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2008/10/04

ウラジオストク?

ソニーコンピュータサイエンス研究所にて、
読売新聞政治部の鳥山忠志さん。

鳥山さんは、先日お目にかかった正力・
小林記念館館長の小林建一さんと
同様、富山の高岡高校を出て
読売新聞に入り、政治部で活躍されている。

総務省情報通信国際戦略局の
谷脇泰彦さん、柴山佳徳さん。

情報通信技術の未来について。

研究所の脳科学研究グループと、
東京工業大学大学院茂木研究室の
学生たちの会合「The Brain Club」。

ゼミに先だって、五反田の「チェゴ屋」に
みんなで昼食をとりに行った。

帰りにコンビニで買い物をして
野澤真一、石川哲朗と歩いていると、
木立の中をちらちらと飛ぶものが
ある。

「あっ、ウラギンシジミだ!」
と叫ぶと、野澤が、
「ウラジオストク?」
と言った。

素敵な空耳。
「あっ、それ、いいね。明日の
ブログで書くことにしよう。」

The Brain Club。

加藤未希が、プライミング効果に
おいて、言語的処理がinvokeされる
時とされない時の脳活動の
違いについてのpaperを議論する。


加藤未希、魂のプレゼン。

始めるに当たって、加藤が、
「面白さのしきい値をこえるかどうか
はわかりませんが」
と言った。

「面白さのしきい値は、能動的に超える
ものなんだよ! どんなにつまらないように
思える論文でも、自分が主体的にかかわる
ことで面白くなる!」
と私。

加藤の紹介した論文は、面白かった。

提示刺激のアンサンブルのサイズ
を変えることによって、タスクを実行する
時に、毎回linguisticなプロセスが立ち上がる
場合と、そうでない場合を制御仕分けている
ところが工夫。

須藤珠水が、顔の表情の
脳活動に対するembodiment効果に
ついての論文を紹介。


熱弁する須藤珠水

action observationに
おいて、行為が環境のcontextに
合っている場合と合っていない場合
にどのような脳活動の差異が
生まれるかを議論した。

ミラーシステムは、contextと
合っていても合っていなくても
活性化する。一方、合っていない
時にのみ、推論機構が働く。

「これは一般化されたcontingencyの
問題だよね」と私が言ったのが
きっかけで、野澤真一とcontigencyをめぐる
議論になった。

「この前さ、森の中を走っている時、
ふと、qualiaとcontingencyはオレの
『三種の神器』のうちの二つだな、
と思ったんだよ。一生、胸のうちに
抱いていなければならぬもの。問題は、
あと一つが何かということ。」

