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2008/07/31

たどり着いた

講談社「キング」の小林司さん
と会う。

「タイガー・ジェット・シン」の
話で盛り上がる。

「森達也さんがタイガー・ジェット・シン
と会った時、では、となると、それまで
紳士的に話していたのが、突然サーベルを
振りかざして噛みついたのです。
その時の森達也さんの顔が幸せ
そうだったなあ。」
と小林さん。

後にメールをいただいた。

To: Ken Mogi
From: "小林 司"
Subject: キング小林です/今日は…

茂木健一郎さま


お世話になります。

今日はほんとうにお時間のない中
取材時間をとっていただき
有り難うございました。

風のように去っていくのが
茂木さんらしく、格好いいなあと。

80〜90年代初頭のプロレスといまのバラエティ=お笑いは、
フェイクドキュメンタリーとして地続きではないかと
常々思ってるのですが、そのあたり
今度お会いしたときにぜひお伺いしたいです!

たけしさんの27時間テレビの狂気ぶりはここで見れます。

http://jp.youtube.com/watch?v=GWzVIrMdMos

講談社キング 小林司拝

Quantum Leapにて、
出井伸之さんにお目にかかる。

出井さんは、相変わらず、
まるで日本中の元気代表のように
元気であった!

大場葉子さんと、浅草まで
移動しながら打ち合わせ。

『トゥープゥートゥーのすむエリー星』 
の手書きのポップを描く。

埼玉県春日部市へ。

「脳とボランティア」という
テーマで講演。

帰りの電車の中で、うとうとする。
地下鉄をぜんぶうとうとしながら
移動する。
どこかで仕事をしようと
思ったが、
やっぱり歩こう、と思って
夕方の街に出た。

最近、歩く暇さえもなかった。
何でこんなに仕事に追われているのだろう。
今年は、仕事は断ろう、と思ったのに、
気付くと追われている。

くそお、負けないぞ!

やさしい風に吹かれていると、
いろいろとエッセンシャルな問題が
無意識の中から「おれたちのことを
考えろ」と浮上してくる。

気持ちの良い、小さな公園が
見つかったので、仕事を
しようと腰を下ろす。

やっとここにたどり着いた。

すると、「待っていました」
「うれしい!」とでも言うように、
蚊がもやもやもやと飛んできた。

一匹や二匹ではない。十匹くらい
とんできた。

うわあ。

蚊に刺されるということについては
子どもの頃から野山を駆け回っていて
耐性が出来ている私ではあるが、
用件が終わったら退散した。

仕事ストライキをしてふらつき
歩いた束の間の夕方の街。
最後に待っていたのは
小さな野生であった。

ソニーコンピュータサイエンス研究所
の創始者の所眞理雄さんを
囲む会。

所さんと奥様、研究所の有志で懇談した。

レストランの天井から下がるランプが
光のクラゲのよう。

そんなことにやわらかな関心を向けたのは
久しぶりのことだった。

7月 31, 2008 at 07:58 午前 | | コメント (18) | トラックバック (4)

2008/07/30

おすすめのこの夏聴きたい音楽

有江活子、茂木健一郎
おすすめのこの夏聴きたい音楽

ラジオ NHK第一
2008年7月30日(水)
17時30分〜18時の間

http://tv.livedoor.com/listing?d=2008-07-30&r=17-24

7月 30, 2008 at 08:43 午前 | | コメント (4) | トラックバック (0)

ガッシリや、ぎゅわんや、ボキボキ

有吉さんが遊んでくれた。

『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の打ち合わせをしていると、
有吉伸人さんが、「茂木さん、写真を
撮ります」とカメラを持った。

住吉美紀さんの横で
ポーズをとった。

パチリ。


すみきちともぎけんいちろうくん
ぼくも、有吉伸人さんのことを撮った。

有吉さんが遊んでくれた。


遊んでくれた有吉伸人さん

『スタジオパークからこんにちは』。

武内陶子さん、稲塚貴一さんと
楽しくお話する。

ニュースのコーナーになったら、
馴染みのある顔が座った。

『科学大好き土よう塾』で
何度もご一緒した室山哲也さん。

なつかしい顔に、思わず手を振った。
うれしかった。

ラジオセンターで有江活子さんと
お話しする。

有江さんの落ち着いた言葉の響きに
共鳴しているうちに、
何となくこちらの声も
落ち着いていった。

今日放送です。

人間というものについて考えた。

パトスがなければならない。
ロゴスを欠かすことはできない、
諸君!

パトスやロゴスは、それが
生命にやどる以上、
抽象的な観念ではとどまり得ず、
骨、肉、関節の
ガッシリや、
ぎゅわんや、
ボキボキ
に相当する
もろもろが現れる。

人間というものは、実に
精神運動においても、身体性を
帯びているものではないかね、
諸君!

そして、あふれでる心の肉体の
気配は、
必ずや目の力となって
人を感化するものだと思うぞ。

新幹線の先頭車両の
ような流線型の目が熱を帯びるのを
見た。

7月 30, 2008 at 08:38 午前 | | コメント (11) | トラックバック (3)

2008/07/29

奇跡のリンゴ

『奇跡のリンゴ』
ー「絶対不可能」を覆した農家木村秋則の記録ー

石川拓治 著
NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」
制作班 監修

幻冬舎より発売中。

発売たちまち大増刷

「すごい反響です」(増田加奈子・幻冬舎)

amazon 

クオリア日記 「奇跡のリンゴ」 

7月 29, 2008 at 11:58 午前 | | コメント (4) | トラックバック (2)

スタジオパークからこんにちは

スタジオパークからこんにちは

2008年7月29日(火)13時5分〜13時54分

NHK総合

http://www.nhk.or.jp/park/ 

番組表 

7月 29, 2008 at 07:45 午前 | | コメント (19) | トラックバック (1)

毬の糸

編集の松原梓さんやライターの網中裕之さん
と話しているうちに、おかしなことに
思いが至った。

もともと、人間の労働は身体を目一杯
使うものだった。
田植えをすれば筋肉が痛くなるし、
力仕事をすれば身体がしんどい。

近代「スポーツ」発祥の地は
英国。
つまりは、肉体労働をしなくて済む
「有閑階級」の贅沢だった。

世間は「脳を鍛える」ということに
熱心だが、
私が自分では一向に「脳を鍛える」
気にならないのは、要するに
朝から晩まで脳を酷使している
からだと気付いた。

「脳を鍛える」
というのは現代人にとっての
一つの贅沢かもしれぬ。

橋本麻里さんが橋本治さんと
京都にいるというので、
合流。


橋本治さんと。祇園花霞にて。

橋本さんとは、『小林秀雄の恵み』を巡って
『文學界』で対談して以来。

橋本さんの言葉は、思わぬところから
ふしぎな形と色を伴って飛んでくる。

やりとりを楽しんでいるうちに、
毬の糸をぐるぐると巻いているのか、
解いているのか、判然としない
いい気持ちになった。

7月 29, 2008 at 07:39 午前 | | コメント (9) | トラックバック (2)

2008/07/28

名人の手の震え

サンデー毎日

2008年8月10日号

茂木健一郎 
歴史エッセイ
『文明の星時間』

第24回 名人の手の震え

一部抜粋

 そして、勝利を確信した時、羽生さんの指す手が震え始める。ある時期から、緊迫した局面で「これからこのように指せば勝てる」という道筋が見えた時に、手が震えるようになったという羽生さん。
自分でも何故そうなるのかわからないという羽生さんの手の震えは、まさに「涙」と同じだと思った。
 人間の脳が自分では処理しきれない大きなものに出会った時に、「オーバーフロー」を起こして涙を流す。羽生さんの手の震えは、行き詰まるような真剣勝負を積み重ねてきた中で見いだした光明に、何かがあふれ出す、その印である。
 寒く暗い夜を耐えてきた野生動物が、東の空についに曙光を見て魂を震わせるような、そんな原初の感動。


全文は「サンデー毎日」でお読みください。

http://www.mainichi.co.jp/syuppan/sunday/ 

7月 28, 2008 at 07:43 午前 | | コメント (3) | トラックバック (1)

恥じらいから出発する

ヨミウリ・ウィークリー
2008年8月10日号

(2008年7月28日発売)

茂木健一郎  脳から始まる 第114回

恥じらいから出発する

抜粋

 進んで講演をしようというのではない。頼まれて、仕方がないからする。恥ずかしがり屋だから、自分の意見を多くの人の前で積極的に発表しようとは思わない。ただ、やる以上は信念を語る。来ている聴衆に楽しんでもらえるように、精一杯にやる。そのような、「恥じらいから出発する」ことから生まれる表現への強い意志を、小林秀雄さんの講演から感じ取る。
 恥じらいから始まることは、表現の質にとって案外大切なことかもしれない。恥じらいには、すでに「他人の目」が入っている。ただ単に自分の表現したいという意欲を優先するというのではなく、見る人、聞く人への配慮が反映されている。

全文は「ヨミウリ・ウィークリー」で。

http://info.yomiuri.co.jp/mag/yw/

7月 28, 2008 at 07:38 午前 | | コメント (3) | トラックバック (0)

野生の気配

京都の高島屋で、
NHK『きょうの健康』放送40周年記念
のイベント。

家森幸男さんの「世界の長寿食」
についてのお話を興味深く拝聴する。

食は文化であり、多様な可能性がある。
それぞれに異なるかたちで私たちの
生を育む。

「のど自慢」の司会を12年された
宮川泰夫アナウンサーとトーク。
感動の話をしている時に、
宮川さんが言われたことが
面白かった。

「のど自慢」の予選の倍率は
50倍くらいで、
出場できるということ自体が
とても大変なことである。

収録は、出場者にとって
この上ない幸せで、
その幸せを見守っているという
ことが自分にとっても幸せなのだ
ということがわかった。

合格すると、よろこびのあまり
抱きついてくる人たちがいる。

とにかく、よろこびが
爆発してそれを分かち合いたいのだけれども、
近くを見て、適当な人がいないので、
一番近くにいる宮川さんに抱きついて
くるのである。

「その時、ボクが手を広げて
待っている時と、くるな、というように
手を突っぱねている時があるらしいん
ですよ。ははは。」
と宮川さん。

男の出場者でも、抱きついてくる
人がいるのだという。
よろこびの爆発。

それを人と分かち合いたいという
衝動は、始原的なものなのだろう。

本の取材のため、京都から奈良へ。

奈良ホテルは明治創業の
クラッシックな外観。

編集の松原梓さん、網中裕之さんと
「江戸三」でご飯を食べていると、
外をダダダダダと大地を揺るがす
気配がした。

窓を開ける。鹿の群れが暗闇を
駆け抜けていく。

ホテルに戻るタクシーの中での、
運転手さんの話。

「奈良には1300頭鹿さんが
おられましてな、毎年300頭
亡くなられて、300頭生まれるんですわ。」

「奈良の春日山の原生林には野犬の
群れがいて、鹿を襲うんですわ。」

「野犬といっても、もう何代も人の
手を離れて繁殖しているんで、
こわいこと、こわいこと。」

「60頭くらいの群れが、3つある
そうですわ。」

奈良では、野生の気配がすぐそこにある。

7月 28, 2008 at 06:55 午前 | | コメント (9) | トラックバック (2)

