« 『心を生みだす脳のシステム』、『脳内現象』 W増刷 | トップページ | 神奈川大学 人間科学研究科 開設シンポジウム »

2008/11/28

シャッセをやってくれた

今の自分にできないことを考えると
幸せになる。

そこにあるのは無力感の白さではない。
赤ん坊というものは、何もできないけれども、
無意識の全能感に満ちているではないか。

同じ白でも、たくらみに満ちた
風情と光が胸に宿るのだ。

PHP研究所。

木南勇二さんといろいろな話を
しながら向かう。

英語についての取材。

大場葉子さん、石田さやかさん。

石田さんと雑談。

「ぼくも小学校の時スケートをやって
いたんですよ。」

「そうなんですか。」

「あの先端のぎざぎざが案外くせ者で、
時々ひっかかるんですよね。」

「でも、あれは大事なんです。ジャンプしたり
回転したりする時にはぎざぎざがないとできません。」

「あの、普通の人はそんなことはしないんですけれど。」

石田さんはPHPで編集者になる前は、
全日本レベルのフィギュアスケーター
だった。

「茂木さんも、もう一度スケートをやって
みませんか?」

「いやあ、オーバーウェイトじゃないかな。」

「あの、スケートは、体重が重い人の方が
うまく回転できるんですよ。」

「・・・・・・」

ウェッジの松原梓さんが写真撮影に
いらっしゃる。

NHK。

『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の打ち合わせ。

担当は池田由紀ディレクター。

ゲストは、ボリショイ・バレエ唯一の
外国人ソリスト、岩田守弘さん。


打ち合わせ風景。左から細田美和子デスク、
池田由紀ディレクター、住吉美紀さん

「バレエの動きはとても同じ人間とは
思えないなあ」とぼくが言うと、
有吉伸人チーフプロデューサーが顔を上げる

「ボクはバレエの動きをやったことがあるんですよ。」

「えっ」

「大学で劇団をやっていた時に、研修でバレエの
人がきて、基本的な動きをやったんですよ。
たとえば、こういうの。」

有吉さんが立ち上がって、すい、すい、すいと
リズミカルに手足を左右に動かす。

「ほおー」

「シャッセというんですよ。」

秋が深まる午後、
有吉さんが、シャッセをやってくれた。


打ち合わせ中の有吉伸人さん


CPは常に睡眠不足。
思わずこくりとする有吉伸人さん



元気になって、シャッセをした直後の有吉伸人さん

とにかくもう、
少しでも時間があれば歩きたい。

NHKから原宿方面に向かうひんやりと
した空気の中を歩きながら、
往還する呼吸の中で考える。


歩いていく風景

そうだ、MのPとconsistentな形でいかに
CのNを考えるか。
実に、そこを論理的に緻密化するプログラムが
大切なのだ!

道ばたにしゃがみこみ、パソコンを取りだして
メモを取る。

ぼんやりとしながらたどり着いた
椿屋珈琲店。

Viviの取材を受ける。

伊藤笑子さんに
「今、ここから全ての場所へ」
のゲラをもらう。

『風の旅人』連載の原稿が本になるのだ。

『生きて死ぬ私』以来のナイーヴにして
風が吹いているエッセイ集となるであろう。

伊藤さんありがとう。

帝国ホテルへ。

吉井長三さんが『銀座画廊物語』
出版されたお祝いの会。

ボクを吉井さんに紹介してくれた
白洲信哉は、仕事で京都に向かい、留守。

女優の司葉子さんとお話する。

「加山雄三さんと共演された」

「乱れ雲でしょ。」

「すばらしい映画でした。学生時代に見て感激しました。」

成瀬巳喜男監督最後の作品は、絶対に恋に
落ちてはいけない関係性に置かれた
男女が惹かれ合っていくプロセスを描く。

司葉子さんの演技が強く印象に残る。

本当に、にぎやかで華やかな会でした。
吉井長三さん、改めておめでとうございます。


挨拶に立たれる吉井長三さん


吉井長三さんと、ルオーの絵を挟んで。

丸の内ホテル。
大場葉子さんの紹介で、講談社の
内藤裕之さんにお目にかかる。


内藤裕之さん

小説の話。

内藤さんの目は、しっかりと焦点をとらえて
離さない。

窓から東京駅を行き交う列車が見えた。

11月 28, 2008 at 08:32 午前 |

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: シャッセをやってくれた:

» ファウスト ゲーテ 訳・池内紀 トラックバック 須磨寺ものがたり
日常の雑事が一段落し、 ストップしたままの本をまた読み始め、 ようやく「ファウスト」 ゲーテ、訳・池内紀 第一部、二部ともに読み終えた。 [続きを読む]

受信: 2008/11/28 10:50:41

» 党首会談(1) トラックバック 御林守河村家を守る会
(8時半ごろになったら、銀杏の写真をUPします。  写真家の皆さま、風が強いから今日が最後と思います) 仕事場から帰った深夜のニュースで ちらっと見ただけの印象を申しあげると、 なんとまあ人相の悪い人たちなんだろう と苦笑しました。 麻生首相は 義弟が寛仁... [続きを読む]

受信: 2008/11/29 7:10:00

コメント

ワルツのシャッセ、チャチャチャのシャッセ、会得しつつそれぞれにグッドな体感♪

<今の自分にできないことを考えると幸せになる。
  たくらみに満ちた風情と光が胸に宿るのだ。> いいな~!

