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2008/02/15

自然の季節よりも一足先に

『脳を活かす勉強法』の内容を
PHP研究所で
木南勇二さんや、
ブリッジワークスの安藤大介さん、
渡部睦史さんにお話して
いた時によぎったのは、
自分という存在が大きな変化を
通過していた中学校、高校の時の
感触だった。

学びというのは、世間では
「ノウハウ」としてとらえられ
がちである。

ノウハウでもいい。しかし、
学ぶということは、
それによって自分自身が
変化しなければ意味がないと
思う。

その意味では、学びは、自分の
限界を極めようと挑戦する
アスリートの姿勢に通じるし、
また悟りを求めて修業をする
僧侶のあり方にも似ている。

イギリスのケンブリッジ時代の
恩師、ホラス・バーローは
チャールズ・ダーウィンのひ孫
であり、ウェッジウッド家にも
つながっている名門の出であるが、
至ってきさくな人で、
いつもコインをポケットの
なかでじゃらじゃらさせていた。

ホラスから学んだことは
数限りない。
イギリス流の控え目な
表現もその一つ。

ホラスは1921年生まれで、
いつまでも元気でいてほしいと
思うが、時の流れは止められない。

久しぶりに電子メールをやりとり
した。
相変わらずのウィットに富み、
的確な内容で、ああ、元気
なのだと安心した。

『脳を活かす勉強法』
のような本を今このタイミングで
出そうと思ったのは、
木南さんの誘いや、仕掛けも
あるのだけれども、
自分自身の中に変化への
胎動が生じているからでも
あるようだ。

ホラスとのメールのやりとりで、
自然の季節よりも一足先に
氷が溶け始めた。

2月 15, 2008 at 07:30 午前 |

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コメント

バーロー先生って、どんな声で、どんな表情で、お話される方なんでしょう?

以下は、日記へのコメントではなくなって申し訳ないのですが、
s.m.さんという方が寄せられているコメントを読み、
何となく、私が最近思うことを こちらに書かせて頂きたく思いました。

外界と直接コミュニケーションするのは感覚器官の細胞、
食物連鎖という自然との繋がりを維持する中心は消化器官、
細胞に必要なものを毎日運ぶための血液を送り出しているのは心臓、
そして脳は、全身とコミュニケーションしている。
全てが心に影響しているから、脳だけ取り出して心を特定することは
できないと、私も思います。

けれども、脳それ自身の中で維持されているコミュニケーション、
その関係性の複雑さの、桁外れであることが、
脳を特別な存在にしている。

宇宙の中で、脳ほど、豊かなクオリアを測定できる魔法はないです。

おぼろげながら、いわゆる意識も、無意識も、自然のうちだと思うに至ったので、
身体も、脳の無意識も意識も、
自然であるということは、自由意志である、ということで、
我々の行動は、心身各々の自由意志のせめぎ合いから出るもので、
それもまた、自然の成したことと思うほかないと思います。

外界には、自由意志を妨げるものもあれば、育んでくれるものもあります。
でも、自分自身の心身は、自分自身のものだから、
その中でいろいろあろうとも、私は、自由意志をもって生きている、と言おうと思いました。
外界のことも含めて、全てがそうなるようにしかならない、としても、
それは悲しいことではないと思います。
むしろ、特定の人が何かを全く自由に変えることができたら、
そのほうが嫌じゃないですか。

私は、おおもとでは、量子がサイコロを振ってくれていてほしいと思います。
そんな小さなものがサイコロで決めたことなら、
それを偶有性として、受け入れられる気がするからです。

偶有性について熱く語って下さる茂木先生を 尊敬し感謝しています。

投稿: MiznoYuli(u-cat) | 2008/02/17 5:00:51

浅田彰さんへの言及が著書で多く拝見します。ポストモダニストとしての浅田さんへの評価は両義的かもしれませんが、音楽・文学批評家としての浅田さんを、茂木先生はどう評価されてますか?

