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2008/03/21

自然の季節とは関係なく

ホテル・ニューオータニにて、
読売新聞の配達をしながら
学校に通う「読売奨学会」
の学生さんたちの卒業式で
お話をさせていただいた。

ヨミウリ・ウィークリーに
連載しているご縁で、編集部の
二居隆司さんにお誘いいただいた。

朝刊と夕刊を配達する。
あるいは、朝刊を配達し、集金業務を行う。

学業と両立させながらの日々は、
さぞ大変だったことと思う。

心を込めてお話しさせていただいた。

二居隆司さんからメールをいただく。

******

お世話になっております。
本日は本当にありがとうございました!

心に響くお話でした。私がお話を
うかがっていて、いちばん感心しのたのは、
茂木さんが若者たちと同じ目線でお話されて
いる点でした。あのような場では、えてして
大上段から構えた、タテマエの話に終始する
ことが多いのですが、若者たちを真っ正面から
受け止めようという、茂木さんの真摯なお姿には、
本音の部分で感動いたしました。
タイガー・ジェット・シンばりの、
フルアクセルでしたね。

それと感動したことがもう一つ。

茂木さんのデイバッグ、重かったです。
毎日これを背負って、全国を駆けめぐって
いらっしゃるとは。虚弱体質の私は、
背負った瞬間、頭の芯がくらくらしました。

毎日これを背負う覚悟。茂木さんが常に
前向きに、元気に世間とかかわり合って
いける、その秘密の一端を見た思いでした。

これからも末永くよろしくお願い申し上げます。
取り急ぎお礼までに。

*****


講演が終わり、
二居さんは笑顔で、ヨミウリ・ウィークリー
編集部へと向かっていった。

二居さん、こちらこそありがとう
ございました!

NHKへ。
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の収録。
ウェブデザイナーの中村勇吾さん。

インターネットの話をたくさん
できて、とても幸せな気分になった。
今回の番組の担当だった
生田聖子さん(生田ガンコさん)が
一仕事を終えて解き放たれて
いる様子を見て、「ああ、良かったなあ」
と思った。

心を込めて仕事をすること。
そして、解き放たれること。
そう考えれば、自然の季節とは
関係なく春は来ることが
できる。

3月 21, 2008 at 08:55 午前 |

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コメント

茂木さん、おはようございます♪

昔の話ですが、私より一足先に上京した妹が新聞配達しながら学校に通ってました。
話を聞くと、そうとう辛い仕事だったらしいです。
だから、卒業された皆さんは、凄い頑張り屋さんだと思います。

同じ視点に立った茂木さんからのメッセージは、
さぞ皆さんの心に残ったことと思います。

茂木さんは本当に良い教育者であられますよね。
学ぶこと・働くことの意味・喜びを、日々メディアを通して沢山の方々が感化されているのだと思います。
私も例外なくその内の一人でして!

そして重いカバンに茂木さんの覚悟。
体力あって可能になることもありますね。

私も実は虚弱体質…(ToT)始まったばかりのプロジェクト…
ここは、多くの方の協力を頂くことになりそう。
茂木さんのように、私の中の情熱を沢山お話していくしかありません。

体力きたえつつ、最善を尽くしたいと思います!今日も素敵な日記、どうもありがとうございますm(__)m

投稿: ももすけ | 2008/03/22 9:48:20

茂木先生のデイパッグの重さは
「世界全体を引き受ける」という先生の志向性と愛・・の表れなのだろうか・・・?
  ちょうど先ほど 思考の補助線 1回目を読了したところで
この記事を拝読して感じた・・・
  (富士の裾野までも程遠い私は茂木先生の書物を数回ずつ読んで
頭にねじ込む必要があるのです・・・^^;)


先生との出会いは「生きて死ぬ私」・・・・・
とある人物に薦められて読み始めたのがキッカケです。

その とある人物・・・とは 名前も住所も知らぬ相手

死を思慕していた時期に ネットという特殊な世界で
その愚考を拭い去ろう・・として尽力してくれた人物・・
名もなき恩人さんです・・・

教養が無に等しい私が 脳科学者の書物を読むなど・・
無理難題だろう・・・と想いつつ・・・ 開いたその書物には
茂木先生の「愛」が溢れていて・・一気に読み終えた記憶があります。


そして・・・ 人生の宝とも言える「脳と仮想」との出会い・・・

思い出に無い記憶・・・の章で 私は嗚咽しておりました・・・

どんな小説でも そこまで自分を失くして泣いたことはなかった・・


今でもあの時の涙が何であったのか 自分でも理解しかねます・・が・・・

数値化出来ない・・・というより

私の知り得る言葉でも表現しきれない・・・「何か」を

本能で感じた・・としか言いようがない・・・

伝える術のないもどかしさ・・を感じつつ

そして 抽象的で稚拙な表現だと感じつつ・・・

茂木先生の書物を通じて 

「生きる」というダイナミクスを味わおうとしている

人間が存在することを 何となくお伝えしたくなりました・・・・


満天の空を見上げての 私の「うわぁ」は

子供時分のそれと 差異がないかもしれない・・・


でも 私は 私なりの 日々ささやかなる「うわぁ」を

大事にしてみたいな・・・と思います


背中に背負った 見えないデイバッグに

たんまり・・・愛をつめながら・・・・・


 

