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2009/03/14

ラインの乙女たちの嘆き

君島十和子さんにお目にかかり
対談する。

とても素敵な方だった。

西洋絵画史においては、
「セルフ・ポートレイト」
が大切な意味を持っている。

レンブラントはたくさんの自画像を
描いた。

ゴッホの自画像は歴史に残る傑作である。

女性が化粧をするということは、
つまりは一生をかけてセルフ・ポートレイトを
描くということではないか。

集英社の鯉沼広行さんとお昼を食べる。

毎日ウィークリー
の方々に
お目にかかる。

新国立劇場のキース・ウォーナー
演出によるリヒャルト・ワーグナー
『ニーベルングの指環』序夜『ラインの黄金』
を見る。

山崎太郎さんと。

山崎さんと私が、今回の公演プログラム
にて対談をしているので、
ご招待いただいたのである。

畏友の横で、天才の作品を傑出した
演出で見る。

至福である。

アルベリッヒはラインの黄金は
愛を断念した者しか得られぬ
と聞き、権力への志向にジャンプする。

ヴォータンの建てた壮麗な
ワルハラ城は、アルベリッヒと
同じような欺瞞の上に成立
している。

つまりアルベリッヒとヴォータンは
同類なのだ。

最後にヴォータンたちがワルハラ城
に入る。ホワイトルームでの
仮装パーティ。私たちが
見いだすのは、現代の文明そのもの。

ワルハラ城とは、つまりは
私たちの住む現代の空間そのものである。

文明が依拠する欺瞞の中、
私たちの耳にはラインの乙女たちの
嘆きが届いているか。

終演後、山崎太郎さんと話していたら、
上田紀行さんが見にいらしていて、
「久しぶり!」ということになった。

上演前には、古明地勇人さんと
会った。

ラインの黄金の輝きが、多くの人たち
を惹き付けている。

朝日カルチャーセンター。

「脳とこころを考える」。

抽象と具体の逆転。

外に出たら、春の嵐になっていた。

3月 14, 2009 at 07:59 午前 |

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<楽劇「ニーべルングの指環」序夜> 2009年3月18日(水)18:30/新国立劇場 指揮/ダン・エッティンガー 東京フィルハーモニー交響楽団 演出/キース・ウォーナー 美術・衣裳/デヴィッド・フィールディング 照明/ヴォルフガング・ゲッベル ヴォータン/ユッカ・ラジライネン アルベリヒ/ユルゲン・リン ローゲ/トーマス・ズンネガルド ファゾルト/長谷川顯 ファフナー/妻屋秀和 フリッカ/エレナ・ツィトコーワ フライア/蔵野蘭子 ドンナー/稲垣俊也 フロー/永田峰雄 エルダ/シモーネ・シュロー... [続きを読む]

受信: 2009/03/23 23:31:11

コメント

化粧は、ひとの顔にするものなのか。心にするものなのか。遥か彼方の戦士、その装束と化粧が 意味するものに 刹那の煌めきと 魂に最期などないと 永遠の生命を読みとるのか。個々の美の追求探究、残された肖像画から 私たちは何を感じるのか。鑑賞、美しい人を見て 美しいと感じることそのものが 芸術なのでしょう。白く滑らかに踊る指先にも、ささくれに荒れた手にも、小さな子の歌声や田舎道の春の芽吹きにも。久しぶりと言う先生の声や口元に刻まれた優しさにも、美しさは見つけられるでしょう。見つけられる誰かなら、ドア向こうの春の呼び声や 紙くずとくるくる描く小さな嵐にでさえ、景色のポートレートを感じるでしょう。美しいひとを愛でるのと同じように。留めた時間を慈しむのでしょう。     

