追いかけようと思って
人間は、バカだなあと思う。
空に星があることを忘れているんだね。
相対性理論によれば、星がどんなに遠くに
あっても、光がそこから私に届く間、
固有時は経過しない。
だから、星はぼくらとつながって
いるんだよ。
相互作用同時性の原理によれば、
因果性を担う世界線に沿って、固有時は
経過しない。
それが、私たちの意識の根源でもある。
だから、何光年も先の星も、
ぼくたちの意識の一部である可能性は
あるんだ。
そんなことを忘れてしまって、
ふだんどうでもいいことに血眼に
なっているぼくらは、よほど愚かだな。
愚かさにつける薬はあるのだろうか。
南十字星を追いかけようと思って、
ずっと歩いていったが、
夜空に浮かぶその姿は
ちっとも大きくなりはしなかった。
2月 22, 2009 at 01:16 午前 | Permalink
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コメント
Der Kleine Prinz を思い出しました。
投稿: 鞠 | 2009/02/28 17:58:19
茂木健一郎様
はじめてコメントを送らせていただきます。朝から、こんなに共感できる思いに接することができて幸せです。言葉は不思議です。もしも、茂木センセイがインドネシア語やバリ語でご自身の感性を発揮なさったならば…バリの神秘を神髄から堪能されることと思います。言葉が目の前の何かを直接的に表現するだけではなく…その先に像を結んで、イメージを共有するような…そんな豊かな情感の交流がかないます。朝のホテルの浜辺で、こんなお話をご一緒にさせていただけたならばな〜なんて「夢」をみています。
投稿: Hidemi Nakamura | 2009/02/23 10:32:51
宇宙とつながっているのですね。
投稿: ふぉれすと | 2009/02/23 10:25:15
私があなたを想う時、あなたも私を想ってる???
うーん、何だかよく解らないけれど
何だか素敵そう!!!
投稿: 黒毛和牛 | 2009/02/23 2:24:24
Selamat sore Mr.Mogi♪
正義を語って戦争を繰り返し、豊かな国の傲慢が途上国をつくり、温暖化stopと唱って開発を進める。
私個人においても、実に矛盾だらけ、それでもよく生きたいと願うわたしは考えれば考えるほど愚かで滑稽なバカです。。これは悲観してる訳ではなく、先生の記事を何度も拝見している内に、バカでも愚か者でもなんでもいいかなと。というかきちんとそう言うことを認めなければと。背伸びする必要も格好つける必要もないのですよね。人間だけが特別な生き物ではないはずですし。
うーんと言うことは、愚かさにつける薬は愚かだと認めることでしょうか。(自分なりに考えてみました、汗)
相互作用同時性の原理、御著書『脳とクオリア』を改めて拝読させて頂きましたが、難しく。(難しくて当たり前なのですが)しかし、星の光は1光年=1年前の光が届いていると考えていたのが、固有時(因果性を満たすように構成された時間)から見ると瞬間的に、無限の伝播速度で伝わるなんて、何光年先の星が意識の一部である可能性があるなんて!無知ですが驚異なのです!
私も先生が見上げた星空を眺めます。星と僕らがつながっている限り。(*´∀`*)/☆☆☆
投稿: wahine | 2009/02/22 23:11:47
バリ島でのお仕事、おつかれさまです。
いったい時間の正体とは・・・
私は夜空の星を見ながら、「宇宙に星があること」を見過ごしていたのかもしれません。
幾光年先の星を私たちが見ているとき、見ている「今」と、幾光年向こうから放たれる現象が、等しい「今」で結ばれる。因果性を満たすとはそういったことなのでしょうか。
目先のことに振り回される・・・ときには星を見上げる・・・ひととき彼方を想う・・・それでも再びしがらみにとらわれる。そんなことを繰り返す自分という愚かな存在。
日常の“ t ”に振り回されつつも、
“ τ ”が遥か彼方を「今」をもって表現してくれるならば。
>だから、星はぼくらとつながっているんだよ。
たとえ愚かな存在であり続けるとしても
星が夜空にただ浮かぶだけであっても
それを追いかけていたいものです。
きっと心の中の時間を支える星になってくれそうです。
バリ島からの素晴らしいスペクタクルを
ありがとうございました。
投稿: s.kazumi | 2009/02/22 23:11:08
いつもクオリア日記を
読ませて頂いてます。
そして、そこから
新たな世界を学べている事を
楽しませて頂いております。
今回のBlogを読んで
きっと、夜空の星も
私達、みんなの事を
見守っているのかもしれませんね!
