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2009/01/11

精神的陽光

 ゲーテの家は、ワイマール中心の広場に面していた。

 フラウエンプラン一番地。三階建て、黄色い壁の家は、道に沿ってやや曲がりながら続いている。ゲーテは、この家に死ぬまで約50年間住み続けた。

 現在は財団の管理するナショナル・ミュージアムとなっていて、隣接する建物から入ることができる。

 ドアを開けると、建物に囲まれたスペースとなる。

 「誰かが密かに訪問したい時には、馬車を使ってここから入れば良かったのです。そうすれば気付かれません。何と賢い工夫でしょう!」

 場所の通り道だけではない。ゲーテの家は、さまざまな工夫に満ちていた。

 玄関ホールを入るとすぐに階段があり、そこには黒い彫像が置かれている。左右に二つの裸像。中央に犬の彫像。いきいきとした表情で、後ろを振り返っている。

 「これは、ブロンズに見えますが、実際にはそうではありません。石膏の像を黒く塗ったものです。安上がりにブロンズを作る方法ですね!」

 階段を上ると、招かれた客が通されたであろう控えの間があった。そこにもギリシャやローマの彫像がたくさん置かれていた。

 ただし、すべてオリジナルではなく、後世の模造である。

 ゲーテは、イタリアの芸術を愛した。しかし、その家に置かれた彫刻の多くは、オリジナルではなく模造であった。

 「ゲーテは、経済的に裕福でした。しかし、とてつもなく裕福というわけでもなかったので、ギリシャ・ローマのオリジナルを買うことはできませんでした。だから、オリジナルを買うことができた時は、ゲーテはそれを大変誇りに思っていたのです。」

 ゲーテ自慢のオリジナルの彫像たちは、専用のキャビネットの中に大切にしまわれていた。どれも、高さ10センチ程度の小さなものばかり。

 「ゲーテは発明をするのがとても好きで、このキャビネットも、オリジナルな彫像のために自分で工夫をしたのです。」

 古の偉人たちについて、私たちはついつい何ごとも大げさに考え勝ちである。その人にまつわるすべての資源が、際限なく、潤沢に提供されていたように思ってしまう。
 しかし、実際には、そうではない。この地上を這いずり回る「死すべき者」である以上は、すべては有限にならざるを得ない。富はもちろん、空間的な設いも。何よりもその時間は、万人に等しく限られたものであるしかない。

 生活者としてのゲーテの感触に接することで、その人に血が通い始める。小さな工夫とひそやかなたくらみに満ちたこれらの空間の中で、中肉中背の男は歩き回っていた。

 「この部屋で、ゲーテはその大作『ファウスト』を書いたのです。原稿は、常にキャビネットに厳重に鍵をかけて保管されていました。ゲーテは、作品の価値を確信できず、何度も止めようと思いました。ゲーテに、作品には価値があると熱弁し、仕上げるように説得したのはシラーでした。シラーへの感謝の意もあって、シラーの死後、ゲーテは『ファウスト』を仕上げることとなるのです。」

 机が置かれただけの、簡潔なスタイルの部屋。窓からは明るい陽光が差す。「ゲーテは、仕事場には余計なものを置くことを好みませんでした。さまざまなものに囲まれてしまうことで、気が散ってしまうことを恐れたのです。」

 ゲーテの寝室は、書斎の横の小さな部屋だった。身の丈を収納して余りある、それでいて過大でもない、ちょうど足りたそんな空間。

 「ゲーテは、このベッドの上で亡くなったのです。」

 ゲーテの最後の言葉は「もっと光を!」(Mehr Licht!)だったと伝えられる。

 ゲーテの作品の中にあふれる精神的陽光(Heiterkeit)は、いずれにせよ幻視されたものであった。すべては、その起源において捏造される。そして、後に続く者は、それらがあたかも水や空気や陽光のごとく自然なものだと思い込んでしまうのだ。


