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2008/04/30

100名の皆様が

100名の皆様が

プロフェッショナル日記

2008年4月30日

http://kenmogi.cocolog-nifty.com/professional/ 

4月 30, 2008 at 07:48 午前 | | コメント (4) | トラックバック (3)

ザ・ベストハウス123

ザ・ベストハウス123

フジテレビ系列
2008年4月30日(水)21時〜21時54分

詳細

4月 30, 2008 at 04:34 午前 | | コメント (0) | トラックバック (0)

決してギブアップしない

飛行機の中で見たのは、
I am legend
Jumper
を全編、

The bucket list
Lions for Lambs
をそれぞれ途中までだった。

The bucket listは、これがRobert Redford
監督の作品だと思って勘違いして見て、
途中で気が付いて(面白かったので
最後まで見ても良かったのだけれども)
Lions for Lambsに切り替えたら、
時間切れになってしまったのだった。

アメリカ映画に興行的に勢いがあるのは、
「文明の力」といか言いようがない。

好き嫌いは別として、アメリカ発の
様々な文明が地球を覆い、私たちの
ライフスタイルを規定してきた。

わが愛する日本文化には、それほどの
浸透力はない。

個人の力を超えた「事態」
の嵐に私たちは巻き込まれる。

文化におけるマイナリティは、
歯を食いしばってがんばるしかない。

決してギブアップしないことだ。

成田からフジテレビに向かう。

大観覧車が見えてきた時、
朝倉千代子さんが
「仕事のモードに戻ったようです」
と言っていた。

Kim Peekを取材した映像は、
7月頃、「ザ・ベストハウス123」
の中で放送される予定です。

あっという間に日本に包まれる。

沢山の
メールを整理していたら、
ふっとため息が出た。

決してギブアップしない。

The enigma of intentionality is tightly coupled with the enigma of the self, and together form a counterpart of the enigma of qualia. Intentionality for the most part can go unconsciously, and lacks the vivid sensation that accompanies qualia. Even when the intentionality is felt by the self as an intentional qualia, as in the case of the perception of "triangle" in the famous Kanizsa's figure, it is never the same as the perception of a triangle composed of a set of real contours. The presence or otherwise of the vivid quality of sensation thus sustains the self's distinction between the real and imagined. Intentional qualia thus belongs to the set of interpretations that we form based on the raw sensory data (represented by sensory qualia) of the outside world.
John Searle's concept aspectual shape (Searle, J. The Rediscovery of the Mind. Cambridge, MA, MIT Press.) captures the essence of intentionality in this context well. ([32])

4月 30, 2008 at 04:24 午前 | | コメント (5) | トラックバック (4)

『文明の星時間』 共感の王国

サンデー毎日

2008年5月18日号

茂木健一郎 
歴史エッセイ
『文明の星時間』

第12回 共感の王国

一部抜粋

 偉人についてのある一つのエピソードに触れた時、まるで雷に打たれたような厳粛な気持ちになることがある。
 古代ギリシャの哲学者ソクラテスと言えば、今日に至るまで人類の文化に大いなる影響を及ぼしている知の巨人である。そのソクラテスが、「若者たちをその思想によってかどかわした」罪により死刑判決を受けた獄中で、最後に読んでいたのは『イソップ童話』だったという。
 そんな話を、人間と動物が共生する様子をとらえた印象的な作品群で知られるカナダ生まれの写真家グレゴリー・コルベールから聞いた時、件のエピソードの中にソクラテスその人についての重大な秘密が隠されているように直覚した。そのしっとりとした感触を未だに忘れられないでいる。

全文は「サンデー毎日」でお読みください。

http://www.mainichi.co.jp/syuppan/sunday/ 

4月 30, 2008 at 04:23 午前 | | コメント (0) | トラックバック (0)

ちゃぶ台返しの芸術

ヨミウリ・ウィークリー
2008年5月11ー18日号

(2008年4月28日発売)

茂木健一郎  脳から始まる 第102回

ちゃぶ台返しの芸術

抜粋

 「空気を読む」という言葉が流行していることからもわかるように、昨今の日本人はちゃぶ台返しが苦手である。空気を読んでいる中で、皆が気づいている「本当のこと」でもなかなか言いづらい気分ができる。そこに日本という国の閉塞感の理由もあるはずだ。かといってちゃぶ台返しをする勇気があるかと言えば、多くの人は顔を見合わせてしまうのだろう。
 日本人はどうやら、社会的な意味で「賢すぎる」のである。星一徹がちゃぶ台返しを敢行できるのも、それによって周囲の人がどのような感情を抱くとか、自分自身がどんな不利益を被るとか、そのような配慮をしないからである。つまりは、「無知」だからこそ、思い切ってちゃぶ台返しができる。

全文は「ヨミウリ・ウィークリー」で。

http://info.yomiuri.co.jp/mag/yw/

4月 30, 2008 at 04:17 午前 | | コメント (2) | トラックバック (2)

2008/04/29

プロフェッショナル 脳活用法スペシャル

プロフェッショナル 仕事の流儀

脳活用法スペシャル

今回は公開録画。

スタジオにいらした100名の方々と
熱い討論を繰り広げながら、
脳を活かして学び、仕事をし、
生きる術を探ります。

これは面白い!

NHK総合
2008年4月29日(祝) 22:00〜22:45

http://www.nhk.or.jp/professional/

すみきち&スタッフブログ

Nikkei BP online 記事
あなたの脳はまだまだ成長する
〜茂木健一郎の「脳活用法スペシャル」〜
(produced and written by 渡辺和博(日経BP))

4月 29, 2008 at 02:58 午前 | | コメント (13) | トラックバック (12)

2008/04/28

まぶしい太陽に

ダウンタウンから車で30分ほど
行った場所に、
Kim Peekと、お父さんのFran Peekが
住んでいる家はあった。

ドアをノックすると、Franが
最初に出てきた。
Franが、さらに奥の方に向かって
声をかけた。

足音がして、数秒後には、Kimが
登場した。

会うなり、Kimは私のことを
ハグして、「君はすばらしい人間だ。
君は、君自身を名誉ある人間とした」
とささやいた。

この「儀式」は、Kimが会った人に
よくやることらしい。

部屋の中には、サヴァンの人が
記憶から描いたKimとFranの肖像画や、
今までChristopher ReevesとKim Peekしか
受けていないという「勇気ある人」への
賞のトロフィーがあった。

近くのベンチに腰掛けて、
Kim、Franの二人と話した。

Kimの思考は、常人には想像のできない
スピードで駆けめぐっていて、
その連想を追ってKimは
しゃべり続けた。

公刊された
ドキュメンテーションの中では、
Kimは、カレンダーから曜日を
言い当てることや、膨大な歴史的
知識、それに関連した日時を
即座に言うという点において、
驚異的な能力を持っていると
されている。

実際に会ってわかった
ことは、Kimは、個人的な
エピソードの記憶、たとえば、
近所に住んでいた人たちや、
知人や、親戚や、その他、Kimが
かつて会ったことのある人たちに
ついての膨大な断片的な
知識を蓄積し、それに縦横無尽にアクセス
できるということだった。

話している時間帯のかなりの部分は、
公共的に周知の事実よりも、
むしろ、そのような人々についての
消息を語ることに当てられていた。

そして、時々、Franに向かって
「そうだよね、お父さん」と
確認する。

Kimは時折立ち上がって、
周囲を歩き回る。
言語だけでなく、身体表現に
おいても、衝動的であり、
エネルギーに満ち溢れている。

私の生年月日を言うと、Kimは
即座に「土曜日」と答えた。

他の人の生年月日を言っても、
私が言い終わるのを待っているかのように
Kimは即座に曜日を答える。

あまりにも速いので、
「計算している」とも思えない。

あたかも、Kimの脳の中に
カレンダーが置いてあって、
それを見るだけのようである。

お土産にもってきた所眞理雄さんと
共同で編集した
Creativity and the Brain 
を渡すと、Kimは興味を持って読み始めた。

Kimは、一頁だいたい10秒くらいで
読んでしまい、頭の中には9000冊の
本が記憶されていると言われている。

Franが言う。
「Kimが口にすることは、あまりにも
入り組んでいて高度なので、何を
言っているのか、なかなかわからない
ことがあります。すぐにはその意味を
理解できない場合でも、Kimの中では
明確な脈絡がついているのです。」

Kimは、まるで呼吸でもするかの
ように、時折私や周囲のひとたちを
ハグして、顔を近づけてささやく。

強力なダイナモがKimの中で
動いているかのよう。

「一世紀に一人」とも言われる
偉大なサヴァンであるKimの立ち居振る舞いは、
奔流する勢いにあふれていた。

KimとFranが行きつけの店であるという
Anna's Cafeに行って、昼食をとる。

Kimは運動系の制御がうまくできないので、
Franがパンにバターをつけてあげたり、
食べやすいように切り分けてあげたり
する。

Kimが16ヶ月の時、医者に診せたところ、
この子にはまともに育つ見込みはないから、
施設に入れて、そして忘れてしまいなさい、
と言われた。

Franはそのような冷たい忠告に
耳を貸さず、Kimを愛情をもって
育てた。

Franの献身的な支えがなかったら、
Kimのユニークな才能が開花することも
なかったろう。

KimはFranとともに全米を講演して
回っており、すでに200万人以上の
人たちに話したという。

FranとKimがいつも持ち歩いている
Oscar像は、史上最も多くの人たちに
抱きしめられた
Oscar像であると言われている。

Anna's cafeにもOscar像を持っていった。

ウェイトレスや、お客さんなど、
興味をもった人にはOscar像を持たせて
対話する。

そのようにして、Franはコミュニケーションを
とるとともに、奇妙な振る舞いで目立って
しまうKimの存在を、一瞬にして
相手に受け入れさせるのだ。

Oscar像が、息子を社会的に受容させる
ための父親の切ない智恵を象徴しているように
感じられた。

BBCのドキュメンタリーでも描かれた、
Kimがいつも通う公立図書館に行く。

Kimは書架の間をどんどん歩く。
散策をしているのかと思ったら、
特定の場所を目指していたのだった。

全米の電話帳の棚。

一冊を取り上げると、名前が
あるかどうかを確認していた。

知り合いの誰かが、結婚した。

その事実を、電話帳で確認して
いたのである。

いつも頭の中で連想が駆けめぐり、
まるで衝動にかられて息継ぎを
するかのようにハグし、顔を
至近距離に近づけてささやくKim。

彼が近くにいると、リズムが
彼に支配され、やがて、
不思議な宇宙がかいま見えてくる。

Kimの存在はaddictiveである。
典型的な人間とは異なるコミュニケーション
と思考の脈絡に、いつの間にか
すっかり魅せられてしまうのだ。

服を着たり、歯を磨いたり、
シャワーを浴びたりといった
日常の行動も、Franの助けがないと
こなせないKim。

筆舌に尽くしがたい大変さがあったと
思うが、それでも、かくも長きの間に
わたってFranがKimの世話をすることが
できたのは、それだけ、Kimにaddictiveな
魅力があったからであろう。

最後に、図書館の前で三人で記念撮影を
した。

Oscarを持ったFranを真ん中にして、
Salt Lake Cityのまぶしい太陽に向き合った。

左右の大脳皮質を結ぶ脳梁が生まれつき
存在せず、そのためにさまざまな
苦労をしながら生きてきたKim。

Kimには、相手の心を読み取る
「心の理論」(theory of mind)が
欠けていると研究者たちは結論してきた。

savantの能力は、一般に、「心の理論」
の欠落の代償として得られると
される。

しかし、Kimの驚異の記憶能力は、
明らかに、人と結びつきたいという
願望の実現に役立っている。

心の理論の欠落によって得られた
記憶能力が、結果として相手との
コミュニケーションの道具となる。

Kimの関心が、常に「人間」に向かう
という事実の重大な意味を、
私はかみしめていた。

4月 28, 2008 at 08:27 午後 | | コメント (14) | トラックバック (7)

2008/04/27

男の遊日

男の遊日

茂木健一郎 × 白洲信哉
talk show
2008年4月30日(水)
19時〜
東京ミッドタウン

http://www.gentosha.co.jp/goethe/information/talk.html 

4月 27, 2008 at 10:13 午後 | | コメント (3) | トラックバック (2)

2008/04/26

『題名のない音楽会』

『題名のない音楽会』

「音の魔法 ディズニー・オン・ブラス」

テレビ朝日
2008年4月27日(日)9時〜9時30分


http://tv.yahoo.co.jp/bin/search?id=5732543&area=tokyo 

4月 26, 2008 at 10:46 午後 | | コメント (6) | トラックバック (0)

いつもオスカーを

うとうとしていて、
はっと目が覚めると、
窓の外に壮観が広がっていた。

広大な「塩の湖」。
ほれぼれするほどに、
さまざまな地質現象が視覚化
されている。

Salt Lake Cityの空港に
降り立つ。

寒いかもしれないというので、
トレーナーを買って「ローカル」
になる。

すぐに夜になった。

街を歩き、ステーキ屋に入る。

元気の良いお兄さんが、
「うちの肉はユニークなカット
で知られているんだ。特にお薦めなのが
カウボーイ・カットだよ」
と説明してくれた。

「東京から、何しに来たんだ?」
「Kim Peekに会いに来たんです。」
「Kim誰だって?」
「Rain ManのモデルになったSavantの
人ですよ。Dustin Hoffmanが演じた」
「ああ、あの人か。時々このレストランにも
来るよ。いつもオスカーを抱えている。」

「オスカー像」は、Rain Manでアカデミー賞
を受けた脚本家のBarry Morrowが
Kim Peekにあげたものである。

夜の道は確かに少しひんやりしていたが、
空気は清浄で歩くのが心地よかった。

4月 26, 2008 at 10:40 午後 | | コメント (8) | トラックバック (4)

サミュエル・アダムズ

サン・フランシスコに着いた。
飛行機の中から、浅瀬を走る
長いながい橋が見えた。

サミュエル・アダムズを飲むと、
もう身体の一部分が米国に
なったような気がする。

これからまた飛行機に乗り、
さらに「内側」へと向かう。

4月 26, 2008 at 04:22 午前 | | コメント (4) | トラックバック (3)

2008/04/25

米国

本日より、来週の火曜日(29日)
まで、米国に参ります。
この間、メールは読めると思われます
が、いつもよりもレスポンスが遅く
なるかもしれません。
ご了承ください。

4月 25, 2008 at 01:46 午後 | | コメント (7) | トラックバック (1)

『音楽を「考える」』4刷

茂木健一郎、江村哲二
『音楽を「考える」』
(ちくまプリマー新書)は
増刷(4刷、累計22000部)
が決まりました。

ご愛読に感謝いたします。

筑摩書房の伊藤笑子さんからのメールです。

茂木健一郎様

韓国から、お帰りなさいませ!
いつもお世話になっております。筑摩書房の伊藤です。

本日は嬉しいお知らせがございまして
メールを送らせて頂きました。

江村哲二さんとのご共著
『音楽を「考える」』の増刷が決まりました。
第4刷 3000部 
累計にして、22000部 となります。

順調に版を重ねられますこと、心よりお礼
申し上げます。

ちょうど昨年の今頃、この本が形を成して
出来上がり、江村さん・茂木さんに
お手渡しさせて頂いた、と思い起こして
おります。
その後5月、6月と続く、印象深い思い出も、
もちろん忘れておりません。毎年、その季節が
くるのだなあ、としみじみ感じ入っております。

まずは、江村さんにもお伝えしなければ、と
思います!


以上、どうぞよろしくお願い申し上げます。
また近々にお目にかかれますことを
楽しみにしております。

伊藤笑子(Emiko ITO)
筑摩書房編集部(ちくまプリマー新書)

4月 25, 2008 at 09:55 午前 | | コメント (2) | トラックバック (0)

『すべては音楽から生まれる』15刷

PHP新書
茂木健一郎 『すべては音楽から生まれる』
は増刷(10刷、累計105000部)
が決定しました。

ご愛読に感謝いたします。

PHP研究所の丹所千佳さんからの
メールです。

茂木健一郎先生

こんばんは。
いつもお世話になっております。
増刷のおしらせです。
『すべては音楽から生まれる』は、
このたび、15刷が決定いたしました。
おかげさまで、累計105000部となりました。

ひとつの節目といたしまして、
茂木先生はもちろんですが、
本書にかかわった、本書を手にとったすべての方々に、
お礼を告げたい気持ちです。
これからもこの本が、届くべき人のところに届くことを祈りながら。

ところで、あらゆる芸術のなかで
音楽がもっとも生命哲学に近いと話は、
たとえば絵を見て泣くのと音楽を聴いて泣くのとでは
どちらが経験として多いかという問いの答えを考えてみれば、
明白なことのように思いました。
音楽に涙を流すとき、
人は間違いなく「鳴って」いるのだなと感じた春でした。

丹所千佳

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4月 25, 2008 at 09:48 午前 | | コメント (1) | トラックバック (0)

『脳を活かす勉強法』 20刷

茂木健一郎
『脳を活かす勉強法』 
PHP研究所
は、重版(20刷、累計44万7000部)
が決まりました。

ご愛読に感謝いたします。

PHP研究所の木南勇二さんから
のメールです。

茂木健一郎先生

いつも大変お世話になります。
増刷1万2,000部で、累計44万7,000部となりました。
誠にありがとうございます。

先週末の中瀬中学の授業、誠にありがとうございました。
生徒さんたちが生き生きとされていて、とても
感銘を受けました。

また、韓国、台湾から『脳を活かす勉強法』の翻訳出版依頼が
多数来ております。
ちなみに中国大陸においても、多数オファーが来ております。

何卒よろしくお願い申し上げます。

PHP 木南拝

http://www.php.co.jp/bookstore/detail.php?isbn=978-4-569-69679-9

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4月 25, 2008 at 09:47 午前 | | コメント (0) | トラックバック (1)

脳活用術スペシャル

脳活用術スペシャル

プロフェッショナル日記

2008年4月25日

http://kenmogi.cocolog-nifty.com/professional/ 

4月 25, 2008 at 09:37 午前 | | コメント (0) | トラックバック (1)

真実への接近

品川のホテル・パシフィックにて、
黛まどかさんとの共著のために、
俳句と脳について語り降ろし。

前回の黛さんとの対談で、
桑原武夫の「第二芸術論」
が話題になり、私も向き合うこと
になった。

フランス文学の精神と格闘した
希代のインテリに俳句がどう見えたか。

有名、無名の作者による俳句を
十五並べる。

作者がわからない「ブラインド」
の状態で、どの句がすぐれているか、
明確にわかるか?

