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2008/11/19

たくさんの奇麗なもの

星野英一は、ポスター発表の
原稿がまだできていない。

それで、箆伊智充がポスター発表
している近くで、
星野と隣り合って座って、
ポスター発表の文章を直した。

「英語というのは、できるだけ簡潔に
書くのがいいんだよ。redundancyを
何よりも嫌う。」

「できるだけ短い文章でつなげて
いくといい。」

「ただし、このように、二つの文章の間で
単語が共通していて、それが冗長になっている
場合は、むしろつなげて一つの文章に
した方がいいよね。」

「これは、論理的にはorだよね。
だから、こう書いた方がいい。」

そうやって座っていると、
様々な知り合いが「よお!」
と話しかけて来たりするので、
中断して話して、箆伊のポスターに
手伝いに行ったり、それでまた
進めていく。

「星野さあ、クオリア日記に、こうやって
文章を直したって、載せていいか?」

「いいですよ。」

というわけで、星野クンの文章

Experiment (Method I)

To investigate the nature of visual short-term memory, depending on the exposure time of the stimuli, in relation with object identity and object location, the this experiment were designed in delayed match paradigm with following conditions. Abstract figures were used for the stimuli so as to minimize the effect of verbal encoding. To make difference in encoding of object information (i.e. the identity and the location), two types of a set of cue and probe were designed. The levels of encoding of visual short-term memory were controlled with the 4 different exposure times of learning stimuli. These 2 by 4 factorial design were practiced.

Subjects:
9 subjects (4 females; 5 males; age 24-31) were participated in this experiment. All subjects reported right-handed and normal or corrected-to-normal vision.

Stimuli and apparatus:
The stimuli were presented on a computer screen and a response were collected from a mouse click with a mouse for the right-handed. The experiment were proceeded with key press by subjects.
1024 pictures were made with following ways:
20 invisible vertexes were randomly chosen by computer on 120 x 120 pixel bitmap with black background; Two of 20 vertexes were randomly chosen so that a white segment was drawn between; Total of 5 segments, which because minimize the complexity of the figure but not resemble to alphabet or Japanese Katakana, were drawn (a single vertex may share with more than two segments); The segments width was set to be similar to line drawing by Snodgrass and Vanderwart (1980).


ぼくがいろいろと手を入れて、
直した後の文章


Materials and Methods (I)

Here we study the nature of visual short-term memory related to object identity and location. A delayed match paradigm was designed to investigate the effect of exposure time. Nonsensical figures were used to minimize the effect of verbal encoding. To investigate the encoding of object identity and location, two sets of cue and probe were designed. Four different exposure times in the study phase were used in a 2 x 4 factorial design.

Subjects: 9 subjects (4 females; 5 males; age 24-31, with an average of ***) participated in this experiment. All subjects were right-handed by self-report and had normal or corrected-to-normal vision.

Simuli and apparatus:
The stimuli were presented on a computer screen and the subjects responded by the mouse click. 1024 nonsensical figures were generated by the following algorithm.
20 invisible vertices were randomly chosen by the computer on the 120 x 120 pixel bitmap with black background, of which 2 vertices were randomly chosen to draw a white line segment between them. The nonsensical figures were composed of 5 line segments each. The 5 segments composition was designed to avoid a resemblance to the alphabets or Japanese characters while minimizing the complexity of the figure. A single vertex may be shared by more than one line segments. The line width was designed to be perceptually similar to the line drawings by Snodgrass and Vanderwart (1980).

星野英一クン。がんばってね!

さて、もう、出発する時間が近くなりました。

ワシントンでは、たくさんの奇麗な
ものを見た。

世界よ、美しくいてくれてありがとう。


モネ『傘を持った婦人』(部分)


モネ『傘を持った婦人』(部分)


モネ『ルーアン大聖堂』(部分)


ダ・ヴィンチ『ジネヴラ・デ・ベンチの肖像』(部分)

11月 19, 2008 at 06:39 午後 |

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受信: 2008/11/20 9:36:35

コメント

茂木先生、
先日こちらのブログにて、
名画に対する先生の視点に刺激を受けた者です。

早速、自分のブログに、そこから感じたものを
絵と文で表現してみました。

おもしろいページになったと思っています。(11月23日分)

http://blog.naokomiura.com/

インスピレーションをいただけたこと、
感謝しております♪
ありがとうございました。

投稿: ミウラナオコ | 2008/11/23 10:53:14

ワシントン・ナショナルギャラリーに数年前仕事で行って、ろくに英語を話せない俺を助けてくれた、(彼女)ありがとう、また絶対行くよ、
モネを収蔵できる国力に乾杯、アメリカよ、と言いたいです。

投稿: 亀ちゃんの再々送 | 2008/11/21 22:23:04

茂木先生 
 はじめまして。いつもブログを楽しみに読ませて頂いております。特に、ネガティブな思考の連鎖に入り込みかけた時などは、ブログを読んでいるうちに、気づけばまた前向きな気持ちになれている...、クオリア日記は私にとって妙薬の様なブログです。
 SfNでアメリカにいらっしゃているとの事で、学会のお話をひとつさせて下さい。ダライ・ラマ法王と科学者とのプライベートな対話から始まった会議です。
 アドレス http://www.mindandlife.org/
日本の若手の科学者、中でも脳科学関係の研究者や、仏教僧侶の方の参加者が、もっと増えたら素晴らしいのでは、と思える会です。来年の4月のインド(ダラムサラ)の会議に、日本から医師、僧侶などが数人、参加する企画も進行中です。茂木先生、ご興味ありましたら、ご一緒にいかがでしょう!
 


