ドイツワイン
とにかくもう、自分にとって
大切なことを抱きしめ、
向き合い、アクセルを踏み込んで
全力疾走していこうと思う。
100%できない場合でも、
心の中ではそれを志向する。
無理をすることは少しずつ
減らして行きたい。
メールソフト
eudoraの調子が悪く、
エラー対応のパッチをあてても
どうも直らずに、
この忙しいのに往生した。
ソニーコンピュータサイエンス
研究所でゼミ。
石川哲朗、野澤真一の二人が
修士論文発表会の練習をする。
探究の対象というものは
無限に奥深い構造をしている
のであって、
「わかった」というのは
途中の一里塚に過ぎない。
理解という準安定状態に
とどまることは、
時にさらにその先に進むことを
妨げてしまう。
仏陀は菩提樹の下で、そんな
ことをきっと考えていたのではないか。
日常は目まぐるしく動く。
神田昌典さんにお目にかかって、
お話する。
TBSにて打ち合わせ。
ドイツ大使公邸にて、
ドイツワインをより良く知るための
夕食会。
ドイツワイン基金と宝島が
共同で企画した。
久しぶりにドイツ語を話すチャンス
だった。
くつろぎ、楽しむ。
ひんやりとした庭に出た。
大事なのは、人と交わりつつ、
時にはうまく孤独になる
技術である。
その昔、
茂木さんの人生の挫折は
何ですか、と聞かれて、
「現代に生まれたことが最大の
挫折です」
と答えたら、わかってもらえない
ことがあった。
シュヴァルツヴァルトの中を
歩く旅人のように、時には
静寂の中に身を置こうと
考えていると、昔好きだった
ゲーテの詩がよみがえってきた。
Über allen Gipfeln
Ist Ruh,
In allen Wipfeln
Spürest du
Kaum einen Hauch;
Die Vögelein schweigen im Walde.
Warte nur, balde
Ruhest du auch.
しばしまて、やがて
お前も憩うのだ。
ドイツワインが憩いを助けて
くれた。
2月 5, 2008 at 07:55 午前 | Permalink
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欲望のにおいもしない、
癖のかけらも感じられない、
それでいて気品のある
男の文章。
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境地はそのさきへ達している。
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茂木健一郎氏のブログ『クオリア日記』にエントリーされた記事「ドイツワイン」
(2008/02/05)の中に、次のような箇所があります。
探究の対象というものは
無限に奥深い構造をしている
のであって、
「わかっ... [続きを読む]
受信: 2008/02/06 3:20:48
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コメント
はじめまして。

先生の文章を読むと、いつも、
自分自身を奮い立たされるの以上に、
先生の人間としてのやさしさとか、
純白さとか、純真さとか、
その上に、人知のカラクリの解明に挑む(?)
明晰さを、感じております。
私は音楽史を研究しており、この先に、
何があるのか、できるのか・・・不安に満ち溢れて
いますが、ここにくるとなにか落ち着くのです。
ありがとうございます。こころの憩いをいただいています。
ドイツワインはいいですねぇ!
絵文字を使ってみましたよ!
投稿: missa | 2008/02/14 17:46:31
はじめまして!
今年に入って、先生のブログをちょこちょこと拝見させて頂いております。
わたしも、冒頭のお言葉に前向きなエネルギーを強く感じ、めずらしく手帳に書き記しました。
そのように進んで行ける自分でありたいです。
心に響くお言葉=勇気 をありがとうございます!!
投稿: kyon | 2008/02/07 21:25:26
”とにかくもう、自分にとって 大切なことを抱きしめ・・・”
大いなる決意を込めて書いているように思えます。
この言葉に僕はとても力付けられました。
リアルな目標は、煩わしく纏わり付く雑音を払いのけられるものですね。
投稿: Mach・R | 2008/02/06 19:15:43
おはようございます。
茂木先生は、昨日、ドイツに関っていらっしゃたのですね。
コメントを読んでドイツ大使館公邸に行かれた知人の写真を思い出しました。
ステキなところですよね。
樹齢100年のしだれ桜。
武家屋敷の門もあり茶室もあるそうですが、ディークマン大使在任中の場所
なので今も変わりなければの話になりますが。
実は、半年前から横目にしながら通っていた音楽教室のドアホンを押したところの先生の先生がなんと、ベルリンオペラに半年に一回ドイツに教えに行っている人と聞き、ビックリしました。おまけに、生徒さんの方にフランソワーズ・モレシャンさんの秘書をやっていた人が居て、その人が私の知っているパリ住在の田巻洋一画伯を知っている人でビックリ、ビックリの出会いでした。
2日続けて出かけ先で話し込んだ人がみんな、画家さん
で「うわ~。なんだこの出会いは・・・」と驚いて
いた矢先なので田巻画伯を知っている人に出会え余計ビックリしました。
ティン画伯以来感動した画家さんです。
ヨーロッパ、ドイツ行って見たい国第一なんです。
ドイツの町並み、石畳、建物、、ステキでしょうね~。
仏陀が座ったと言う菩提樹の葉の押し花をインドに行かれた方が下さったのに、、。
引越しが多くてどこかに行ってしまいました。
そして仏教的話がでてきたので、不思議に思っていたことを
カキコします。
茂木先生はいつも「今ここに」と話されているのに、
なぜ「今経」と呼ばれる法華経でなく小乗なんだろうと・・・。
PS ところで、投稿の欄のにこチャンマーク前からありましたか?