桑原の立てた問いは、身も蓋も
ないもの。
そりゃあ、わかるはずがない。

では、俳句とは一体何なのか?

個人の創造性を絶対視する
西洋の観念から見れば確かに
「第二芸術」とならざるを
得ないのであって、
俳句に現れている日本文化の精髄は、
別のところにある。

結社でいたずらにいばったりいきがっている
人たちのことなど確かに知らぬ。
そのような病理があるからといって、
俳句という芸術自体の可能性の中心を
見誤ってはいけない。

一瞬の経験のきらめきの
中に顕れるクオリアの真実なるを
掬いとる姿勢は、短詩型の文学
の伝統によって確かに育まれている
ことは事実。

ソニーコンピュータサイエンス研究所
にて、脳研究グループのゼミ。

東京工業大学博士課程の
星野英一が、言語課題において、
それが視覚的イメージを司る
右半球のfusiform gyrusに
依存する場合があるという
論文を紹介。

Turing testに合格するコンピュータは
なかなかできない。
純粋にlinguisticな処理を行う
モジュールの背後にあり、必要に
応じて喚起、参照される一群の
回路群を含めて言語系を扱う
必要があるだろう。

そもそも言語は、その存在において
open-endedなシステムなのだ。

『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の収録は、「脳活用術スペシャル」で、
約100名のお客さんをお迎えする。

収録が終わったのは夜の11時30分過ぎ。

皆で打ち上げをした。なんだか、
忘年会のような雰囲気。

この世界を育むのは、否定する批評性ではなく、
引き受ける愛だ。

自分の身体を張ってやることを通してのみ、
真実への接近は可能となる。

The description of the development of the physical world according to the natural laws, as it stands today, seems to lack no substantial element. Specifically, it does not appear to be necessary to search for an essential ingredient in the world view (Weltanschauung) when one tries to predict the behavior of the materials in nature, with the reservation that classic or quantum chaos would make the prediction difficult in practice.
There is one brutal fact about the universe, however, which cries out for an proper accounting. The very fact that time proceeds at all. Mathematical laws, from Newtonian dynamics to string theory, only serve to streamline the changes that have happened, or would happen, and do not account why and how the time should pass in the first place.
It is quite conceivable, then, that the fundamental reason why consciousness exists, which is an inexplicable anomaly in today's scientific world view, shares a common origin with the equally inexplicable passage of time. ([31])

4月 25, 2008 at 09:10 午前 | | コメント (8) | トラックバック (1)

2008/04/24

科学者

早稲田大学国際教養学部の
授業。

教室に入ると、内田亮子先生が
いらした。

TAの駒形君を紹介いただく。

「登録学生数が240名を超えているのです。
茂木先生、がんばってください」
と内田先生。

国際教養学部は、英語で授業をする。

theory of mindの話をして、mirror testを
復習し、イルカが鏡に姿を映している
動画を見て、そしてcomputer and brainの
比較へと進み、Turing testの議論を
始めたところでおしまい。

黒澤明の「生きる」の一部分を見る。

志村喬が、小田切みきと向き合う。
うさぎが走る。
志村が、うさぎをつかんで
階段を下りる。

折しも、向かいの部屋で行われていた
パーティーの主賓の女子高生が
到着し、志村と入れ違いに階段を
上ってくる。

「ハッピィーバースデー・ツー・ユー」
の合唱が流れる。

二つの異なる流れが交錯する、
「アンビヴァレンツ」のドラマトゥルギー。

科学的に要素分解し、単純化
された状態ではなく、
日常の複雑な文脈の中で
「人の表情を読む」という
ことについて考えてみる。

「黒澤映画を見たことがある人は?」
と聞くと、十名くらいしか手を
挙げない。

「この学部は、School of Internaional Liberal
Studiesと言って・・・」
と学生たちにハッパをかける。

Bertrand Russel, Alfred North Whitehead,
Allan Turing, Kurt Goedel。

偉大な足跡を残した先人の
名前を挙げて、知っているか、
とたずねる度に、
「この学部は、School of Internaional Liberal
Studiesと言って・・・」
と励ます。

学生たちが、明るく笑う。
SILSの学生たちは、前向きで好きだ。
英語という言語の特性が、
そうさせるのだろうか。

世の中には、これを知らないと
話にならない、ということがある。

「教養」とは、長く厳しい道のりなのだ。
そしてそれは、一生続くのである。

国立劇場にて行われた、日本国際賞の
授賞式に出席。

天皇、皇后両陛下が御臨席。

今年受賞されたのは、
インターネットを支える
TCP/IPの基礎を築いたヴィントン・サーフ博士、
ロバート・カーン博士、それに
遺伝医学の分野で大きな貢献をされた
ビクター・マキューズィック博士。

伊藤正男先生が、賞の贈呈をされる。

閉式後、
ホテル・ニューオータニにて、
祝宴が行われた。

天皇陛下がシャンパンの乾杯を
される。

後席の場で、天皇陛下と
親しくお話する機会があった。

生物学。進化の問題。
遺伝子の解析による系統樹のこと。

御自身は、ハゼの分類学がご専門。

科学の諸分野について、大変活き活きとした
ご関心を持っていらっしゃることが
伝わってきた。

日本国民統合の象徴は、一人の科学者
でいらっしゃる。

そのことの意味を、大切に育みたい。

日本国際賞の司会は、
伝統的に女性科学者がつとめている。

「進行は科学者が良い」という陛下の
ご意向によるものと伺った。

In the formulation of a natural law, out task is to describe a system in a manner that makes it possible to predict its development with time. A single particle, particles in a box, a living cell, and the brain are all systems that we try to describe. There are elements in a system. The interactions between the elements determine the temporal evolution of the elements and the system. Causality refers to the idea that given the state of the system at a certain time, we are able to derive the state of the system at a little later time, based on the state of the elements and interactions in the system. The state of the system at present is the "cause", which brings forward the state of the system at a later time as the "result". When a certain set of rules succeeds in describing the evolution of the system in the above sense, we call that particular set of rules a "causal" law.
"Causality", in the general sense outlined above, is satisfied by any natural laws that the humanity has had the chance to conceive up to present, and is represented in the purest and advanced form in the physical sciences.[30]

4月 24, 2008 at 07:40 午前 | | コメント (9) | トラックバック (5)

2008/04/23

きりんのふるさとは月なのです。

済州島からソウルに戻る飛行機の
中のこと。

制服を着た学生たちが沢山乗っていて、
離陸すると拍手し、ずっと客席の
上のランプや送風口をいじっていて、
着陸するとまた拍手で大変な
騒ぎだった。

手荷物受取場でも越冬するテントウムシの
ように集まって、うごうござわざわ。

 
済州島からの修学旅行の学生たち

聞くと、修学旅行でソウルに行くとの
こと。

ほとんどの子どもたちが、生まれて
初めて飛行機に乗るらしい。

感情が爆発する瞬間というものがある。

済州島四・三事件にはじまる
歴史を考える時、
なんだか切なくなって、
君たちの人生に幸あるようにと
思わず祈っていた。

済州島よ、「東洋のハワイ」として
の発展を!

東京の陽光は思ったよりも
やわらかく、
そのあたたかさに
心がほぐれていくようだった。

NHKで「プロフェッショナル 仕事の流儀」
の打ち合わせ。

今回は「脳スペシャル」
ということで、私を取材したVTRが
編集された。

本間一成さんの「入魂」の作。

「そうか、こんな風につなぐのか」
といろいろと面白い発見があった。

 
「脳スペシャル」を担当する本間一成ディレクター

番組をつくるのは本当に手間がかかることで、
VTRに付けられた「コメント」
をいろいろと検討して、修正しなければ
ならない。

時折、有吉伸人さんとデスク、担当ディレクターが
会議室で「コメント直し」をしているのを
見かける。

今回は脳スペシャルなので、私も初めて
参加した。

有吉さんの反応が素早く、的確。

「有吉さん、コメント直しの天才ですね!」
と思わず声を上げた。

「ははは、姑息な智恵があるだけですよ」
と有吉さんは謙遜する。

 
コメント直しの天才、有吉伸人さん

面白い番組になりそうである!

河瀬大作さんが、ボクが描いた
「風船きりん」のユニクロ・Tシャツを
着ていた。

 
「風船きりん」Tシャツを着る河瀬大作さん

「あれっ! 河瀬さん、それどうしたんですか?」

「いやあ、東京駅のユニクロで売っていましたよ。」
と河瀬さん。

「クオリア日記」の親愛なる読者の皆さん
他にも手に入れられた方はいらっしゃいますか?

風船きりんは、風船にぶら下がってふわふわと
月まで飛んで行くのです。

だってほら、きりんとお空に浮かぶお月様は、
同じ色をしているでしょう。

きりんのふるさとは月なのです。

The semantics of language is an extension of the general intentionality structure accompanying sensory perception. In that willed actions are also accompanied by respective intentionalities, speech act theory (Austin 1962, How to do things with words.) captures the common basis for speech and action. Thus, the linguistic turn can be reformulated as a endeavor to connect the sensory with the motor.
The meaning of a word can extend to the non-existent, and spatially and/or temporarily distant. Normally, an action would occupy a well-defined modality in the physical space and time, resulting in a limited but focused effect. Language releases the action from this limitation, where our bodily movements are coupled with intentionality structures covering all conceivable real and imagined entities in the universe. ([29])

4月 23, 2008 at 06:17 午前 | | コメント (26) | トラックバック (5)

2008/04/22

プロフェッショナル 吉田憲一

プロフェッショナル 仕事の流儀

不屈のリーダー、極寒の荒海へ

~ ファクトリーマネージャー・吉田憲一 ~

 吉田憲一さんの厳しい生き方に
背筋が伸びる思いだった。

 人が自然についていきたく
なるリーダーのあり方とは
何か。

 「現在の技量が問題なのではない。
人間性がしっかりしていれば、
その人は必ず伸びる。」

 吉田さんの言葉が深い真実を
私たちに伝える。 

NHK総合
2008年4月22日(火) 22:00〜22:45

http://www.nhk.or.jp/professional/

すみきち&スタッフブログ

Nikkei BP online 記事
圧倒的存在感で部下を引っ張る
〜水産加工船ファクトリーマネージャー 吉田憲一〜
(produced and written by 渡辺和博(日経BP))

4月 22, 2008 at 06:24 午前 | | コメント (6) | トラックバック (2)

片道切符の旅

どうも、移動中はうとうとと
眠ってしまって、
その何もしない感覚が
本当に心地よい。

朝の飛行機でソウルの金浦空港から
済州島へと来た。

今回の旅程は、すべて、島田雅彦が
決めている。

「済州島は、韓国民にアンケートを
とると、住みたい場所一位のところ
なんだよ」
しきりに島田が繰り返す。

空港で外に出ると、強い風が
包んだ。
ソウルよりもむしろ寒い。
しかし、さわやかである。

「済州島は、風と石と、女が
多いところと言われているのです。」
と林宰範さん。

林さんの後輩で、プログラマーを
しているという姜さんが加わった。

至る所にある小高い山を背景として、
石積の壁が歴史を伝える。

島田雅彦も眠いらしく、ふと横を見ると
うとうとしている。

島田とふたり、時々うとうとしながら
済州島を行くなり。

済州島には、世界自然遺産が三つある。

標高1950メートルで、韓国最高峰
(北朝鮮の白頭山を除く)の
ハルラ山。拒文岳溶岩洞窟。そして、城山日出峰。

 溶岩洞窟は全長7キロメートル以上あり、
人間がつくったかのようなトンネルが
延々続いている。

 入り口から一キロだけ行くことが
できる。

 地底に降りると、不思議な沈潜の
時間が訪れる。

 大いなる安らぎの国。

 一番奥で、中野義樹さんが
ライティングが難しい中超絶技巧を
駆使して、島田と私の写真を撮った。

 日出岬は、海に突き出した半島に
カルデラがある。

 一気に登ると、内側のなだらかな
斜面にうさぎがいた。

 降りてくると今度は花に迎えられる。

 島田雅彦と二人、花に包まれて
海を見やった。



 車は再び動き出し、
次に降ろされたのは岩の海岸。

 「ここで、オール・インがロケされた
んだよ!」
と島田がうれしそうに言っている。

 韓流ドラマで、説明してくれた
ところによると幼なじみの男と女が
ディーラーとギャンブラーになって
再会し、最後にこの海岸で結ばれる
らしい。

 島田は、全話見たらしい。

 「あの教会をバックにとってくれ」
というので、島田の写真を撮る。

 「そのディーラーの女の子は、金持ち
なのか?」
 「いや、孤児で、教会で育てられたんだ。」 
 「じゃあ、教会に住みながら、ディーラーに
なったのか?」
 「そうなんだよ!」

 岩に、美しくひとり鳴く孤独な鳥がいた。
 海を見て、何を想っているのだろう。
 その姿がとてもゆかしく、一緒に
しばらく佇んだ。

 

 夕食は、豚の焼き肉。
 暑いというので、島田がタンクトップに
なった。

 

 旅も終わり。
 
 二人で振り返る。

 思えば、岸尾昌子さんの肝いりで
まずはオペラを見て、それから出雲で
鉄を打ち、さまざまな言語を聴き、
焼き畑農業を見学し、そして韓国へと
歩き継ぎ、語り継いできた
「すばる」連載『クオリア再構築』
もこれにてとりあえずの完結。

 旅に出ると、人はいつかは
故郷に帰るものだと思っている。
 しかし、本当は、人生とは
決して元に還ることのない
片道切符の旅なのだ。

When seemingly out of the ordinary events related to mentality surprise us, they only do so by invoking an appreciation of the primitive and often brutal facts of consciousness. A prophesy, when it is apparently fulfilled, might astonish a would-be believer. However, a prophesy can serve as one only so far as the semantic intentionality of its constituent words are assured, thus touching upon the very basis of mentality. A paranormal experience might seem to be surprising, but we should not forget the fact that an experience is surprising in the first place in that it exists at all. ([28])

4月 22, 2008 at 06:18 午前 | | コメント (10) | トラックバック (4)

2008/04/21

『文明の星時間』 ケンブリッジの夢

サンデー毎日

2008年5月4日・11日合併号

茂木健一郎 
歴史エッセイ
『文明の星時間』

第11回 ケンブリッジの夢

http://www.mainichi.co.jp/syuppan/sunday/ 

4月 21, 2008 at 08:09 午前 | | コメント (2) | トラックバック (1)

「母文化」のすぐ近くに

島田雅彦は、「韓国人は東洋のラテンと
言われているんだよ」と
くりかえし言う。

私は初めての韓国だが、島田は
どうも何回も来ているらしい。

なるほど、島田の気質にぴったりと
会うのだろう。

ぼくもとても好きになった。

日本にいてイメージしていたとは
全く違う様相に接して、
しかもそれが容易には言語化できない
大海であることから、
うれしさもまた芯から込み上げてくる
ものになる。

韓国は、やはり、日本に近い。
中国的なるものに接した時に感じる
距離感がない。

その一方で、違う。
自分たちの慣れ親しんでいる
日本という「母文化」のすぐ
近くに、こんな文化の可能性が
潜んでいたのだなあと思う。

林宰範さんに連れられて、
ブランチに行く。

牡蛎ご飯がメイン。
しかし、例によって、たくさんの
キムチが並ぶ。

「韓国では、多くのメニューが、
二人前からしか注文できないのです。
しかし私は、食べたい時は、とにかく
二人前でもいいから持ってきてくださいと
言います」と林さん。

「うーん、韓国は、ポトラッチだなあ」
と言うと、島田が
「全く、そうなんだよ」
と同意する。

食事が食べきれないほどたくさん
出るのは、昔、貴族が食べた残りを
臣下が食べていたからだと林さん。

「混ぜる」料理が多いのは、
そのような背景があると言う。

近くに林さんのオフィスが
あるというので、皆で出かけた。

路上のそこかしこにValet Parkingの
ブースがある。

不思議な光景。
近くてやわらかいもの中に
違うものがカチッと
当たると、大いにゆかしさを喚起される。

林さんは、ポケモンやナルトなどの
キャラクターの韓国における管理をする
会社の社長。

したがって、集英社とも関係が
深い。

ベランダに出ると、となりの豪邸の
庭が借景できる。

林さんの家族は、子ども二人に
アメリカの教育を受けさせるために
カリフォルニアにいるのだという。


「社長の椅子」に座った林宰範さん

車に乗り、38度線へ北上。

うとうとしてはっと目が覚めると、
イムジン河が流れていて、その手前に
鉄条網が張り巡らされている。

「あの向こうが北なのです。」
と林さん。

山河が鉄条網の向こう側にも
広がっている。

鳥たちは、大空を自由に
行き来していることだろう。

板門店の前で引き返す。


板門店へと至る道

南北統一を願ってつくられた
公園へ。

南北を結ぶ鉄道橋がかかり、
河を監視する兵士たちの小屋が
ある。

北へと向かう道は途中で閉ざされているが、
そこに祖国統一の願いを込めたたくさんの
メッセージが縛り付けられていた。

島田が10年前に行った
「畑の中にある冷麺屋」を目指す。

野魂(ヤコン)という芋を使っているのが
特長だという。

観光が盛んな島。
日曜の夕方。すでにソウルに戻る
路線は渋滞している。

韓国の農村の風景は独特の
柔らかい印象を持ち、
ずっと奥の方が刺激される思いがする。

何度も人に聞いて、やっとたどり着いた
その店。

初めは梨かと思ったヤコンの触感。

やさしく滋養に満ちた透明な
味わいのこの芋は、さまざまな病気に
利くのだという。

店の外に出ると、大きな庭をぐるりと
リスが走れる筒が巡らせてある。

上につながったり、下につながったり、
まるで迷路のように縦横無尽。

すっかり気に入ってしまって、
リスを追いかける。


張り巡らされた迷路をリスが駆ける。

島田が、店の外からその様子を見て、
「どうやらリスが気に入ったようだな」
とにやにやしながら言った。


柵の向こうから声をかける島田雅彦

店の人が、島田に「10年ぶりとか
言わずに、もっと来て下さい」と
話しかける。

このリスの走る店に、
私も、もういちど来たい!