って、思っちゃいましたよ
バリ島の自然を楽しんで下さい
そして、クオリア日記ファンを
これからも楽しませて下さい
宜しくお願いします
m(_ _)m
投稿: ぱろっと | 2009/02/22 17:59:56
茂木健一郎さま
☆星を見て、海を眺めて、
茂木さまの心は
ほんの少しだけ癒されましたか。
切なさ(刹那)を感じてしまう
クオリア日記
私の心まで、感傷的になって
しまいました。
茂木さまの思いが少しでも
星に届きますように☆
投稿: ヒロ | 2009/02/22 17:23:39
「ずっと歩いていったが 夜空に浮かぶその姿は ちっとも大きくなりはしなかった」
私は難しい事は解らないのですが・・・それどころか聞きなれない言葉があり辞書を引く事がたびたびあります
けれど必ずこの文章のように ほっとして心が温かくなる言葉があるのです
体の中心部にふわふわと効き目があるのです
私の懐かしい記憶の何処かに辿り着いて呼び起こしてくれます
だから毎日楽しみにしてしまうのです
投稿: YABOI | 2009/02/22 15:10:28
茂木先生 こんにちは♪
星はほんとにロマンがありますね。南十字星、なんて聞いただけで、物語が浮かびそうです。たぶん高校生の頃だったと思いますけど、天の川を見たことがあります!あとにも先にも、見たのはこの一度限りで、ほんとに写真や絵に出てくるような、細かい星がばらまかれていて、まさに星で出来ている川のようでした。ほんとに見とれてしまい、あそこで、織り姫様と彦星様が一年に一度出会うんだなぁ~!と…。星座の物語はいろいろ読んだので、どうしても星を見ると、物理的なことばかりではなく、お話しを思いだしながら眺めてしまいます。北斗七星を見ると、あの女の子は、柄杓でお母さんにお水を飲ませてあげたかったんだなぁ~とか、しばらく浮世を忘れて、星の世界にとんでしまいます。茂木先生は心の中にお星様があって、いつもキラキラ輝いてますね!地上でお星様が見られて、私はほんとに幸せです♪
投稿: 平井礼子 | 2009/02/22 14:26:52
今朝のテレビで彗星のかけらを見ました。七色どころではない、無限の色の饗宴です。このような煌めく宝石の原初の光をティンカーベルの粉のように贅沢の極限のように、振りかけられて、私たちの地球は誕生したのだから、美しくないはずか無いのですね。大切にしなくては、どうしょうもないと思います。
投稿: ぶらんか | 2009/02/22 12:57:32
コンクリートの中に、僅かながらの緑がぽつぽつと点在するような、文明世界で生きている私たち。
たまには、夜空の星を眺めつつ、何億光年も遠くにある星たちの光を見つめ、星と私たちとのつながりに、深く思いを廻らして見たい、とおもいつつも…。
街燈やビルのイルミネーションによる地上の眩しさが、星たちの光を、私たちから見えにくくしている!何と、忌々しいことか。
“相互作用同時性の原理によれば、因果性を担う世界線に沿って、固有時は、経過しない。
それが、私たちの意識の根源でもある。”
星が瞬くその時に、我等の意識も、また星の如く瞬いて、揺らいでいる。
世間のさまざまは、満天の夜空を見つめることを完全に忘れ、針先ほどのことに一喜一憂、ドタバタしている。
夜空を見つめるその時に、人の、そして自分の、なんと細かき、小さきことを、思い知るのだ。
投稿: 銀鏡反応 | 2009/02/22 10:09:41
茂木さん、よかった❣❣❣❣
星を見上げると果てしない気分になります。
”だから、星はぼくらとつながっているんだよ。
だから、何光年も先の星も、
ぼくたちの意識の一部である可能性は
あるんだ。”
そんな星たちとつながっている、、、
そっかぁ!!!!
―――ぼくたちの意識の一部である可能性…?
どんなイメージ?
人間の愚かさに付ける薬、あるとしたら
経験による気付きだけだと思います。
過ちであったとしても、それぞれが自分の命を生かすために一生懸命。
未完成で未熟な人間は、その生をそうやって各自が燃やしていくことでしか宇宙に還元できないのではないでしょうか。
他人の愚かさにはとても腹が立つけど、別の部分で私も愚かであるし、
互いに全てを許容する必要もないだろうと思います。
そんな自分勝手な人間たちを宇宙は作り出した責任者。
宇宙が決断を下すまで
人間は生かして貰えるのでしょうね。
私たちはちっぽけで
宇宙はでかい……!
投稿: 光嶋 夏輝 | 2009/02/22 9:26:00
毎日、楽しみに読ませていただいております。海外で、きれいな海や星を目の前にして、自然の一部である小さな自分を見つめ直すことは大変素晴らしいことですね。充電が終わったら、また一段とパワーアップして、とても愚かな忘れっぽい脳を持つ私に、色々な気づきのメッセージを下さい。これからも応援しています。
投稿: Aki | 2009/02/22 6:55:38
茂木様
いつもクオリア日記を拝読しております。
ただ今、深夜作業をして、帰宅途中です。
実は、深夜作業苦手で、所属部門のシステム
担当者が自分一人です。リリースする度に
深夜出勤です。毎回、イライラしながら、
こなしています。
本日もそのような日でした。
しかし、寒い中電車を待ちながら、茂木さんの
文章を読んで、ふっと思ったの、何もイライラ
することなく、不満なら解決方法を考えればいい、
ただの夜勤ぐらいイライラするなんで、ちぼけな
悩んみだ。
今の新宿駅から星を見えませんが、今度まだ何がを
悩んだとき、イライラする時は、星を眺めながら、
この文章を思い出すでしょう。
本当に、いつも素敵な文章ありがとうございます。
ところで、今朝は寒いです。星を追いかけたいぐらい
です。
投稿: dingding | 2009/02/22 5:47:23
お元気そうで・・・
いいなあ、バリ島 !
