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2009/05/23

幕末の志士のように

 電車で移動しながら、たまたま
ポケットにあった夏目漱石の
『三四郎』を読む。

 十度目かしら、それとも二十度目?

 心の奥底から、うーむと唸る。

 うまい。

 文字の列を、一つの絵画だと
思えば、一人の青年の青春が、
心の陰影というランドスケープの
うちに、見事に活写している。

 汐留。
 
 アメリカン・エクスプレスが
主催し、東京大学の各務茂夫先生がアレンジする
起業家の皆様向けのセミナーに伺い、
90分お話する。

 日本の未来は暗いなどと言う人も
いるが、そんなことはない。

 会場を埋めた元気な若者たちは、
確かに、明日への情熱と、
海図なしで船を進めるために
必要な直感を探っていた。

 ぼくは、そのエネルギーを信じる。

 「根拠なき自信」を持て。

 そして、底が抜けてしまっている「自分」を、
決死の努力で支えよう。

 ソニーコンピュータサイエンス研究所

 The Brain Club。

 高野委未さんが、
Hidehiko Takahashi, Motoichiro Kato, Masato Matsuura,
Dean Mobbs, Tetsuya Suhara, Yoshiro Okubo (2009).
When Your Gain Is My Pain and Your Pain Is My Gain:
Neural Correlates of Envy and Schadenfreude.
Science 323, 937 - 939
を紹介。

 高野さんは、紹介した論文のすぐれた
点を述べる一方で、自分の
考えも、立場も明らかにした。


バランスの良いセミナーだった。


論文紹介をする高野委未さん。


 高野さんが論文紹介をしている間に、
廣中直行さんがいらっしゃる。

 廣中さんを是非お呼びしてお話をうかがいたい!
と熱い心に突き動かされて動いてくれたのは、
野澤真一くん。
 
 廣中先生は、忙しい中わざわざいらして
いただいた。

 本当にありがとうございます。

 膨大な知識と経験、そして精励の果実としての
ユーモア。

 廣中先生の話術と科学的見識、そして世界観に、
みな魅せられたのではないかと思う。

 野澤くん、廣中先生のトークをアレンジして
くれて、ありがとう。


トークをする廣中直行先生

  
 五反田の「あさり」に飲みにいく。

 廣中直行先生を囲んで、皆で楽しく
話す。


野澤真一と、廣中直行先生。あさりにて。


野澤真一、廣中直行先生、柳川透。あさりにて。


奥から、須藤珠水、石川哲朗、関根高崇、佐藤勇起、植田工。あさりにて。



田辺史子と植田工。あさりにて。


田辺史子と植田工。植田、箆伊の足を食べる。あさりにて。


あさり名物のにいちゃん。


 いやあ、本当によく飲んだね、そして、
笑ったね。

 
 島田雅彦に合流する。

 平野啓一郎さんと文学と科学の話を
始めたら、あっと言う間にばちばちと
火がついてしまって、激論。

 島田が立ち上がって、まあまあとなだめた。

 本気と本気だから、最後は溶け合う。

 握手を交わして、幕末の志士のように別れた。

5月 23, 2009 at 09:14 午前 |

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コメント

「これからの私に現実必要なもの」       意志

                          一 


 あとは野も 山も 谷も 峰も   自然上   泰然持続

 訂正 「これからの日本に本当に必要なもの」 2009.7・5


       泰然自若   クオリア・マニフェスト  

    幻覚な人  気分としてはかなり 楽
                      不安な時も 一歩前

        早く目覚めて ☆ 『 世情 』 聴く 

    

投稿: | 2009/05/26 3:38:55

平成の志士に会いに行こう!    はい ☆ テクテク  

7月4日 「これからの日本に本当に必要なもの」 題目もよい

   内田樹 × 中沢新一さん  + 茂木健一郎 (夢)

    + 島田雅彦 (幻)  × 白洲信哉 (現) ・・・・・

  続々と ・・         幻覚な人 われ関せず だけど

投稿: | 2009/05/24 21:29:44

>「根拠なき自信」を持て。
 僕の場合は、殆どが、虚勢と無知(世間知らず)から来てるからなぁ。
 実践では、弱いのが悩みものです。

投稿: cosmosこと岡島義治 | 2009/05/24 18:01:31

こんにちは。
雨で少し肌寒いですね。

虫取り網のおじさんと、すてきな出会い

アメンボウみたいにぐるぐるして
網に捉まらなくってよかったですねえ。

めずらしい蝶なのですか..
都会での森も観察すればいろんな昆虫がいるんですね。


三四郎20回はすごいと思いました。
三回くらいです。

 >底が抜けてしまっている「自分」を、
  決死の努力で支えよう。

若い人に向けたことば
このことばに、とっても勇気づけられました。
かなりです。

あさりのお兄ちゃんいいですね。
いちどお店に行ってみたいなあ

平野さんとばちばち. は
なんとなくよかったと思いました。

足をどうぞお大事に..

