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2009/04/16

文明の星時間 孔子の矜恃

サンデー毎日連載
茂木健一郎 歴史エッセイ
『文明の星時間』 第60回 孔子の矜恃

サンデー毎日 2009年4月26日号

http://mainichi.jp/enta/book/sunday/ 

抜粋

 孔子は偉大な思想家である。一方、孔子を育んだ中国の歴史が波乱に満ち、人間にとって時に悲惨な状況に満ちていることも事実である。国としての中国の歴史は、人としての理想からは遠かった。今でも遠い。それでも、孔子という心の機微に通じた偉人を生み出している。
 知識人とは、つまりはそのようなものなのだろう。理想はある。人として義とすることが胸を去来する。しかし、現実の世界では、なかなかそれが行われない。しかし、だからと言って諦めない。現実が不完全だからこそ、思想は鍛えられ、輝きを増す。
 孔子が活躍したのは春秋時代。中国の中にさまざまな国が並び立ち、戦乱が続いた。人としての理想はなかなか行われない。しかしだからこそ、「こうあるべき」という姿を説く。現実が愚かしいからこそ、いかに生きるべきかということを真剣に考える。それが、孔子の矜恃であった。
 中国では、神話的時代における「尭・舜・禹」が理想的君主として語られる。実在したかどうかもわからない、古代における調和の政治。現実が思うに任せないからこそ、そのような理想を思い描くことに意味がある。

全文は「サンデー毎日」でお読みください。

4月 16, 2009 at 01:20 午後 |

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コメント

茂木健一郎様

全文を読ませていただきました。
心に沁み入りました。
孔子の吟詩
しっかり心してこれからの
日々を送ってまいります。

投稿: Yoshiko.T | 2009/04/19 1:01:59

夢が全て現実になってしまうとするなら、
現実は夢でしかないのではないかと思います。

ロボット技術やCGの発展は、
仮想の世界を現実に近づけることではなく、
現実の世界を仮想の世界に近づけることだと思います。

夢を現実に努力することは、
結局、現実がいかに曖昧なものかを証明することになってしまう
のではないでしょうか。

人間が想像力を持ったときから、
現実はどこかに消えてしまったのだと思います。

投稿: | 2009/04/17 23:06:16

初めまして。

いつも応援していますよ~。
お仕事頑張ってくださいね!

また遊びにきますね。

投稿: かな | 2009/04/17 14:27:30

初めまして。

いつも応援していますよ~。
お仕事頑張ってくださいね!

また遊びにきますね。

投稿: かな | 2009/04/17 14:27:30

今も昔も、理想とは遠い世の中。いわゆる乱世だった孔子在世の中国のように、指導者たちが争い続け、民衆が苦しむ悪政を続けるところもまだまだある。

孔子のように、愚かしい現実世界の中で、あるべき理想の生き方を懸命に考え、それを矜持とする、本物の知識人が、日本にはなかなか現れず、現れたとしても、何かにつけて、中傷される。

けれども、そういう試練があればあるほど、思想は磨かれて、洗練されていくのですものね。

そうでなくては、その知識人は本物とは言えない。単に物を沢山知っているだけで、掲げるべき理想と矜持がないのは、言ってみれば

「ただの物知り」

でしかない。

日本はこれから「乱世」に向かうというが、最早既に「乱世」なのではないか。掲げるべき理想と矜持、不屈の精神を持った孔子の如き本物の知性者が要るときでもあり、また私達も本当の意味で「賢く」ならねば乱世は行き抜けないと、つくづく思う。

投稿: 銀鏡反応 | 2009/04/17 5:51:41

昨日『脳を活かす仕事術』購入して読みました。中の「入力と出力」に対して普段の自分の感覚にリンクする部分がありました。
「生産と消費」という名前で呼ぶサイクルが、感覚的に私にとって生活を繰り出していくテーマなのですが、
①造り続けて溜め込んでおくだけでは材料費のムダ。
②お金もないのに何かを買いに行っても売ってはもらえない。
①は、生産過剰の状態。つまり、考えるだけで何も行動しない状態。②は、消費過多な状態。つまり、何も考えずにただ行動だけしてしまう状態。
どちらもバランスが悪く、サイクルになりません。
これにちょうど、脳への入力、脳からの出力をサイクルとすべきという説明をあてはめさせてもらうと、しっくりきます。
人は、生産ばかりして消費しない人①、生産もしていないのに消費ばかりしている人②に大きく分けられるように感じます。
このサイクルは、自分の狭い意識や感覚の中だけのものではなく、社会のサイクルとも一致して初めてバランスがとれるものとしてのサイクルなので、自己満足の仕事だけをしている人などは、①にあてはまります。
ですから、日々、このバランスを考えて生活していかなければ、とかんじているのですが、それを実践する為に、入力と出力の考え方は、具体的なヒントになったような気がしました。

(直接こちらのブログ記事へのコメントではありませんが、現在フリーアドレス以外のメールアカウントをもっておらず、メール送信が出来ない為、こちらに送らせていただきました。)

投稿: | 2009/04/17 5:12:15

こんにちは。

孔子
私の尊敬する人物のひとりです。
孔子を生んだ中国。
素晴しい人物をうむ環境というものはあるのでしょう。
体験によって刻み込む遺伝はあるのでしょうが、
そもそも、人間の脳において、
想像力などのは遺伝というのは存在をするのですか?
クオリアの遺伝はあるのでしょうか?
人間は進化・成長していってるのでしょうか?

投稿: | 2009/04/17 1:53:38

生死去来 棚頭傀儡 一線断時 落落磊磊

投稿: | 2009/04/17 0:18:55

茂木先生、こんばんは。

>現実が思うに任せないからこそ、そのような理想を思い描くことに意味がある。

しばしば、高い理想を北極星になぞらえますが
そこには、「燦然と輝く崇高なもの」という意味だけではなく、
「決して到達できるはずはないけれども、
見失ってしまうと舵取りできなくなってしまうもの」という意味も
託されているのですね。
そんなことを考えさせられました。

ところで、ブログからは
精力的に取材されているご様子がうかがえますが
足の捻挫は、もう十分回復されたのでしょうか?
取材の残りの日程が
実り多いものになられますよう、お祈りしております。

投稿: | 2009/04/17 0:11:40

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