リスの迷路を、あれほどの手間をかけて
つくるのは、心やさしい人たちである。

夕暮れの韓国の田舎に、ひとり佇む。

ソウルに戻る。
骨董品がたくさんある古い街へ。

韓国風の居酒屋に入る。

外の空気を吸おうと出た通りから、
中で談笑する島田雅彦と
カメラマンの中野義樹さんの姿が、
まるで幻灯機で映されたように
見えた。


中野義樹さんと島田雅彦

鉄条網の向こうの大地が、
そこに容易には行けないだけに、
かえって空や海のような
無限の可能性を秘めているように
見えたのは、なぜなのだろう。

分断は悲しい現実だが、
同時に、韓国の人たちの心を、
それ以外ではあり得ないかたちで
鍛え育んでいることを想う。

Every morning, as one wakes up to find oneself in the "stream of consciousness", it is as if "something" descends onto the human body. Before the awakening, there is no "self". After the awakening, there is this thing "I" that we are all familiar with. The dramatic contrast between the non-existence and existence of the self is the origin of all investigations concerning the mind-brain problem. Compared to this drastic change, all other supposedly "paranormal" phenomena lose their assumed anomality. For example, when a "shaman" claims that a god-like spirit has descended on him or her, it is not that surprising after appreciating fully the wonder of the normal consciousness of an ordinary person. ([27])

4月 21, 2008 at 08:04 午前 | | コメント (5) | トラックバック (2)

2008/04/20

男は床と勝負しろ

ヨミウリ・ウィークリー
2008年5月4日号

(2008年4月21日発売)

茂木健一郎  脳から始まる 第101回

男は床と勝負しろ

抜粋

 私の体重が増加し始めたのは、大学院の時である。忙しくて、よく研究室に泊まり込んでいた。夜になると、先輩たちが、「まあ、飲め」とウィスキーの瓶を持ってやってくる。談論風発する。いい気になって飲み、食べしているうちに体重が増えた。
 昔から、作家の椎名誠さんに似ていると時々言われていた。髪の毛がもじゃもじゃなところなどが共通しているのだろう。しかし、椎名さんはスリムな身体をしている。ある時、道で通りすがりの見知らぬおじさんにいきなり「あんた、椎名誠に似ているねえ!」と声をかけられた。それから付け加えた。「もっとも、あんたは少し肥えてるけど。」
 椎名誠さんとは、対談などで時々お目にかかる。引き締まったいい身体をしている。日焼けした笑顔が爽やかである。ある時、椎名さんに身体のトレーニングの仕方を指南された。腕立てと腹筋とスクワット。これを200回ずつやるだけだという。マシンなどは一切使わない。

全文は「ヨミウリ・ウィークリー」で。

http://info.yomiuri.co.jp/mag/yw/

4月 20, 2008 at 11:26 午前 | | コメント (1) | トラックバック (1)

『すべては脳からはじまる』4刷

中公新書ラクレ『すべては脳からはじまる』は増刷(4刷、累計38000部)となりました。

ご愛読に感謝いたします。


中央公論新社の岡田健吾さんからいただいた
メールです。
(機関銃トークで知られる岡田さん。
メールの文体も超饒舌です。)

 ご無沙汰いたしております。
 冬にお時間をいただいた際におっしゃっていたアフォリズム集、この4月から怒涛の勢いでブログにての世界配信を始められ、毎朝瞠目させていただきつつ、辞書首っ引きで拝読させていただいております。
 確かに、正しくブログでなされるべきことでありながら、いざ、実際に目にさせていただくと、私にとりましては“黒船来襲”のようでございました。
 この風景こそが、茂木さんのものでいらっしゃったんだ、と興奮と感動を覚えました次第です。
 日本語の文章での筆先にも、変化が訪れてこられていらっしゃることと存じます。
 個人的には、エマニュエル・スヴェーデンボルクについて書かれたボルヘスの美しい文章が、出版社入社のひとつのきっかけになったこともございまして、感激もひとしおでございました。
 
 もちろん、まだまだ悦ばしき発展を果たされていかれるのだろうと拝察いたしております。
 引き続き、京橋の片隅で必死に凝視させていただきたく存じております。 
 さて、おかげさまで、件名にもございますとおり、ご著書『すべては脳からはじまる』の4刷3000部の重版が決定いたしましたので、お知らせいたします。 詳細は、下記のとおりです。L233 すべては脳からはじまる    4刷3000部    累計部数38000部 つきましては、本文やプロフィール等、なにか修正されたいところがございましたら、勝手を申し上げまして大変申し訳ございませんが、至急お知らせいただければ幸甚です。 余談ながら、第1弾『脳の中の人生』から1年、第2弾を編集させていただいた際には、読売ウイークリーでの連載タイトル「脳から始まる」のほうがシリーズとしてよいのではないか、などとも思いつつ、やはり漱石でしょうと「すべては」をつけさせていただくことになった次第でした。 帯は、なぜか「市川崑でお願いします」とデザイナーさんに申し上げたのですが、今、思えば、「吾輩は猫である」だったのです、なぜか。 その時、「はじまるはひらがながいいでしょう」と意見した濱女史が、第3弾のタイトルにさせていただいたのが「それでも脳はたくらむ」。 最初に聞いた時からしばらく、ボヘミアン・ラブソディーが頭の中で鳴り止みませんでございました。 となると、今年の12月の第4弾は、ピカソとなるのでございましょうか? 最終巻が『人生の中の脳』となれば、ジーン・ウルフみたいでいいなあ、などとも妄想いたしておりますが、何はともあれ、前任者のこういった益体もない考えを濱女史、そしてそれに続く後世の方々が軽々と乗り越えていくに違いなく、今からユカイでございます。 新書界の「大菩薩峠」目指して、今後ともなにとぞよろしくお願い申し上げます。
中央公論新社ラクレ編集部
岡田健吾


岡田健吾氏

4月 20, 2008 at 11:22 午前 | | コメント (0) | トラックバック (0)

よちよちは同じ

韓国に旅立つ日の朝、
歩いていて躓いて
左手を突き指をした。

中学校の授業でバレーを
やっていた時以来の、派手な
突き指だった。

それで、中指と薬指が
痛くて、重いものが持てない。

参ったなあ、と思いながら
羽田から機上の人となった。

さかのぼって金曜日。

杉並区の中瀬中学校で、生徒たちに
授業をした。

藤川章校長先生は、
「中瀬検定」を始めとするユニークな
授業を進めていらっしゃる。


藤川章校長先生と、「中瀬検定」のテクスト

生徒たちは本当に元気で、
活気に満ちていて、
心から楽しい時間を過ごした。

朝日カルチャーセンターにて、
林望先生と対談。

古典に通じ、英国にも造詣が
深く、総合的な知の輝きが
身体からにじみ出るリンボウ先生。

どの話題をとっても、その先に
さまざまな思索の糸が絡み合った
奥深い世界がかいま見えて、本当は
そこに入り込んで行きたいのに、
横目で通り過ぎながら、リンボウ先生と
概念世界を縦横無尽に疾走した。



林望先生と。(撮影 佐々木厚)

時間の経過を絵にしたら、
やはり髪が後を引いて
流れていくのだろうか。

金浦空港に到着したら、島田雅彦が
にやにや笑いながら「よう」と手を挙げた。

シャーマンに興味を持っている島田の、
はからいで
韓国随一のシャーマンの人に会いに
行った。

初めての韓国。
空港から車に乗って、着いたのが
そのシャーマンの人だったのである。

「神は美人を好む」と島田。
吉永小百合さんにどこか似ている。

さまざまな神像や仏像が置かれた敷地内を
歩いて、それから島田とシャーマンの
Seo Kyeong Wookさんに
インタビューした。

ひとしきり話を伺って、島田が、私の
方を指して
「それで、ここに座っているこの男は
どんなものでしょう?」
と聞いたら、彼女の表情が
一変した。

にこやかに笑っていたのが、急に
きりりとした顔になり、
流れるように話し始める。

通訳の林宰範さんが、どんなことを
言っているのか教えてくださった。

「この人は、30年くらい、同じことを
ずっと考えている人です。
一度始めたら、最後までそれをしつこく
やろうとする人です。
三年くらい前から、いろいろなことが
始まって、複雑で忙しくなっていますね。
二年後くらいから、きっと人生が
良くなるでしょう。」

内心どきりとした。
となりの島田を見ると、して
やったりという顔をしている。

「ここにいる作家はどうでしょう?」
と聞く。

Seo Kyeong Wookさんが、
島田を見る。

「この人は、二本足で歩く動物、
頭の黒い獣性の友だちには
恵まれていません。山を登ったり
孤独の中で、いつも何かを求めている。
しかし、人との関係に何かを求める
よりは、一人で模索する方が
きっと良いでしょう。」

島田は、曖昧な顔をしている。
どうやら、図星だったらしい。

シャーマンというものは、
一つの見事なバランスの上に
成り立っている。

脳科学的な説明をしようと
する場合でも、そのバランスが
もっとも大切となる。

正しいとか、正しくないとか、
そういう問題ではない。

島田がSeo Kyeong Wookさんの
ところに連れてきてくれたのは、
本当に素敵なことだった。


Seo Kyeong Wookさん、島田雅彦、林宰範さんと


Seo Kyeong Wookさんと

青瓦台、南大門の横を通り、ホテルに
チェックインする。

島田雅彦と、今経験したばかりの
シャーマンを巡る問題から発して、
縦横無尽に人間精神のことを語り尽くす。

何かが私たちを駆動して、記憶に残る
対談となった。

夕食は、当地で著名なSam won gardenへ。

通訳の林さんが言う。

「日本に最初に行った時、ラーメンを
頼んで、本当にラーメンしか出てこないので
びっくりしました。」

韓国では、何か頼めば、さまざまなキムチ
などの副菜が無料でついてくるのだという。

注文した料理以外に、こんなに!
というほどの料理がテーブルの上に
並んでびっくりする。
Seo Kyeong Wookさんの
お寺でいただいた昼食でも、本当に
たくさん出されて驚いたのだけれども。

ただ辛いというだけではない。
奥深い旨みがあって、辛さは
一つの句読点に過ぎないと知る。


Seo Kyeong Wookさんがご馳走してくださったランチ


Sam won gardenのディナー

ハングルを読むのにとても
時間がかかってしまって、
高麗大学で授業をしている
島田と一緒に、よちよち歩きの
子どものような遅さで車窓から
見える看板を読み上げる。

まさひこくんと
手こそつないでいないけど、
よちよちは同じ。

生まれたばかりの不安。
ときめき。
何も知らぬ、その白さがはらむ
内なる輝き。

赤ん坊のように感じる時、
世界は本当に大きく見える。

The significance of consciousness in its adaptive values is clearly in the domain of sensori-motor coordination executed in a spontaneous manner. The fact that sensory perceptions involved must exhibit phenomenal properties of qualia integrated under the umbrella of the subjectivity is at once surprising and revealing.
We tend to think of issues related to spontaneity such as free will in terms of the trajectory of "points", as in the discussion of determinism. However, the phenomenal aspects of subjective experience clearly indicates the necessity to incorporate wide-spread and distributed entities. How we can deal with the determinism or otherwise of such a "cloud" of processes is the key issue here. ([26])

4月 20, 2008 at 11:11 午前 | | コメント (6) | トラックバック (3)

2008/04/19

韓国

本日より4月22日(火)まで
韓国に行ってまいります。

この間、ネットは時折接続できるものと
予想されますが、ふだんより
レスポンスが遅くなってしまったら、
ごめんなさい。

4月 19, 2008 at 06:14 午前 | | コメント (8) | トラックバック (2)

2008/04/18

人を喜ばせるためには

人を喜ばせるためには

プロフェッショナル日記

2008年4月18日

http://kenmogi.cocolog-nifty.com/professional/ 

4月 18, 2008 at 08:52 午前 | | コメント (2) | トラックバック (0)

大空を手一杯に

時が経ってしまうということは、
何とふしぎなことなのだろう。

どう首をひねってみても、
ひととき前の「あの時」
がもはやどうしても触ることの
できない虚空へと消えてしまう
不可思議さには、解決をつける
ことができそうもない。

________________

 清少納言の枕草子の中には、次のような一節がある。

 職の御曹司にいらっしゃるころ、八月十日過ぎの月の明るい夜、中宮は、右近の内侍に琵琶を弾かせて、端近な所にいらっしゃる。女房たちの誰彼は話をしたり笑ったりしているのに、私はひさしの間の柱に寄り掛かって、ものも言わずにはべっていたところ、(宮)「どうして、そうひっそりしているのか。何か言ったらどう。座がさびしいではないか」とおっしゃるので、(清少)「ただ秋の月の風情をながめているのでございます」と申し上げると、(宮)「なるほど、この場にはふさわしいせりふね」と、おっしゃる。
(新版 枕草子 上巻 石田穣ニ訳注 角川文庫)

 この文章は、日本文学の歴史の中でも、さらには世界文学の歴史の中でも、一種特別な雰囲気をもっている。ここには、清少納言という一人の人間が、今まさに月を見上げているという、その雰囲気がとらえられているのだ。私たちは、もはや清少納言その人自身を目の前にすることはできない。
 だが、上の文章からは、清少納言のリアル・タイムの息づかいが聞こえてくる。その、時間の流れの澱のに沈殿した自意識のゆらめきが伝わってくる。
 その清少納言が生きた平安時代から、気の遠くなるほど長い間、その時々に生きた人にとって特別な「今」という時間が積み重ねられてきたのだ。

茂木健一郎 『生きて死ぬ私』より

________________

オリジナルの徳間書店版(写真付き) 

ちくま文庫版 

『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の収録。

ふだん生きているその
軌跡に対して直行する方向に
時には向かってみる。

空き時間に、
NHKの正面玄関から出て
代々木公園に歩いていく。

腕時計を見ながら、
「針がここに来るまでは」
と進んでいく。

すると、思いもかけぬほど
遠くまで行くことができる。

木立の中に佇んだ。

葉っぱの緑の奥底から
ひとときとも決して留まる
ことのない生命の息吹が
伝わってくる。

呼吸する空気もまた違って
感じられて。

ふだん生きているその
軌跡に対して直行する方向に
時には向かってみる。

「今、ここ」が過ぎ去って
しまうことは止めることが
できないが、この大空を手一杯に
感じることくらいはきっとできる。

そう信じて、洞窟の住人もまた、
空気を思い切り吸い込んでみるのだ。

In talking about the neural correlates of consciousness, we are clearly concerned with a "coupling" between the physical and mental. Here, coupling is meant to signify an established link between relevant degrees of freedom. In enzyme coupled reactions, two separate degrees of freedom which were originally independent of each other are coupled, so that biologically useful processes can be facilitated, even when they are uphill climbs in the landscape of free energy.
In coupling, the tacit assumption is that the degrees of freedom to be linked exist before the coupling is realized through the existence of the enzyme. In biochemical reaction networks, this particular assumption is trivial, since every pathway exists in the entity of biomolecules. In mind-brain coupling, on the other hand, it is not at all clear what the "other" dimension coupled with the physical processes in the brain is. It is the very focus of heated debates whether the other dimension exists at all independent of the physical dimension. In approaching the mind-brain problem from the viewpoint of coupling, the dualistic world view is thus given a new twist, opening up hitherto unthought-of schemes for the "interface" at which the "self" emerges. ([25])

4月 18, 2008 at 08:29 午前 | | コメント (11) | トラックバック (3)

2008/04/17

林望 茂木健一郎 対談 

林望 茂木健一郎
対談 今、「古典」がおもしろい!