投稿: no name | 2009/03/15 18:26:04

子守をしながらですと、一日何回も同じサイトを覗くようなことになります。私は今日何回こちらを訪れたか。自分でもさだかではありません。
今息子は公園の遊具で夢中で遊んでおります。ついこの間までママ、ママ言って、お手本を見せたり一緒に遊ばないとならなかったのが嘘のように知らない子に混じって息子は遊びます。お陰で私は大人があまり滑らないすべり台をでかい顔して滑りに行くことも出来にくくなりました。ちょっぴり残念。
バイアスに囚われないように、いかに自分らしくてもそれが決して人間としての間違いは犯さないように、注意するのは自己責任ですね。今も昔も、人間は、自分には甘いもの。高村薫さんの小説に、人生の大きさは悔しさの大きさで測るのさという一文がありましたが、私も今悔しさでいっぱいなところです。
そして今までの自分に足りかったものが悔しいと思う気持ち、素直に悔しいと感じ取ったらそれを消さないで持ち続けることだったと気付きました。何一つ無駄な体験はありませんねぇ。この歎き、叫びは、勝者の勝利宣言よりも、この世界の役に立つはずと信じて、今はひたすら悔しさと理不尽な負けと言う事実を噛み締めております。
私にも精神力がつくかも、こういう思いは無駄にはならない!人生がでかくなるための戦いの最中です。

投稿: プンスカ | 2009/03/15 15:12:58

10時に起きてこの日記をチェックしたけど、あれまだ更新してないo(^-^)o
って事でコメントしちゃいます(^w^)
最近の私は、6月の検定に向けて勉強中(*^o^*)
さて、今後どうなる事やら‥
みんな自身多かれ少なかれ思うこと。
だから大丈夫ですね♪o(^-^)o

投稿: もととうほう高校 | 2009/03/15 12:19:50

抽象と具体の逆転

            仮想と現実の一致 

ラインの滝の頂の高低

            大差なし同じ類流


          


         

投稿: 一光 | 2009/03/15 11:09:08

ワルキューレのラストシーンは最高でした!

人間の創造するものって、こんなに力強いんだ。

フィクションとリアリティの間をしなやかに揺れながら、どちらの世界も味わいたい。

投稿: しずく | 2009/03/15 3:03:59

茂木先生こんばんは♪ 
一生をかけてセルフ・ポートレイトを描く…確かに鏡を通して自己と向き合っているのだと思います。お洒落やmakeをするのはモチベーションが上がります。しっくり来ないと逆に1日ブルーになりますが…。
春は新色が沢山でますね♪
 
「ラインの黄金」先生の朝カルで初めて拝見させていただきましたが、愛を断念することで権力を得て、犠牲の上に成り立つ世界、まさに今の時代そのもの。断片的にしか見ておりませんが、それでも大変考えさせられました。
そして美しい。
 
具体と抽象。Fictionと Real。上手く使い分ければより素晴らしい人生になるに違いない、そう思いました。
余談ではありますが、私もTPOに応じてメイクも使いわけます。
 
それでは先生、お休みなさいませ。ステキな夢を~。(*^∀^*)/☆☆☆☆☆

投稿: wahine | 2009/03/15 0:14:37

 こんばんわ。 夜分遅くにすみません。  
テレビのアルバイトにも少しずつ慣れてきました。
まだまだわからないことは多いですが、日々、がんばってます。
茂木さん、ありがとうございます。
いまの仕事をちゃんと続けれるようがんばります。
 


  

投稿: 中村蔵人 | 2009/03/14 23:28:26

セルフポ-トレ-トを一生をかけて描く→そうかもしれません、まるで例えばお化粧という仮面を着けている様な。なので私は女友達とでも、素顔を見せるのは初めはちょっと恥ずかしかったりしますね。これは人によっていろいろかと思いますけど。

投稿: yuuki | 2009/03/14 22:05:04

おはようございます!(^^)!

