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2009/04/05

いや、これは水なんだ

中野香織さんと対談する。

ケンブリッジ大学にvisiting scholarとして
留学していた中野さん。

ご専門のファッションのこと、イギリスの
ことなどで話が進んだ。

私は服装には無頓着で、一年中
同じかっこうをしている。

この冬は、ジャケットは一種類しか
着ていなかった。

今着ているセーターには穴が開いている。

中野さんとお話していて、そうか、それは
それで「服装に無頓着な学者」という
ファッション・ステートメントなのだと
気付いた。

ケンブリッジの学者たちを思い出すと、
彼らの服装は実にひどい。
ずっと同じ格好をしているし、セーターに
穴も開いている。

一つの味になっていることは、林望さんとの
対談本『教養脳を磨く』 
にもある通り。

「世界一受けたい授業」の収録。
生理学研究所の柿木隆介先生が
EEGの計測をされる。

スタジオでEEGを計測するのは
難しいが、柿木さんの技術で
興味深い結果が出た。

島田雅彦がニューヨークでのサバティカル
から帰ってきた。

神楽坂にて、対談。

最近の国際情勢のこと、未来図。

島田は「風花で待つ」と言って、
ゲラを取りに消えていった。

Chikaでの二次会が終了後、集英社の岸尾昌子さん、
写真家の中野義樹さんと「風花」へ。

島田がてらてらしながら飲んでいた。

川上未映子さんが、文藝春秋の
大川繁樹さんといらしていた。

島田が、カウンターから身を乗り出して
サーバーを押そうとしたので、
「おい、ビール勝手に注いでいいのか?」
と言うと、「いや、これは水なんだ」
と島田。

細い蛇口から、ちょろちょろちょろと
水が出ると、島田は、「喉がかわいていたんで
ね」とうまそうに飲んだ。

そのうちに、私がしている
スウォッチの時計に目をつけた。

私は金属の時計が苦手で、外国に
行く度に、出国の際免税店でスウォッチ
を買って、腕につけている。

「交換しようぜ」と島田。

「君のは高級時計じゃないのかい。
オレのはスウォッチだぜ」と言うと、
「いや、オレのは、マイルドセブンを
二箱買うともらえるんだ」とつぶやきながら
島田はもう時計を外している。
結局、絵の具がたらりと流れたような
デザインの私のスウォッチは、島田の
腕に収まった。

私の手元には、MILD SEVENという
ロゴが入り、文字盤の下にデジタルの
表示もある景品時計が渡される。

日付が変わった。

私は、
「オレは明日も早いから、じゃあ」
と言って、先に「風花」を出た。

島田からもらった時計は、金属では
ないものの、ちょっと重くて、
腕につけておくとすぐにズボンの
ベルトを通すところにくっつけて
しまいたくなる。

だがしかし、
今度島田と会う時には、忘れていなければ
つけていくことにしよう。

4月 5, 2009 at 08:08 午前 |

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コメント

いつもブログ楽しく拝見しています。

服装と人について触れられていたので、ふと感じたのですが、
私もいつも適当に好みに合う服を選んでは着ていますが、
好みというのは、ブレないものですね。
きっと、好みというのは、自分の体験と、感情から個人的に生み出されてくるからかもしれませんね。
どこかに書き留めているわけでもないのに、
「こういう風なのが好み」というのが存在します。
その人が、何かをお手本にしている場合は、たぶん核が自身の中にあるわけではないので、都度ブレるだろうと思いますが。
異性に対する好みも、
生き方にしても、
倫理的な判断も、そうかもしれません。
何か、判断基準が外にある場合は、都度ブレますが、
自分の中に、一冊の百科事典に値するような「核」が生み出されていれば、その人は、どんな時も自分の中に答えを見出すことができるのかも。