私はバリ島とイギリスと北欧だけは、何としても行ってみたいとかねてより思っています・・
バリ島に、銀製の可愛い鈴が売っていませんか?
ガムランボールという・・
それにしても
いったい何があったんですか? みたいな・・・
いんがせいをになうせかいせんって、なんだろう??
くやしい。 なんか知らないけど、クヤシイ・・・
投稿: Mizno Yuli | 2009/02/22 3:27:42
茂木さんの書籍を読んだのは、(恥ずかしながら)つい最近のことですが、もうその『出会い』に至る経緯をたどることもできないほど、その前後の短期間に、色んなことが流れ込みました。
20年来の友人は、この状況を評して、何か大事なものを捨てないと、新しいものは入ってこない(=変われない)こともある、と言いました。たしかに私は15年来こだわってきた「大事なもの」をあきらめました。いや、正確には完全に捨ててはいないのですが、数年単位でそれにこだわるのをあきらめました。
たまたま茂木さんの『生きて死ぬ私』『脳と仮想』の話をした同僚は、和仁さんの話をしてくれました。和仁さんは大学サークルの尊敬する大先輩です。
その後、漱石を読み直し、小林の講演CDを聴き、『本居宣長』(小林)を読み、『苦海浄土』と出会いました。
不思議なもので、以前より周囲が見えるようになりました。これは心の余裕のなせる業か、悟性が広がったのか、あるいはその両方か。
そして、つい数時間前、たまたまココログ内でブログを開設し、30分前にたまたま「クオリア日記」を見つけました。
今なら、「クオリア日記」のポエジーをいささかなりとも感じることができそうです。去年までの私にはきっと届かなかったでしょうけど。
また訪ねます!
投稿: 水月 | 2009/02/22 3:04:57
茂木健一郎様
朝、目覚めの習慣にされている日記を読ませていただくのと
ついさっきご覧になった星のことを書いてくださるのでは
感じることが違いますね。
バカだから、科学的にはわからないけれど、感じられる脳が
あって...心があって、幸せです。
明日(茂木さんのために!)バリ島がどうか
きれいな日でありますように。
投稿: Yoshiko.T | 2009/02/22 2:55:09
健一郎様
バリ島で星を追いかけて。
夜の海ステキですね。全ての日常がちっぽけに見えてきて。日常に呑み込まれそうになると、時々私は海に足を延ばします。波が足元迄近づいてきてそして攫ってくれる瞬間が好き。満月の日の海もステキですよね。
宇宙の惑星は、人間の内臓とも繋がりがあるのですよね。未知の世界は無限ですね。
投稿: smile | 2009/02/22 2:19:00
でも…ヒトは、空に星があると云うことを忘れていたと気付く事が出来る。
それでいいんだと思います
茂木さん、バリ島の夜空はいかがですか??
日記が詩的でした。でも切なくて…茂木さんが許してくださるなら、、、隣に、ちょこんと座っていたい気分です(何も出来ないかもしれないけれど。せめて話がしたくなったら聞けたり。そうゆう雰囲気を共にする事ができたら…って)。
相対性理論や相互作用同時性…この言葉を知ってから私なりに色々調べましたが、私には、まだよくわかりません(><)
繋がっているって良いですね。。
意識の根源も大切です。これが私たちの原動力にもなりますもん。
愚かさにつける薬…それは、気付きという名前の特効薬。この気付きは、あとに楽しみや嬉しさといった快い感情を育んでくれると思います。
星も、茂木さんを待っています。お空の星を近付けるのは難しいかもしれませんが、茂木さんは、地上で頑張っている星(人)を見つける事ができる方だから…。だから星も、茂木さんを待っています!
投稿: 奏。 | 2009/02/22 2:15:13
『だから、何光年も先の星も、
ぼくたちの意識の一部である可能性は
あるんだ。
そんなことを忘れてしまって、
ふだんどうでもいいことに血眼に
なっているぼくらは、よほど愚かだな。』
本当に私たちの存在する意味とは儚いものですね。
きれいと受け止める感性と些細なことに
揺れ踊らされている自分とがミックスした。
そんなことを感じながら今日も過ぎて行きました。
明日もいっぱい考えよう。
投稿: siro | 2009/02/22 1:30:12