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2008/06/24

牛乳とクラクション

小学2年生の頃、仲の良い
友人たちの間で
給食の牛乳を飲んでいる時に
冗談を言って笑わせるのが流行った。

そんなに気の利いたことを
言うわけではないのだけれども、
ちょうど飲んでいる時に
タイミング良く何かを言うと、
笑ってしまう。

場合によっては、牛乳を
ぷっと吹き出してしまう。

一度など、
T君が派手に吹き出してしまって、
床の上にこぼれて
あとでぞうきんで吹くのが
大変だった。

そのうち、笑わせるぞ、
というのが予感として織り込まれて、
牛乳を飲む頃になると自然に
おかしくなって、くっくっくと
笑うようになった。

笑いをこらえて牛乳を飲むのは
大変だから、
みんなだんだん必死になってきて、
給食の時間が始まると、
笑わされる前にというわけで、
ソッコーで牛乳を飲んでしまう
ようになった。

そんな私たちのことを、
女の子たちは「ばかじゃないの」
というように見ていた。

三年生になった時、牛乳が
瓶からテトラパックになった。

もう笑っても吹き出さなくて
済むんだ、と思う一方で、
なぜかどこか寂しかった。

そんなことを思い出す。

あいかわらず手元の仕事が
山積しているのだけれども、ふと
休めた時に、牛乳のことを
思い出した。

運動不足なので、少し長めの
ジョギングに行った。

停車してあるトラックに近づいた
時、クラクションが鳴った。

前に空車のタクシーが停まっているから、
それに向かって、とも思ったが、
なんだかおかしい。

そのうちに、またクラクションが
鳴った。

通行人が「何だろう」と見ている。

運転席を見ると、ドライバーが
眠っていた。

足をハンドルの上に載せて
仮眠をとっていた。

足が時々クラクションを
押してしまって、それで
鳴っていたのである。

牛乳とクラクション。
自分の意識ではコントロールできない
奔流に注意が行くのは、
河合隼雄さんとの対談のゲラを
読み返した効果だろう。

読んでいるうちに、日本論について、
ある重要な視点に目を啓かされた。

卵のようにあたためる。

希望を抱きながら、周囲のあれこれを
眺めている。

6月 24, 2008 at 06:52 午前 |

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先ほど茂木健一郎氏のBlog、クオリア日記を見てみたら、このような日記を書いていらした。  牛乳とクラクション この日記を見て、牛乳とクラクションという日常ではほとんどお目にかかれない組み合わせに面白さを覚えた。 自分はこれらの言葉を並列に並べて何らかの思いを... [続きを読む]

受信: 2008/06/25 3:52:06

コメント

河合隼雄氏と茂木さんの対談集楽しみにしています。最近みょうに懐かしくて河合さんの著書を次々読み直していました。広くて大きくて深くて・・。ことばが生きている!なって。雅雄さんのお話を最近聞いたのですが、イントネーションや感じなんかよく似ていらっしゃいました。
家族とか兄弟って面白いものだなって。
ジョギングされている時ってワープの時間?

投稿: 井上良子 | 2008/06/26 22:54:37

茂木先生 こんにちは♪
牛乳と言えば、やっばり男子が飲もうとする男子を、笑わせてました!ほんと派手に吹き出して、その変が牛乳だらけになってしまうんですよね(笑)子供の時は、みんなどこでも、どの世代でも同じことするんですね!それと牛乳のフタを男子が集めていた記憶があるんですけど、それをどうしていたかまでは、思い出せません。でもどこでもやっていたのは、男子なんですね!?女子はどうしてやらなかったんだろう?興味も持つ対象が違うんでしょうか?やっぱり男脳、女脳の違いと言うことですか?先生の牛乳のお話しで、いつもは眠っている引きだしが、ひさしぶりに開きました!ほんと一度開くと次から次に牛乳の思い出が出てきて、脳はちゃんと保管していてくれるんですね。あの厚いガラスのビンも給食の香りも思いだしました。時間は過去に戻れないけど記憶は瞬時に戻れます!しばしこのまま小学校時代にテレポートして来ます♪