2008/07/27

きょうの健康フェア

きょうの健康フェア

放送40周年記念
NHK『きょうの健康』フェア

茂木健一郎、
宮川泰夫アナウンサー

2008年7月27日(日)
16時〜17時
京都高島屋7階催事場

http://www.nhk.or.jp/kyoto/event/kenkou/index.html

7月 27, 2008 at 11:02 午前 | | コメント (3) | トラックバック (0)

マッシュ・アップ

ISEAは、いわゆる「メディアアート」
と呼ばれるインタラクティヴな
アートに関心を持つ技術者、科学者、
芸術家の集まり。

エイドリアンが招いてくれて、
私がオープニングのキーノート・スピーチを
した。

創造性のメカニズムについて、特に
記憶のシステムの関連において
論じた。

続いてパネルがあり、
数名でしゃべった。
古川亨さんは加熱すると
ぶーんと走る。

フランシス・クィックの
乱取り的発言が面白かった。

博物館でレセプションがあり、
担当大臣がスピーチする。
シンガポール国立大学と慶應大学の
ジョイントで「キュート」という
名のリサーチ・センターができる
というアナウンス。

雑踏を見て感慨を覚える。
肌の色も関係ねえ、
言葉も関係ねえ、
国籍そんなの関係ねえ、
男でも、女でも、
若くても、年寄りでも、
そんなのぜんぜん関係ねえ。

ネットワークとインタラクティヴが
創り出そうとしている
新しい「マッシュ・アップ」的
リアリティ。

「おお、これか!」
と思うくらい、はっきりとした
手応えがあった。

関係者で中華料理を囲み、
私は深夜の空港へ。

東京。
乗り継ぎ、つくばの
産業技術総合研究所(産総研)へ。

子どもが2割くらいの聴衆に向かって、
1時間「科学の恵み」の話をする。

餌取章男さんに、久しぶりにお目にかかる。

地質標本館がすばらしい。
館長の青木正博さんが案内下さる。

地の中のメタボリズムにおいて、
鉱物たちはすでにマッシュ・アップ
されていた。

長い永い時間をかけて。
そして眠る。

7月 27, 2008 at 10:58 午前 | | コメント (9) | トラックバック (2)

2008/07/26

成田に着いて

東京へ。

同じ「アジア」といっても、
無限の階調のあることを知る。

明治の昔、「洋行」する時に
南洋航路を行った人たちは、
徐々に変化する風情に
地球を感じたのだろう。

7月 26, 2008 at 10:16 午前 | | コメント (8) | トラックバック (4)

今空港です。

これから日本に向かって飛んでいきます。

夢の人になります。

日本は、どんな天気かな。

7月 26, 2008 at 12:21 午前 | | コメント (5) | トラックバック (1)

2008/07/25

産総研一般公開

独立行政法人
産業技術総合研究所
一般公開

茂木健一郎
『科学の恵み』
2008年7月26日(土)
13:00〜14:00
産業技術総合研究所(つくば)

http://www.aist.go.jp/aist_j/event/ev2008/ev20080726/ev20080726.html 

7月 25, 2008 at 10:38 午前 | | コメント (0) | トラックバック (1)

「あり得たかもしれない姿」

マイケル・コーエンと一緒に
シンガポール国立大学に向かう。

マイケルはとにかく喋り好きである。

ずーっと機関銃のようにしゃべっている。
こっちも同じスピードで英語を
しゃべろうとするから、
次第に人格が変わっていく。

エイドリアン・チョックの
「ミックスド・リアリティ・ラボ」には
たくさんの学生がいて、
それぞれ面白い研究をしている。

慶應大学と、シンガポール国立大学の
職を兼任しているエイドリアン。

「行き来するのはクレイジーだと
言われたけれども、実際に
やってみて、やっぱりクレイジーだった。」

「ぼくはユダヤ人だから、イスラエルには
何回か行ったことがあるよ。」
「そうか、マイケル、なんで、ユダヤ人からは
天才がたくさん出るんだと思う?」
「うーん、それを言うと、ちょっと自慢している
みたいだからなあ。」
「考えてみてよ、トラックレコードは
凄いでしょ。アインシュタン、フロイト、
ファインマン。・・・」
「確かに比率がおかしいよね。」
「どうしてなんだろう?」
「どうなんだろう。ただ、一つ言えるのは、
教育に熱心だという伝統かな。ぼくの
両親も、ぼくが生まれる前から、大学に
行く費用を貯めていてくれた。」

どんなにネットが発達しても、
「今、そこにいること」の大切さは
ある。

機関銃のように話すマイケルと、
魔術師のようなエイドリアン。

ずっとその話を聞いていて、
触発されるものが身体の中から
ゆっくりと立ち上がっていった。

シンガポール国立大学のインタラクティブ・
デジタル・メディア研究所所長の
中津良平さんとお話する。

World Scientific のInnovation magazineの
インタビューを受ける。

インタビュワーは、Edmund Wee。

Edmundは英語名で、中国語では
ワープロで変換できないような難しい
漢字を使う。

シンガポールの中国人たちは、
英語名と中国語名を使い分けている。
ヘンリーとか、トーマスとか。

シンガポールの一人あたりの
国民所得は、2007年に
日本を抜いたという。

World Scientificは
世界9カ国にofficeを持ち、英語圏の出版に
おいてプレゼンスを保っている。

日本のもう一つの
「あり得たかもしれない」
姿が心をよぎる。

今日はISEA2008でkey note speechを
して、それからまたマイケルやエイドリアンと
話し、夜の飛行機で日本に帰る。

http://www.isea2008singapore.org/conference/conf_keynotes.html 


シンガポール国立大学の学生たちの前でデモをする
エイドリアン


マイケルと、中津良平さん。

7月 25, 2008 at 10:34 午前 | | コメント (9) | トラックバック (2)

2008/07/24

Raintree

シンガポールに来るのは、田谷文彦、
柳川透と一緒に ICONIPで来て以来。

空港からの車を運転してくれたのは、
Ashid。

マレー系のイスラム教徒である。

逆さまに空に向かって広がっていく
木があるので、あれは何かと聞いたら、
raintreeだと答えた。

なぜraintreeと言うのか、と尋ねたら、
「雨が降ってくるだろ」
とAshidが言う。

「うん」

「そうしたら、雨宿りするのさ。上に広がって
いるところが傘に似ているよね。」

「Ashid」というのは、「忍耐強い」という
意味だという。

シンガポールにも、大量の仕事を
持ち込んでいて、街の空気を吸い、
夜の光を取り入れて、あとは手を動かす。

今日は招待してくださった方の
研究室を訪ねる。

7月 24, 2008 at 09:03 午前 | | コメント (10) | トラックバック (3)

2008/07/23

Singapore

学会出席のため、土曜の朝までシンガポールに行きます。
この間、メールは読める予定です。

7月 23, 2008 at 11:01 午前 | | コメント (6) | トラックバック (0)

すぐれた実存主義者

実存主義の哲学によれば、
人の本質(essence)というものは
最初から存在するのではなく、
その人が積み重ねる選択(choice)、
そしてコミットメントによって
形づくられていくものである。

サルトルは、「アンガージュマン」
という言葉で、本質を作り上げて
いく行為の重要性を表現した。

夏目漱石が、東京帝国大学を
辞めて朝日新聞に入るという
「決断」をしたことは、その後の
漱石の「本質」が形成される
上で重大な意味を持った。

 大学を辞して朝日新聞に這入ったら逢う人が皆驚いた顔をして居る。中には何故だと聞くものがある。大決断だと褒めるものがある。大学をやめて新聞屋になる事が左程に不思議な現象とは思わなかった。余が新聞屋として成功するかせぬかは固より疑問である。成功せぬ事を予期して十余年の径路を一朝に転じたのを無謀だと云って驚くなら尤である。かく申す本人すら其の点に就ては驚いて居る。然しながら大学の様な栄誉ある位置を抛って、新聞屋になったから驚くと云うならば、やめて貰いたい。大学は名誉ある学者の巣を喰っている所かも知れない。尊敬に価する教授や博士が穴籠りをしている所かも知れない。二三十年辛抱すれば勅任官になれる所かも知れない。其他色々便宜のある所かも知れない。成程そう考えて見ると結構な所である。赤門を潜り込んで、講座へ這い上ろうとする候補者は――勘定して見ないから、幾人あるか分らないが、一々聞いて歩いたら余程ひまを潰す位に多いだろう。大学の結構な事は夫でも分る。余も至極御同意である。然し御同意と云うのは大学が結構な所であると云う事に御同意を表したのみで、新聞屋が不結構な職業であると云う事に賛成の意を表したんだと早合点をしてはいけない。
 新聞屋が商売ならば、大学屋も商売である。商売でなければ、教授や博士になりたがる必要はなかろう。月俸を上げてもらう必要はなかろう。勅任官になる必要はなかろう。新聞が商売である如く大学も商売である。新聞が下卑た商売であれば大学も下卑た商売である。只個人として営業しているのと、御上で御営業になるのとの差丈けである。

夏目漱石「入社の辞」
朝日新聞1907年5月3日掲載

http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/card2673.html 

「入社の辞」の最後の方には、次のような一節がある。

やめるとなと云ってもやめて仕舞う。休めた翌日から急に脊中が軽くなって、肺臓に未曾有の多量な空気が這入って来た。
 学校をやめてから、京都へ遊びに行った。其地で故旧と会して、野に山に寺に社に、いずれも教場よりは愉快であった。鶯は身を逆まにして初音を張る。余は心を空にして四年来の塵を肺の奥から吐き出した。

これと同じような感慨を、定年前に東大を辞めた
養老孟司さんから何回か聞いた。

夏目漱石も養老孟司さんも、
すぐれた実存主義者である。

京都へ。

桂離宮を初めて見る。

嵐山吉兆へ。

徳岡邦夫さんは、サンフランシスコに
お仕事で行かれていて不在。

夫人の徳岡律子さんとお話した。

「徳岡さんの、どこが好きになったのですか?」
と伺うと、
「変わった人だった」との答。

野比の海岸で、ヨットを出そうとして
いた徳岡さんを手助けしたのが
出会いだったという。

「オレは京都の吉兆の息子だ、
と言っても、私がそれなに、と
全く知らなかったので
がっかりしているようでした。」

とても素敵な女将さん。

同行の小学館「和樂」編集部の
渡辺倫明さんは、料理に至極満足した
様子。

至福の時を過ごした後で、
ただただ、どこまでも
ずっ走って行きたくなった。


徳岡律子さん


ご満悦の渡辺倫明氏

PHP研究所の木南勇二さんから
メールをいただいた。


From: "木南 勇二"
To: "茂木 健一郎"
Subject: TBS王様のブランチ高視聴率でした【PHP木南】

茂木健一郎先生

いつも大変お世話になります。
7/19(土)放映のTBS「王様のブランチ」は
茂木先生の本の放映になった途端、通常より視聴率が3%ほど
上がったと、TBSの方から小生に喜びの電話がありましたので
ご報告させていただきます。
『世界一受けたい授業』とあわせまして、売れ行きも再び
2〜3倍にアップいたしました。
誠にありがとうございます。