「三つなければいけないんですか?」
と野澤。

「いや、別にそういうわけでもないんだ
けどさ!」

東京會舘。
日経中編小説賞の選考会。

小学校、中学校の同級生の梅田知章が
いたのでびっくりした。

「あれ、ウメトモ、東京會舘にいたの!?」

陸上部だったウメトモ。
面影は変わっていなかった。

唯川恵さん、高橋源一郎さんと
楽しく厳しく議論しながら候補作を絞り込む。

すべて無事に終わり、日本経済新聞の
方々を交えて談笑。

「茂木さんには、うちの
娘がお世話になって。」
と高橋源一郎さん。

美術系のエディター兼ライターの
橋本麻里さんがタカハシ先生の
最初のお子さんである。

「いろいろ仕事を一緒にさせて
いただいて、まるで茂木さんの秘書
のようですね。」
「いや、私の方が、橋本麻里さんの秘書
なのです!」

唯川恵さんは軽井沢からいらしている。

「軽井沢は湿気が多いと聞きますが、
本当ですか?」

「ええ、山から湿気のある空気が帯の
ように流れて、そこは湿気が多いのです。
そこから外れれば、大丈夫です。」

「そうなんですか、それはいいことを聞いた」

「うちは湿気のないところにあって。
見ていると、湿気の通り道に霧が
立って、ああ、あそこだとわかります。」

ふとしたことで、
わが親友の白洲信哉の話題になる。

どうやら、軽井沢に出没していたらしい。

「白洲さんと、この前軽井沢で会ったんですよ。」

「えっ、シラスって、シラスシンヤのことですか?」

「そうです。小学生くらいのお子さんといらして、
その方が、ぼくはカラスミが好きなんだと言って
いました。」

「うん、それは間違いなくシンヤに違いない。」

ちょうどその時、
携帯が鳴った。
見ると、白洲信哉当人である。
うわさ話を地獄耳で聞きつけたか。

なんたる神通力。

「もしもし、こんにちは。この前、軽井沢に
いたでしょう。」

「えっ。そうだったかなあ。」

「今どこにいるんですか?」

「ホテル・オークラを出るところですよ。」

部屋の外に出る。

シンヤの声を久しぶりに
聞いて、心の中にさわやかでしっとりとした
霧の流れができたように感じた。

10月 4, 2008 at 08:01 午前 |

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受信: 2008/10/05 5:35:28

コメント

茂木建一さん 大好きです
茂木さんが 言う事 思う事 全てが LOVE 脳の話 人間宇宙 何でも 10時間は聞きだい
話したい!

茂木先生
一度でいいから みたい 聞きたい
茂木先生は エコ 脳科学 脳 リハベリー
先生大好き
銀河系で 一番

投稿: | 2009/10/18 21:09:11

 何気なしに誰かのことが心に思い浮かんだ拍子に、その当人から電話がかかってきた、という体験は誰にでもあると思います。普通は単なる偶然だということで片付けられてしまうことなのでしょうが、ルパート・シェルドレイクという生物学者は、あらゆる批判を受けながらも、実験に実験を重ね、こういう体験は偶然ではないということを証明しようとしています。人間の精神は磁場のように、フィールドを形成していて、脳という物質を離れても、コミュニケーションが可能である、ということです。YOU TUBEで9月2日に行われた彼のExtended Mindと題された講演を聴きましたが、大変興味深いものでした。
 白洲信哉さんのお声から、一瞬さわやかで詩的な体験をされて、軽井沢の霧を感じられたのでしょうか。心って本当に不思議ですね。

投稿: | 2008/10/05 5:34:51

茂木さん★
どこにコメントすればいいのかわからなかったので
こちらに・・・

9月18日放送の東京FMの番組で、
お勧めの観光地に斎場御嶽をあげられていたんですね~~~!
番組は聞けなかったんですけど、
茂木さんのコメントを番組HPで拝見し・・・

へえええーーー
体感できる場所なんですか!
実は私、行ったことないんです・・・
びびびっと開けてしまいそうで怖くてOrz

斎場御嶽はスピリチャル好きな方には
人気のある場所ですよね。

私は主に仏教・キリスト教などを学んでいますが・・・
沖縄を守ってきた神様にもちゃんと敬意を
払わなくては・・・というのは常々心の隅に置いています。

先日、
鍼灸師の資格取得のために勉強している友達に
聞いたんですけど、
沖縄のお盆って、
中国の儒教の影響がかなりあるそうで、
仏壇に捧げるお線香、
ヒラウコーっていうんですけど、
真っ黒で平たくて、三センチくらい幅があるんです。
それを三つに折って、仏壇に捧げるんですが、
三つに折る、というのは意味があって、
「天・地・人」が和合して良い世界になるという
儒教の考え方らしいんですよ★

その友達は千葉に住んでいて、
ヒラウコー送ってくれと言われたので
準備中ですが。

琉球王朝時代は、
中国から仏教のお坊さんも派遣されてきたそうで・・・
仏教も首里近辺では根付いているみたいです。

その流れで言うと、
中国二大思想のひとつ、
老荘思想も入ってきている可能性も高く??
(中国の政治家は立身出世に儒教、
心の癒しに老荘思想を学んでいたとか・・・)

荘子が大好きな私も自分のルーツを発見したような。
不思議な気持になりました。

全然関係ないコメントですみませんm(__)m

投稿: | 2008/10/05 0:37:37

茂木さん、こんばんは~~

日記のタイトルを見て、
こ、今度はロシア?!と思いましたよ~~Σ(・ω・ノ)ノ!
素敵な空耳^m^イシシ^m^

茂木さんの三種の神器!

三種の神器って、日本神道の神器のことですよね・・・
ちょっと調べてみたら、
三種の神器のひとつが、「鏡(知を意味する)」だったんですよ。
最近、ミラーニューロンや鏡の話が多かったので、
面白いなあ!と思いました。

余談ですが
明日からノーカット版が始まる太王四神記の四神は、
天の四方方角を守る神のことだそうです。
日本の古墳にも、四神の壁画が描かれていますよね~!