かわいいですね。^^
投稿: あすか | 2008/02/06 6:44:27
あまりに合目的、分別の横溢した現代。ここでは、理解以前、分別以前の消息に浸るのは、より難しいと思う。包容力ある漆黒は遠ざかる。書き込んでいる今は明け方、此処は食卓。
投稿: 山岸浩 | 2008/02/06 4:33:43
「この歳になっても分からないことっていっぱいあってさ、勉強し続けなきゃだね。」
と年配の方に言われたことがそれ以来気になっていて、
常に「わかった」気になってはいけないという思いはありました。
とはいえ、どうしても「理解」すること自体に着地と安定を求めてしまいます。
ところが実は、未知の世界はその隣にこそ潜んでいて、
そこにたどり着いたとしても、必ず「その次」が存在する。
常に自分が不完全な存在であることを認め、探究心を大切にしていきたいものです。
たとえ100%できない場合でも、大切なことには徹底的に情熱を注ぎ全力疾走する。
そんな先生の姿勢、いつまでも応援したくなります。
いつもながらですが、先生の寛大さを感じています。
投稿: s.kazumi | 2008/02/05 23:44:41
メールソフトと咽喉の調子はよくなられたでしょうか。まだまだ油断の出来ない寒さが続くと思われるので、本当に春が来るまで、気をつけていきたいものですね..。
生きている時間の中で、嵐が渦巻く時もあれば、静寂の時もあるわけで、その繰り返しの中で、人として如何、よりよく生きていけばよいのか…。
仏陀もきっと、そのようなことを真剣に模索しながら、菩提樹の下で悟りを開こうとしていたのかもしれない。
実はちょっと、個人的にいやなことがあった。ので、このちょっとした人生の風雨を如何にしてやり過ごすか、そのことばかり、考えている。
それでもやはり、自分の人生で本当に大切なものだけは、何があっても手放すわけにはいかないな、と常に頭の隅っこで思っています。
投稿: 銀鏡反応 | 2008/02/05 20:45:29
失礼いたしました。
博士は、キッケルハーンの山小屋のような憩いがお好きだったんですね。
私的に、プルーストは気取った文学ではなく、率直な精神の吐露であると読んでおりましたので、あのように書いてしまいました。
投稿: Nezuko S | 2008/02/05 13:30:19
こんにちわ
子供の頃、アニメ「一休さん」に出てくる、「どうして坊や」というキャラクターが出てきます。どうして坊やは、一休さんに、「どうして」と、問い詰めて、一休さんは、困ってしまいます。
ニューロン回路である、脳は、物事を完全に理解するのは構造上不可能であるのがわかります。その上で、脳科学において、人間と同じコンピュータが出来るまで、この「どうして」は、続くと思います。(^^
)
投稿: どうしてのクオリアby片上泰助(^^) | 2008/02/05 11:36:14
はじめましてm(__)m
プロフェッショナル仕事の流儀で、
茂木さんのことを知り、
ファンになって、
最近、こちらのブログを毎日楽しみにしている者です。
茂木さんの世界に触れると、
崇高な気持ちになるというか、
心が洗われます。
茂木さんは、孤高の方ですね、
ただ、茂木さんのうしろ姿が
与える影響はとても大きいと思います。
私はいつも大きなものを頂いています。
頂いてばかりですが・・・・
茂木さんのことを応援しています、
いつか、茂木さんが、
現代に生まれたことを、
良かった、と思える日がきますように。
投稿: ももすけ | 2008/02/05 11:10:03