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2009/03/04

相撲取り

 新幹線で東京に戻る。

 曇天から雪が降る。

 大地から空に抜ける線が、
なんとなく斜行していて、
ああ、あれは富士山かもしれないと
思っていると、「新富士」の駅を
通過したと電光掲示板に出た。

 NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の打ち合わせ。

 打ち合わせ室を出ると、机に、
須藤祐理ディレクター(すどちん)が
座っているのが見えた。

 すどちん、なぜか髪の毛を
短く刈り込んでいる。

 そうすると、ますます「相撲取り」
のように見えるのはなぜなのだろう。

 正確に言えば、「元相撲取り」
マゲを切ったように。

 すどちん、勢いがあってかっこよかった。


須藤祐理氏(2008年6月30日撮影)

 神田の学士会館にて、
渡辺政隆さんと対談。
 ダーウィンについて。
 『現代思想』の栗原一樹さんの呼びかけ。

 渡辺さんはpublic understanding of science
の分野においてさまざまな業績があり、
現在はJSTにて科学の普及の仕事を
されている。

 渡辺さんと、ダーウィンについて
縦横にお話しした。

 生物にせよ、脳にせよ、環境にせよ、
そのシステム性を扱おうとする時に、
 力学的モデルでシミュレーション
というのは一つの方法である。

 しかし、いきなりそのエッセンスを
数理的に表現することが難しい場合もある。

 ダーウィンのように、多くの知見を
総合し、有機的に統合する。
 そのような知性が求められるゆえんである。

 ダーウィン自身は数理的な方法をとらなかったが、
多くのものを鳥瞰し、バランスをとって
観照するその姿勢の中には、
統計的なサンプリングや、ベイズ推定や、
有機的な推論のすべてが香ばしい萌芽として
含まれている。

 東京も雪が降った。

 「相撲取り」と「雪」で、
昔『プロセス・アイ』の中に書いた
一節を思い出した。

__________

 時々、ツヨが下宿している代々木上原の家に軍司から電話があって、ツヨは呼び出された。軍司を取り巻いている、強気なのだが、どこか世間に対してはにかんでいるような人たちとも、徐々に知り合いになっていった。特に、東大の経済の大学院で「貨幣論」をやっているという木谷という男が、軍司たちとの集まりに頻繁に顔を見せた。現代の日本人には珍しい、恰幅の良い、ゆったりとした男で、東京のうまいものを食わせるレストランを、一つ残らず知っていた。実際には全てというわけではないだろうが、そう思わせるところがあった。
 ツヨは、最初に木谷に会った時、その体型を見て、
 「この人は、噂に聞く相撲取りかもしれない」
と思った。後で、そのことを木谷に言って、笑われた。木谷は、体型に似合わず、繊細で鋭い知性の持ち主だった。酒をグイグイ飲みながら、資本主義の革命は、貨幣の存在形態の変革を通して起こるとか、そのような難しいことを早口で喋った。いかに、デジタルネットワークの上での貨幣をパワーゲームの回路から隔離するか、それが重要だとくり返し言った。軍司は、そんな木谷を、
 「貨幣論をやるなんて、神の存在証明をやるようなものだ」
といつもからかっていた。そう言いながら、軍司が、木谷を、自分の周りの人物の中でもとりわけ注目すべき知性を持った男として認めていることは明らかだった。
 日本に来てから、ツヨは、何となく千佳に自分から連絡をとることをためらっていた。
 東京に来たのも、千佳のそばにいたい、千佳と話がしていたい、そのように思ったからだというのに、いざ東京に来てみると、自分と千佳の間には、同じハワイ大学からの留学生だという以外に、接点がないように思われたのだった。
 ツヨが千佳と会うのは、軍司と会う時だけだった。軍司がいるところ、必ず千佳も来ていたからだ。