ゲーテが住んだ家。ワイマールにて。

1月 11, 2009 at 03:57 午後 |

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コメント

Buona mattina Mr.Mogi♪
本日はミラノで朝をお迎えでしょうか?
ゲーテの最後の言葉は「もっと光を!(Mehr Licht!)」 だったのですね。それはどういう心境だったのでしょうか。
ゲーテの作品の中にあふれる精神的陽光(Heiterkeit)幻視されたもの、起源において捏造、…これはどういうことかと考えてみましたがゲーテのみぞ知るということでしょうか?
後に続く者はそれらがあたかも水や空気や陽光のごとく自然なものだと…先人が築いてきた知恵を私たちは当たり前のように知ったふりをしているということでしょうか。リンゴが落ちる、太陽が東から西に沈む、空は青い、何故か?と聞かれたらえっあたり前でしょ。って。本当は毎日の日常の中に沢山の驚異が息を潜めているのですよね。
小さな工夫と密やかなたくらみに満ちた空間、オリジナルを買うことができた時大変誇りに思っていた等、先生の記事を読みゲーテが少し身近に思えてきました。「死すべき者」である以上全ては有限にならざるを得ない…深いのです。
時間は万人に等しく限られた、生活に与えられた時間や空間は平等である…どうしても平等でなく思えてしまい、ここで云う平等の意とは何かを考えます。が、難しく。。ムムムム
それでは先生、本日も最高の

投稿: wahine | 2009/01/13 15:00:02

ゲーテの家の写真が素敵です。

ヨーロッパについてはごくごくわずかしか現地体験がないのですが、ゲーテの家のような家を見て感じたことは、篭りに篭って練り上げるのに適しているという印象でした。
これがあってこそ、かの地では祭りなどの交流の大騒ぎも必然的におこるのかなと感じます。自分磨きあってこその、交流と会話。

今日は成人の日で、幼く清潔に着飾った日本の新成人が相変わらず携帯電話を肌身離さない姿をTVで見ていて、交流の場で空回りしている(させられている)今時の若者のことを考えた。

投稿: fructose | 2009/01/12 17:55:34

こんにちは。今日はきっと朝からお忙しいのですね?茂木さんのクオリア日記楽しみにしております~!

投稿: m | 2009/01/12 15:50:52

茂木健一郎さま

どうなんでしょうね

結果的にスキー板はグループ ロシニョールでも取り扱いのディナスターというメーカーの

ところで、ふと ロシニョールのワールドカップ選手用が市販のモーグルのスキー板 との触れ込みでしたが選手用はアトリエで特別生産され
私のような一般スキーヤーのは生産中止 ワールドカップ選手用は別物

何も知らないと 
でも、オリンピックでモーグルのシルバーメダリストに輝いた
オリビエ・アラマンさんに雫石スキー場で習った以前
通訳さんを通し

私が使用しているメーカー ディナスター 素晴らしいメーカーです
モーグルのスキー板も性能よく・・・ 実は一般発売のと私たちのでは表面のカラーこそ同じでも 中身 製法がまるで違うので その点は
逆にワールドカップ選手が使用しているスキー板を一般スキーヤーが使用したらターンしないです!真っ直ぐ滑るだけ

そういうば 以前 スキークラブにも所属させて頂き感謝の雫石スキースクール校長先生の松ノ木敏雄さまも

高木くん ここだけの話 私のディナスターのスキー板
ワールドカップ選手専用 厚みを見て!違うだろ!!表面のカラーは市販のと同じでも中身 製法が違うんだな!!秘密だよ!