投稿: aniY | 2008/11/21 2:27:46

ふふ。
なんか茂木さん、
きちんとしたお箸の持ち方教える
お母さんみたい。
ささいなコトだけど、今後の印象が
全然が違ってくるもんね。

教えてもらえた子は幸せなんだぞぉ。
一生ついて回るんだから。
よかったなぁ。愛されてんなぁ。
いいなぁ。

投稿: ひみつのあこ | 2008/11/21 1:52:09

(200年後、ある会社にて・・・)

「これが、あの世界的なホシノ博士の若い時代の直筆のdraftですか?」
「そうだ。時価数億円とも言われているが、実際は、市場ではもう値段が付かないらしい。」
「なぜですか?」
「分からないか?これのすごいところは、当時の指導教官による朱が入っているところだ。よーく見てみろ。サインが入っているだろ?」
「M(エム)、O(オー)、G(ジー)・・ええ!?まさか。」
「そうだ、その、まさか、だよ。」
「だとすると、これはとんでもない・・。」
「だろ。だから、もう一般市場に流通するレベルではないんだ。幾つかの国の美術館や博物館が狙っている。」
「どうして、それがわが社にあるのですか?」
「それは言えない。厳格なsecrecy agreementが結ばれている。」
「年代としては、いつごろのものなんですか?」
「今、精密な鑑定待ちだが、どうも、2008年頃と推定されている。」
「ということは、ホシノ博士が、まだ、ほとんど無名だったころ。たしか、アメリカでは、世界史の教科書に写真が載っていたオバマ大統領が選出されたあたり・・・」
「そうなるな・・・」


投稿: 砂山鉄夫 | 2008/11/20 23:48:01

「綺」麗?

投稿: ろく | 2008/11/20 19:00:28

傘を持つ婦人の瞳に心臓がバクンと鳴ったのは私だけでしょうか…?
芸術作品ってホントに凄いですね。

投稿: blog0708 | 2008/11/20 12:50:31

写実と印象の 狭間について 考えさせられますね
描き手にとって
次の世界へ移行するときの心理には どんなものがあるのでしょう

投稿: hisako | 2008/11/20 11:51:01

茂木健一郎様

ワシントンでは有意義な時を過ごされたようでなによりです。

>世界よ、美しくいてくれてありがとう。

とはファウスト博士の心境と同じですね。しかしそこへ至る茨の道が茂木様にはあられたのではないかと推察いたします。

ちょうど、ファウスト博士がメフィストフェレースと共に体験したようなことが。


さてさきほど茂木様の御著書『心を生み出す脳のシステム』を読了いたしました。私は哲学的な立場から人間存在は関係性の網目にあるものだと認識しています。ですから、脳をシステムとして解明するという研究姿勢には大いに期待を持つものです。しかし失礼ながら、私は『心を生み出す脳のシステム』は茂木様の科学的なパラダイムの提出という性格の書物と考えます。この本だけで人間の心の全てが解ったような気になっている読者もいるかもしれません。だから斉藤環様が批判しているのだと思います。私にしても果たしてこの書物の内容をあえて脳科学と関連させる必要はあるのだろうかという感想を持ちました。このような批判的コメントは茂木様宛てですから、ブログの目的に反していますが、手紙を書くほどでもないので、あえてここに書かせていただきます。付言いたしますなら、私は茂木様のパラダイムには賛意を抱いています。ぜひともご研究を進めていただきたいと思います。昔の話ですがニューアカが流行ったとき、栗本慎一郎様があなたと似たような立場にいました。茂木様もご存知でしょう。あのころ学問に対する誤解を抱いた若者が数知れずいました。私の危惧はそこにあります。茂木様は御著書のなかできちんと予防線を張っていらっしゃいますが、誤解するのがまだ未熟な若者というものなので(私もその一人でした)後留意されたほうが得策と考えます。苦言を呈してしまいましたが、宮台真司様みたいにならないよう御気をつけください。

