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2008/11/16

一つの事実

夕食はGeorgetownでとった。

タイ料理屋で「ジャングル・カレー」
を食べていると、周囲のテーブルのひとびとは
笑いさざめき、
なまっていてよく聞き取りにくい
ウェイターの男の子も、
明るく、親しみがあり、活気がある。

ニューヨークのウォールストリートで
起こっていることは、一つの「文脈」
に過ぎない。

この世界は、たった一つの文脈で
支配されるほどには単純には
できていないのだ。

街を歩いていると、サイレンを鳴らした
パトカーに先導された車列が
通りかかる。
エコノミック・サミットに出席している
首脳たちを乗せた車なのだろう。

韓国とアメリカの旗を掲げた
黒い車が道を曲がっていくのを見た。

路上の人が、政治の世界で起こっている
ことは自分に関係ないと感じるのは
一つの見識である。

世界の多重文脈性に鑑みれば、
一つの事実でもあるのだ。

それでも、ワシントン・メモリアルから
議事堂にかけての広々としたモールは
解放感があり、
政治にかかわる重要な場所が観光名所
であることの、民主主義における意義について
改めて思いを馳せずにはいられなかった。

何ごとも、自分たちで生み出したものは
強く、
ただ輸入しただけのものはなかなか身につかない。

11月 16, 2008 at 08:30 午後 |

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コメント

こんにちわ

日本は、国民主権です、つまり、「国民全体が日本株式会社の取締役」だと考えられます。お金(税金)の流れの透明性が必要だと思います。(外国に知られると問題のあるお金の流れは限りなく透明ではなくてよい。)

そういえば、日本では、昔からある民主主義の基本のキャッチフレーズが無いと思います。アメリカでは「自由と民主主義」、イギリスでは「ゆりかごから墓場まで。」、日本の政治は輸入するだけではなく、自ら生む政治が必要だと思います。

日本の場合、「富国強兵」から、「富国共生」に切り替えたら良いと思います。(^^)


投稿: | 2008/11/17 13:13:18

茂木先生こんにちは。ジャングルカレー美味しそうです♪
改めて思いを馳せずには…リンカーンの言葉government of the people,by the people,for the peopleが浮かびました。アメリカ史の分水嶺のような南北戦争。。
世界の多重文脈性に鑑みれば1つの事実でもある…歴史的な変革を前に、やはり少しでも知ろうとする方に努めたいです。日本の政治にも多きな影響を及ぼすわけですし。以前の私なら無関心であったかもしれませんが。。
自分達で生みだしたものは強く、輸入しただけのものは身につかない…とても勇気の湧くお言葉として受け止めさせていただきました。それでは“大和魂”と呟いて寝ます。( ̄ー+ ̄)ノ
そちらはお昼でしょうか。良い午後をお過ごし下さいませ☆☆☆

投稿: | 2008/11/17 1:42:49

茂木さん、こんにちは。
もう、やすもうかなぁ~と思っていたら、
新しいのが出されており、今のうちにコメント
を・・・。

「ジャングル・カレー」って、
どんなカレーなのでしょう?!
お写真で拝見したかったです。(笑)

ウェイターの男の子、明るくてサービス上手。
これは、チップ制の国だからというのも何か
関係あるのかな?
サービス精神というのもなかなか身につかない
と言われていることのひとつなのかもしれませんね。

「多重文脈性」・・・何やら複雑ですね。(笑)
でも、いろ~んな人種の方々が住んでいる都市へ行くと
自分もその中にいて、何やら不思議なパワーを感じたり
するものですね。

「自分たちで生み出したものは強く、ただ輸入しただけの
ものは、なかなか身につかない。」
そう思います。
定着するのか、一時のブームで終わってしまうのか・・・。

でも、何より保守的であろうと思える「食」に関して言うと、
結構、仕掛け人的な人物たちがいて、一時のブームとはいえ、
火がつくというのは面白いものですね。
顧みれば、ティラミス・ナタデココ・パンナコッタ・カヌレ・
クイニーアマン、etc・・・。
私の美味しい思い出。(笑)

何かをきっかけに、自ら創り出す!ということは、大切なこと
だなぁ~と思いました。

ワシントンには、あと何日、いらっしゃるのでしょう?
どうぞ、お気をつけて・・・。
それでは、私はやすみます。(笑)
茂木さんは、間もなくランチ・タイムですね。
美味しいものをたらふく召し上がってください。
では・・・。

投稿: | 2008/11/17 0:42:35

街を走るサイレンを鳴らしたパトカー、各国首脳を乗せた車・・・。

1929年が歴史に刻まれた年ならば、2008年も確実に歴史に刻まれた。

あそこの国が悪い、ここの国が悪いと、つべこべ他国に口を出し、爆撃までしていた国が、気付いてみると、自国の足元の金融が暴走し世界中を巻き込む泥沼に・・。ある意味、まことに現政権の終焉にふさわしい風景ではある。

その現場に、今、茂木さんは立っておられ、その思索に固唾を呑む・・・。

パトカー先導の黒光りの各国首脳の車が通り過ぎた後、歩道の向こうから歩いてくるのは、だれなのか・・・?

2008年、ニューヨーク、ウォールストリート。まだ、サイレンは鳴りやまず・・・。

投稿: | 2008/11/17 0:35:59

こんばんわ

おっしゃるとおり、日本の民主主義は西欧の模倣から始まっていますし、その目的は国力の増強でありました。ですから常に上からの変革であったのです。

自由民権運動も内実は民主主義の確立というよりは、明治政府の反対派が権力闘争をしただけでありましょう。

我々は歴史的に言って反権力を標榜しても、結局は権力を模倣してきました。

この思想性からはいいかげん脱却したいものです。

投稿: 腹出し | 2008/11/16 22:05:12

SfNとお仕事、本当にお疲れ様です。

「ただ輸入しただけのものは、なかなか身に着かない」
確かにそう言えますね…。

日本は“民主主義”という「言葉」だけは輸入したが、その根本精神は新世紀に至るまで、自らの血肉=モノにできなかった。

この島国は、自らの知力と勇気をもって、自分達なりの“民衆が主人公”になるための、根本精神を作り上げ、育んでいくしかないのだろう。

アメリカ流の民主主義を多少参考にはしても、まるきり真似をする必要はない筈だ。

それにしても、アメリカは本当に懐が深いような感じがする。反面、とても“大味”だなぁ、という感覚もあるけれど…。

政治の舞台が観光名所になるというのも、アメリカの一種の面白いところだなぁ。永田町ではとてもじゃないが、こうは行かないですね。

投稿: 銀鏡反応 | 2008/11/16 22:04:01

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