朝日カルチャーセンター 新宿教室
2008年4月18日 18時30分〜20時30分

詳細

 
日本の古典、そして英国に造詣の
深い「リンボウ先生」こと、林望先生
と対談いたします。

これは絶対に見逃せない!

アカデミックな変人待望論

4月 17, 2008 at 10:58 午前 | | コメント (8) | トラックバック (0)

すべての観念論は

 さだえおばさんは、骨になった。

 親戚の人たちと「献杯」を
しているうちに骨になった。

 葬儀場の人が、
最後に骨をまとめて、
「これがのどぼとけ。ほとけさまが
いらっしゃるようでしょう」
と言った。

 花に囲まれ、すっかりやせて
しまったおばさんの顔を
見た時、死というものは確かに
一つの「休息」かもしれぬと
思った。

 私たちの精神現象が
身体というものに宿るという
「事実」に対する、強烈な違和感が
わき起こる。

 本当か。本当らしい。
しかし、私たちはどうも
大いなる勘違いをしているんじゃ
ないか。

 久しぶりに会ういとこたちと
話す。生きている者たちは
ふらふら立ち上がったり、むしゃむしゃ
食べたり、ぽつぽつしゃべったりする。

 身体がこんな風なありさまで
現前するということを前に、
すべての観念論は無用だ。

 三田線で移動した。
 いつの間にかうつらうつらした。

 六本木ミッドタウンにて、
ユニクロの主催するUTグランプリの
最終審査会。

審査員は、

天野喜孝さん、草間彌生さん、安藤忠雄さん、
茂木健一郎、佐藤可士和さん、長島有里枝さん、
エリオット アーウィット( Elliot Erwitt)さん、
柳井正さん。

審査委員長は、佐藤可士和さん。


Elliot Erwittさんは、
写真家集団「マグナム」会員。

Erwittさんをマグナムに推挙して
くれたロバート・キャパはどういう
人物だったかと聞いた。

Passionate, Great Flirt, and an addictive
gambler

と答えて下さった。

ソニー広報の滝沢富美夫さんが、
「歴史だなあ」と嘆息した。


審査会場にて


安藤忠雄さんと


Elliot Erwittさんと

(photos by Tomio Takizawa)

発表会は佐藤可士和さんの
ディレクションで素晴らしい雰囲気。

グランプリを受賞した方、
入賞した皆さん、
すべての参加者の皆さん。

皆さんの未来が輝かしいもので
ありますように。

私の「風船きりん」のTシャツも、
ユニクロから発売されます。


http://store.uniqlo.com/jp/CSaGoods/159727-09-003 

NHKにて、チャールズ・ダーウィンに
関する番組の収録。

富樫香織さん、うえだけいこさん
に西口玄関で会う。

南原清隆さん、神田愛花アナウンサー、
長谷川眞理子さん、斎藤光さん、
宮崎美子さん、土田晃之さん、千秋さん、
ますだおかださん、山本梓さん。

チーフプロデューサーの出田恵三
さんが自ら用意したフジツボも
登場。

南原さんと神田アナウンサーの
コンビも絶妙。

長谷川眞理子さんの進化論の
専門家ならではのディープな
解説に心が動く。

ダーウィンという「変人」
にして「天才」の魅力が
ずどーんと伝わる傑作番組になる
ことでしょう。

『熱血! 天才アカデミー
世界をひっくり返した男ダーウィンの進化論』
は、2008年5月6日(火)19:30
〜20:43 NHK総合テレビで
放送予定。

0時を回って帰路へ。

眠る前にビールでも飲みたい気分
だったが、夏みかんのジュースを
飲み干したら、「まあ、いいか」
と思い直した。

世界が光に包まれる昼とは
異なる安らぎ。

いつかそれに包まれることを
予感しながら
私たちは地上で行き交う。


If consciousness is to have any evolutionary significance at all, it needs to be somehow reflected in the subject's outwardly manifest behavior. It thus touches on the question of "free will". The sensory aspects of consciousness, e.g., conscious perceptions accompanied by qualia, have functional relevance as long as they are finally reflected in the objective trajectories of the body.
Spontaneity and autonomicity characterize the behavior of biological systems, starting from monocellular organisms upwards. The neural system regenerates the conditions exhibited by non-neural biological systems in general, defining the border between the self and environment in the informational domain. As metacognition is clearly essential in the generation of qualia and the self, it is necessary to question what relevance, if any, the possession of metacognitive processes endows the brain. ([24])

4月 17, 2008 at 08:37 午前 | | コメント (8) | トラックバック (2)

2008/04/16

脳を活かす勉強法 19刷

茂木健一郎
『脳を活かす勉強法』 
PHP研究所
は、重版(19刷、累計43万5000部)
が決まりました。

ご愛読に感謝いたします。

PHP研究所の木南勇二さんから
のメールです。


茂木健一郎先生

本日は誠にありがとうございました!
19刷、累計43万5,000部となりました。

本日のJ-WAVEのお話の中で「自分のなかに未開の大陸をもつ、
簡単に他人からわかられない自分をもつ」
という言葉がすごく印象的でした。

http://www.php.co.jp/bookstore/detail.php?isbn=978-4-569-69679-9

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4月 16, 2008 at 08:07 午前 | | コメント (1) | トラックバック (2)

後悔することの辛さよりも

後悔することの辛さよりも

プロフェッショナル日記

2008年4月16日

http://kenmogi.cocolog-nifty.com/professional/ 

4月 16, 2008 at 07:49 午前 | | コメント (1) | トラックバック (0)

大海原のうねり

『脳を活かす勉強法』のプロモーションで
お世話になっている
「オフィス・ブラインドスポット」
にて、J-waveのSean McArdle Kawakami
(ショーン・マクアードル・川上)
さんのインタービューを受ける。

大和証券Make IT 21で放送予定。

http://www.j-wave.co.jp/original/makeit/ 

主婦の友社「ゆうゆう」の取材を
受ける。

NHKにて、土曜日曜あさいちばんの
野口博康アナウンサーとお話する。

『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の収録。
ゲストは、世界最大級の水産加工船
Alaska Ocean号で
ファクトリー・マネジャー
をされている吉田憲一さん。


街を歩きながら、
疲労感の底に甘いものを
探りあてようとしていた。

芸術作品に関して言えば、
作品の質はうたがいなくその
創造者の人格の大きさ、広さ、
深さに比例する。

人間の条件について、どれほどの
ことを考え、感じ、引き受けてきたか。
その精神の大海原のうねり
が結実する。

科学的なことや論理的なことも、
そうなんじゃないかな。

Zwei Dinge erfüllen das Gemüt mit immer neuer und zunehmender Bewunderung und Ehrfurcht, je öfter und anhaltender sich das Nachdenken damit beschäftigt: der bestirnte Himmel über mir und das moralische Gesetz in mir.

(Immanual Kant)

寝る前に
おせんべいを食べた。

子どもの時、「ぎょうざせんべい」
が好きだった。

近くのお店に
行って、10枚買ってきて、
本を読みながらパリパリ
かみしめる。

口の中で次第に、
お米が甘く変化していく。

その想い出が
よみがえってきた。

What is manifestly lacking in today's physicalist world view is an account of brutal fact that the time proceeds at all. The "here and now" rapidly transforms itself into the dim past. The brilliancy of the immediate future is constantly changed into the mundane present. The spatial extension is an another enigma. Light years of vacuum enshrines our soul. The dynamic evolution of the entities, which occur on top of these basic facts about the space and time, are described by mathematical formula, and functions to hide the awesome nature of our very existence in the cosmos. Here again, truths found serve to obscure without intention. The side effects are sometimes lethal for the investigating mind. ([23])

4月 16, 2008 at 07:30 午前 | | コメント (4) | トラックバック (5)

2008/04/15

『すべては音楽から生まれる』14刷

PHP新書
茂木健一郎 『すべては音楽から生まれる』
は増刷(14刷、累計97000部)
となりました。

ご愛読に感謝いたします。

PHP研究所の丹所千佳さんからの
メールです。
茂木健一郎先生

こんばんは。
いつもお世話になっております。

今日は増刷のおしらせです。
『すべては音楽から生まれる』は、
おかげさまで14刷が決定し、
累計97000部となりました。
ありがとうございます。

最近読み始めた、三島由紀夫の
その名もずばり『音楽』が面白いです。
生命哲学としての音楽、比喩としての音楽を
彼も知り、そして聴いていたのでしょうか?


。.・゜・.*。.・゜・.*。.・゜*
PHP研究所 新書出版部
丹所 千佳 ◆TANJO Chica◆


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4月 15, 2008 at 09:49 午前 | | コメント (0) | トラックバック (0)

プロフェッショナル 山田 日登志

プロフェッショナル 仕事の流儀

輝け社員、よみがえれ会社

~ 工場再建・山田 日登志~

 山田さんの工場再建は、
人間が人間であるということを
取り戻すという、
 骨太の哲学によって貫かれている。

 だからこそ、その実践は、
工場という現場のみならず、
 遠く広く浸透していく
ポテンシャルを秘めているのだ。

 人間が人間であり続けることが、
そのうちに眠る創造性と丁々発止の
対応力を引き出す第一命題なのである。

NHK総合
2008年4月15日 22:00〜22:45

http://www.nhk.or.jp/professional/

すみきち&スタッフブログ

Nikkei BP online 記事
生産現場に「人間を取り戻す」
〜経営コンサルタント 山田日登志〜
(compiled by 渡辺和博(日経BP))

4月 15, 2008 at 09:44 午前 | | コメント (1) | トラックバック (6)

視霊者の夢

『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の打ち合わせを二本。

一本目は、映画監督の堤幸彦さん。

ディレクターは普段
経済・社会情報番組にいらっしゃる
小川康之さん。


小川康之さん

「33歳です。」
「若い!」
「いや、そんなに若くもないですよ!」

打ち合わせの時は、ディレクターの人が
「コメント」を読み上げる。

すみきち(住吉美紀さん)が
思わず「上手ですね!」
と言う。

小川さんの『プロフェッショナル』
ディレクター・デビューは大好評であった!

続いて、おなじみの大坪悦郎ディレクター
担当の回。

ベーリング海、スケトウダラを追う
加工船で生産部門のトップを担う
吉田憲一さんを追う。

スケジュールの都合で、
河瀬大作、山本隆之さんの
「二人デスク」体制。

三人が並ぶと、「おー豪華!」
「千両役者!」という感じになる。

大坪さんの来ているトレーナーが、
格好いい。
取材したDutch Harborで売られていたもの。

「こいつはね、自分のものしか
買って来ないんですよ」と有吉伸人さん。

「ぼくなんか、取材先で何枚も
お土産のTシャツを買って来たのに!」

大坪さんが、ヘヘンと笑う。
ヘヘンのトレーナーは、とても
似合っていた。


ガッツポーズの大坪悦郎さん


ソニーコンピュータサイエンス研究所。

柳川透とコンビニにお菓子を買いに行きながら
いろいろ話す。

関根崇泰と、指の身体イメージについて
議論。

須藤珠水と論文のことを話す。

所長の所眞理雄さんと、お話しする。

六本木。

岩波書店の中川和夫さんと
お話しする。

カントがスェーデンの神秘主義思想家
エマニュエル・スヴェーデンボルク
について書いた『視霊者の夢』
のことなど。

島田雅彦、三枝成彰さん、和田秀樹さん、
秋元康さんにお目にかかる。

和田秀樹さんが監督した
『受験のシンデレラ』が公開
中です。

皆様、ご覧下さい。

http://www.hidekiwada.com/ 

ニーチェのGay Science(『悦ばしき知識』)
の中に、こんな言葉がある。

Perhaps then laughter will have united with wisdom, perhaps then there will be only "gay science". Meanwhile, however, it is quite otherwise, meanwhile the comedy of existence has not yet "become conscious" of itself, meanwhile it is still the period of tragedy, the period of morals and religions.


(Vielleicht wird sich dann das Lachen mit der Weisheit verbundet haben, vielleicht gibt es dann nur noch "froliche Wissenschaft". Einstweilen ist es noch ganz anders, einstweilen ist die Komoie des Daseins sich selber noch nicht "bewusst geworden", einstweilen ist es immer noch die Zeit der Tragodie, die Zeit der Moralen und Religionen. ウムラウト省略)


この言葉だけで、ニーチェは
私の胸に愛しき人となる。

日本人は、きっと、もっともっと
「背伸び」した方がいい。


In order to "solve" the mind brain problem, we perhaps need to somehow define a "third" term apart from the physical and the mental. The third term will be something that is outside the space-time as we know it today, and also outside the mental. The incredible "lack of freedom" that anyone endowed with rational thinking encounters when thinking about the origin of consciousness might be only be resolved by the definition of the third term. The third term will be something that cannot be attributed to the conventional epistemological or ontological concepts. One needs to be quite bold in searching for it. ([22])


4月 15, 2008 at 09:37 午前 | | コメント (5) | トラックバック (2)

2008/04/14

『文明の星時間』 岩のドーム (قبة الصخرة‎)

サンデー毎日

2008年4月27日号

茂木健一郎 
歴史エッセイ
『文明の星時間』

第10回 岩のドーム(قبة الصخرة‎)

http://www.mainichi.co.jp/syuppan/sunday/ 

4月 14, 2008 at 08:34 午前 | | コメント (2) | トラックバック (0)

悦ばしき知識

さだえおばさんは、
日曜の朝亡くなった。

土曜にお見舞いにいった時に、
たかあきおじさんが、
「昨日に比べると、
なんだか手足が冷たくなって
来ているんですよね。」
と言ったのが切なかった。

「きのうは、友だちがきて、
話をして、握手をしていたのですが。」

さだえおばさんは、私の父親の
妹である。

人が生まれるところと、死ぬところを
しっかりと見ておくことは
大切なことだと思う。

そもそも生きていることが
かけがえのない奇跡である
ということを、私たちは思い知らされる。

銀座の日航ホテルにて、
大宮エリーさんと対談。

大宮さんはとにかく元気な人で、
自らトラブルに巻き込まれ、
しかしそれを俯瞰した目で見る
類い希なる才能を持っている。

週刊文春の連載も絶好調。

将来は、「フランスで活躍している」
イメージがあるという。
大宮さんならば、実現するに違いない。

大宮エリーさんは、
2008年5月4日から、初の
演劇作品『GOD DOCTOR』を
東京の新国立劇場で、続いて
5月22日から兵庫で上演する
予定。

皆さん、ぜひ見に行って下さい。

http://sp.eplus.jp/god/index.html 

東銀座で、辰巳琢郎さんから
ご依頼されたお仕事。

料理をすること、味わうこと、
共有することについてお話しする。

貝印株式会社は、創立100周年を
迎えたそうです。
おめでとうございます。

共同通信ホールで、
ジョイセフ主催、クラブキング共催の
母性に関するイベント。

内田也哉子さんと、いろいろな
話をする。
とても間合いの良い方で、
不思議な空気感がある。

桑原茂一さんが、しきりに
「ややこさんいいんですよ。
大好きなんですよ。」
と言われるのが、とてもわかる。

ぼくも、何かに感染しました。
ややこさん、ありがとうございました!

