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2008/07/21

飛んでいる蛾を見てショックを受けるのは

結局、信じられるものは、
丹念に向き合い、自分というものが
消え、気付けば何らかの作品が
出来ているという仕事をする時間の
流れと、
身体を動かし、汗を流し、
かっかとなってやがて引く
その充実感だけのように
思う。

よどんでいればいるほど良い
昇華したときに、よきものができる。

この前、京都のお寺に行った
時に、大きな鉢に蓮が植えられて
いるのを何回も見た。

泥から出でて、この世のものとは
思えないような美しさを見せる。

仏教哲学において好まれたのも
当然のことしてうなづける。

先日のベストハウス123の
収録の時、VTRで「さえない男が、
この馬に出会うことで変わった」
というコメントがあり、その「さえない男」
というところでとなりのYOUさんが
くすっと笑った。

その笑うタイミングで、
この人は泥のことがわかっているんだなあ
と思った。

YOUさんは
桑原茂一さん 
の友だちである。


泥同盟。

森の中を歩いていて、
蝶と蛾は簡単に区別がつく。

蛾が飛んでいるのを見ると、
ある種の衝撃を受ける。
小さな頃から無数に見慣れている
はずなのに、いつまで経っても
抜けない。

そうか、飛んでいる蛾を見て
ショックを受けるのは、
その軌跡とリズムのせいだ。

ぐねぐねとギザギザと、
まるで脈打つように。

人間にたとえれば
まるで狂っているか意識に変調を
起こしているかのようだから、
衝撃を受けるのだと気付いた。

そこに行くと蝶の飛び方は
まっすぐで品行方正で
昼間の匂いがする。

今度から、蛾に出会ったら
よくその飛行を見てみることに
しよう。

7月 21, 2008 at 07:15 午前 |

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受信: 2008/07/22 1:43:32

コメント

茂木先生 こんにちは♪
蝶の動きは、折れ線グラフ。蛾の動きは、無限大 ∞。 童話の最後でお姫様は、美しいチョウチョになりました。蛾は悪魔? 蛾は止まっていると芸術品。飛んでいると、戦闘的。蝶は止まっていると垂直。飛んでいると、危なっかしい。
なんとなく、蝶と蛾から感じる、イメージを書いてみました♪

投稿: | 2008/07/22 15:35:09

今日は。
 蛾の飛行に衝撃を感じられるなんて! 軌跡とリズムまで、観察されて!凄いと思います。
 何かに似ている、何かしら?  ぐねぐねギザギザ  脈打つよう 意識に変調を起こしているかのような~音楽の導入~
 波が打って、うねる~~
ああ、ラフマニノフのピアノ協奏曲2番だ。
 19才で初めて聴いた時のショック。それから、表がショパンのピアノ協奏曲1番で裏がラフマニノフの2番のレコードを擦り切れるほど聴いた時期があったっけ。 しばらく聴いていない。  cdで探して、聴いてみよう。


投稿: | 2008/07/22 9:59:04

茂木さん、おはようございます
蝉の声が賑やかですよ~~
今日も暑くなりそうです。

ハスの花は、泥の中から美しい花を咲かせる。
世の中や自己内部の暗黒面は誰にでもあって、

世の中の人にはいくつかタイプがあると思います。

自分や、世界の汚れた面を見なくてもすむ人。
日常で見る必要を感じない人。

世の中や自分の汚れに気づいてはいるけど、
それにフタしちゃう人。

世の中や自分の醜い面と闘う人。


お釈迦様や、キリストも同じでした。
お釈迦様は悟を開かれる前に、
悪魔の試しを受け、
それに勝ったので
降魔成道することができたといいます。
魔とは、外なる物、他者ではなく、
自分の心の隙を狙って攻撃してくると。
魔物にとっては、
悟りを開いて世界を明るくしようという
お釈迦様の存在は邪魔だったに違いありません。
悟りを開く前の
ほんのわずかな心の隙に悪魔は忍び寄って
心の傷を拡大させました。
しかしお釈迦様はそれに勝った。
これが降魔成道です。