投稿: 腹出し | 2008/11/20 10:04:11

茂木先生

既に知っていたはずの素晴らしい絵を
「先生の視点」で、見せていただくことで
また違った絵として見ることができ、発見がありました。

「へぇ~、茂木先生はこうご覧になったのね~♪」と、
興味深かったです。

私が今度写真を撮るときも、
「自分はどう見ているのか!!」を、
意識しながら撮ってみようと思いました。

とてもイイ刺激を有難うございましたm(_ _)m

投稿: ミウラナオコ | 2008/11/20 8:44:58

本当に綺麗ですね、もしかすると、紹介する人の視線も手伝ってかも。。。 
モネの、顔にかかる曲線が、透き通ったベールのようみえて、風の強さまでがこちらへ感じられる印象がも素晴らしい。 対象にダビンチのリアルな、特に髪を指でさっとつまんで伸ばしても、くっるんと戻るんだろうと思わせる、強さと繊細な描き方はまた見事。
茂木先生、素敵なものをしゃえあーしてくださってありがとうございます。(^O^)w
お体を大切に!この続きも楽しみにしています。 

投稿: Natural2 | 2008/11/20 7:50:43

「redundancy」

子供達がsecondary schoolでいわゆる作文を書いてたとき
redundancyの部分を先生に情け容赦なく、訂正されてたのを思い出しました。
あれは本当に手厳しく手直ししてました。
それで 子供達はお部屋でシクシク泣いてました。

あの頃の記憶を引き出しから出して
また思い出してます。

投稿: hana | 2008/11/20 0:11:45

こんばんは。
お疲れさまです。

茂木先生の添削、さすがです。
最初からテーマがはっきり書かれ、その後の展開がスムースです。
素人にも実験のイメージが明瞭に浮かびます。

なんでも、人に伝えるということは難しい作業ですね。

投稿: 遠藤芳文 | 2008/11/19 23:58:34

先生、少し英語訳してみようと頑張ってみましたが、時間のある時に辞書とにらめっこしたいと思います。(, ,)
綺麗ではなく“奇麗”なのですね。“情報動物”も本当はどういった意味あいなのでしょうか。。(*´ω`*)
あれこれ妄想が膨らみます。
そして美しい、お写真をワシントンから沢山upしていただき有り難うございました♪
実物を拝見した事はないですが、先生の記事から少しでも美に触れることが出来て本当に嬉しいです。
『世界よ美しくいてくれてありがとう』
やはり、茂木先生は素敵な方でございます。それでは、チームの皆様無事にお帰りになるよう祈っております☆☆☆お休みなさいませ(*´∀`*)ノシ

投稿: wahine | 2008/11/19 23:56:01

こんにちわ

英語は良く分かりませんが、確かに茂木さんの方が何となく分かりやすいです。


モネの上の二つの写真は、宮崎アニメに出てきそうな絵ですね。(^^)

投稿: 宮崎アニメのクオリアby片上泰助(^^) | 2008/11/19 23:16:39

昔から多様性を受容し、そしていま、ダイナミックに変化しようとしているアメリカという世界。

あらゆるものが錬金術のように絡み合い、交じり合い、今までなかったものが生まれて来る、生きたカオス。

そんな世界で生きる、いろいろな国からの移民の子孫たち。これは人から聞いたことだが、アメリカの人はみんな、率直なところがあるという。

カオス的だけれど、前向きな世界であるアメリカ。何時までもそうであってほしい、そして本当の意味で「自由と平等の国」に生まれ変わって欲しいと思わずにはいられない。

いよいよきょうはご帰国される日ですね…今ごろ博士は、機内の人になられているのでしょうか。

星野さんの論文を手直しされたということに“愛弟子に対する師匠の深い愛”をしみじみと感じた。

投稿: 銀鏡反応 | 2008/11/19 22:54:26

茂木先生の世界は美しくいるのですね。
世の中にうんざりして希望をもてない人が多い中、
美しくいてくれて、ありがとう
と思える茂木先生が素敵です。

投稿: Ryoko | 2008/11/19 22:30:41

たとえば養老孟司の文章は読んでいて息が詰まりそうになります。まるで公式というか。表現がやわらかで、遠まわしの文章は癒されます。詩とか音楽とか。しかも内容もある。

投稿: NHK | 2008/11/19 22:04:52

茂木健一郎さま

美しい名画 物事を理解するには

自身が、そうでないと 判らないですよね、と ふと

そして、アメリカ 

ポジティブというのですか? 普通に前向きなのがアメリカのような気がします。 キラキラ輝くアメリカ


投稿: TOKYO / HIDEKI | 2008/11/19 19:25:37

茂木健一郎さま

本質を追求されている茂木健一郎さまだから、こそ

一文 一行 説得力という次元ではなく

自然に。 

星野さま 良いな!英語が出来ない私なのですけど なんとなく羨ましいです、そして夕食 本当 そういう 自然な雰囲気でのお食事

スマートで格好良く 自然に そういう方々が茂木健一郎さま

茂木健一郎さまは強力な磁石!!なのかな、と ふと。 


投稿: TOKYO / HIDEKI | 2008/11/19 19:14:41

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