2008/09/30
プロフェッショナル アンコール 田村恵子
プロフェッショナル 仕事の流儀
圧倒的な反響にお応えして、
アンコール放送いたします。
希望は、必ず見つかる
~ がん看護専門看護師・田村恵子 ~
人間は、いつかは死ななければならない。
その事実を現代文明はできるだけ
隠そうとしている。
ところが、真実に向き合わない時、
人間の心は弱くなってしまう。
生きる力さえ、失われてしまうのだ。
田村さんは、患者さんたちが真実に
向き合うことの手助けをする。
そこにあるのは、人間というものの
中に潜んでいた荘厳な生き方の
可能性である。
NHK総合
2008年9月30日(火)22:00〜22:45
http://www.nhk.or.jp/professional/
すみきち&スタッフブログ
Nikkei BP online 記事
真実を直視する覚悟
〜がん看護専門看護師 田村恵子〜(produced and written by 渡辺和博(日経BP))
プロフェッショナル日記 涙の収録
9月 30, 2008 at 06:59 午前 | Permalink
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空と私がつながっている
美しい人とalpha maleはどちらも
他者を必要とするが、その成り立ちが
違う。
美というものは他者に見られることを
前提とするが、その「他者」は
どんどん遠方に退いていって、
ついには「神」となることも
できる。
私たちは、仮想の「神の視点」
を内在化して、自らを律する
ことができる。孤独な道を歩んで美しく
なることもできる。
一方、alpha maleは、絶対的に他者を
必要とする。
権力者は、もっとも他人依存的である。
この世に一人しかいないのに、威張り散らしている
というのはナンセンスである。
孤独を愛する人は、名誉や地位ではなく、
「美しさ」こそを自らの心の友と
すべきであろう。
講談社にて、アトムのグッズのコレクターの
井澤豊さんと対談。
「鉄腕アトム」が連載されたのは1950年代から1960年代。
アトムの誕生日は、2003年4月7日とされている。
手塚治虫さんは、数十年後には、人間のような
知性を持ったロボットが誕生すると思っていた
わけである。
あの頃の未来観は明るい。そして、時間の
進捗に関する感覚が速い。
今の研究者だったら、アトムのようなロボットが
できるのはいつか、100年後、200年後でも
到底無理だと考えるかもしれない。
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
「脳活用法スペシャル」のスタジオ
収録の打ち合わせ。
細田美和子さんがデスク。
観客の方を100名お迎えしての収録なので、
ディレクターも、生田聖子さん、
末次徹さん、大坪悦郎さんと三人が
揃った。
おいしそうにケーキを食べる生田聖子さん
有吉伸人さんと、山口佐知子さん
末次徹さん、住吉美紀さん、大坪悦郎さん
楽しい収録になりそうである。乞うご期待!
雨が降って、一気に秋らしくなった。
雨が降っても走る。近くの森を走る。
雨粒が身体に当たるたびに、一粒ごとに、
空と私がつながっているような
気がして。
普段都会で傘を差してしまうのが
もったいないような気がした。
9月 30, 2008 at 06:53 午前 | Permalink
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2008/09/29
感性の歴史
サンデー毎日
2008年10月12日号
茂木健一郎
歴史エッセイ
『文明の星時間』
第33回 感性の歴史
一部抜粋
青年の頃は、他と違うことに価値があると思っていたから、多くの人が口をそろえて「良い」と言うようなものはかえって軽んずる傾向があった。
絵画でも、一般的な人気があるものよりも、「おや」と首をひねるようなものを好んだ。たとえば、あるいは快楽に浸り、あるいは劫罰に苦しむ人々の群像を幻視的に描いたヒエロニムス・ボッシュの『快楽の園』。強烈な個性と尖った感性を示すこのような作品こそが、友人に対して胸を張って「ああいう絵が好きなんだよ」と自慢するにはふさわしく思えた。
一方、「印象派」の絵を愛しているなどと言うのは、「政治的に正しくない」と感じられた。クロード・モネや、ポール・セザンヌ、ピエール=オーギュスト・ルノアールといった印象派の画家たちの作品はそれこそ子どもから老人までの誰でもが「ああ、これは良い」「価値がある」と肯定する。そのような芸術は、自分が本気になって向き合うべきものではないと感じていた。
全文は「サンデー毎日」でお読みください。
http://www.mainichi.co.jp/syuppan/sunday/
9月 29, 2008 at 08:37 午前 | Permalink
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面白さのしきい値
ヨミウリ・ウィークリー
2008年10月12日号
(2008年9月29日発売)
茂木健一郎 脳から始まる 第122回
面白さのしきい値
抜粋
私の研究室では、大学院生たちが集まって、週に1、2回ゼミを行う。メンバーが研究の進捗状況を報告する他、それぞれが興味を持った論文を紹介する「ジャーナル・クラブ」をする。「ジャーナル・クラブ」はもともとイギリスで始まった慣習で、論文が掲載される雑誌(ジャーナル)をめぐる会合というような意味である。
論文を他人に紹介するということは、研究者として良いトレーニングになる。内容をきちんと把握していないと、他人に説明ができない。研究の方法やグラフのデータの解釈など、十分に理解していなければ、他人に自信を持って語ることができない。
だいたい、修士に入学してきた頃は、どんな人でも論文を読むのに一週間くらいはかかる。その分野のことを何も知らないし、専門用語を含む英語力も足りないからである。それが、場数を積み重ねて博士課程に進むうちに、徐々に速く読めるようになる。博士を修了する頃には、2、3時間あればだいたいのことはわかる。
全文は「ヨミウリ・ウィークリー」で。
http://info.yomiuri.co.jp/mag/yw/
9月 29, 2008 at 08:34 午前 | Permalink
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ATES 2008年11月号 特集「人生は笑いだ」
ATES 2008年11月号 特集「人生は笑いだ」
http://ates-web.jp/
和田京子さん、井上拓さんからのメールです。
Date: Wed, 24 Sep 2008
Subject: FW: ATES(アテス)9月24日(水)発売号のご案内!
From: kyoko wada
To: Ken Mogi
茂木健一郎さま
お世話になります。
先日、インタビューさせていただいた
雑誌『ATES』が本日発売です。
担当編集者から、
下記のような熱い、熱いメールが届きました。
転送させていただきますので、
もしよろしければブログ等で
ご紹介いただければと思っております。
掲載誌は、たぶん一両日中にお届けされると思います。
それでは、宜しくお願いいたします。
和田京子拝
------ Forwarded Message
From: 井上 拓
Date: Wed, 10 Sep 2008
To: 'kyoko wada'
Subject: ATES(アテス)9月24日(水)発売号のご案内!
関係者各位
すっかり秋の足音が聞こえてまいりました。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか?
————————————————————————
本日は、
株式会社 阪急コミュニケーションズ発行の
月刊誌 『ATES(アテス)』 最新号 のご案内です。
————————————————————————
9月24日(水)発売の11月号は、
なんと “笑い” の大特集です!
『不況のいまこそ、
人生は、笑いだ!』
出演者・豪華ラインアップ (※出演順)
★沢村一樹 ★世界のナベアツ ★バカリズム
★「着信御礼! ケータイ大喜利」のレジェンド・オオギリーガー
★木村祐一 ★ガッツ石松 ★ジャガー横田 ★ボビー・オロゴン
★日本お笑い学会 ★安齋肇
★茂木健一郎 ★吉本興業(NSC新卒) ★貫地谷しほり ★立川志の輔
★スネークマンショー(桑原茂一) ★高田文夫&高橋春男……etc.
* * * * * * * * * * * * *
世の中が不況になると、必ず笑いがブームになると言われます。
そして今まさに空前のお笑いブームです。
なぜ人々はこれほどまでに笑いを求めるのでしょうか?
かつて哲学者プラトンは言いました。
「笑いとは、不安や欲求不満の対応の一種である」と。
そうなんです。逆境を乗り越えるために人類が獲得してきた、
物事をポジティブに変換できる力。すなわち人類の叡智なのです。
21世紀、ソフトコンテンツの時代に突入し、
実社会における(のみならず)身近なコミュニケーションにおいても
この生きる技術(笑いのセンス)の重要性は、ますます高まってゆく一方です。
今月号のアテスでは、そんな笑いを2部構成で徹底特集します。
第1部では旬の俳優・沢村一樹、世界のナベアツなどの芸人らが豪華総出演。
七変化や誌上大喜利など、時代を映し出すユーモアを大いに楽しんでいただける内容
です。
そして第2部では、茂木健一郎による笑いと脳科学から、吉本興業の笑いのエリート
人材育成術、
伝説のコント“スネークマンショーの秘密”まで、笑いを多角的に紹介。
笑いを少しだけアカデミックに紐解きながら、その素晴らしき深奥へと誘います。
すべては不況の時代に漂う、この世界の閉塞感を打破するために……。
愛をも携えた「Laugh&Peace (ラフ&ピース)」を合言葉にしながら。
* * * * * * * * * * * *
今回、特集を担当した編集部・井上は、
元をただせばお笑い芸人でした。
笑いの世界での活動こそあきらめましたが、
編集者として働く今でも、
「人生にユーモアを」という思いは、
あの頃と何ひとつ変わっておりません。
辛く、悲しく、時に絶望的に感じられる殺伐とした世の中ですが、
ユーモアや笑いという名の生命力、生きる知恵で、
よりよい社会を築いていく必要性があるのだろうと考え続けております。
ろくでもなく、バカバカしくもあり、でも憎めず、愛おしい、ユーモアの効用によっ
て。
昨年、亡くなったアメリカの作家、カート・ヴォネガットの
遺作となったエッセイ集「国のない男」で以下のような一節があります。
「唯一わたしがやりたかったのは、人々に笑いという救いを与えることだ」。
そして、こうも綴っています。
「百年後、人類がまだ笑っていたら、わたしはきっとうれしいと思う」と。
アメリカという国について考え、挑み続けた偉大なる作家が
85歳の最後に辿りついた、ユーモア・笑いという、ひとつの答え。
まあここまでは、大上段にかまえずとも、
今回のアテスをご一読いただき(できればご購入のほどを)、
笑いやユーモアについて、ふとメタ認知(客観視)していただけると、
特集担当としては、これ以上になく本望でございます。
最後に、
脳科学者・茂木健一郎さんも今回のインタビューで
語っておりますが、
面白い男性はやっぱり女性にモテるらしいですよ。
最後の最後に、不純で本当にごめんなさい……。
* * * * * * * * * * * * *
全国の書店にて、9月24日(水)より発売いたします。
税込み価格 680円 です。
そして第2特集では、“安全で美味しいお米”を特集。
全国の美味しいお米を徹底網羅した内容です。保存版です。
笑い と お米 の2大特集。
何卒よろしくお願い申し上げます。
長々とメールでたいへん失礼いたしました。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
出版事業部 編集局
アテス編集部
井上 拓 拝
9月 29, 2008 at 08:30 午前 | Permalink
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仏壇
富山空港に若林忠嗣さんが迎えに
来てくださった。
森のゆめ市民大学の運営に関わっている
若林さんは、道路の電気や通信まわりの
お仕事をされている。
「ほら、あそこにも、カメラがあるでしょう。
今、道路の至るところにカメラがあって、
交通状況を把握したりしているんですよ。」
魚津市は、富山から新潟側にある。
北陸自動車道を走る車窓から、
立山の剣岳が見えてくる。
「ここはね、茂木さん、山が3000メートル