 ある土曜の午後、軍司から電話があって、神田の連雀町にある甘味屋「たけむら」にいこうと誘われた。
 待ち合わせのお茶の水駅前の丸善の洋書売り場で時間をつぶしていると、軍司が黒いとっくりセーターに茶色のツィードのジャケットを着て現れた。 軍司の背中に隠れるようにして千佳の顔があった。
 千佳は、真っ赤なセーターの下に、ジーンズのスカートをはいていた。
 軍司と千佳は、つきあっているのだろうか?
 もう、何回目かの、そのような疑問が、ツヨの心に浮かんだ。
 それは、ツヨにとって、切ないが、不思議にどうでもいい質問のように思われた。
 どうみても、軍司にはかないそうもない。
 それに、自分は全体的に女性に対して奥手なのだ。
 ツヨが女性に憧れる時には、ただ、その人と話をしたい、その人にとって、大切な存在でいたい、そう思うのだった。それ以上、自分から何かをしようという気持ちになれないのだった。男と女の関係が、表向きはこれといった動きがなくても、密かに進行することがあるのではないか。自分と千佳の関係は、そのようなものであって欲しい。ツヨはそう願った。忍ぶ恋というやつだ。このあたり、ツヨは、古い日本のセクシャリティの観念に案外こだわっていたのかもしれない。
 実際、外国に住む日系人が、かえって伝統的な日本の文化に固執するケースがあると聞いたことがある。
 ツヨは、そのように考えて、「何かがおかしい」と感じている自分を納得させていた。
 お茶の水の駅から、ゆったりと坂を降りていく。途中、ここは、夏目漱石も通った洋食屋だよなどと、軍司が千佳に教えている。ツヨがその方向を見ると、真新しいビルの1階に、「松栄亭」と黒く染め抜いた白い暖簾がかかっていた。
 「昔はもっと古いビルだったんだけどなあ。すっかりキレイになっちゃって」
と軍司が大声を出した。
 その日は、東京に寒波が訪れて、雪がちらついていた。ツヨは生まれて初めて雪というものを見た。
 「雪は、空からの手紙なのよね。」
 千佳がそんなことを言って、手袋の上に降った雪が溶けるのを見ていた。
 そういえば、千佳にとっても、雪を見るのは初めてのはずだ。
 「子供の時、雪の女王の氷のカケラがささって、氷の宮殿に連れていかれてしまう男の子の映画を見て、恐いと思ったけど、何か引き付けられるものも感じたよ」
 軍司が、そんな詩的なことを言った。
 「たけむら」の建物を見て、軍司が今日ツヨと千佳をここに誘った理由が判った。
 「うわぁ。雰囲気のある建物ね。こんなきれいな木造の家、私東京で初めてみたわ。」
 千佳が興奮している。
 ツヨは、窓にはめられている木の格子の間隔が狭くて繊細なのがとても好もしいと思った。
 「このあたりは、戦災で焼け残ったんだ。」
 軍司が、少し怒ったような声で言った。
 三人は、たけむらに入り、汁粉を注文した。
 塩漬けの桜の花びらが浮いたお茶を飲むと、冷えた身体が芯からあたたまるような気がした。
 「ハワイでは、いつも暖かいから、冷えた身体を中からあたためるという喜びを味わうことができない。」
 そんな意味のことをツヨは言おうとしたのだけど、舌がもつれてうまく言えず、千佳と軍司に笑われた。
 ツヨも一緒に笑って、幸せな気持ちになった。
 たけむらを出ると、軍司が
 「俺に付いてこい」
とでもいうように黙って先頭に立ってぐいぐい歩く後を追って、別の和風の建物の前に来た。「松屋」というそば屋だった。
 中に入ると、人いきれがした。店の奥に、白木の机があって、勘定書の紙の山の前に白い服を着た人が座っていた。
 3人は、四角い木のテーブルに座って、軍司が、盛りそばと天種と日本酒を注文した。