14日、18時過ぎ、空の高いところは深い群青で、地平線に近づくと明るい青に、夕焼けの残光は遠くに見えました。
青の色相にスゥーーっと吸い込まれそうな感じでした。
空気は澄んでいて、雲は薄ら青白く光っていました。
「ああ、こんなだから地球は青いのか!」と、すごく納得しました。
きっと、今、ものすごく晴れてピカピカな朝が始まっているのではないかしら!(^^)! 春の嵐の恵み✧ そうであったらいいなぁ!✧✧✧

ラインの乙女達の嘆き、茂木さんには聞こえていますねー。
私はどうすればいいのか、茂木さんにそれとなく方向を指し示してもららえるといいなぁ(*^^)

いつも、してもらっているか!!(♯`´♯)✿✿~♫

投稿: 夏輝 | 2009/03/14 21:09:13

今日のタイトル…何故かライオンと読み間違えてしまってから、私の頭にライオンと浮かんでしまいます…(;^_^A

立派なもの高いものも目の保養という点では良いですが、肝心なのは、誰と過ごし、どう生きていくか。まぁ…お金もあればいいですが、無くても二人で頑張っていけば良い事ですもん(^-^)

そうそう、自分で自身の写真を撮ること。顔の雰囲気を見るために、時々私も自分で映します。ちょっと大変な時は、大変そうな顔。イキイキしてる時は、張り合いのある顔など(^-^)

投稿: 奏。 | 2009/03/14 21:05:35

ゴッホの肖像画を、ゴッホ美術館へ、
レンブラントのを、アルテ・ピナコテークへ、
見に行った頃があります。ああ、至福の時が
蘇りました。


茂木さんが

>演出によるリヒャルト・ワーグナー
>『ニーベルングの指環』序夜『ラインの黄金』
>を見る。
>山崎太郎さんと。
>山崎さんと私が、今回の公演プログラム
>にて対談をしているので、
>ご招待いただいたのである。
>畏友の横で、天才の作品を傑出した
>演出で見る。
>至福である。

このような至福を感じておられることを
とてもとても嬉しく感じます。

茂木さんみたいな方が
様々な分野にアイディアを語りかけることが
ラインの乙女たちの嘆きを
やわらげるのではないかと思います。

これからも幸福のファシリテーターで
いらしてくださいませネ。

投稿: Yoshiko.T | 2009/03/14 19:25:30

拙宅の最寄駅の看板。そこに上野で開催中のルーブル美術館展のポスターがウーロン茶や発泡酒のポスターと一緒に掲げられている。そこにレンブラントの、随分若い時のと思しいポートレイトがあった。

レンブラントは何時も、眉間を寄せて、難しそうな顔をしてこっちを睨んでいるようだった。髪の毛も、茂木さんのそれを彷彿をさせる(微笑)


今度チャンスをみて、この展覧会を見に行こうか知らん。

…昨日のアサカル、お疲れ様でした。

自己と向き合うのが苦手のはずの、日本女性も、化粧する時は、自分の顔をキャンバスに、ポートレイトを描き続ける。

そういう意味では、洋の東西を問わず、女性は死ぬまで自己と真正面から向き合い続けるように出来ているというわけだ…。

化粧することの喜びは、何と言っても、どんな風にしたら、自分をもっと素晴らしく、かつ魅力的に見せられるか、ということに尽きる。

自分の場合、ファンデーション・黛・アイライナーだけの3点セットで澄ましている。我ながらこのメイクでは、あまり魅力的に見られないようだ。まるで戦時中の節約化粧のようである。

君島さんの、睫毛をカールする時、15分もかける、というのを聞いて、うへえ~!そこまでやるなんて!と仰天してしまった。

なるほど、魅力的に見えるような化粧とは、そこまで念入りに行うもの、ということか…。


戦時中、ということで考えさせられるのは、現代文明の齎す一見、きらびやかなパラダイスの中に見られる、ひとにぎりの権力志向者による「のさばり」のせいで、苦しめられている多くの人々の、有声無声の叫びと嘆きが、今世紀になっても消えないということだ。

アサカルで見せていただいた、YouTubeアップの楽劇の動画「ラインの黄金」のラスト場面を思い返すに、

…“黄金を奪われて嘆くラインの乙女たち”は、権力の圧制によって犠牲となっていった、今は亡き人々の叫びであり、今生きて圧制される人々の、怒りと涙の権化名のに違いない…。