あるでしょう、富山湾は、小さく見えて、
深さが1000メートルある。全体で
4000メートル落ち込んでいるんですよ。
じゃあ、距離がどれくらいあるかというと
40キロメートルしかない。10分の1の
勾配ですね。」
「だからね、もし小学校が家よりも海側に
あると、行きは楽です。自転車など、時々
ブレーキをかけさえすれば自然に走って
いく。帰りは大変ですよ。ずーっと坂道が
続いていくんですから。お年寄りなんて、
スーパーに買い物に行って、自転車に乗って
いたらもう。」
会場で副学長の稲本正さん。
稲本さんは飛騨高山でオークヴィリッジという
工芸の会社を営まれていて、
元々は物理屋さんだという。
木琴が面白かった。
全て同じ長さなのだが、木の
種類によって密度が異なるので、
周波数の式に従い、
ドレミファソラシドが出るのである。
http://shop.oakv.co.jp/shopdetail/001004000001/
講演会を終える。
会場の一室で、スタッフのみなさんと
懇談。
みんなで記念撮影をした。
続いて、有志で、
魚津市の「満更」(まんざら)で懇談。
オキノジョロウがお皿の上に
ぴょこりん、ぴょこりんと並んだ。
魚津で仏壇店を営む五十嵐尚寛さんが
空港まで送って下さる。
「昔から、富山では、家を新築しても、
仏壇がないような家は、納屋と同じだと
言ったものなんですよ。」
と五十嵐さん。
「長男は家を継ぐとして、次男が分家するでしょう。
その時には、親が仏壇を買ってあげるというのが
習わしだったんですけどねえ。」
「最近は中国製の安い仏壇も増えてきて。ところが、
仏壇を供えるという風習は、日本にしかないん
ですよ。中国では売れない。困ったものです。」
五十嵐さんのお話を聞いていて思い出した。
祖父や祖母が生きていた頃、
朝ご飯が炊けると、小さな器に盛って
仏壇に供えていた。
お客さんがいらして、果物やお菓子をいただいた
時にも、まずは仏壇にお供えしていたっけ。
『生きて死ぬ私』に収められている「母と仏壇」
というエッセイのことを思い出した。
私が三十半ばで書いた文章である。
「ところがね、五十嵐さん、そのエッセイが本に
なってしばらくして、母親が、あんなこと
あったかねえ、とか言うんですよ。すっかり
忘れてしまっている。まったく、人間というものは」
五十嵐さんと富山空港で別れ、機上の人となった。
東京は雨が降っていた。短い時間で、異郷の地と、
そして過去へと旅をしたような気持ちになった。
******
「母と仏壇」
(茂木健一郎『生きて死ぬ私』(ちくま文庫)所収)
大学生だった頃のある日、私は夕食の席で、父親や母親と雑談をしていた。何かのきっかけで、話が墓参りの話になった。私は、自分が死んでも墓になど入れてくれなくても良いと言った。死んでしまえば、人間は無なのだから、墓などに入れても仕方がないと言った。そんなことのために、ただでさえ狭い日本の国土を使うのはナンセンスだと言った。だいたい、過去に死んだ日本人が、全員墓に埋められたら、どんなことになると思うのかと言った。ゴルフのために広い土地を使うのがナンセンスなのと同じように、墓などつくるのはナンセンスだと言った。
突然、母親が泣きだした。それまでに見たことがないくらい、激しく泣き出した。食卓となっていた掘り炬燵の横に寝転がって、人目もはばからず泣いた。父が慰めようとしても、耳に入らず、赤ん坊が火がついたように泣くようにないた。
泣きながら、母はこういった。
私が死んでも、私を墓に入れてくれない気だ。私が死んでも、墓参りにもこない気だ。
母の泣き方は、尋常ではなかった。そこには、何のためらいも、抑制もなかった。
私は、ひどく当惑していた。母が泣きだしてしまったことに、ショックを受けていた。そうなるとは、予想もしていなかったのだ。母を泣かせようと思ったのではなかった。母が、それほど激しい反応をするとは思わなかった。
それから2、3日は、きまりが悪いような、それでいてどこか温いような、変な気分だった。そこには、まだ結婚前の母の写真を見つけたような、母を一人の人間として再確認したような、奇妙な違和感と安堵感が同居していた。一方では、私は母を殴ったことなどなかったのに、言葉の暴力を振るってしまったのかという、後悔の念があった。私の言葉に、母をあれほど激しく泣かせるほどの力があるとは思っていなかった。
私は、人間は死んだら無だと思っている。つまり、時間の流れの中で、私という人間がもし死ぬ時が来たとしたら、その後には、私という人間の心を支えていた物質的基盤は全てなくなってしまい、それで終わりだということだ。いわゆる「死後の世界」というものがあるとは思わない。もちろん、人間の生と死がその中で展開される、時間の流れそのものについての理解が深まる余地はあるだろう。実は、誕生とともに生が始まり、死をもって生が終わるというストーリーが、不完全で浅はかな理解に過ぎなかったということになるかもしれない。だが、そのような根本的な時間観、死生観の変化がない限り、人間の願望とイマジネーションの作る安易な「死後の世界」などというものはないと思っている。生と死の真実は、もっと厳しいものであると思っている。そのような真実を見つめることによってこそ、人間は死を乗り越えられる可能性があると思っている。だから、私の死後私の骨を墓に入れようがどうしようが、それは私の死を思い出す人にとっての問題であって、私の一身には(その時は、そもそも私は存在していないのだから)関わりのないことだと思っている。そんなことを、母親にゆっくりと説明したら、ひょっとしたら母はわかってくれたかもしれない。墓に入れるなどということは意味のないことだと、納得してくれたかもしれない。
だが、そのような理屈は、目の前で母親が泣いているという状況の前では、何の力もなかった。ただ、私はどうしたら良いのかわからなくて、呆然としているだけだった。
それ以来、私は、時折実家に帰省した時には、仏壇に線香を上げるようになった。父母ともまだ健在なので、死んだ祖母、祖父のための線香だ。なぜ、そんなことをするのか、自分でもよくわからない。確とした宗教的な思いがあるのでもなく、どちらかと言えば儀式として面白がってやっている部分もある。確かなことは、線香を上げる私の心のかなりの部分は、祖母や祖父に対してではなく、私が線香を上げるのに気が付くかもしれない母や父に対して向けられているということだ。私の心の中には、あの日母を泣かせてしまったことに対する贖罪の気持ちがある。線香を上げている私の心の無意識の片隅に、あの日、茹でられた海老のように体を曲げて泣いていた母のイメージがあるのだ。そのイメージに対して、私は線香を上げている。
頭の中で考えることと、手で行うことは一致させなければならないという考え方がある。もし宗教を信じていないのならば、線香を上げたり、墓参りなどするなという考え方もあるだろう。また、線香や墓参りなどは習俗であり、宗教とは関係ないという考え方もあるだろう。坊主の唱えるお経は、呪文のようなもので、その意味をまじめにとらえても仕方がないという考え方もあるだろう。私が母に妥協したのも、一方では私の考えていることに対する裏切りだという見方もできるし、一方では、どちらでもいい習俗に従っているだけだという考え方もある。
人が人の死をどう悼むかということは、単なる習俗の問題でもあるし、死生観そのものに関わる問題でもある。最近になって、ロケットで宇宙に灰をまいてもらいたいという人が増えているのも、やはり、死生観の変化とは無縁ではないだろう。一方では、既成の習俗が、単なる惰性で継続されている側面もある。
私の母に関わらず、自分の墓のことになると真剣になる人はいるようだ。やはり、死に関することだけは、特別なのだ。人は、死生観にこだわる。私も、実は、自分の死生観にこだわっている。ただ、それが、墓に対するこだわりという形では現れないだけだ。死を前にして、人は、時には、茹でられた海老のように体を曲げて泣いたり、わめき散らしたり、むきになって怒りだしたりするのだろう。私も、自分の死生観に絡んで、人目をはばからずに泣く時が来るかもしれない。母には、あの時、私の前でそのような時が訪れた。母があのように激しく泣いたのは、おそらくあの時が始めてであり、これからもないのかもしれない。私も、一生に一度くらい、自分の死生観を人にためらわずに表出する時がくるのかもしれない。人は皆死ぬのであり、死には無関心ではいられないのだから。
*****
9月 29, 2008 at 08:20 午前 | Permalink
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2008/09/28
森のゆめ 市民大学
9月 28, 2008 at 10:07 午前 | Permalink
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2008/09/27
素敵なたくらみ
人類の文明を発達させたのは
「鏡」ではないかと思う。
自らのなすこと、生み出すこと。
それらの姿を「客観的」に見ることに
よって、修正する。分かち合う。
高めていく。
光学的鏡がすべてではない。
自らの言動を鏡に映してみない人は、
暗闇で化粧を塗りたくって
街を歩く人とと同じである。
自分の言葉、行動を目に見えぬ「心の鏡」
に映してみるかどうか。
その繰り返しで、長い年月が経つと
たいへんな差異が生じてしまう。
他人に違和を与えるのはもちろん、
なによりも自分が損をする。
経済産業省で、「今年の日本ロボット」大賞
の審査会。
委員長の三浦宏文先生にひさしぶりに
お目にかかり、挨拶する。
経産省前で、エンジン01の寺本千寿子さんに
ゲラをお渡しする。
浅草、花川戸の東京都立産業貿易センターで、
Mitsubishi Chemical Junior Designer Awardの審査会。
委員長の水野誠一さんを始め、多くの方々に
再会した。
次の移動まで少し時間があり、
浅草寺の境内を抜けて、田原町の
方に歩く。
大学から近かったので、浅草は本当に
よく歩いた。
「おしらさま」こと、塩谷賢とも
ぱあぱあといろんなことを喋りながら
いつまでもどこまでも歩いた。
あそこの喫茶店はあいつと入ったところだとか、
この舟和の店で芋ようかんをよく買ったとか、
そんなことを思い出した。
急いで終わらせなければ仕事があり、
それがちょうど所要時間30分くらいだったので、
「マウンテン」に入る。
浅草雷門通り。純喫茶マウンテン
せっかく「マウンテン」に入ったのだからと、
ブルーマウンテンを頼む。
店を出て、歩き始め、交差点待ちをしている
時にふと、「あの頃塩谷と議論していたことには、
本当に市場性がなかったなあ」
と思った。
どうにもこうにも、この世の中で、「商品」と
して売りようがない思想。
しかし、オレたちは真剣だった。純粋だった、
熱かった。
六本木で、桑原茂一さんに会う。
アスキーの対談のお仕事。
まじめに桑原さんと対談をするのは、
そういえば、初めてだっけ。
桑原さんのブログ、
「桑原茂一 Diary」
からは、茂一さんの肉声が聞こえてくる。
「鏡に映して最低限の身だしなみを整える!」
ことさえしない軽い言葉が電子ノイズ
のように行き交うウエブ砂漠の中で、
茂一さんの言葉は、「ああ、ここに
水があった」と小躍りしたくなるような、
そんないきいきとした感触に満ちている。
目の前にいる人と、心を込めて通わせる。
それは電子データにもならないし、
「今、ここ」で消えてしまうけれども、
その現場にしか、「生の実感」はない。
生まれては消えてしまうもの。絶えることの
ない「生前葬」。
世界中の人を笑わせる必要はないんだ。
ただ、目の前の大切な人が笑ってくれれば、
それでいい。
茂一さんと、素敵なたくらみを考えた。
9月 27, 2008 at 08:26 午前 | Permalink
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2008/09/26
イチケン展
帝国ホテルで取材。
総料理長の田中健一郎さんにお目にかかる。
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
にご出演いただき、その後調理場にて
料理法を取材させていただいて以来。
「田中さん!」
なつかしくて、思わず顔がほころんだ。
田中健一郎さんと
慶應大学大学院に入学する外国からの
大学院生たちの「合宿」でトーク。
彼らは日本に来たばかり。
シンガポールで会った
エイドリアン・チョックや、古川亨さん、
稲蔭正彦さんと再会。
古川さんは、自分で撮ったビル・ゲイツ、
私、そしてスティーヴ・ジョブズ
の写真を見せながら、
「ほら、トークする時には、皆同じような
手の動きになるんだよ!」
と解説してくださった。
こういうことを思いつく古川さんは、
本当に「すばらしい奇人」である!
