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2009/02/06

荒野に立つ樹木

 水曜日。

日経サイエンス編集部にて、心理学、
とりわけ証言や取り調べ段階における
供述などの、法廷関連の問題がご専門の
高木光太郎さんと対談する。

 人間の記憶が、いかに流動的で、
また他者との関係に左右されてしまうものであるか。
 個別の脳に記憶が定着されるという
側面だけでなく、「ネットワーク」の中で
刻まれるという属性も考えなければならぬ。


 高木光太郎さんと。

 新国立劇場で、山崎太郎さん 
とワグナーについて対談。

 山崎さんとは学生時代からの旧知の
間柄。
 山崎さんのお父さんは、東京大学で
物理学を研究された山崎敏光さん。
 東京大学理学部物理学科の学生だった
時、山崎先生のミューオンに関する
ゼミを半年間受講した。

 山崎太郎さんは、中学生の時から
バイロイトに行っていて、
 しかも、プロンプターが
入るスペースから、本番の上演を見たりも
していたのだという。

 私自身は、未だにバイロイト音楽祭に
行ったことがない。


 山崎太郎さん。

 原宿にて、
『コルテオ』のオープニング・
ナイト。

 アクロバティックな演出と、人生に
関する深い慈愛に満ちた物語。
 今までにない新しいエンタティンメント
だった。

 演出家のダニエル・フィンチ・パスカ
と再会。

 「大成功だね!」

 ダニエルにオメデトウを言った。


ダニエルと。「コルテオ」の初演の後で。
 
 木曜日。

 東京工業大学すずかけ台キャンパスにて、
加藤未希さん、高川華瑠奈さん、戸嶋真弓さんの
修士論文発表会。

 みんながんばった!

 すずかけ台駅前の「てんてん」
にて、てんぷらを食べる。

 お疲れさま!


(左から)野澤真一くん、戸嶋真弓さん、石川哲朗くん


(左から)柳川透くん、加藤未希さん、高川華瑠奈さん


関根崇泰くんと、加藤未希さん。

 NHK。
 有吉伸人さんと、いろいろと打ち合わせ、
お話。

 集英社の岸尾昌子さんと打ち合わせ。

 組織と個人のことを考える。

 組織というものは、社会において
何かを動かすときに大切なものだが、
それに巻き込まれると創造性を支える
個性を失う。

 アルベルト・アインシュタインは、
組織的な思考原理について、
 激烈なる発言を残している
人。
 
 だからこそ、アインシュタインはあれだけの
独創を成し遂げたのだろう。

 一人立つためには、やるべきことを
やり続けなければならない。

 たった一本、荒野に立つ樹木。

 そこには小鳥もやってくるし、
春になると下に美しい草花も咲き乱れる。

2月 6, 2009 at 06:57 午前 |

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コメント

コメントを書くのは一ヶ月以上ぶりかと思います。

個人と組織というテーマに、共時性を感じました。
今の私の気持ちを占めている 個人と組織 のテーマと、
茂木さんの日記のそれとは、部分的にしか重なり合っていない
としても。


組織というものは、その外部にいる個人からは、
正体を見ることができない。
外部どころか、その組織の内側にいるはずの個人からでさえ、
必ずしも、見通すことはできない。

芸能界のアーティストと組織について、不安な思いがある。

アーティストは、純粋に芸術的存在であって、
だから、作るものさえ力を持っていれば、社会的な存在感は
後からついてくる、というのが理想かも知れないけれど、
アーティストと、その所属する会社組織との、価値観の一致は、
重要だと思う。
見え方という面でも、見せ方という面でも。

アーティストは、心に形をあたえる人。心を形として創造する人。
組織は、形に心を(組織に個人を)合わせなくてはいけない事もある。
お互いに折り合いをつけるのが大人だろうけど、
あまりに”形”優先の組織だとしたら、アーティストは息苦しい。

