A+Bが全く異なるCになる
日本心理学会に出席するため
札幌に来る。
北海道大学には
たびたび来ているが、
ここのところ、ゆったりとポプラ並木を歩く
というようなことがなかった。
数年前の台風で、半数くらいが
倒れてしまって、今再生の途上にある。
初めて北大に来た時、生協食堂の
周辺の芝生でみな思い思いに
座って食事をしている様子が
素敵だった。
ワークショップに先立ち、
デモやポスター会場を回る。
いくつか、有益な情報を得ることができた。
ワークショップ
「社会性の定義をめぐって」
は、北海道大学の室橋春光先生が
企画者となり、玉川大学の高橋英之くんが
いろいろと駆け回って実現した。
社会的知性の研究は、面白いフェーズに
来ていることを実感する。
このところ、ずっとメタファーとしての
鏡のことを考えていて、
とくに、自分の生き方を鏡に映して
よくよく見てみることが大切だと
思う。
ちょっと引いた場所から来し方を
ふりかえり、行く末を思い、
その時浮かび上がる姿をどう感じるか。
北海道大学の豊巻敦人クンが、
「スープカレーならばここですよ!」
とPICANTEという店に連れていって
くれた。
子どもの頃、家で作ったカレーを
二日目になると、たくさん水を入れて
スープのようにして飲むのが好きだった。
スープカレーとはそのようなものかと
想像していたが、実際には違っていた。
スープはスープとしてダシが良くとれて
いて美味しく、そこにカレーのスパイスが
入っている。そして具だくさんである。
A+Bが全く異なるCになるという、
クオリアの加法の一般原則を確認したのである。
9月 22, 2008 at 07:59 午前 | Permalink
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コメント
茂木さん
こんにちは。
札幌にいらしてたんですね。とても驚きました。
実は私も、佐渡裕さんとの対談を聴いた翌日、
寝台特急 北斗星に乗って札幌に帰省していました。
(そしてまだ札幌にいます)
一年振りに、両親や懐かしい友人たちと会い、
リフレッシュしています。
札幌は秋分の日を境にグッっと気温が下がり(でも平年並みなのですが)
すっかり秋らしくなりました。
朝晩は冷えた空気がピンと張り、空が澄んでとてもきれいです。
茂木さんはスープカレーを召し上がられたのですね。
実は今回の帰省で私が一番食べたかったのは、
ジンギスカンだったのでした。。。
家族で囲んだジンギスカンがとても美味しく感じられたのは、
ミラーニューロンのお陰もあるのでしょうね。
28日(日)にまた東京の日常へと戻ります。
茂木さんがリフレッシュできる場所はどこなのでしょう。。。
投稿: 楠 | 2008/09/25 13:23:55
北海道のポプラ並木ということで、あのクラーク博士の「Boys be ambissures」(←こんなつづりでよかったのかな?)を瞬間、思い出しました。
若者よ大志を抱け!…これからの時代、あらゆる意味でいよいよ複雑化していく時代、若者だけでなくどんな人でも、大いなる、広やかなる志を持って生きなくてはいけないなぁ。
鏡の問題…人はだれでも「心の鏡」を持っているけれど、現代の私達は、それが曇っているような気がしている。
心の鏡…メタファーとしての鏡を曇らせるもの、それは他者や世に対する不信や憎しみ、嫉妬など「マイナス」な「心の暗がり」なのかもしれない…。
それらの曇りをとっていけば、もっと自分の行く末、来し方がはっきりうつり、世のさまざまな物事の善悪、美醜、そして本質すらも明確にうつるに違いない。
常に自分を振り返りながら、心の鏡の曇りをとり、まさに何でも映し出す「明鏡」の如く、自分のことや身の回りのこと、そして物事の本質をハッキリと見えるようになりたい。
p・s・スープカレー、とても美味しそうですね…!ところで、私も家でカレーを作るとき、固形コンソメの素を、ルーをいれる前にいれます。また、ルーを入れた後でも、市販のチャツネやウスターソース、牛乳などを入れます。
投稿: 銀鏡反応 | 2008/09/23 10:10:08
こんばんは。
>このところ、ずっとメタファーとしての鏡のことを考えていて……
ダビンチコードが評判になるよりずっと以前、今から15年くらい前でしょうか、ダビンチが夢に出てきました。
その夢のなかで、ダビンチの数々の秘密が明らかになり、まるでダビンチの秘密の生涯を映画で見ているような感じでした。
夢の最後で、ダビンチは独り言のようにつぶやきます。
「人類は、まだ鏡のほんとうの使い方を知らない」
ここで夢から覚め、強烈な不思議さを感じました。
いったいどういう意味だったのか、いまだにわかりません。
茂木先生の言葉にそんな夢を思い出しました。
数年前のことですが、鏡について非常に示唆的な話を聞きました。
魂は「鏡」のようです。
鏡自体には何もないのですが、
鏡には、花、輝く雪をいただく山、青空、星、太陽、宇宙のあらゆるものが映ります。
美しいもの醜いものが鏡に映っても、鏡自体には美醜がないように、
魂にも美醜はありません。
魂は宇宙の森羅万象を見ています。そして知っているのです。
わたしにとって鏡は「魂」のメタファーです。
遠藤さま
いつもながらにお書きになることがとてもセンスがいいですね!