でも 皆さんご存知でした松ノ木校長先生 特別なスキー板と
そして あるスキーインストラクターに校長先生

好きなスキー板 僕の持っていきなさい使いなさい

そうしたら その先生 ワールドカップ選手専用の そのスキー板を

校長 ではこれ貰います という 聴いた私 私ですら驚きました

茂木健一郎さま
そういうディナスターと聴くと連想する私

ところで

ロシニョールのスキー板 モーグルのが入らずの場合
同じくロシニョールの別のスキー板が のような気が ふと
なんでディナスターなのかな

数ヶ月前に松ノ木さまには奥様を通しロシニョールのモーグルが入らない申し上げ ディナスターには代わるスキー板がない待っていなさい
で 待っていたらディナスターのに

自然なような不自然なような 茂木健一郎さま 実際です。

投稿: TOKYO / HIDEKI | 2009/01/12 9:39:44

茂木健一郎さま

お写真の雪で思い出したのですが

ただ、これはゲーテ ??ではない別の偉人の方でしたでしょうか

玄関の前の歩道に積もった雪を両隣の方と
お互いに歩道の雪さらい では境を重なるかたちでお互いに雪さらい
すると きちんと歩道の雪も雪かきが出来て安心して地域の方々が歩ける

こういう内容で、どこかで以前 読んだ記憶が


茂木健一郎さま

どちらが先でしたのでしょうか

心に残る言葉が民衆に届き その方は?

ゲーテさん!!

それとも

ゲーテさん!! という お名前ありきの先行で??
何かの肩書きを誇示し オレはゲーテだ!!

前者の方ですよね ですから昔も今も ゲーテさん!!!

そして私のように お名前は忘れても 心に響く昔の偉人の方
その お言葉の一つが、雪かき のことです。

投稿: TOKYO / HIDEKI | 2009/01/12 9:14:42

茂木健一郎様

ゲーテがクオリア日記のなかであたかも生きいているように
見えてきます。ありがとうございます。
精神的陽光
いつの時代にも必要な・・・・・
ありがとうございます。

投稿: Yoshiko.T | 2009/01/12 2:22:48

真剣に突き詰めた者ほど、深い絶望感に捕らわれる。
進むべき道が見つからない、ということだけでなく
長年の親友や親子でさえも、通じないものであることの嘆き。

フンボルト宛の、絶筆書簡。ファウストの封印。
ゲーテは、新しい道を見つけられなかった?
いや、ゲーテだけではない、多くの先人達がそうだった。
ネットがない時代に、繋がることの限界もある。
寿命というタイムリミットもある。

しかし…

ゲーテも言ったといわれる。
「もっとも根源のものがない」と。

眠れる脳から目覚め、深い絶望感を乗り越え、
新しい道を歩む。これこそニュータイプの与えられた使命なのでは。

投稿: 木田ひこの | 2009/01/12 0:18:07

八月にそちらにいきました。ゲーテハウスの螺旋階段の小さなあかり採りの窓から、一直線に入ってくるひかりの帯の時間に遭遇しました。少しの時間でしたが、体の心まで浴びました。ゲーテが亡くなった部屋の横の小さな部屋の古い窓ガラスの滴りのような虹の輪も見つけました。夏は中庭は花があふれていました。青い銀杏の葉がすがすがしかったです。ワイマールから程近い所に収容所がありました。最後のプラットホーム。ガス室の煙突。焼け野原がそのまま残されていました。門には「それぞれのひとにふさわしいものを」と。それは「し」ゲーテやシラーからナチスまでたった百年ほど・・。姫が糸車の塔で、錘に指を刺し野ばらの多い茂るお城で眠りつづけたのも百年。幻のような月日。
茂木さんの石畳脇にに雪が積もったゲーテハウスを目にして百年の月日にも雪をかぶせて想像しています。ありがとうございました。
茂木さんの新年がすばらしい時間の重なりでありますように。そして茂木さんから生きた言葉がいただけますように。

投稿: 井上良子 | 2009/01/11 23:16:58

茂木様

いつのころか芸術が私達とは無縁になっているそうです。

もちろん現代は日本に沢山の美術館ができ

世界中の絵画などが展覧され

日本にいながら

様々な芸術に足を運ぶ限り堪能できます。

さて、

普通の生活に芸術が大事とわかっていた者の最後が

ゲーテだそうです。

ゲーテを世界にしらしめた巨匠は

ルドルフシュタイナー博士です。


彼が作った様々な分野、芸術、教育、医学、宇宙学、農学、

建築学、、、etc.