そんな心配が、杞憂に過ぎないかどうか、私が知る日は来ないだろう。
大きな組織にとって私個人は、幾つあっても構わない不特定のピース。
そういう物が、どんなに手を伸ばしたとしても、
何かに届く当てもない。

さらに、もしかしたら、
個人には、アーティストが組織そのものになったように見え、
アーティストには、個々人も含めて、自分を取り巻いているのが
巨大な組織であるかのように、見えているのかも知れない、と思う。


投稿: MiznoYuli | 2009/02/08 3:55:51

荒野に立つ樹木といえば、今は亡き恩師、アンドレ・ショネを思いだしました。
彼ははフルトヴェングラーからのベルリンフィルへの誘いを断り、チューリッヒで一生を過ごした人。弟子にはニコレやグラーフをはじめ、世界中から彼の教えを請うために笛吹が集まり、彼の木の下で育った草花は、世界各地で花開き、種を落としています。自分にはとても厳しく、周りにはとても暖かい人でした。

投稿: | 2009/02/07 10:20:58

        蕾ふくらみ 芽吹く春を想いながら

全ての人・課せられた  凍結を抱え

      やるべきことの積み重ね  到達を目指しながら

      凍えながら 春を探せば  ・・ どこかに はるは

            ある  春の日
                       .......     少し急いで 春支度   雛 !!

投稿: | 2009/02/07 9:20:27

茂木健一郎様

毎日、blogをとても楽しみにしています。
茂木さんのお言葉に、励まされたり、
気づかされたりしております。

組織と個人。
私は最近これに悩まされています。
パズルを例に挙げると、
ピース一個がなければ、パズルは完成しない。
パズルがなければ、ピース一個に価値を見いだせない。

人々、社会の幸せのために生きる、
個人の成長、喜び、幸せのために生きる。

二項対立を考えると、
それぞれに肯定的な面が、
同じくらい有り、
結局、中庸になるのかなと思ったり。

けど、青色LEDの中村さんのように、
組織に否定されながらも、
個に重きを置いた結果、
劇的なことが起きた。

つまり、二項対立のどちらかの極に、
極端に偏って初めて、
大きなものが生まれると感じたり。

色々悩みながら生きています。

先生が理解していなかったら、
学生に理解してもらうことは出来ない、

個人が幸せでなかったら、
人々を幸せにすることは出来ない、

と思って、こっちの極に生きたいと思っています。

アインシュタインの組織に対する、激烈なる発言、
が掲載されている書籍を教えて頂きたいです。

長くなり申し訳ありません。
茂木さんのご活躍を心からお祈り致します。

投稿: | 2009/02/07 6:57:54

一人立つ、ということは…。

群れないこと、付和雷同しないこと、巷の風評、噂に惑わされ、鵜のみにしないこと、組織の論理の通りに動く「ロボット」にならないこと。

そして…自らの胸中に確固たる「何か」を持ちつづけること。

ひとりの人間として、限りある人生を生きるなら、そのように“一人立つ”精神を抱きしめていきたい。

投稿: 銀鏡反応 | 2009/02/06 23:23:20

記憶は、他者との関係で左右するもの。そして…定着し、ネットワークを繋ぐのですね。この言葉、とても奥行きがあって、明るい未来がありそう!人との出会いは、そういうものですね。そして出会って、二人がお互いに必要とするのも、このような定着があってのこと(^-^)
バイロイト音楽祭や、榛名湖のように茂木さんがまだ行った事がない所へ、いつか行けると良いですね(^o^)

投稿: | 2009/02/06 22:32:39

たった一本、荒野に立つ樹木。


いつでも、そうありたいです。
いつまでも、そうありたいです。

組織に属してきたからこそ強くそう思います。


この春、組織から抜けます私。
一人立ちの道を選んで進む中、季節の移ろいや、花や小鳥達に出会える未来を信じます。

茂木さん、いつも素敵な日記ありがとうございます☆

投稿: 小絲まめ | 2009/02/06 14:53:12

先生、ばっちりキメたお姿、すてきです。
たまにはいいですね。

投稿: | 2009/02/06 9:58:39

茂木さん、おはようございます。
昨日は、ひと足お先に「春」気分を味わってきました。

大阪城公園の中に、「梅林」があるのですが、梅の花が
咲いていました。
まだ、四分の一程度だったかな?!

