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2008/06/03

君はここにいたのか!

神宮司庁で、広報課長の河合真如さんに
お目にかかる。

二年前にお目にかかって以来。

お話をうかがいながら、ゆっくりと内宮を歩く。

お神楽を奉納させていただく。

御垣内参拝をする。

二年前、初めて御垣内参拝をした時の
ことは、
小学館「和楽」の「日本のクオリア」
第三回連載で書いた。

ーーーーーー

 いよいよである。頭を垂れ、御塩で清めていただき、黒光りする清石を踏みしめた時、電撃が走った。
 それからの時間の流れを、ありありと思い出すことができる。目に映るもの、触れるもの、耳にするもの全てを感覚でとらえ、記憶しておこうと研ぎ澄ましたが、あふれていくことが鮮明に判り、その奔流のもったいなさにかえって心を動かされた。
 仕事柄、様々な現代美術の作品に接してきた。空間的に様々なものを配置する「インスタレーション」や、場所の固有性に根ざした「サイト・スペシフィック」といったものも実見してきた。
 御垣内で経験したことが、そのようなもの全てを凌駕するものであることは、直ちに明らかなことだった。私という楽器が、共鳴して、今までにない音を立てたのである。しかも、単に美であるというだけでなく、信仰と結びついている。こうして、「近代」は破れるべくして崩壊していく。

(茂木健一郎 和楽 「日本のクオリア」第3回より)

ーーーー

久しぶりにお目にかかる河合真如さんは
そのままのお人柄。

温かく、学識深く、当意即妙で、
的確に答えて下さる。


河合真如さんの話を
聞く文藝春秋の井崎彩さん、山下奈緒子さん。
(五十鈴川の畔にて)


河合真如さんの話を聞く文藝春秋の
橋本篤さん
(五十鈴川の畔にて)

前日に遡る。

二見興玉神社に行った時、
井崎彩さんが何やら絵馬に熱心に
描いていた。


絵馬を書く井崎彩さん

見ると、この伊勢の記事も掲載される
予定のCREA8月号が完売するようにという
祈願であった。


井崎彩さんが書いた絵馬

山下奈緒子さんは、シャコ貝を熱心に
見ていた。

ぱちっと撮ると、瞬間的にシャコ貝の
群れに溶け込む。


シャコ貝と山下奈緒子さん

「山下さんは、モデルの才能があるのよ」
と井崎さん。

以前、橋本篤さんが撮ったキリンの子ども
とのツーショットでも、
山下さんは瞬間的にキリンの世界に
溶け込んで、あたかもキリン族と一員
であるかのように振る舞っていた。

キリン族でもあり、シャコガイの血縁でもあり。
森羅万象と交感する山下奈緒子さん。

二見の海で、なつかしいものを見た。

岩の上に止まっているタテハチョウ。
見ると、ヒオドシチョウである。


二見で見たヒオドシチョウ。

子どもの頃、昆虫採集を始めた
ばかりの時、
家の近くの高校のグランドに
ヒオドシチョウがいて、
苦労して採集した。

その後、ヒオドシチョウは環境の
変化で個体数が減ってしまい、
アカタテハ、ヒメアカタテハ、
キタテハなどの他のタテハチョウ類
に比べても、見かけることが
少ない、「幻の蝶」になってしまった。

その蝶に、三十数年ぶりに再会した。

ヒオドシチョウよ、君はここに
いたのか!

近くにいた山下さんに、
「あの蝶に会うのは久しぶりなんです」
とぶつぶつ言っていた私の胸に
去来した昔日の思いを、果たして
空を飛んでいたツバメは理解
してくれたのであろうか。

編集部員たちの本音が見える
と大好評のCREA編集部欲張りBLOG

http://ameblo.jp/creblo/

2008年5月31日のブログに、
井崎彩さんが
「はじめてのお伊勢参り」と題して
今回の取材旅行について書かれています。

これは必読!

http://ameblo.jp/creblo/entry-10101915094.html

東京に帰る。

ヨミウリ・ウィークリー編集部の
二居隆司さんとともに、
劇団ひとりさんに会う。

太田プロダクションの髙畠久美子さんも。

『プロフェショナル 仕事の流儀』
をいつもご覧頂いている
というので、その場で有吉伸人さんに
電話した。

『陰日向に咲く』が100万部を
超えるベストセラーとなり、
批評的にも高く評価され、
映画化もされ、
一人芝居による笑いも熱心なファンが
いて、押しも押されぬ人気者になった
劇団ひとりさん。

その劇団ひとりさんのこれからの
目標は、「寅さん」のような
キャラクターを巡る物語の
原作を書き、映画化して、
監督と脚本と主演をすることだという。

劇団ひとりさんだったら、できるに
違いない。

楽しみに待っています!

