「ブー」と「ブラボー」
仕事をしながらリヒャルト・ワグナーの
『ニュルンベルクのマイスタージンガー』
のDVDをかけていた。
たいへん刺激的な演出で、
私の大好きなレクラム文庫
もたくさんでてきて、大いに
楽しんだが、最後のザックスの
演説が終わって幕が下りると、
「ブー」と「ブラボー」が
交錯した。
オペラというものは、こうで
なくっちゃいけない。賛成派と反対派
が交錯する。どちらにも共通しているのは、
「芸術を真面目に考えている」ということ。
演出をしたのは30歳のカトリーナ・ワグナー。
彼女がバイロイト音楽祭の共同ディレクターに
なるということで、これからのバイロイトは
楽しみだ。
本当に新しいことはブラボーとブーが
交錯するんだから、その汽水域をこそ
すべてのクリエーターは目指さなければ
ならない。
微温的喝采はきもちが悪い。
明治神宮の森を抜ける。
歩いていると、
さまざまなことを考える。
まるで脳の無意識の鍋をぐつぐつと
煮るように。
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の収録。
ゲストは考古学者の杉山三郎さん。
メキシコにある世界遺産の遺跡、
テオティアカンの発掘を30年以上続けてきた
杉山さんのお話。
本当に素晴らしかった。
収録の様子を、文藝春秋の幸脇啓子さん
たちが撮影する。
収録後、ラーメンズの小林賢太郎さん
についてのインタビューを受ける。
外に出ると、フロアディレクターの
宮崎さんがホワイトボードに
絵を描いていた。
宮崎さんと「茂木さんインタビュー撮っているよ。」
宮崎さんとさっちん(山口佐知子さん)
のフロアディレクター・チームは
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
を支える最強のタッグである。
杉山先生と懇談。
今回の担当は末次徹ディレクターだったけれども、
以前プロフェッショナル班にいて、
宇都宮健児弁護士の回を担当した古屋敷将司
さんもロケを一部担当した。
メキシコで「ルチャ・リブレ」の覆面を
買ってきたという古屋敷さん。
突然仮面を被って現れた。
ひとしきりミル・マスカラスを演じた後、
ふだんの古屋敷さんに。
古屋敷さんは、貴乃花親方の若い頃に
似ているので、私はひそかに「貴花田」
と呼んでいる。
東京の夜。ミル・マスカラスが貴花田
となった。
古屋敷将司さん(ミル・マスカラス)と杉山三郎さん
古屋敷将司さん(貴花田)と杉山三郎さん
さて今日も、「ブー」と「ブラボー」
の種を探すことにしよう。
1月 30, 2009 at 07:05 午前 | Permalink
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今日はちょっと忙しいので、
引用文だけにします。
********************
『一度も植民地になったことがない日本』デュラン・れい子
○日本人の清潔に驚いたバテレンたち
安土桃山時代、
はるばる日本に来航した
スペインやポルトガルのバテレン... [続きを読む]
受信: 2009/01/31 7:52:57
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コメント
茂木さん、おはようございます!
今は今日になって30分たったところです。
茂木さん自身も″ブー″と″ブラボー″だわ!!❢!
私は今日、一つの別れを経験しました。
同期で今年5年目になる木村仁美なんだけど、1コ年上で去年同じブランドのパターンチームになったの。
最初は同期=友達がもっぱらのライバルになるのか!??と、私はかなり焦りました。でも、木村仁美は私を超えていてお姉さんだったのです。しかも、見かけは話しにくい雰囲気なのですが、実は全然違って、話が通じるヒトだし、芯があって、パターンセンスも抜群だし、乙女らしい愛する心を持っていて、いつも私とは違う発想で、とてもポジティブ思考の励ましをくれるのです。本人は自分は暗いって言ってたけど!!
″友達″を私に別の角度から叩き付けたヒトですし、こんな友達ができるなんて想像だに していませんでした。
茂木さんの話を一番にした友達です。
初めて、友達の中に私の居場所を与えてくれた 私の人間性を理解して、私も一生大切にしたいって心に誓えた友達です。
この話をもし本人が知ったら重すぎて 気が引けちゃいます、きっと!!