「涙の理由」も興味深く拝読中です。

投稿: kawamura sao | 2009/04/06 23:28:54

茂木先生

腕時計の交換

多分…女性ではあまりない光景です

時計そのものの価値のなんかどうでもよく その人の時計であることに価値があるのですね

明らかに茂木先生には使い勝手がよくない時計
会う時だけは 是非身につけよう…
茂木先生のお人柄を感じ暖かな色が胸の中に広がりました

毎日 ありがとうございます

投稿: たかこ | 2009/04/06 12:44:31

著書の『脳を活かす仕事術』か『脳を活かす勉強法』かの中(今、人に貸していて、どちらだったか定かでないですが、おそらく『仕事術』の方)で『変人である自由』と書かれているところがあり、そこがとても気に入りました。
つまりは、自分以外…いえ、自分のことよりも『自分の好きなこと(もの)』に興味がある。そんな姿勢 好きです。(そもそも、それほどまでの好きなものを見つけられない人の方が多いです。)
財力に関係なく、その人が、自分がこれがいいと思って身に付ける姿こそが、その人自身を生きてるように思えます。
茂木先生だったら、スタイリストさんをつけて、ブランドの服や物を身に付けることなんて、簡単なことだと思いますが、それをなさらないところに、茂木先生の魅力があります。そして、それをブログで言ってのけるところも さすがです。『腹の上のポニョ』に匹敵するくらいの話です。(参考 めざせ!会社の星:http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/2009/04/post-144d.html
だから、茂木先生が大好きです~。

2009年1月29日のクオリア日記
http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/2009/01/post-89a3.html
にも、スウォッチのことが書かれていて、実はこれを読んだとき私もスウォッチなので、密かに嬉しかったです。

投稿: ☆ゆぅしゃん(山本由樹子) | 2009/04/06 9:32:48

茂木健一郎さま

高校時代からの友人、中学時代からの友人
と、私、4人で食事、日曜日の昼に

一人の友人とは町田から羽田行きの空港行きバスで、ときたま会って

お!高木!スキー?

そう!

バスの運転手さんなので。

茂木健一郎さま
チームワーク
空港行きバスでも運転手さん同士の情報を共有しながら安全に運行なんです

マイクみたいな装備で携帯電話、出来ますよね
それで先発のバスから高速の状況など共有
そして無線では
他社さんですが
バス運転手さんと指令とのやりとりも
聞きながら

え?そうなの?

羽田だけではなく成田にも運行を受け持っているとのこと
湾岸が、どうしても混んでいる!その時は
アクアラインを通行し町田から成田へ!との

高校時代からの、その友人は、空港路線担当の運転手さん、

自分たち、高速隊は・・・
と、の

結束力を持って安全運行をされている

高校時代に将来、バスの運転手さんになれたら良いな!

その友人、現実に

空港仕様のバスも羽田仕様と成田仕様と別々

トランクを成田仕様は大きく!だからエアコンの機械を成田仕様バスは屋根に搭載!とか
実は路線バスも、そうですが、今は環境に配慮しターボチャージャー搭載のエンジンに積み替えている!などなど

茂木健一郎さま
バス会社さまも環境に配慮はエンジンから配慮されています

その友人、
ターボチャージャーは市内の路線バスも今は搭載しているけど、環境に配慮してなので加速のため、ではなく!もっとも

ギューン!と加速したら
吊革のお客様、おー!でしよ!
あくまで、だからバスのターボチャージャーはターボにすることで燃料効率が良くなり、結果、環境へも良く
との

茂木健一郎さま
バス会社さんの環境への配慮
なかなかテレビでは流れてませんが

凄いと感じました。

楽しい時間でした
友人との食事。

投稿: TOKYO / HIDEKI | 2009/04/06 0:45:47

「風花」は、よくいらっしゃるんでしょうか。
私は一度だけ、行ったことがあります。

これを読んでいて思い出したのが、ドストエフスキー『白痴』で、
ロゴージンがムイシュキン公爵に、
「十字架を交換しよう」と言うシーン。
ロゴージンが「交換しよう」と言い出すのですが、ムイシュキン公爵の十字架は粗末な木の十字架で、これでいいのか、というのですが、ロゴージンはそれでいい、と言って無理やり交換してしまいます。
そうすると、島田雅彦がロゴージンで、茂木健一郎はムイシュキン公爵ということになるのでしょうか。
気をつけないと、ナスターシャをとりあう仲になってしまいますよ。
ふふふ、楽しみ。

投稿: サーシャ | 2009/04/05 23:30:28

茂木先生 こんにちは♪
先生の服装は誰にも真似出来ない、先生だけの個性的な服装で素敵です!「たかが服装・されど服装」服はその人を知る、一部分になっていると思います。いくら服装だけ決めても、内面とシックリこなくて、服だけが浮いているように見える人もいます(自分のことは棚に上げています。すみません…笑。)でも先生の服装は、内面と外見が溶け合っていて、内面から人柄が滲み出てきているような、素敵な服装ですね!私は男性はとにかく内面です。内面が伴っている上での服装です。男性の服で特に好きな格好はなく、その時、気になっている人がしている服装が、その時の好きな服です。今は穴の空いたセーターとかいいかなぁ~!?なんて思ってますけど…笑。内面が素敵な人は、何を着ても素敵だと思います。私も服に着られず、服を着こなせて行けるように、内面を磨いて行きたいと思います♪