そして
キリストも同じ経験をしており。

平凡な人間には、
2000年以上も名前が残るような
大仕事をした人物級の
魔はよってこないでしょうが、

それぞれにそれぞれの
小さな闇、魔、をどんな人も抱えている。

闘うのがへただったり、ふたしたり、
闘う必要のない人は、
女性に多いですね。

女性は体のつくりからして
あまり戦場に出るようにはつくられていないですからね。
その分心も繊細にできているし。
女の子を持つ方であれば、
蝶よ花よ、と可愛がって、
願わくば世の中には出ず、
そのままお嫁に行って欲しい。と願う人が多いでしょう。

そうやって育ってきた女性を私も何人も見てきたし。
彼女たちの魂にとって
一番大事なことは、美や調和についてです。

自分の魂を成長させたいと思うなら、
自分の中の汚れと戦えばいいだけの話。

私はどういうわけか、
生まれ育った環境が戦いの中にありました。
育った場所の多くの人は
劣等感と傷の塊で
それが魂をむしばんでいましたね。

自分の良さ、個性に強く自信を持ったあとに
戦えば、魂が病むことはなかったはず。

おぼれて死にそうな人に、何故おぼれるような危険な場所に
行ったんだ、と言うのは意味のないことです。

私は個性に自信と責任を持てるようになる前に
自分の中の闇を見つめすぎてしまったので、
心も傷つき体にも病がでてきました。

周りからは完璧主義と言われましたが、
その当時は意味がわからなかったです。

今は、そのことの意味がわかりつつあって、
自分で自分を戒めるのと
個性を伸ばす、どうしたら
具体的に伸ばせるか
そういうことが日常になっています。

人それぞれ、
違った環境で
違った個性で
しかし人生は戦いでもあり、
それに気づく自由は
本人にゆだねられている、と
実感する今日この頃です。

なんかまた長くなってしまいました!
すみません@@;;

今日も暑い中大変かと思いますが、
お仕事がんばってくださいね~~

投稿: ももすけ | 2008/07/22 6:43:26

自分というものを消すこと。隠すこと…なかなか難しいのですが、そうしていった中で何らかの作品ができる。

この素晴らしさは、周りを見ていて実感している。

私もこうでありたいと…。


暑いですネ。こう暑いと、身体とろけそうです(;^_^A
熱中症など身体の不調、お気をつけください(^ ^)

投稿: | 2008/07/21 18:06:21

只今公開中の映画「歩いても 歩いても」で
YOUさんと樹木希林さんの絶妙なやりとりには、
久々に大笑いさせてもらいました。
是枝作品はディテールの本物っぽさでぐいぐい引き込まれます。
モンシロチョウ、モンキチョウがさりげなく
存在感をアピールする映画でもありました。

最新のご著書「こころと脳の対話」を早速購入。
想像していたより噛み応えがあり、行きつ戻りつの読書も
また楽し!
河合隼雄さんの「そうそう」「はいはい」「ほほう」
などの受け答えを拝見していると、
大船に乗ったような気持ちが自然とわいてきますね。


投稿: | 2008/07/21 16:58:08

こんにちわ

蛾は、人類が進化してきて、ごく最近に見るようになった動物ではないでしょうか?
人類が、火や電気等の明かり発明して、夜起きているようになり、初めて飛んでいるのを見る事になった動物のため、脳が、混乱するため、衝撃を受けるのではないでしょうか?

「カイコ」が「カイコさん」と、呼ばれるようになったのは、いつの時代からだろう。(^^)

