« 写真が貼ってあった | トップページ | 平均的であることこそが美しい »

2008/05/25

やりたいことの宇宙

田森佳秀のことで一つ書くことを
忘れていた。

「第七餃子」に入って、
となりの田森のおなかをツンツンしたら、
ぷよぷよ気持ちよかった。

「お前、昔、マラソンは数学だと
言っていたな」

「今でも言ってるよ。」

「昔、ダイエットやっていたじゃないか。
最近はあきらめたのか?」

「うるさいなあ。やっているって。
ほら。」

田森の足首を見ると、なにかが
巻き付けてある。

「これ、一個10キロの重さがあるんだ。」

「えっ、そんなに重いの?」

「最初は効果がないかと思ったんだけどさ、
一日着けてみたら、すごく疲れた。
それで、効果があるってわかったんだ。」

「ははは」

あとで、金沢工業大学の人間情報システム研究所に
行く途中でつまみを買うために
郊外型の巨大ドラッグストアに寄った時のこと。

田森が近寄ってくる。

「モギケン、足のおもり買わなくていいのか?」

「うるさい!」

「売っているかもしれないゾ」

「飛行機で持っていくのは、重いから
イヤだ!」

田森の歩き方は、そういえば、少し
重厚さが増したようだった。

東京に戻る。

大手町のサンケイホールにて、
財団法人 花王芸術・科学財団主催、
顔学会共催の
公開シンポジウム
「心を映す顔」に出席。

http://www.kao-foundation.or.jp/other/symposium/face03/index.shtml 


原島博先生が最初にお話になる。
「顔を科学の対象とすることは、
さまざまな意味でタブーだった」
という言葉が印象的だった。

原島先生が中心となって世界で初めて
の「日本顔学会」が誕生したのが
1995年。

顔が持つ意味についての
本格的な研究は、まだ緒についた
ばかりである。

http://www.jface.jp/an.html 

山口真美さんの赤ちゃんの顔認識に
ついての研究はとても興味深いもので、
包括的なレビュー的トークを
堪能した。

金沢創さんと久しぶりにお話しする。


原島博さん、山口真美さんと
(photo by Atsushi Sasaki)

花王の方々を交えて懇親会。
やりたいことが
まだまだたくさんあると
原島先生。

ボクもまた、このところ、
新しい荒野に出て、やりたいことの
宇宙が広がった思いでいる。

パレスホテルでおいしい料理を
頂きながら、
しじまの音に耳を傾けた。

The Nobel Prize has been considered as the highest honor for a scientist, since its inauguration in 1901. Admittedly, there are notable absences of highly achieving intellectuals in its list of laureates (Kurt Goedel, Alan Turing, John von Neumann, for starters) due to the limitation of the fields the prize covers. However, it remains true that the names in the recipients list are quite impressive, where the highest achievements in the modern history of science is represented well.
The reputation of the prize comes from its rigorous selection process. The committee tries to track down who did the original work, sometimes regardless of the social or academic reception the work has enjoyed since. In a sense, the Nobel committee carries out the job of "Aha! detection", wherein the historical fact of in whose brain the revelation to humanity has taken place for the first time is tried to be pinned down, often involving a hard detective work.
[54BOS]

5月 25, 2008 at 08:01 午前 |

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: やりたいことの宇宙:

» ボクらの時代 中村橋之助×笹野高史×串田和美 トラックバック 須磨寺ものがたり
芝居が結びつける3人の関係、 役者が二人、 演出家が一人、 食についての話の場面で、思わず笑ってしまう。 [続きを読む]

受信: 2008/05/25 11:39:23

» カフェマニア!のブックサーフィン トラックバック 旅籠「風のモバイラー」
もしこの世に珈琲がなかりせば。世界はずいぶんつまらないものになっていただろう。 [続きを読む]

受信: 2008/05/26 0:20:53

» 通帳の公開(1,2頁) トラックバック 御林守河村家を守る会
(「御林守河村家を守る会」の通帳、1,2頁です) 御林守河村家を守る会の通帳を 本日は2ページまで公開いたします。 重複しないように ページの最後まで記載されてから ページごとにご報告する予定です。 この通帳は、 数年前に作成して大事にしまっておいたはず�... [続きを読む]

受信: 2008/05/26 6:08:18

» 緑が映える・・・ トラックバック Little Tree
雨の日曜日。 しっとりと水分を含んだ銀杏の葉っぱが、目に鮮やかな緑色を映しています。 ふと目をやると、ブロック塀の上に 白っぽい薄緑に色づいてきたアジサイの花の球体が、顔を覗かせています。... [続きを読む]

受信: 2008/05/26 6:45:42

コメント

茂木さん、こんばんは

田森さんの面白エピソード、
またまた大爆笑させていただきました
イヒヒヒヒ

笑いは免疫力高めるといいますから!
ストレス社会の中での笑いは、
とても需要が高いかと・・・

今後も、田森さんの面白エピソード、
楽しみにしております

ところで、
”顔学会”ってすごく面白そうですね!
私も、自分の顔の変遷?を見ると
経験したことが顔にもろ表れているのですよね。
一年くらい会わなかっただけの知人に、
「顔、変ったね!最初誰だかわからなかった」
と言われることもしょっちゅうです。