投稿: 本川 直子 | 2008/11/30 11:18:30


あまり脳とは関係ないのですが、日記にあった、目をしっかり見て話してくれる人っていいですよね!
私の担任の先生がそうで、すこし緊張しますが嬉しいです。
中学校二年生で茂木先生のことを知り、受験期は大変励みになりました。
今は高校一年生です。
プロフェッショナルなるべく見ます!
茂木先生のプロフェッショナルやって下さい!
拙い文面で申し訳ありません。
失礼します。

投稿: めい | 2008/11/30 1:30:08

茂木健一郎さま

起き抜けに書いてみよう
漢字が?
フィギュアスケートの
すぐりさん
村主さん、変換できた!
おまけに
村主章枝さんとも出た

村主さんのスケート靴のチューンをされているスキーショップでスキーショップなんですよ
そこで私はスキーブーツを購入してます、スキー板も
ロシニョールのスキー板
今シーズンのまだ日本に来ていないとのスキーショップさん
なんでも選手用のスキー板が遅れていて、私がお願いしているモーグルのスキー板も選手用でとか
おいおいロシニョール!です
なんでもスペイン?で生産しているらしい
スペイン?
筑波大学にスペインの王様が行ったんでしたっけ
私などは筑波大学?
例のか

スペインさんのロシニョール
きちんとスキー板を生産してね
遅い

投稿: TOKYO / HIDEKI | 2008/11/29 6:51:06

茂木先生…
いつもお忙しいのですね…

この前の椎名誠サンとの対談、少し遅れてしまったのですが とても楽しかったです。

Best houseも…

私にとって 茂木先生は ダヴィンチの如く 裏切りません…

来年の朝日カルチャーセンター、楽しみにしています♪

投稿: サワ | 2008/11/29 4:15:23

先生こんばんは。
美しいみちを歩きながら何かひらめかれたのですね!
スケートの会話の「・・・」は思わず笑ってしまいましたヨ。ヾ(´∀`*)
プロフェッショナルも楽しみです♪
記事の冒頭は、あてはまるものがあり、深く心に響きました。私の中の何かがゆらぎ、不確実であり、それでいて確かな光が。
そして『生きて死ぬ私』を拝読した時の衝撃も私の確実な経験であり、お昼間もコメントさせていただきましたが『今、ここから全ての場所へ』待ちどおしく思います。
それでは素敵な先生に心から感謝しながら☆☆☆
お休みなさいませ。
(*^∀^*)ノ

投稿: wahine | 2008/11/29 0:19:29

有吉さん、茂木先生に負けず劣らず魅力的な方ですね。いつも眠そうなご様子がお気の毒ですが・・・
原宿方面へ向かう風景、郷愁を誘われます。広尾の女子校に通っていた中高時代、やはりとにかく歩きたくて、富ヶ谷の自宅から原宿、表参道の住宅街を選んで徒歩通学したものです。帰り道は渋谷経由で歩くこともしばしばでNHKも通学路に入っていました。無我夢中で友達と語らったり、一人で物思いに耽ったり、あの徒歩通学に費やされた時間は、私の思春期時代を包み込んでくれていたような気がします。

投稿: (マ)ゴグ  | 2008/11/28 23:45:15

今晩は。NHKの外は、木々が、もうすっかり冬の姿に衣替えしているようですね。

赤ちゃんを見つめていると、この子が、無限に見えるその「全能性」と「希望」のカタマリに見えてくる。

出来る事なら、アカゴの頃に戻って、“無意識の中の全能性”に浸っていたい。人生をアカゴからやり直して見たいものだ。

誰しも、赤ちゃんの頃は本当に、果てのない望みと白紙の未来を抱えているように思える。

長じていくうちに、その白紙の未来は人に依り様々な色に染められ、望みは叶ったり叶わなかったり…。

とにかく、まだ“目の黒い”うちに私自身も、今だ果たし得ぬ望みを叶えていこう、とこの文を書きながら思う。

「今、ここから全ての場所へ」は、雑誌『風の旅人』の連載の中で、個人的にもっとも大好きなものの一つだった。

『風の旅人』を買うたびに、こんどの「今、ここ~」にはどんなことが書いてあるのかな、とワクワクしながらページをめくるのが常だった。

読ませていただくたびに、その文章の、透き通った水のような清い美しさに酔い痴れると同時に、生きるということの意味や、いろいろなことについて懸命に考えさせていただいた。