また2月に食事をする予定なので、嬉しい。
茂木さん、私はこおんなに心に打撃を受けた事は無かったし、私の一番大切な妹と同じ種類かもしれない大切さを感じたの初めてだったのです。
今日、やっと現実味を持って実感したのです。
茂木さんの講演をいつか二人で聴きに行きたいと話しました。
だって木村仁美は私よりも前から茂木さんを知っていて、「あいのり」の茂木さんのコメントとかを面白げに話して聞かせてくれたのですよ!!!!茂木さんとも気が合うと思うな!!!
″ブーブー!!!! ブーブー!!!! !!!!″
今日も素敵な一日であります様に…!!!!ハート♡
投稿: 光嶋 夏輝 | 2009/01/31 1:13:59
茂木健一郎さま
今晩も半井小絵さんの気象解説をいつものように
シャープな雰囲気の半井小絵さん、すごく恰好よいです
本当、この頃の半井小絵さん益々、恰好よい
オペラ
私は外国語は出来ませんが
いまはDVD 以前はレーザーディスク
字幕付きですから
バイロイトのは
レーザーディスクです
パルシファル
初めはバイロイトだけの公演に限定されていたパルシファル。ウイーン国立歌劇場の日本公演、NHKホールで拝見の強い印象が今も
マイスタージンガーは
ショルティーさんとウイーン・フィルのNHK映像のDVD アンコールがマイスタージンガーの前奏曲ですので
この公演のDVD、映像、きれい臨場感満点です
投稿: TOKYO / HIDEKI | 2009/01/30 23:38:57
ミル・マスカラス…千の顔を持つ男。
初めて見た時、衝撃的だった。まるで、漫画の中から抜け出てきたような、颯爽としたその姿。力道山やジャイアント馬場などとは違ったスマートな魅力に、おお、カッコイイなァ、と子供心に感心したのを覚えている。
マスカラスの姿に、子供のときTVで見たヒーロー「タイガーマスク」を重ね合わせていたような気がする。
そのマスカラスが、ルチャ・リブレのヒーローだと分かったのは、だいぶあとになってからだった。リングの上で鮮やかな空中戦を繰り広げる、あの格闘技の世界のスーパースターは、今も頑張っているのだろうか。
マスカラスのテーマ“スカイ・ハイ”は高校時代、吹奏楽部で演奏した思い出もある、記憶にしっかり刻印された曲だ。今頭の中にその“スカイ・ハイ”が鳴り出している。
格闘技でも、楽劇の演出スタイルでも、始めて見る新しいものは、どう評価していいのか分からないところがあるのかもしれない。斬新であればあるほど、評価が真っ二つに分かれるし。
古いスタイルにこだわっている人は当然「ブー!」だし、古さにとらわれない人や、斬新さに眼を奪われて感動した人は、「ブラボー」と言って喝采する。
芸術を愛し、それを志す者は、仮令ブーイングばかりでも、それを気にしすぎては志を貫けないと思う。(ゴッホの生前を思い浮かべればそれが身にしみて感じられる)
マスカラスが初めて出た日本のプロレスの試合も、ブーイングとブラボーが半々だったのだろう。
若し芸術家の立場で自分があるなら、ブーとブラボーの交わるところへ何時もいたい、とやっぱり思う。仮令心苦しくとも…!