NHK。『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の打ち合わせ。落語家の柳家小三治さんの
取材VTRを見る。
VTRを見る住吉美紀さん
土曜日に結婚する本間一成ディレクターは
「独身最後」の担当。
独身最後の仕事。
バックギャモンの大家、本間一成ディレクター。
VTRを見ながら、ふと振り向くと、
有吉伸人さんが気持ちよさそうに「落ちて」
いる。
ありきちさん、お疲れさまです!
思わず眠る有吉伸人さん
東京芸術大学 日本画第一研究室の
作品展「イチケン展2008」
の作品を見て、学生たちと議論する。
今年の幹事役の大竹寛子さんが呼んでくださった。
終了後、谷中の「もへい」で懇談。
齋藤典彦先生も参加。
柳川透、粟田大輔、それに植田工
も後から合流した。
青木健嗣クンが元気だった!
イチケン展は、9月28日まで
東京芸術大学のキャンパス内にある
陳列館で開催されています。
皆さん、ぜひお立ち寄りください。
http://www.geidai.ac.jp/labs/ichiken/
なすべき事が山積していて、
完全に「なだれ」を起こしている。
ああ、ぼくは、秋の野をゆく
キリギリスの気持ちがわかるよ。
それでも、たった一つの気づきが
あれば、その日は原初の太陽の輝きを
もってぼくを祝福してくれる。
9月 26, 2008 at 07:37 午前 | Permalink
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ウィリアム
2008年9月24日
外国特派員クラブにて、
イングリッシュ・エイジェンシーの
ウィリアム・ミラーさんと。
9月 26, 2008 at 07:22 午前 | Permalink
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2008/09/25
文化の汽水域
ソニーコンピュータサイエンス研究所にて、
脳科学研究グループの会合。
高野委未とisolationの研究について
議論。
高川華瑠奈と表情認知の研究について
議論。
田谷文彦と、神経経済学の問題について
議論。
有楽町の外国特派員クラブにて、
English AgencyのWilliam Millerさん、
澤潤蔵さんにお目にかかる。
大場葉子さんのアレンジ。
ウィリアム・ミラーさんは、
1979年の来日以来、
出版の仕事にずっとかかわって
きた。
「サッチャー政権ができたから、
英国を出て来たのさ」
と語るウィリアムさんは、
とてもチャーミングな方だった。
日本に来た時、文芸春秋や
新潮社などのさまざまな出版社への
手紙を書いて紹介してくれたのは、
遠藤周作さんだったという。
イギリスの音楽の話をしていて、
私が、「昔大英博物館に行ったら、
イギリスゆかりの歴代の作曲家の
作品原稿の展示があって、ヘンデルの次が
ビートルズだった」
と言うと、ウィリアムさんが
「少し自慢話になるけれども」
とあるパーティーの話をしてくれた。
会場で映画が上映されていて、それは
もう何度も見た作品だったので、
ウィリアムさんが外に出て
バーに行くと、そこにポール・マッカートニー
がいた。
二人ともワインが飲みたくて、しかし
グラスがもうなかったので、
一つのボトルからかわりばんこにラッパ飲み
したという。
シェークスピアの話を
していた時、ウィリアムさんが考え込むような
表情になった。
「シェークスピアの謎はね、あれだけ
キリスト教が支配的な時代に活躍していながら、
宗教的な題材が一個もないということなんだ。
人によっては、『テンペスト』がそうだと言うかも
しれないけれども、あれは、神がその支配を
解くという物語だからね。」
澤さん、ウィリアムさんにお目にかかったのは、
英語圏での出版をどのようにしていくか
という相談を兼ねて。
ウィリアムさんには「宿題」をいただいて、
またしばらく経ったらお目にかかることに
なった。
外国特派員クラブは独特の活気に満ちていて、
その中にいるだけで何かが入り込んでくる
ようだった。
文化の汽水域は、心をざわざわさせる。
9月 25, 2008 at 06:47 午前 | Permalink
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2008/09/24
ザ・ベストハウス123
ザ・ベストハウス123
フジテレビ系列
2008年9月24日(水)21時〜23時18分
http://wwwz.fujitv.co.jp/123/index2.html
番組表
9月 24, 2008 at 08:12 午前 | Permalink
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階段
あれはいつのことだったか、
おそらく、学部から大学院生に
行く頃だったと思うが、
世の中に「情報」として
流通していることが、
実は「真実」そのものではなく、
真実という軟体動物(それ自体は
得体の知れないものである)に
人々が張り付けて符丁のような
ものに過ぎないという
実感をはっきりと持ったことがあった。
精神の歴史において重要なのは、
案外そのような、抽象的で
ふわふわとした感触の階段を
登ることだったりする。
そのステップの上にいるか下に
いるかで、見えてくる風景が
異なる。
ふと西の空を見上げたら、きれいな
夕焼けになっていた。
一日に一度訪れる急速な変化は、
時間というものがその進行を止める
ことの難しいものであるという事実を
教えてくれる。
どんなに美しいと思っても、
留めることはできないし、
もし止まってしまえば、
やがてそれは美しいものではなくなって
しまう。
ダイヤモンドのような永遠の輝きでさえ、
私たちの限りある命が向き合うからこそ
美しく感じられるのである。
9月 24, 2008 at 08:01 午前 | Permalink
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2008/09/23
プロフェッショナル プロフェッショナルのレシピ
プロフェッショナル 仕事の流儀
食の秋スペシャル プロフェッショナルのレシピ
プロフェッショナルたちの、思わずうーんと
唸る凄いレシピを一挙公開します。
住吉美紀さんが、「寿司界の至宝」
小野二郎さん、そして「茶の匠」
前田文男さんのところに取材を敢行しました!
私は、「フレンチの天才」岸田周三さんに料理の
極意を学びました。
さらに、私と住吉美紀さんが公園で
ロケを敢行! まるでドラマのようなシーンの
中に、食と脳の関係を探ります!
これは見逃せない!
NHK総合
2008年9月23日(火)22:00〜22:45
http://www.nhk.or.jp/professional/
すみきち&スタッフブログ
Nikkei BP online 記事
「超一流の仕事脳 」(produced and written by 渡辺和博(日経BP))
9月 23, 2008 at 10:19 午前 | Permalink
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『ひらめきの導火線』4刷
茂木健一郎
『ひらめきの導火線』
PHP新書
は増刷(4刷、累計8万5000部)となりました。
ご愛読に感謝いたします。
PHP研究所の丹所千佳さんからのメールです。
Date: Mon, 22 Sep 2008
From: "丹所 千佳"
To: kenmogi
Subject: 増刷のおしらせ*ひらめきの導火線
茂木健一郎先生
増刷のおしらせです。
『ひらめきの導火線』は、
おかげさまで4刷が決定し、
累計85000部となりました。
ありがとうございます。
「明日世界が滅びるとしても、君は今日林檎の樹を植える」
とは開高健が好んで発した言葉だといいますが、
ここに顕れた強さと優しさ(二人称ゆえの)、
そして何よりも希望に、心打たれます。
本書でも「希望」や「可能性」への示唆を
数多く語り、記していただきました。
そのことが、読者の方々の「ハートに火をつける」
まさに発火点になれば、と願ってやみません。
PHP研究所 新書出版部
丹所千佳
amazon
9月 23, 2008 at 10:13 午前 | Permalink
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影絵
「自由」とは何かという問題は、
とても難しいことである。
「自由」とは、自分の行為に何らの
制約も加わらないことだと普通は考えられがち
である。
しかし、それは、自由であることの十分
条件ではない。もし、「ランダム」であること
が自由であるならば、それは容易に無意味に
落ちてしまう。
カントは、自分の内なる格率に従う
ことができることが「自由」だと
考えた。
だとすれば、それは、「制約」という
意味ではむしろ不自由にも思える。
しかし、そのような内なる格率に従う
ことこそが「自由」だと、今の私には
確かに思える。
やりたいこと、夢見ていることがある。
世間との交渉の中で、それができるとは限らぬ。
限らぬが、やはり、鋭敏に感じ取っていたい。
感じぬ状態が、「自由」とは思えぬ。
それは、一つの不感症であろう。
札幌から帰る。
フジテレビ「あいのり」のロケーション。
すばらしいセットの中で脳科学の解説をする。
ドライアイスがぶくぶくと煙を吐く。
三菱商事にて、「脳を活かす仕事術」
のお話をさせていただく。
参加者からガッツのオーラが感じられた。
「タイガージェットシン」の話をする。
凶器攻撃と場外乱闘。
帰り道、ふと見上げると、一軒の家の
窓が素敵だった。
小学校の頃、セロハンを使って影絵をつくるのが
好きだった。
内なる格率は、きっとメルヘンと同じところに
故郷を持っている。
それは魂の「影絵」なのだ。
夜の道を歩き、ふと見上げて目に入った光景。
9月 23, 2008 at 09:46 午前 | Permalink
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2008/09/22
「若き蛮勇」賞
研究室の野澤真一は、日本心理学会の
ワークショップに来て、質疑応答の
時に堂々と真っ先に発言していた。
しかも、彼の発言が活発な議論を
喚起して、ワークショップが
盛り上がった。
野澤真一クンはとても偉かったので、
ここに、「若き蛮勇」賞を贈り、
表彰します。
今年の冬、研究室のゼミで発表する野澤真一君
(資料写真)
9月 22, 2008 at 08:54 午前 | Permalink
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朝のふくろう
サンデー毎日
2008年10月5日号
茂木健一郎
歴史エッセイ
『文明の星時間』
第32回 朝のふくろう
一部抜粋
私たちが生きつつあるこの時代において、人類の歴史はどのような方向に進もうとしているのであろうか。ヘーゲル自身の「(智恵を象徴する)ミネルヴァのふくろうは夕刻に飛び立つ」という言葉が示すように、現に進行している事態をいち早く理解するのは容易なことではない。
インターネットが世界にインパクトを与え始めてほぼ10年。ネットが社会に与える構造変化は、今まさに進行中である。ネットを歴史の中に位置付けるにはまだ早いが、そのマクロな帰結の行く末は、徐々に見え始めてきた。
全文は「サンデー毎日」でお読みください。
http://www.mainichi.co.jp/syuppan/sunday/
9月 22, 2008 at 08:12 午前 | Permalink
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A+Bが全く異なるCになる
日本心理学会に出席するため
札幌に来る。
北海道大学には
たびたび来ているが、
ここのところ、ゆったりとポプラ並木を歩く
というようなことがなかった。
数年前の台風で、半数くらいが
倒れてしまって、今再生の途上にある。
初めて北大に来た時、生協食堂の
周辺の芝生でみな思い思いに
座って食事をしている様子が
素敵だった。
ワークショップに先立ち、
デモやポスター会場を回る。