また全5広告も出すことになりましたので
ご報告させていただきます。

『脳を活かす仕事術』の再校のご高閲も
ご多忙のところ誠に恐縮ですが8/1の
朝カル時まで何卒よろしくお願いいたします。

木南拝

7月 23, 2008 at 05:55 午前 | | コメント (9) | トラックバック (4)

2008/07/22

プロフェッショナル 国村次郎

プロフェッショナル 仕事の流儀

ハンマー一筋、新幹線を作る

~ 板金職人・国村次郎 ~

ハンマーでありとあらゆる形を
打ち出す国村次郎さん。
実際にやってみて驚いた。
とてつもなく難しい。

金属の局面と、台と、ハンマーが
一点で出会わなければならない。

ポイントを間違いなく叩けば、
金属はそれに応えて変形して
くれるが、そうでなければ空虚な
音を立てるばかり。

人生も、また同じ。
乾坤一擲を繰り返す国村
さんの背中に、積み重ねてきた
歳月の尊きを想う。

NHK総合
2008年7月22日(火)22:00〜23:00

http://www.nhk.or.jp/professional/

すみきち&スタッフブログ

Nikkei BP online 記事
職人が無口な理由〜板金職人・国村次郎〜(produced and written by 渡辺和博(日経BP))

7月 22, 2008 at 07:21 午前 | | コメント (5) | トラックバック (4)

月の石

サンデー毎日

2008年7月20日号

茂木健一郎 
歴史エッセイ
『文明の星時間』

第23回 月の石

一部抜粋

 国立科学博物館には今でも「月の石」が展示されている。展示室の片隅に置かれた、小さな物体。月の組成や、その形成の歴史などを私たちに教えてくれる科学的には限りなく貴重な資料。展示説明を熱心に読む来館者は後を絶たない。しかし、その雰囲気はあくまでも冷静である。
 1969年には、そうではなかった。アポロ11号の快挙の後の興奮の渦の中に世界はあった。アポロ11号の三人の乗組員、ニール・アームストロング、マイケル・コリンズ、エドゥイン・オルドリンの三人が、11月4日に来日。皇居に昭和天皇を訪問した。三人は、日本政府から文化勲章を受けた。人類の文明史における顕著な業績にかんがみた、きわめて例外的な顕彰だった。
 そして、11月25日、国立科学博物館で「月の石特別展」が始まった。人類が初めて持ち帰った地球外の天体のサンプル。その姿をひと目見ようと、たくさんの人たちが列を作った。

全文は「サンデー毎日」でお読みください。

http://www.mainichi.co.jp/syuppan/sunday/ 

7月 22, 2008 at 07:15 午前 | | コメント (1) | トラックバック (0)

「絵本の家」と「巨人の肩」

ヨミウリ・ウィークリー
2008年8月3日号

(2008年7月19日発売)

茂木健一郎  脳から始まる 第113回

「絵本の家」と「巨人の肩」

抜粋

 まだ小学校に上がる前の頃。近所に住んでいた大野君がよく遊びに来た。二つ下の妹も、私と大野君の遊びに加わった。
 よくやったのが、「ヘンゼルとグレーテル」ごっこ。「ヘンゼルとグレーテル」では、お菓子の家に住む魔法使いのおばあさんがヘンゼルとグレーテルを騙して、食べてしまおうとする。おばあさんがかまどの前に立って、「どれどれ、もう焼けたかな」と見ている時に、後ろからヘンゼルとグレーテルが突き飛ばして、おばあさんはかまどで焼けてしまう。
 「ヘンゼルとグレーテル」ごっこをやるために、絵本をたくさん積み重ねて、お菓子の家をつくった。絵本の紙は厚くてしっかりしている。それを開いて立て、壁や屋根を作った。
 大野君や私がかわりばんこに魔法使いのおばあさんの役になって、「どれどれ、もう焼けたかな」と絵本の家の近くでのぞき込むふりをする。そこで、タイミングよく後ろから押す。「ああ〜助けてくれ〜」と叫びながら倒れると、絵本の家が崩れる。その調子がおかしくて、三人で笑った。

全文は「ヨミウリ・ウィークリー」で。

http://info.yomiuri.co.jp/mag/yw/

7月 22, 2008 at 07:12 午前 | | コメント (1) | トラックバック (0)

無意識を耕すために

Lecture Records

茂木健一郎
「無意識を耕すために」
河合隼雄先生追悼シンポジウム
2008年7月21日
九段会館

http://www.konohana.jp/2008/otr/tsuito.html
音声ファイル(MP3, 27.8MB, 60分)

7月 22, 2008 at 07:08 午前 | | コメント (16) | トラックバック (3)

うるわしいもの

河合隼雄先生の一周忌を
記念して開かれたシンポジウム。

http://www.konohana.jp/2008/otr/tsuito.html 

「今、ここ」にいない方に
向かって話しかける。

その時の脳活動はどうなって
いるのだろう。

遠くを思うこと。

「不在」に寄り添うこと。

人生において大切なこと。

子どもの頃、父や母が
お盆になると、
ナスに割り箸を刺して馬を作って
亡くなった先祖の霊の
お迎えをしていた。

あのような風習は、今から
考えるとうるわしいものだった
と思う。

7月 22, 2008 at 06:14 午前 | | コメント (14) | トラックバック (3)

2008/07/21

飛んでいる蛾を見てショックを受けるのは

結局、信じられるものは、
丹念に向き合い、自分というものが
消え、気付けば何らかの作品が
出来ているという仕事をする時間の
流れと、
身体を動かし、汗を流し、
かっかとなってやがて引く
その充実感だけのように
思う。

よどんでいればいるほど良い
昇華したときに、よきものができる。

この前、京都のお寺に行った
時に、大きな鉢に蓮が植えられて
いるのを何回も見た。

泥から出でて、この世のものとは
思えないような美しさを見せる。

仏教哲学において好まれたのも
当然のことしてうなづける。

先日のベストハウス123の
収録の時、VTRで「さえない男が、
この馬に出会うことで変わった」
というコメントがあり、その「さえない男」
というところでとなりのYOUさんが
くすっと笑った。

その笑うタイミングで、
この人は泥のことがわかっているんだなあ
と思った。

YOUさんは
桑原茂一さん 
の友だちである。


泥同盟。

森の中を歩いていて、
蝶と蛾は簡単に区別がつく。

蛾が飛んでいるのを見ると、
ある種の衝撃を受ける。
小さな頃から無数に見慣れている
はずなのに、いつまで経っても
抜けない。

そうか、飛んでいる蛾を見て
ショックを受けるのは、
その軌跡とリズムのせいだ。

ぐねぐねとギザギザと、
まるで脈打つように。

人間にたとえれば
まるで狂っているか意識に変調を
起こしているかのようだから、
衝撃を受けるのだと気付いた。

そこに行くと蝶の飛び方は
まっすぐで品行方正で
昼間の匂いがする。

今度から、蛾に出会ったら
よくその飛行を見てみることに
しよう。

7月 21, 2008 at 07:15 午前 | | コメント (10) | トラックバック (3)

2008/07/20

レインボウブリッジ

少し離れてものごとを見た方が
本質がわかることがある。

2008年7月10日のNatureに
掲載されている

Social diversity promotes the emergence of cooperation in public goods games
という論文。

社会の中の結びつきを
スケール・フリー・ネットワークを導入して
多様にすることで、公共財の構築に
協力的な人の割合が増えるという趣旨。

注目すべきは、「利得」の分布が
power lawになることで、
低い利得の人がたくさんいる
一方で、ごく少数の人たちが大きな利得を
得るようになる。

社会の中の所得の分布は、正義不正義の
問題ではなく、人間が相互に協力関係を
結ぶ際の法則性に依拠しているのかもしれない。

そう見ることで、さまざまな問題に対する
対応が変わってくる。

所得分布のpower lawは避けられないことであり、
累進課税などの税制でそれを補うことが
必然であるというように。

科学の恵みは、距離を置くことでものごとの
本質が見える、そのひんやりとした感触の
中にある。

東京大学医学部鉄門記念講堂。
東京芸術大学の
須甲松信教授にお誘いを受けて、
「芸術療法と脳科学」という
タイトルでお話させていただいた。

この学術大会(第39回日本職業・環境アレルギー
学会総会)では、
布施英利さんや、小泉英明さんも
講演された。
異分野交流をしようという、
須甲さんの発案である。

講演中、ふしぎなことが起こった。
パワーポイントが、ふわふわと
動いている。

話しながら、「あれ、なんでこのパワーポイントは
動いているんだろう。誰かがゆすぶっている
のかな?」などとぼんやり考えていた。

地震だ! と気付いたのは数秒後。
見ると、天井から下がるプロジェクタが
大きく揺れている。

「えーみなさま、地震のようです。
こういう耐震構造の建物は、上にいくほど
振れ幅がおおきくなりますから、
地上ではここまで揺れていないかもしれません。
それにしても案外長く揺れていますね。
これが初期微動だとしたら、困りますが」
などとつなぐが、
パワーポイントが揺れているのでは
気分が出ない。

やっと収まって、気を取り直して
話す。

大地は、時々その存在を私たちに
思い出させる。

フジテレビ。

朝倉千代子さんや齋藤智礼さんと
打ち合わせ。

朝倉千代子さんや齋藤智礼さん、それに
冨田英男さんとキム・ピークを取材した
映像を元に、私がサヴァン能力について
解説した回が、16.4%でその日の
同じ時間帯のトップだったと聞いていた。

「良かったですねえ。その時間帯の
トップで。」

「何言っているんですか、茂木さん、
あの回は、ベストハウス123の番組
始まって以来の最高視聴率だったんですよ。」
と朝倉さん。

「えっ」
「いきなり大ホームランですよお」
と齊藤さん。

そうだったのか!
じゃあ、あの時日記を
もっと派手に書けば良かった。

私が朝倉さんからのメールを
返事し忘れていて、
打ち合わせだけの
はずだったのだけれども、
せっかく来たんだから、ということで、
なぜか急遽ベストハウス123の
収録にも出ることになった。

荒俣宏さんやYOUさんと話した。

精神の若さというのは、ある種の
違和感やざらつきを伴う。

春芽を出してぐんぐん伸びる植物
の組織に含まれる苦味のように、
「今、ここ」に対するいらだちが
精神の成長に伴う。

そのいらだちのダイナミクスには
無限の階層があって、
苦味を、うまく土の滋養と
結びつけなければならない。

レインボウブリッジを渡りながら、
パワーポイントの画像がゆらゆらと
動き始めてその原因を知らなかった
数秒間のふしぎを思い出した。

7月 20, 2008 at 10:14 午前 | | コメント (8) | トラックバック (3)