投稿: 銀鏡反応 | 2009/01/30 21:47:17
ブラボーが多い人生が良いです(^-^)
茂木さんのお話の、本当に新しいことにはブラボーとブーが交錯するということ。…ブーと、言われてしまうことがあるからこそ、ブラボーの声が、嬉しいと思います。だから…(ちょっと強引かもしれませんが、あとに繋げちゃいます)ブラボーとなるように頑張るんです!頑張ろうって思うんです。
投稿: 奏。 | 2009/01/30 21:12:02
ブーとブラボーの交錯。そのことが悪いことでなく、むしろあるべき姿だと頭ではわかっていても、少しでも「ブー」があると勝手に傷ついてしまったり、いらぬ言い訳を言ったり、もう全てをやめてしまいたいと思ったり。もっと自分の表現に自信を持てばいいのであって、あるいは持っているはずなのに、他人の「ブー」はできるだけ聞きたくないという仮想正義は何なのか? 他人の「ブー」を、過剰反応せずに、冷静にやり過ごせる方法はあるのでしょうか?あるいはトラウマのようなものだとも思うので、意識的に「強気」になることを強いるしかないのでしょうか? できれば賢明でありたいと思っているのは確かなんだけど。
投稿: tamaph | 2009/01/30 19:39:07
こんにちは
>楽しんだが、最後のザックスの
演説が終わって幕が下りると、
「ブー」と「ブラボー」が
交錯した。
ニコニコ動画で、視聴者が画面に文字入力して、「ブー」「ブラボー」とか、やってますね。(^^)
投稿: ブー・ブラボーのクオリアby片上泰助(^^) | 2009/01/30 18:41:02
茂木さんは呼び名を付けるのがうまいなあ〜とこないだからのお話と合わせ技で今回思いました。
毛玉の話もくすっと心に引っかかっていて、また何か読ませていただいたときに言葉になって出てきそうです。
そんなわけで毎日楽しく拝見させていただいております。
投稿: らくがきやせい | 2009/01/30 15:10:53
茂木先生こんにちは♪
感受性は人それぞれ違いますものね。クオリアにも通じるのでしょうか、周りがどれだけ良いと言っても自身がピンとこなければ感動もないです。また逆もありますが。
全ての描象を明白に伝えるのは難しく。
“ブラボーとブーの交錯”響きが面白いと感じました。批判されると凹みますが、いいエネルギーになります。
クレーマーは大事なお客様。賛否両論受け入れられる人でありたいと思いました。(なかなか難しいですが…)
それでは先生、本日は雨降りでございますから、移動のさい濡れませんようお気をつけ下さいね。
(*⌒∀⌒*)ノシ☆☆☆
投稿: wahine | 2009/01/30 14:22:07
昨日のブログ最高でした!!
茂木さん、白洲さんブラボー\(^o^)/
お二人は素敵な関係ですね♪失礼を承知で言わせていただくと子どもの様で微笑ましいです♪
投稿: こゆり* | 2009/01/30 13:37:22
茂木さんの「脳を生かす勉強法」の本
半分くらいまで読み上げました^^
いろいろ参考になって、この本に助けられています!!
ありがとうございます☆
投稿: 瀬川 疾風 | 2009/01/30 13:09:52
おはようございます。
何度か手がけたことのある、オペラの劇場字幕の仕事を
思い出しています。
歌舞伎のイヤホンガイドからの、実験的抜擢、ということで
担当しました。なので、歌舞伎というバックグラウンドに
私なりにそのときは、こだわった翻訳をしました。
たとえば、すべてのアリアを、七五調で書きました。
ほかにも
「フィガロの結婚」のラスト、大団円の合唱は、
「フィガロの結婚 たかさごや!」で幕がおりたり、
「オテロ」の序幕の酒盛りの場面を
「酒は飲め飲め飲むならば
キプロス一のこのワイン」と、黒田節の替え唄にしたり。。。
こうなってくると、正直、元歌の歌詞はまったく無視。
字幕で勝手に演出していた、とさえ言えます。
それはいさぎよく認めます。確信犯的な仕上げ方でした。
でも、それは同時に
「訳が正確であることが、金科玉条」的な、
従来の字幕の硬直感に、風穴をあけたいという、
観客視点でのすなおな挑戦でした。
だらだらと長い詞章を、いかにも和訳、というタッチで
表示するのではなく
その場の舞台の雰囲気、歌の雰囲気に
いかにぴったりと自然に沿うか、それを
少ない文字数であらわすか。
そのためには、極端な「飛び道具」も
