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2009/05/04

自分と同じ色の点

大賀ホールへのアプローチは本当に
美しくて、軽井沢駅からほどなくの場所から、
池にかかる木製の橋をわたって行く。

この池は以前は冬になると
スケート場になっていたとのこと。

温暖化で、氷が張らなくなってしまった。

大賀ホールの中で、大賀典雄さんに
お話を伺う。

ヘルベルト・フォン・カラヤンのこと、
音楽のこと、
そして、大賀ホールができた経緯。

カラヤンから「co-pilot」と呼ばれた
大賀さん。

カラヤンが亡くなった日も、ザルツブルクの
カラヤンの自宅でカラヤンと話をしていた。

その日はカラヤンは体調が悪くて、
ベッドの上で上半身を起こして話していたのが、
突然からだが斜めに傾いでしまった
のだという。

大賀さんのお話から伝わってきたのは、
一つの大きな、そして温かい生き方だった。

大賀ホールの豊かな響きのように。

東京に戻る。

NHKへ。

『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の収録。

ゲストは、公務員の木村俊昭さん。

木村さんは、小樽市役所につとめている間に、
数々の町おこしで実績を上げた。

その後、きわめて異例なかたちで、
内閣府に引き抜かれる。

ヴィジョンや志を持っている人が、
組織の壁に当たった時、どのように考え、
行動するか。

木村さんは決してくじけなかった。
企画書が一度突っぱねられたら、
二度も三度も提出しなおす。

組織がこうだから、社会がこうだから
ということを、自分が何かができないという
ことの言い訳にしてはいけない。

木村さんの愚直なまでの生き方は、
何もかも行き詰まってしまっているように
見える日本社会を変える一つのヒントに
なるだろう。

収録後木村さん、それに担当ディレクターの
赤上亮さん、チーフプロデューサーの有吉伸人さんと
懇談する。

木村さんをお見送りした後、東急文化村
近くの「松濤倶楽部」で有吉さんと飲んだ。

このところ思っていること。

世の中にはいろいろな人がいる。
その中で、自分と感性や志やその他もろもろが
共鳴する人は、そうはいるものではない。

だから、同類を見つけたら、全力で結びついて
いろ。
助け合え。語り合え。そして、共に何ごとかを
成し遂げよ。

世界は色とりどりの点から出来ている。

自分と同じ色の点を見つけたら、
その僥倖をありったけの力で追いかけ続けなければ
ならぬ。

5月 4, 2009 at 08:12 午前 |

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コメント

今日放送のNHKのプロフェッショナルを拝見しました。
木村さんの発送力、行動力、人間性において驚きました。
やはり社会、人を変えられることができる方は何かが違うと改めて感じました。
また、自分の生まれたふるさとに愛着心を持つ子どもの育成をという考えにはとても共感しました

そして「小さなことから、こつこつと」
という言葉が、とても胸に響きました。
それこそありふれた言葉なのかもしれませんが…

結果がすぐにほしいということや、自分の弱さ、根気のなさからどうしても、何をするにしても一発屋になりがちな自分がいます。

木村さんとは比べものにならない次元ですが、
特にいまの私が取り組まなければいけない、就職に向けた試験勉強はまさに「継続」が必要になってくるはずですが…
いまのところ納得のいく行動に移せていません。

どうも、自然とこれまでの一発屋のくせが習慣化されてしまったように感じます。
どうにかして、「継続型」に自分を変えていきたいです。
何か自分の中から見つかる確実なきっかけとなるものを見いだせば、他人に左右されず、自分の弱さにも簡単に負けないのだろうなと思いますが。

脳科学的にそのきっかけを生める何か、あるのでしょうか。

投稿: トトロ | 2009/05/19 23:37:27

点と線をつないだら、、、夢が叶えられるかな^^ 例えば、6人の人を会したら、会いたい人にたどり着けるという法則を耳にしたことがありますが、本当でしょうか?自分と同じ感性の人に巡り会えることを信じて仕事に取組む、38歳の春★

投稿: みか | 2009/05/09 6:38:32

はじめまして( ^o^)ノ

クオリア日記を以前から読ませていただいていたのですが、初めてコメントさせていただきます。

正直、僕だけが周りと違う色のように思います。しかも、周りと同じ色になるように求められている気がします。『君にはその色は贅沢だから俺達と同じ色になれ』といった感じで。社会は大人になるにつれて、周りと同じ色になることを求めるように思うのですが、茂木さんはどう思いますか?ただー人違う色でやっていくのは秀でた才能ある人の特権ですか?