いくつか、有益な情報を得ることができた。
ワークショップ
「社会性の定義をめぐって」
は、北海道大学の室橋春光先生が
企画者となり、玉川大学の高橋英之くんが
いろいろと駆け回って実現した。
社会的知性の研究は、面白いフェーズに
来ていることを実感する。
このところ、ずっとメタファーとしての
鏡のことを考えていて、
とくに、自分の生き方を鏡に映して
よくよく見てみることが大切だと
思う。
ちょっと引いた場所から来し方を
ふりかえり、行く末を思い、
その時浮かび上がる姿をどう感じるか。
北海道大学の豊巻敦人クンが、
「スープカレーならばここですよ!」
とPICANTEという店に連れていって
くれた。
子どもの頃、家で作ったカレーを
二日目になると、たくさん水を入れて
スープのようにして飲むのが好きだった。
スープカレーとはそのようなものかと
想像していたが、実際には違っていた。
スープはスープとしてダシが良くとれて
いて美味しく、そこにカレーのスパイスが
入っている。そして具だくさんである。
A+Bが全く異なるCになるという、
クオリアの加法の一般原則を確認したのである。
9月 22, 2008 at 07:59 午前 | Permalink
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2008/09/21
アルキメデスの支点
ヨミウリ・ウィークリー
2008年10月5日号
(2008年9月22日発売)
茂木健一郎 脳から始まる 第121回
アルキメデスの支点
抜粋
高校の時の世界史の先生は、あまり教科書を使わずに、御自身が編集された資料で解説していた。微に入り細に入り、まるで大河ドラマのように時代の流れを活き活きと映し出す、その語り口にとても人気があった。
春に古代ギリシャやローマから始めて、秋が深まる頃には近代に至る。好きなテーマになると、授業にも力が入った。アメリカの南北戦争についての授業をしている時には、小説『風とともに去りぬ』の話をうれしそうにされていた。南軍が破れたことはある意味では歴史的な必然であったとはいえ、それとともにそれまでの文化が「風とともに」去っていってしまったことに対する愛惜の念を語った時の先生の表情が忘れられない。もう三十年近く前のことなのに今でも鮮明に覚えているのは、あたかも「歴史の魂」に触れたような思いがしたからであろう。
全文は「ヨミウリ・ウィークリー」で。
http://info.yomiuri.co.jp/mag/yw/
9月 21, 2008 at 06:54 午前 | Permalink
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感動
うかつに
気付いていないことは
時々ある。
知った時に、「ああ、これこそ
本質だ」と雷に打たれたように
なる。
バッハ『マタイ受難曲』。
ペテロが囚われたキリストを
二回「知らない」と言って、
そのあとニワトリが鳴いて、
キリストが、「あなたはニワトリが
鳴く前に私のことを二度否認する
だろう」と予言したことを思い出して
泣いた、という場面と、
その後の「神よ哀れみたまえ」のアリアは
奇跡的に美しい。
ずっと聴いていたが、関連して
聖書の中の重要なことを読み落として
いたことに一ヶ月くらい前に気付いた。
当時の慣習では、毎日民衆が一人の
囚人を選んで許すことができた。
ピラトは、ひそかに民衆がキリストを
選ぶだろうと考えたが、
実際には人々はそうせず、むしろキリストを
磔にしろと叫ぶ。
つまり、キリストを死に至らしめたのは
最終的には民衆である。
それを認識した時に、「ああ、ここに
こそ本質がある」と感じた。
イスラエルに行って、キリストの
話を倉田宝郎さんと
していた時に、私が上のことを言うと、
倉田さんは、「イエスが助かるチャンスは
二度あったんですよね。」と言う。
もう一度は、「お前が神の子だと言っている
ことを撤回すれば、許す」と言われたのに、
キリストはあくまでも「自分は神の子である」
と主張し通したこと。
それを聞いた時、「ああ、ここに本質がある」
と再び感じた。
どちらも、心の動揺はほんの一瞬のことで、
それから折りに触れ思い出してみるものの、
こうして初めて文字として定着させた。
どんな分野のことであれ、そのような
「気づき」が、アインシュタインの言う
「感動しない人は生きていないのと
同じである」の「感動」を支えてくれる。
お台場のフジテレビで
『ベストハウス123』の収録。
リョウさんの言葉に、YOUさんが
笑ってはまってしまって、大笑いの
収録となった。
朝倉千代子さんは小松純也さんと
新番組『エチカの鏡』を立ち上げたとの
こと。
働く人は、本当によく働いている。
9月 21, 2008 at 06:50 午前 | Permalink
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2008/09/20
ホメオスタシス
PHP研究所にて、読売新聞、
夕刊フジの取材。
Tokyo FMにて、鈴木おさむさんと
木夏リオさんの「よんぱち」に
おじゃまする。
ソニーコンピュータサイエンス研究所にて、
脳科学研究グループの会合。
高川華瑠奈が、emotional contagionについて、
顔のcorrugator muscle 及び
zygomaticus muscleの反応についての
論文をレビューする。
東京ガス南麻布研修所にて、
日本化学工学会のシンポジウムで
お話する。
創造性の脳内機構について。
朝日カルチャーセンター。
指揮者の佐渡裕さんと対談。
佐渡さんとは、佐渡さんが司会をされている
『題名のない音楽会』の収録におじゃまして
以来。
小学校5年の時に、佐渡さんは、
「将来ベルリンフィルの指揮をする」
と夢を書いたという。
ぼくも、ちょうど同じくらいの時に、
「将来はアインシュタインのような科学革命を
するのだ」という夢を抱いた。
精神運動の強度は、結局はホメオスタシスだ。
佐渡さんには、同級生のようなシンパシーを
感じる。
朝走っていると、涼しさを感じる季節に
なった。
秋の青い空に赤い柿がなっている
風景を見てみたい。
9月 20, 2008 at 10:19 午前 | Permalink
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2008/09/19
<対談>人生のすべてが音楽だ!
<対談>人生のすべてが音楽だ!
佐渡裕、茂木健一郎
朝日カルチャーセンター 新宿教室
2008年9月19日(金)18時30分〜20時30分
詳細
9月 19, 2008 at 08:27 午前 | Permalink
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感涙にむせぶ大坪悦郎
電通の佐々木厚さん、
集英社新書の鯉沼広行さん、
ライターの和田京子さん。
顔の話をする。
美とアルファー・メイルについて。
NHK出版に、大場旦さんを訪ねる。
(左から)大場旦さん、和田京子さん、鯉沼広行さん、佐々木厚さん
昼食はそば。イェルサレムは遠くなりにけり。
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の収録。
ゲストは、上野動物園飼育員の
細田孝久さん。
本当におもしろい方だった!
最後に、「アイアイ」がものを食べる
マネをした時には、住吉美紀さんと
一緒に大笑いしてしまった。
大坪悦郎さんが『クローズアップ現代』
に移籍する前、『プロフェッショナル 仕事の流儀』班での最後の仕事。
収録を前に、102スタジオ前で、
男大坪、込み上げる感激を押さえきれない。
最後の収録。102スタジオの前で、
感涙にむせぶ大坪悦郎さん
無事収録を終え、ゲストの細田さんと
記念撮影。
フロアディレクターの宮崎さんの
カメラさばきは確かなもので、
二枚目のショットには撮影する
さっちんこと山口佐知子さんの
姿がきちんととらえられていた。
NHK近くの「二合目」で細田孝久さんを
囲んで打ち上げ。
収録を終えほっとしたのか、大坪悦郎さんの
顔が男気に満ちる。
細田さんの話は相変わらず面白く、
住吉美紀(すみきち)さんはケタケタ笑った。
隣で有吉伸人(ありきち)さんも
「これから試写なんだよ〜」
と言いながら、ニコニコしていた。
グッド・ジョブ。大坪悦郎
すみきちと細田さん。
すみきちとありきち
ここのところ、相対性理論の本を
読んでいて、
同時性のずれが気になるようになった。
原点回帰である。
9月 19, 2008 at 08:23 午前 | Permalink
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2008/09/18
懐かしい年への手紙
空港からNHKに向かっていると、
柴田周平デスクから電話が
あった。
「茂木さん、お弁当どうします?」
皆さんが食べるならば、ぼくも
一緒に、と答えて、10階の
社会情報番組の部屋に上がっていくと、
サンドウィッチがいくつか机の
上に置いてあった。
「お弁当、終わっていたんですよ。」
「これ、自動販売機のやつでしょ!」
サンドウィッチもおいしそうだった
けれども、
有吉伸人さんが、「五食に行きますか」
というので、第五食堂に行って、
海鮮ちらしを食べた。
サンドウィッチは、柴田デスクが
食べた。
折しも、五食には編集中の荒川格さんと
渦波亜朱佳さんがいらして
となりに座る。
「イスラエルで思い出しましたが、
ぼくの大学時代の卒論はフランクフルト学派
なんですよ。」
有吉さんは、京都大学の社会学科の卒業である。
「卒論が合格する条件は、30枚以上
書くことだけで、というのはあくまでも
噂なのですが、ぼくらよりも何年か前に
不合格になった学生が、29枚しか書いて
いなかったからで。」
「口頭試問があって、二時間ずっと
いじめられるのです。ぼくは下を向いて
ひたすら耐え抜いていましたが。何を質問
されたのか、全く覚えていないのですが、
ただ一つ覚えているのが、君は
これをどれくらいの時間をかけて書きましたか
という質問で、一ヶ月です、と答えたら、
そうでしょうねえ、と教授がため息をついたのは
おぼえています。」
「われわれ、(劇団)卒塔婆小町の人間は、
当時必修単位が一番少なかった社会学科に
行く人間が多かったんですねえ。」
「ぼくの一つ前に口頭試問を受けた
女性は、泣きながら出て来ましたよ。
いわば、一つの、通過儀礼ですね。今思うと。」
打ち合わせ室に戻る。
九州は五島列島出身の大坪悦郎ディレクターが、
この度、『クローズアップ現代』班に
移籍することになった。
大坪さんは、
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
では最後の仕事。
さびしい。
男の中の男、がつんと一発、大坪悦郎。
(「NHK100人メッセージ」で熱く語る
大坪悦郎さん
http://www.nhk.or.jp/saiyo/message/01/01.html)
ゲストは、上野動物園飼育員の
細田孝久さん。
細田孝久さん
画面からも、その温かいお人柄が伝わってくる
細田さん。
横顔が、プロフェッショナルのデスクを
長らくつとめ、名古屋放送局へ赴任して
いった「タカさん」こと、山本隆之さんに
とても似ている。
細田孝久さん
山本隆之さん
(タカさんの写真特集
2008年6月13日 クオリア日記)
心の中に、「懐かしい年への手紙」
が出来上がった。
9月 18, 2008 at 08:43 午前 | Permalink
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脳を活かす仕事術 2刷
PHP研究所
『脳を活かす仕事術』は
増刷(2刷、累計13万部)となりました。
ご愛読に感謝いたします。
PHP研究所の木南勇二さんからの
メールです。
Date: Tue, 16 Sep
From: "木南 勇二"
To: "Ken Mogi"
Subject: 脳を活かす仕事術 累計13万部となりました【PHP木南】
茂木健一郎先生
いつも大変お世話になります。
イスラエルはいかがでしょうか?
土曜日の『世界一受けたい授業』収録の前振りの
踊り、感銘致しました!
