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2009/07/02

ピアニストの音楽

東京大学駒場キャンパスで
池上高志と話す。

生命のことや、知性のこと。

続いて、認知オムニバスの授業に
早稲田大学の三輪敬之さん

いらっしゃるということで、
久しぶりに三輪さんの話を聞こうと
出席した。

個物の絶対性からスタートするのではなく、
それらが置かれる場の中で
融合される際の危うさと可能性を
追求すること。

三輪さんのお名前を最初に聞いたのは、
植物の成長点の周囲の場についての
研究にかかわって。
私は大学院生だった。

次にお会いした時は、
三輪さんは認知ロボティックスの
研究者になっていた。

ある人の見え方というのは、地層の
ように積み重なっていくものである。

いつもは文脈に関係なく自分の
言いたいことを言う池上高志が、
授業の後の事務的なアナウンスメント
になると急に真面目になるのが
面白い。

池上の研究室で、三葉虫の
化石を見た。



三輪敬之さん


池上高志


サントリーホール。
ピアニストの館野泉さん
の演奏を聴く。

吉松隆/左手のためのピアノ協奏曲
「ケフェウス・ノート」作品102a
    
(「舘野泉左手の文庫」助成作品)
を、関西フィルハーモニーと。

指揮は藤岡幸夫さん。

左手だけで弾くピアノは、
全く別の楽器のよう。

その静かな調べに合わせて、
オーケストレーションも
変容する。

制約が、むしろ可能性になる。

楽屋に館野泉さんを訪ねる。

北欧の生活が長い館野さん。

「ピアニストの音楽というものは、
もって生まれたものだと思います」
と、林の中を吹き抜ける風の
ようなその人は言った。

指が鍵盤に触れ、やがて移動
していく時の本当に微妙な
タッチの違い。

無意識の引き込み。自分では
コントロールできない持調子。

ピアニストの音楽に相当するものが、
私たち一人ひとりの個性をつくる。

7月 2, 2009 at 07:45 午前 |

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コメント

今、TVを拝見しています。

音楽って 素晴らしいですね。

今まで、コンサートでは音楽療法を体験させて頂いておりましたが

それは、ピアニストの方の演奏が素晴らしいこと・室内楽ホールの音響

音楽が脳から体に入ってくる感覚が心地よく 癒されました。

丁度、右手を怪我して、不便さと右手について考えさせられています。


井上智史さんとお母様を拝見していると、母はとして恥ずかしく思います。

息子のことでSCの方と話したときも 会話に出ましたが

音楽・芸術の大切さを改めて感じます。

良い番組をありがとうございます。

投稿: | 2009/09/09 22:07:57

初めまして、同姓の茂木です。N響のオーボエにも、茂木さんはいます。
左手の曲はヴァイオリン奏者にとって、以外につらいものです。普段は左手を使って、右手は弓を持ってますが、打鍵でどうしても、筋力が付いて行かないので、中々辛いです。
ヴァイオリニストと筋力の関係を整形外科の先生と、話あって、論文書けたら良いと思ってます。フランスには、音楽専門のリハビリ医師がいるのですが、日本はアメリカのスポーツ医学しか、取り入れてません。また、シューベルトの未完成で、ファーストヴァイオリンは、PPで、弓が振戦を起こす話を、脳医学の視野で、コメント下されば幸いです。