茂一さんに、目黒まで送って
いただく。
わざわざ遠回りしていただき、
もうしわけない。

住吉美紀さんが出演される
ライブ「ドリガズ」を見る。

前半は芝居仕立てで、
後半で三人の「ドリガズ」
たちが、それぞれ二曲ずつ歌った。

『プロフェッショナル 仕事の流儀』
関係者も、スタイリストのうけだけいこさん、
「編集の天才」小林幸二さんご夫妻、
デスクの河瀬大作さん、
ディレクターの須藤祐理さんが
いらっしゃる。


小林幸二さんご夫妻



河瀬大作さんと、須藤祐理さん

河瀬さんが、須藤さんのことを
こづいて、「こいつ、最近勘違いして
いるんですよ。」と言う。

「だいたい、髪の毛が、佐藤可士和に
なっているし」
「それに、見てくださいよ、この
ジャンパー」
後ろを見ると、なるほど、ど派手な
模様が描かれている。


須藤祐理さんのど派手な背中

すみきちの後半の選曲が二つともとても
良くて、心地よい時間の流れに、
もっと聞いていたいと思った。


前半のコントでのすみきち


後半、「ドリガズ」の衣裳のすみきち

すみきちブログ
にライブに至る道のりが描かれています。

電通の佐々木厚さんが、私と住吉美紀さんの
ツーショットを撮った。


撮影 佐々木厚

近くの中華料理屋で、佐々木さんと
二人で飲む。

しょっちゅう会っている
佐々木さんだが、よく考えると
二人だけで飲むのは久しぶりである。


佐々木厚さん

四方山話をした。
紹興酒を、すこしばかり
たくさん飲んだ。

帰りの電車の中で、ドアのところに
立ってFriedrich Nietzscheの
Gay Science(邦訳題名『悦ばしき知識』)
を読み始めた。

ドイツ語の詩を英語に訳すのに
特に苦労したとある。

紹興酒を、少しばかり
たくさん飲み過ぎたらしい。
何度も、思わず眠ってしまって、
ひざがかくんとなった。

そのクランチーな感触が
「岸の向こう」から伝わったかすかな
消息であるかのように、
今朝もまだ残る。

すべては「悦ばしき知識」のために。


The very fact that conscious experience exists at all is a testimony that there is something missing in our current view of the world. Physical processes, the causal evolution of which is described with a great accuracy by mathematical equations, seems to hold no room for subjectivity in the world view as it stands today. If the mental processes had a separate degree of freedom from the physical world, a dualistic view would naturally arise, and there would be no problem in allowing consciousness a place in the picture of the universe. However, neurophysiological data available today seem to suggest that conscious experiences go closely hand in hand with the physical processes in the brain, so that there appear to be no extra "degrees of freedom" in which the mental processes are allowed to operate. Thus, we are faced with a great dilemma. On the one hand, conscious experiences seem to be so markedly different from things physical as we understand them. On the other, conscious experiences are clearly coupled with the physical, so that it almost appears that there is no "extra dimensions" intrinsic to mentality, causing some (with a considerable amount of carelessness) to deny the existence of consciousness altogether. ([21])

4月 14, 2008 at 08:31 午前 | | コメント (18) | トラックバック (3)

2008/04/13

(本日)ジョイセフ母の日チャリティイベント

ジョイセフ母の日チャリティイベント
「世界中のお母さんを笑顔にしよう!」

トーク出演:茂木健一郎(脳科学者)×内田也哉子(文筆家)
      大葉ナナコ(バースコーディネーター)×千野志麻(アナウンサー)

日時:4/13(日)13:00〜15:30
会場:時事通信ホール(東銀座)
参加費: 1000 円
詳細・申込:http://www.joicfp.or.jp/jpn/s_motherhood/index.shtml 
主催:(財)ジョイセフ 共催:(株)クラブキング


4月 13, 2008 at 07:12 午前 | | コメント (0) | トラックバック (0)

英語を勉強せよ

ヨミウリ・ウィークリー
2008年4月27日号

(2008年4月14日発売)

茂木健一郎  脳から始まる 第100回

英語を勉強せよ

抜粋

 グーグルやヤフーなどの検索エンジンの発達によって、整理に関する技術も、卓越したものになってきた。現代最高の知性たちが開発する検索エンジンを通して得られる情報に比べれば、自分自身の情報の整理など、素人の戯れに等しい。いわば、「草野球」と「メジャーリーガー」が一緒に試合をするようなもの。知的な分野で本気で一流の仕事をしようとすれば、自分の手元で情報をあれこれと整理しても仕方がない時代が来ているのである。
 インターネットという強烈な情報源の出現を前に、自分の「整理法」を磨くために必要なことも様変わりしている。意外なようで、よく考えてみると当たり前のポイントが一つある。現代において自分自身の人生に役立つ情報の「整理法」を磨くためには外国語、とりわけ今日の社会のおける事実上の「リングア・フランカ」(共通語)である英語を習得することである。

全文は「ヨミウリ・ウィークリー」で。

http://info.yomiuri.co.jp/mag/yw/

4月 13, 2008 at 07:11 午前 | | コメント (4) | トラックバック (1)

黄金期

人生の中で、いつが楽しい
「黄金期」だったかと言えば、
いつでも常に「今、ここ」
がそうだったように思う。

幼稚園の時、庭でたくさんの
赤とんぼを見ていた午後。

友だちとふざけていて、
そいつが笑った瞬間に
鼻水が「ばーっ」と出てしまって
他の友だちにびちゃーっと
かかってしまい、
「うわあ、汚ねえ!」と
叫んだ日。

たくさんあった絵本を
家のように積んで、「どれどれ、
焼けたかな」と魔法使いのおばあさん
のまねをして近づくと、後ろから
「どん」と押して、家が壊れる。
そんなことを何回もくりかえして
妹や大野繁幸くんと遊んだ休日。

小学校の遠足で河川敷に行き、
秋風にコスモスが揺れていた
真昼時。

時間の経過というものは
実に不思議である。
過ぎれば、二度と戻って
来ない。

よくよく考えれば
尋常ではないことが
「今、ここ」の中で常に
起こっている。

日常を陳腐だと思うのは
一種の油断であって、
感性が開かれた人にとっては、
芥子粒のようなごく些細な
出来事の中にも、無限の曼荼羅の
広がりが感じられるはずだ。

この尋常ならざる世界を、
一体誰が創ったのだろう?

さだえおばさんのお見舞いに
いった。
ひさしぶりに、いとこの
れいこちゃんや、はるきちゃんに
会った。

れいこちゃん、はるきちゃん
と子どもの頃よく遊んだ。

はるきちゃんの家には
二段ベッドがあって、それが
珍しくて、うらやましくて、
上のベッドに登って
よく息を潜めた。

あの黄金の時も、二度と戻って
来ない。

お台場のフジテレビで、
『ベストハウス123』
の収録。

和田アキ子さんが審議長。
となりのYOUさんと
いろいろお話する。
桑原茂一さんのこととか。

二本目は私が審議長。
ほんこんという人は、いいなあと思った。
野久保直樹さんは、『ひらめき脳』
を読んで下さったそうだ。
ありがとう。

このスタジオの明るさも、
ぴんと張り詰めた空気も、
「今、ここ」としていつの間にか
流れていってしまって、
いつかぼんやりとした過去へと
流れていってしまうのだろう。

現代においては、「情報」
というメタファーが躓きの石である。
「情報」が人間を油断させる。

インターネットは、大いに使え。
吸って吐け。大海を呼吸せよ。
しかし、グーグルに魂を串刺しになど
されるな。

インターネットに対する強烈な
対抗軸が必要だ。
それは、アジの刺身の脂肪の虹の
グラデーションのごとき鮮烈な
「今、ここ」の感触の中にある。

いつでも、「今、ここ」が黄金期で
ありますように。

Whether a philosophical zombie (Chalmers 1996) exists in principle is an interesting and still debated problem. People like Dennet and Churchland strongly denies its existence, while the intuition of Chalmers sounds persuasive for those interested in the phenomenology of qualia. In particular, when we put a question concerning its own experience, a zombie needs to answer in a way indistinguishable from a human being endowed with all manifestations of consciousness. It needs to answer, for example, questions concerning the nature of qualia that it experiences, and thus needs to appear to be experiencing those phenomenological qualities. Arguments based on the unthinkability of such an entity to deny the existence of zombies seems to be misleading at best. It should be possible, in principle, to program a computer in such a way that the appropriate verbal responses are made (notwithstanding reservations concerning the computability issues). The denial of zombies from the Gedanken experiment appear to rely on the presumption of the semantic properties of language, the very existence of which needs to be accounted for, and ultimately related to, the question of consciousness itself. ([20])

4月 13, 2008 at 07:06 午前 | | コメント (15) | トラックバック (6)

2008/04/12

『思考の補助線』6刷

ちくま新書 
茂木健一郎 『思考の補助線』は増刷(6刷、累計65000部)
となりました。

ご愛読に感謝いたします。

筑摩書房の増田健史さんから
いただいたメールです。


茂木さま

ご無沙汰しています、ちくま増田です。

早速ながら、ご著『思考の補助線』の重版が決まりました。
第6刷として、5,000部を増刷させていただきます。
(累計は65,000部です。)

今回についても修正なしで進めさせていただく所存です。

共同通信が、『思考の補助線』について、
ぽかぽかとする紹介記事を配信してくだ
さっていて、先日、文化部記者の平本さんという方が、
細やかな心配りから、ぼくの
手元にも各掲載紙のコピー17紙分ほどをお送りくださいました。

北から南までを並べて眺めてみると、
なかなかの壮観で、「完璧な自己満足」が得られます。

もしご覧になっていなかったら、こんどお手元にお届けしますね。

とりいそぎ要用のみ、御礼旁々ご報告までに。


株式会社 筑摩書房 編集局 第2編集室
増田 健史(Takeshi Masuda)


増田健史氏

4月 12, 2008 at 09:07 午前 | | コメント (2) | トラックバック (3)

最強タッグ

東京工業大学すずかけ台キャンパス。

最近、エントランスの部分が整備
されて、広場ができた。

丘の上にはフットサル場ができた。

G3棟でゼミ。

まずは、私が、

Dunn et al. (2008)
Spending money on others promotes happiness.
Science 319, 1687-1688.
を紹介する。

この論文は、全米のサーベイ、
企業に勤める人のボーナス前後の調査、
5ドルないしは20ドルを渡した
実験と三つのスタディーから、
「幸せ」の度合いと最も強く
相関していたのは「収入の額」
でも「自分のために使ったお金」
でもなく、「他人のために使ったお金」
であったことを示したものである。

happinessにせよ、utilityにせよ、
スカラー関数であって、
それが人々のchoiceやpreferenceを
与えるというモデルには、
当然のことながら問題がある。

toy modelでも良いから、
人間の世界とのかかわり方の
モダリティ(感覚入力とか、運動出力
とか)を反映した何らかの
図式をたたき台として出す
必要があるだろう。

続いて、関根崇泰が二つの
論文を紹介。

Jensen et al. (2007) Chimpanzees Are Rational Maximizers in an Ultimatum Game. Science 318, 107-109.

Fliessbach et al. (2007) Social Comparison Affects Reward-Related Brain Activity in the Human Ventral Striatum. Science 23, 1305-1308

論文に入る前に、
関根は、黒板に私の似顔絵を描き始めた。

何だか、デッサンが間違っているような
気がスルゾ、てめー、この関根。


これがMOGIだと絵を描く関根崇泰クン

気持ちの良い陽光に包まれて、
すずかけ台駅前の「てんてん」へ。

天ぷらを食べ、帰り道、今年初めての
ツマキチョウを見た。

ツマキチョウは年に一回出る。
モンシロチョウと比べると
少し弱々しく飛んでいるので、
見分けることができる。

ちょうど桜が散る頃に現れるので、
ボクは、桜の花びらの精霊が
飛翔しているように感じる。

その姿は、本当に美しいんだなあ。

http://homepage3.nifty.com/ueyama/shubetsu/shirocho/tsumaki/tsumaki.html 


本当に愛らしい、可憐な、
そしてはかない君よ、
ガンバレ!

午後のセッション。
戸嶋真弓さんが、

Sarah-Jayne Blakemore, Uta Frith
The Learning Brain : Lessons for Education.
Blackwell 2005

から文字の歴史や言語と
関連する脳部位を扱ったチャプターを
紹介。

続いて
須藤珠水による「クエスチョン・タイム」

駅に歩きながら考えた。

一人ひとりの人間の個性というものは、
本来は、夏の空にわきあがる入道雲の
ように、モクモクと力強く発達するもの
である。

課題となるのはその非線形的発展の
ためのスペースをエイヤっと
いかに確保するかということだろう。

大空が欲しい。
どんな文明でも、時代でも、
ただ見上げさえすれば。

半蔵門のイタリア・レストランにて、
椎名誠さんと対談。

先日、椎名さんと偶然会った
時からボクは発作的に腕立て伏せ、
腹筋を始めて、今回だけは
未だに続いている。

しかし、椎名さんは連続200回
やるのであって、
ぼくは30回がやっと45回に
なっただけだからまだまだ
なのである。

一つ発見があった。椎名さんは、
時々発作的に身体を張ったケンカを
する。
ボクは時々発作的に口げんかをする。

ケンカにおいて、身体担当と
口担当であって、
二人で組めば最強タッグである。

そんな結論を赤ワインで流し込んだ。
ワハハワハハと楽しくなった。

45回が200回になるように
がんばるゾ。


椎名誠さんと(photo by Atsushi Sasaki)。

The perception of fairness clearly entails the perceived intentionality attributed to the other party. We may even define an "ultimatum" version (ref) of the Turing test (ref), for example. "Theory of mind, thus, is likely to have played an essential role in the evolution of fairness perception. Here, the intractability of the mind reading task is crucial in nurturing the main attributes of social cooperation, where each party maintains the respective identity and interests while defining a domain of mutual benefits. It is advantageous for both parties to be able to read the other's mind to a certain extent, so that a degree of predictability is attained which is necessary for the nurturing of cooperation. On the other hand, if it was too easy for the other party to read one's mind, that would lead to an encouragement of "unfair" manipulations, eventually resulting in the disruption of the basis for cooperation. Thus, fairness would co-evolve with the intractable theory of mind, with each party being immersed in the never ending "ocean of contingencies". ([19])

4月 12, 2008 at 08:54 午前 | | コメント (10) | トラックバック (5)

2008/04/11

脳力革命 

文藝春秋 総力特集 脳力革命 

月刊 文藝春秋
2008年5月号

総力特集 脳力革命

ひらめきの回路を強化しよう 茂木健一郎

「前頭前野」が思考力向上の鍵 川島隆太

国民よ、脳のためにもっと眠れ 神山 潤

天才を作る六つの条件とは 藤原正彦

取材・東嶋和子

http://www.bunshun.co.jp/mag/bungeishunju/index.htm 

4月 11, 2008 at 08:38 午前 | | コメント (0) | トラックバック (1)

『となりのセレンディピティ』 隙間の芸術

茂木健一郎

連載

『となりのセレンディピティ』

第5回 隙間の芸術

文藝春秋 CREA 2008年5月号

http://crea.bunshun.jp/index.html

クレア編集部員の方々によるブログ
http://ameblo.jp/creblo/

4月 11, 2008 at 08:35 午前 | | コメント (0) | トラックバック (0)

新・森の生活 政治と希望

茂木健一郎
連載
新・森の生活(17) 政治と希望

中央公論 2008年5月号

一部抜粋

 「世界の歴史とは、自由の意識の進展に他ならない」。ヘーゲルは、その大学における講義をまとめた『歴史哲学講義』の中でこのように述べる。歴史というものを、単なる支配・被支配をめぐる権力闘争としてとらえるのではなく、あるいは経済的利害をめぐる調整の過程としてとらえるのではなく、より人間存在の本質に関わるような「精神運動」としてとらえること。精神運動である以上、それは、ふくよかなものでなければならない。聖別された舞踏でなければならない。春風のような政治。そのようなふくよかな感覚は、案外強靱さを秘めていて、私たちが住むこの世界に見え方を変えることができる。
 政治においては、しばしば対立が生じる。その際、異なるものが並び立つというのは一つの解決である。しかし、それだけでは溶けない何ものかもある。対立や並立は、多様性を扱う政治の芸術としては拙い。
 本当にすぐれた政治は、偶有性を抱きしめる。春風のような生命原理に、強靱な知性を浸す。それが、自由や平等、友愛といった人類の理想への道だということを、ヘーゲルはその直観の中にとらえていた。

http://www.chuko.co.jp/koron/ 

(同号に、私の話を井之上達矢さんがまとめて
下さった

知的整理法革命
すべてを脳に任せよう
茂木健一郎

も掲載されています。)

4月 11, 2008 at 08:31 午前 | | コメント (1) | トラックバック (1)

人間性の回復

人間性の回復

プロフェッショナル日記

2008年4月11日

http://kenmogi.cocolog-nifty.com/professional/ 

4月 11, 2008 at 08:25 午前 | | コメント (1) | トラックバック (0)

正体不明

 後輩たちに時々
アドヴァイスするのは、
 「自分の正体をそう簡単に明かすな」
ということ。

 ある程度認知されて、マーケットから
求められるようになった時に危機が
訪れる。
 
 「お前は、何ものか、明かせ」
という圧力がやってくる。

 しかし、「プロクルステスのベッド」
に屈してはならないのだ。

 生まれたばかりの赤ん坊は、
何ものになるかまだわからない。
 しかし、だからこそ、
爆発的な発展のエネルギーに満ちている。

 自分自身でも、正体がわかった、
お前はこんなもんだよ、などと
簡単に思うな。

 自分が何ものかわからない、
どこに運ばれているかわからない
時にこそ、人は最大限のことを
成し遂げつつある。
 人生の「星時間」を生きている。

 手塚治虫さんのことについて
少しお話する機会があった。

 手塚さんは、まさに、何ものなのか
正体がそう簡単にはわからない
巨大な磁場である。

 だからこそ、多くの人がそこへと
惹き付けられていく。
 
 春は正体不明になるには
良い季節である。

 みなさんも、一つ、いかがでせう。

The topological construct of the self is based on a double role of the "internal" and "external". Trivially, it would seem that the "internal" coincides with the domain within boundary of the "self", but this is not the case. In the sense that every phenomenal element that are incurred within the self is ultimately accounted for by the physical processes in the brain, everything is in fact "internal". The metacognitive process then introduces a virtual boundary between the self and the non-self. Specifically, conscious percepts that appear as sensory qualia are classified as belonging to the non-self, whereas those belonging to the self is more of an abstract and less vivid nature. Percepts endowed with intentionality are experienced as tightly coupled with the core of the self. However, the entities indicated by intentionality belong to the non-self, or even to the non-world, as apparent in, e.g., those cases where the intentional percepts represent something imagined or hypothetical. These properties of the phenomenality are indicative of how consciousness is topologically constructed. ([18]) 

4月 11, 2008 at 07:59 午前 | | コメント (10) | トラックバック (5)

2008/04/10

世界との双方向性

合宿の時の箆伊智充くんの
顔が脳裏に焼き付いてなかなか
離れない。


箆伊智充くん


早稲田大学の国際教養学部で、
modern brain scienceの授業。

授業は英語で行われる。

大きな教室で、学生がたくさんいた。

3年前に最初に授業をした時に
いたDanielに再会。

最初に「この中でminority languageを
しゃべるひとはいないか?」
と聞いたら、
「はい! ベトナム語をしゃべります!」
とDanielが答えた。

Danielは、アメリカの大学のMedial Schoolを
目指して勉強中だという。

大手町の
日経サイエンス編集部で、
東北大学の大隅典子さんと
脳のお話をする。

強く感じたのは、「生物学」としての
脳科学と、現在行われている理論的な
モデルの間に大きなギャップがあること。

大隅さんの日記
http://nosumi.exblog.jp/7673563/
にもあるように、グリア細胞の
働きはどのように本質的な
形でモデル化されるか。

発生において、何回もphaseが
劇的に変わるような遺伝子制御系
がどのようにモデル化されるかも
一つの鍵であるが、
adult brainにおける「ニューロンの
発火」以外のさまざまな神経生理学的
プロセスも、とりわけ可塑性を考えると
無視できない可能性が大いにある。

とりわけ、adultのhippocampusにおける
neural stem cellの役割をどうとらえるか?