また『脳を活かす仕事術』の出足は大変よく
おかげさまで2刷5万部が決定し、累計13万部となりましたので
ご報告申し上げます。
ご帰国されてからもよろしくお願いいたします。
木南拝
amazon
9月 18, 2008 at 08:14 午前 | Permalink
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縄文の浄化
サンデー毎日
2008年9月28日号
茂木健一郎
歴史エッセイ
『文明の星時間』
第31回 縄文の浄化
一部抜粋
小学校の頃、自転車で時々出かける蝶が舞い飛ぶ森があった。ある時、友だちとふらふらと歩いていると、赤土がむき出しになっている広場があった。足下を見ると、土器のかけらがある。たちまち「あそこには遺跡がある」と仲間うちで噂になった。
それらのものは、大地の下にどれくらいの間埋まっていたのだろうか。年月を経て、今や太陽からの放射にさらされた器のかけらたち。ふしぎな原初の光を放っていて、私たちを夢中にさせた。
全文は「サンデー毎日」でお読みください。
http://www.mainichi.co.jp/syuppan/sunday/
9月 18, 2008 at 08:09 午前 | Permalink
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蝶の道、人の道
ヨミウリ・ウィークリー
2008年9月28日号
(2008年9月13日発売)
茂木健一郎 脳から始まる 第120回
蝶の道、人の道
抜粋
人生も半ばに至り、振り返って、それぞれの人の好む「道」のありさまは、本当に面白いとしみじみ思う。何かの時にどちらを選択するかということに、その人の性質が表れる。長い間には、生存にとっての有利不利の効果も蓄積される。もちろん、そう簡単に何が正解か、最適かなどとわからないからこそ、人生の道筋は面白い。
蝶たちが短い夏を懸命に道を選んで飛んでいるように、人間もまた、生きるルートを直感と目論見に従って選んでいる。蝶の命が短く儚いのと同じように、人間の生もまた容易なことではない。
全文は「ヨミウリ・ウィークリー」で。
http://info.yomiuri.co.jp/mag/yw/
9月 18, 2008 at 07:58 午前 | Permalink
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2008/09/17
密かに息づいている
成田に帰国しました。
ビデオ・オン・ディマンドのOSが不調で、
係の人が何回か
リブートしていましたが、
直らず、
みな諦めて眠っていました。
「Windows CE」
とブートの画面にありました。
ぼくも映画を観るのは諦めて、
眠りました。
ジャイアント・ロボが出てきて、
空で闘っています。
ジャイアント・ロボがびゅんと
上昇する空が、物理的な空間とは
異なっていて、ああ、そうか、
あそこに行くと、別のものの気配を
帯びるんだなと、その哀しい風情に
心を奪われているうちに、目が覚めました。
飛行機が映画をやってくれないので、
代わりに自分の脳でつくろうとしたのでしょう。
それから、ため息を一つついて、
案外元気に、仕事をしました。
のどが乾いたので、ズボンの中に
入っていて忘れていたフリスクを
なめました。
久しぶりの成田は、なんというか
空気がしっとりと濡れていて、
砂漠と比べると、全体が水で
うるおっているようです。
石渡健文さんが手配してくださって
いたロケバスで、皆でマガジンハウス
に向かっています。石渡さん、
橋本麻里さん、森本美絵さんは
そこで降りるのですが、
私はそのままNHKに向かって、
打ち合わせをするのです。
聖地の余韻を、日常があっという間に
覆い隠してしまいました。
それでもまだ、常若な何かが
密かに息づいているようにも
思えるのです。
9月 17, 2008 at 07:41 午後 | Permalink
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スパイシーじゃないのがいいんだ。
パリにてトランジット中。
テル・アヴィヴからの飛行機で
隣りだったのが、黒服や黒い帽子を
被った「正統派教徒」の人だったので
大いに興味を持った。
帽子や黒服は脱いで荷物の
所に置いていた。
中には白い布を着ていた。
ヘブライ語で書かれた分厚い本を
熱心に読む一方で、
雑誌を取りにいったり、
Indiana Jonesの映画を見たりしていた。
そのうちに、
フライトアテンダントの人に
トマト・ジュースを頼んだ。
「これはスパイシーか?」
と聞いている。
アテンダントの人が、塩と胡椒を
取りに行って戻ってくると、
すでにトマト・ジュースをカップに
空けていて、
「うん、これでだいじょうぶ。
スパイシーじゃないのがいいんだ。」
ともう飲み始めていた。
なぜかチャーミングな正統派教徒の
人なのだった。
9月 17, 2008 at 06:07 午前 | Permalink
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2008/09/16
空港
テル・アヴィヴの
ベン・グリオン空港へ。
もう少しすると、飛行機に乗って
パリ経由で帰ります。
短い時間だったけれども、
多くのインスピレーションを得ました。
9月 16, 2008 at 11:22 午後 | Permalink
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プロフェッショナル 仕事の流儀
本日の『プロフェッショナル 仕事の流儀』は
大腸内視鏡医の工藤進英 さんをゲストにお迎えして
命の大切さについて考えます。
みなさん是非ご覧ください!
http://www.nhk.or.jp/professional/schedule/index.html
9月 16, 2008 at 02:12 午後 | Permalink
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トークセッション「脳科学者と見る、感じる、中世の文化」
トークセッション「脳科学者と見る、感じる、中世の文化」
日時:9月27日(土)14:00〜16:30
会場:東京美術倶楽部4F 東美アートフォーラム
特別ゲスト:茂木健一郎(脳科学者)
パネリスト:今泉淑夫(東京大学名誉教授)
島尾 新(多摩美術大学教授)
高橋範子(正木美術館主席学芸員)
(事前申込み制)
中世の美について熱く語り合います!
詳細
http://masaki.exh.jp/program.html
9月 16, 2008 at 02:09 午後 | Permalink
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立ち去り難し。
9月 16, 2008 at 01:14 午後 | Permalink
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2008/09/15
「すべては統一されなければならない」
トランジットの待ち時間は数時間あり、
その間ずっと仕事をしていたら、
さすがに疲れてきた。
ずっと座っていたからだろう。
ぶつぶついいながら、歩き回る。
イェルサレムに行く飛行機に乗った
時はほっとした。
目が覚めると、窓から乾いた大地が
見えた。
写真家の森本美絵さんと一緒に
入国審査を受ける。
空港でブルータス・トリップの
石渡健文編集長、橋本麻里さん、
イスラエル在住15年で、現地事情に詳しい
倉田宝郎さんが待っていて下さった。
空港のあるテル・アヴィヴから
イェルサレムへの道を走る。
「一神教」という発明について考える。
ユダヤ教、キリスト教、そしてイスラム教は、
つまりは「旧約聖書」の中に記述された
「一神教」という思想的な装置に
基づいて発達した。
ユダヤの人たちの知的な卓越はきわめて顕著な
事実で、今でも、学会の至るところにユダヤ系の
人たちがいる。
アインシュタイン、マルクス、カフカ・・・
人類の知的な前進にユダヤの人たちが果たした
貢献は大きい。
「ユダヤの母親から生まれた、あるいは
正式にユダヤ教に改宗した」というHalachaの
定義による、ユダヤ系の人たちのノーベル賞
受賞者の数は、平和賞を除いて155名である。
生理医学賞 49名
化学賞 27名
経済学賞 23名
物理学賞 44名
文学賞 12名
http://www.science.co.il/nobel.asp
現在、全世界にユダヤ系の人たちは
約1300万人いて、そのうちの5百万人余りが
イスラエルに住んでいる。
http://en.wikipedia.org/wiki/Jew
人口一億余りの日本と比べても、ノーベル賞
を受けた人の数は余りにも多い。
宗教としての「一神教」と並んで、思想文化の
スタイルとしての「一神教」があるのではないか。
私が知っているユダヤ系の人たちと話している
時に感じるのは、強烈な知性の粘性と、
最後まで突きつめていこうという意志で、
やはりそこには「一神教」的な志向性を
感じざるを得ない。
アインシュタインが宇宙の法則の実在を
信じたように、
「すべては統一されなければならない」
という強い信念があるように思うのだ。
夜の到着。
旧市街で食事。
倉田さんに、イスラエルのさまざまな
面白い話をうかがった。
イェルサレム市街にて。家の上にかかる月。
ホテルからイェルサレム旧市街を望む。
9月 15, 2008 at 12:40 午後 | Permalink
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2008/09/14
パリでの早朝のトランジット
「インディアナ・ジョーンズ」
を見ながらご飯を食べた。
設定自体が、「政治的に正しくない」
のは仕方がないのだろう。
南米でハリソン・フォードたちを
襲う「原住民」たちと主人公は本来
対称なはずだが、それではハリウッド流
エンタテインメントは成り立たない。
脚本自体は、核実験でジョーンズが
冷蔵庫に隠れるところなど、
それなりにうまく描けていると
思った。
一眠りして起きると、日本時間で午前4時である。
まだこれしか経っていないのか、それにして
は頭が冴えて仕事ができそうだと思った。
偶有性の運動学について考えていて、
もう一度見ると、午前8時になっていた。
見間違えたのか、ぼんやりしている
間に4時間経ってしまったのか。
パリでの早朝のトランジットは慣れている。
電源を確保して、仕事を始める。
その前に、少しほっとしたくて、
エスプレッソを飲みながらHerald Tribuneを
読む。
アメリカの大統領選挙は、結局は
McCainが勝ってしまうのだろうか。
変化を信じるためには、人は適当に
愚かでなければならない。
愚かさの近くに賢さの生命があることを
忘れてしまっては人類は危うい。
たった一杯のオレンジジュースの中にも
宇宙があることよ。
9月 14, 2008 at 01:48 午後 | Permalink
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2008/09/13
イスラエル
さいたま芸術劇場にて、
児玉桃さんのピアノ、野平多美さんの解説で
メシアンのレクチャー・コンサート。
とても楽しいひとときだった。
日本テレビにて、『世界一受けたい授業』の
収録。
ジョイマンの高木晋哉さんと入場。
成田空港へ。
これから、パリ経由でイスラエルに行きます。
9月17日(水)の夜に帰ってまいります。
この間、メールはイレギュラーですが
読める予定です。
9月 13, 2008 at 09:17 午後 | Permalink
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『トゥープゥートゥーのすむエリー星』書評
9月 13, 2008 at 12:09 午後 | Permalink
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脳と音楽
Lecture Records
朝日カルチャーセンター講座
『脳と音楽』(さいしょの40分間)
2008年9月12日(土)
新宿住友ビル7F 朝日カルチャーセンター
音声ファイル(MP3, 35.8MB, 40分)
9月 13, 2008 at 10:18 午前 | Permalink
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「うまい」のパス回し
近所の森を走っていると、
ヤクルトを売る人がいた。
たくさん入った
カートを前に
木陰で休んでいる。
飲んでいるヤクルトがおいしそうだった。
一周して戻ってくると、まだ佇んで
飲んでいた。
ますますうまそうに思えた。
内田百閒はものがない時、
ごはんつぶをヨウジに刺して
それをあぶって醤油につけて
酒のつまみにしたそうだ。
うまいまずいは工夫しだいで
いかようにも変わる。
「うまい」のパス回しをもっと
工夫しよう。
ソニーコンピュータサイエンス研究所にて、
脳科学研究グループの会合。
柳川透がラットのbarrel cortexの2/3層の
神経細胞が、ラットがresting状態か、
あるいはwhiskerを使って探索行動を
している状態であるかに
応じて自発的活動状態を
変えるという論文を紹介する。
張キさんは、ラットの条件付けにおいて、
報酬をめぐる全体条件に対応する要素と、
具体的な報酬の性質に対応する要素を
分離した論文。
そして、星野英一は、
natural sceneを少しずつ断片的に
見せた時と、連続して提示した時で、
cumulativeなvisual memoryがほぼ
同じであるという不思議な論文を
紹介した。
ゼミをやっている最中に、
所眞理雄さんがいらした。
研究所
20周年の本について、お話する。
朝日カルチャーセンター。
「脳と音楽」第三回。
歴史における「大数の法則」
と「個人」の関係について論ず。
科学は統計的真理を追究しようとする。
しかし、往々にして、歴史を
動かすのはy=ax の上には
乗らない特異点である。
統計的傾向に回収されてしまうのか、
それとも異彩を放つか。
森の梢をキラキラと飛んでいる
ウラギンシジミがきれいだった。
9月 13, 2008 at 10:18 午前 | Permalink
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2008/09/12
かけ算した時に現れる
9月 12, 2008 at 09:25 午前 | Permalink
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朝日カルチャーセンター ー脳と音楽 08ー
朝日カルチャーセンター
「脳とこころを考える」
ー脳と音楽 08ー
第3回
2008年9月12日(金)
18時30分〜20時30分
東京新宿朝日カルチャーセンター
http://www.asahiculture-shinjuku.com/LES/detail.asp?CNO=28748&userflg=0
9月 12, 2008 at 08:31 午前 | Permalink
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メシアン・コンサート
2008年9月13日(土)14時〜
彩の国さいたま芸術劇場 音楽ホール
児玉桃 (トーク&ピアノ)
ナビゲーター: 野平多美 (作曲・音楽評論)
ゲスト: 茂木健一郎 (脳科学者)
http://kodama2008.com/concert_01.html
9月 12, 2008 at 08:30 午前 | Permalink
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雨が降るからこそ
品川のグランドプリンスホテル新高輪
にて、ソニーマーケティング株式会社
(SMOJ)の会でお話させて
いただく。
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の収録。
ゲストは工藤進英さん。
工藤さんは大腸がんの内視鏡による
診断、治療のパイオニア。
工藤さんのお話には、
荒野を切り開いてきた人ならではの
「楽観的な凄み」があった。
有吉伸人チーフプロデューサー
(ありきち)が、河瀬大作デスク(かわぼう)
とにこにこ笑っている。
「茂木さん、先日のブログに書いて
いただいた自転車の件なんですけどねえ。」
「ええ、ぼくのブログの読者でも、有吉
さんのファンがいて、ありよしさんが
チャレンジするのを楽しみにしているような
のです。」
「それなんですどねえ、実は、エントリーを
しようとしたら、もう締め切っていたんですよ。」
「えっ!」
「だから、今回のチャレンジはなしです!」
「なんと。残念!」
全国のありきちファンのみなさま、
もうしわけありません。
グランド・チャレンジは、今しばらく
お待ちください!