 ツヨは、本当は未成年で飲んではいけなかったのだけど、「御猪口」で1杯だけ飲んだ。千佳は、ゆっくりと御猪口を口に運んで、ハワイで育ったにしては白い肌がすぐに真っ赤になった。軍司は、ぐいぐいと御猪口を飲んで、次々と「お銚子」を注文した。お銚子が空く度に、軍司は机の上にそれを転がした。お銚子が転がっている様子がなぜかとても面白くて、千佳とツヨは顔を見合わせて笑った。
 いつの間にか、千佳と軍司は、夏目漱石についての議論をしていた。
 ツヨは、この作家を東京に来るまで知らなくて、今はもうデザインが変更されてしまったという、千円札の絵で初めて知ったのだけど、千佳は随分前から「ナツメ」を読んでいるようだった。
 「私は、漱石が、モラルの問題を追究したところにものすごくリスペクトを感じる。古き正しい日本人の姿が、そこに描かれているように思うのよ。」
 「俺は、『三四郎』に出てくる広田先生が好きだね。日本より世界は広い、その世界よりもあなたの頭の中の方が広いでしょうというやつ。」
 「漱石の描く日本人の状況って、ハワイの先住民に通じるところも少しあるのよね。西洋の圧迫っていうやつを感じて、その問題を懸命に解決しようとしているところが。」
 「うん、そこは夏目解釈の本筋だな。しかし、そうは言っても、やっぱり、お前の漱石の解釈は、ちょっと変わっているよな。「出戻り」だけあって、日本というナショナリティを、ちょっと複雑屈折した光の下で見ている。」
 「出戻り」という言葉を聞いて、千佳が笑い、ツヨも笑った。
 「出戻り」というのは、軍司が千佳に付けたあだ名だった。千佳の親が、日本を捨てて、アメリカ市民になりきろうとしているのに、こうして日本にこだわっている千佳のことを皮肉っているのだ。 
 「私、人間って、どこにいても、本質は結局変わらないと思うの。幸せの条件は、あまり変わらない。人は、結局、幸せになろうとして、その条件を、それぞれの社会の環境の中で、懸命に探しているのだろうと思うわ。そんなことを、漱石を読むと考えさせられる。」
 「俺は、幸せを特に求めようと思わないな。本当のこと言うと、幸せって何だかよく判らないんだ。」
 ちょうどその時、軍司の携帯が鳴った。
 「ああ、お前か。どこにいるんだ? ああ、そうか。飯はもう済んだのか? 俺たちか? 俺たちは、もう少しだ。そうだね。『エスト』にでも行こうか。」
 その喋り方で、電話の相手が木谷だということが判った。
 『エスト』というのは、軍司や木谷が、「東京のバーの最高峰」と言っている、湯島にあるバーのことだ。
 軍司が天丼を注文して、3人で分けて食べていると、松屋の暖簾をくぐって、木谷が現われた。
 神田から湯島は、歩いて20分程の道のりだ。冷たい夜風が頬に心地よく当る。
 最近、軍司と木谷が一緒になると、いつも、政治の話になってしまう。
 今日も、軍司は、広小路を木谷と横に並んで早足で歩きながら、熱心に議論していた。白い息が、軍司の大きな頭のまわりにもわっと立つ。まるで、蒸気を吐きながら疾走する機関車のようだ。
 そんな二人を、ツヨと千佳は並んで一生懸命追い掛けた。
 道路には、雪がうっすらとつもって、東京の街がいつもよりぐんと美しく見えた。
 雪はもう降り止んでいて、車の騒音の後側に、しんしんと沈黙のカーテンがあった。
 すぐそばに、千佳が歩いている。前を行く二人は、議論に夢中になっていて、まるで千佳と二人だけでいるみたいだ。
 今、ここ、こんな瞬間が幸せだ。
 ツヨはそう思った。
 千佳と二人で歩いている。
 それだけでなくて、軍司も前を歩いている。
 ツヨは、その幸せの感情の中に、軍司と千佳が自分のそばにいる、その微妙な三角形があることを自覚した。