投稿: | 2009/05/24 15:04:05

おはようございます。画像拝見し、集まっていらっしゃる皆さんの目が生き生きして、内に秘めた熱き想いは日本の未来を造っていく若き武士。幕末の武士の様に、ということですね。 楽しく、熱く語られた事でしょう! 私も昨夜は集まりがありお酒を頂いたのですが、酔って記憶が 言葉がすんなり思い出せない中、気持ちは高揚している。このアンバランスさが話していて妙におかしく、楽しいのかなと思います。自分自身に問い掛けると意外な本心がわかるのかもしれません。

投稿: | 2009/05/24 8:29:37

茂木さん、Hello♪「あさり」にて♪とっても頼もしい仲間達の姿が見れて、うれしいです。特に植田さん♪きっと通なお方なのですね美味しそうに召し上がってますもん。さぞかしいい出しが出ていたのですね(笑)「あさり」にて、のお裾分け、どうもご馳走さまでした♪楽しくて、ほっぺが落ちちゃいました(^.^)それでは茂木さん、また今度です。

投稿: | 2009/05/24 0:30:43

西山です。

この先、日本から世界をリードするようなものが打ち出せたらいいですね。

先日の日記で、茂木さんも白洲さんも豪快な男だという印象を受けました。

投稿: 世界人 | 2009/05/23 17:53:11

本気でしていることって、一度他の人とぶつかり合うと、ケンカかな?と思う時があります。
それだけ真剣になって、その事を考えているという事ですもんね。
私の場合、他の人が言うこともその時は、最もだと思うのでこの事が良いのか悪いのか分かりませんが、言い争いには、あまりなりません(^-^)
そのかわり、納得ができないと何度も聞き返したりします(^-^)

投稿: | 2009/05/23 17:48:24

この島国の、TVなどのメディアから流れるニュースは、日本の将来は暗澹だ、先が見えない、といったトーンのものばかり。

そういうトーンの”情報”に、いつまでも惑わされているわけにはいかない。見回せば、なるほど、明日への限りなき希望の火を胸に燃やし、何時足を掬われ、溺れて死ぬるかわからない世の荒海に、勇んで飛び込む、これまた限りない勇気をふるって生きている若者たちがいる。

彼らこそはおそらく、現代の幕末の志士、といえるかもしれない。

私などは40歳を超えてしまったが、彼らのように計り知れない情熱の焰に燃え、閉塞の暗雲を吹き飛ばすような生き方をしてみたいものだ。

いの一番に要るのは、近代文明の中でちぎれてしまった人と人との間の絆を、新しい形で結び直す為の人間哲学と、瞬発的な直感と、おっしゃるように根拠なき自信を持つことではないか。

今や幕末以上に乱世の時代だ、暗いなどといってはいられない。自分でたいまつを持って前を照らす勇気をもちたい。

投稿: 銀鏡反応 | 2009/05/23 12:34:42

茂木先生 追伸です

夏目漱石さんなら ”夢十夜”
これです私は(´∀`*)ウフフ

投稿: | 2009/05/23 11:37:57

茂木先生 こんにちわ

>平野啓一郎さんと文学と科学の話を始めたら、
あっと言う間にばちばちと火がついてしまって、激論。

こう言うの ハラハラするけれど 見ていて楽しいです。

>本気と本気だから、最後は溶け合う。

本当に 茂木先生のおっしゃるとおりですね。

>握手を交わして、幕末の志士のように別れた。

握手をしている光景 あまり見かけない気が・・。
しかも 私 五反田に たま~に所要があって行くのですが
あさり と言うお店・・知りません。。(呑めないので疎いのです。ググるか・・)

投稿: | 2009/05/23 11:35:40

日本の未来は暗い、
という人を見ると
暗いのはあなたかもしれないよ
とつい心の中でつぶやきたくなります。
資料の収集や取材で
若い人たちの仕事ぶりに目を見張ることがあります。
環境や、医療、公共事業の問題点など
疑り深いわたしが半年かかりそうな難問を
一、二週間であざやかにまとめる人も。
直感や情熱でこれ!と思ったことを
すばやく行動に移し、記述も素直で明るく。
これは若さだけの問題ではなさそう。
若いときのわたしは今よりもっと暗くおもかった。
幕末の志士は、年齢や時代に関係なく、
いつもいるもの。
イジイジした人間はせめてその邪魔をせず
かれらを伸びやかに活躍させる
場を空けておきたいと願います。
平野さんVS茂木さんのバチバチ火花の激論とは。

投稿: | 2009/05/23 10:57:29

茂木健一郎様

茂木さんのベートーベンを楽しみにしているの
ですけれど、坂本龍馬も素敵だと思います。

投稿: Yoshiko.T | 2009/05/23 10:39:10

茂木さん おはようございます!

またまたすごいいい一日でしたね。

仲間ってすばらしいですね。

『三四郎』、そんなにたくさん読み返してらっしゃるとは。
驚きです。
茂木さんのその心を私もしかと受け継ぐべく、励みます。
寺子屋生徒より。

投稿: | 2009/05/23 9:32:30

茂木健一郎さま

私、幕末の志士
大好きです

本当です

投稿: | 2009/05/23 9:24:04

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