2008/07/19

世界一受けたい授業 

世界一受けたい授業

2008年7月19日(土)
19時57分〜21時
日本テレビ系列

番組表

7月 19, 2008 at 08:42 午前 | | コメント (1) | トラックバック (2)

王様のブランチ

2008年7月19日(土)
TBS
王様のブランチ 内

先日の落合第二中学での「勉強法」
授業の模様が放送される予定です。

番組表 

7月 19, 2008 at 08:36 午前 | | コメント (3) | トラックバック (0)

『すべては音楽から生まれる』21刷

PHP新書
茂木健一郎 『すべては音楽から生まれる』
は増刷(21刷、累計15万3000部)
が決定しました。

ご愛読に感謝いたします。

PHP研究所の丹所千佳さんからの
メールです。

From: "丹所 千佳"
To: : "茂木健一郎"
Subject: 増刷のお知らせ。


茂木健一郎先生

おはようございます。
先日は本当におつかれさまでした。
黒田邸での3ショットに心がなごみました。

さて、増刷のお知らせです。
『すべては音楽から生まれる』は、
おかげさまで、21刷を重ねます。
累計で153,000部と相成りました。
茂木先生はもちろんですが、
本書の制作や販売に関わってくださった方々、
そして読者の方々に、御礼申し上げます。
ありがとうございます。
わたしもとても嬉しいです。


PHP研究所 新書出版部
丹所千佳

amazon 

7月 19, 2008 at 08:32 午前 | | コメント (1) | トラックバック (1)

疾走する愛

赤坂プリンスホテル
武部勤さんの朝食会でお話する。

猪口邦子さん、佐藤ゆかりさんに
御著書『東京WOMEN大作戦』
をいただく。

大手町の日経サイエンス。
東京大学の目黒公郎さんに、
建物の破壊工学をベースにした
総合的視点から、地震対策について
お話をうかがう。

パレスホテル。

棋士の矢内理絵子さんが第一期の
マイナビ女子オープンを制して
初代女王になったのをお祝いするパーティー。

乾杯の挨拶をする。

矢内さんとは、対談の本が出版される予定。

ソニーコンピュータサイエンス研究所
にて、脳科学グループの会合。

柳川透、関根崇泰と研究の
議論をする。

関根と高川華瑠奈がSfNで
スライド・プレゼンテーションに
なった。

朝日カルチャーセンター。
「脳とこころを考える」
脳と音楽の第一回。

レオス・カラックス監督の
『汚れた血』の中でドニ・ラヴァンが
言うせりふ「君は疾走する愛を信じるかい?」

愛があっても、なくても、
地球は回り続ける。

くるくるくるくるくるくるくるくる。

とにかく疾走した一週間であった。

7月 19, 2008 at 08:28 午前 | | コメント (11) | トラックバック (1)

2008/07/18

朝日カルチャーセンター ー脳と音楽 08ー

本日朝日カルチャーセンター
「脳とこころを考える」
ー脳と音楽 08ー

2008年7月18日(金)
18時30分〜20時30分
東京新宿朝日カルチャーセンター

http://www.asahiculture-shinjuku.com/LES/detail.asp?CNO=28748&userflg=0 

7月 18, 2008 at 06:11 午前 | | コメント (6) | トラックバック (1)

しんこって何だか知っていたのか

赤坂にて、北野武監督の
新作『アキレスと亀』の試写会。

ウェスティン・ホテルにて、
レオス・カラックス監督と対論。

桑原茂一さん、吉村栄一さん。

カラックスさんの『汚れた血』
の映像の官能は衝撃的である。

カラックスさん「人々が秩序に
無意識に従順になり、一方で大いなる
恐怖を抱くことで、世界はどんどん
幼稚化している。」

対論はdictionaryに掲載される
予定です。

Leos Caraxさんと。

六本木スタジオで、北野武さんと
対論。

たけしさん「オレには、笑いという
保険があるから、もっともらしいこと
をしなければならない人にはできないような、
思い切ったことができるんだよ。」

対論はGQに掲載される予定です。


北野武さんと。

東京芸術大学。

ブルータス『人間関係』の企画にて、
日本画家の松井冬子さんと写真撮影。

撮影は、巨匠、篠山紀信さん。

篠山さんがカメラに向かっている
その空気感が素敵だった。


篠山紀信さん、松井冬子さんと。

松井冬子さんと芸術について
語り合う。

雑誌『正論』の上島嘉郎編集長と
お話しする。

人間にとっての、歴史の意味など。

小林秀雄さんの声について、
神楽坂の寿司幸で
白州信哉と対談。

『新潮』編集長の矢野優さん、
田畑茂樹さん、それに
池田雅延さん。

今年初めての「しんこ」を
食べた。


しんこ。

信哉「あれ、もぎ〜
おまえ、しんこって何だか
知っていたのか〜」

しんこやしんやが
何かくらいは知っているよ!

相変わらず口の悪い信哉。

しかし、こんなに心の熱い
男もそうはいない。

一生一緒に共闘
して行こうと二人で誓ったのだった。


池田雅延さんと白洲信哉


矢野優さんと白洲信哉

7月 18, 2008 at 06:06 午前 | | コメント (10) | トラックバック (3)

2008/07/17

ゆらぎの谷

大阪大学へ。

論文の内容についての議論
をするために、関根崇泰が
新幹線で一緒に大阪へ。

議論をして、関根の
実験の意義が頭の中で
はっきりと整理できた。
有意義だったと思う。

ロボット研究で著名な
浅田稔さん、石黒浩さんが
いらっしゃる専攻で
大学院生相手に授業をする。

終了後、浅田・石黒研究室で
CB2を見る。

荻野正樹さん、野田智之さんと議論。

関根は大阪大学に来るのは
初めてとのこと。
CB2を見て大いに
興味を惹かれた様子。

荻野さん、野田さんと一緒に、
医学部の柳田敏雄さんを
訪ねる。

柳田さんは、私が大学院で
生物物理をやっていたころ、
生体の機能における
「ゆらぎ」の意義について
興味深い研究をされていて、
大いに刺激を受けた大先達である。

ひさしぶりに「ゆらぎ」
の周辺の話題について
お話して、とても面白かった。

硬い機械系にゆらぎを入れると、
現在の制御理論では機能が崩れ、
わるいことばかり起こる。
この「ゆらぎの谷」をいかに
して乗りこえて、その向こうの
「よいこと」がある領域に
至るか。

柳田さんが「還暦」の時に書いたという
「やったらしまいや」の文字に
目が留まる。

帰りの新幹線は、疲れが
出て眠る。

夜の道を歩きながら、ふと、
東京学芸大学附属高校に
入学した頃のことを思い出した。

あれから過ぎた日々。

その時間の流れが、今までに
実感したどんな時の隔てよりも
厚く、大きく、そして遠いものの
ように感じられて、
心がゆらいだ。

そのゆらぎの谷の向こうには
何があるのだろう。

7月 17, 2008 at 08:12 午前 | | コメント (10) | トラックバック (2)

2008/07/16

ベストハウス123

ベストハウス123

フジテレビ系列
2008年7月16日(水)21時〜21時54分

身近にいる妖怪大集合

http://wwwz.fujitv.co.jp/123/index2.html

番組表

7月 16, 2008 at 07:06 午前 | | コメント (4) | トラックバック (0)

水の勢い。

音楽評論家の黒田恭一さんを
ご自宅にお尋ねし、お話する。

戦後、メニューインが来日して
公演した時のこと。

当時の音楽の来日公演は、
ほとんど日比谷公会堂で
行われていた。

「その後知り合いになった人に
日比谷公会堂のコンサートの話をすると、
ほとんどの人が、ああ、それ、オレ
行っていた、などと言うんだよね。
当時は、コンサートの数がそれほど
なかったから、皆が同じ体験をしていた
んだよね。今じゃあ、そういうわけに
いきません。」

黒田さんが音楽を聴く巨大な
スピーカーの前で、メトロポリタン
オペラで購入したというモーリス・センダックの
「かいじゅう」のぬいぐるみとともに
記念撮影。

黒田さん、ありがとうございました!

新宿区落合第二中学校にて、
「脳を活かす勉強法」の授業。

中学二年生たちと、どうやって
勉強したらいいかという話をした。

みんないいやつだった。がんばれよ!

中学一年生から三年生までの全校生徒に
現代において学問をする意義について
熱弁する。
PHP研究所。

齊藤孝さんとお話する。

「質問する力」について。

齊藤さんと言葉のパス回しを
して、ドリブルして、
フィールド狭しと駆け回るのは
本当に楽しかった。

半蔵門にて、映画プロデューサーの
奥山和由さんとお話する。

北野武さんとの映画作りの
裏話など、興味深い話題に時を忘れた。

熱かったので、途中で
ひからびたような感じになり、
冷たい空気のつまった
部屋に入ったとき、
水をごくごく飲んだ。

あんなに勢いよく
水を飲んだのは久しぶりだったなあ。

子どもの頃、近くの神社に
虫取りにいって、
「おみずのませてください!」
と大声を出して境内の
蛇口からごくごく飲んだ。

あの時の水の勢いと
今日の水の勢いをまっすぐにつなげる。

そうなのだ。
人生は、水の勢い。

7月 16, 2008 at 07:03 午前 | | コメント (8) | トラックバック (2)

2008/07/15

プロフェッショナル 森内俊之 vs 羽生善治

プロフェッショナル 仕事の流儀
ライバル・スペシャル
最強の二人、宿命の対決

~ 名人戦 森内俊之 VS 羽生善治 ~

名人戦の最中の、羽生さんの
表情がすごい。まるで追い詰められる
ほど生命力を発揮する野生の動物のよう。

それに対する、森内さんのどっしりと
動かない落ち着きがすごい。
大地のように、羽生さんの動きを受け止める。

モーツァルトとベートーベンのような
天才同士の対決。

人間は、処理できないほどの
大きなものに包まれたとき、
脳の中にそれが収まり切らずに、
オーバーフローして涙を流す。

価値を意識した時、羽生さんの手は
震え始める。

羽生さんの手の震えは、羽生さんの
「涙」なのだ。

すさまじいものを見たような気がする。

60分拡大スペシャル。

NHK総合
2008年7月15日(火)22:00〜23:00

http://www.nhk.or.jp/professional/

すみきち&スタッフブログ

Nikkei BP online 記事
ライバルに跳ね返されたかけがえのない経験
〜名人戦 森内俊之VS羽生善治〜
(produced and written by 渡辺和博(日経BP))

7月 15, 2008 at 06:32 午前 | | コメント (12) | トラックバック (7)