投稿: 平井礼子 | 2009/04/05 22:31:49

何に対しても一途なのは、素敵です(^^)v

人を好きになること、愛することもそうですね(*/ω\*)

茂木さんのブログを読みながら、大切に使う心と、使い捨ての事を考えました。
色々考え、大切に使う心は大切にしていきたい(o^∀^o)

投稿: 奏。 | 2009/04/05 20:34:13

プロフェッショナルの番組での服装、毎回素敵でとてもお似合いでいらっしゃいますよね。普段着についても学者スタイル、茂木さんスタイルで素敵です!by the way,時計ですが、お気に入りの手放したくない時計は持っていらっしゃるのでしょうか?とふと~。失礼致しました。

投稿: mic | 2009/04/05 18:21:41

茂木健一郎様

いつも自然であることを大事にされていて
そんな風に生きておられながら、
ご自分が大きな風になっていかれるエネルギー

思わないことに、遭遇することがおありでも
多種多様なことに出逢われても、
すべてを大切にされるのでしょうか。

茂木さんの寛大さ、懐の深さ広さが伝わってきます。


投稿: Yoshiko.T | 2009/04/05 15:32:48

何時か、茂木さんの講演でも聴いたような覚えがあるのだが、日本の学識者の場合、身なりが「小奇麗」でなければ、大衆から立派に思われない、というのがある。

セーターに穴が開いているとか、髪の毛が無造作だというのは、凡そ日本の多くの人にとっては、学者という人々の理想的なイメージとは程遠いと思われているのではないか、今に至るも。

歴史のホンを紐解き、学者と名のつく人々の肖像写真を見ていると、カイゼル髭を生やしていたり、立派なフロックコートを身に着けていたりする(無論、写真を撮るために彼等はそうしていたに違いないのだが)。

そうした立派な身なりの学者のイメージが、日本では長年にわたり、あまりにも頑固に染み付いてしまったのではないか。

茂木さんはもちろんのこと、本当に真理を追究する心の衝動を抱え、その衝動のままに走り続けている、多くの知性の人は、茂木さんが嘗て出会われた、ケンブリッジの学者たちのように、身なりなどには一向に構わず、ただ只管真理の追求に命を賭け続けている人達が大半なのではないか(「服装に無頓着な学者」というファッション・ステイトメントというのは、そのようにして自然に成立するものなのだと思う)。

真理を求める為に命を賭する、実に真剣な知性と、服装が如何であるかは、全て比例するとは限らないように思われる。

まことの知性の人を見るのに大切なのは、服装が立派かどうかは関係なく、その人が定めた研究対象、あるいはライフワークに、どれだけその人が(世間の評判がどうこうとも関わりなく)真剣に向き合って格闘しているか、なのではないか。

きょうは少し真面目過ぎるコメントで申し訳ありません。10日の白洲さんとの対談がトテモ今から待ち遠しいです。

投稿: 銀鏡反応 | 2009/04/05 12:55:16

「勝負服」

わたしは家ではワンシーズンおんなじ恰好しています。
買い物に行く時もそうです。
服がないわけではないのに、です。
どうしてなんでしょう。
ファッション・ステートメント以前の、
落ち着きのよさ、
もはやネコの毛並みと化しています。
でも、気になる人と会うときはスイッチが入ります。
ふだんの無頓着から急に勝負服に移行するものだから、
友人たちに言わせると、
どこかヘン、なのだそうです。
奇抜というのではない、どこかヘン、
困りました…

投稿: 島唄子 | 2009/04/05 11:45:53

おしらさま腕時計と交換なさったのですか¿¿?

それはそれは、島田さん、超☆ラッキーな方ですね!(^^)!

身なりも、
本当に自分自身でいれる事が一番の幸せ。
だから、余計に飾らず、大きく見せず、でもひたむきにがんばる。
その姿勢で、改めて仕事しないとな、と思います✿✿✿

投稿: 夏輝 | 2009/04/05 11:30:37

私はアレルギー体質ならしくて、腕時計をしているとすぐに気触れてしまう為、腕時計は出来なかったりします。
ズボンのベルトを通す部分に付けておくってのは、ナイスなアイデアですね。

投稿: take | 2009/04/05 10:07:26

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