投稿: Junji | 2009/05/08 1:52:08

同じ色の人の存在を大切にしようと強く思いました。

投稿: ふぉれすと | 2009/05/06 17:07:59

>だから、同類を見つけたら、全力で結びついていろ。
 僕が勝手に同類と思っているだけなせいか、そう感じる人達には、手を伸ばした程度では、届きません。
 宇宙が優しいとか引き寄せの法則とかよく分かりませんが、追うと決めたら地の果てまで。
 幸か不幸か、僕は思い通りに行かない事ほど、ムキになる性格なようですから。

 …僕が英語マスターするまでに、Penroseの寿命が来なきゃいいけど…(汗)

投稿: cosmosこと岡島義治 | 2009/05/06 10:52:21

おはようございます。
今朝、早朝目が覚めてから『人は死ぬから生きられる』
続きからでなく、もう一度初めから拝読させて頂きました。
読んでよかったです。

様々な思いが浮かびました。
少ない自分の人生経験の中で感じた事も沸き起こりました。

昨日仕事中に「元気そうでいいね」言われた事。
全く善意で言われたのに、「空元気なんですよ」と言ってしまった。
疲れていても「元気そうに見える」ことが少しも悪い事ではないのに。
前だったら、そう答える自分のことも嫌だったのに、
今はそれも今の自分だと感じている。

その前々日、少ない人数で大変だった時間帯、別の方に
「何の苦労もないあなたには・・・」
と言われた。それも全く悪意は無かったと思う。
あぁ、そう見えるんだな、ここで何か言っても仕方がないと
思ってしまい、何も言わなかった。
なぜかその後それでも(こんな私にも苦労はある!と
言い訳しなくても)いいやと思ってしまった。
でもなぜか嫌な気持ちじゃなかった。
諦めたのに嫌じゃないって不思議だった。

南さんの、お言葉。
「でも生きているから絶望できるのであって、絶望の底で何かをひらめく。
これを仮に希望と呼ぶことができるのではないですか。」
死にたいと思ったとき死ななくて良かった。
この言葉にも出会えて良かった。激しく共感しました。

苦しくて転がりもがいた時期の自分も、
それでも今生きている自分も、まるごと受け入れようと
あらためて思いました。
この先何が起こるか解らない人生も、手探りながらも生きてみよう。

生きる事について亡くなる直前まできっと諦めなかったと感じる
人生の先輩。
ご自分が大切にする音楽や思いや生き方を、全うして亡くなった
「忌野清志郎さん」。
私もライブにとうとう一度も行けずに、とても残念でしたが、
歌声も、伝わる真っ直ぐな思いも、大好きです。
ご冥福をお祈りします。
忌野さんも、そうとは人には見せずに必死に生きていらした中で、
絶望の中に希望を見ていらしたのかと、そうであって欲しいと、
きっとそうだったから諦めずに歌い続ける道を最後まで残したのだと、
感じました。

自分と同じ色の点。
遠く離れた、電話でしか直接話せない大切な真面目な友達。
尊敬できる先輩。共感できるお話や御著書。
見つけたら大切にしていきたいと思います。

日々の中で一瞬一瞬、生きていたから聴くことが出来たもの
見ることが出来たもの、感じる事ができたことに
有り難く感謝したいと思います。

投稿: 発展途上人 | 2009/05/05 9:47:09

G.Wは早めに終了し、本日は勤務のため今朝、帰京した。P.Cを立ち上げてこの文章を読み思うところ大でした。帰るバスの中で一晩「今までの自分」のようなことをつらつら考えたりしていると、本当に何者でもない、何事をも志向してこなかった半生であると再認識した後だったので余計に涙腺に響いたかも知れません。更地になっていまさらではあるが「なる」ことを指向したいと思います。「ひと」のせいではない。すべては「自分」であるはずですから。そこからはじまる。そう信じることが今の「つかむもの」です。新型インフルエンザはいまのところ本国には未侵入ですが、休み明けには顕在化してくることでしょう。手洗いうがいはMUSTです。当たり前のことですが気をつけましょう。

