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2008/07/25

「あり得たかもしれない姿」

マイケル・コーエンと一緒に
シンガポール国立大学に向かう。

マイケルはとにかく喋り好きである。

ずーっと機関銃のようにしゃべっている。
こっちも同じスピードで英語を
しゃべろうとするから、
次第に人格が変わっていく。

エイドリアン・チョックの
「ミックスド・リアリティ・ラボ」には
たくさんの学生がいて、
それぞれ面白い研究をしている。

慶應大学と、シンガポール国立大学の
職を兼任しているエイドリアン。

「行き来するのはクレイジーだと
言われたけれども、実際に
やってみて、やっぱりクレイジーだった。」

「ぼくはユダヤ人だから、イスラエルには
何回か行ったことがあるよ。」
「そうか、マイケル、なんで、ユダヤ人からは
天才がたくさん出るんだと思う?」
「うーん、それを言うと、ちょっと自慢している
みたいだからなあ。」
「考えてみてよ、トラックレコードは
凄いでしょ。アインシュタン、フロイト、
ファインマン。・・・」
「確かに比率がおかしいよね。」
「どうしてなんだろう?」
「どうなんだろう。ただ、一つ言えるのは、
教育に熱心だという伝統かな。ぼくの
両親も、ぼくが生まれる前から、大学に
行く費用を貯めていてくれた。」

どんなにネットが発達しても、
「今、そこにいること」の大切さは
ある。

機関銃のように話すマイケルと、
魔術師のようなエイドリアン。

ずっとその話を聞いていて、
触発されるものが身体の中から
ゆっくりと立ち上がっていった。

シンガポール国立大学のインタラクティブ・
デジタル・メディア研究所所長の
中津良平さんとお話する。

World Scientific のInnovation magazineの
インタビューを受ける。

インタビュワーは、Edmund Wee。

Edmundは英語名で、中国語では
ワープロで変換できないような難しい
漢字を使う。

シンガポールの中国人たちは、
英語名と中国語名を使い分けている。
ヘンリーとか、トーマスとか。

シンガポールの一人あたりの
国民所得は、2007年に
日本を抜いたという。

World Scientificは
世界9カ国にofficeを持ち、英語圏の出版に
おいてプレゼンスを保っている。

日本のもう一つの
「あり得たかもしれない」
姿が心をよぎる。

今日はISEA2008でkey note speechを
して、それからまたマイケルやエイドリアンと
話し、夜の飛行機で日本に帰る。

http://www.isea2008singapore.org/conference/conf_keynotes.html 


シンガポール国立大学の学生たちの前でデモをする
エイドリアン


マイケルと、中津良平さん。

7月 25, 2008 at 10:34 午前 |

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» 天神祭 トラックバック 須磨寺ものがたり
昨日の夕方より、 近くにある須磨の綱敷天満宮へ、 「天神祭」の集まりがあり、 私も招待を受け、参拝させていただいた。 [続きを読む]

受信: 2008/07/25 11:43:46

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 最初に地球を訪れた異星人は、天才的画家だった。その異星人は、ピカソの最高作品をも超える絵画を描き、それを地球人へ授け、宇宙の彼方へと去っていった。  次に地球を訪れた異星人は、天才的作曲家だった。その異星人は、バッハ、ワグナーのそれぞれの最高作品をも超....... [続きを読む]

受信: 2008/07/26 1:57:38

コメント

すみません・・・
上のコメント内で、お名前間違ってしまいました。
銀鏡反応さん、失礼しましたm(__)m
ごめんなさい。

投稿: ももすけ | 2008/07/27 11:33:37

茂木さん、こちらの日記、
考えるところがありました。

私も、銀鏡眼鏡さんと同じ意見かなあ・・・
今、日本をリードしている4~50代の層が、
単一民族的な視野を超えることが
できない人が多いのでは。

私はむしろ、これからの世代に期待します。
今の子供たちはパソコンがすでにある環境で
育っていますし、
英語を話せないとこれからの時代、通用しないということも
肌身で感じているはず。

統計をとると、
海外には出たくない、という若者が
日本には多数いるようですが、
それはあくまでも平均であって、

強い意志を持ち、日本を超えて
世界を見つめる若者は必ず存在しているはずだと
確信しますし、
現に私の周りの10代~20代前半の若い人の中に
そういう人が何人かいるからです。

世界に出ていけない人は、
受け入れる精神・寛容さを身につけないと
生き残っていけないことが
ひしひしと実感する時代になっていくでしょうね。

中国やインド、東南アジアには、
日本に憧れる若者も多いと聞きます。
今、勢いのある国から
才能と情熱を持つ若者たちを
受け入れることは決してマイナスにはならないと思います。
日本人の国際感覚をもっと養うためにも。

東京には、
IT系のエリートインド人が多いそうですが、
実は
沖縄にもインド人がけっこう住んでいるのです。
沖縄の場合は、”商売”目的で移り住む人が
多いようです。
ここは、日本語できなくても、
英語できれば生活できるし、
地理的な部分で
沖縄はやはり貿易には優位な立地条件がそろっているのでしょう。
インド人は商売上手でもありますしね。

これからは
”考える人”が国外からどんどん入ってきて
ぬるま湯につかっている人は
格差社会の中で苦しい思いをするかもしれません。
私の友達に中国人の女性がいますが、
彼女は日本で働くために、
三か月で日本語をマスターしました。