投稿: エミ | 2008/03/22 4:19:48

毎日これを背負う覚悟・・・

その「背負う」にはきっと深い意味がこめられているんでしょうね。
まるで世界を引き受けるかのように。
「負う」というよりは全てを抱くように。

デイバッグで蘇りましたが、
昨年のエンジン01のとき、あれを背負って
ポンッ、ポンッ、ポンッと弾むように入室されてくる様子を見た瞬間、
なんだか不思議で愉快でたまらなくおかしくて、
前2列目で噴き出してしまったのですが、
あのバッグがそんなに重たかったとは。
(あの中には、いざという時のためのワイシャツとネクタイが
レジ袋に詰め込まれて一緒に入れてある(笑)という説もありますが)

引き受けて、駆け巡って、つないでいく。
あらゆる人に幸せを注いでいってくださる茂木先生。
どんな重みもポップに変えて昇華する。
学生さんたちにとって、
人生の素晴らしいセレモニーとなって心に刻まれたことと思います。

投稿: s.kazumi | 2008/03/22 1:33:23

茂木さん,おこんばんは。
茂木さんのディバッグに,全国を駆け巡る覚悟をみた…との一文。
(覚悟決めているんだろうな。茂木さんは突き抜けてるもん。そうじゃなきゃあんなに愛に溢れた目で物事みれないし,書けないよ)←2〜3月クオリア日記を読んでいてあたしが感じていた思い。だから,ディバッグの一文を読んでやっぱり!と思いました。
ディバッグをみて,茂木さんの覚悟を感じる方も素晴らしい。ですが,語らずともディバッグひとつでそんなふうに感じさせる茂木さんの,なにかとてつもないエネルギーを感じました。
伝えることへの圧倒的な行動力,それを支える情熱。茂木さんが紡ぐ,熱くなりすぎない言葉たち。

一気に書いたら眠くなりました。眠りという快楽があたしを待っている

投稿: 柴田愛 | 2008/03/22 1:20:15

大人ほど純粋だと思い、そんな人ほど大切なことの意味を知っている。
見えている事、言葉だけでない何か。
ずっとピュアな感性はなくならない。
もっている分量で、バランスも難しくなってゆく、ピュアな心をもちつづける事は、生きにくく器用でない場面も多くなる。

森の中のくまさんは、いつもあたたかい。
いったい何処に消化しきれない心の余りものを流すのだろう。
まいにち、まいにち仕事をがんばる。
曲がった事がきらいであろう、がんこでもあろう、森がだいすきなくまさん。


春のような、やわらかな強さと時間のなか。

投稿: 美容師 | 2008/03/21 22:58:26

私の勤める職場に、朝夕、新聞配達の人がやって来て、大きなステンレス製の状差しに次々と新聞を入れていく。その中に、配達の傍ら、懸命に勉学に励んでいる若者がいるに違いない。

朝早く起きて、厚い束になった朝刊を各家庭や、省庁や、企業の入ったビルの状差しに入れて行く。

夕方にもう一度、やはり厚く束ねた夕刊を持って、また家庭やビルの状差しに入れていく。

それを1年・春夏秋冬・毎日毎日、続ける一方で、未来を前向きに信じて懸命に学ぶ、健気な若者達。

そんな若者達に、真正面から向き合い、心を込めて熱く語りかけられる茂木博士。

その姿勢に、彼等がこれからも前向きに未来を信じて、世間の風にどんなに吹かれようと、懸命に生きて行ってほしいと、心から願う“よき先輩”のありかたを見たような気がした。

今、ふと思うに、私は自分の望んでいたものとは畑違いの仕事をしている。

でも、仮令畑違いの仕事でも、本当に心…魂魄を込めて取り組まなくては、感謝されないし、何よりも自分の中に、悔いが残る。

実は明日も半日仕事がある。気持ちも新たに、思いを込めて懸命に取り組んでいきたい。

投稿: 銀鏡反応 | 2008/03/21 21:41:31

独学…自分で自分を教えていく事。大きな輝きが得られる場所のように思えました。

私自身も今、私の脳が喜ぶ方へ進み、輝ける場所へ行きたいと切に願っています。
「今、ここ」にあるモノへと。

根拠は、ありませんが、それを選んだ私自身を信じることが、今は、出来ます。

投稿: 奏。 | 2008/03/21 11:45:21

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