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2009/02/03

偶有性の海に

 新幹線で東京へ。

 ソニーコンピュータサイエンス研究所

 学生たちと、チェゴヤで昼食を
とるところから。

 修士論文の発表練習。

 加藤未希さんから。

 加藤さんは、洞察による問題解決に
おいて、ヒントの提示がどのような
影響を与えるかを研究してきた。

 パワーポイントも過不足なくできて、
とても立派な発表ぶり。

 「これは模範だよ!」
と感心する。


発表練習する加藤未希さん


続いて、戸嶋真弓さん、高川華瑠奈さんが
発表練習をした。
 
ふと見ると、ソファの上で星野英一が
寝転がってコンピュータをやっている。

キーボードを打ちながら、高川が
発表している様子をチラチラ横目で
見ている。

「おい星野、何をやっているんだ?」
と声をかけた。

「背中が痛いんですよ。重い荷物を
持ち上げようとしてひねってしまって。」

器用なやつである。宇宙飛行士のように
重力を無視して、キーボードをパチパチ
やっている。


宇宙飛行士の星野英一くん

薪を背負いながら本を読んで勉強している
二宮金次郎のことを思い出した。

星野英一よ、学問の道をはるか彼方までかけていけ!

丸ビルで、幻冬舎の大島加奈子さんが
アレンジしてくださった取材。

メークアップアーティストの
山本浩未さんと対談。

幻冬舎エデュケーション の
「ボイドキューブ」などの興味深い
品物をいろいろ見せていただく。

三菱ビル。片平秀貴さんが主宰する
丸の内ブランドフォーラムにて
お話させていただく。

久しぶりに片平先生の大きな明るさに
接する。

受難と情熱は英語では同じ「passion」。

受難するからこそ、情熱が
生まれる。

子どもは情熱に満ちている。

生まれ落ちた時、私たちは皆
大変な苦難の中にあるから。

子どもは一人では生きていけない。
誰かにすがらなければ、命をつなげない。

苦難が情熱を育む。情熱がなければ、
苦難をくぐり抜けられない。

ゲーテ『ファウスト』で、
誕生した人造人間ホムンクルスは、
「自然にとっては全宇宙といえども十分ではないの
ですが、人工的なものは閉鎖された空間を必要
とするのです。」と言った。

ホムンクルスはガラス瓶に入ったまま
各地を旅する。

やがて、
ガラテアの美しさにあこがれて
手をのばした時に、ガラス瓶は壊れ、
ホムンクルスは海の中に
投げ出される。

もし君がガラス瓶に入ったホムンクルスならば、
そんなものは破ってしまって偶有性の海に
飛び込め!

なぜボクは、どこでもアジっているのだろう。

2月 3, 2009 at 07:12 午前 |

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コメント

2回目の投稿です。
二宮金次郎様は読書を禁じられたので、隠れて読むために
仕事の合間をカモフラージュして、薪を背負いながら本を読んでいたそうです。
好きなことへのパッションが感じられるエピソードです。
マスターYOROの「養老訓」では、本ばかりを読むと自分の意見がなくなるとおっしゃっています。
自分の意見の参考にすればいいとあります。
本を読んで、その通りに考えているのは楽かもしれません。
確かに楽で、本を読むと先導してもらえるので、ラジコンにならないように、3人称の視点を持つ必要があるかもしれません。
先導されることも必要ですが、ときどきは自分で自分を監督し、目を行き届かせることも大切ではないでしょうか。

投稿: NHK | 2009/02/05 22:30:50

受難と情熱、心に残ります。

投稿: ふぉれすと | 2009/02/04 7:35:11

茂木先生お早うございます♪
二宮金次郎で思い出したのですが、以前、先生が毎日20キロ近いリュックを背負っていると書かれてあった雑誌の記事から、まるで二宮金次郎のようだと姉は言っておりました。。


受難と情熱は同じpassion…受難こそが情熱の母であると、先生の言葉が改めて胸に。頼もしく響いてきます。

やがてガラテアの美しさに憧れて手を伸ばした時に、ガラス瓶は壊れ、ホムンクルスは投げ出される…ああ、先生が訳されたファウストの本を読んでみたいのです!『ファウスト』先生が訳されるべきだと思ってなりませぬ。(勝手な願望ですm(, ,)m)
 