投稿: | 2008/07/21 15:57:48

茂木さん、今日は。仕事はよどんでいればいるほど・・・確かにそう思います。先日、私の仕事先で二十代の中国人女性と六十代の日本人女性が大喧嘩をしました。日本人側が「異文化ゆえに」とか「ジェネレーションギャップ」とか言ってたので、そうじゃない・・・と言う事で話をし、今、一応、落ち着いてはいます。何の事か、これではわからないですね?!(笑)私の仕事のひとつに、レストランでサービスをしている人たちに接客の仕方等をレクチャーする仕事があります。例えば、ご両親と一緒にやってきた坊やが、グラスを落として割ってしまう。ホールにいたウェイトレスさん二人ともがグラスのあとかたづけに必死で坊やとそのご両親へのフォローはなし!バツが悪くて坊やたちは泣きながらレストランをあとに・・・。この場合、まず「お怪我はありませんか?お洋服は大丈夫でしたか?」そして、坊やへ、「よくあることなのよ。平気、平気・・・」「どうぞ、お気になさらないで、ごゆっくりとお食事を・・・。」とお客様を気づかうサービス精神をもって接して欲しいですね?!割れたグラスを片付ける人、精神的なフォローをする人、チームワークで動けるように。まぁ~、これに似たようなことがあったのです。職場でのもめごと!これはあってしかり!ただ、怒り方と謝罪の仕方はとても大切でひとつ間違えればおおごとになってしまいます。特に職場に外国人がいらっしゃる場合は、もめごとの本質とは違うところで言い合っても解決できませんね?!人が集まるところにもめごとは起きるもの。私の気持ち、茂木さんに伝わったでしょうか?長年、ホテルで仕事をしているとホスピタリティーや上質のサービスとは?を考えたり、見て学んだり・・・。チームワーク、大切ですね。ところでYOUさんは女性から拝見していても大人のいい女!というイメージがありますよ。「さえない男がこの馬によって変わった!」でクスクス笑われたのは、ひょっとしたら「さえない男をYOUさんがよい男に変えられた事があって笑っていらっしゃった!」のではないですか?(笑)男性を変えていかれるパワーのようなものを感じますね、彼女からは!もちろん大賛辞と受け取ってくださいね。蛾と蝶ですか?もう、茂木さん時々
、変ですよ~。(笑)茂木さんには蝶の方がお似合いです。たけしさんはイメージなんてない!自由人でみな納得ですが、茂木さんは、はっきりとしたイメージがありますから。全女性の憧れ的な存在なのですから
今の感じで素敵ですよ、茂木さんは。本当に!

投稿: | 2008/07/21 13:54:56

上野の不忍池に何度か出かけた、蓮や水鳥たちをみるために。7月のはじめにはもう、池の澱みきった水面から無数の蓮の葉が茎を伸ばし、大きく円い葉を日の光に向かって広げ、池の水面を覆い尽くしていた。

その生い茂るすきまから、擬宝珠のようなかたちをした蓮の花の蕾が、すっと花茎を伸ばし、清純にして慎ましい気配を漂わせ、佇んで居た。

泥中より出でる蓮。池の水の澱みに染まる事無く、蓮はまさしく美しく、この世のものとは思えないほどの姿をもって咲く。

花のめしべの天辺には、すでに実がなっているように見える。仏典ではこの姿を、生命の実相になぞらえているときく。


港区・愛宕山の近くに今勤めている職場があるが、春から秋にかけ、職場のビルの窓から蛾が飛んで入って来ることが多い。

仰るように“ぐねぐねギザギザ”と狂ったようにビルの廊下や、トイレの近くを飛び回っている。

何とも落ち着きがなく、蝶のように優雅で空間をたゆたうような飛び方ではない。地面に降りると盛んにバタバタ羽根を震わし、這い回っている。

何時ぞや「アケビコノハ」というコノハガの一種といきなり遭遇した時は、本当にビックリした!巨大な羽根をバタバタさせ、狂ったように飛んできたからだ。

翌日、そのアケビコノハの降り立った所に行った。全く動く気配がない。触ると、もう死んでいた。

如何やら愛宕山から飛んで来る蛾は、交尾・産卵のあと、死に場所を捜して、職場のビルにさ迷い出てくるのだろう。

蝶には蝶の、蛾には蛾の、それぞれにしかない、天然の美が秘められている。

投稿: 銀鏡反応 | 2008/07/21 9:41:33

I read Mr.Kuwara's blog at first time. I was impressed by the blog as yours. I think it's wonderful you respect each other. I also would like to stoop to conquer!!
The most difficult matter is the way how I keep calm when I took a step backward.
I should over that stage.

Actually,it's hard to write comments in English,but I keep trying to improve my skill.

投稿: | 2008/07/21 8:46:41

経て 経て 経て  へとへとも経て  変調も経て

      蛾は蛾なり  好調に飛ぶ   蝶に誇る事も無し

投稿: | 2008/07/21 7:54:20

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