トカイとサンテミリオン

デザイナーの原研哉さんと
お話する。

原さんには何度もお目にかかっているが、
日本デザインセンターに伺うのは
初めてだった。

車について話す。
そして、近くのカレー屋さんで
懇談。

橋本麻里さんも。

事務所に戻ると、原さんは
たくさんの携帯電話を並べた。

御自身がデザインされた
「らくらんホン」。

「ここがこうなんだよ」
と教えて下さる。


原研哉さんと橋本麻里さん。日本デザインセンターで。


「らくらくホン」を説明する原研哉さん。

NHKへ。

『プロフェッショナル 仕事の流儀』
班のある社会情報番組部を訪問。

『検索deゴー! とっておき世界遺産』
の収録。
司会は三宅裕司さん、伊東敏恵アナウンサー
森公美子さん、東貴博さん、三船美佳さん。

トカイとサンテミリオンを飲んだ。

放送はNHK総合テレビ
2008年8月2日(土)19:30〜20:42
の予定。

精神運動には独自の論理と力学がある。
人間にとって、「生きる」ということは
ただ物質的に存在することではなく、
自分の精神の発展の力学に
寄り添うことだ。

ヘーゲルが歴史を絶対精神の自己実現
のプロセスと見なしたように、
一人ひとりの人間にも、その生涯を
かけて実現すべき心のありようなにものか
がある。

自分にとって、
子どもの頃から、何を大切に、
ということは変わっていないように
思う。

魂というものは固定したものではない。
自己実現していく運動の志向性そのものを
魂と呼ぶのであろう。

7月 15, 2008 at 06:23 午前 | | コメント (9) | トラックバック (4)

2008/07/14

皇太子、雅子妃への手紙

皇太子、雅子妃への手紙
茂木健一郎 
『「世界を見た」お二人へ』

文藝春秋2008年8月号

抜粋

 私自身の英国留学中、印象深いエピソードがあった。雅子さまがハーバード大学を卒業し、さらにはオックスフォード大学にも留学されたという話をした時、親しい友人が「ああ、彼女は世界を見たんだね。」と言った。
 ここに、「世界を見る」とは、自分自身の固有の文化背景を離れて、広くさまざな風物、多様な人々に接するという意味の英語の表現である。とりわけ、ハーバードとオックスフォードという卓越した知の中心に身を置いたということは、すなわち、地球規模で活躍する上で必要な素養を身につけられたと判断する、英国人らしい「カモンセンス」の表現であった。

全文は「文藝春秋」で。

http://www.bunshun.co.jp/mag/bungeishunju/ 

7月 14, 2008 at 06:22 午前 | | コメント (1) | トラックバック (0)

かくも長き不在

サンデー毎日

2008年7月27日号

茂木健一郎 
歴史エッセイ
『文明の星時間』

第22回 かくも長き不在

一部抜粋

 ライプチッヒのトマス学校で音楽を教えながら、聖トマス教会で演奏される曲を作り続けたバッハ。マタイ受難曲は、1727年に作曲され、その年の聖金曜日(4月11日)に聖トマス教会で初演された。バッハは、当時、聖トマス教会の楽長を務めていた。1736年には、改訂版を再び上演している。バッハがこの世を去ったのは、それから14年後のことだった。
 ライプツィヒでの上演後、マタイ受難曲には、長い「不在」の時代が訪れる。自身もすぐれた作曲家だったメンデルスゾーンがベルリンでマタイ受難曲を再演したのは、1829年。実に100年近くにわたって、マタイ受難曲は演奏されることがなかった。

全文は「サンデー毎日」でお読みください。

http://www.mainichi.co.jp/syuppan/sunday/ 

7月 14, 2008 at 06:13 午前 | | コメント (0) | トラックバック (0)

烈しく差し込むあかりの由来するところ

夢の中で、大きなヒオドシチョウが飛んでいる
姿を追いかけていて、
その白い斑紋がきれいだなと
思い、あっ、そうか、羽の裏側に
白い斑紋があるのかと思った。

それで納得して、
ふたたび夢より深い無意識の海の
中へと沈んでいった。

しかし、目が覚めてよく考えてみると、
ヒオドシチョウの
羽の裏は真っ黒で、白い斑紋など
ないのだ。

生きる中で、「今、ここ」に
没入することは大切である。

子どもには、「今、ここ」しか
ない。
大人だって、「今、ここ」
は尊い。

しかし、ともすれば「今、ここ」
はばらばらの経験に分かれていって
しまう。

それらの断片を、蜘蛛の糸のように
絡まる意識の脈絡で
かろうじて「自分」の方に引き戻し、
すーっと「我」に還って
いかなければならないのだ。
そこで整合性のブックキーピングを
しなければならない。

夢の後で、
ああそうか、ヒオドシチョウの
羽の裏には白い斑紋はないのか、
と気付くように。

俵屋旅館の朝ご飯を食べながら、
至福の時間に感謝する。

部屋の書き物机のまわりには
コンセントの差し込み口はない
ものと思って、パソコンを
洗面所のコンセントに差して
出た。

和楽チームとの会食を
終えて戻ってくると、
書き物机の上に延長コードが
来ていつでも差し込めるように
なっており、インターネット接続の
モデムとイーサーネットまで
置いてあった。

見ると、壁に目立たぬように見事に
差し込み口が隠してあった。

日本家屋にはコンセントの差し込み口が
似合わない。

細かいところに届いた気配り。

ひとつひとつの空間のしつらいが
トータルで一つの質感をつくる。

お風呂の横のガラスを開けると、
手の届くようなところに
庭があり、緑がある。

近景としての緑の悦楽。

庭を共有しているにもかかわらず、
隣りの部屋とは視線が合わない。

渡辺倫明氏によると、これは
すべて主人の佐藤年さんの
丹念な追求によるところが
大きいということ。

佐藤年さんの亡くなった夫
アーネスト・サトウさんの書斎を
再現した「アーネスト・サトウ・ルーム」
は緑と光に包まれ、
ここで読み物や書き物をしたら
さぞ愉快だろうと思った。

東京に戻る。

赤坂の街は熱風に包まれる。

日本文化デザインフォーラム主催
日本文化デザイン会議2008。
原島博さん、千葉麗子さん、園山真希絵さん
とのセッションに参加。

続いて、日比野克彦さん、森司さん、
逢坂恵理子さん、秋元雄史さんのセッションを、
手元で仕事をしながら聞く。

隣には八谷和彦さんが座っていた。

桑原茂一さんと吉村栄一さんが
いらしていたのでいろいろな
お話をする。

人生というものの日常生活は
ほの暗い座敷で行われていて、
そこでは「今、ここ」の束縛が
大切だし尊重せねばならぬ。

ところが、隣りの座敷には
強烈なる日差しが差し込んでいて、
そのあかあかとした輝きを
日常座敷の立ち居振る舞いの中で
いかに意識しつづけるかという
ことが大切なのだ。

「今、ここ」のばらばらの体験を
蜘蛛の糸で自分の方に引き戻す。
できるだけ広い範囲を引き戻しなど
しているうちに、
自我の芯は臨界点へと高まる。

同時に、
「私」はいつかやわらかい自我の中心を
離れて、
決して手の届かないしかしごく身近にも映る
隣り座敷に烈しく差し込むあかりの由来
するところを想うのだ。

7月 14, 2008 at 06:08 午前 | | コメント (8) | トラックバック (2)

2008/07/13

迷うことなく、車のサンルーフを開ける。

ヨミウリ・ウィークリー
2008年7月27日号

(2008年7月14日発売)

茂木健一郎  脳から始まる 第112回

迷うことなく、車のサンルーフを開ける。

抜粋

 NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』の取材で、東京三鷹のスタジオ・ジブリに宮崎駿さんを訪問した。
 宮崎さんが主人公の年齢として設定したのは「5歳」。あの頃、私たちは世界をどんな不思議もその中から飛び出すことができるような場所として眺めていた。それから大人になると、次第に分別がついていく。言語による知識や、常識を身につけていく。
 それは、成長する上でどうしても必要なプロセスであると同時に、子どもたちの中に輝いていた夢見て、見いだし、驚き、よろこぶ力が徐々に失われていく「喪失の物語」でもある。
 お話をしていて、宮崎さんは、子どもたちのきらきらと輝く感性が本当に好きなのだなと感じた。「せっかく素晴らしいものを持っているのに、つまらない大人たちになっていってしまう」と宮崎さんは嘆く。


全文は「ヨミウリ・ウィークリー」で。

http://info.yomiuri.co.jp/mag/yw/

7月 13, 2008 at 04:27 午前 | | コメント (4) | トラックバック (1)

ひらめき脳 27刷

新潮新書 『ひらめき脳』
増刷(27刷、累計126000部)
となりました。

ご愛読に感謝いたします。

新潮社の金寿煥さんからのメールです。

From: "Kim Suhan"
To: "Ken Mogi"
Subject: 『ひらめき脳』増刷!


茂木健一郎様

 グッドニュースです。
 『ひらめき脳』が5000部増刷、27刷累計126000部となります。
 暑さ本格、あいかわらずの極忙の日々だと思いますが、
 ご自愛くださいませ。
 
 追伸
 三年前にお願いした、恐山での南直哉師との対談を読み直し、
 ちょこちょこと手を入れております。 いやー、深い! 
 こんなところにまでテーマは及んでいたのだなと
 感心するばかりであります。

 新潮社 金寿煥

7月 13, 2008 at 04:21 午前 | | コメント (0) | トラックバック (0)

マイ ウェイ

和楽の渡辺倫明さん、橋本麻里さんと
京都へ。

カメラマンは佐藤さん。

西本願寺の飛雲閣。

清水寺。胎内巡り。

三十三間堂。

実相院。床みどり。

俵屋旅館。

結局、私を突き動かしている
最大の動機付けは「この世の真実を
知りたい」ということであり、
主観的体験という位相が発見されて
しまった以上、
戦線は拡大してしまった。

現象学的次元の中のさまざまな
ふしぎなものたちの色や形やかがやきに
魅せられる。

夢の中で、おおきな体育館で
もよおしもののようなものをやっていて、
私はなぜか「マイ ウェイ」
を歌わされた。

アンド・ナウ ジ・エンド・イズ・ニヤ
アンド・ソー・アイ・フェイス 
ザ・ファイナル・カーテン

自分の歌いっぷりに
びっくりして目が覚めた。

ちょうど、仕事をするには良い時間だった。

きっと、帰りの新幹線は眠っていく
ことになるのだろう。

7月 13, 2008 at 04:09 午前 | | コメント (15) | トラックバック (1)

2008/07/12

羽生善治さんと

羽生善治さんと、2008年7月11日、
『プロフェッショナル 仕事の流儀』収録の
スタジオで。

(Photo by Atsushi Sasaki)

7月 12, 2008 at 10:42 午前 | | コメント (1) | トラックバック (1)