運動会の朝、張り切って起きてみると、
激しい雨が降っていて中止だとわかると、
落胆するとともに、どこかほっとする
気持ちもある。
「戦がある」と緊張感が高まっていた
兵士の、休戦の知らせを聞いた
時の思いもまた同じであろう。
ありきちさんの自転車競技には、
雨が降りました。
先日街で見かけた、かわいらしい植生。
壁の割れ目から緑が芽吹き、大きく
成長して花を咲かせる。
雨が降るからこそ、育まれる命もある。
9月 12, 2008 at 08:24 午前 | Permalink
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2008/09/11
日本再発見塾 in 最上
2008年10月4日、5日 山形県最上郡最上町
黛まどかさんが呼びかけ人となって
「日本再発見塾」が開催されます。
私も参加します。
みなさまおいでください!
http://www.e-janaika.com/mogami/index.html
9月 11, 2008 at 08:57 午前 | Permalink
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脳を活かす勉強法 34刷
茂木健一郎
『脳を活かす勉強法』
PHP研究所
は、重版(34刷、累計66万6000部)
が決まりました。
ご愛読に感謝いたします。
http://www.php.co.jp/bookstore/detail.php?isbn=978-4-569-69679-9
amazon
PHP研究所の木南勇二さんから
のメールです。
Date: Tue, 9 Sep 2008
From: "木南 勇二"
To: "茂木 健一郎"
Subject: 脳を活かす勉強法34刷と御礼【PHP木南】
茂木健一郎先生
いつも大変お世話になります。
昨日の紀伊国屋ホールでのご講演会、誠にありがとうございました。
サイン会にて茂木先生のサイン中、本に対して数々の噴火が起こり、
今までのサイン会で聞いたことがない、生命が躍動する
音が響き渡っていたのが、とても印象的でありました。
『脳を活かす仕事術〜「わかる」を「できる」に変える』は、
本日午後ぐらいから大型書店では並び始めるかと存じます。
画像を添付させていただきます。
また、『脳を活かす勉強法』は1万部増刷がかかり、
34刷66万6,000部となりましたので重ねて御礼申し上げます。
また、10月12日は、佐々木さんに確認しましたところ
14時ごろまでに東大本郷キャンパスにということでしたので
「報道2001」9時おわりで、その後弊社に移動しいくつか
紙媒体を入れさせていただければと思いますので
よろしくお願い申し上げます。
季節の変わり目、お身体にご自愛くださいませ。
木南拝
9月 11, 2008 at 08:50 午前 | Permalink
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『ひらめきの導火線』3刷
茂木健一郎
『ひらめきの導火線』ートヨタとノーベル賞ー
PHP新書
は増刷(3刷、累計8万部)となりました。
ご愛読に感謝いたします。
PHP研究所の丹所千佳さんからのメールです。
Date: Wed, 10 Sep 2008
From: "丹所 千佳"
To: "Ken Mogi"
Subject: 増刷のおしらせ[PHP・たんじょ]
茂木健一郎先生
おかげさまで、
『ひらめきの導火線』の重版が決定しました。
3刷で累計80000部です。ありがとうございます。
すでに寄せられている読者の声を見ていると、
この本自身が「種火」となっているように思えます。
それは何らかの「気づき」や一歩を踏み出す「勇気」、
あるいは文脈を引き受ける「覚悟」であったりと、
人によってさまざまではありますが。
。.・゜・.*。.・゜・.*。.・゜*
PHP研究所 新書出版部
丹所 千佳 ◆TANJO Chica◆
amazon
9月 11, 2008 at 06:23 午前 | Permalink
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「歴史」の驚異
クォンタム・リープにて、
出井伸之さんにお目にかかる。
幻冬舎の増田加奈子さん、
編集者でありライターの大場葉子さんも
同席。
出井さんは、相変わらず「世の中にこんなに元気な
人はいない」というくらい元気である。
森羅万象をひとまたぎ、発想が虹色の残像と
ともに天翔る。
クラブ関東での昼食は、ビーフカレーに
海老フライ一本という「出井方式」。
古代ローマの香りがした。
(左から)増田加奈子さん、私、出井伸之さん、
大場葉子さん
ソニーコンピュータサイエンス研究所にて、
脳科学研究グループの会合。
石川哲朗が記憶想起におけるtip of the tongue
とfeeling of knowingの脳活動の違いについての
論文、田辺史子が記憶のretrievalが定着に
どのような影響を与えるかということを
解析した論文を紹介する。
高野委未が研究構想を、張キさんが
EEGの解析のストラテジーを論じる。
ふむふむふむ。論文を検討する(左から)
野澤真一、加藤未希、関根崇泰。
大手町にて、ヨミウリ・ウィークリー
編集部の二居隆司さん、笠間亜紀子さん、
そして前編集長の川人献一さんに
お目にかかる。
二居さんが、野球焼けでこんがりと
していた。
セントラル・リーグのベテランの
審判員のようだった。
もう、夜の闇の底には秋の気配がある。
この季節にしかない、涼しさの感触。
何ごとも、ひとところには留まらない。
常に移ろいゆく。
何気ない日常の中にすでに、
大文字で書かれるべき「歴史」の驚異
がある。
9月 11, 2008 at 06:02 午前 | Permalink
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2008/09/10
ザ・ベストハウス123 世界のスゴい脳SP
ザ・ベストハウス123 世界のスゴい脳SP
フジレテレビ系列
2008年9月10日(水)21時〜21時54分
番組表
9月 10, 2008 at 07:41 午前 | Permalink
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『赤毛のアン』の二つの「奇蹟」
Lecture Records
茂木健一郎
『赤毛のアン』の二つの「奇蹟」
2008年9月9日
朝日カルチャーセンター新宿教室
レクチャーと質疑応答
音声ファイル(MP3, 106.4MB, 116分)
9月 10, 2008 at 07:40 午前 | Permalink
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希望をふくらませる技術
集英社にて、作家の佐藤賢一さんと
対談。
佐藤さんは、現在、フランス革命を
題材にした10作からなる
壮大な小説を構想し、執筆を進めて
いらっしゃる。
その最初の2冊が11月に刊行
されるということで、『青春と読書』
のためにお話することとなった。
現在は山形県鶴岡市に在住の
佐藤さん。
大学院修士課程に在学中に
小説を書き出し、研究をするかたわら
書き進める。
『王妃の離婚』で直木賞を受けられたのは、
周知の通り。
佐藤さんの歴史観をたいへん興味深いと
思った。
学問としていの歴史学は、個人の特性に
依存しない法則を導きだそうとするのだ
という。
フランス革命で言えば、ルイ16世、
ミラボー、ロベスピエールらがいて、
それぞれが強烈な個性を持っていた
ということは革命の帰趨には影響を
与えず、むしろ社会経済的な
「法則」が革命を必然化したのだとする。
それに対して、佐藤さんは、
小説というかたちで「個人」
を活写することで、歴史に人間を
取り戻そうとされているのである。
集英社にて、佐藤賢一さんと。
NHKにて、『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の打ち合わせ。
チーフプロデューサーの有吉伸人
さんは、デスクの河瀬大作さんと、
自転車レースに出ることを計画していると
いう。
「有吉さん、何キロ走るんですか?」
「170キロですよ。」
「えーっ。そんなに、本当に走れるんですか?」
「70キロまでは走ったことがあるから、
だいじょうぶですよ。」
「でも、自転車はアップダウンがあると
走るよりもむしろつらいでしょう。ふとももに
きますよ。」
「確かに、コースは峠越えでアップダウンが
はげしい。」
「70キロというのは、どんなコースだったん
ですか?」
「多摩川ですよ。」
「それって、フラットなんじゃないですか。」
「そうです、フラットです。」
有吉さん、本当にアップダウンの170キロ、
だいじょうぶかなあ。
みなさん、有吉さんの写真を見て考えて
ください!
自転車レースにチャレンジするという有吉伸人さん
「アトム」に関連するグッズの
コレクターとして著名な
井澤豊さんとお目にかかる。
井澤さんのコレクションのうち、いくつかを
見せていただく。
あの頃、未来のイメージは明るかった!
井澤さんと私の対談が収録された
本が、近日刊行される予定です!
井澤豊さんと。
朝日カルチャーセンターで、『赤毛のアン』
の話をする。
ぼくは最近未来への希望をふくらませる
技術について、大いに関心を持つに至った。
9月 10, 2008 at 07:32 午前 | Permalink
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2008/09/09
プロフェッショナル 山口富藏
プロフェッショナル 仕事の流儀
古都の雅(みやび)、菓子のこころ
~ 京菓子司・山口富藏 ~
昔、砂糖は貴重品だった。
甘みを味わえるという「僥倖」
を言祝ぐ。
それが京菓子の原点。
文化や歴史に根ざした、
「持続可能」な人と人との
行き交いのありよう。
日本に京都があって良かった。
山口富藏さんがいらして良かったと
思う。
そして、山口さんは、私のために
オリジナルの京菓子を作ってきて
下さったのだ!
