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2009/05/26

文明の星時間 楊貴妃の光

サンデー毎日連載
茂木健一郎 歴史エッセイ

『文明の星時間』 第65回 楊貴妃の光
サンデー毎日 2009年6月7日号

http://mainichi.jp/enta/book/sunday/ 

抜粋

 白居易の『長恨歌』には、楊貴妃の美しさが次のように歌われている。
 「玉容寂寞涙闌干 梨花一枝春帯雨」
 (玉のように美しい顔はさびし気で、涙がこぼれる。そのありさまは、梨花が一枝、春に雨を帯びているようである)
 楊貴妃が亡くなってから五十年経った頃に作られた長恨歌。白居易の詩は華麗な修辞にあふれ、唐代の文化の煌めきを象徴するかのようである。
 楊貴妃の好物だったと伝えられるのが、レイシの実。透明感のある白い果肉は独特の優雅な甘みに満ち、絶世の美女であった楊貴妃が愛した食べものとしていかにもふさわしい。
 激動の中国史の中に現れた楊貴妃の光。その輝きを定点とすることで視界から澱は落ち、やがて清澄が訪れる。

全文は「サンデー毎日」でお読みください。

本連載をまとめた
『偉人たちの脳 文明の星時間』(毎日新聞社)
好評発売中!

5月 26, 2009 at 07:35 午前 |

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コメント

レイシ(ライチー)の透明な果肉、それにさえも、激動の中に悠久の時間をかけて作り上げた、中華世界の文化の粋が光る。

楊貴妃。クレオパトラ、ヘレネと並ぶ世界絶世の美女といわれる人。彼女の生きた時代、唐王朝はまさに風前の灯火だった。

彼女も中国文化のとうとうたる潮流の中に一瞬咲いた、1輪の輝ける“梨花”であったろう。

「日本にとって、中国は文化の大恩の国」と言った人がいる。そう言われるほどに、古来より日本は中国から多くの文化の恩恵を受けてきたのだ。

仏教も、儒学も、中国を経て日本に入り、私達の精神土壌に根付いたことを考えれば、私達はこの深い豊穣な文化を育み、世界へ伝播した大国へ敬意を表したいものだと思う。

投稿: 銀鏡反応 | 2009/05/27 5:49:51

本文、拝読いたしました。

異論もあるかとは思います、が、
東京の中心は皇居の森や明治神宮、とわたしは思っています。

政治的な中心ではなく、精神的な中心を中心とする伝統が
日本にはあり、
今もそれが受け継がれていると。

では、中国の中心は?
政治的には先生のいらっしゃった、
天安門の奥の人民大会堂でしょうか。
では、精神的な中心は?

わたしは、天壇公園だと思います。

今、天壇は観光地となり、
皇帝が祭祀を捧げたその場所を
観光客は足蹴にし、
記念写真を撮るようです。

皇帝時代に戻れということではなく。
例えば、日本の村落のように、
回り持ちで村民から祭祀者を立ててもいい…

天神地祇の信仰を捨てるのなら
捨ててもいいのかもしれませんが
代わりになるものは?

形骸化したイデオロギーではなく
精神的な支柱になるべきもの

例えばアメリカなら、
個人個人で神と出会う責任としてのプロテスタンティズム。
そのような物は?

“中国文化圏に囲まれている感じ”と先生はおっしゃりました。
多分そうです。
そこ自体にエネルギーを感じたわけではないのでは?
と。

人間でいえば、規律や礼儀でガチガチにかたまって、
精神性という芯のないタイプ。
と言えば失礼でしょうか。

中国が文化的に栄えるには、やはり精神的な中心が必要では?
と思います。

本文の意図をまったく外していることは
わかっています。
でも、つい…

済みませんm(_ _)m

投稿: k | 2009/05/27 2:43:39

茂木さん、Hello♪(^-^)楊貴妃の美しい顔はさびしげで、とありますが、心の中のその想いは報われたのですか?その時がくるのですかね?それとも受け入れていたのかしら?レイシが癒してくれたのか…美味しいですからね♪それでは茂木さん、また今度です。

投稿: 水饅頭 | 2009/05/27 1:29:34

白居易の漢詩佳いですね~(>_<)梨の花って白くて可憐なお花だったかと思いますが、楊貴妃さんは、春雨にぬれた梨の花のような愁いを秘めた絶世の美人だったのですね♪ 井上靖氏の「楊貴妃伝」素晴らしかったです!
井上靖氏の小説は日本語に気品があって、それでいて情景が豊かに目の前に迫ってきます。
「蒼き狼」「淀殿の日記」「本覚坊遺文」それに「楊貴妃伝」はほんとに大好きな本です♪
あとお能でも「楊貴妃」があります。
今まで二度拝見しましたが、一度は一番最後の場面でシテの能楽師さんが倒れてしまったことがあります(すぐ後見の方と入れ替わりましたが…)
その時、能においての舞台とは、生死を賭した聖なる真剣勝負の「聖域」なのだと痛感いたしました。
「楊貴妃」は非常に美しい能です。
能では「楊貴妃」「二人静」「采女」「通盛」「大原御幸」「女郎花」「羽衣」が大好きです
(T_T)
能は幽玄な命の移ろいやすい「花」なのです。 ゼフィルスと共通しています。とらえられない永遠性の煌めきかなぁ…
白洲正子氏の「お能の見方」素晴らしい名著です!茂木先生、
能と脳も深い関係ありそうです
ね~?!

投稿: 眠り猫2 | 2009/05/27 0:16:53

「反貧困」湯浅誠 岩波新書を読みましょう。現代日本のセーフティネットがどれだけ脆いものかが分かります。また、ビジネス強者が自己責任論を生み出していく弊害についても書かれています。素晴らしい内容です。

投稿: 重要通知 | 2009/05/26 18:35:32

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