将棋の夢

まあまたよくもあきもせず、
朝から晩までずっと働いている。

「好きなことだからストレスが
たまらないんですよ。」
と有吉伸人さんは言った。

なるほど、そうかもしれぬ。
それでも、無意識の中で
ゆったりと大海原は
たゆたっている。

ちゃっぽん、ちゃっぽん。

渋谷東武ホテルで、
竹下美佐さんと打ち合わせ。

来週の土曜日放送予定の
『世界一受けたい授業』用に
コメントをいくつか収録。

NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』。
森内俊之さん、羽生善治さんの
お二人をお迎えしての
スペシャル。

至福の時というのはこのような
のを言うのだろう。

実にいや実にまったく
楽しい話に時を忘れた。

将棋はすごい。森内さん、羽生さんは
すごい。
しびれた。

来週火曜日の放送は、絶対に
見逃せません。

収録後、近くでご飯を食べていたら、
白洲信哉が来た。

電話をかけたら近くにいたのである。

信哉との話で意外なことがわかった。

「ぼくはね、幼少期病弱で、年間100日くらい
休んでいたりしたんだよ。」
と信哉。

今の豪傑ぶりからは考えられない。

「将棋は本当に好きだったんだよ。アマ3段
まで行った。奨励会に入ろうと思ったくらいだ。」

「さいしょはおじいちゃんの小林秀雄とやって
いたんだけど。」

人は見かけによらない。白洲信哉が
将棋好きとは知らなかった。

「来週の放送は必ず見るよ。」

信哉も必ず見ると言っている
来週の『プロフェッショナル 仕事の流儀』。

みなさんもぜひ見てください。

明けて今朝、
ぼくは始発の新幹線で京都に行かねば
ならぬので早起きである。

仕事は山積。眠い。3時頃、
予定した要素がとろけて
組み合わせがうまくいかないという
ふしぎに抽象的な夢を見て
いったん目が覚めた。

はてはて、
あれは将棋の夢だったのかしら。

7月 12, 2008 at 05:30 午前 | | コメント (13) | トラックバック (4)

2008/07/11

スズメバチと交錯しながら

どんなに忙しくても、
朝20分くらい走る時間は
なんとか確保する。

グレゴリー・コルベールは、
人間以外の生物がいない都会の
生活空間を、species ghettoと
言った。

公園の森の斜面を駆け抜けるとき、
さまざまな生きものたちの気配に
包まれる。
そのとき立ち上がるみずみずしい
感覚は、それ以外の生活時間とは
明らかに異質だ。

草むらを走っている時、
大きなスズメバチとニヤミスした。
二つのいのちの軌道が交錯しかかった
時に感じた電撃のような心の痛みは、
「ひとめぼれ」にどこか似ていた。

水曜日。

ソニーコンピュータサイエンス研究所にて、
所長の所眞理雄さんとミーティング。

早稲田大学国際教養学部授業。

PHP研究所の木南勇二さん、
横田紀彦さん、丹所千佳さんと
打ち合わせ。

すきやばし次郎で、ちゅうとろに二回
戻る。

木南さんどうもありがとう。


すきやばし次郎で。横田紀彦さん、木南勇二さん、
小野二郎さん、丹所千佳さんと。

東芝府中事業所で、講演させていただく。

電気機関車の車両工場が
とてもとても興味深かった。

木曜日。

東京国際ブックフェアで公演。

集英社の岸尾昌子さんと打ち合わせを
しながらNHKへ。

『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の収録。

すばらしい方だった。

有吉伸人さん「うーん、いいお話でした。」


ゲストとの懇親会への道すがら。

有吉伸人さん「茂木さん、今はとっても忙しい
けれども、きっと、後から振り返ると、ああ、あの
頃が一番楽しい時期だったと感じるんじゃないかと
思うんですよ。」

風が吹き抜けた。

宮崎駿さんは、映画という芸術の「奴隷」
になっている。

ボクは、「真理」の奴隷になろう。

時折、森の中でスズメバチと交錯しながら。

7月 11, 2008 at 06:29 午前 | | コメント (12) | トラックバック (2)

2008/07/10

「トゥープゥートゥーのすむエリー星」動画

「トゥープゥートゥーのすむエリー星」動画

先日の三省堂書店での
『トゥープゥートゥーのすむエリー星』 
のサイン会の模様、及び、作者の茂木健一郎
による作品解説のビデオが、
「毎日動画」のサイトに掲載されました。

動画を見る 

7月 10, 2008 at 04:56 午前 | | コメント (4) | トラックバック (1)

空間を時間にしたり

仕事がたくさんあるので簡潔に。

ファクチュアルは明日以降つなぎます。

ギリシャに逍遙学派というものが
ある。歩くことはなぜ
考えることに良いのだろう。

歩いていて、曲がり角で、
急に新しい風景が開かれる。

前から流れ、後ろに消えていく。

自らの歩みによって、次々と
達成される見知らぬ展開。

空間を時間にしたり、
時間を空間にしたりする
技術を、私たちは古来それと知らずに
工夫してきた。

7月 10, 2008 at 04:34 午前 | | コメント (6) | トラックバック (2)

2008/07/09

東京国際ブックフェア

東京国際ブックフェア

茂木健一郎
『本の流通は脳に始まり、脳に終わる』
2008年7月10日(木)10:20〜11:45

東京ビッグサイト 会議棟
http://www.bookfair.jp/seminar/index.html 

7月 9, 2008 at 07:05 午前 | | コメント (4) | トラックバック (3)

脳を活かす勉強法 30刷

茂木健一郎
『脳を活かす勉強法』
PHP研究所
は、重版(30刷、累計62万6000部)
が決まりました。

ご愛読に感謝いたします。

PHP研究所の木南勇二さんから
のメールです。

From: "木南 勇二"
To: "茂木健一郎"
Subject: "30刷累計62万6,000部です【P"HP木南】

茂木健一郎先生

いつもお世話になります。
『脳を活かす勉強法』は30刷となり、
累計62万6,000部となりました。
誠にありがとうございます。

現在発売中の日経エンタテインメント
「上半期ヒット総まくり」の
特集にて、出版編で上半期ベストセラー
売上部数TOP30にて6位にて掲載されております。

何卒よろしくお願いいたします。

PHP 木南拝

http://www.php.co.jp/bookstore/detail.php?isbn=978-4-569-69679-9

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7月 9, 2008 at 06:02 午前 | | コメント (5) | トラックバック (1)

要石

千葉県の鹿島神宮には、
「要石」がある。

小さく見える石だが、掘り出そうと
土を除けていくと、
どこまで経っても終わりがない。

最初は
些細に見えることでも、
掘り下げていくと、
そこには無限の広がりがある。

ライフワークというものは、
そういうものだろう。

新幹線の中、眠ろうと思ったが、
仕事を始めたら案外面倒で、
眠れない。

「まいったなあ」
「大変だあ」などとぶつぶつ
言いながら、名古屋、新横浜、
品川と通り過ぎた。

文句を言いながらも、手は動く。

建築家の隈研吾さんの事務所へ。

「負ける」建築、「呼吸する」
建築について、ゆっくりとお話する。


隈研吾さんと

PHPエディターズグループの
田畑博文さん、石井高弘さんという
私にとってはもう長年おなじみの
お二人が対話に加わった。


田畑博文さん、隈研吾さん、石井高弘さん

NHK。
『プロフェショナル 仕事の流儀』
の打ち合わせを二本。

河瀬大作デスクが、
私の「風船きりん」のイラストをもとに
デザインされたユニクロのTシャツを
着ていて下さった!


河瀬大作デスク

羽生善治さん、森内俊之さんお二人
がゲストでいらっしゃる回の
担当は、池田由紀ディレクター。


池田由紀ディレクター

池田さんが執念でとらえた羽生さん、
森内さんの対極中の表情が凄い!

続いて、山口在住の板金職人、
国村次郎さんがゲストでいらっしゃる回。

担当は鳥取放送局の武田壮平ディレクター。


武田壮平ディレクター

新幹線の「顔」とも言える
先頭車両のボディの金属部品をハンマー
一つで叩きだす国村さん。
この道一筋の国村さんの何とも
言えない深みに満ちた表情から
目を離せなくなった。

続いて、「スタジオパーク」
の打ち合わせをする。

「イチロー」の回を担当した
堤田健一郎ディレクターと
出会って「ああ、ツツミダさん!」
「モギさん!」と声を交わし、
NHKの西玄関から出ると、
外の闇がなぜかやさしかった。

人生は、要石を掘り続けることだと
思う。

一人ひとりが、それぞれの要石を
掘り続けている。

一生掘っても、石の全貌は明らかには
ならないが、
それはきっと福音なのだろう。

7月 9, 2008 at 05:58 午前 | | コメント (13) | トラックバック (1)

2008/07/08

プロフェッショナル 宮本慎也

プロフェッショナル 仕事の流儀

チームは、“背中”と“口”で引っ張る

~ プロ野球選手・宮本慎也 ~

野球とは、失敗の多いスポーツ
であると宮本さんは言った。

どんなに卓越した技量を持つ
打者でも、6割以上は「失敗」
する。

だからこそ、うまく行った
時のよろこびは大きなものに
なる。

私たちの大好きな野球。
宮本さんのお話に魅せられた。

NHK総合
2008年7月8日(火)22:00〜22:45

http://www.nhk.or.jp/professional/

すみきち&スタッフブログ

Nikkei BP online 記事
管理がなじまない仕事で重み増す「キャプテン」
〜プロ野球選手 宮本慎也 〜
(produced and written by 渡辺和博(日経BP))

7月 8, 2008 at 07:35 午前 | | コメント (3) | トラックバック (5)

アダムスキーの創造

サンデー毎日

2008年7月20日号

茂木健一郎 
歴史エッセイ
『文明の星時間』

第21回 アダムスキーの創造

一部抜粋

 その際にアダムスキーが撮影した一枚の写真が、人々の心の中の「空飛ぶ円盤」のイメージを決定づけた。下が広がった皿形をしていて、底には三つの球状の突起がある。本体には、小さな窓が開いている。ひと目見て、忘れられない形をしている。
 「アダムスキー型円盤」の写真が世に出た後、世界各地でいろいろな人がそのような「円盤」を「見る」ことになる。円山応挙の足のない幽霊画が人々の意識に焼き付けられることによって、日本各地にそのような「幽霊」が「出没」するに至るように、「空飛ぶ円盤」は人類の集合無意識に刻印されたのである。
 アダムスキーの写真が本物であるかどうかという議論には、今日ではもはや意味があるとは思えない。アダムスキーがこれらの写真を自ら捏造したとしても、それだけでその意義が失われるわけではない。これらの写真が「本物」であると主張したことを含めて、一つの表現行為として評価すべきであろう。

全文は「サンデー毎日」でお読みください。

http://www.mainichi.co.jp/syuppan/sunday/ 

7月 8, 2008 at 07:29 午前 | | コメント (3) | トラックバック (1)