国の保障に頼るという依存心から抜け出し、
サバイバル感覚をもっと身につけないと
いけない時代に入ってきていますね、

先日のプロフェッショナル、
羽生さんと、森内さんのように、
切磋琢磨という観点を忘れないで生きたいものですね。

投稿: ももすけ | 2008/07/27 1:18:57

会社にいたころ、「新幹線は社内の廊下と思え」という言葉があった。茂木さんにとっては「ジェット機のタラップは会社の階段」ですね。いやはや、凄まじいです。

中国系の人たちの活躍ぶりについては、私もアメリカ本社の研究所で実感しました。主要な部門の長の半数以上が中国系でした。

ユダヤ人や中国人の能力の源泉は、私にも判るようで判りません。

名前で思い出すのは、中国人のDr Ngのことです。
まさか「Dr エヌジー」ではあるまいと思っていましたが、「エン」と発音すると知ったのは出張から帰ってからでした。

投稿: | 2008/07/27 1:05:06

=仮説= あり得るかもしれない =仮説=

目的を持って、近くの書店に行ったのに 並びに置いてあった

「脳のからくり」  茂木&竹内 共著を購入

竹内薫さん語る仮説   科学者であらせられる 茂木健一郎さん

       よける  さける  そらす     まことに

       増してまして  凝らす       面白いです。 

投稿: | 2008/07/26 8:19:10

こんばんは。

こちら東京は、昼間の気温が、きょうも37℃に達したようで、凄まじい暑さになりました。

さて思うに、今まで日本がシンガポールのような姿になれなかったのは、様々な理由が思い浮かぶけれど、一番大きいな、と思われるのは、やはり何処か「内向き」で、自分達とは違うタイプの他者をなかなか受け入れ難い性質が常にある、ということなのでしょう。

シンガポール、ということで個人的にイメージするのは、1人1人の教育水準が高いということと、道端にガムのかす一つ、タバコの吸殻一つ落ちていても厳しい処罰を受けるということと、やはり英語を駆使できる人が多いということですね。

投稿: 銀鏡反応 | 2008/07/25 23:06:05

茂木さん、こんにちは★★★

すごいっインターナショナルな日記ですね!

ふと思ったんですが、シンガポールでは、南十字星って見えるんですか

昨日、さそり座が見えて、やっぱり沖縄で見ると、さそり座が高いなぁ…と思って、

じゃあシンガポールはもっと南半球の星が見えるんだよね…
うん?でも夏は南十字星、見えるのでしょうか?

茂木さん、気をつけて帰ってきてくださいね

投稿: | 2008/07/25 16:54:25

茂木さん、今日は。シンガポールで素晴らしい方々とご一緒され、またまた知的好奇心が炸裂していらっしゃる感じが伝わってまいりました。ユダヤ人に天才が多い・・・それは教育熱心だから?ただそれだけではなさそうですね。なぜでしょうか?!私が好きなアーティストのひとりでビリー・ジョエルさんもご両親がドイツ系ユダヤ人とイギリス系ユダヤ人ですね。やはりご両親は教育熱心だったようですが、性格はかなり複雑かと思いますが、素晴らしい作品が多いですね。黒人ダンスが素晴らしいと同様に、わからないことというものはあるものですね。さて、日本の「あり得たかもしれない」もうひとつの姿・・・みんな一緒!といったボーダーラインがいつの間にか引かれ、おかしくなってしまったのではないでしょうか。厳しい環境の中に、ある一定期間、身を置くといった何かが必要ではないのかな?と私は思いますが。昔、地獄の特訓とか自己啓発セミナーが流行りましたが、今の方々に同じ特訓が出来ないらしく、廃止になったスクールも多いようです。日本のありかた、教育問題は根が深い気がいたします。ところで、夫がシンガポールで暮らしていた時、日本人男性とマレーシア人女性が結婚をすることになり、ひとつの難関が宗教上のことであり、結局、その日本人男性は割礼をし、イスラム教徒へ。その姿を見ていて「痛々しかったぁ~!」と申しております。(笑)ドリアンを見る度、思い出すそうです。(夫はクオリア日記をいつも見ないのですが、今回はシンガポールだったので話を聞いてみました!)ところでシンガポールは統制国家、茂木さんのインタビュー記事はどんな感じなのでしょうね?!と、ふと思いました。今晩、帰国されるのでしょうか?お疲れ様でした!辛いお料理が多かったのではないですか?今晩はやさしい日本料理でもどうぞ!

投稿: | 2008/07/25 16:32:10

「なんで、ユダヤ人から天才が沢山出るの?」

茂木さんが思った「日本のもう一つのあり得たかもしれない姿」とは、どんな姿なのでしょう?

この2つ、気になっています(^ ^)

「今、そこにいるということ」…寄り添っている事のようにも思えました。

投稿: | 2008/07/25 15:12:26

こんにちわ

母親から聞いたのですが、勤め先で、香港の人と、シンガポールの人がしゃべっている時、英語の場合、普通の速度でしゃべりますが、中国語になった場合、二人が同時にものすごい速度でしゃべり、喧嘩をしているようだったらしいです。母親が後で聞くと普通の会話だったそうです。中国人は、しゃべりながら考えて聞くを同時にするのだと思いました。

人口の少ないシンガポール人の強みは、英語と中国語が出来るところでしょう。そのため、シンガポールの少ない人口で、英語圏、中国語圏の多くの人口を相手に貿易が出来る、当然所得も上がる。
茂木さん、「脳を生かす英語中国語勉強法」など、出せば、良いのでは!?(^^)

投稿: | 2008/07/25 12:45:12

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