時には、茂木さん御自身の人生観の一端にも触れたようで、身震いする思いもした。

今度、本になるとのことで、近所の書店に並ぶのが、今から楽しみです。

p・s・ 今度の『プロフェッショナル』のゲストがボリショイ・バレエの人ということで、昨年の吉田都さんのことを思い出しました。

踊りに対する激しいまでのストイックさ、東洋人であるがためのハンディを克服して、世界有数のプリンシパルになられた、などの吉田さんに関するエピソードが今、頭を駆け巡っております。

今度の放映も楽しみにしています。

投稿: 銀鏡反応 | 2008/11/28 23:23:40

天才は素質と環境
科学研究は偶然??
名前残らないと意味がないのかな?
考えることたのしいもの
解けなくてもね
だから学問はお金持ちのものだよなぁって思ってた
だけど探究することはどこにいてもできる
みんなに等しく与えられてる
批評にさらされても
肯定してくれる人がいて
そのままでいいんだよ
自分のHOME
心が落ち着ける場所がみんなにあるといいな
孤児でも、ホームレスでも、難民でも、移民でも
がんばってたらいつか大地が受け止めてくれると思った
屋上からずっとそう思ってた
物質は落下するから
それより大きい引力があればいいとおもった
みんなにあればいいと思った
飛翔

投稿: A STRAY SHEEP | 2008/11/28 22:43:20

今の私に出来ない事を考えると、幸せになる。
との、茂木先生の言葉。


言い換えると…来るべき未来を考えて、ウキウキワクワク幸せになる。


夢と希望がありますね。


ブレなければ、未来に繋がっていく。

それが、ワクワク幸せ気分にも繋がる。

投稿: 奏。 | 2008/11/28 22:40:11

私の思考は乱れてばかり。
何とか安定した、そして軸のぶれない思考が
できる人になれないかと茂木さんの本を読みながら
いつも思います。

投稿: おふくろ | 2008/11/28 21:28:50

茂木さん、こんばんは。
今、改めてじっくりと?!
読ませていただきました。

「全能感」という言葉は、いろいろな
捉え方をされると思いますが・・・。
今のこの元気の無い時代の私たち大人が
抱いていた方がよい言葉なのかもしれませんね。

「駄目かもしれないけれども夢は叶うかもしれない。」
「やって出来ないことはない、チャレンジしてみよう。」
といった感じですね?
とてもポジティブな言葉として受け止めると元気になれる
様な気がいたしますね。

意外と大人になってから、忘れていることや
子供の頃に読んだ本が呼び起してくれること
って、ありますね。
「星の王子様」なんて、ひょっとしたら大人の童話
ではないのかしら?!と思ってしまいます。
「赤毛のアン」も!ですが。(笑)

いい映画は何度でも繰り返し観たいと思いますし、
音楽もそうですね。
ビリー・ジョエルのピアノマンなんて、歌詞を聴いて
いるといろ~んな職業のいろ~んな人たちの悲哀や人生
が感じられて、若い時によくこんな洞察力があったものだ!
と感心してしまいます。(笑)

本も繰り返し読むべきものだ!とこの頃、思います。
茂木さんの本は沢山ある様で何から読むか迷いますが。

お休みの日は、一日中、ゆうせん音楽をつけっ放しで
本を読んだり、映画を観たり。
寒い季節はこれが一番!
茂木さんは、スケートをまた始められるのですか?(笑)

風邪ひきさんが増えてまいりました。
どうぞ、お身体には十分お気をつけください。
では・・・。

投稿: 茂木さんの崇拝者より | 2008/11/28 20:03:13

こんにちわ

素粒子力学や天文学が、コンピュータシミュレーションで、計算され解明されるように、脳科学もコンピュータシミュレーションで、計算され解明されるかもしれませんね。
(IBMが脳のシミュレーションの計画を立てているらしいですね。)
(クオリアはその先でしょう。)

シャッセで、元気な有吉さんの写真を見ると、シャッセは健康に良いのかも?(^^)

投稿: シャッセのクオリアby片上泰助(^^) | 2008/11/28 19:40:01

ひんやりの向こう、
何が見えました?
しゃがみ込む地の上にも
先生の世界が広がっちゃうんですね
永遠と続く
蝋石で描く線路みたいね。

投稿: no name | 2008/11/28 16:35:26

茂木さん、こんにちは。
今日の大阪は、青空に雲がモコモコと浮かんで
いて、いつもより少し暖かく感じます。

お写真を拝見いたしましたが、大阪城の紅葉は
あともう少しって感じです。
街路樹はまだまだ・・・。
上のお写真は「代々木公園」でしょうか?!
歩くには絶好の季節ですね!