それにしても、
意気投合して、愉快な時間でした。

またお目にかかってゆっくりお話
できることを楽しみに。


劇団ひとりさん、髙畠久美子さん、二居隆司さんと。

The main shrines of Ise Jingu are renewed every 20 years, in a series of special processions called "Sengu" (literally meaning the "changing of the shrines". It is a remarkable custom with a long history, in which important technologies of shrine building are taught and carried on from a generation to another.
I was 31 years old when I first visited Ise Jingu, at the time of the last Sengu (fall of 1993). I was attending a conference in Nagoya. Hearing the news that the Sengu was taking place, curiosity surged in me. I took the next train heading for Ise. Ise is about an hour and half's ride from Nagoya.
At the time, I did not know what to expect. From what I experienced at the Shinto shrines all over Japan, in areas around Tokyo in particular, I had no reason to believe that the visit would change my view of the cultural heritages associated with Shinto forever. It did, in fact. The visit to the Ise Shrine on that fateful day in 1993 would transform how I view the traditions in this venerable religion. .[60POL]

6月 3, 2008 at 06:40 午前 |

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受信: 2008/06/03 6:54:28

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受信: 2008/06/03 10:38:44

コメント

茂木さん、おはようございます♪
風邪をひいてしまって、頭がすっきりしませんが、
変なコメントになっていたらごめんなさい。

二年前の伊勢神宮参拝の茂木さんの日記。
すごいですね!!
あのぅ、
私、ずっと前から感じていたのですが、
茂木さんって実は第六感がおありなのでは?
日本神道の総本山である
伊勢神宮での茂木さんのクオリアは、
結界を張られ、清められた
神聖な磁場に影響を受けたかのようにも見えます。

プロフェッショナルを拝見していても、
茂木さんは人の心を読む力が相当にあるなあ、と
感じます。
それを科学的な言葉、わかりやすい言葉で
あらわしておられるので、
見る人の心を打つのではないかな、とそんな気もいたします。

これだけ繊細なお心をおもちで、
けっこう大変なこともあるでしょう、
でもそれを跳ね除けることができるのも
また茂木さんの素晴らしいところ・・・。

身体を壊してしまったら、
いつもできることに時間を費やしてしまうように
なるので、
どうぞご多忙でもお身体ご自愛くださいませ。

30数年ぶりのヒオドシチョウは、
茂木さんに何かを伝えたかったのでしょうか。


ところで、
劇団ひとりさん、素敵な方ですよね!
朝ドラ純情きらりでの素敵な演技に魅かれて以来の
ファンです。
ひとりさんだったら、将来の夢、実現すると思います!

投稿: ももすけ | 2008/06/04 4:51:36

毎度おじゃまします。

伊勢の「聖なる世界」のすべてが、茂木さんの心と強く共鳴しあったのですね。

伊勢には、私は決して行かれないけれど、神宮の周りの豊かな緑の息吹きにだけは、触れられるかもしれない。

ヒオドシチョウ、紅が実に鮮やかで、眼に沁みるようです。私が小学生のころ(1970年代)には、すでにこのチョウを東京で見掛けることはありませんでした。

30数年ぶりに再会できて、よかったですね!(微笑)

今、我が家の周りで見掛けるのは、紋白蝶やアオスジアゲハ、ヒョウモンチョウくらいで、タテハ科はほとんどみかけない。

10年前までは家の近くに大きな「森」に覆われた屋敷があり、そこからチョウだけでなく色々な生き物が家の近くの庭にやってきていました。

現在、そこは大きなマンションに建て変わってしまい、それにつれて生き物たちの往来も途絶えました。

伊勢の豊かな自然が、何時までもそこにあってほしいなと思った。

何時かまた、ヒオドシチョウと再会できると、いいですね。

投稿: 銀鏡反応 | 2008/06/03 19:58:31

『ある言語を習得するとは、つまりは、文章を読んでよい悪いという感覚的判断ができ、今度は自分の意に染むような文章を出力できる運動系を持つことであろう。だとすれば、言語習得は音楽の修練に似ている。
吸って、吐いて。
吸って、吐いて。
リズムの中でやりとりされる言葉の中に、次第に宇宙が定着されていく。』
哲学の英語論文を書くぞ!と思いたったものの、博士の英文を羨望の眼差しで眺める日々。ついに英会話を習い始めました。さっそく、メンバーと講師による会話のリレーに運動系に対する刺激が体感されました。

投稿: Nezuko S | 2008/06/03 15:07:11

こんにちわ

『陰日向に咲くヒオドシチョウ』、羽の端が美しい線の蝶ですね。(^^)

投稿: ヒオドシチョウのクオリアby片上泰助(^^) | 2008/06/03 14:46:46

お伊勢さんですか…懐かしい想いがいたしました。私が二十歳の時、家族全員で参りました。随分 長い間、玉砂利の道を歩いた記憶と当時お馬さんがいましたが何か意味があるのでしょうね。荘厳なお社が印象的でした。その帰りに夫婦岩を見て荒波にも負けないでそこに居続けているのだろうなぁ~!と。神々が集まる場所へ行くと何かしらを感じ鳥肌が立つ事があります。ヴァチカン市国のサンピエトロ寺院でもローマ法王が全身に装飾されているのは邪念や悪霊などを掃う為とお聞きしました。神聖なる特別な場所…お伊勢さんへ、また、行きたくなりました!

投稿: 茂木さんの崇拝者より | 2008/06/03 14:04:02

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