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2009/07/21

文明の星時間 歌舞伎の奇跡

サンデー毎日連載
茂木健一郎 歴史エッセイ

『文明の星時間』 第73回 歌舞伎の奇跡

サンデー毎日 2009年8月2日号

http://mainichi.jp/enta/book/sunday/ 

抜粋

 歌舞伎の創始者と伝えられる出雲阿国が京都の北野天満宮で「かぶき踊り」の興行をしたのは1603年とされる。折しも、徳川家康が征夷大将軍に任ぜられ、江戸幕府を開いた年である。
 1467年の「応仁の乱」以来続いた戦乱の世。親や子でさえ裏切り合った下克上の時代に迸った生命のエネルギー。天下が統一され、社会が安定化するに従って、人々の生きざまのダイナミック・レンジは、急速にしぼんでいった。
 社会規範という、私たちの生命を支えてくれるはずの安定性の中で、私たちの命はかえってやせ衰えていく。その逆説の間隙を、歌舞伎という芸術は突き崩す。

全文は「サンデー毎日」でお読みください。

本連載をまとめた
『偉人たちの脳 文明の星時間』(毎日新聞社)
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7月 21, 2009 at 06:56 午前 |

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受信: 2009/07/21 9:43:54

コメント

今夏の連載を読ませていただきました。

そういえば先日、教育TV「藝術劇場」で「寺子屋」という歌舞伎の演目を見たことがあった。

やはりここでも「女殺油地獄」などのように「死」を観客の前に見せている。この場合は、身代わりにされた子供の死だ。

子供の死を嘆く親の姿が眼に今も残る。

そのおぞましいほどの凄まじさ。まさに今思うに、歌舞伎とは死、殺しという生命の負の側面を舞台で見せることで、見ている者に何かを齎してくれるのだ。

今は江戸期以上に、機械文明が凄まじく進み、その上を薄い天蓋のように電脳・電網文化が覆い尽くしている時代…。その下で有り余るほどの恩恵を受けている私達。

恩恵の大きさとは反対に、江戸期の人以上に、我等の魂のダイナモは、力を失いつつある。

歌舞伎の齎す“タナトス”の奇跡は、不思議にもそのダイナモに力を与え、ぐるぐると回してくれるのだろう。

投稿: 銀鏡反応 | 2009/07/21 21:12:24

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