茂木健一郎
投稿: 遠藤芳文 | 2008/09/22 20:44:55
北海道、良いですね。今のところ旅行した事があるのは、本州のちょうど真ん中のエリアのため行ってみたい場所の一つです
鏡という話しから…
あとから考え、あ〜やってしまったと思う事があり…落ち込んでしまいます。。
こんな事で変われるのかなと心配になることも…。
投稿: 奏。 | 2008/09/22 17:30:46
スープカレーがクオリアの一般原則について納得させてくれたのですね。ありがたいスープカレーでしたね。
昨日は豪雨の中、義妹と墓参りをして来ました。妹と云っても10才年長ですが、私が「茂木先生のクオリア日記」を楽しく拝見させてもらっていると言いましたら、「え?茂木先生が氷屋さん…???」。それまでしんみりと辛い話をしながら、半ば涙を浮かべていたのが、その一言で大笑いになりました。やはり泣くより笑う方が楽しい…茂木先生のお考えに興味が出てくると当たり前の事が不思議に思えてきます。クオリアと氷屋~似てますね
投稿: ピッピ | 2008/09/22 16:24:15
こんにちわ
自分の鏡を、大きくしたり、磨いたりするのも重要ではないでしょうか?
最近のチキンラーメンは、焼きそば風があり、捨てるお湯がスープになるみたいです。(^^)
投稿: 鏡のクオリアby片上泰助(^^) | 2008/09/22 13:10:29
茂木さん、こんにちは。まだ札幌におられるのでしょうか?気温のずれはどのくらいあるのでしょう?ポプラ並木を歩かれながら、考え事でも
???茂木さんはいつも「脳」を使われていて、ボォーッ!としている時間を創られていますか?「メタファーとしての鏡・・・。」一度、じっくりと考えてみます。私も楽観主義なものですから、「人生とは・・
・」と、考えたりもするのですが、最後は‘ケセラセラ’。考えてもどうしようもないことや動かせそうにないことは、深く考えない主義?!
です。どうにもならない、出来ないことってあると思うから・・・。
ところで、スープ・カレー。カレーって、不思議。子供の頃から食べているのですよね。二日目のカレーを美味しくいただくには、水で薄めると味がボケてしまうので、必ずブイヨンなどでしっかりとスープを作り
、何は無くても「ターメリック」だけは入れてください。(笑)風味もさることながら、身体によいスパイスですので。最後に「A+Bが全く異なるCになる」、こういう事も含めて考えるがテーマなのですか?!
(笑)そういえば、昨日の朝日新聞に茂木さんが!「元気のひみつ」というテーマで大きなお写真もありました。よいお写真ですね。今日は今から、私の父のお見舞いに。なかなか、仕事一筋では生きられぬ?!わが家は私以外はみんなどこか悪い。私はナイチンゲールの生まれ変わりでは?!(笑)それでも、明るく、楽しく生きられているので、これでよいのでは?!と思えるのですが。茂木さんも季節の変わり目、無理をされて体調を崩されませんように!(何だかこれも割愛した方がよさそうですね。後で、別の感想文を送らせていただきます。では・・・。)
投稿: 茂木さんの崇拝者より | 2008/09/22 12:04:45