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2008/01/10

しゅっしゅっぽっぽと蒸気を吐きながら

再び、東京工業大学すずかけ台
キャンパスへ。

専攻会議。

学食でお昼ご飯。

味噌カツ丼にした。
新幹線の弁当以外で味噌カツ丼を
食べるのは初めてなり。
美味なものなり。

G3棟の一階で、ゼミ。

基本的にはソニーコンピュータサイエンス研究所
でやっているのであるが、
時にはすずかけ台で開催するのである。

大学の校舎というものは、
独特の自由な風が吹いている。
ゆったりとした時間が
流れる。

その中で、興味深い問題以外のことは
考えない。

まずは、野澤真一クンが
修士論文の発表の練習をする。
基本的には昨年の
Society for Neuroscienceの
時の発表を踏襲して、
「自発性」について、
野澤クンのいう
urgeとfree willの差異
についていろいろと
考察する。

野澤クンの実験パラダイムは
基本的にconstrained spontaneous
processであって、
そのconstraintと、野澤くんの
いうurgeが混合した結果生まれる
tappingの数理について、
まずはcognitiveなmodelをつくる
のが良いのではないかと考える。


衝動について発表する野澤真一クン

つづいて、加藤未希さんが
修士論文の構想発表に向けて、
内容をいろいろと詰めて
くる。

加藤さんはアイデアに溢れて
いて、普通の修士論文の三本分
くらいの研究内容を提案する。

特に皆が興味を持ったのは、
learning by insightにおける
subliminarl primingの役割に
ついての構想で、
そこに議論が集中した。


発表する加藤未希さん

続いて高川華瑠奈さんが、
人と人とのコミュニケーションに
おける「雰囲気」のようなものを
いかに科学研究にできるか
ということを模索する。

意識に上らない閾下の
表情(いわゆるmicroexpressionを
含む)や、相手の行動など、
さまざまな要素を同時並列的、
空間的に把握する結果、
高川の言う「雰囲気」という
ものが表れてくるのであろう。


構想を発表する高川華留奈さん
(鏡に横顔が映り込んでいる)

青葉台にて、専攻の新年会。

同じテーブルについた
村田智先生、山村雅幸先生、
伊藤宏司先生、渡辺澄夫先生、
長谷川修先生、寺野隆雄先生、
郷古学先生とお話する。

終了後、同じビルの中の
「笑笑」で行われていた
研究室の飲み会に顔を出すと、
野澤真一が「ちゃぶ台」をひっくり
返していた。

野澤は、時々「ちゃぶ台」をひっくり
返す。

これはまさに自発性、urgeじゃないか。

噴火やよし。
ボクが大学院生の時に書いた
散文詩のようなものの
冒頭を思い出す。

 どこが始まりで、どこが終わりかわからない空間があった。その暗闇の中に、照り映える一つの青い球が浮かんでいた。球はつやつやと青く輝かしく、内側からほのかな光を出していた。

 青い球のしわしわの皮の上には、一本の赤い線があった。その赤い線の上に、一つの小さな島があった。島は、全体が豊かな緑におおわれていた。緑の大叢林には色とりどりのフルーツがたわわに実り、鳥たちが飛び交い、水晶水の泉がこんこんと湧き出ていた。

 島の中央には、一つの火の山がそびえていた。火の山は、時折さらさらとした真っ赤な溶岩を吹き上げて爆発した。溶岩は幾つもの小さなかたまりに分かれて、緋色に輝く鳥のように島中に舞い散っていく。動物たちは、驚いて、ひゅうひゅうと音をたてて水色の空気の中を飛んでいく赤い火の矢を見る。火の矢は、あちらこちらの泉の中に落ちると、じゅうと白煙を上げて消えた。すると、その白煙の中から、天上の花々のような、胸を甘美な追憶でいっぱいにする芳香が島中に漂うのだった。

噴火こそが人生を支える。
ボクたちは皆しゅっしゅっぽっぽと
蒸気を吐きながら、
残る香りの中で人生を実感
するのだ。

1月 10, 2008 at 09:03 午前 |

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コメント

こんにちわ

巨人の星の父親もよく、ちゃぶ台を返していた。怒りも自発性と考えるなら、感情も自発性だと考えられないだろうか? アシモに感情回路をつければ、自発性が生まれるような、こわいような・・・。(^^)


投稿: しゅしゅぽっぽクオリアby片上泰助 | 2008/01/11 0:37:37

今日の日記にある、散文詩を読むと、情景がまるで絵のように浮かんでくる。

特に噴火の光景は、まさに鮮やかな極彩色の光景として浮かんで参ります。どどどどーん!という音まで聞こえてくるようだ。

どどどどーんと噴火して、火山弾が落ちると、あとからえもいわれぬ芳香が漂うという世界…夢のように不思議で、とても美しい。

茂木博士は、本当に深い詩心のある知性の人なのですね・・・。


自分の中に熱く滾る、マグマのように渦巻く諸々を、私達は何時も抱えているような気が、何時もする。

球には何処かでそれらをどどどーん!と噴き出させないと、人生のベクトルは変わらないのかもしれない。

でも、変な形でそれを噴き出させてしまうと、逆にみんなに「何だあいつは?」と訝しがられるのがコワイ。

「噴火」が「芳香」を放つのは、不条理や不平等、ある種の好い加減さとか、あるいは生命尊厳に反することとか、そういう事柄に途轍もない怒りを覚えたときなのだろう。

投稿: 銀鏡反応 | 2008/01/10 23:04:30

小さなレディーにまなぶこと。

美容室デビュー。
幾分、緊張気味。
最後まで、きちりと
お行儀よく座る。
帰り際は、はにかみながらも「ありがとう」と。
小さなレディーの偶有性にふれた。
女性としての在り方を考える。


1月も10日、(この感覚。あと11回。)
1年なんて、あっとゆうまだ。

噴火。
今年の課題になりそうです。

投稿: 美容師 | 2008/01/10 20:53:44

  
       ~今年の目標~
 
      胸はって、正々堂々噴火する
  
          
    間違っても、ぬるいつぶやきするもんか!
     

     一年のお題をいただきました
      ありがとうございました。
     

投稿: おおはたみやお | 2008/01/10 17:01:28

プロの流儀で拝見した、小野次郎さん、
「しゅっしゅっぽっぽ と蒸気を吐きながら」
みなさまの、凛としたお姿、
年齢で、区切られるものじゃない、
と、平凡な感想ですが、ほんとに、そう思えました。

投稿: F | 2008/01/10 16:50:31

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