アメリカ国防省のペンタゴンは☆形の建築物で、
この☆の形は黄金比で最も美しい形であり
白魔術などでは悪から守るという意味で用いられてきたそうですが、
日本の陰陽道などでも使われているみたいですね・・・!

うーーん・・・(笑)
調べているうちに、どんどんマニアックな世界に!!

しかし、ペンタグラムが黄金比というのは、
興味深いなあと思いましたよ。
内なる核率、
神を内在化し、その美しい調べに従う、
美は悪魔払いもできるんですねーーーっ!
悪魔は芸術を理解できないという西洋のことわざも
あるそうですよ。
ふむ。やたら怖がってはいけないということですな。
内なる核率に従えば、
自然と本来あるべき姿に・・・・
外なる悪に惑わされなくなりますね。

わあああ、どんどんマニアックに(笑)!!
でも私、こういう世界好きなんですよねえ(笑)

プレゼンする加藤さんへの茂木さんのお言葉。
「面白さのしきい値は、能動的に超える
ものなんだよ! どんなにつまらないように
思える論文でも、自分が主体的にかかわる
ことで面白くなる!」
わぁ、私も勇気を頂きました!
ありがとうございます!

ところで茂木さん、
常々茂木さんには秘書がいたらいいのに。
って思ってましたけど・・・
茂木さんは橋本さんの秘書なんですかっ(笑)!
茂木さんに秘書は必要なさそうですね(笑)
お仕事がんばってくださいね~~

投稿: | 2008/10/04 23:57:10

こんばんは。

>「あっ、ウラギンシジミだ!」
と叫ぶと、野澤が、
「ウラジオストク?」
と言った。

①小学校低学年のレクリエーションのとき
 伝言ゲームで  (1チーム10人くらい)
 【お母さんが「りんご3個とみかん5個と大根1本買ってきて」
  と言いました。】
   ↓  どこでどう間違ったのか・・・
   ↓
 【お母さんが「りんご3個とみかん5個と太鼓判1本買ってきて」
  と言いました。】
 ・・・先生たちはウケていました。
 私たちは‘太鼓判’の意味が分かりませんでした。

②電話でのやりとり
 「北山さん、いらっしゃいますか。」
 「ハイッ?キャサリン??ですか?」


お忙しいところ、失礼いたしました。

投稿: | 2008/10/04 23:46:24

軽井沢、ステキな所だと思います。

教会や森など、街歩きしてみたい所です。

以前、知人の結婚式が軽井沢であり、私もこうゆう所で式あげられたら良いなぁ〜とも思い、憧れの場所でもあります。

軽井沢、カラスミ、霧の言葉があったので…つい、書いてしまいました。

投稿: | 2008/10/04 21:35:51

“ウラギンシジミ”と“ウラジオストク”…。「ウラ」という音が同じで韻を踏んでいるというか。う~む!実に面白いですね(笑)

ちなみにウラジオストクは、漢字で「浦塩斯徳」と書くそうです。

都内某所の緑の多いところを歩いていると、少しずつ色づき始めた木立の中を、ひらひらと、優雅に舞う蝶を見かける。

少なくとも私が見かけたのは、ヒョウモンチョウ、キチョウ、黒アゲハなどで、ウラギンシジミは…う~ん、見かけなかったなァ…。

高校時代、どんなに難しいと思う課題でも、諦めずに取り組むことで、その課題が段々に面白くなるという経験をした。


定期演奏会の演目のある曲の、クラリネットパートを練習していたが、譜面をみて、自分にはどうしても吹けない箇所があった。

あまりに難しいので、もう吹くのを止めようかと思ったが、ここで諦めたら本番に差し支えるし、何よりも自分自身が悔いることになる。そこで諦める事無く、何度も何度も練習を繰り返したら、見事面白いようにその箇所が吹けるようになった。

人生には、まだまだ難しいことが沢山横たわっている、とこの頃強く感じるようになった。それでも、粘り強く主体的に取り組んでいれば、面白いように、それらを乗り越えて行けるに違いない…。

…エントリーとはちょっとずれる内容になってしまい、誠にすみません。

苦しみのあとに面白さという快楽が待ち構えている…だからこそ人生には自分からの真剣な「頑張り」と「継続」が大切なのだなぁ。

投稿: 銀鏡反応 | 2008/10/04 21:24:48

こんにちわ

見て聞いて、面白い、笑いと、いうのは、鏡、ミラーニューロン回路が増える、と、いう事ではないでしょうか?