投稿: 平井礼子 | 2008/06/25 13:43:43

テトラパック、なんだかとても懐かしいですね…。

私も子供の頃、母親といっしょにスーパーに買い物に出かけた時、牛乳&飲料売り場によく、その三角の紙パックが置いてあったのを思い出します。

たしか、珈琲牛乳のテトラパックを買ってもらったような…おぼろげな記憶があります。

ちなみに、私が通っていた小学校では、給食の時間に出る牛乳は、入学してから卒業するまで、ずっと「瓶入り」ひとすじ!でした。

今、近所のスーパーに行くと、何時しか牛乳&飲料コーナーからテトラパックが消え、代わりに四角い「ピュアパック」だけに…。

今でも何処かに、テトラパックに入った白牛乳や珈琲牛乳が、売られているのかもしれないけれど…。

牛乳を飲みながら、冗談を言って笑わせるギャグは、うちの小学校ではあまり流行ってなかったような…?

投稿: 銀鏡反応 | 2008/06/24 20:51:21

茂木さん、こんばんは

>小学2年生の頃、仲の良い
友人たちの間で
給食の牛乳を飲んでいる時に
冗談を言って笑わせるのが流行った。

私が小学生の頃もありましたよ~!!
男子の間で流行してまして(笑)、

口に牛乳を含んだあと
笑わせられた男子が、
牛乳をこぼすまいときゅっと口を結んだら、
勢いあまって、
鼻から牛乳が、勢いよく飛び出したことを・・・

うはははは~~!!
今思い出しても笑えてしまいますね


茂木さん、ふと手を休めた時に
牛乳事件のことを思い出されたのですか。
潜在意識が茂木さんに
インスピレーション送ったのでしょうか。


私も、
集中していた意識をふと休めたとき、
その時やっていることとは
全然違うことを
ふと思い出したり、
時には
昔見た夢を思い出す事があります。

本当に全然関係ないように思えることを
思い出すのです。
夢の内容なんて抽象的なので、
私の潜在意識は
何を伝えたいのだろう??と思ってしまいます。

潜在意識って、
集合想念とも言いますから、
もしかしたら
誰かからのメッセージかもしれませぬ。

茂木さんの伝えたいことと
違っているような気がします・・・
違っていたらごめんなさいm(__)m

投稿: ももすけ | 2008/06/24 18:19:12

希望を抱きながら、周囲のあれこれを見ている。いいですね。余韻に残ります。いろいろやってみたけれど、一段落。まだやってない事は何かとかんがえると、ありました。何も予定を入れない生活というもの。それが、予定。

投稿: ぶらんか | 2008/06/24 16:59:00

こんにちわ

母親から聞いたのですが、昔、おばあちゃんが、祭りで、卵を買ってきて、ポケットに入れて、孵化させていたらしいです。

そういえば、小学生の頃、クラスに一人良く笑う子がいたので、その子が牛乳を飲む時、よく笑わせていました。(^^)

投稿: 卵のクオリアby片上泰助(^^) | 2008/06/24 13:51:31

牛乳とクラクション…どういう時に人は感情等のコントロールが出来るのか、読みながらふと考えてしまいました。改めて考えてみると自分では分からない事があるものですね…。この頃、愛犬達を見ていても思います。彼らにも喜怒哀楽があり、表現してくるのです。一途な思いの眼差しで飼い主である私の声符&視符をわかろうとしてきます。それにしても可笑しい!と思い始めたら、笑いが止まらなくなるのって?大人になると感情のコントロールが出来るようになるのは?最近は茂木さんの本をよく読ませていただいておりますが、探して読んでみます。

投稿: 茂木さんの崇拝者より | 2008/06/24 13:25:00

今日は。牛乳のいたずら飲み、していらっしたのですね?!九州アイランドにも茂木少年がいました。ただ九州ではず~っと瓶入り牛乳でした。とても懐かしい気持ちになりました。これから益々、暑くなってきますが牛乳といえば、どこにでも市販されている蜂蜜りんご酢に牛乳を加えてかき混ぜるだけで、ドリンクタイプのヨーグルトが出来上がるのですが、ご存知ですか?!これ、結構、美味しいですよ~!手軽に出来ますので疲れ飛ばしに是非お試しください?!グラス一杯分でお酢は牛乳の 1/5くらいでOK!ですよ~。笑わないでお試しを

