« グリーンパワーキャンペーン | トップページ | 『すべては音楽から生まれる』8刷 »

2008/02/23

力場の逆転

ボクは時々勘違いすることがある。

とにかく、事実ではないことを信じこんで
しまって、それが世界だと
思ってしまうのだ。

イギリスで免許を取ったが、
筆記試験の時間を一時間勘違いして
思いこんでいた。

受験票に午後6時とはっきり
書いてあるのに、なぜか午後7時だと
天地神明に誓って信じていたのだ。

会場につくと、もうみんな
帰るところだった。
あのときは悲しかった。

バーガーキングでホッパーを
食べて呆然とした。


グリーンパワージャパンというのは、
同時通訳のつく国際会議だと
信じ込んでいて、
会場に着いてから、聴衆もしゃべる人も
日本人ばかりだと知った。
一緒にいた電通の佐々木厚さんが
あきれた。

有楽町駅のコンビニでおにぎりを
買って、とぼとぼ食べながら
エスカレーターを上がった。

ロハス・サンデー

http://www.j-wave.co.jp/original/lohassunday/ 

の収録で、王理恵さんにお目にかかって
お話した。

やわらかく、しかし芯の
しっかりとした、「アルデンテ」な方だった。

勘違いしていた基調講演を日本語で
行う。

佐々木厚さんと移動。

日本自動車販売協会連合会の総会で
お話させていただく。

神保町の岩波書店へ。

ほぼ20年ぶりに
『岩波講座 哲学』全15巻
が刊行されるのを記念した
座談会。

西垣通さん、野家啓一さん、伊藤邦武さんと
哲学、思想の現状と未来について
語り合う。

編集部の中川和夫さん、
十時由紀子さんを交えて
山の上ホテルの
「モンカーヴ」
で懇談する。

最近はやりの「街場の哲学」は、いわば
「辻説法」のようなもので、
「修験の場」である山から
思想者が降りてきて、
縁なき衆生に語りかけようとする。

その行為が尊いものであることは
言うまでもない。

しかし、逆のベクトルもあったらいい。
志向者どうしで、修業している
のである。
きびしい小乗を実践しているのである。
精神の感化にとっては、本当は、
その場に歩み寄るのが一番良い。

辻説法は、ユニークな表現の形式を
生むが、実質的な「真水」の進捗
という意味においてはついに薄められた
ものになってしまう。

その峻厳たる頂きを目指して
登攀を始めるだけの脚力と意志を
現代人はまだ持っているのか。

山から下りてくるのを待っているんじゃ
なくて、
自ら登攀しようとする。

そんな「力場の逆転」を図る
「乾坤の一擲」を探る。

2月 23, 2008 at 08:17 午前 |

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 力場の逆転:

» ゴッホについて/正宗白鳥の精神 小林秀雄講演第七巻 トラックバック 須磨寺ものがたり
先日、小林秀雄の「信じることと、考えること」を、 ウエブで聞く機会を得て、 書き言葉では味わえない、 臨場感が快感となり、 =ゴッホについて/正宗白鳥の精神 小林秀雄講演第七巻=を、 Amazonで取り寄せ、早速聞く事にした。... [続きを読む]

受信: 2008/02/23 10:12:16

» 暗黒面 トラックバック Tiptree's Zone
暗黒面を通過した人だけが、感覚することができる世界がある。 いくつかのレクイエムが、心の琴線に触れる。本当に触れる。心の奥深くまで。 “生命は暗闇の中の光だ”、と私も以前言ったし、他の人も言っている。 暗黒世界の経験も、もちろん一種類のクオリア経験である....... [続きを読む]

受信: 2008/02/23 21:39:43

» いま鳴いた鳥、あれは・・ 春告げ鳥 トラックバック 旅籠「風のモバイラー」
昨日の昼下がり、洗濯物を干していた。 ・・ マア僕だって洗濯物ぐらい干すのである [続きを読む]

受信: 2008/02/24 2:38:43

» 寒いお話… トラックバック 或る河童のモノローグ
自衛隊 Japan Self-Defense Forces 自国民の生命と財産を守る事より、専ら自分の組織を防衛する事を主たる任務とする、極東に位置する某国の軍 [続きを読む]

受信: 2008/02/24 4:21:48

コメント

勘違いや間違いはどんなときにも、誰にでもあることだし、そのことを何時までも気にかけ続けることはないし・・・。ある意味、しょうがないですよね。

しょうがない、と思うけれども、時と場合によっては、
あ!しまった。あのとき、もう少しなんとかしていれば・・・、とささやかな後悔の念にとらわれることもあるわけで・・・。

今「思考の補助線」を読ませていただきながら、自らによる「知」の鍛錬について考えているのですが、思想者たちの言っていることの受け身的な捉え方でなく、自分でこの世に偏在している様々な物事の「本当のこと」について考え、追究していかなくてはならない
のではないか・・・そういう思いがわき上がってきます。

もし、思想者たちから教えを乞うなら、私たちの方に彼らの本質を見抜く眼力が要ると思う。

この世の数多いる「思想者」たちの中には、私たちをとんでもない方向に導いてしまうものもいると思われるので、茂木博士の言われるように、私たちが個々で懸命に
自分にあったやり方で思考のトレーニングをし、そういう知の眼力を養うことも必要か、と思われます。

またまた寒波が今夜から襲って参ります。毎日フル回転で頑張っておられる茂木博士ですが、気候が変わるときゆえ、何卒体調には本当にお気をつけて頑張ってください。


投稿: 銀鏡反応 | 2008/02/23 17:06:05

こんにちは。

きょうは暴風で電車もずいぶん止まっているようですね。
黄砂の舞う窓外に気をとられ、窓枠に手を掛けてしまった途端、ひどい風圧に驚き、慎重にベランダへ出て洗濯物を取り入れました。テレビやインターネットで強風のニュースがないか探してしまうほどの暴風です。