「負け方」

講談社で、『赤毛のアン』
について。

ソニーコンピュータサイエンス研究所

お台場の「メディアージュ」の入場者1億人
達成が間近だということで、
それについてのお話。

福澤諭吉についてのお話。

大阪へ。
ユニヴァーサル・スタジオ・ジャパン
を訪問して、
人を楽しませるということについて
お話しする。
 
関根崇泰と、論文のことに
ついていろいろとやりとりする。

関根は、福澤諭吉ゆかりの慶応義塾大学出身。

福澤諭吉は勝海舟らとともに咸臨丸で
アメリカにわたった。

かの地の「文明」に衝撃を受け、
また、ジョージ・ワシントンの子孫が
どうなったか誰も知らないなど、
「門閥制度」に縛られた
日本と対極のアメリカの政治文化に
惹き付けられる。

人生で一番難しいのは「負け方」
ではないかと思う。

負けて、ルサンチマンに走るようでは
いけない。さわやかに負けなければならない。

福澤諭吉の偉大さは、敗戦経験を
明るい積極主義に転化したことだろう。

新幹線車中よりこの日記をアップロードする。

7月 8, 2008 at 06:50 午前 | | コメント (10) | トラックバック (3)

2008/07/07

鶴の恩返し勉強法と瞬間集中法

ヨミウリ・ウィークリー
2008年7月20日号

(2008年7月7日発売)

茂木健一郎  脳から始まる 第111回

鶴の恩返し勉強法と瞬間集中法

抜粋

 勉強を始めようとする時に、「時計の長い針が12のところに来たら」と先延ばしにしたり、「机を片づけてから」とか、「この漫画を読み終わってから」と条件を付けたりしていると、実際に勉強を開始する時間がどんどん遅れてしまう。そのようにしてさぼっていると、「やっぱり私はダメなんだ」と自己嫌悪の気持ちがわき起こってきて、ますます勉強に集中するのが遅れてしまう。
 思い立ったら、瞬時に始める。「時計の長い針が12のところに来たら」などと悠長なことを言っているのではなく、とにかく「一秒後」にはもう勉強を開始して、一心に集中する。どんな状況でも、すぐに「鶴の恩返し」の「つう」のような一心不乱な気持ちになることができるようになれば、もうその人は勉強の達人である。

全文は「ヨミウリ・ウィークリー」で。

http://info.yomiuri.co.jp/mag/yw/


同号には、劇団ひとりさんとの対談も収録されています!!!

7月 7, 2008 at 06:51 午前 | | コメント (9) | トラックバック (3)

画伯と路線論争

要するに感覚的には分けられて
いるのだから、
問題はそれをどのように
行動、選択で「身分けて」
いくかということだろう。

自分が感じていることに
忠実であり続けることの
難しさとその意義について
考える。

結局、私が信じているものは、
抽象的な感覚/官能世界における
先鋭/甘美なる直観と、
目の前の人の温かさかもしれない。

三省堂書店で『トゥープゥートゥーのすむエリー星』 のサイン会。

イラストを描いた井上智陽と並んで、
一生懸命描き、書いた。

編集を担当して下さった大場葉子さん、
それにパートナーの大場旦も加わって、
懇談。

お店の人に頼まれて、私と井上智陽が
色紙を描き、「両手に色紙」の大場旦が
出来た。


「両手に色紙」のオオバタン

いわゆる「イデオロギー」が世の若者に
とってあまりリアリティを持たなくなって
久しい。

しかし、私とオオバタンの間では、
激烈なる「路線論争」が闘われて
きたのであって、その度に
オオバタンは「ドン、ドン」と机を
叩いてきたのである。

自分たちの表現活動を、どのような
文脈で、どのような形で
行っていくか。

その時に「達成されるべきこと」
とは何か、「夢見られること」
こととは何か。

オオバタンと私の「路線論争」
は熱く続いていく。

井上智陽は、そんなわれわれの
「ドン、ドン」とは
全く関係なく、テーブルの上に
出された食事を、さささささと
見事な筆さばきでスケッチしていった。

画伯と路線論争。

そして、私の仕事は、いくらしても
どんなに働いても一向に終わらない。

7月 7, 2008 at 06:47 午前 | | コメント (7) | トラックバック (1)

2008/07/06

息をのむような居付き

感じる能力は、
誰にでも与えられている。

それを精しくし、育むのは、
自分の内面をみつめること。

実際にどのように感じているか、
それはどう同じで、違うのか。

雪山の頂きの乱射光のようにまばゆいのか、
夏のたそがれ時のようにやさしい
闇に包まれているのか。

自分がどう感じているかを
精確にとらえ、よりそう
ことで、私たちは成長できる。

神戸で川崎和男さんと対談した。
川崎さんと久しぶりに心ゆくまで
話す。

兵庫県立美術館では
横尾忠則さんの展覧会が
開かれていて、
越智裕二郎さんがいっしょに
回って下さった。

横尾さんの描く暗い赤は、
まるで空間が生命そのものを
はらむようで、
Y字路に展開されたとき
息をのむような居付きがあった。

桑原茂一さんがいらした。
ぼくは桑原さんが大好きだ。

自分の感じることに忠実であること。
これ以外に道はない。

企画してくださった原伊都子さん、
それに素敵な
お仲間たちとお話しした。

7月 6, 2008 at 09:16 午前 | | コメント (11) | トラックバック (4)

2008/07/05

「トゥープゥートゥーのすむエリー星」サイン会

茂木健一郎
「トゥープゥートゥーのすむエリー星」サイン会

三省堂書店 神保町本店

2008年7月6日(日)14時〜

http://www.books-sanseido.co.jp/blog/jinbocho/2008/05/post-71.html 

7月 5, 2008 at 07:46 午前 | | コメント (4) | トラックバック (0)

デザイン力@神戸

川崎和男 × 茂木健一郎

デザイン力@神戸

2008年7月5日(土)
13時30分〜16時30分

http://www.artm.pref.hyogo.jp/news/index.html 

http://magazine.moonlinx.jp/headline/000488.html 

7月 5, 2008 at 07:42 午前 | | コメント (4) | トラックバック (1)

文脈の間の橋渡し

電通で、研究会。

移動しながら、必死に
なって仕事。

打ち合わせ。

カフェでばーっとタイプを
していたら、
50歳くらいの女性がやってきて、
「サインしてくださいませんか」
と言った。

「二つお願いできませんか」
と言った。

「よろこんで」とノートのような
ものにサインをする。
それからまた、
ばーっとタイプしていった。

横浜美術館。

キュレーターの渡辺真也と、
アーティストの照屋勇賢さんとの
鼎談。

真也がキュレーションして
8月6日から始まる「アトミック・サンシャイン」
展に因んで、アートと文脈の話をした。

国家や歴史といった大きな文脈と、
人と人とが出会うというような
小さな文脈の間の橋渡しをどのように
考えるか。

真也は、「近代」を相対化したいと
言う。
照屋さんの文脈の扱い方には
愛を感じる。

時間が足りないくらい、
おもしろい話だった。

そのうち、youtubeにアップされる
ということなので、みなさん、お待ち
ください。

東京大学情報学環教授の原島博さん、
千葉麗子さん、
園山真希絵さん
と打ち合わせを兼ねた会食。

千葉さん、園山さんは原島さんの
お知り合いで、日本文化デザイン会議
にて、7月13日(日)にお話する。

http://www.jidf.net/anv30/pre/

チケット

日比野克彦さん、秋元雄史さん、森司さんも
いらっしゃるので、みなさんぜひ来てください!

チバレイさんは、ITから、最近は
ヨガに関心を広げ、さまざまな
活動を展開されている。

園山さんは、料理研究に関心が
あり、会食をもった店「園山」には、
園山さんの哲学、趣味がふんだんに
盛り込まれている。

園山さんはお店のことがいろいろ
あり、チバレイさんがお帰りになり、
原島さんとゆったりとお話しする。

学問のこと。
大学のこと。
人との人との交流の場。
日本のこと。
人生のこと。

楽しいと思って探究していれば、
いつまで経っても人生は
恵みを用意していてくれる。

いろいろ難しいことがある時代。
しかし、やるべきことをやり続ける
勇気があれば、きっと何とかなる。

原島さんとお話して、
そんな感慨を抱いた。

7月 5, 2008 at 07:34 午前 | | コメント (6) | トラックバック (2)

2008/07/04

茂木健一郎×照屋勇賢、渡辺真也

『太陽(ティーダ)―もうひとつの「顔」』
茂木健一郎×照屋勇賢
モデレーター 渡辺真也

横浜美術館
2008年7月4日(金) 16:30〜18:00

詳細 

7月 4, 2008 at 06:45 午前 | | コメント (2) | トラックバック (0)

『すべては音楽から生まれる』20刷

PHP新書
茂木健一郎 『すべては音楽から生まれる』
は増刷(20刷、累計14万9000部)
が決定しました。

ご愛読に感謝いたします。

PHP研究所の丹所千佳さんからの
メールです。

Date: Wed, 2 Jul 2008 15:13:57 +0900 (JST)
From: "丹所 千佳"
To:
Subject: 増刷のお知らせと原稿のお願い

茂木健一郎先生

こんにちは。いつもお世話になっております。

さて、まずは増刷のお知らせです。
『すべては音楽から生まれる』は、
おかげさまで、20刷が決定いたしました。
累計では149,000部となります。

部数としては、
茂木先生いうところの
「未知の領域」にさしかかっておりますが、
音楽の専門家ではない
茂木先生が語るからこその
普遍性ある本になったのかな、
と今さらながらに思いました。
遠く強く響く調べのように、
多くの読者のもとに届いてほしいと
願ってやみません。

もうひとつ、大事なお願いです。
****(通称)の「最終章」
「まえがき」「あとがき」をください!
写真を添付させていただきましたが、
弊社が全国の書店さんに
配布しているチラシに、
新書は8月発売ということですでに
告知されております。
最終章だけでも、来週早々まで
にいただきたいのです。

PHP研究所 新書出版部
丹所千佳

amazon 

7月 4, 2008 at 06:41 午前 | | コメント (4) | トラックバック (1)

「このままではいかん!」

水曜の東大の授業のあと、
池上高志と二人で英語で
切れたのが久しぶりに爽快で
面白かったなあ。

ボクと池上にはさまざまな
共通点があるけれども、
怒った時の火山の噴火のような
「口撃」の勢いにおいてボクと
池上は同じスタイルを持って
いるように思う。

ドカーン! と行くんだよねえ。

それを英語でばーっとやったところが
面白かったねえ。

『プロフェッショナル 仕事の流儀』
のインタビューでスタジオ・ジブリに
宮崎駿さんを訪ねる。

最新作『崖の上のポニョ』
の創作のプロセスなど、住吉美紀さんと
3時間30分にわたって話を
うかがった。

素晴らしいお話を聞けたと
思う。
間近で見る宮崎さんの笑顔が素敵だった。

住吉美紀さんの日記にも、
宮崎さんにかけがえのない時間を
いただいた後の爽快感が記されている。

http://blog.livedoor.jp/sumikichi_blog/ 

鈴木敏夫さんにも、久しぶりにお目にかかった。

ディレクターの荒川格さんにとっては、
長い長い取材の一区切り。

荒川さん、本当にお疲れさまでした。

帰りのロケ車に乗り込んですぐに
パソコンを開けて猛然と仕事を始めたら、
有吉伸人さんがあきれている。

「茂木さん、あれだけ濃密な三時間半の
対談を終えて、よくすぐに仕事ができますねえ。」

「ん?」と思って、それからすぐに
反省した。

確かにぼくは働き過ぎである。朝から晩まで、
ずっと何かをしている。
いつも、手と頭と口を、ライフゲームにおける
最高速度を与える「グライダー」のように
動かして、それでも、やりたいこと、
やるべきことが全てはこなせない。

幸い、ストレスがないからよいようなものの、
もっと身体を大切にしなければいけない。

数年前、「このままではいかん!」
と突然思って、発作的にフルマラソンを
走った。

あの時のように、「このままではいかん!」
と身体を何とかしないと思っている。

とりあえず、朝、何とか時間をつくって
走ることを、ここのところ続けている。

フジテレビの荒井昭博さん、
小松純也さんから素敵な花束を
いただいた。

水曜日に放送した『ザ・ベストハウス123』
の脳スペシャルが幸い高視聴率で、
同時間帯の全番組中トップだったとのこと。

小松純也さんはNHKの有吉伸人さんの
親友。

ありがとうございます!


