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2008/01/13

魂の距離

人の性質というのは徐々に
わかってくるもので、
何回も顔を合わせている
人でも、その人の「芯」
が何なのか、なかなか悟れないものだ。

ある時に「はっ」と気付く。
ああ、そうか、この人はそうなのかと
思う。
遡って、いろいろな
ことが明らかになって腑に落ちる。

テレビマンユニオンの花野剛一
さんとは付き合いが長い。

最初はNHKの「科学大好き土よう塾」
でご一緒して、
それからちょくちょく顔を合わせる
ようになった。

新潮社の取材で恐山に行った時には、
花野さんも一緒に来てビデオに
撮っていた。

そのうち、何らかの番組か
DVDかにするつもりらしい。

BS日テレで半年間放送された
『ニューロンの回廊』は、花野さんがプロデューサーとして
企画、制作した番組で、放送時
好評を得た他、光文社から
『芸術の神様が降りてくる瞬間』
として書籍化されている。 

この番組の頃から、花野さんのことを
時折「花野P」(はなのぴー)
あるいは「花P」(はなぴー)
と呼ぶようになった。
ピーはもちろんプロデューサの略
である。

私は、「男は顔で選んでいる!」
と時々冗談で言うが、
実際、私の学問界、出版界、
映像界の友人たちは皆男前である。

その中でも、花野剛一クンは、
ぴか一である。

男前の花野剛一クンの
おそるべき真実を、しかし、
私は、つい昨日まで知らなかった。

つまり、はなぴーの
アタマの中は、「70%以上
ラグビーで出来ている」という
ことである。

二年くらい前から、
「茂木さん、ラグビー行きましょうよ」
「今度の日曜日、いい試合があります」
「来月のこの日の都合はどうですか?」
などと聞いてきた。

はなぴーは早稲田出身で、ラグビーを
やっていた、という認識こそあったものの、
「何だかやたらとラグビーが好きな
人だなあ」と思いつつ、
いつも都合がつかず、
一度もはなぴーの誘いに「イエス」
ということが
できないで来たのである。

昨日の第44回全国大学ラグビーフットボール
選手権大会。

雨の国立競技場で、やっとはなぴーの
ラグビー愛に応えることができた。

「ラグビーは、どんな天候でも
やるんですよ、茂木さん」
とはなぴー。

早稲田の練習を見た。
男たちが雄叫びをあげて、
ぶつかりげいこのような
ものをしている。

「試合直前にこんなにはげしい
ことをやってだいじょうぶなんですか?」
「これは、確立されたメニューで、
こうやって徐々に心拍数を高め、
士気も盛り上げていくのです」
とはなぴー。

グランドに立って、
ラグビーを観戦する前のキモチを
はなぴーが指示する
撮影隊に向かって話した。

試合開始。

記者席から見る。
となりに、はなぴーのパートナー
である佐藤泰子さん(テレビマンユニオン
/お茶の水女子大学)が
座って、いろいろと解説してくださる。

フィールドで撮影を続けるはなぴーから、
時々無線で「指示」が入る。

とにかく寒かったが、そんなことも
忘れてしまう熱戦であった。

ラグビー発祥の地はイギリスだが、
伝説によると、フットボールを
やっている時に少年の一人が
興奮してボールを持って
走り出してしまったのが
始まりらしい。

ラグビー校はパブリックスクールの
名門。
ウィンザー城のふもとにある
もう一つの雄イートン校には
行ったことがあるが、
ラグビー校は目にしたことがない。

「ラグビー校には、芝生の
フィールドが十何面もあるらしいんですよ!」
とはなぴー。

そのラグビー校で発祥した
世界的スポーツは、
制約だらけのルールの中から、
突破し、解放する自由を演出する
魂と肉体の競技であった。

前の方に投げてはいけない
という規則は有名だが、
他にも、ファウルの判定の
時に「アドヴァンテージを見る」
などの独特のルールが
あり、
ラグビーというスポーツを
面白く奥深いものに
している。

試合は早稲田大学が勝つ。
大学選手権で優勝した時に
だけ歌うことが許されるという
「荒ぶる」を選手たちが
合唱した。

泣いていた。

はなぴーのラグビー熱は、
『魂の記憶 ~大学ラグビー06/07シーズン~』
として結実している。

http://www.plus-blog.sportsnavi.com/rugby-m/article/58


はなぴーは、ラグビーの映像作品を
つくっていくことを、ライフワークの一つ
としていくのだろう。

優勝した早稲田大学の
中竹竜二監督と権丈太郎主将の
記者会見が行われていた会場で、
はなぴーとツーショットで
記念撮影。

はなぴーと私の、
魂の距離が近くなった。

1月 13, 2008 at 11:28 午前 |

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コメント

同じく雨の国立で寒かった人間です。茂木先生がラグビーに嵌って早稲田の知将「大西監督」を分析したら面白いんだろうな、なんて勝手に思います。ケンブリッジにいた頃、オックスとの伝統のラグビー定期戦ヴァーシティマッチは見なかったのでしょうか?見ていないことを祈ります…、器の小さい自分では羨ましさで発狂しそうですから(笑)

投稿: | 2008/01/14 3:25:23

私も雨の国立に行ってきました。

ラグビーを見たのははじめてでしたし、細かいルールはよくわからなかったのですが、ラグビーというスポーツの本質的な前向きさに感動しました。

魂が熱くなりました。

投稿: komatsu | 2008/01/13 21:12:16

>そのラグビー校で発祥した
世界的スポーツは、
制約だらけのルールの中から、
突破し、解放する自由を演出する
魂と肉体の競技であった。


茂木さんの言う、偶有性があるのではないでしょうか、ラグビーをちょっとやった事があるのですが、将棋のように動きが決まった所もありますが、それが突然崩れトライの可能性が生まれる。

最近時々、ラグビーボール持って、全力疾走したくなる事があります。(^^)

投稿: | 2008/01/13 18:28:24

大学ラグビーの決勝戦、早稲田大学優勝のシーンをニュースで見ました。

決勝戦を闘って、ついに勝利を手にした屈強な男たちが、感激に全身を震わせ、歓喜の涙を流す姿は、実に感動的だった…。

一人一人の魂の、塊同士の、激しいぶつかり合い。そして必殺のトライ!

私はあまりラグビーの試合は見ないけれど、ニュースで時々そのシーンを見るたびに、嗚呼、これは本当に「魂のスポーツ」だなぁ、と感じる。

花野さんはそんな熱い魂のスポーツが心からお好きなんですね。

早稲田はまた、正月の箱根駅伝でも総合2位に輝いた。
早稲田、本当にがんばってるなぁ。

私ももう少し、ご縁で知り合った多くの人々との、魂の距離を縮めていきたい。

投稿: 銀鏡反応 | 2008/01/13 12:20:08

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