NHK総合
2008年9月9日(火)22:00〜22:45
http://www.nhk.or.jp/professional/
すみきち&スタッフブログ
Nikkei BP online 記事
京菓子にみた低エネルギー消費社会へのヒント
〜京菓子司・山口富藏〜(produced and written by 渡辺和博(日経BP))
9月 9, 2008 at 08:21 午前 | Permalink
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脳を活かす仕事術
Lecture Records
茂木健一郎
脳を活かす仕事術ー「わかる」を「できる」に変わる
2008年9月8日
『脳を活かす仕事術』『ひらめきの導火線』刊行記念イベント
紀伊国屋ホール
レクチャーと質疑応答
音声ファイル(MP3, 87.6MB, 95分)
9月 9, 2008 at 07:54 午前 | Permalink
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ビッグイシューと社会
Lecture Records
茂木健一郎
ビッグイシューと社会
2008年9月7日
『ビッグイシュー日本版』五周年記念イベント
明治大学リバティホール
レクチャーと質疑応答
音声ファイル(MP3, 54.5MB, 60分)
9月 9, 2008 at 07:54 午前 | Permalink
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「噴く火山」
雑誌アークarcの東郷禮子編集長と対談。
たいへんエネルギッシュな方。
築地の「kurosawa」は黒澤明監督ゆかりの店。
「乱」の絵コンテがあった。
紀伊国屋ホールにて、『脳を活かす仕事術』
及び『ひらめきの導火線』刊行記念トーク
脳を活かす仕事術ー「わかる」を「できる」に変える。
たくさんの方においでいただき、ありがとう
ございました。
終了後、100名の方にサインした。
思い立って、
「火山」の日。男の人には、
皆「噴く火山」を描いた。
このところ「火山」のメタファーが
好きになっているのは、
それだけ自分の上に広がる空が
大きく感じられているからだろう。
考えてみれば、世の中は隙間だらけじゃ
ないですか、諸君。
なかなか、閉塞している場合では
ありませんゾ。
打ち上げは焼き肉屋さん。
PHP研究所の横田紀彦さんの
気合いがいつもよりさらに入っていた。
いよいよ横田さんも噴火である。
9月 9, 2008 at 07:47 午前 | Permalink
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2008/09/08
篤姫の裏山
サンデー毎日
2008年9月21日号
茂木健一郎
歴史エッセイ
『文明の星時間』
第30回 篤姫の裏山
一部抜粋
全文は「サンデー毎日」でお読みください。
屋敷の横を抜け、裏山に登る道へと進む。急に気配が強まる。たくらみに満ちた静寂に包まれ、五感が鮮明に開かれていく。
邸宅から足を延ばせばすぐそこにある山。篤姫も、幕末の志士たちたちも、幾度となくこの山を登ったのではないか。
山に登ることで、胆力を鍛える。構想を育む。エベレストや富士山に比べれば小さいかもしれないが、そんなことは知ったことではない。大切な島津の殿様の山である。そう想えば、日本どころか宇宙の中心は「今、ここ」にこそある。
http://www.mainichi.co.jp/syuppan/sunday/
9月 8, 2008 at 09:16 午前 | Permalink
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脳を活かす仕事術
新宿セミナー @ Kinokuniya
『脳を活かす仕事術』、『ひらめきの導火線』(PHP研究所)
ダブル刊行記念
茂木健一郎講演会
脳を活かす仕事術 ─「わかる」を「できる」に変える―
2008年9月8日(月)19時〜
新宿・紀伊国屋ホール
http://www.kinokuniya.co.jp/01f/event/shinjukuseminar.htm
9月 8, 2008 at 09:04 午前 | Permalink
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秋になると
お台場メディアージュ内の
ソニー・エクスプロラ・サイエンス
http://www.sonyexplorascience.jp/
で9月23日まで開催中の
ソニーコンピュータサイエンス研究所
設立20周年記念Open Science展
http://www.sonyexplorascience.jp/kt080704_csl/
は、すばらしい作り込み。
インタラクティヴな展示も多数アリ。
ぜひ、みなさんいらしてください!
50名ほどの親子を前に、
脳の話をした。
かわいらしいダイスケくんが
大活躍。
積極的に手を上げて、問題に
答え、大数学者ガウスと
同じ発想をした君の将来は輝いている!
広報の菊池康子さんによると、
ダイスケくんは、その後しばらく
館内で遊んでいたとのこと。
ダイスケくん、また会おうね。
お茶の水にて、
ビッグイシュー日本版5周年と
100号を記念するイベント。
さまざまな困難にもかかわらず
ここまでビッグイッシューを引っ張って
きた水越葉子さん、佐野章二さん、
おめでとうございます。
そして、スタッフのみなさん、
販売員のみなさん、これからもがんばって
ください!
応援しています。
香山リカさん、大津和夫さんの
お話もたいへん刺激的なものでした。
最後に、
ロンドンから来日した
Ian MacArthurのスピーチが
良かった。
「なぜ、人はホームレスになるのでしょう?
ここにテーブルがあります。4本の足があります。
このうち、1本が折れても、まだテーブルは
立っています。
職を失う、酒やドラッグの依存症になる、
友人を失う、
病気になる。人生の不幸の一つだけが起こっても、
人はホームレスにはなりません。
しかし、テーブルの足が2本折れてしまったら、
もうだめです。
テーブルは倒れてしまい、自力では元に戻れない
のです。」
ここのところ、毎朝走っている。
秋になると、なんだか心が
そわそわして動き出す。
そのまぼろしを追いかけてどこまでも。
森の風情も次第に衣替えしてきた。
9月 8, 2008 at 08:58 午前 | Permalink
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2008/09/07
北島康介選手の闘争本能
ヨミウリ・ウィークリー
2008年9月21日号
(2008年9月8日発売)
茂木健一郎 脳から始まる 第119回
幕末の志士を彷彿とさせる
北島康介選手の闘争本能
抜粋
長州と薩摩の間の「薩長同盟」を結ぶために奔走し、明治維新の立役者の一人として評価される坂本龍馬。京都伏見の旅館、寺田屋に宿泊しているところを伏見奉行配下の者に襲撃され、あやうく逃れた「寺田屋事件」。かろうじて逃げたが、その際に左手を負傷した。
坂本龍馬は、大政奉還がなり、維新への道筋が敷かれた後の慶應3年(1867年)末に、京都の近江屋で襲撃され、ついに命を落とす。深手を負いながらも、最後まで果敢に抵抗したと伝えられる。
それまで何でもないのに突然「スイッチが入って」闘争本能むき出しになるという北島選手の生命力は、坂本龍馬を初めとする維新の志士の生き様につながる。
全文は「ヨミウリ・ウィークリー」で。
http://info.yomiuri.co.jp/mag/yw/
9月 7, 2008 at 08:10 午前 | Permalink
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ビッグ・イッシュー5周年
ビッグ・イッシュー5周年記念イベント
2008年9月7日(日)
13時30分〜
明治大学 リバティホール
茂木健一郎/香山リカ/大津和夫
http://www.bigissue.jp/news.html#london
9月 7, 2008 at 08:04 午前 | Permalink
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『好奇心』
ソニー・エクスプロラサイエンス
ソニーコンピュータサイエンス研究所
設立20周年記念企画展
『Open Science--研究するということ』
関連トーク
茂木健一郎
『好奇心』
2008年9月7日 11時15分〜12時
http://www.sonyexplorascience.jp/kt080818_meet/
9月 7, 2008 at 08:03 午前 | Permalink
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無精髭が伸びた分
生まれた時にはまるはだかなのに、
人生というものは過ごしている
うちにさまざまな文脈がしみついて
次第に精緻化していくものだ。
神津島の砂浜で、じっと海を
見ながら、どれくらい広大な無意識に
向き合えるかが勝負だと思った。
気配の良い島だった。民宿を含む
街並みのなんのへんてつもない通りを
行くだけでも、ひだにしみ入るような
幸福感が漂ってくる。
神社に行くと、祈りのかたちなのだろうか、
石が静かに置かれていた。
それは光をあつめる装置のようでもあり、
静寂を測る計測器のようでもあった。
ぼくは、ああいうところは、
とてつもなく好きだなあ。
天上山に登ると、ミストに包まれて、
その中でたましいが本当にのびのびと
するように感じた。
下山して、霧が晴れて太陽が
戻ってきたとき、もらしたため息は
何に由来するのだろう。
関根崇泰と、高速船の中で
身体における時空間表象の話をした。
石川哲朗と、砂浜にいっぱい図を書きながら、
ひらめきの瞬間に脳の中で起こっている
プロセスのモデル化の話をした。
野澤真一がクラゲに刺された。あちちちち。
箆伊智充もやられた。付き合いのいいやつだ。
無精髭が伸びた分だけ、世間のしがらみ
というやつから離れて、自分の芯を見つめる
ことができた。
普段投げ込まれている狂気の性質も、
少しは見きわめられた。
心に決めたことはいくつかあるが、
きっと日常の中で純粋さは失われて
いくのであろう。
帰りの船からトビウオが見えた。
伊豆半島の上にかかる夕方の太陽が、
本当にうつくしいと思った。
あまりにもきれいなので、
カメラのような人工的装置を介在させる
気力を失った。
奇蹟なんて、至るところにあふれている。
ただ、それに気付くためには、ちょっとした
魂の技術と、文脈から解きほぐされる勇気が
いる。
9月 7, 2008 at 07:59 午前 | Permalink
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2008/09/05
神津島
9月 5, 2008 at 01:50 午後 | Permalink
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2008/09/04
空白をつくることもまた
朝、鏡に向かってときどき
ふしぎに思うのは、電気カミソリでは
切れないようなそりのこしのひげが
見つかることだ。
長くて、くるくる巻いている。
そこまで成長するまでには、当然
途中の段階があったはずだが、
顔のその場所に一向に記憶がない。
いわば「雨後のタケノコ」のように
突然そこに出現したような印象がある。
そりのこしのひげは忍者である。
私の不注意が、それを見逃してしまう。
思うに、さいしょのうちは顔面に垂直に
立っていて、気付かないのだろう。
一定の長さになって、くるくると巻いて
初めてコントラストで気付く。
先日、メイクの人に「トリマー 」が
ついたひげそりだったら大丈夫ですと
教えてもらった。
私が使っているのはコンビニで買った
安物である。
慶應大学湘南藤沢キャンパスにて、
FIT2008(情報科学技術フォーラム)の
シンポジウム。
『これでいいのか,ユビキタス
-今後のユビキタスコンピューティングの研究を考える-』
はこだて未来大学の中島秀之さんが
オーガナイズして、
東京電機大学の戸辺義人さんが司会。
国立情報学研究所の佐藤一郎さん、
慶應大学の武山政直さん、
慶應大学の徳田英幸さん、
それに私が話した。
私は『脳に学ぶ遇有性の設計原理』
というテーマで。
科学や技術の未来に希望はあるか。
文明はどこに私たちをつれていくか?
私は、この生において幸せになれるか。
希望というものは、ある程度の知性が
なければなりたたないが、一方で
知りすぎてもいけない。
不可視の大きな空白領域をいかに
確保し、ふくらませるかが「希望の技術」。
空白を埋めることとともに、
空白をつくることもまた
才能というものだから、この世はむつかしい。
9月 4, 2008 at 08:39 午前 | Permalink
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2008/09/03
脳活用法スペシャル 公開収録 観覧者募集
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
では、「脳活用法スペシャル」公開収録の
観覧者を募集しています。
渋谷のNHKのスタジオで、
番組収録に参加しませんか?