現代の教育に欠けているものが芸術だと、

人が絵画を描こうとする行為そのものが

芸術である、、、と言っています。


絵画に向かうそう言う体験が芸術だと。

投稿: ちぐさ | 2009/01/11 23:13:30

こんにちわ

歴史の有名人の家が、生活感を残したまま、タイムカプセルのように保存されていると言うのは、木造の日本人から見ると不思議です。(^^)

投稿: ヨーロッパのクオリアby片上泰助(^^) | 2009/01/11 22:25:37

茂木健一郎様

例えば…
大海を目の前に佇む時、いくつの言葉を摘むぐ事が出来るのであろうか。
潮風に当たりながら、繰り返す波を見つめながら、空に手を伸ばしながら。
更に言葉を求め、心を充たしてくれる詩集を手にする。 ゲ-テの家、いつか行ってみたい国ドイツ。茂木さんの心には、どんな言葉のメロディーが流れたのでしょうか。

投稿: yu-ki | 2009/01/11 22:16:24

ここ数日、茂木さんがドイツに行かれていたので…冬の旅と聞き…東山魁夷画伯の西洋の旅を思い浮かべていました。
たくらみは、どんな物かしら?きっと素敵なものかなぁって思いますが、いかがでしょう?
ほんもの…本物を求めたい。小さくとも良い。ささやかでも良い。本物を…
本物が、人の心を動かす。
今日の茂木さんの日記からのインスピレーションです。
そして…気付いたから。
まだ遅くないと。そうですよね?

投稿: 奏。 | 2009/01/11 22:05:21

はじめて コメントします!
そちらは、とても寒そうですね。
3連休の日本も すごく寒いです。

今 「それでも脳はたくらむ」を読んでいます。

ふむふむ。

投稿: おいも | 2009/01/11 20:45:34

親愛なる茂木様
今日は休日出勤でした~
夕方に窓の外を見たら、紫水晶を溶かしたような薄紫の空に、ローズピンクの月がのぼっていて、それは綺麗でした。
今日は満月ですね。ドイツの月は、冴え凍る「月光」の音楽を奏でているのでしょうか?
ドイツというと深い深い森が想起されます。
茂木さん、ゲーテのお家に行かれたのですね。ゲーテの息吹きは感じられましたでしょうか?ファウストまだ読んでません。
読まなきゃ!って今はクオリア日記中毒ですが…(笑)茂木さん、文章上手いのでつい引き込まれます。過去のブログ拝見していて、ムーミンパパのような有吉さんが好きになりました(^o^;)茂木さんもちょっと内股の写真がアップされてたり、微妙に可愛いです(>_<)
ドイツからはいつご帰国になられるのでしょうか?私は飛行機恐怖症で飛行機乗る時はガタガタ震えてしまうのですが(空飛ぶのが信じられない)茂木さんは爆睡できるみたいですね。羨ましいです。
それでは失礼します。ペコリ ー苦しみが残していったものを味わえ!苦難も過ぎてしまえば甘美だーゲーテ

投稿: 眠り猫2 | 2009/01/11 20:29:06

ゲーテ シラーといえば疾風怒濤ですね
作品を読んでも作者のことを考えたことはなかったです
ひととなりを知るのは楽しくもありますし大切なことですね
なんでもすぐ調べれるネット社会にあって 本物にもっともっとふれていくべきですね
勉強になります

投稿: たか | 2009/01/11 19:04:00

ゲーテも、存命の時代は、一人の自然人・一生活者として、創造に生き、様々な生活の雑事と向き合っていたんだなぁ。

亡くなってしまえば、彼が生活人としていろんな雑事に向き合ったことはスッポリと抜けて、忘れられてしまって、偉大な作家、詩人としての業績だけが、高く評価されて、後世に伝えられてしまう(もちろん、全ての藝術者が、そうなるわけではないのだけれど)…。

冬が寒い独逸(ヴァイマール)で生きてきたゲーテにとって、暖かい地中海世界であるイタリアの文化は、彼の作品の中に秘められているという、精神的陽光の源であったのかもしれない。