『思考の補助線』、知的な興奮を感じます。今までの茂木先生にはなかった類の、テレビで拝見する茂木先生とは、随分と違った一面を見せてくれる本ですね。

投稿: ヒコクミン | 2008/02/16 7:15:49

何かを知りたい、またはもう一度、何かを学びたいと思うと、きまって、図書館や博物館などに、好奇心の赴くままに飛びこんだりしている。

好奇心もやはり何かを学びたいという欲求から出て来るのかもしれない。
そこから自分が変質する為のエネルギーを得ているのかもしれない。

古今東西、津々浦々の知識を頭の中に蓄積することも、人のふりから何か自分にとって教訓となるものを読み取ることも、それは自分が変わる為の大切な通過儀礼なのだろう。

日頃、基本的には何処も変わっていないなァ、と思いこみがちな私だけれど、振り返れば、確かに変わってきた、と思える面もある。

でもそれを、この場で具体的にいろいろ書くのは、恥ずかしいというか、ややこしくなるので、書かないことにします。


投稿: 銀鏡反応 | 2008/02/16 5:19:14

2004年のある日,子に心は心臓にあるのか、脳にあるのかどちらだと思うと問われ、何も考えずに脳に決まっているではないかと即答してしまった時から、脳についてずっと考えてきた。 今では当時はずいぶん脳を過大評価しすぎていたと思うようになった。 身体の一つ一つの細胞すべてが生きる設計図を持ち、その細胞が生きるために得た情報を脳に送り、無意識に身体が生きるために為すべき優先順位を決める情報処理機関に過ぎないと思うようになった。 意識的に行う論理的思考の量などたいしたことはないのではないかと。 無意識に生まれた感情を意識的にああでもないこうでもないとこねくりまわして現代人は新たな病を作り出しているのではないだろうかと。ベースが錯覚の論理だったら、無意識の計算結果と論理的計算結果はかなりずれてしまい人間はどのような行動をしてしまうのだろう。

投稿: s.m. | 2008/02/16 2:47:15

木南さんのメールにもあるように
学ぶことの本来の喜び。
これが根幹を支えているのだと思います。

『脳を活かす勉強法』を読んで以来、
「タイムプレッシャー」のことが強く印象に残っていたので
日々、仕事や私生活でその手法を意識しています。
仕事では、
たて込んでいるときは猛烈に集中し速い流れに乗れるように。
手の空いたときは、すぐにでも調べものや、実務の勉強や、
自分の苦手としている領域について
分析したり改善方法を考えたり、と心がけています。
家に帰れば一生懸命に夕飯をつくる。
私の場合、ここでも負荷をかけているので、
さて“鶴の恩返し法”が登場です。
「決して姿を見ないでください。」って感じです。
一心不乱で作って、やり遂げたあとは達成感を味わえます。
もっとも、この難易度と制限時間の調整がうまくいった場合ですが。
(男性のみなさま、奥様や彼女が一生懸命つくった料理はほめてあげてくださいね。)

日々、密度を濃くするように心がけていると
不思議と、「時間に追われる」のではなく
「時間と共に走っている」ような感覚を覚えます。
それまで大変だと思いながらしていた事が、
まさに集中している状態を楽しめるようになった感覚です。

生活の場面では、例えば、
「あの会議、嫌だな」とか「苦手な人を訪問しないといけない」とか
「○○の手続き面倒くさいな」みたいなことが多々あります。
そういう煩わしさの中にさえも
「自らが選んでいる」という感覚を持ち、
学びを探していけたらと思います。

今、『脳を活かす勉強法』を手に取ることができる
学生さんや子供をもつ親御さんたちは本当に幸せだと思います。
私も学生時代、とことん真剣に楽しく勉強すればよかったな。

学習はいつだってスタートできますよね。
シナプスのつなぎ変わり次第でいろんな可能性が開ける…。
判断力、理解力、行動力、コミュニケーション能力etc.
養いたいものはたくさん。
限りない学び。
学習を通じて自分自身を変えたい。
全てはチャレンジからですね。

ご著書の中の
茂木先生の言葉そのものに人を動かす力があるのだと思います。
これだ!と思わせる強いエネルギー。
情熱がなければ人はついていきません。
「感動する脳」を読んだときも、同じような思いでした。

長々と失礼いたしました。

投稿: s.kazumi | 2008/02/16 0:03:08

―自然の季節より一足早く氷が溶け始めた。―
と云う先生のお言葉から、ふわっと暖かなヴェールで包み込まれるような、何ともいえない暖かな気持ちになりました!