茂木健一郎『プロセス・アイ』 より

________

3月 4, 2009 at 07:38 午前 |

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受信: 2009/03/04 21:39:34

コメント

茂木先生お早うございます♪
 
先生の小説『プロセスアイ』とても繊細で好きです。千佳とルナ。
千佳のところで言うと「1番感心があるのは、私とは何かということなの。私は、なぜこの宇宙に生まれて、なぜここにいるのか、私は死ぬとどこに行ってしまうのか、そういうことに興味があるの」とツヨと何気なく会話していた千佳が突然あっけなく死んでしまう。読み手としては衝撃なのにその描写がどこか淡々としていてそれがまた一層切ない。
軍司の流した一粒の涙に、軍司のそばで、千佳の思い出を大切に胸にしまって生きていこう。と心の中で誓うツヨの心情にぐっときてしまう。
軍司を守るように立つツヨにも、千佳を奪っていった宇宙の運行の不条理さに対して抗議しているような軍司の描写にもまたひどく心うたれ。。
 

とびますがバニヤンの木は先生のようです。


生きなさい、花のように。生きなさい、川のように。いつか、どこかに流れ着く日を夢見て


先生が記事にしてくださった箇所、ツヨの深い愛と優しさのようなものを感じます。(*´―`*)木谷さんは塩谷さん?でしょうか。笑


先生、今日は気持ちの良い朝で、太陽が嬉しい~♪ではでは、本日もステキな1日となりますように(*⌒∀⌒*

投稿: wahine | 2009/03/05 7:35:17

茂木先生のブログから、ときどきなんだか
夏目漱石の雰囲気も感じるときがある。

今日も前半、”三四郎”のことばが出るまでにも、
そんな雰囲気を感じながらよんでました。。。

そのなかに、茂木先生の夏目先生への
”尊敬の念”が伝わってくるようで大好き~。

私も夏目漱石の大フャンです。
海外に住むようになって、
はじめて、夏目先生の”こころ”を読み終えたとき、
それまで私の心の中で、
まだ、言葉にはおきかわっていなかった思想が、
故郷や家族への思いが、
私の中からそっとすくいだされて、
そっと認めてもらえたような感覚が、
とても感動的でした。忘れられません。

ときどき、そんなような感覚を、
クオリアブログにても
味わうことがあるんですよ。
それも楽しみの1つ。
毎日読んでいたい。(しあわせ)

今日もよい一日を!

投稿: Natural2 | 2009/03/05 4:16:58

プロセス アイ、是非購入し拝読してみたいです。

投稿: m | 2009/03/05 0:48:03

茂木健一郎さま

過日、『 クオリア入門 』 購入させて頂きました
『 プロセス・アイ 』 来月以降にと

なにせ、スキーブーツを もう一足

ところで今晩も大好きな半井小絵さんの気象解説を拝見

さくら前線 本当、春!ですね 前向きな半井小絵さん 
私など さくら前線の話題となると 春!春!!浮き足だったりしそう
そんな話題でも 落ち着いた雰囲気の半井小絵さん素敵に解説
恰好よいです。

そして 半井小絵さんを拝見したく見ていたニュースに
日本航空さま関連のJALツアーズさまのツアーについての話題もニュースにて、とても印象的でした私には嬉しく印象的に。

そうそう
スキーブーツのことです
私のスキーブーツ メーカー ラング 取り扱いはロシニョール・ジャパンさま

ロシニョール・ジャパンさまの営業の方さま、この前

「 わたくし達も高木英樹さんのラング160シリーズのZA
  日本で一足の24センチサイズ ラング本社のアトリエで
  特別組み立てのブーツと把握しています!!」