投稿: HIRO | 2009/05/05 7:23:50

茂木先生こんばんは。

「自分の同類を発見したら全力でその結びつきをまもれ」ですか。今まで気がつきませんでしたが確かにそうですね。ネットができて昔よりは同じ趣味を持った人を発見しやすいと聞いたことがありますが実際に自分と共鳴するような人はなかなか見つからないものです。うまく見つけられたその人との出会いを感謝し、大事にしたいですね。
まずは自分の心を開き、多くの人と接することから始めようと思います。

投稿: eidolon | 2009/05/05 0:18:02

茂木健一郎様

充実されている日々に高貴な刺激を頂戴しております。
大賀典雄さんとの対談はTV放映ではなく家庭画報に
掲載されるのでしょうか?
茂木教授と大賀さんの対談やお写真を拝見したいと
思ってしまいます。
木村俊昭さんのご活躍を拝見できるのを心待ちしています。
『プロフェッショナル』にご出演の方々は、
茂木さんや制作者の方々の琴線にふれるお人なのですもの。

>僥倖をありったけの力で追いかけ続けなければならぬ。
いつも大事なことを教えていただいております。
ありがとうございます。

投稿: Yoshiko.T | 2009/05/05 0:11:15

「同類を見つけたら、全力で結びついていろ」
力強いお言葉に、目が覚める思いです。
美しい和音の共鳴も、同類の人と人との共鳴も、響きあえば何倍もの美しい、愛に溢れた調和の世界が開ける。
今日から、かけがえのない同系色を見つけたら、見失いません!
全力で追っかけますよ~

投稿: シリンクス | 2009/05/04 22:52:38

大賀さんのお話、きっと愛に満ちたものだったのでしょうね。
そして大賀さんの今があるのは、カラヤンの生き方を受け継いだからでしょうか?

身近な人の最期を看取り、その人の生き方に影響を受けるのは、そうそうない経験だと思います。私も…お祖父ちゃんの病中の様子や最期の一時の生き方に、影響を受け、こうありたいと感じました。

そのような影響を与えてくれたお祖父ちゃんが亡くなったのは、かなり前の5月のこと…。毎年5月になると、あぁまた今年も、5月になったなぁと感じます。

私も、同じ色の点を全力で追い続けます。
だって…虚しいのは、もうイヤ(><)
そして助け合い、語り合い、共に何かを成し遂げたいから(⌒_⌒)

投稿: 奏。 | 2009/05/04 21:34:01

茂木健一郎さま

本質です

お遍路は徳島県内のは

ウォーキングと見抜きました

客人さんのウォーキングです

精神修行などではありません

本当に精神修行であれば
群れてしか行動しない徳島の釣りの中に単身、渡船に乗ることこそが

何年、お遍路をされても到達されない本質です

客人さんのウォーキングですよ、お遍路は

投稿: TOKYO / HIDEKI | 2009/05/04 20:56:09

同じ色の点を心で結び合う...

投稿: acasia | 2009/05/04 18:06:55

茂木さんが言うように確かに同じ色の人間はいると思います。
僕もオーラ、波長が合うなと直感で感じた場合は、長居付き合いでいるようにしています。

同じ放送局に同じ電波の持ち主を集めればより強力な電波を発信できると思います。たいてい僕が波長が合うな、そう感じた場合は相手も同じだったりします。
やはり、目には見えない体から発信されるモノがあるんでしょうか?
イルカみたいに、超音波ではない新しい発信物質が脳内にあるように僕は思います。引き寄せか、匂いか…

また見に来させていただきます。

投稿: えーす | 2009/05/04 17:07:56

「 pilot,co-pilot 」

人がある人に共鳴するとき
Art in you のように
自分の中に眠っていたり
隠されていたり
不明のまま伏せられていたことが
突然パッと照射されて鳴り響きます。
こうなるともう打てば響く状態で
「音楽」が鳴りやみません。