ゲーテが死ぬ間際に「Mehr Licht!」と言った時、嘗て訪れたローマの明るい陽光が、彼の脳裡を過(よ)ぎったのだろうか。

お写真に収められたゲーテの住居は、黄色の壁をしている。明るいイタリアの陽光をイメージしつつ、彼はここを選んだのだろうか。

投稿: 銀鏡反応 | 2009/01/11 18:22:34

茂木さん お疲れさまです。

寒そうですね。その温度でしたら道もBlack iceだらけでしょうか。
重めのハードな靴でないと危ないですね。

正直ドイツに対して、あまり良い印象を持っておりませんでした。
全てが重く扱いにくく、その上頑固。
取り残された軍艦島。
ドイツ文学も高校生の時に読んで以来、忘れ去っておりました。

<Mehr Licht! ゲーテは一体何を見たのかな。。。
このエピソードを読むたびに、想像を膨らまします。

ご本を楽しみにしております。

投稿: hana | 2009/01/11 18:17:49

ゲーテ、大好きです!
仕事机が、たしか、
立ったまま書くように出来てたんじゃないか、と。。。
「からだで書いてた」んですね、50年間。

清冽な寒気がお写真からも伝わってきます。
とにかく、お風邪など召さぬよう。
よきご滞在を!

おくだ健太郎・歌舞伎ソムリエ

投稿: おくだ健太郎 | 2009/01/11 18:14:38

こんにちは!

道に沿ってカーブしている家、すごい。
今まで見過ごしていました。
そしてとてもきれいにしてある。
ゲーテも私たちと同じ様に毎日を過ごしていたのですね。

本のカバーに付いてる解説に 着想から60年後にして『ファウスト』を完成させた、とありました。ゲーテも自分の書いた本に悩んだ。シラーに相談に乗ってもらった。とても人間らしくて安心します。
翌年の1832年に逝ってしまって、本当にぎりぎりセーフで私たちは『ファウスト』を読む事ができる。ゲーテが言っている「完成させるためには能力の他に何よりも機会が必要である」も説得力があります。
ゲーテの頭の中もすごく整理されていたのかな。
言葉や言い方がたまに難しいけど言っている事はきちんと地に足が着いている。しかも普段私たちが言葉にせず、無意識に感じている事を言い当てているところが素晴らしい。「そうなのかなぁ。」と薄々感じていても言葉にしないままの事ってたくさんある気がします。
茂木さんもそういうのを言葉にするの上手です。
ニーチェが好きな茂木さんがゲーテを先に書いて下さっている。
ありがとうごさいます(*^^*)
「婦人をもっとも力強く保護することを心得ている男性だけが
婦人の好意を受ける資格がある」んですって!(ファウスト)

ニーチェ、しっかり温めてから新たな魅力を聴かせて下さいね。


投稿: 光嶋 夏輝 | 2009/01/11 17:27:42

ゲーテがファウストを書いたお部屋なのですね、すご~い!!ゲーテの生き方が伝わってきたような気がします、ありがとうございます!!

投稿: ふぉれすと | 2009/01/11 17:02:14

茂木健一郎さま

ゲーテ

確かに実在した偉大なる人物

でも伝記などで触れる感覚と実際 居住されていた空間に佇むと
伝記での事柄が伝記ではなく昨日のことのように
タイムスリップしてしまいそうです。

そして

「ゲーテは、このベッドの上で亡くなったのです。」

おもわず いつ?? 口から出そうに私でしたら、です

伝記上の人物ではなく確かに その空間で生活をされていた
凄いクオリアです。

投稿: TOKYO / HIDEKI | 2009/01/11 16:52:23

茂木健一郎さま

建物からもお人柄を感じる

お写真の建物も撮り次第で 

右の建物、煙突からのも絵になるクオリア

澄んだ青空に白く立ち込める、人の温もりがある事実

一枚の さりげない お写真からも、私なりにクオリアの おすそ分けを頂戴している気持ちです。

投稿: TOKYO / HIDEKI | 2009/01/11 16:36:01

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