市販されている ラング160シリーズのZCよりも2段階 柔らかく設定のスキーブーツ かなり気に入っています私

来期に向けて スキーブーツの中 インナー 長靴みたいなの柔らかいの インナーだけ購入し 外側のシエルは そのままで お店を、もちろん、通した上でインナーだけ購入できるのでしょうか、?メーカーさまにお聞きすると 不可能です! との
しかし
お世話になってますスキーショップ プロトタイプさまにご相談
しましたら 5万円位で購入できる! スキーブーツ自体が9万5千円します そのインナーです。

ところで来期のラングの販売指針ですが
今期の160ZC 硬すぎることもあり 来期は硬さをZBに下げて一般市場に販売との 

そして私が持っていますラング本社のワールドカップ選手と同じアトリエで職人さんが特別組み立てられる スペシャルオーダーは受けないとのこと

茂木健一郎さま
それでも プロトタイプさまから スペシャルオーダーの160のZA
お願いしましたら
現状の話としてワールドカップの滑降女子選手のために本来は
ラング RL12 160シリーズ ZA 組み立てでしたが実際は他のスキーブーツで対応し来期は ZAのパーツ そのものも出ないし
やはりスペシャルオーダーは一切受けない が

高木さんでしょ!高木さん渡しとして 一足だけ 昨年、ラング本社のアトリエで特別組み立てしたサンプルが 一足だけあるので
高木さんに渡すで出します 

そのお値段が茂木健一朗さま 税金別で5万9千円

え?? つまり インナーだけで約5万円 それが昨年、私が今、使用のスペシャルオーダーの ZAと同じ生い立ちで生まれたフレックスが1段階硬い ZB 一足だけあって 私にでしたら出せると申して頂け
それもインナーだけ買った値段に1万円をプラスする金額

即お願いしました

後はチューンの代金が別途ですけど
実はメーカーの方さまも そういうご意向なんですが

ワールドカップ選手と同じスペシャルオーダーの場合
きちんとチューンが出来るお店でないとダメなんです
そのスキーブーツの本質的なチューンを熟知していないお店に出すことはメーカーはしない 出来ないんです 市販されるスキーブーツとスペシャルオーダーでは別物

それは お店の方に感謝は忘れてはいけない
メーカーさまに

「 高木さんのです なんとか ならない! 」

メーカーさま
「 高木さんに出すのであれば 一足だけZL12 160シリーズ
  ZB あるので 」

そして プロトタイプさま 黙っていても 高木さんのと 当初からメーカーさんは知ってますよ 

茂木健一郎さま私は一切 スキー指導はしていませんが

お店の方さま メーカーさまに感謝です
ワールドカップ選手と同じ今期のスペシャルオーダーのRL12
もちろん 来期の市販モデルとは 成り立ちから違うスキーブーツですが市販される160シリーズのフレックス ZB というフレックスは同じ

今の持っているスペシャルオーダーのスキーブーツの使用方法も徹底
雪の上を歩く時でさえ ブーツの底をカバーするソールカバーは常
スキー板を履く寸前まで スキー板から外したと同時 ソールカバー
スペシャルオーダーのスキーブーツは
そこまでするべき ラング本社の職人の方に敬意は常に

キロロスキー場さまでも それは きちんとしていました私は
素晴らしいスキーブーツに敬意を込めて。

投稿: TOKYO / HIDEKI | 2009/03/04 23:54:51

「プロセス・アイ」、非常に読み応えのある小説だった。初めて読んだ時、心が“ひりつく”のを抑えきれなかった。

2度、3度と読み返すうちに、話の筋が明確に掴めるようになってきて、登場する人物たちが、それぞれどのような運命を辿るかがわかってきたが、心のひりひりは、収まることはなかった。

個人的には、主役級を始め、登場人物の『その後』がトテモ気になっている。彼等がこの小説の終盤「宇宙船ガラテア」の事件以来、如何なっていくのだろうかなと、まことに勝手ながらいろいろと想像したりしている。

情報の大洪水時代になって久しい今、人々が求めているのは「物語」なのだと思われる。

それも読み手の人生を、ひょっとしたら変えるかもしれない、深い衝撃と感銘をもたらす、もろもろのものがぎゅっと詰まった「物語」が…。

投稿: 銀鏡反応 | 2009/03/04 23:41:21

茂木健一郎様

今宵の講演会はいかがでしたか?
楽しくお話できましたか?