新しい事柄の見方で、面白い、予想外の言葉のやり取りで、笑う、等、鏡、ミラーニューロンが増えたという事だと言えるのではないでしょうか?

また、笑うと脳細胞が増えるという話を聞いたこともあります。


昔、クシャミをすると、「誰か自分のうわさをしている。」と、良く言われましたが、「携帯電話をかけると、自分のうわさをしていた。」と、よく言われるようになるのではないでしょうか?(^^)

投稿: | 2008/10/04 14:27:57

もじゃい先生こんにちは(*^∀^*)♪今日、明日とin金沢なんですね!
私の実家も北陸です。まあ京都の県境の何もない所で、家の真裏が山になっております。はい、まさに湿気の中に霧の中にで、夜霧のひどい時には橋を越えた途端一面真っ白で何か別の世界に来てしまったかのようです。夏は涼しくクーラーいらずですが。
心の中にさわやかでしっとりとした霧の流れができたよう…なんてお電話の相手のお方は茂木先生を癒してくれるそんな素敵な存在なのでしょうか。(*^^*)
ウラギンシジミをウラジオストクと聞き間違えるなんて、大学院の生徒さんは空耳だけでも世界レベルでなんて凄いんだろうか!と驚きしました。
invoke.paper.embodiment効果.action observation.contingency…etc記事の冒頭は違った意味で別世界にきてしまったかのように私の頭の中は疑問符だらけでしたが、諦めず単語を調べてみます。(調べたからと言って理解出来るかは謎ですが…σ(^◇^;)トホホ)
とにかく時代の最先端を走っておられる研究室の方々、本当に凄いなあ、ただただ凄いなあと思うのでありました。 茂木先生、金沢公演のご成功かげながらお祈りしております♪

投稿: | 2008/10/04 14:16:26

茂木さん、おはようございます。「ウラジオストク」というタイトルだったので、ウラジオストクへ行かれるのかな?と思ってしまいました。
(笑)「面白さのしきい値は能動的に超えるもの。」とは、素敵な言葉ですね!でも、その言葉を冒頭にもってこられた彼女は偉いですね。クオリア日記をしっかりと読んでいらっしゃる。そして「顔の表情」、何だかどれも面白そうな研究内容だと思いました。傍聴したい気分です。
(笑)それから「contingencyの問題とは?」と思い、検索していると
研究室の野澤さんのブログへ。茂木さんの「神津島」でのお話を聴くことができました。とってもわかりやすくて、私の頭にはす~っと入ってきましたが、これは茂木さんがおっしゃるように日本語になりにくいというのも何となく、どう説明すればよいのか?と思えるようなことですね?!要するに「社会性との関係、他者との関係性において予期できることとできないことが混ざっている状態」で、これはある程度、人生を送ってきた人や若い方でも様々なアクシデントや予期せぬ出来事を経験した人でないとピン!とこないことなのかも???と思いましたが・・
・。何だか茂木さんの授業を受けた気分。(笑)野澤さんという方は、とてもピュアな方だと想像できました。もちろん、褒め言葉です!真っ直ぐな気持ちで研究をされている若い方々とご一緒で、茂木さんは楽しそうだなぁ~!と思いました。茂木さんの「三種の神器」って、残るひとつは心の中に閉まっているものなのですか?茂木さんの美しい心を私は想像できました。軽井沢は素敵な所ですね。あの辺りは少し車を走らせると温泉もたくさんあって、私も大好きな場所です。お友達の「声」
。親しい人や好きな人の声を聞くと確かにほっとできますね。茂木さんの音声ファイルはいつも楽しく聴かせていただいています。ほっとできるというよりも考えながら、結構、シリアスに伺っている感じですが、
そのお話の内容や意図がわかるとほっといたします。(笑)今日は、金沢でイベントですね。どうぞ、佳き一日となりますように!

投稿: | 2008/10/04 11:06:09

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