友達と会って顔を見て話すときは、
無意識のうちに
表情を読んでいるし、
テレビを見るときも
ニュースキャスターの顔などは
特に観察しがいがあるというか。

人間観察に興味をもってからというもの、
人の顔も観察しています・・・無意識に
失礼にならない程度にですが

投稿: ももすけ | 2008/05/26 4:00:44

チャンネルがちゃがちゃ変えていたら、なんと茂木先生、こんばんは。「根拠なき自信」という茂木先生のフリップに勇気づけられました。

>"Aha! detection"

いつ、どこで、だれが決定的に重要なAha!を体験したのかを探るノーベル賞委員会は、優秀な「探偵」の集団みたいだ、と思いました。難しい調査なのでしょうが、調査の過程でノーベル賞委員会の人達にも、「なるほど! この人だ」という決定的なAha!体験があるのか、興味あります。
私たちにもささやかな、小文字のaha!体験はあります。世の中になんら影響を与えなくとも、主観的には大文字の体験もあるのでは…。
そういう体験をすると、考え方や感じ方がポジティヴにがらりと変わり、生き方も前向きになるようです。
前から読んでも、後ろから読んでもaha!、こういう体験は大切にしたいと思いました。

ありがとうございました。

投稿: | 2008/05/26 2:10:13

茂木さん、またまたおこんばんは。

(えっ!『プレミアA』のお知らせ?
何?何?!
茂木さん、遅〜い!!すでに終わってます。見逃した)

本文にある「荒野」という言葉、あたしは大好きです。
荒野にたつ。
荒野はいいところです。あたしにとっての可能性を感じ、信じ、存在していられる。
泣いたり笑ったり、怒ったりうれしかったり。考えたり思いつめたり。歩いたり走ったり、立ち止まったり。

そこに茂木さんのクオリア日記や著書から、エッセンスがぽとり、ぽとりと数滴おち、荒野に染みわたる。いまのあたしの世界だけでは見ることのなかった風景が広がる。すべてすぐわかるものばかりではないけれども、一度染みわたったエッセンスはいつかあたしを潤す。
茂木さん、いつもありがとう。

周りにささやかでも、受けた恵みをお返ししながら生きていかれるように
笑って泣いてまた笑って。GOGO!!

投稿: | 2008/05/26 1:09:54

こんばんは博士。

山口真美さまの赤ちゃんの顔認識…興味深いです。
赤ちゃんって、コチラがニコニコしているとニコニコ笑う事があります。でもよく見ていると、誰にでもニコニコはしない様です。
私は普段着物なので、電車やバスでよく赤ちゃんに(ってか子供全般に)ジィッと見詰められる事が多いです。
余りの視線にいたたまれずに、取りあえずニッコリすると相手もニコニコしてきます。それを見て、隣に座っていた私の父がニッコリすると今度は泣いたりします。父いわく「子供はアンパンマンみたいな顔が好きやから、お前みたいなのがウケるんや。」だとか。
父の御託はともかく、赤ちゃんの視点って興味深いです。

やりたいことの宇宙が広がっていく…凄く充実されているのですね。お読みしていてコチラまで元気が出ました。
チョコレート召し上がって頑張って下さい。
時々踊りながら…タンツェン♪タンツェン♪タンツェン♪タン…ラララライッ♪ラララライッ♪ラララライッ♪ララライッ♪ララ…

投稿: | 2008/05/26 1:06:42

こんにちわ

そういえば、私も、足のおもりを付けていた事があります。今はどこへ行ったのだろう。探してみます。(^^)

投稿: | 2008/05/25 19:15:04

な、な、なんですとー。

当方が県外へ遊びに行っているスキに、茂木さん、ご友人の田森先生と第七餃子へ行かれたですとー。ヤラレタ。

でも、田森先生という方は面白い方ですね。curiousという形容がぴったりという感じです。得体の知れない不可思議さをお持ちで。タモリセンセ、curiousと形容してすみません。でも、当方の最大の賛辞なんです。

「life」と「music」についての自分バージョンをこの間から考えています。

で、当方が少しく関わっています和歌、短歌、俳句を英語で試行(思考)してみれば、と思い当たりました。

言語でありながら、音律(音楽)を大切にする世界最短詩型というのは面白いのではと。

「源氏物語」なんか、原文で読んでも、誰が何してどうとやら、ということが分かりにくく、英語で読んだほうが主語、述語がはっきりしていて分かりやすかったですよね。

ただ、それは、スジは分かるっていうことで、そのジョジョウを本当に味わったことになるかどうかは、また別論で。

日本の古文の海外への訳は、ドナルド・キーン博士という巨人がいるので、当面、パス。

っていうことで、海外の人たちが作った作品を日本語にしてみようと。それも、短歌なら5・7・5・7・7syllable、俳句なら5・7・5syllableにこだわるっていうことで。