ベストハウスの花束

キム・ピークなど、個性的な人たちの
姿を多くの人に知っていただいた
ことはうれしい。

今回制作に関わったフジテレビの
朝倉千代子さん、ダイナマイトリボルーション
カンパニーの齋藤智礼さん、冨田英男さん、
お疲れさまでした!

花束はみなさんとシェアしたいと
思います。

『脳と創造性』を作って
下さったPHPエディターズグループの
石井高弘さんからメールをいただいた。

ーーーーーーー

From: 石井高弘
To: "Ken Mogi"
Subject: PHPエディターズ・グループの石井です。

茂木健一郎さま

ご無沙汰をしております。
PHPエディターズ・グループの石井です。

横浜美術館の講演録を拝聴してショックでした。
英語でしか書き下ろしはやらない、と…。
(翌日、田畑に話したら、
やはりショックを受けたようで、
しばしフリーズしていました(笑))

とは言っても、茂木さんは
「*******」だったら
書いてもいい、と先日おっしゃって下さいました。
そこで、どのような切り口ならいけるか、
まずは、今までのご発言をいろいろ集めてみました。

ご自身の発言なので、
どうお感じになるか分かりませんが、
刺激的な論点がありそうな事は、
お感じいただけそうな気がしています。

もし、ご相談のお時間をいただけるにしても、
何もないと漠然とした話になってしまうので、
あくまで、たたき台として、お受け取りいただけると幸いです。

石井高弘拝

ーーーーーーーー

もし時間があったならば、
朝から晩まで、18時間くらい
英語を書いていたい。

夢の中で、大地がほんとうに心地よく
ゆれて、恐怖を感じなかった。

ふと目覚めて、母なる地球に感謝する。

7月 4, 2008 at 06:36 午前 | | コメント (13) | トラックバック (5)

2008/07/03

魂に着火し

リーガロイヤルホテルで、
『トゥープゥートゥーのすむエリー星』 
についての取材。

 大場葉子さんにいろいろと
お世話になっている。

 早稲田大学国際教養学部授業。
 アート、及び不確実性への
適応について。

 東京大学駒場キャンパスにて、
認知科学オムニバスの授業。

 池上高志がホスト。

 システム認知神経科学、
クオリア、自由意志、その他の問題を
扱った。

 授業が終わる頃、作曲家の
渋谷慶一郎さんが来た。
 ひさしぶりにあった渋谷さん。
 かたく握手をかわす。

 友情というものはふしぎなもので、
時をへだてても、一気に
水脈がよみがえる。

 ファカルティ・クラブで
懇談。
 池上高志の研究室に来ている
3人の外国人も加わり、議論。

 魂に着火し、燃えさかる。 
 池上高志や、渋谷さんも熱くなる。

 燃えろよ、燃えろよ、炎よ燃えろ!

 小学校の時に、キャンプファイヤーに
参加して、天空を焦がす炎を見た
あの日。

 炎を見つめた分だけ、人は
なにものかを内側に取り込むことが
できる。

 生きるということは、つまり、
燃やし続けるということなのだ。

7月 3, 2008 at 06:46 午前 | | コメント (14) | トラックバック (4)

2008/07/02

ベストハウス123

ベストハウス123

特別企画スゴい脳SP

フジテレビ系列

2008年7月2日(水)21時〜21時54分

ソルト・レイクシティに映画『レインマン』
のモデル、キム・ピークを訪ねた映像など、
驚異の頭脳の持ち主について特集します!

http://wwwz.fujitv.co.jp/123/index2.html

番組表

7月 2, 2008 at 07:28 午前 | | コメント (45) | トラックバック (8)

人生というチェス盤

このところ、時折
むかしのことを思い出してみるのは、
個人的になつかしいという
こともあるが、時代がすっかり
変質してしまって、
また今も流れつつあり、
そうではなかった時代のあり方、
その中での人間の生き方というものを
想起することで、バランスをとり、
行き交い、豊かにしようと
しているのであろう。

しりあがり寿さんに
お目にかかる。

対談に先立ち、
「スーパーライター」の
和田京子さんが、
「新生児微笑というのは、実は
あれは笑っているんじゃないんですよね。」
とおそろしいことを言った。

ギャク、笑いというものは、
突きつめると「詰め将棋」
のように理詰めの領域に属する
ことであり、
うまく配置し、並べ、
文脈付けることで
人類が初めて手にした
鉄を鍛錬する炎の中の
「黄金」の輝きのように、
独特の光を放つ。

男の子にとっては、
笑いというものが、自らの
内なる攻撃性に対する解毒剤となる。

しりあがり寿さんは、
死との闘いは、最初から負けるに
決まっているじゃん、と言われる。
いつまでも若くいられるはずもない。
負けることが定められた闘い。

このしりあがり寿さんの視点は、
アメリカ文明を相対化する時に
とても大切な視点となる。

話がはずんで、いくらでも続けられる
感じであった。
またしりあがり寿さんにお目にかかるのを
楽しみにしている。

小平市の国立精神・神経センターへ。

http://www.ncnp.go.jp/ 

本田学さん、花川隆さんを中心とする
研究グループと、
東京工業大学 茂木研究室の
合同ワークショップ。

須藤珠水、箆伊智充が
それぞれイミテーションと主観的時間知覚に
ついて話した後、
花川隆さんが機能的イメージングの
最新の話題について紹介。

続いて、私がThe contingent brainという
タイトルで話し、
最後に本田学さんがhypersonic effectに
ついてお話下さった。


本田学さん

企画してくれたのは、小俣圭クン。

小俣圭は、私と一緒に研究して
博士号を取得した後、今は本田学さんの
研究グループで仕事をさせていただいている。

小俣の新しい活動の場を見るのは、
初めて。

「ここが小俣の机か!」
というと、小俣は照れくさそうに笑った。


小俣圭くんの新しい机


国分寺駅の近くで、懇談。

本田学さん、花川隆さんを始め、
たくさんの方々に興味深いお話を
うかがった。

本田さんは、大橋力さん(山城祥二さん)
の主宰される「芸能山城組」
の活動にもかかわって来られた。

バリ島のガムラン音楽の話、
バリの社会構造の話など、
興味深い話に、時が経つのを忘れた。

小俣が研究室に最初に来たときに、
熱力学の第二法則に興味がある、
と言っていたことを考えると、
人生というチェス盤の上のふしぎな
符合に思いが至る。

7月 2, 2008 at 07:23 午前 | | コメント (14) | トラックバック (3)

2008/07/01

プロフェッショナル

NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』
は、今週は環境関連の特別番組のため、
放送休止です。

来週をお楽しみに!

7月 1, 2008 at 06:36 午前 | | コメント (1) | トラックバック (0)

エグゼクティヴ・セクレタリ

朝、ホテルニューオータニ佐賀の窓から
佐賀城のお堀の緑を
見ていると、
そのたたずまいに、
この世の中にさまざまなものが
並列的に存在することの安らぎと
救いを想う。

お前の闘うその文脈と
まったく関係なしに、ひそやかに咲く
スミレの花はあるのだ。

「それいゆ」のメンバーの方々と
ご一緒に、服巻智子さんと
自閉症をめぐるさまざまな問題
についてお話しする。

Autistic Spectrum Disorders (ASD)には
さまざまな現れ方があって、
それにかかると思われる
人はたくさんいる。

対人関係について話している
時に、executive secretaryという
概念があるのだと
服巻さんに教わった。

自分の領域に侵入されるのを
嫌がる一方で、子どもの頃の
母親のように、「この人にならば」と
認めた人に対しては、
その人がコントロールすることを
認める。

それで、畏友、田森佳秀
(金沢工業大学)のことを
思い出した。

田森は、「薔薇の折り紙は
何回折るの?」と聞くと、
山手線の二駅分黙ってから、
「82回」と答えたり、
毎年の年賀状で
123456789の間に
適当な四則演算記号を入れて
年号をつくったり、
夕方、計算が終わったらカレーを
食べに行こうと楽しみにして
机に向かい、やっと終わったと
下宿のドアを開けたらさわやかな
風が吹いていてスズメがチュンチュン
鳴いていて実は朝になっていたり、
変わった男である。

その田森は、人の数より牛の数の
方が多い北海道の豊頃町の出身。
子どもの頃、近くに捨てられている
テレビを拾ってきては、分解して、
その中に入っているトランジスタなどを
分類して大切に箱にしまっておいた。

その「宝物」を、結婚する時に
奥さんに全部「これゴミじゃない」
と捨てられてしまったのだが、
それこそが、服巻さんの言う
エグゼクティヴ・セクレタリ
ということらしい。

服巻智子さんと、とても有意義な
議論ができました。

また、それいゆの皆様、
ありがとうございました。

またお目にかかることを楽しみに!

東京に戻る。

NHKで『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の打ち合わせ。

お土産の「博多の女」を持って
プロフェッショナル班を訪れると、
須藤祐理ディレクターがたくさんの
食べものに囲まれて幸せそうにしていた。


幸せの原風景。須藤祐理さん(すどちん)

荒川格ディレクターの担当で、
宮崎駿さんの回。

近日公開される『崖の上のポニョ』の
制作の過程を通して、希代のクリエーターの
素顔に迫ります。

宮崎さんという人の深さ、大きさが
荒川さんの迫真の取材から伝わってきます。

乞うご期待!


取材VTRを前にコメントを読み上げる荒川格さん

7月 1, 2008 at 06:35 午前 | | コメント (10) | トラックバック (5)