理論生物学の課題として、
また脳の学習メカニズムを考える上でも、
大切な問題群が山積している。

大隅さんの東北大学の研究グループは
面白く、エキサイティングな
雰囲気。瀬名秀明さんとも親しく
コラボレーションされているという。

大隅研究室をぜひ一度訪問してみたい。


大隅典子さんと。


いつもお世話になっています。日経サイエンス編集部の
糸屋和恵さん、詫摩雅子さん、菊池邦子さん

PHP研究所にて、木南勇二さん、
丹所千佳さん、横田紀彦さんと
打ち合わせ。

移動しようとしたら、
近くのPHPエディターズグループ
から、石井高弘さん(『脳と創造性』
をつくってくださった)と
田畑博文さん(重松清さんや、隈研吾
さんとの対談をアレンジして
くださり、最近宝島社から
PHPエディターズグループに
移られた)がだーっと
駆けて来て、石井さんが『脳と創造性』
の増刷見本を下さった。


田畑博文さんと、石井高弘さん。

あとで、石井さんからメールを
いただいた。

_____

茂木健一郎さま

PHPの石井です。

今日は突然、PHPの前で追いかけて
ご挨拶という恰好、失礼しました。

お渡ししたのは、「脳と創造性」の8刷見本と、
田畑からは、隈研吾さんが影響を受けた
吉田健一の「ヨーロッパの世紀末」です。

実は、本当にお伝えしたかったのは、
「考える人」の原稿が、素晴らしかったことです。
田畑と二人で、こんな原稿がいただけたら、
編集者としてまさに本望、と互いの感銘を話し合いました。

あれからまた、文化放送へ行かれたとのこと、
お忙しい限りと思いますが、
またお会いする機会に、次のお仕事の話をさせてください。

それでは。

石井高弘拝
_____

文化放送にて、川中美幸さんと
対談。

川中さんは、子どもの頃、
のど自慢大会に出ると優勝で、
トロフィーを総なめにしていたと
いう。
すごい!

しかし、プロ・デビューして、
『二人酒』(1981年)がミリオンセラー
になるまでの間はなかなかヒット曲が
出ずに、苦労されたという。

苦労があってこそ、そのあとの
成功体験がうれしい。

エイベックスの中島浩之さんと
ゆっくりお話したことが
なかったので、食事をしながら
いろいろお話する。

中島さんは、ラ・フォル・ジュルネに
合わせて、3つのコンピレーション・アルバムを
制作して下さった。

すべては音楽から生まれる (1) 脳とクラシック 


すべては音楽から生まれる (2) 脳とシューベルト 

すべては音楽から生まれる (3) 脳とモーツァルト 


「いい歌手がいると、いい歌ができるんですよ」
と中島さん。

「現場」の話には生命躍動の種が
詰まっている。

言葉というものは、私たちが
世界と行き交う中でもっとも
「双方向性」が高い。

感じて理解できることと、
発話することの間のギャップは
確かに存在するが、それは
相対的なものである。

音楽や芸術においては、その非対称性が
大きい。

人生の一つの目標は、さまざまな分野
において言語的対称性に
近づいていくことではないか。

理論を創るということは、
すなわち、世界との双方向性を
回復する試みである。

The matching between sensory and intentional processes involve connectivity between the respective neural activities. In order for the neural activities to contribute to the final phenomenology of the experience by the self, the firings needs to be weakly connected. Strong connectivity is not necessarily involved, considering the physiological finding as was described as "no strong loops hypothesis" (Crick and Koch 1998). The "matching interface" between the sensory and intentional processes would then constitute a "cut" in the digraph representing the cluster of neural firings that give rise to the phenomenology.([17]) 

4月 10, 2008 at 09:20 午前 | | コメント (7) | トラックバック (4)

脳を活かす勉強法 18刷

茂木健一郎
『脳を活かす勉強法』 
PHP研究所
は、重版(18刷、累計42万部)
が決まりました。

ご愛読に感謝いたします。

PHP研究所の木南勇二さんから
のメールです。

茂木健一郎先生

再三失礼いたします。
18刷1万5,000部が増刷となりまして
累計42万部となりました。
誠にありがとうございます!

4/2フジテレビで放映された『Pabo talk』で
木下優樹菜さんが「人生を考えさせられる本です」と
言われていたのがとても印象に残っております。
12月の初旬に発売され、桜の季節を過ぎようとも
息長く、勉強法という枠を超えて多くの読者の方に
手に取っていただけることをとてもうれしく思います。

季節の変わり目、お体にご自愛くださいませ。


PHP 木南拝

http://www.php.co.jp/bookstore/detail.php?isbn=978-4-569-69679-9

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4月 10, 2008 at 09:19 午前 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/04/09

クオリア入門 7刷

ちくま学芸文庫 
茂木健一郎『クオリア入門』は
増刷(7刷、累計29500部)と
なりました。

ご愛読に感謝いたします。

筑摩書房の大山悦子さんから
いただいたメールです。


茂木健一郎先生

ごめんくださいませ。

『クオリア入門』を重版させて
いただきたく、
お願い申し上げます。
7刷目4000部の重版です。
累計で29500部です。

それと、
『脳とクオリア』のお手入れ、
いかがでしょうか。
ご多忙と思いますが、
こちらもぜひ、今年は文庫にしたいですね。

併せてよろしくお願い申し上げます。

大山悦子

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4月 9, 2008 at 09:12 午前 | | コメント (3) | トラックバック (0)

偉大な先人から魂の感化がありますように

研究室合宿二日目の朝、
目覚めると、激しい雨だった。

隣りに眠っていた柳川透はいなかった。
呆然として、お風呂に入った。

部屋に戻ると、柳川がいた。
なぜか、柳川も呆然としている。

「海に行ってきたんですよお」
と柳川。
「横なぐりの雨でしたよお。」
さびしそうな柳川。

打ち寄せる波の音を聞きたいと、
嵐の中をひとり海岸まで
行ってきたのだろう。

その柳川と近くのコンビニまで
買い出しに行って、
カップの味噌汁とおにぎりを一人
二つずつ買ってきた。

 豚汁が食べたかったのだけれども、
全員の分はなくて、あとはなめこ汁と
あさり汁にした。

「あのさ、豚汁は150キロカロリーで、
なめこ汁とあさり汁は50キロカロリー
なんだよな」
と言ったら、野澤真一が、すかさず、
「じゃあ、茂木さんはなめこ汁ですね」
と言った。

豚汁が食べたかったんだよ。

なめこのぬるぬるは何のために
あるんだろう。

江ノ電で鎌倉に出る。

そうだ、と思い、円覚寺で
小津安二郎さんのお墓に皆で
詣でる。
「無」と書かれた墓石を
前に、頭を垂れる。

続いて、東慶寺に小林秀雄さんの
お墓に詣でる。
私はともかく、この学生たちに
偉大な先人から魂の感化があります
ように。

大船に出て、旧大船撮影所が
あった所の前にある「ミカサ」
に学生たちを連れて行き、
「君たち、ここでお昼をおいしく
食べなさいね、カツメシというのは、
映画の人たちが忙しくて、短い
時間に食事をとれるように発明
されたんだよ。」
と言い残して、一人大船駅に
戻った。

強風で、東海道線が止まり、
湘南新宿ラインもメドが立たない。

「困った」と思いながら、京浜東北線
で移動した。

予定より25分遅れてNHKに到着。
みなさん、すみませんでした。

『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の打ち合わせ。
つつみだディレクターの担当で、
工場再建のお話。

豚汁を食べられなかったし、
強風のせいでお昼も食べ損なったので、
打ち合わせが終わる頃には
エネルギー切れ。

有吉伸人さんと「めん亭」に
行く。本当は「ばらえ亭」というのだが、
私はどうしても「めん亭」と
言ってしまうのである。

餃子に有り難い滋味があった。

赤坂の全日空ホテル。
講談社「小説現代」の高橋典彦さんと
お話しする。

サントリーホール。
三枝成彰さんの新作オペラ『悲嘆』の
上演。

入っていくと、真っ先に
島田雅彦が目に入った。

「おう!」
と手を挙げながら、もう口元が
にやついている。

「あれ、韓国もう行ったんじゃ
なかったっけ?」
「まだだよ。」
「そうか、じゃあ、君が韓国に
行った直後にぼくも行くんだなあ」
「そうだよ。」

「悲嘆」は、226事件に取材した
モノオペラ。

台本はサー・アーノルド・ウェスカー。
ソプラノは中丸三千繪さん。

三枝さんは、現代日本のさまざまな
困難な状況を引き受けながら、
芸術のために闘っている。

Opus Magnumはこの作品と、
思い定めて、登攀を続けて
いるのだ。

少しだけ、と思って出た
お祝いのパーティーで、
結局ずっとしゃべっていた。

三枝さんは、自分こそが
祝福されるべき存在なのに、
会場に入ってくるや
マイクを持ち、「ささやかなパーティーですが」
とホストに徹している。

頭が下がる。真摯な努力の総量
というものを、人は必ず見てくれて
いるものである。

 いろいろな人にお目にかかる。
 林真理子さん、河口洋一郎さん、辰巳琢郎さん、
高野孟さん、下村満子さん、河原敏文さん、
江原啓之さん、布袋寅泰さん、
本当にたくさん。

 これも三枝さんの人望というもの。

 島田雅彦がいない。これは、
逃亡したな、と思っていたら、
 パーティーも終わりの頃になって
ひょいと顔を出した。

 「あれ、どこ行っていたんだよ!」
 「いや、人が少なくなるまで逃げてよう、
と思って、そこで編集者とビールを
飲んでいた。」

 愛すべき男、島田。

 こいつと交代だ、と思って、
ふいと外に出た。
 もう、雨はだいぶ止んでいた。


Humans have evolved as the result of the long history of biological succession over millions of years. As humans have gained deeper and more extensive knowledge about the universe, we have come at crossroads. We are on the verge of understanding the makeup of our own mentality, where some intractable problems await to be tackled.
Ever since the maturation of civilization, when we think of ourselves, we automatically and almost unconsciously associate the mirror image, especially that of the face, with the self. We look into the mirror to search for an assuring image of oneself. Mirrors have played important roles in the history of the evolution of the human mind. Only four species so far have been reported to reliably pass the mirror test [Gallup reference]--humans, chimpanzees, orangutans, and dolphins[Reiss and Marino 2001].
Understanding consciousness is essential in understanding our own peculiar condition. To solve the mind-brain problem is then similar to inventing a brand new form of mirror. How to design the mirror in an abstract and in-depth sense is the task awaiting those trying to solve the mind-brain problem.([16]) 

4月 9, 2008 at 08:53 午前 | | コメント (8) | トラックバック (3)

2008/04/08

プロフェッショナル 宮本和敏

プロフェッショナル 仕事の流儀

隊長は背中で指揮をとる

~ ハイパーレスキュー 部隊長・宮本和敏 ~

 宮本さんのお仕事の現場は、
まさに「天国」と「地獄」。
 命を救えるか救えないか。
 日頃の訓練の結果が、
運命を分ける。

 だからこそ、宮本さんは、
常に努力を惜しまない。

 一度始めれば途中で
やめることができない仕事だけに、
 自らの思いを託すことが
できるように日々
 心と身体を鍛えるのだ。

NHK総合
2008年4月8日 22:00〜22:45

http://www.nhk.or.jp/professional/

すみきち&スタッフブログ

Nikkei BP online 記事
一度始めたら止められない仕事 〜ハイパーレスキュー部隊長 宮本和敏〜(compiled by 渡辺和博(日経BP))

4月 8, 2008 at 10:28 午前 | | コメント (2) | トラックバック (2)

運命共同体

研究室の合宿で、鎌倉に来た。

高野委未(たかのつぐみ)さんが
修士に入るので、
その歓迎を趣旨として、
箆伊智充クンが鎌倉での
合宿を企画してくれたのである。

高野委未, 五十嵐惇, 山本秀子, 山本敏文 (2006)
D-セリンによる脳部位特異的NMDA受容体-NOS
共役機能調節: NADPH-diaphorase組織化学染色
による検討. 第80回日本生化学会・
第30回日本分子生物合同学会。

彼らは鶴ヶ岡八幡宮とか、
いろいろ行っていたらしいが、
私は夕食時に合流した。


小町通りでごはんを食べて、
それから宿のある腰越に
移動した。

大学院の研究室は、
いわば「運命共同体」 
たまにこういうことをすると、
いろいろ話せるし、一体感が
出る。

夜、野澤真一が突然おもしろくなった。
君は芸人だね、ノザワくん。

石川哲朗が、hidden figureについて
せっかくいい仕事を
しているのに、なかなか英語の
論文を書き始めない。

そんなことではダメだよ、
石川くん。
毎日少しずつでもいいから、
書いてください!

In the various manifestations of cognitive capabilities in humans, the moment of the conception of an idea is one of the most remarkable. Legend has it that Archimedes exclaimed "Eureka!" when he realized how one could measure the volume of irregular objects as he stepped into the bath [1]. The ability to arrive at the moment of realization is likely to have evolved over time in the history of biological systems. Chimpanzees exhibit the ability to solve problems from insight (Köhler 1917 [2]). Buhler named the intense experience of the moment of problem solving "Aha-erlebnis" (aha experience) [3] . In the field of visual psychology, hidden figures have been used to study the cognitive process of sudden realizations [4].