そのような人や芸術に会うことはめったになく
会えたとしたらまさに「僥倖」
だから「全力で結びついて」いたいし
「ありったけの力で追いかけ」たくなるんでしょうね。
追随するためだけではなく
同じ時代に共に生き
みずからもまた新たな木霊となって
僥倖となって届くために。

投稿: 島唄子 | 2009/05/04 16:36:45

「 pilot,co-pilot 」

人がある人に共鳴するとき
その人の中に眠っていたり、隠されていたり、
不明のまま伏せられていたことが
突然パッと照射されて応答を始めます。
こうなるともう打てば響く状態になり
「音楽」が鳴りやみません。
そのような人も、芸術もめったに会えるものではなく、
会えたとしたらほんとうに「僥倖」
だから「全力で結びついて」
「ありったけの力で追いかけ」たいと思います。
追随するためだけではなく
みずからもまた新たな木霊となって
僥倖となって届くために。


投稿: 島唄子 | 2009/05/04 15:31:07

茂木先生 こんにちは♪
世界は色とりどりの点から出来ている!って、ほんとに世界には、自分では思わぬ色が、あるんでしょうね!先生はきっと、クリスタルのように透明で、何色も受け入ることは出来るけど、何色にも染まらない、そんな色?だと思います。とにかくキラキラ輝いていて、汚い物(色)なんか、すべて跳ね返してしまうような、そんな丈夫で柔軟な?透明な色??だと思います(笑)青と赤が混ざれば紫色になるけど、紫は独立した色だし、でも赤と青の人とも、交ざれる要素は、あると思うし、まったく別の色の人のほうが、分かり合えることもあるし、とにかく、いっぱい人に会って話して、同じ色の人を見つけたいと思います。
大変おこがましいのですけど、先生と同じ色の点は、私にもあるのかしら?と思います。頑張って少しでも同じ色(点)を増やして行こうと思っているので、どうぞ、末席でも、同じ色の仲間に加えていただければ、とても嬉しく思います♪

投稿: 平井礼子 | 2009/05/04 14:59:54

全部あう人ってほんといないんですよね
惜しいところや決定的なところが違っていたり…
 
まったく一緒ということがまったく相性があうということにもならないのも残念です

投稿: フクちゃん | 2009/05/04 9:49:14

『自分と同じ色の点』を読んで

“なるほど”と思いました。

何かしたい!と思いつつも
つい、やり出す前に
ゴチャゴチャと語って
頭でっかちになっちゃって…

ブレーキをカケてるの自分じゃん!

って、反省しました。再々度…。

さっそく
自分と同じ色の点を探してみます。

でも
“自分が何色”なのかなぁ?

と、やっぱり考えちゃいますね。

とりあえず“好きなモノ”をリストUPして
それについて、調べてみます!

先生、今日も有難うございました。

               (*^_^*)

投稿: ぱろっと | 2009/05/04 9:45:48

大賀ホール…機会があれば、1度は名演を聴きに、訪れて見たい。軽井沢の自然の清新な空気に包まれながら。

ヘルベルト・フォン・カラヤンと話していて、彼の最期にいきなり立ち会うことになってしまったという、大賀さんのエピソードは、以前に何度か書籍等で読んだこともあり、繰り返し読むたび、または思い返すたびに、本当にドラマティックなものだったんだなァ…と感銘する。

企業のトップであると共に、優れた音楽家でもあられる大賀さん。その氏が作られた大賀ホールは、音楽を生涯こよなく愛する氏の思いが、一つの確かな形として、結実して出来たものなのに違いない。

組織にからめとられていようが、如何に社会が閉塞していようが、それに負けて、諦めてはいけないと、心の底から思う。

大賀さんが、企業のトップをしながらも、音楽を続けてこられたのは、会社という組織の縛りにめげず、自分の貫きたいものを貫いてこられたからではないかと、思いを廻らす。

それにしても、嗚呼、自分と同じ志と、響き会う感性とを併せ持っている、言わば『同志』と呼ぶべき存在に出会うことの難しさよ。

そんな難しさに負けずに、同類に出会う人生の旅を続けたい。見つけたら、それこそまさに「全速力」で結びつきたいものだ。

投稿: 銀鏡反応 | 2009/05/04 9:43:27

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