今の茂木さんは、なんだかお幸せそうでよいですね!
たくらみに満ちているからなのでしょうか?!
何をたくらんでいらっしゃるのでしょうか~???(笑)

私はウィンタースポーツは全く駄目です。
九州出身だからかな・・・と思っていたら、夫はスピード
スケートをしていたので、「いやいや、それはですね~」
と言い返されてしまいました~。(笑)
ローラースケートも出来ないのですが、N・Yのセントラル
パークで沢山の人がリュックを背負って、ローラースケート
で出勤・通学しているのを見て、「私もこうして滑りながら
学校へ通えばよかった。」と、その時に思いました。(笑)
片道が約4キロあり、アップダウンも結構ありましたし、雨
の日も雪の日も毎日歩いて登校しましたが、九州でも熊本の
阿蘇や黒川温泉郷に近いところなので、ど田舎です。(笑)
スケートをしているような人は私の周りにはいませんでした。

有吉さんの「シャッセ」、どんな感じなのでしょう?!(笑)
そういえば、私もレオタードで何やら舞って?!いた時期が
ありました~。
やはり「声だし」・「演技」のお勉強の一環として。
演技の怖~い‘鬼先生’は、確か有吉さんと同じ大学のご出身
の方で時代劇の悪役スターさんでした。
歌ったり、踊ったり、演技をしたり・・・何故、レオタード?!
と当時は思っていましたが、今になってその意味がひしひしと
身に沁みております。(笑)

茂木さんは、何か思いついたらパソコンでメモですか?
私は、自転車を停めて携帯でメモします。(笑)

また、新しい本が出されるのですね。
新しい本を読むので精一杯となりそうですが・・・。

司葉子さん、若尾文子さん、佐久間良子さんなどなど・・・。
綺麗な女優さんたちですが、茂木さんは古い日本映画を
よくご覧になっていらっしゃるのですね。
年齢を重ねられても皆さんお美しい!
その美しさは全女性の憧れですねー。

やはり、心・技・体! 鍛えなければなりませんね!
腹筋体操に発声にウォーキング、頑張らなくては。

では、今日も一日、お元気にお過ごしください。


投稿: 茂木さんの崇拝者より | 2008/11/28 13:19:21

茂木先生こんにちは♪
有吉さんのシャッセ素敵ですね((笑))
先生が歩かれたみちなり、とても綺麗です。ひんやりと清新な風を感じます。
そして新しいエッセイ集の知らせに心が弾んでおります!
本日も素敵な1日をお過ごしくださいませ♪
ゆっくりと味わいまた改めてコメントさせていただきます。
(*´∀`*)ノシ

投稿: wahine | 2008/11/28 13:16:55

モギ―先生、こんにちは!
いまさっき、テレビで森下洋子さんの清新なお姿を拝見したばかり。世に登場された頃の森下さんに憧れと衝撃を受けていました。今も、もっともっと、妖精のよう。 勇気と希望と愛と。  幸せな人は周りの人々を幸せにできる。 勇気とひたむきさの奇蹟のバレリーナ。ここにも、溢れる奇蹟の素晴らしい美しい方が・・・。しつづければできるという、楽観的思考とお話されていらしたので、あぁ、やっぱり、楽観回路を膨らませていらっしゃる!と、うなずきました。甲野先生と茂木先生の対談のご本も読んでいる途中ですが、身体を善き事に使うことが大切なのですね、ホメオタシスは、守りの体制ではなく、使用するために、・・・ウォーキングに励んで、強く鍛えたいです。

投稿: ぶらんか | 2008/11/28 11:40:56

いつもTVで興味深く楽しく拝見しております。

昨日茂木さんの著書の『脳を活かす勉強法』を携帯サイトで買いました。
まだ途中までしか読んでいませんが、勉強法が分かり易く書いてあって、参考になりました。

本の内容に、茂木さんはお仕事への導入にこのブログを書いている、とありましたので、訪問してみました。

朝から書かれているブログということでしたが、写真もたくさん載っていて、本当に朝からアクティブに動いてらっしゃるんだなぁ、と尊敬しました。(写真を載せるというのは、文字を書くだけよりも、一手間かかるかと思いまして。)

これからも茂木さんから色々勉強させていただきたいです。
そして、茂木さんのように、一生勉強を楽しめたらいいなと思います。

コメントさせていただきましてありがとうございました。

投稿: りんご | 2008/11/28 10:24:03

コメントを書く