盛り込まねば、と自分なりに真剣に取り組みました。
現状の打破にはそれが必要だと思ったからです。
賛否まっぷたつ。ある週刊誌に酷評記事も出ました。
そのとき(「オテロ」)は、
スカラ座の海外公演史上で、初めての字幕導入だったので
注目度もふだんに増して、ということもあったでしょう。
反対に、「たかさごや」のときは、音楽雑誌に
ドラマの本質をとらえた字幕だ、と好意的なレビューも出ました。
ほんらい字幕は、無機質な、黒子的な存在であることを
要求されるものです。原作からの逸脱は、たしかに、
のりを超えたふるまいでしょう。
その点はいま振り返って反省もしています。
記事上とはいえ字幕がブラボーやブーの対象にまでなるのは、
やっぱり、ちょっと、行き過ぎていたのかもしれません。
いまは字幕の仕事から離れていますので、
よく現状はわかりません。
正確な訳で、なおかつ
「文字数の簡略化」が根付いていたら、うれしいです。
そうであれば、僭越な言い方ですが、
ぼくが何度か字幕をやった意味も、すこしはあった、
といえるかもしれません。
舞台と同時進行で読んでいくわけですから、
ほんらいの詞章の80%くらいは、ばっさり捨てる。
それくらいでちょうどいいんです。読みやすさとしては。
目立たない仕事ではありますが、
舞台芸術・公演をささえる大切な要素です。
字幕というジャンルにも、もうすこしスポットが
これからもあたってほしい。
注目されるからこそ、レベルも上がっていくと思います。
投稿: おくだ健太郎・歌舞伎ソムリエ | 2009/01/30 10:20:13
親愛なるモギ様
おはようございます。ピヨピヨ
茂木さん、ワグナーお好きですね。私も自分のCDガサゴソ発掘したら、クナッパーブッシュとベームのワグナー三枚見つけました
神々の黄昏パルジファルワルキューレトリスタンとイゾルデの抜粋版です。聴いたことなかったので今聴いてます。
う~ん、眩惑的(☆o☆)ワグナーは魔術師ですねぇ~この不思議な高揚感は他の音楽と違うなぁ …昔見た映画でワグナーの音楽を効果的に使っているのがありました。ベトナム戦争が舞台で
敵の襲撃する中河を下っていく映画です。名前が~思い出せない あ、地獄の黙示録!?だったかな?凄い映画でした。ワグナーの音楽と妙にマッチしていて。パルジファルは今度全曲買いたいのですが、どの指揮者がいいのでしょう。茂木さんお勧めのCDはありますか?
はまっちゃいそうで怖いです(笑)マーラーの第五も好きなんですがちょっとワグナーに似てるかなぁ…ワグナーのクオリア、雄大です!ワグナーって神話学にも通じそうですね(^_^;)
投稿: 眠り猫2 | 2009/01/30 9:51:38
茂木さん、おはようございます。
今日は、久しぶりの雨です。
明治神宮のお写真、しっとりとしている印象を
受けます。
随分、前に友人が結婚式をしたのでその印象が
深く残っているからでしょうか。
何か不思議な‘舞’を巫女さんが?!舞っていました。
その流れがよくわからなくて、みんなで顔を見合わせ
ましたが・・・。
でも、好きな場所です。(*^。^*)
「ブー」と「ブラボー」ですか?!
微温的喝采は駄目?!
「よい」か「悪いか」?!
「右」か「左」か、どっち???
って、感じですねー。(笑)
いろんな事で日本人は‘ファジー’な面が多いですからね。
茂木さんは、‘タイガージェットシン’が好きでしたね。
でも、‘いきなり~’は、やっぱり驚いてしまいます、女子は。
先日の八木アナウンサーの「いきなりって、その~、ど、どうい
う風に???」の返しがおかしくて笑ってしまいました~。
みんな、そう思います?!(笑)
宮崎さんの‘ホワイトボード告知’いいですねー。(笑)
今日も「ブー」と「ブラボー」の種を探す・・・よい種が見つかる
とよいですねー。(*^。^*)
では、今日も一日、お元気にお過ごしください。
投稿: 茂木さんの崇拝者より | 2009/01/30 8:59:48
私も他の人に「ブー」されても茂木先生から「ブラボー」と言ってもらえるような仕事を一度でいいからやってみたいものです。
茂木先生にはブリングルに似たお知り合いが沢山いるようですね(笑)
投稿: ○ | 2009/01/30 8:55:14
マイスタージンガーを聴きながらって、最高ですね!!汽水域で頑張っている人って、素敵です!!
投稿: ふぉれすと | 2009/01/30 8:15:56