ホームパーティーで友人がパスタを茹でていた際、「アルデンテ」の話になりました。「アルデンテ」には、「かっかする」、「熱くなる」という意味があるそうですね。友人のご主人(コロンビアの方)から教えてもらいました。「どんなふうに使うの?」とたずねたら、「友達とサッカーやってて、相手が熱くなってたら『あいつアルデンテだな』とか『おまえ、アルデンテじゃないのか』とか言うよ」とのこと。その例え話が妙に面白くて、自分の中で「アルデンテ」がしばらく流行しました。

明日がJ-WAVEでの収録分のOAですね。家族と一緒にほぼ毎日5時に1度起きるので、そのまま目を覚ましたままラジオを聴きたいなぁと思います。

投稿: | 2008/02/23 16:38:32

勘違いや思い込み私もあります・・
12月にロシアの指揮者ワレリー・ゲルギエフさんのコンサートにいってきました。
チケット20000円はさすがに無理なのでけちって15000円ぐらいのにした。
この人の曲で好きなのは春の祭典と火の鳥が好きだったけど、ラフマニノフが好きだったのでピアノコンチェルトを聴きたいと思ってそっちの公演にしました。
何日も楽しみにしていて・・当日行ったらラフマニノフの交響曲2番だと知った。もらったパンフを見てもそこに交響曲2番と書いてあるのにコンチェルトだとずっと思ってるし・・
確かに曲はいいけど、、やっぱ聴きたいと思っていた曲じゃないのでその演奏事態が苦い思いでになったかも・・
あれって不思議ですよね。
でも音楽の場合は、この指揮者はダメとか楽団はダメと思っても次聴いてみるとすごく感動したりする。
これはその日のコンディションとかも関係してるんでしょうね。
写真と同じでその時しか味わえない事です。

ダーウィンの進化論でしたか?
その時の話で同じ船に乗っていた船長はキリスト教徒でダーウィンが先祖はサルだったかもしれないって言う説をといたとき神を冒瀆しているってものすごく怒りましたね。
この話を色んな場面で思い出します。
自分が当たり前だと思っていた事が本当は違うって知った時はかなり腹がたつし人にもあたってしまう。。
今までの自分のポリシーや考え方が真っ向から違うってかなりショックうけると思うんですよね。
なので偏らず色んな方面から見れる事が大切だと思ってはいるんですが・・

投稿: kazu | 2008/02/23 15:15:42

「山から下りてくるのを待っている人」は努力しなくても幸運がやってくることもあると思っている。
でも身に余る幸運を掴むと重さに堪えかねて、
登るどころか、さらに下に転げ落ちる可能性だってある。
転げ落ちてしまった人には迷惑なことかもしれないが、
そのような事例を集めてみることも「力場の逆転」を図るために必要なのかもしれない。

努力することによって、幸せを掴むための箱(容量)が大きくなるこという実感はある。
そしてその箱には、不幸もいれることができる。
その箱の容量を超えない不幸であれば、その不幸を幸福に変えていく。容量を超える不幸であるならば、それを養分として木を育て箱を大きくする材としよう。

きっと箱が大きくなったときには、
その不幸を幸福に変えることができると思う。

「自ら登攀しようとする」努力はセレンディピティを培う。
でもそのずっと先には、あらゆる出来事を常に幸せとしていく能力がある。

そのような能力を身につけた人が、
山から下りてきたならば、
きっと私達を(箱の容量だけ)幸せにしてくれるに違いない。

でも、そのとき、私達が小さな箱しかもっていなければ、
無限の幸福はほぼ全て箱から溢れてしまうような気がしてならない。

投稿: | 2008/02/23 15:01:58

こんにちわ

脳科学から、哲学を見ると面白いのではないでしょうか?
普遍性を持つ、ニューロン回路が、哲学上でも普遍性を持つ。

私も、原付免許を取る時、筆記試験で、試験管が「私が合図したら、机に入っている試験用紙を取り出して問題を解くように。」と、聞いて試験用紙を取り出したのですが、合図はまだだったらしい、しばらく試験用紙を見ていたのですが、席が一番前だったので、周りが、取り出していない事に気づくのが遅れ、慌ててしまったのですが、試験に落ちてしまった。くやしぃぃぃ~。(^^)

投稿: | 2008/02/23 13:38:26

今は専門家が分かりやすく一般人に啓蒙書を書くというスタイルの本が本当に多いですね。TVというメディアにしてもそう。茂木先生の書いているように、自ら登攀するというベクトルのほうが大切に感じます。
岩波の講座・哲学が刊行されるのですね。時代に即したモノになっていることを期待します。

投稿: | 2008/02/23 10:55:42

踏み応えのない、糠みたいな大地だと、脚力を出してみたいと思っても、気が抜ける。

階段を一段間違え はずしたような、変な脱力感に襲われたり。

なんでだろう。頂を目指すしんどさより、そのほうが辛いと思う。


現代日本を無視するって、それでも頂をめざすということなんですか。
現代人ですが、がんばりたいと思ってます。

投稿: | 2008/02/23 10:05:27

『岩波講座 哲学』
なつかしいです!
あんまりなつかしくて、
いま本棚から持ってきました。

6巻「自然の哲学」
7巻「哲学の概念と方法」
12巻「科学の方法」
を買って読みました。

1968年12月23日発行 
定価は¥600
となっています。

あの頃を思い出します。

茂木先生のご健康とますますのご活躍を祈っています!

投稿: 河村隆夫 | 2008/02/23 9:56:24

コメントを書く