4月 8, 2008 at 10:21 午前 | | コメント (5) | トラックバック (4)

2008/04/07

偶有性の自然誌 何も死ぬことはない

茂木健一郎 「偶有性の自然誌」
第二回 何も死ぬことはない

新潮社 「考える人」
2008年春号

http://www.shinchosha.co.jp/kangaeruhito/mokuji.html 

一部抜粋
 
 「私は、今ここにいる現実の私と、全く異なる私であった可能性があった」ジョセフ・メリックの胸のうちを幾度となくよぎったであろう思念。ジョセフは、たった一度しかない地上の生において、自分がなぜあまりにも重い運命を引き受けなければならないのか、何回も問いかたことだろう。できれば違う運命の下に生まれたかったと儚い希望を抱いたことだろう。
 「エレファント・マン」のように劇的なコントラストがある場合でなくても、「現実の私」と、「あり得た私」の間の対照は、現実には存在しないものを仮想し、わが身に引きつける能力を持ってしまった私たちの意識の芯に突き刺さる。
 「現実の私」でなければ良かった。それは、自分の思想に酔いしれて金貸しの老婆を罪を犯してしまったラスコリーニコフの脳裏を何度となく稲妻のようによぎった戦慄だったはずである。そして、私たちは一人残らずその稲妻の作用と無縁ではない。
 テニソンの詩は続く。
 「世界は決して創造されなどしない/それは変化し続けるだろう。しかし、消えることはないだろう/風よ荒れよ/夕暮れと朝は、永遠に続くのだから/何もかつて生まれたことはない/何も死ぬことはない/万物は、ただ変化する。」
 何も生まれない。何も死ぬことはない。万物はただ変化する。
 人類の歴史において、思い詰め、窮地に陥った思想家が確かにたどり着く「木もれ日の差す吹きだまり」のような場所。ヘライクレイトスは「万物は流転する」と述べた。フリードリッヒ・ニーチェがスイスのシルス・マリーアで構想した「永劫回帰」も、変化し続け常在する宇宙との一つの和解の試みであった。
 死を受け入れると同時に生をその全体において抱きしめる。そこには、もはや個別化の原理は存在しない。変化は避けることができない。個体にとって、死はやがては必ず訪れる。しかし、この世の中に満ちている「偶有性」を正面から見据え、それを受け入れることで、私たちは「何も死ぬことはない。万物は、ただ変化する。」という達観の境地に至る。
 もちろん、人生がそれで終わってしまうわけではない。本当の「あがき」は、達観したその瞬間から始まる。万物は流転する。私たちはぐるりと大きく回って、出発点へと戻るだけである。

全文(原稿用紙30枚)は
「考える人」でお読み下さい。

4月 7, 2008 at 07:47 午前 | | コメント (8) | トラックバック (1)

『文明の星時間』 火成論と水成論(ゲーテ)

サンデー毎日

2008年4月20日号

茂木健一郎 
歴史エッセイ
『文明の星時間』

第9回 火成論と水成論 (ゲーテ)

http://www.mainichi.co.jp/syuppan/sunday/ 

4月 7, 2008 at 07:35 午前 | | コメント (1) | トラックバック (0)

冬の過ごし方

 全面核戦争が起こると、地球は
「核の冬」に襲われると予測されている。

冷戦が終わっても
いつまで経っても核兵器を廃絶できない
人類の愚かさを思えば、
理論的可能性としては常に
頭の片隅に置いておかねばなるまい。

 そこまで破壊的な状況でなくても、
野生には毎年「自然の冬」が訪れていると
いう当たり前の事実に気づいたのは、
ジョギングをしながら
近くの公園のビオトープを眺める
ことを続けている中であった。

 夏にはあれほどたくさん泳いでいた
メダカの姿が、ほとんど見えなくなった。

 そうか、冬には、メダカの個体数は
最小限まで減って(死滅してしまい)、
維持可能なギリギリのレベルに
なるのかと思った。

 群れ這っていたアメンボも、
すっかり見えなくなって、
彼らが冬越ししているであろう
落ち葉の裏も、木枯らしに
吹きさらされて心許ない。

 去年の夏、ベランダの水槽に
ビオトープのメダカをつかまえて
放した。

 冬の訪れとともに数が減り、
12月についに一匹も
数が見えなくなってあきらめていたが、
昨日、西日に照らされて一匹の
メダカが泳いでいるのを
見た。
 
 藻のジャングルのどこかに
隠れていたのであろう。

 ここにも、「自然の冬」を生きのびた
ものがいる。
 よかったなあ、お前。
 なんだか、心の中で凍っていた
「春」が溶け出すようだった。

 人生にも「冬」は来る。

 以前は、新宿駅西口の地下で
眠っている人たちの横を通りすぎる
時、靴紐を直すふりをしながら
100円玉を何枚か置いたものだが、
「ビッグ・イシュー日本版」
が発行されるようになってからは、
街で見つけると必ず買うように
している。

 斉藤環さんが最近提唱されているように、
セイフティ・ネットワークとして
従来型の「生活保護」ではなく、
「基礎所得」(basic income, guaranteed
minimum income
)を保証するというのも一つの
有力な方法だろう。

 冬の過ごし方は、大いに工夫
する必要がある。

 水藻の後ろに隠れているのも
一つのやり方だし、
 暖炉の前で、本を読みながら
暮らすことができる。
 
 冬が時折訪れることが
避けられないものならば、
 その季節は雪にきらめく
陽光のような奇跡に満ちたもので
あってほしい。

The matching between the sensory and intentional neural process has been shown to be necessary for the qualia to be generated in such a manner so that it is perceivable by the "self", as demonstrated by, for example, experiments in phenomena such as binocular rivalry (Leopold and Logothetis 1996, Polonsky et al. 2000, Taya and Mogi 2005), where activities both in early visual areas (which are necessary for the generation of qualia) and higher visual areas are necessary for the subject to "see".
According to Mach's principle, the unique identities of qualia should be determined by, and only by, the nature of the mutual relationship between neural firings (with the reservation that the actual physical processes involved might ultimately go beyond that of simple action potential paradigm) that constitute the clusters of events that lead to the formation of conscious percepts. In order for the pattern of mutual relationship between neural firings to be accessible for the "self", the matching process between the sensory and intentional processes needs to be constructed in such a way that the identification of the uniqueness of that particular quale is possible by the "self".
([15])

4月 7, 2008 at 07:34 午前 | | コメント (6) | トラックバック (2)

2008/04/06

偶有性の時代の国家観・人間観

「偶有性の時代の国家観・人間観」

茂木健一郎

PHP研究所 VOICE 2008年2月号 p.142~p.151
(『「日本論」の危うさ』として所収)

pdf file

4月 6, 2008 at 05:02 午後 | | コメント (1) | トラックバック (1)

Darwin and consciousness

Darwin and consciousness

The Origin of Consciousness blog

6th April 2008

http://origin-of-consciousness.blogspot.com/ 

4月 6, 2008 at 04:49 午後 | | コメント (0) | トラックバック (0)

アウェーの闘いをせよ

ヨミウリ・ウィークリー
2008年4月20日号

(2008年4月7日発売)

茂木健一郎  脳から始まる 第99回

アウェーの闘いをせよ

抜粋

 人間の脳には適応力があり、「アウェー」での闘いをしていると、次第にそこが「ホーム」になってくる。「アウェー」を「ホーム」にしていくことは、人生の旅人の大いなる喜びである。
 脳科学が「ホーム」となったと感じた瞬間は、よく覚えている。最初は、何が本質的な問題なのか、よくわからなかった。研究の対象としているものがとにかく複雑なシステムであることだけは感じていたが、自分なりにどう取り組めばいいのか、思いつかなかった。
 ある時、脳の働きについて考えていて、はたと気が付いた。脳は感覚することを様々な要素に分解して解析している。「見ること」で言えば、色や形、位置、動きなどは、それぞれ異なる脳の領域で処理されている。

全文は「ヨミウリ・ウィークリー」で。

http://info.yomiuri.co.jp/mag/yw/

4月 6, 2008 at 09:26 午前 | | コメント (0) | トラックバック (1)

あたまぶつけてばかだねえ

抽象的な思考をするのは
とても好きだが、一方で、
この世のことについては、
プラクティカルな解決を
常に求めるという「パス回し」
の感覚を抱いていたい。

 たとえば、ある作品が
諸般の事情により
劇場で上演できなくなってしまったら、
youtubeで流してしまえば良い。

 その方が、抗議をしたり、悲嘆に
くれたりするよりもよほど実際的
である。
 
 インターネットの発達の一つの
恩恵は、国家や、組織といった
「重くて巨大な存在」の意味が
相対的に低下したことではないか。

 この点において、私たちの
思考が、まだ新しい現実に
 追いついていないように
思う。

 この世界に壁は沢山ある
けれども、それをうまく回避
して泳ぐことは開かれているし、
 いつもそのことを心がける
べきなのだ。

 その一方で、時には
壁に思い切り身体をぶつける
ことも大切である。

 「壁当たり」の流儀に
おいては、私は現実の壁よりも
概念的な壁の方に関心がある。

 インターネットは、現実の壁を
薄くした。
 しかし、概念的な壁は、
どうしてもインターネットだけでは
打ち破れない。

 時代に閉塞感があるとすれば、
それは、本当に難しいことしか
壁としては残されていなくて、
 そこに自分の身体と魂を
ぶつけるという運動を避けている
からかもしれない。

 意識の問題。
 熱力学の第二法則。
 量子力学の観測問題。
 生命の起源。
 進化の第一原因。
 言葉の意味論。
 
 我が畏友、田森佳秀の子どもは、
幼い時、遊園地のディスプレーで
恐竜どうしがあたまをぶつけている
のをみて、
 「あたまぶつけてばかだねえ」
と言ったのという。

 きっと、パキケファロサウルス
のことだと思う。
 パキケファロサウルスが二頭いて、
頭をぶつけて闘っていたのだろう。

 ぼくは、その言葉を田森から
聞いて以来、耳についてしまって
 時折、
 「あたまぶつけてばかだねえ」
とそっとささやいてみる。

 概念的な壁に自分をぶちつける
やつは、きっと
「あたまぶつけてばかだねえ」
である。

 ばかでもいいから、とうふの
角にあたまをぶつけたい。

 内田樹さんのブログ
http://blog.tatsuru.com/ 
のエントリーがここのところ
素敵である。

 2008年4月5日

 2008年4月3日

とか。
 内田先生に拍手!

 住吉美紀さんが
 朝日新聞の「TVダイアリー」
で連載を始めて今日第一回目が
載っている。
 東京の13版だと、23面です。

 「ひとり旅が苦手だった」
で始まるすみきちのエッセーは、
とてもいいです。

 春だ。
 ちょっとした用事で街を歩く時に、
なんとなく人々がうきうきしているような
気がする。

 壁に「あたまぶつけてばかだねえ」
をやる時には、そんなに深刻ぶって
まなじりを決するんじゃなくって、
 桜に浮かれてふらふら、
というような感じで行きたい。

 今朝はミュンシュ指揮 パリ管弦楽団
ブラームス 交響曲 第一番を聴いている。

The ontological status of consciousness on the surface seems to be something that goes beyond the materialistic understanding of the universe that we inhabit. The tacit assumption in the conventional wisdom is that we know enough of the physical makeup of this universe, while much less, or even nothing, is known about how conscious phenomena arise. Actually, consciousness is usually regarded as an anomaly, not within the domain of reasonable manifestations of the physical nature of the universe. However, from the viewpoint of the noumenon, the true nature of Ding an sich (thing in itself) is unknown, just like the essence of consciousness is beyond human knowledge at present. Much as it appears strange that a complex system of materials should exhibit something as anomalous as consciousness, so extraordinary it is that the cup that I use to drink my coffee from exists, as Ding an Sich, on the table in itself, embedded in the "physical" universe about which, at the end of the day, we know nothing about despite the remarkable success of the laws of physics in predicting the behaviors of the materials in the epistemological/empirical sense.
([14])

4月 6, 2008 at 09:25 午前 | | コメント (6) | トラックバック (3)

2008/04/05

ジョイセフ母の日チャリティイベント

ジョイセフ母の日チャリティイベント

内田也哉子さんと対談いたします!
主催はジョイセフ、
共催は桑原茂一さんのクラブキングです!
お申し込みはお早めに!

ジョイセフ母の日チャリティイベント
「世界中のお母さんを笑顔にしよう!」

トーク出演:茂木健一郎(脳科学者)×内田也哉子(文筆家)
      大葉ナナコ(バースコーディネーター)×千野志麻(アナウンサー)

日時:4/13(日)13:00〜15:30
会場:時事通信ホール(東銀座)
参加費: 1000 円
詳細・申込:http://www.joicfp.or.jp/jpn/s_motherhood/index.shtml 
主催:(財)ジョイセフ 共催:(株)クラブキング


4月 5, 2008 at 12:16 午後 | | コメント (1) | トラックバック (3)

世界一受けたい授業 

世界一受けたい授業

2008年4月5日(土)19:00〜22:54
日本テレビ系列

http://www.ntv.co.jp/sekaju/ 

番組表

4月 5, 2008 at 12:02 午後 | | コメント (0) | トラックバック (0)

『欲望する脳』7刷

集英社新書

茂木健一郎『欲望する脳』

は、増刷(7刷、累計63000部)

が決定しました。

ご愛読に感謝いたします。

集英社の鯉沼広行さんからいただいた
メールです。

茂木健一郎様

お世話になっております。
『欲望する脳』の重版(7刷)が決まりました。
今回は12,000部で、累計63,000部になりました。
引き続き、好調に推移していて、うれしい限りです。

鯉沼広行拝
集英社

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4月 5, 2008 at 12:01 午後 | | コメント (2) | トラックバック (1)

『すべては音楽から生まれる』13刷

PHP新書

茂木健一郎 『すべては音楽から生まれる』

は増刷(13刷、累計89000部)
が決定しました。

ご愛読に感謝いたします!

PHP研究所の丹所千佳さんから
いただいたメールです。

茂木健一郎先生

いつもお世話になっております。

さて、増刷のお知らせです。
『すべては音楽から生まれる』は、
おかげさまで13刷8000部が決定し、
累計89000部となりました。
ありがとうございます。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

。.・゜・.*。.・゜・.*。.・゜*
PHP研究所 新書出版部
丹所 千佳 ◆TANJO Chica◆

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4月 5, 2008 at 11:52 午前 | | コメント (0) | トラックバック (0)

「宿題」

花見の時に寒かったのが悪かったのか、
あるいはその次の日に薄着で歩き回って
いたのが祟ったのか、
とにかく風邪のような症状に
なった。

クシャミが連続して出る。
人によっては、「それは
いわゆる花粉症ではないか」
と言う人もいるかもしれないが、
私としては、「違う。断固として違う!」
と一切認めないのである。

毎年、ひと春に一回くらい、
連続してクシャミが出る「セッション」
があり、それは続いて
やがて収まる。

やがて収まるのだから、
断じて花粉症ではない!

したがって、マスクというものも
しない。

10年近く前に「マッハの原理」
に関する論文を書いた時に
(book chapterとして
Response Selectivity, Neuron Doctrine, and Mach's Principle.
in Riegler, A. & Peschl, M. (eds.)
Understanding Representation in the Cognitive Sciences.
New York: Plenum Press. 127-134.
pdf file
に掲載)
ロジャー・ペンローズから
寄せられたコメントの中にあった
「宿題」。

その「宿題」の解決に向けて
考えるところを、
ディレクターの本間一成さん、
カメラの愛甲明正さん、
音声の藤村宗信さんが
撮影した。


撮影する本間一成さん、愛甲明正さん、藤村宗信さん

時ははからずも
「クシャミ大魔王」の全盛期である。

時々、本間さんが質問をしてくる。

「つまりですねえ、クシャン、志向的
同時性は同値関係であると考えられる
んですがあ、クシャン、感覚的同時性は・・・
あっ、鼻をかみますからちょっとまって
ください。」

「感覚的同時性はですねえ、クシャン、
必ずしも同値関係であるとは限らない
のですよ。クシャン。」

クシャン戦士はみっともなく
よれよれになりながらも何とか
闘い抜いたのだった。

 Interaction simultaneity is deeply connected with causality. In particular, the manner in which sensory and intentional simultaneity are mutually connected through the general metacognitive processes, in which qualia are generated and perceived by the self, has an essential role in the "assurance" of causality structure in conscious perception. The reason why this particular assurance must be given in the formation of the subjective time has crucial implications in considering the nature of free will, whether it exists or not. ([13])

4月 5, 2008 at 11:51 午前 | | コメント (5) | トラックバック (3)

2008/04/04

「対立概念に補助線を引け」

梅田望夫さんが
読売新聞2008年2月24日朝刊に
書いてくださった
ちくま新書『思考の補助線』
の書評「対立概念に補助線を引け」
が、梅田さんのブログに掲載されています。

私の意を汲み取っていただいた的確な
評論に、深く感謝いたします。

http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20080328

刊行を期に
「ちくま」に書いた私のエッセイはここで
全文が読めます。 
手つかずの大海を夢見て

4月 4, 2008 at 11:05 午前 | | コメント (6) | トラックバック (2)

一回性の真白きスロープ

『脳を活かす勉強法』

の中で書いた「鶴の恩返し勉強法」
を実際にやってみてくれと
本間一成さんが言うので、
ハングル文字を覚えてみた。

どうせなら役に立つことを、
と思い、今月島田雅彦と
韓国に行くので、その時の
ために読めるくらいにはして
置こうと思ったのである。

ハングルについては本当に知識
ゼロである。
少しは事前に見ておこうと
思ったが、やらなくては
ならない仕事がたくさんあって、
白紙のままでNHKに着いた。

会議室に連れていかれて、
二時間でハングルを覚えた。

ちなみに、「鶴の恩返し勉強法」
とは、読む、聞く、書くといった
モダリティを総動員して覚える
というもので、自慢ではないが
その集中力は小学校の頃から
凄まじかった。

なぜ、「鶴の恩返し勉強法」
であるかというと、
「鶴の恩返し」でつうが
「誰も見てはいけない」
と言うように、集中しているところが
あまりにもすさまじいので
「見たなあ」となってしまう
ほどだからである。

本間一成ディレクター、
カメラの愛甲明正さん、
音声の藤村宗信さんが
見つめる中、
集中すると三人がすっと消えて
ハングルを覚えていった。

「なんでハ行が二0になるんだ!」
「ラは「2」か」
「マは「口」なのか」
「アは右で、オは左だな」
「パはAがひっくりかえるのか!」
「無音は空集合か!」

など、ハングルを知っている人には
「あのことか」とわかり、
知らない人には「なんだ、それ」
という奇声を発しながら、
二時間かけて書くこと、読むことを
覚えていった。

