate Britain。
ターナーの作品を中心に見る。

ターナー論については、英文の日記
(qualia journal)に書くことといたします。

トラファルガー・スクエア橫の
National Galleryへ。

まずは、近くのパブThe Harpでビターを飲む。

白洲信哉さん、渡辺倫明さん、太田真三さん
と談笑。

「これだよ、この味ですよ」
と白洲さん。

本当は、liquid lunchのつもりだったが、
コーディネイターの香川さんが
うまいソーセージのサンドウィッチを
頼んで下さった。

ソーセージもビールも、
妙にうまいパブだなと思ったら、
The Harpは、Real Aleがうまい店として
数々の表彰を受けていた。

National Galleryの中へ。

VermeerのA Young Woman seated at a Virginal、
及びA Young Woman standing at a Virginal
は一対の絵なり。


"A Young Woman seated at a Virginal" by Johannes Vermeer


"A Young Woman standing at a Virginal" by Johannes Vermeer

http://www.nationalgallery.org.uk/artists/johannes-vermeer

George Frederic WattsのHopeや、
John Everret MillaisのOphelia、
それにWilliam Blakeの諸作品。


"Hope" by George Frederic Watts



"Ophelia" by John Everret Millais

続いて、テムズ川の南側にある
Tate modernへ。

Anish Kapoor、Francis Baconの作品、
それにMarcel DuchampのLarge Glass
(The Bride Stripped Bare By Her Bachelors, Even)を
中心に。

Large Glassのオリジナルはフィラデルフィア美術館
にある。
Tate Modernのものは、Duchampの許可を得て
Richard Hamiltonによって
1966年に複製されたものである。


"Large Glass" by Marcel Duchamp.

いったんホテルに帰り、仮眠。

The Ivyへ。

大好きなレストラン。
ロンドンの文化関係者が多く集まる。

白洲さん、渡辺さん、太田さんと
今日見たことについてゆったりと
話し合った。


タクシーの中でカメラを検分する白洲信哉


白洲信哉。ソーホーの路上で。


ロンドンの横断歩道。「右を見よ」


首相官邸のある「ダウニング街」


テート・ブリテンの正面


ロンドン中心のウェストミンスター市の紋章の
ついたゴミ箱


テート・ブリテンの中で。渡辺倫明氏。


国会議事堂(ビッグ・ベン)


名物の電話ボックス。白洲信哉の影が映っている。


トラファルガー・スクエア。ネルソンのコラム。


ナショナル・ギャラリー正面。


セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ教会。


「ザ・ハープ」の中で。太田真三さんと、渡辺倫明さん。


「ザ・ハープ」の中で。白洲信哉。


「イングリッシュ・ナショナル・オペラ」
の入っているコロッシウムを望む。


テート・モダンの入り口にあった寄付ボックス。


テート・モダンの中にて。


テート・モダンの入り口の斜面を、
子どもたちが喜んで転がっていた。


レスター・スクエアの中にある東京ダイナー。
日本食が恋しくなった時に何回通ったか
わからない。


わが愛するThe Ivy


The Ivyのテーブルにつきました。


キャヴィアを食べてご機嫌の白洲信哉。


「サマー・ヴェジタブル・ミネストローネ」
をサーブされる渡辺倫明さん


外に出るととっぷりと日が暮れて。
再びThe Ivyに来るその日まで。

9月 1, 2009 at 03:08 午後 | | コメント (19) | トラックバック (0)