今も聞こえる“乙女達”の嘆きは、暴走する権力者たちの耳には、どのように聞こえているのだろう。


投稿: 銀鏡反応 | 2009/03/14 14:14:53

ルートビッヒ世の庇護を受けて、様々な楽曲を世に送り出したワグナー。
高校生の頃、友達に誘われてヘルムート・バーガー主演・ヴィスコンティ監督の映画『神々の黄昏』を観に行ったことを思い出しました。日本とは文化の育み方とスケールがまるで違う!半分くらい意味が理解出来なかったと思います。
それでも、究極の耽美主義だった王様がワグナーの曲を愛したことはそれなりに青かった私も理解したような記憶があります。
『ローエングリン』が個人的に好きです。華やかな導入部は、ヒトの心をあっという間に音符の虜にする。私は、ロシアの5人組が好きなので、ワグナーに関しては、それほど詳しくないのですが、これをきっかけに掘り下げてみたいと思います。
でもドイツ神話・北欧神話・ギリシャ神話…劇中にはいろいろな要素が含まれているみたいなので、ゆっくり時間を掛けて、ワグナーの真意に近付きたいなぁ…と思うんですが、これはかなり高い山のような…(笑)物語をまず楽しんでみますね。ありがとうございました。

投稿: ゆみっち | 2009/03/14 13:33:20

昨日の朝カルの後、茂木さんの中にも春の嵐が吹き荒れているようでした。と、いっても、増田健史さんがおっしゃられているように、茂木さんの根底にあるものが怒りなのであれば、嵐は常に起こっていて、今さら言うに及ばす、なのかもしれません。
著書はいろいろ読んでいるつもりですが、茂木さん歴まだまだ短いですし。ちょっと見聞きしただけですぐ相手のことを分かったように思ってしまう人もたくさんいらっしゃいますが、その人の心や性格というのは、本当に容易には計り知れない。
あなたはこういう人だ、と誰かに言われる時、それも一部分ではあるかもしれないけど、全てではない。

サインを頂いた御著書の中の、宝石がちりばめられた言葉のような、茂木さんのホワイトマジックをこれからも期待しています。(でも、思考の補助線のような、ダイレクトな本も私は好きなんですけど。)
イラスト付きのサインをありがとうございました。いろいろ注文をつけて、ごめんなさいね。
茂木さんも、私も、そして全ての人達も、世界にただ一つの宝石なのです。

投稿: 楠 | 2009/03/14 9:39:50

おはようございます
茂木さんの「音楽を『考える』」に書店で偶然出会いまして、
読ませていただきました
本当に面白かったです
自分の声に耳を傾ければ、毎日が物語のような
そんな気がしますね
私はまだ学生で、いま就職活動をしていますが
未来にわくわくしながらも、いまを生きていかねばと自分に言い聞かせています
「自分のためには限界がある、他人のために頑張りなさい」
はっとさせられました
ありがとうございます

投稿: sary | 2009/03/14 9:20:04

茂木ィ先生おはようございます!今電車です!今朝は強風で、風が息止めた時に走ってきました~ぜぇぜぇ(*´Д`)=зしかし走るとなんだか代謝がアップする感じがします。ジョギングの効用を感じました。
昨日はワーグナーの世界に飛翔されてたんですね♪私も昨日はほしかった本とCDを買いました~(・ω・)/茂木先生のは「脳をいかす生活術」「意識とは何か」「涙の理由」と竹内薫さんの「シュレディンガーの哲学する猫」漱石の「それから」三浦綾子さんの「細川ガラシャ夫人」立花隆氏の「臨死体験」をゲットし、CDはリヒテルとホロヴィッツのシューマンのピアノ曲二枚です。
春になるとシューマンが、がぜん聴きたくなるのです。
「生活術」は途中まで読みましたが、とても面白いです あ、新宿についたので失礼しま~す!茂木さんも素敵な1日になりますよ~に

投稿: 眠り猫2 | 2009/03/14 8:26:15

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