偶有性の海…先生のメッセージ力強く勇気が湧いてきます。情熱の塊のように明々と。
 

それでは本日も、ステキな1日となりますように。

(*⌒∀⌒*)ノシ☆☆☆


投稿: wahine | 2009/02/04 6:39:52

茂木先生

まさしく私はガラス瓶に入ったホムンクルスでした。
しかし最後の決断を下す時には「偶有性の海に飛び込
め」と自分に言い聞せて、先月末で会社を辞めました。
今は自分がした決断が間違っていなかったと満足して
います。

その決断をする時に思い出していたのは昨年11月22日
の立教大学での講演における先生の言葉。「どうなる
か分からないことに当たったら覚悟を決めるしかない」
との言葉でした。またどんな人生にも偶有性はあって、
そこにある差は「思ってるほど大きなものでははない」
とも言われていました。

今日のブログで言われているところの「アジられて」
自分の人生の舵を大きく切ったわけですが、今はこれ
から自分が人生を賭して取り組んでいく「具体」を探
すのみと考えております。

来週日曜日の三省堂での茂木先生の講演に参加したい
と思っておりますので、「具体」への示唆を与えて頂
けることを願っております。

投稿: 田中浩太 | 2009/02/04 0:56:49

苦難が情熱を生む。情熱がなければ、苦難を乗り越えられない。子どもも一人で生きていけませんが、大人も…人も、一人では生きていけないと思います。だからこそ、愛を与えたり求め、共に歩む人を見つけて歩んでいくのだと思います!そして命を繋いでいく…。星野さん、大丈夫でしょうか?宇宙飛行士のような格好でパソコンのキーボードを打っていますが、腕に気をつけてくださいね。茂木さんが、何処でもアジるのは、情熱的だからかなぁと思ってしまいました。いかがでしょう??(^o^)
昨日も書きましたが、大切な事を心に抱いて、情熱的でありたいなぁ☆
書いていてふと、情熱は純粋さとも云えるかなぁ…と思いつきました。

投稿: 奏。 | 2009/02/03 22:35:47

情熱のほむらは、人生の中で繰り返し襲い来る、数々の艱難辛苦を引き受けることで、一層紅蓮の如く、燃え上がる。

苦難を敢えて引き受けようとする人は、何時までも若々しい光を、その両眼から決して失うことはないという。

『生まれ落ちた時、私たちは皆大変な苦難の中にあるから』。

どうせ生まれてこのかた、怒涛の艱難の中にそれと知らずに投げ込まれるならば、いっそ敢えてこれを引きうけようではないか。仮令、地獄の釜の底に落ちる思いをしようとも…。

そういう決意にも似た、鍛鉄のように固くも熱い思いが、きょうの日記を読むと沸きあがってくる。

人生というイヴェントの終わるまで、数え切れぬ艱難とぶつかり、乗り越え、またぶつかって、果て無き大洋の如き人生の海を泳ぎきっていくしか、生きる幸せを本当につかむことは出来なさそうだ。

苦難というのは、それが地獄の如き厳しいものであればあるほど、打ち勝てば、自らを大きく変え、成長させ、輝かすことが出来る。地獄の受難を迎えるとき、胸の中の情熱は、白熱のように輝く。

投稿: 銀鏡反応 | 2009/02/03 21:24:05

茂木さん、茂木さんの仕事ですよ、アジる事は!(^^)!!

受難…。
キリストが張付けられたほどの受難は経験ありませんが、それにしても私は受難無く生きて来た気がします。苦労した記憶がありません。

そうですね、私がさらに一皮剝けるには受難が必要です。
最近特に安定した環境にいるので物足りなく感じています。受難が与えられなければ、自ら飛び込まなければなりませんね。
毎日それなりに一生懸命いい服を作ろうと取り組んでいますが、もっと何か必要です。仕事量、もしくは、仕事の創造性、もしくは、究極の集中力を発揮しなきゃいけないほどの難しさなど。
いやはや、その中でも、自分の成長は少なからず感じます。

″プロフェッショナル 仕事の流儀″ の質問、考えたのですが、何やら答は既に与えられた様なのです。


木       もうちょっとで見えそう!!
さ            何かつかめそう!!な気がする。    

 は、常に導いてくれる! それからの個々の具体策は自分が一番知っているハズですよね!!