「梅の花」は、ほ~んとうに赤い色からピンク色、ホワイト
といろいろあって、近い色でも微妙に違っていて、美しかった
です。

名前も「楊貴妃」、「寒紅」、「豊後」などなどたくさんあり、
「和歌山紅」というのが、綺麗な「紅色」で美しかったです!

一歩一歩、春に近づいているんだなぁ~!と思うと心がウキウキ
してきて、「さぁ~、頑張ろう!」という気分になってきます。

大阪城公園の梅林は、かなり広くて、見ごたえがあります。
週末あたりから、お弁当をもってお花見をすると最高!気分に。

「コルテオ」の広告を新聞で拝見いたしました。
大阪は夏に公演がありますよ~。

「ネットワーク」や「組織」、「個人」という言葉が印象に
残りました、今日の日記。(^.^)

仕事では、その中を「往ったり、来たり」しているわけですが、
かかわり方=時間の費やし方であり、難しいことがありますね。

まぁ~、好きな仕事で食べていけている自分は幸せだと思って
いますが、今年は「自分の仕事、優先に!」と決めたので、
頑張らなくては。(笑)

では、今日も一日、お健やかにお過ごしください。(*^。^*)

投稿: | 2009/02/06 9:43:42

親愛なる茂木健一郎様

今ピアニストの松本和将さんの奏でる、吉松隆作曲「静止した夢のパヴァーヌ」という音楽を聴いています。 天の川の星屑がキラキラと無限に降り注ぐような、美しい音楽です。
茂木さんの「生きて死ぬ私」「脳と仮想」の文章を、音楽に結晶化したら多分こんなimageです。
茂木さんにも聴いていただきたいなぁ…
松本和将さん、素晴らしいピアニストです!名状しがたい詩情が、水紋のように無限に広がっていくのです… (*u_u)
プロフェッショナルで松本和将さんも取り上げていただけたら、幸いです(笑)
「脳と仮想」何度か拝読いたしました。茂木さんも宇宙の夢見られるんですね~。私も昔から4~5回あります。 私の場合は宇宙の隕石群に自分が混じっていたり(笑)地上の野原で見上げる時は、色とりどりの五円玉くらいの渦巻き銀河が万華鏡のように無数に散らばっていたりするのです。夢の中では孤独を感じているのですが、寂しさはなく、守られている感じがして不思議に甘美なのです(笑)
目が覚めると、もう一度リクエスト!って二度寝したりしますが、夢がリクエストに応えてくれることはありません(笑)
皆さんも星空の夢見てるのでしょうか…(^o^;)
荒野の一本樹の茂木さん、私は雀の一羽でピヨピヨ周りを飛んでます(笑)
うるさいでしょうが、気にしないで下さい。
それでは、今日も良い1日でありますように…

投稿: | 2009/02/06 9:05:38

たった一本、荒野にたつ樹木って、頼もしいですね。

投稿: | 2009/02/06 8:06:32

おはようございます!!

コルテオのダニエルさんのまなざしがいいですね~。

茂木さんをじっと見ている。
再会うれしいですね。

山崎先生と太郎さんと茂木さん。不思議と縁があるのでしょうね。

茂木さんの周りにはそんなつながりがたーくさんありますね。

茂木さんの広げている世界が気持ち良い空間だから
いろんな分野の素敵なものが集まっているのですねぇ!(^^)!!

私はオオイヌフグリになりたいな!!!!

投稿: | 2009/02/06 7:40:37

茂木健一郎さま

茂木健一郎さまのNHK番組ブログに掲示して頂けました私の文章

ふと、荒野に立つ樹木
私なりですが
凄く
立ち続ける

感銘です、私なりに

投稿: | 2009/02/06 7:17:46

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