投稿: 茂木公史 | 2009/08/07 20:55:29

茂木さん、Hello♪(^-^)無意識の引き込み。自分ではコントロールできない持調子♪とありますが♪私は高2の時に友達皆で海に遊びに行きました♪(逗子)たしか花火大会があったから♪ヒュー〜パチパチパチッ♪うわ〜キレイだね〜♪来てよかったね〜♪(^^)d昼間の海も大好きだけど♪夜の海もしっとりとしていて?♪(笑)だけどドキドキ♪ワクワクしちゃうし♪(笑)私はその素敵な海と花火♪を目に♪心に焼き付けました♪(^-^)у(花火大会の見物人として♪(笑)プププツ♪(^.^)その時♪その場所で♪地元の人達と自然にお友達になれました♪(笑)うれしかった♪その後も何度か海を見に♪ワハハ♪lalala♪しにいきましたの♪そのうち(笑)その中の一人の人を気になり始めて♪ドキドキ♪ワクワク♪時にはあ〜今頃なにしてるんだろう♪メロンパン♪(笑)でも食べてるのかな?♪とか♪ちょっぴり胸キュン?♪(笑)な感じになってて♪ある日♪学校が終わってそのまま帰らずに♪(笑)気付いたら学校内に何台か設置されてた公衆電話の前に♪(笑)テレカを持ってピッポッパ♪(笑)(携帯とか持っての通学は決まりでダメだったから♪まじめに(笑)まじめだったなぁ(笑)今はテレカは持ってません(笑)持ちません♪(笑)今からね♪ワハハ♪lalala♪しに行ってもい〜い?(笑)うん♪いいよ♪うれし♪(笑)着いたらまた電話するね♪向かい合う席もある電車に一人揺られ♪乗り慣れてないから♪この電車で間違ってないよね?♪とか思いながらも♪ッホ♪着いたよ〜♪そして砂浜をお散歩しなが♪ちょっとした階段に座って♪ワハハ♪lalala♪また来るね〜♪って(笑)帰りの電車の中は所々にポツン♪ポツン♪と座ってる人がいた♪私の前にも一人座っていた♪いつの間にか私は眠ってしまって♪気が付くと椅子の上に上半身が斜めに傾いていた♪(笑)(ベッドか?♪(笑)そしてずっと変わらず♪目の前の人と目があっちゃって恥ずかしかったのです♪(笑)その人は私がちょっとずつ段々傾いて行く姿をずっと見て?♪(笑)(おい♪大丈夫かなって見守って?♪(笑)いてくれたのだろうか?♪(笑)その人とは(目の前の人ではありません(笑)いつの間にか会わずになって数年後にその中の一人の人から携帯に♪久しぶりだね〜皆元気にしてる〜?とワハハしたのです♪後々本人から話してきたのですが♪距離が遠かったから♪(笑)だって♪(笑)それも楽しかった思い出♪(笑)たま〜に今になって思う事があるのですが♪因みに今日思ったのですが♪(笑)仕事帰りとかで椅子に座れて♪うとうとしてしまったりがありますが♪(笑)見掛けますが(笑)どうしてだろう?♪うとっ♪っとする時♪いけない♪いけない♪寝てはいけない(笑)ここでは眠ってはいけないみたいな感じになるのでしょう?♪(笑)各駅だから?♪自分では眠りたい気持ちはコントロールできないけど♪(笑)不思議(笑)首が痛いよ(笑)因みに私のベッドにはドラちゃんがいつも居ます♪母さんが旅行に行った時のお土産♪冬はポッケにホッカイロでポッカポカ♪(笑)だけどドラちゃん腕がちょっぴり足りないの♪(笑)私って私ってσ(^_^;)?寂しくなんてないモン♪(笑)首はよく寝違える(苦笑)今日もドラちゃんと手をつなぎ♪四次元の世界へ♪どんな世界だ?♪(笑)ところで、茂木さんは♪ぬいぐるみとか必要ですか?♪(/3^)かわいくないとダメ?♪何ソレ(笑)もう知らんプリッ♪(笑)それでは茂木さん、また今度です。

投稿: | 2009/07/03 3:06:57

こんにちは

存在の不思議で、概念やデザイン、音楽は存在していたのを発見したのか?、創造したのか?。創った場合、宇宙人も含め、この宇宙で初めてか?、はたまた、宇宙外も含めて始めてか?、浮世絵は、日本人が創り、西洋人に発見された。内向きの創造と発見と、外向きの発見はよく似ているのではないだろうか?