ところで、星野英一宇宙飛行士はなぜ、おなかの上にクッションをおいているの?? 落ち着くの? 

「passion」
なんて素敵な響きなのでしょうね!!!!!!!!

投稿: 光嶋 夏輝 | 2009/02/03 21:18:47

茂木健一郎さま

凄すぎです

『 薪を背負いながら本を読んで勉強している
  二宮金次郎のことを思い出した。』

『 受難と情熱は英語では同じ「passion」。』

二宮金次郎はクオリア的に「passion」

そして、それは

宇宙飛行士の星野英一さまの重力を無視した行動の賜物と茂木健一郎さまのご発想より

受難と情熱は英語では同じ「passion」
実に判り易く日本で有名な 二宮金次郎

薪を背負いながら学問に突き進む情熱

「passion」とは 二宮金次郎

凄すぎです茂木健一郎さま

投稿: TOKYO / HIDEKI | 2009/02/03 20:21:57

カンガルーの意味の起源は理解出来ない、事態発生だそうですね。英国人とアボリジニーの最初のある動物を巡る会話を想いました。

投稿: カンガエルー | 2009/02/03 18:50:51

こんにちは

>器用なやつである。宇宙飛行士のように
重力を無視して、キーボードをパチパチ
やっている。

無重力では、キータイプすると、体が反作用で上に上がるのではないでしょうか?

宇宙では、キータイプするノートパソコンと体を固定するアーム付きの器具がいるのではないでしょうか?(^^)

投稿: 無重力のクオリアby片上泰助(^^) | 2009/02/03 18:25:49

茂木先生 こんにちは♪
先生の「偶有性の海に飛び込め!」と言う言葉を聞くと、ほんとに体中にエネルギーが溢れて来て、すごく嬉しくて、胸がいっぱいになります。クジラの海にも、コウモリの洞窟にも、飛び込むぞぉ~!と言う気になります(笑)「人生お楽しみはこれからよウッシシイ~!」…笑。と思っている私は、ほんとにワクワクして、これから先どんな素敵なことが起こるか、楽しみなんです。言葉が与えるエネルギーってすごいですね。先生のこの一言で、今日一日はワクワクですし、これからもこれでいいんだ!と思えますから。これからもいろんな海に飛び込みたい!(笑)と思います♪

投稿: 平井礼子 | 2009/02/03 14:47:10

親愛なる茂木様

何故ぼくはいつもアジっているのだろう?って、それが茂木先生の本質だからだと思いま~す。
「愛とは純粋に無動機な他者実現である」という言葉がありますが、茂木さんは私達の可能性を引き出そうと、導火線に火をつけようとしてアジってるのです。茂木さんは常に本気だからアジるのです。あ、アジの塩焼きが凄く食べたい…(>_<)
昨日は二宮金次郎氏のごとく小生も漱石先生のこころを読みふけってしまいもした。
こころ、凄いです!ダンダンっ(大場さん風机叩き)高校生の頃の課題図書で読んだ気になってましたが、まさに己が無知を知れって感じの衝撃でした。ある意味太宰さんの人間失格より怖いです。今回気づいたのはこの小説には固有名称がなく、私先生K奥さんと曖昧な名称であること。この作品に出てくる男性は、私の腎臓を患った父親含めて全て漱石の分身(shadow)だと思いました。漱石の漱石による漱石のための一人舞台なのです。漱石の本名もKですから、小説の中でも暗示してます。
Kの手紙に自らの名がないか真っ先に確認する人間の深淵…覗きこんだら吸い込まれそうです。

投稿: 眠り猫2 | 2009/02/03 9:23:27

茂木さん おはようございます!!!!

今日、朝の挨拶だけ、と思ったら既にブログが更新されていたので 嬉しいです! 
「偶有性の海に飛び込め!!!!」
って自分に発破かけて 行ってきまーす!!!!!(^^)!

  いってらっしゃーい!!!!

投稿: 光嶋 夏輝 | 2009/02/03 8:30:38

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