投稿: 茂木さんの崇拝者より | 2008/06/24 12:51:03

私もやりました!飲んでいるコップや瓶をちょっと上げるやつ。

少し時間を遡り、私が飲んでいる時に、頭くいって押された事も…。

その後の、こらぁ!とかやだぁ って言いながら、掛け合う話。
かかわり合いたいから。かかわろうの言葉はないけど、表れ。だと、思います。(私もそうだったから…)

周りで見ている人達は、ばかだなぁって。でも、吹き出しちゃってる方は必死なんですよね…むせるし。


河合隼雄先生と過ごされた時間は、すごく影響力があって…大切な存在で…そして大切な時だったのだろうと想像できる、温かな気持ちになります。

ふわぁっと幸せな気持ちになりました。
素敵なお話、ありがとうございます。

あたためて、育みたい。
希望がありますネ♪

投稿: 奏。 | 2008/06/24 11:42:12

「卵の様にあたためる」
というフレーズが印象的でした。


こんにちは茂木博士。


給食の牛乳は四角い紙パックでした。持つ場所によってはストローから飛び出ました。
男子はイッキノミとかやってましたね。「ばかじゃないの」とか思って見てました。

牛乳の思い出って世代によって色々なんでしょうが、男子のやりそうな事は余り変わらないんだなぁと思いながらお読みしました。


トラックの運転手さん、熟睡されていたのですね。クラクションがなっても目が覚めないなんて。

クラクションって、何か騒音しか思い付きませんが、響き方によっては、妙に郷愁を誘います。
響きの余韻の中で博士が啓かされた目は、河合先生もご覧になっているかも知れませんね。

そう思ってお読みすると
「卵の様にあたためる」
というフレーズが、とても大切に感じられました。


今日はすっきり晴れて、熱いながらも気持ちがいいですね。
午後からもお仕事頑張って下さい。
では(^O^)/

投稿: Marie | 2008/06/24 11:37:40

茂木さん、こんにちは。
仕事の流儀、楽しみに見させて頂いております。
本当にすばらしい番組ですよね。永遠に残って欲しい番組です。

子供達にも見せたい番組ですね。同じ内容を別バージョンで
もう少し子供番組風にして子供達にも分かりやすいものが出来たら
良いのにとさえ思います。

牛乳!私も同じ事をしていました。(笑)
子供って本当に馬鹿ですよね~。良い意味で。
周りの何でも知恵を使っておもちゃにしてしまったり、新しい
遊びを作り出したり。テレビゲームばかりの今の子供達は
そういうクリエイティブな所は残っているのかな???

以前誰かの本で脳は寝ている間もずっと働いていて1日見たもの
聞いたものを脳裏に焼き付けていると書いてありました。
最近の凶悪な犯罪を見ていて思うのですが、もし子供達が
1日素晴らしいものばかり見て育ったならば・・・実生活や
ニュースやメディアなどでの恐ろしい映像をほとんど見なくて
済んだならば・・・・などと少し考えてしまいました。

茂木さんのアハ体験のように、脳がアハ!!と刺激を受けて
心がアハハ!!!と笑うような明るいニュースをどんどん
増やしたいものですね。皆が普通だと思って書かないニュース
も他の人にとってはアハだったりするものね。

投稿: まり | 2008/06/24 8:12:09

答えさくべく 問う

応じることなく 呼ぶ

自由意志は無く ジレンマの意味

そんな時 希望を探す   巻き込まれることなく

積読 ワープする宇宙 頁575
           私達に見えるのは三つの空間次元だが、
           ほかにもまだ検出されていない次元が
           あるのかもしれない。

投稿: 一光 | 2008/06/24 7:29:13

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