写真を見て、池上高志さんは、爆笑問題のTVに出た時に、「服装が学生みたい」と言われてましたが、本当にいつも学生みたいな服装なんですね。(^^)

投稿: | 2009/07/03 0:41:13

【制約が、むしろ可能性になる。】

限られた中で、自分の精一杯を尽くすことで
見つかるものがあるのですね!

スタートは違っても、
その後に、掴んで自分の中に取り入れて
消化して、持ち味に含まれたものも
自分を変化させて成長させてくれる。

【指が鍵盤に触れ、やがて移動
していく時の本当に微妙な
タッチの違い。

無意識の引き込み。自分では
コントロールできない持調子。

ピアニストの音楽に相当するものが、
私たち一人ひとりの個性をつくる。】

それぞれの持調子それぞれの個性。
みんな違ってみんないい、ですね!
豊かな違いが豊かな世界のハーモニーを
生み出してくれる気がします。

今日も元気の力を頂きました。
ありがとうございました。
先生も、皆様も、素敵な一日を過ごされますように。

投稿: | 2009/07/03 0:34:26

制約の中にある可能性。ぜひ見てみたいです。

指が鍵盤に触れ、移動していくタッチ。そこから溢れる音。
そこにも奏者の気持ちがこもっていますね。
聞き手にも、通じてくれると、一体になれますね(^-^)

投稿: | 2009/07/02 23:22:19

昨夜(09/07/01)に「ベストハウス123」を見た。

そこには、まさに障害という“制約”をものともせず、己の可能無限を突き抜けるように、スポーツに挑み続ける人間たちの姿があった。

ある人は左腕1本で剣道に挑み、右腕のないある人はキックボクシングのチャンピオンになり、両手両足を失ったアマレスの選手は、地方予選で優勝できなかったものの、見事な健闘で観客のスタンディング・オベーションを受けていた。

言われるように、まさしく制約は可能性の母体なのですね。

さて、舘野泉さんのドキュメントを以前TVで見た記憶がある。片腕でピアノを奏でるようになったのは、病に倒れたからだ、とそのTVは言っていたように思う。

病が齎した制約。それが、舘野さんにとっての、新しい地平を開くことになったのだろう。

持って生まれた音楽が、たとえば…ピアノの鍵盤にのって、空気を震わし、聞き手の耳を通じて、互いに共鳴しあう。

人間の力は障害すらも糧に変え、限り無き可能性の土壌に変える。そして、己の“持調子”をすら無意識のうちに大きく変えていく。

人間の可能無限は、まさにそこから、広がっていくのだ、としみじみ考える。

投稿: 銀鏡反応 | 2009/07/02 19:36:26

茂木健一郎様
>ピアニストの音楽に相当するものが、
私たち一人ひとりの個性をつくる。

この言葉を聴きながら今日をずっと過ごしてみました。
持ち調子リズムの強弱、ビブラート
楽器であることがよくわかりました。
生きるってなんて温度のあるはかなく
よいものなのでしょう。

投稿: Yoshiko.T | 2009/07/02 18:46:34

以前、テレビで舘野さんについて拝見した記憶があります。
人間って、すごいですね。

昨日のベストハウス123でも、
片腕の剣士の方や、
本当に常識を覆すような方ばかり取り上げていて。
その努力と可能性に、目を見張るばかりです。

…ピアニストの音楽に相当するもの。

スーパーでレジを打つ女性にも、工場のラインで働く派遣労働者にも、零細企業の事務員にも、
それは見い出せるでしょうか?

先生なら、どうしたら見い出せると、お考えになりますか?

***

関係ありませんが、先生は“モッギー”だったんですね(笑)

http://www.sunmusic.org/becky/blog/?p=443

ベッキーは大好きで、ブログもいつも見ているんです。
ファン?
イエ、むしろ母性本能かも…(笑)

投稿: | 2009/07/02 18:33:10

…融合される際の危うさって
オーケストレーションと同義っぽく使われてるのかなぁ?