では、今日の一句。

Night game

softball soars

through swarms of bnats

(手元の英文歳時記からDavid Elliottさんという方の作品)

直訳的には、

ナイター

ボールは高く飛ぶ

蚊(蠅)の群を通り越して

くらいなんですが、これでは俳句としてのアジが伝わらないので5・7・5syllableにこだわっての試訳(私訳)です。


ナイターや蚊柱突き抜けボール飛ぶ


どうでしょうか。


今やネット上では世界中、各自の言語により、無限のTanka、Haikuが飛び交っていてスゴイ時代になったと思います。正岡子規さん、夏目漱石さんもびっくりのことと思います。

漱石は友人の正岡子規に俳句も習っていて、苦吟していたようですね。岩波「漱石全集」第17巻は全部、俳句ですし。

また、同19巻には

「上の句丈だけは漸く無事に治まつたが下の句が出来ない

梅咲くや  梅の花でもいけない  梅の木や、では花をうたはれない」

なんていうフレーズもあったりして楽しいです。

さあ、英語の「原書」(原作品)に直接どんどんぶつかっていき(茂木さん法)、英語の短歌と俳句で黛まどかさんに挑戦だー(茂木さん経由)と叫びつつ失礼します。

投稿: | 2008/05/25 18:39:38

田森さんとのお話、目にうかびます。
…なんだか子どもの頃の戯れあいのような雰囲気(すみません)。
楽しそう!


やりたい事が どんどん出てきて。
お空のように広がる。
どんどん広がる。

そうして地球から解き放たれる。
無限の彼方へ。。。
広がる。広がる。

そして…
いつかまた地球の軌道に。

夢があるなぁ。。

投稿: | 2008/05/25 18:31:22

茂木さん、おこんばんは。
「お腹ツンツン事件」楽しく読みました。
くすくす

事件についての会話で田森さんの受け流しかたがとても好きです。
ふと、
茂木さんが日本文芸大賞を受賞されたときの日記を思いだしました。
受賞の喜びは編集者の方との写真からのみ伝わるもので
味気ないほどあっさりと次の荒野について(真クオリア日記のことでしたよね?)大場さんに話されていた、あの日の日記。
『茂木さんってすごい!』

タワレコでナマ茂木さんからあたしが感じた「今ここ」。
クオリア日記がよりリアルになり、あたしの記憶は育つ。

投稿: | 2008/05/25 18:26:40

花王と聞いて、「花王石鹸」の名前の由来を思い出した。

花王創業者・長瀬富郎氏は、最初、輸入した鉛筆や化粧品などを売る小間物商売をしていたが、明治30年代前後の頃であったか、自らの手で質の高い化粧石鹸の製造に成功したという。

商品名をつけるにあたり、化粧石鹸は顔を洗うものなので「顔(かお)石鹸」のつもりで「花王」の字をあて「花王石鹸」としたのだ、と聞いている。顔=花王だった、というわけです。
(間違いがあったらお許し下さい)

それにしても、顔というのは心の有様がまことに表に現われるものなんだなあ、と鏡に移すたびに思う。

あのダーウィンも人の顔の表情や動物の仕草を研究していて、人も動物も同じ感情を表に表すことを見出していたという。

感情という心の動き、揺らぎが顔に表れる…ということは、「心」と「身体」はやはり「2つのようでほんとは一つ」ということを明かしているのかもしれない…。

投稿: 銀鏡反応 | 2008/05/25 13:57:22

こんにちは。

顔学会の講演、参加させて頂きました。金沢から直行、お疲れ様でした。

茂木先生の講演は、毎度のことながら、ものすごく面白くて、楽しくて、うれしくて、聞きながら何度吹き出したかわかりません。

茂木先生が冗談で、トイレの後、手を洗うのを待ってるのに、髪をなでつけ直している男の人を見ると殺意を覚える、(笑)とおっしゃっていましたが、これは女性も同じです。
手を洗うのを後ろで待っているのに、長々と化粧直しをしている女の人を見ると殺意を覚えます。(もちろん誇張ですが)
化粧直しをしているときの女性は、周りの状況が目に入らないほど、ドーパミンが大量放出されているに違いありません。
女性は化粧して変わっていく自分が大好きで、自分自身を見ながらうっとりしているはずです。

原島先生のお話しや、山口先生の赤ちゃんの成長に伴う顔の認識と記憶の結びつきなども大変興味深く、有意義な時間を過ごすことができました。

ありがとうございました。

また、左手のつき指、完治されたご様子、よかったです。
以前まだ完治していない時にサインを頂いていたのかと思うと恐縮です。

これからも100ノーベルに値する研究、執筆・講演等、八面六臂のご活躍を応援していきたいと思います。
お体に気をつけて。

投稿: | 2008/05/25 9:58:39

コメントを書く