ご応募お待ちしています!
収録日時・場所
2008年10月2日(木)19時〜
NHK放送センター(渋谷区)
https://www.nhk.or.jp/professional/mail/mogi.html
9月 3, 2008 at 07:33 午前 | Permalink
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「モギー」と延ばす少数派
大手町の日経サイエンス編集部にて、
認知人類学がご専門の木村忠正さん
http://www.ne.jp/asahi/kiitos/tdms/hp.j.html
とお話しする。
たいへん興味深いお話だった。
日本人は、uncertainty avoidanceが
強く、そのために、enablerとしての
インターネットをうまく使いこなせて
いないという。
日記のような「私小説」的な使用が
主流になっているのが日本の現状である。
また、wikipediaなどを指標にとっても、
匿名による記入の割合が日本は
諸外国に比べて圧倒的に大きいのだという。
木村さんとは、暗黙知の部分で共感する
部分が多く、インターネットの話、
フィリピンにおける病気認知の研究など、
また機会があればいろいろお話したいと
思った。
楽しくて、時を忘れた。
木村忠正さん、ありがとうございました。
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の打ち合わせ。
有吉伸人さんが、「アリポン」
問題について語る。
茂木さん、あれはね、「ありぽん」という
発音じゃなくて、「ありぽん」という
イントーネーションなんですよ。
それと、カタカナで「アリポン」
なんじゃなくて、ひらがなで
「ありぽん」なんですよ。
大変失礼いたしました!
私自身のアダナの変遷をたどれば、
小学校低学年のときは「けんけん」
と言われていた。
これは、当時流れていた
「ブラック魔王とケンケンたちも・・・」
という主題歌のアニメに影響されたものと
思われる。
アニメのケンケンは、主人であるブラック魔王が
失敗すると、「ウシシシシシシ」と笑うのである。
今でも私のことを「けんけん」と呼ぶのは、
黛まどかさんくらいである。
そのあと、「もぎけん」というあだなが
主流になった。私のメールアドレスは
kenmogiだが、日本語としてはモギケンの
方が通りが良いのである。
22歳で日米学生会議に参加した時、
英語が達人の「ノンジャパ」の人たちからは、
「もじゃい」と呼ばれた。
「mogi」というつづりをそのように
読んだのである。
「もじゃい」という言葉に
(髪の毛が)「もじゃもじゃ」という
意味をかけたものと思われる。
「けんけん」「もぎけん」「もじゃい」
が私の「三大あだな」だが、
名字を「モギー」と延ばす
少数派もいる。
人に歴史在り。あだなあり。
みなさんも、あだなの来歴を振り返って
みてください。
あだ名とは関係がないが、
このところ、「メンタイコ」
の粒がきらきら光っている
イメージがとてもゆかしく
感じられる。
白いごはんにメンタイコ。
日本の秋はすばらしい。
9月 3, 2008 at 07:20 午前 | Permalink
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2008/09/02
プロフェッショナル 平井伯昌
プロフェッショナル 仕事の流儀
攻めの泳ぎが、世界を制した
~水泳コーチ・平井伯昌 ~
自らの限界に挑むアスリートの姿は
人を感動させる。
本当に未知の世界に至ろうと
したら、そこには冷静な現状把握と
課題の分析が必要である。
平井伯昌さんは、アスリートの
一歩先を歩む。
そのことによって、人類未到の
境地への殻をやぶる。
情熱を持つことは必要である。
しかし、闇雲にやればよいという
わけではない。
アスリートに真実を伝えること。
平井さんの姿の中に、人間の持つ
果てしない可能性に対する
賛歌のメロディーが重なる。
NHK総合
2008年9月2日(火)22:00〜23:14
http://www.nhk.or.jp/professional/
すみきち&スタッフブログ
Nikkei BP online 記事
コーチの領域、アスリートの領域
〜 水泳コーチ・平井伯昌 〜(produced and written by 渡辺和博(日経BP))
9月 2, 2008 at 12:43 午後 | Permalink
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「アリポン」という音が
五反田の駅で、そばを食べる。
「わかめそば」に卵を落とす。
関根崇泰の研究に関連した
論文を読みながら食べていると、
後ろで注文している白にキンピカの
服を着た女の人の声が聞こえた。
「ネギ多めでおねがいします。」
えっ、そんなのありか、ネギ多めというのは
ありか、
と思っていると、店主は
「はい、ネギ多め、わかりました」
と言っている。
あれれと思う。
ネギ、高いだろうなと思って
食べていると、今度は中年の男性が
注文する。
「ネギ、なしでお願いいたします。」
あれれ。ネギ多めの人がいると
思うと、ネギなしの人もいる。
それでちょうどバランスがとれて
いるのかしら。
ボクはネギが大好きで、ホテルの
朝食のバイキングなどでも、
味噌汁になるべく多く入れようとする。
ラーメン屋でも、「ネギラーメン」
というオプションがあると必ず
それを選ぶ。
人さまざまだな、と思いながら
そばを食べる。
ボクの心の中では、「そばの時価総額」
のうち、かなりの部分を「ネギ」
と「落とした卵」が占めている。
ボクは、駅そばで「ネギ多めで」
と注文することはできそうもない。
五反田の駅を出て歩いていると、
すぐ目の前を関根崇泰が歩いている。
あいつ、オレのことを待ち伏せして
いたのか!
と思いながら、「よっ」と声をかけて、
関根のボディ・イメージの研究について
議論しながら研究所へと歩いた。
ソニーコンピュータサイエンス研究所にて、
脳科学研究グループの会合。
野澤真一くんが、Brain Machine Interfaceに
ついての長いレビュー論文を紹介した。
それをゆっくりと時間をかけて
議論した。
NHKへ。
『クローズアップ現代』にて、
コピペ問題についてお話させて
いただく。
キャスターの国谷裕子さんのことは、前からとても
尊敬していて、ご一緒にスタジオに
いることができてとても幸せだった。
収録前、着替えを終えて戻ってくると、
スタジオに『プロフェッショナル 仕事の流儀』
のチーフ・プロデューサー、有吉伸人さんが
いる。
「有吉さん、確か、クローズアップ現代も
やっていらしたんですよね。」
と言うと、「クロ現が実は一番
長いんですよ。8年くらいやりましたからね。」
と有吉さん。
「そうそう、アリポンはデスクとか
やっていたからね。」と国谷さん。
ん? アリポン?
私たち『プロフェッショナル 仕事の流儀』
関係者の間では、有吉さんは「ありきち」
と言われている。
アリポンというニックネームは初めて聞いた。
「有吉さん、昔はアリポンと言われて
いたんですか? アリポンのポンって、
何ですか?」と追求すると、有吉さんは
「ははは。まあ、いろいろな名前があるんですよ」
と笑って答えない。
国谷裕子さんから発せられる「アリポン」
という音がとても素敵で、夜空にころころ
転がった。
9月 2, 2008 at 07:53 午前 | Permalink
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2008/09/01
クローズアップ現代
クローズアップ現代
NHK総合
2008年9月1日(月)
19時30分〜19時56分
社会に広がるコピペ
~“ネットの知”とどう向き合うか~
http://www.nhk.or.jp/gendai/
番組表
9月 1, 2008 at 09:34 午前 | Permalink
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脳と創造性 10刷
茂木健一郎『脳と創造性』
(PHPエディターズグループ)は
増刷(10刷、累計26000部)となりました。
ご愛読に感謝いたします。
PHPエディターズグループの石井高弘さんから
いただいたメールです。
From: 石井高弘
To: "Ken Mogi"
Subject: 「脳と創造性」重版/PHP石井
Date: Thu, 28 Aug 2008
茂木健一郎様
ご無沙汰をしております。
脳と創造性、先日、9刷重版を
お知らせしましたが、また、
10刷重版が決まりました。
3000部重版で、計26000部です。
取り急ぎ、お知らせのみにて。
ありがとうございました。
石井高弘拝
amazon
9月 1, 2008 at 09:32 午前 | Permalink
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創造性の聖地
サンデー毎日
2008年9月14日号
茂木健一郎
歴史エッセイ
『文明の星時間』
第29回 創造性の聖地
一部抜粋
DNAの構造を解明した当時、クリックは36歳。一方のワトソンは25歳。研究所からほど近い「イーグル亭」で、ワトソンとクリックは研究上の議論を続けたという。
最初に「イーグル亭」を訪れた時、ビールをゆっくりとすすりながら、往時の二人の様子を想像してみた。以来、「イーグル亭」を再訪する度に、おしゃべりのクリックと若きワトソンが熱心に議論するありさまを思い浮かべる。
全文は「サンデー毎日」でお読みください。
http://www.mainichi.co.jp/syuppan/sunday/
9月 1, 2008 at 09:26 午前 | Permalink
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近くにいて下さって
渋谷で、講談社の西川浩史さん、
それにライターの
三浦愛美さん、石井綾子さん相手に
『赤毛のアン』についてお話をした。
アビエントでランチを食べていると、
電通の佐々木厚さんと、集英社の
鯉沼広行さんが「迎え」にきた。
富谷交差点近くの「ラムフロム」
ギャラリーで行われている(本日9月1日
まで)ブルータス副編集長の鈴木芳雄さん
の「フクヘン。」展の記念トークイベント
に伺う。
ラムフロムギャラリーにて。鈴木芳雄さんと。
(Photo by Atsushi Sasaki)
鈴木さんの人徳を反映して、
たくさんの方々が来てくださった。
鈴木さんとブログや旅や編集の
話をする。
対談の様子を伝える写真と文章が、
鈴木芳雄さんのブログ「フクヘン。」
に掲載されています。
http://fukuhen.lammfromm.jp/2008/09/post_450.html
会場の「亘」はとても気持ちの
良い店で、風が通り、前の道を
人が行き交い、時々覗いて立ち止まる。
この感じは、どこかに似ていると
考えていて、思い出した。
沖縄の金城にある石畳道の中程に
ある集会場。
座敷に横たわって外を行き交う人を
見ていると、自分と大きな世界が
とても気持ちよくつながる。
鈴木さんと、編集について
熱く語る。
同じブルータスの副編集長の
芝崎信明さんは、「えっ、今さら
ブルータスでそんな特集?」という
ようなテーマに新しい切り口で
アプローチしてヒットさせて
来たのだという。
「芝崎は、まあ、日本で一番いい編集者
でしょうね。あっ、そうか、一番目じゃ
なくて、二番目にいい編集者だ。」
と鈴木さん。
すかさず、私が、「じゃあ、一番目は
鈴木芳雄さんということですね」
と言うと、鈴木さんは笑って
答えない。
やっぱり、沖縄に似ているな、
この間合い、と思っていたら、
打ち上げは隣りの沖縄料理屋だった。
呼び寄せたのかな。
まったりと話しているうちに、
私の得意技、すわったままうとうとと
眠って、そのまま英気を養う。
沖縄料理屋で遅めのシエスタを
とったがために元気になり、
二次会のバーで、鈴木さんが熱弁している
間に、私は6枚の連載原稿をゼロから
書き上げて
送信することができました。
『縄文の浄化』は、渋谷でギネスとともに
かたち作られたのです。
鈴木芳雄さん、うとうと眠ったり、
原稿を書いているときに近くにいて
下さってありがとうございます。
なんだか感化された
気分です。
9月 1, 2008 at 09:24 午前 | Permalink
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