時に・・・
コラボって、ぽちの考える融合のイメージとは…少し違ってるのかもしれません ☆ヽ(~-~

投稿: | 2009/07/02 17:34:46

昨夜の舘野さんのピアノは恩寵でした。雨上がりの木漏れ日を思いながら聴きました。おっしゃるとおり別の楽器のようですね。
満ち足りた気分でホール横のホテルのロビーを歩いているとき、茂木さんとすれ違ったように思います。よい晩となりました。

投稿: | 2009/07/02 10:49:19

茂木先生 こんにちわ

>左手のためのピアノ協奏曲

この曲 以前 左手のリハビリに使われる事を
以前 知りましたよ。

サントリーホール 懐かしいなぁ。
映画ばかりで 久しくコンサートに行けてない気がします。
あの空間を 味わいに 是非また行きたいな。

ピアニストの1音・ダンサーのステップ・画家の一筆が
上記以外の お仕事に就いている人達にも
必ずあると 思う私です。(過去にラウンジピアノ奏者経験あり)

投稿: | 2009/07/02 10:38:44

拝啓、茂木健一郎様
おはよーございます(・ω・)/
今電車です。雨がしとしと降ってます。
舘野泉さんのコンサート、昨晩あったんですね~聴けなくて残念!(><;)
吉松隆氏の音楽は透明感があって宇宙的で大好きデス♪
舘野泉氏と言えばフィンランド!
白夜に浮かぶ森と湖の清澄でいて静謐な大自然は(想像)そのまま舘野泉さんのピアノのようでいて♪
シベリウスやグリークも大好きデス♪(ちなみにグレングールドはグリークの親戚だそうです♪納得)
オイストラフのシベリウスヴァイオリン協奏曲や、リヒテルのグリークピアノ協奏曲!!
(≧▽≦)まさしく人類の宝物です!
邦人ピアニストと言えば、田部京子さんのひく 「プレイアデス舞曲集」やシューベルトの後期ピアノソナタ19番20番21番も、星のかけらみたいで素敵です♪21番は北参道の「光の川」みたいです。
茂木ぃ先生もシューベルトお好きなら、いいかも♪(^o^;)
それでは今日も良き日を
PS 島田雅彦氏の小説チェックしてみまーす。昨日は和泉式部日記にはまり、今日は寝不足デス。和泉式部最高!!genius!!

投稿: | 2009/07/02 10:27:31

茂木さん、おはようございます!(^^)!

昨日21_21 DESIGN SIGHT 「骨」展に養老孟司さんと山中俊治さんの対談を聴きに行きました。
(18:00-19:30)

わたしは席が取れず、階段にいました。養老さんが山中さんの説明に耳を傾けながらゆっくりわたしの側を通って行かれました。

思わず見つめました。

時間もスローモーションでした。

森の空気のような方と私は感じました。
無色透明でした。
とても素敵でした。

話される調子も川のせせらぎの様で、気持ち良く時間が流れました。

茂木さんの先生は偉大な方です!!!!

投稿: | 2009/07/02 9:54:39

おはようございます。茂木サン 制約が 可能性に なる ! 深い言葉です。 今日 も いい一日にしましょう

投稿: | 2009/07/02 8:19:11

             STYLE


   独自のスタイルの完成      悠々宇久となる 


    馴染んでも 馴染まなくても                     MELODY ♪

投稿: | 2009/07/02 8:14:42

茂木健一郎さま

サントリーホールさんのこけら落としオープニングの一つ

アバドさんとウイーン・フィル

ベートーベン・チクルス
私は二番と七番の会を聴きにでした
ウイーン・フィルですのに二番の第一楽章では
地なりのように響き凄い!
今でも鮮明にです。

投稿: | 2009/07/02 8:00:17

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