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2008/03/23

塀の上を歩く人は忙しい

クオリアの問題が将来
どのように解かれるか、
ということは、あらかじめ
予想することはできない。

それは、E=mc2的な、
思いも掛けないサプライズ
とともに、私たちが現在
想像していない「もの」と「もの」
を結びつけるのだろう。

あるいは、あらたに「もの」
が定義されるのであろう。

あるいは、「定義」のされ方
が変わるのだろう。

川上未映子さんと対談。
川上さんの人生の軌跡と、
樋口一葉の「たけくらべ」の間の
内的相関などをめぐって。

講談社のGRAZIAに掲載される予定。

養老孟司さんと、朝日カルチャーセンターにて
対談。

小柴昌俊さんが、養老さんと私の
対談の前の時間に会場にいらして、
そのまま、前半だけ聞いてくださった。

小柴さんが出られる前に、
ひと言、コメントをいただく。

養老さんは、「塀の上を歩いてきた」
と言う。
「塀の上」を歩く人は忙しい。
あっちを見たり、こっちを感じたり。
それで、バランスを取る。

「塀の内側」
あるいは「塀の外側」
にいる人に比べて、「塀の上」にいる
人の精神生活ははるかに忙しい。

ソニー広報の滝沢富美夫さんの
案内で、
「インディペンデント」誌の
取材を終えた川上未映子さんが、
会場にいらっしゃる。

ちょうど良い折を見て
川上さんに発言していただいた。

養老さんが「元気じゃない人を見ると、
何とかしてやろうと思んだけれども、
そうすると巻き込まれることが多い。
茂木クンのように元気で動き回っている
人は、その点安心だ。ひやひやしながら
見てればいいから」と言われて、
対談が終わる。

「兆一」にて打ち上げ。
井上智陽がやってくる。

クオリアは、典型的な「多様性を生み出す
普遍的な法則」の事例である。
かくも様々な感覚質が、
「私」という統合された並列性の
中に感じられる、そのような奇跡が
一瞬一瞬まさに生起しているのだ。


GRAZIAの対談の折、川上未映子さんと。
(撮影者の滝沢富美夫さんのコメント:
「窓からの十分な自然光をほぼ45度から使い、
カメラのソフトポートレイトモードで撮影しました。」)

3月 23, 2008 at 05:58 午前 |

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コメント

川上未映子さんの小説はまだ読んでないけれど、彼女とても魅力的です。それで、しばらくわからなくていましたが、背後の絵は木村忠太さんですね。私だいすきで、展覧会南仏まで行きました。なんとも心象的な絵で、きっと茂木さんも気に留めていたと思います。この画家のすごいのは、モネが視覚的印象を絵にしたのにたいして、かれは、こころに感じた風景を絵にしてしまうんだもの!

投稿: | 2008/04/01 21:52:45

すべては音楽からはじまる・・・を読み終えました。シューベルトって自然で好きです。つらさも共感。ラ・フォル・ジュルネ、毎年の楽しみにします。

投稿: | 2008/03/24 10:51:53

おはようございます
昨日、神岡に行ってきました
道の駅にかざられた、小柴先生の字
(内容ははもちろん)
とっても素敵で、元気になりました
宇宙の大きさを感じました

茂木先生の講演も、元気になりますね
先生、声がいいんです
(内容ははもちろん)
脳の無限を感じます

投稿: | 2008/03/24 7:59:50

クオリアの問題は、何を問い、どう表現されていこうとしているのでしょう?
最近、体が”言語中毒”(優先的に情報ばかりを拾う!)になってることに気づき、まずい!と思って、しばらく本なら活字から離れて、何か良い写真集はないかなぁと探し回っていた。やがて気に入った写真集が見つかって、”あぁさすがに良い写真は訴えてくる迫力が違うな”と感心していた、その瞬間、しまった!完全に言語中毒だった、と、気がついてしまった。写真も活字も同じ、すでに他人の目で切り取られた世界の形骸だったことにさえ瞬時には気づかない…
それほど、どっぷり、言語の世界しか見えていなかった自分の目に気づいたとき、何かが一瞬で変わりました。けっこうありのままを見てるのって難しいことなんですね。みんなが同じものを見てるときでも、見え方考え方が違うのは、多くの人が情報という言語的な見方をしているということが、大きな要因のひとつなんでしょうね。クオリアの問題は、もしかしたら、人間にとっての言語との戦いなのかもしれません。
言語的な世界とみえる現代で、平和というバベルの塔は築いていけるのか?でもやっぱり、文明の強さを信じたいですね!