今まで眠っていた花や動物たちが、動きだそうとしているような…春の息吹き。そして本格的な春を迎える前に咲いている道ばたのオオイヌノフグリやフキノトウたちのように。

春を謳歌できると良いなと思いました。

投稿: 奏。 | 2008/02/15 21:53:07

茂木先生、先生とダーウンとの関りの情報。
ありがとうございました。

ダーウンは待っていてくれたことがわかりました。


「ダーウィン。私は帰って来たよ。ありがとう。」
               dyウォレス・・・なんちゃって。

ダーウィンがウオレスに当てた手紙を知った時に、私はちょうど、
摩訶不思議の世界の中で内観していたんです。
少し間違うと、狂気の世界に落ち込んでしまうほど、ぎりぎりの世界で、
生命の不思議感覚を研究?していたんですね。

馬鹿なことをしている。なんの意味も持たないこの体験をしても
なお生命を知りたかった時で、ダーウィンがウオレスに当てた
手紙の一節がまるで私にコメントしてくれているようで、
涙を流したことがあるんです。

「ダーウィンきっと待っていてね。きっと戻るから。」

なんてことを、ダーウィンの手紙が書かれてある紙を手にして、
決意したんです。

私はダーウィンに会えたんですね。
今、この時空の現実の世界で・・・。って、遠い縁ですが、うれしいです。

それに、ケンブリッジ大学がオックスフォード大学の姉妹みたいな、
関係だったなんて、それも驚きです。

茂木先生のプロフィールに「ケンブリッジ大学」となっていたので、
「変だな~。オックスフォードじゃないんだ~。でも、変だな~??」
とズット気になっていたのも解決しました。


・・・・・つらつらと書きましたが、私の頭の中で起こっている
ことはきっと理解してもらえないと思いつつ、お礼がいいたくて。


茂木先生。
私の前に現れてくれて、生きていてくれて、ありがとう。


茂木先生の様に生きている人生の師匠とは出会えないで
いますが、今は「モリー先生との火曜日」が私の人生の師匠です。


投稿: あすか | 2008/02/15 21:44:01

学びについて、生きていたら色んな所でいろんな学びがあるなって思います。今まで人と付き合う時も都会に出たら色んな人いるからあまり人を大事にしなかった部分あったかなぁって最近思うようになりました。
ある人に「一期一会」という言葉を学んでそれから生き方も考えないとダメだなぁって。
叱られたんですが。
自分の方向性を見失っている時、いろんな人の話を聞いたり共感したり反感もったりするのって大切だなぁって思うようになりました。
偏った考え方だと世界は狭くみえますもんね。
後知識も知れば知るほど世界がひろく見える。
偏ったり広がったりの繰り返しです。
これって脳にもいいのかな~。

投稿: kazu | 2008/02/15 20:46:24

こんにちわ

私も、中学、高校の時、「脳を生かす勉強法」を読んでいれば、少し、学生時代変わっていたとおもいます。もっとも、私は、学生時代に病気になったのですが・・・。

中学、高校と、毎年、入学生がいますから、「脳を生かす勉強法、中学編、2009」、「脳を生かす勉強法、中学編、2010」、「高校編2009」「高校編2010」と、続けていけば、ロングセラーシリーズになるのではないでしょうか?(^^)

投稿: 脳を生かすクオリアby片上泰助(^^) | 2008/02/15 10:02:51

茂木さん、こんにちは!


茂木さんは、最前線の脳科学の研究者であり、
パソコンや様々な機器を使いこなしておられ、
すごい知識人でいらっしゃいますが、

更にすごいなあ~~と思うのは、
自然にさからっていないんだなあ・・・
ということに、今日気がつきました。

私は、けっこう長く東京で暮らしていたのですが、
東京のネオン輝く街中にいて、
自分の中の自然をどこかに置き忘れてきたような気持で暮らしていました。氷河期だったんでしょうか(笑)

茂木さん自身の内なる四季や自然を
外の移り変わる自然と重ね合わせてお話されるところは、
私の心にもぐっと響いてきます。

茂木さんは、科学者であり、芸術家なんだなあ・・・と、
私もそういう風になりたいです。
一見正反対に見えるものを、自分の中でうまくバランスとれるようになりたいです。
そして、いろんな人や物事を理解できるようになれたらいいなあと
茂木さんの日記を読ませていただき、
改めて強く思いました。

投稿: ももすけ | 2008/02/15 8:33:21

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