皆さん、茂木先生にお会いできて
とっても嬉しかったことでしょう。

茂木さん、お声がやっぱり優しいとしみじみ
思います。 人は楽器でしたね。

さっき、会場から家まで歩いて帰りました。

ビリケン、大阪名物お好み焼き、おくつろぎのセット
感謝をこめて

投稿: Yoshiko.T | 2009/03/04 23:11:59

プロセス・アイで語られているツヨが女性に憧れる時は、話したい。大切な存在でいたい。ということ。。というの分かります!
それに…そうゆう時は、時間が動いていないようでいて、二人時間と心、しっかり動いていますよ(o^∀^o)私は、そう信じています。

投稿: 奏。 | 2009/03/04 20:25:40

こんにちは

物理の四つの力の内、意識はどの力に反応するのか考察してみました。


重力。重力が意識に影響する場合、内耳の平衡感覚は発達しない。

強い力、弱い力。放射線に体は弱すぎ、脳の中で核エネルギーが起こっていることになる。

残るは、電磁力になる。頭に電極で電流を流したり、電流を発生させると意識に影響がある、しかし、MRIなどで、強い磁場には、影響がない。

電磁力は意識の一つの要素であるが、まだ発見されていない何か他の力がある可能性もありえるかも?


今日、夢の中で、寝ながら、考えた、内容です。(^^)

投稿: 四つの力のクオリアby片上泰助(^^) | 2009/03/04 19:58:09

小雨降るどんよりした灰色の空が目の前に広がっております。 昨日は東京は雪が降りました。夜帰る時に傘がなくて黒いコートを着ていたので、雪の結晶を一瞬見れた気がします(コートについた瞬間すぐ溶ける)
3月の雪は、冬将軍さまからの別れの手紙…冬が雪を名残に行っちゃいます(涙)寂しいなぁ~~~ってみんな動いていくのですね…
むっ?!これは茂木先生の小説ですか!ツヨが茂木さん?チェックしてみます\(^_^)/

投稿: 眠り猫2 | 2009/03/04 16:48:15

「雪は、空からの手紙なのよね。」の千佳の言葉が素敵です。
私も暖かい土地の出身なので、たまに降る雪には、神様からの言葉のない手紙のような神聖なものを感じます。
「雪」という字には、「洗い清める」という意味があることを、最近になり初めて知りました。
朝、起きて、一面の銀世界に覆われた景色を見ると、自分の心までも真っ白にさらされたような気持ちになります。
でも、辛い過去や罪は、自分自身が今を、そして未来を、精一杯生きることでしか洗い清めることはできないんでしょうね。
でも、昨日の雪、真っ白になるまで、もっと降り積もって欲しがったなぁ…

投稿: シリンクス | 2009/03/04 14:54:09

茂木先生、こんにちわ。
「プロセス・アイ」読んでいませんでした。
「ツヨが女性に憧れる時には、ただ、その人と話をしたい、その人にとって、大切な存在でいたい、そう思うのだった」
・・・って、3人の息子がいても、私の心はそのように在る、と思いました。万年女学生と言われる由縁でしょうか。
それと「星の友情」・・・私にもそんな存在がいます。相手はどう思っているか知りませんけどね。ただ、相手に感謝あるのみです。
毎日ブログを読ませて頂きながら、流転し循環し変化していく自分や出会う人々のことを愛おしく思います。ありがとうございました。

投稿: hagu | 2009/03/04 12:22:13

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