投稿: | 2008/03/24 1:05:50

風邪をひいてしまいました。喉が乾いて痛いと思っていたら、声が出なくなりました。先週、薄着で外出したせいかも。空気が乾燥しているようですので、気をつけましょう!

投稿: Nezuko S | 2008/03/24 0:11:38

…“家”に必要なのは、衣食住が足りている事だという。ただ、ホントにそれだけかなと自問自答していました。

上のモノは確かに必要。だけど、それだけだと何だかギスギスしたものになると思う。
当たり前だけれど、優しさや美しいものを感じたら、その感覚、小さい物を いとおしい。と思う気持ち。それぞれが必要なモノ。これが良いスパイラルを生み出していくモトだなぁ…と、しみじみ思った。

投稿: | 2008/03/23 20:19:39

こんにちわ


E=mc2ですが、宇宙のあらゆる方向や速度に時計をばら撒き、時間が一番速い時計が宇宙の中で静止状態にある、と、考えた事があります。

それから、最近、映画バイオハザード1・2・3を連続で見た事があり、養老さんの言葉を聞くと、堀の外にはゾンビがいっぱい、堀の内は厳しい掟のあるカルト企業をイメージしてしまいました・・・。(^^)

投稿: | 2008/03/23 12:46:35

昨日は本当に面白く有意義な時間を過ごすことが出来ました。この対談を心待ちにしていた甲斐がありました…!


養老先生のお姿を肉眼で見るのは、実は昨日が初めて。その初めて拝見する先生のお姿は、本当に元気いっぱいで、のびのびされているようにお見受けした。

対談はまさに縦横無尽、自在闊達という四字熟語の表現がピタリと当てはまるもので、とても楽しく聴講させていただいた。

「塀の上を歩く」に関わるお話を聴いて、“中庸”あるいは“中道”という言葉がふと、頭のなかに浮かんだ。

常に世界の様々な複雑さと交わりながら、それらにおもねることなく自分の人生を生きていく。

養老先生はまさに、そういう生きかたを実践されている方なのだ、とこの時ハッキリと感じた。

「塀の上を歩く」ということと、中道・中庸を貫く生きかたというのは、こういうと生意気ですが、何故かとてもよく似た生きかたのように思えてならない。

投稿: 銀鏡反応 | 2008/03/23 10:44:22

初めまして。先生が「徹子の部屋」に出られたのを拝見し、「子供は良いことをしたらすぐ褒めよ」をドーパミンを意識して実行しましたら、悩んでいたしつけの難問があっという間に解消しました。今まで様々な手法で試しましたが、解決できなかった難問でした。それで効果に大感激し、先生の大ファンにさせていただいています。
育児も脳科学的にやると、物凄い効果がうまれるのだと実感しました。今はむさぼるように先生の著書を手に取らせていただいてます。
これからも、ご活躍下さい。そして、尚、一層、育児についてもご指南いただけたら、嬉しく思います。
ちなみに私の子供は3歳でした。ありがとうございました。これから、「ドーパミンの強化」という武器を手に入れましたので、どんな場面でも乗り切っていけそうです。ありがとうございました。

投稿: | 2008/03/23 10:32:26

昨日は楽しい2時間、ありがとうございました。

「壁の上」を歩く、適度な距離感を持つ「芸」・・

「芸」なので、修行が必要なのでしょうが、

絶妙なバランス感覚身につけたいな、と思いました。

投稿: モモンガ | 2008/03/23 10:11:45

川上さんとの2ショットで茂木さんがニヤけているように見えるのは私だけでしょうか。

投稿: | 2008/03/23 9:17:41

じゃじゃーん。
茂木さん,今朝2回目のおはようございます。です。
〓見ていればいい〓って養老さんの言葉はあたたかいですね。
信頼にあふれたことば。
茂木さんをつくるたくさんの要素。そこから凝縮された,ごく一部のエッセンスを
クオリア日記や著書,TV番組から受取っていいるわけですが。
茂木さんの周りにいらっしゃる方々のリアルなコメントはいつも興味深い。

茂木さんからいつももらってばかりです(勝手にですけど…笑)
ありがとう

投稿: | 2008/03/23 9:08:24

茂木さん,おはようございます。
いまさっき『何も死ぬことはない』の詩をノートに写していました(いいな,と思ったのでいつも感じられるようにしておきたくて)
何気なくメインに戻ると,
こ,更新!ヒャ
(すこしルパン三世のキモチ
茂木さんの朝は早いのですね。
「Grazia」☆☆あたし毎号買っていますよ。再来月号かな?
楽しみにしています。

投稿: | 2008/03/23 6:54:57

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