ハングルは理論的にできていると
言われているが、感心したのは
「無音」の「0」の記号と、
それから「パッチム」である。

「パッチム」を最初に見た時には、
「なんじゃあ、こりゃあ」
と思ったが、
だんだん親しんでいくと、
「これはいいよ」
「きもちいい」
「やっぱりそう来るか」
と次第に快感になってきた。

そして、時折、明示的なルールでは
描くことのできない
ある独特な感覚のようなものが
かいま見えたような気がして、
基本単語をハングルで書いている
時に、「ここはこうくるんじゃないか」
と感じて、実際にそうだった時には
「やった!」とうれしかった。

知らない分野を学ぶ時の最初の
くらくらするような目眩の感覚は、
何ものにも代え難い。

英語のように慣れ知った言葉では
なくて、初めての言葉を学ぶその
魂の前傾姿勢は、
まさに一回性の真白きスロープ。

チャレンジが終わって
話している時に、
本間さんが、「茂木さん、図書館で
勉強できないタイプですね」
とぽつりと言った。
「どうしてわかりましたか?」
「いやあ、あんなにうるさいんじゃ、
そもそも追い出されてしまいますよね!」

4月24日のスタジオ収録 
にいらした方は、「鶴の恩返し勉強法」
の様子をオンエアよりも先に見ることが
出来ると思います。

住吉美紀さんとお話しする。
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
でこれからやりたいことなど。

意識の中で感じられるクオリアの
一つひとつの鮮烈な「個性」
は、その変化と明示的に
共変動する神経活動よりも、
むしろ、すべてのクオリアを
感じる共通の「主観性」の構造に
起源する。

感覚系の神経細胞のネットワーク
がやっていることは、つまりは
外界から入ってくる感覚情報を
整理、カテゴリー化する
ことであるが、そのような
コンベンショナルな作業の
プロセスに寄与する一連の
神経活動の履歴のクラスターを
「私」に感じられるクオリアに
転換するのは、「私」という
主観性構造の方である。

マガーク効果、共感覚、
幻覚などに見られるように、
暗示的な主観性構造がある限り、
そこに感覚的に接続している
神経細胞の活動のクラスターは、
ほぼ「自動的」にクオリアへと
変換される。

同時性の構造を含めて、
暗示的な主観性の構造という
「暗黒大陸」の成り立ちを
明らかにしなければならぬゆえんである。
([12])

4月 4, 2008 at 09:16 午前 | | コメント (8) | トラックバック (3)

2008/04/03

脳を活かす勉強法 17刷

茂木健一郎
『脳を活かす勉強法』 
PHP研究所
は、重版(17刷、累計40万5000部)
が決まりました。

ご愛読に感謝いたします。

PHP研究所の木南勇二さんから
のメールです。

茂木健一郎先生

17刷5,000部が増刷となりまして
累計405,000部となりました。
誠にありがとうございます!

弊社近くの千鳥ヶ淵の夜桜もライトアップされ
とても綺麗です!

PHP 木南拝

http://www.php.co.jp/bookstore/detail.php?isbn=978-4-569-69679-9

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4月 3, 2008 at 08:52 午前 | | コメント (1) | トラックバック (2)

野澤真一くんは偉かった

東京工業大学すずかけ台キャンパスを
歩く。
ぽかぽかぴかぴかきもちいい。

博士論文の中間発表を聴く。
三宅美博先生の研究室の武藤ゆみ子さんと、
中村清彦先生の研究室の高橋大樹さん。

タップのようなアクションを何回も
繰り返すと、神経回路網にhabituation
やfatigueが起き、文脈づけられた
状態から逸脱しようとする。
そのことをどう考えるか。

強化学習において、正の報酬と
負の報酬の意味は非対称であるという
高橋クンの直観は、正しいもののように
思えた。

NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の本間一成ディレクターと、
カメラの愛甲明正さん、
音声の藤村宗信さんが合流。

いっしょに駒沢公園に向かう。

野澤真一くんは偉かった。

今年の研究室の「チーフ・ハナミ・オフィサー」
(CHO)として、駒沢公園を
選定し、場所の確保、買い出し、その他必要な
ものの準備を、野澤くんがすべて
やってくれた。

桜は満開。

愛甲さん、藤村さんと、
カメラや音声の話をする。


カメラの愛甲明正さんと音声の藤村宗信さん

塩谷賢が来る。
塩谷は、お酒をかーっとくらうと、
そのまま野澤がもってきた毛布を
かぶって眠ってしまった。

誰かが持ってきたおにぎりを、
塩谷クンの前にお供えする。

チーフハナミオフィサーの野澤
くんが、塩谷おしらさまのご機嫌を
うかがう。

「うーん、余は満足であるぞ!」
とおしらさま。


野澤真一くんと、塩谷賢くん。

様々な方がいらっしゃる。

PHPエディターズ・グループの
石井高弘さんと田畑博文さん。
NTT出版の牧野彰久さん。


石井高弘、田畑博史、牧野彰久のそろい踏み。

電通の佐々木厚さん


佐々木厚、関根崇泰、塩谷賢

塩谷が、本間一成さん、柳川透と話し込む。

桑原茂一さん、白洲千代子さんもいらして
下さった!


桑原茂一さん、白洲千代子さんにお酒を
すすめる佐々木厚さん。奥で関根崇泰と田辺史子が
しゃべっている。

大槻あかねさんは、ほぼ日での
連載が始まったとのこと。

http://www.1101.com/a/index.html


楽しい時間が過ぎていった。

ニューヨークで活躍するキュレーターの渡辺真也も来た。

大場葉子、大場旦夫妻もいらっしゃる!

その他、吉村栄一さん、吉井豊クン、
幻冬舎の大島加奈子さん、植田工クン、
吉田菊子さん、岸本由香さん、澤繁実クン、
筑摩書房の伊藤笑子さん、
母の友の高松夕佳さん、長場恵子さん、
などなど。

皆さん、ありがとうございました!

田谷文彦と議論しながら帰る。

EEGのデータ、面白そうじゃ
ないか、田谷クン!

それにしても野澤真一は
偉かった。

お酒を飲まないでいるから、
どうしたんだ、と聞いたら
さまざまな物資を車で持って
きたのだそうだ。

塩谷賢くんがお休みになった
時にかぶっていた毛布も
野澤くんが持ってきた。

寒くなったのでカラオケに移動して、
帰る時になって
「野澤クン、ありがとう!」
と言ったら、野澤が
「いやあ、酒も飲まなかったし、
なんだかもの足りない感じだったけれども、
一曲歌ったら気分がすっきりしました!」
との返事。

野澤、今日君は本当に偉かった。
この勢いと気働きで、spontaneityの
あの論文も、がーっとやってしまおうよ。

脳の中の情報表現を考える際、
現象学的な属性と共に変化する
ものにどうしても目がいく。

それは、情報表現における明示的要素
である。

しかし、情報表現には、明示的要素の
変化の前提になる暗示的要素も
ある。

たとえば、意識の統合された並列性の
前提となる「私」という枠組み。
暗示的要素があってこそ、初めて
明示的要素による情報表現の
共変動が意味を持つのだ。

そしてクオリアの
鮮烈な属性を与えるものも、
明示的要素ではなく、
暗示的要素である。

つまりは暗示的要素を具体的に
書き下さなければならぬ。
([11])

4月 3, 2008 at 08:49 午前 | | コメント (9) | トラックバック (3)

2008/04/02

プロフェッショナル 公開収録 観覧者募集

『プロフェッショナル 仕事の流儀 「脳」活用法スペシャル』
のスタジオでの公開収録の観覧者を募集いたしております。

みなさま、ふるってご応募ください!

https://www.nhk.or.jp/professional/mail/mogi.html 

4月 2, 2008 at 09:27 午前 | | コメント (3) | トラックバック (0)

MOJA-MOGI

2008年4月1日放送の
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
にゲストとしていらした
中村勇吾さん

の作品
MOJA-MOGIが公開されています。

http://www.nhk.or.jp/professional/mogi_moja.html

4月 2, 2008 at 09:27 午前 | | コメント (6) | トラックバック (1)

あらすじで楽しむ世界名作劇場

あらすじで楽しむ世界名作劇場

日本テレビ系列
2008年4月2日21時〜22時48分

http://www.ntv.co.jp/meisaku/ 

番組表 

4月 2, 2008 at 08:58 午前 | | コメント (0) | トラックバック (0)

一回性のすそ野

朝日新聞で、
朝日小学生新聞の内山幸男さん、
日能研の高木幹夫さんに
お目にかかる。

子どもから大人まで、
日本の学びのあり方を何とかしなければ
ならないという危機感を共有。

ミクロな努力だけでなく、
いかにマクロな視点からの
制度設計をするか。

「学べ、学べ、なおも学べ。」
(ウラジミール・レーニン)

NHKにて、本間一成さんと打ち合わせ。
「脳」スペシャルについて。

NHK放送技術研究所にて、
NHKに今年度入局する方々を
前に一時間お話させていただく。

行き帰り、至るところで
桜が綺麗だった。
手元はずっと仕事をしながらも、
心地よい。

渋谷にて、
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
班の花見。

座間味さんが窓から大きく桜が
見える店をとってくださった。


絶景じゃ、とご満悦の河瀬大作さん

音声編集の「いのっち」こと
井上さんが人生の転機を迎え、
皆で送別する。
井上さん、新天地でも
より一層ご活躍ください。


いのっちと有吉伸人さん


山本隆之さん(タカさん)


奥でケイタイを操作する本間一成さん

アンサンブルをもって
対象の性質を論じる統計的
アプローチは機能の解析のある局面に
おいては有効なものの、
意識の起源を説明する究極の
論理とはなり得ない。

意識の全ての性質は、
「今、ここ」の脳のシステムの
属性に基づいて説明されなければ
ならない。

「反応選択性」は、その
概念の中核に統計的なアプローチを
含むため、意識を説明する
第一原理とはなり得ない。

もし、時間的、空間的な非局所性が
関与する場合は、
ライト・コーンの内部の、
因果的にお互いに単連結な
範囲でそれが生み出されなければならない。

つまり、意識の非局所性は、それが
いかに顕著な場合でも、
因果性によって大きく制約されて
いるのだ。
([10])

5歳の頃、近くの空き地にノビルが
生えているのを見て、摘んで家に持ちかえった
ことがあった。

母が油炒めにしてくれた。

誇らしくて、おいしかった。

一度しかなかったことなのに、
鮮明に覚えている。

一回性の出来事は、一瞬にして
消え去る。

一回性のすそ野は淡く強く
潜伏する。

4月 2, 2008 at 08:45 午前 | | コメント (7) | トラックバック (5)

4年日記

2005年4月1日
動物マスク 

2006年4月1日
四弁桜 

2007年4月1日
信じる力が足りない 

2008年4月1日
絶対秘仏 

4月 2, 2008 at 08:10 午前 | | コメント (6) | トラックバック (1)

2008/04/01

絶対秘仏

先日、街を歩いていて
偶然見つけたお店に
心惹かれるものがあった。

小さな箱に入った仏さま
である。

緑のツタが絡まったような
美しい模様の箱や、
くすんだ色の厨子に入ったもの、
茶色の目の細かい網の
ようなものに包まれたものが
ある。

試みに網に包まれたものを
持ってみると、全体として
大ぶりの卵くらいの
重さである。

さらに二重三重にくるんである
らしく、触れても形は
わからない。

棚のところに置かれた
パンフレットには、
これは「秘仏」であり、
決して中を見てはいけない、
見ると、霊験が消えてしまうと
書いてある。

その店には、心に秘めた願が成就した
日など、特別な時には開けて供養
して良いとされる「相対秘仏」も
並べられていたが、
私が興味を持ったのはいかなる
時も開けてはならないという
「絶対秘仏」だった。

とりわけ、
ショウウィンドウの一番
奥の方にあった「絶対秘仏」
には、ひと目見て惹き付けられた。

雲のようでもあり、霞のようでも
ある模様が
一面に描かれた箱に入っていて、
手に載せるとちょうど掌に
おさまるくらいの大きさである。

これは絶対秘仏であって、
中国の雲南省近くのある
村に何代か伝わったものと
説明にある。

箱の中の仏さまを見ないままに、
しかしその姿を一生懸命
思い浮かべていると、いつしか
生き方が変わってくるのだと
いう。

やがて不思議なことが
起こり始める。

そして、密かな願が成就した
暁には、しかるべき手続きを
経て次の持ち主に渡さなければ
ならない。

値札はついているが、ないような
もので、つまり、中国の雲南省に
いる前の持ち主(かなりの高齢
らしい)とその店の主人を通して
やりとりして、「ふさわしい持ち主」
だと認定されると、ようやくのこと
その秘仏をゆずってもらえるような
のだ。

「もし仮りにゆずっていただけると
して、どこに置けば良いのでしょう?」
私は、主人にたずねた。

「とにかく、家の中の、一番奥まった
ところに置いてください。太陽の光や、
風や、水や、そういうものから一番
遠いところに安置してください。
そして、朝晩に取りだして、中の
秘仏を思ってください。外に
いる時も思ってください。そうすると、
少しずつ行動が変わってきます。」
と主人は答えた。

私の心はすでに動き始めていたが、
あいにく時間もなかったので、
とりあえずその店を出てしまった。

秘仏の価値は、見えない姿を
思い描くことだろう。

その想像の努力が、精神運動を起こし、
生き方のリズムを変える。

あの秘仏をもし手に入れることが
できたら、と夢想してみる。

そうしたら、私の人生は大きく
変わることだろう。

決してその正体を見ることが
ないものを思い続けることで、
私は滝を昇り、天翔ることさえ
できるかもしれぬ。

夜、寝転がって天井を見ていると、
あの店の秘仏を手に入れることが
本当に必要なのか、疑問に思うこと
もある。

天井の上、雲の向こうの星空を
いつでも思うことができるように、
自分の人生にとっての「秘仏」
はすでに定まっているのではないか。

いずれにせよ、自分の心のうちの
真を確かめるためにも、
細い通りをいくつか曲がり、
大きな椎の木の下にあるあの店に
もう一度行きたいと思う。

雲南省からいらした秘仏は、
その時までは売れずに、私を
待っていてくれるような予感が
する。

4月 1, 2008 at 08:05 午前 | | コメント (30) | トラックバック (9)

プロフェッショナル 中村勇吾

プロフェッショナル 仕事の流儀

ワンクリックで、世界を驚かせ

~ ウェブデザイナー 中村勇吾

 中村勇吾さんのウェブデザインは、
独学である。

 世界的に評価されるその独創的
ウェブデザイン。
 「神」とも呼ばれる卓越した技が、
すべて一人でネットに向き合うことで
生み出されたと考えると、その
意義はきわめて現代的である。

 自分自身の学びを、他人任せに
にしてはいけない。

 中村さんの生き様から発せられる
メッセージは、心の芯にある何かを溶かして
熱くしてくれる。

NHK総合
2008年4月1日 22:00〜22:45

http://www.nhk.or.jp/professional/

すみきち&スタッフブログ

Nikkei BP online 記事
独学が育んだ独創性
〜ウェブデザイナー 中村勇吾〜
(compiled by 渡辺和博(日経BP))

4月 1, 2008 at 08:04 午前 | | コメント (2) | トラックバック (14)

Pabo Talk

Pabo Talk
2008年4月2日 0:55~1:55
フジテレビ

番組表 

4月 1, 2008 at 08:03 午前 | | コメント (0) | トラックバック (0)

週刊ポスト

週刊ポスト

2008年4月11日号

真鍋かをり 茂木健一郎

http://www.weeklypost.com/080411jp/index.html

4月 1, 2008 at 08:03 午前 | | コメント (0) | トラックバック (0)

『文明の星時間』 ジークムント・フロイト

サンデー毎日

2008年4月16日号

茂木健一郎 
歴史エッセイ
『文明の星時間』

第8回 ジークムント・フロイト

http://www.mainichi.co.jp/syuppan/sunday/ 

4月 1, 2008 at 08:02 午前 | | コメント (1) | トラックバック (0)

涙のパズル

ヨミウリ・ウィークリー
2008年4月13日号

(2008年3月31日発売)

茂木健一郎  脳から始まる 第98回

涙のパズル

抜粋

 巨人が日本シリーズで9連覇を達成したのは、私が三歳の年(1965年)から十一歳の年(1973年)まで。ものごころがついた時には、巨人は「絶対的に強い」存在として私の脳裏に刷り込みされていた。
 六歳になる年(1968年)にはテレビアニメ「巨人の星」の放送が開始された。「巨人の星」を目指して苦闘し、魔球を生み出す星飛雄馬とライバルの花形満。夢中になって見た。「巨人」の存在は、心の中でますます揺るがないものとなった。草野球をしながら、王貞治選手や長島茂雄選手の真似をした。「一本足打法」で、いっぱしのホームランバッターのつもりだった。

全文は「ヨミウリ・ウィークリー」で。

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4月 1, 2008 at 07:59 午前 | | コメント (0) | トラックバック (0)