2007/12/31
年末年始のテレビ番組のお知らせ
2007年12月31日(月)
NHK総合 第58回 NHK紅白歌合戦
http://www3.nhk.or.jp/kouhaku/
2008年1月1日(火)21時〜23時24分
テレビ東京
たけしの新・世界七不思議
http://www.tv-tokyo.co.jp/nanafushigi2/
2008年1月2日(水)
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
イチロースペシャル
NHK総合 21時〜22時13分
(より詳細な情報は、放送当日に!)
http://www.nhk.or.jp/professional/schedule/index.html

2008年1月3日(木)
NHK教育 22時〜22時58分
『ようこそ! ”アン”の世界へ』
http://www.nhk.or.jp/gogaku/pop-anne.html
12月 31, 2007 at 11:21 午前 | Permalink
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『すべては音楽から生まれる』サイン本
昨日、『すべては音楽から生まれる』
20冊にサインをさせて
いただきました。
本日、
三省堂書店神保町本店
にPHP研究所の丹所千佳さんがお届けし、
店頭に並ぶ予定です。
お求めの方は、三省堂書店神保町本店へ!
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12月 31, 2007 at 10:59 午前 | Permalink
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すべては白い光の中に
人間の脳は一種の「ネオテニー」
(幼形成熟)
であり、だからこそ、ずっと
学び続けることができる。
しばしば、創造的な人は、
ずっと子どもの気持ちを失わない
と言われる。
好奇心を持つとか、
新しいことにチャレンジする
ということ。
最も大切なことは、
良いものを良いと思い、
素敵なことにあこがれる、
そんなピュアな気持ちを持ち続ける
ことではないか。
ピュアであり続けることは
案外難しく、エネルギーのいる
ことである。
ヘタをすると、
生きているうちにだんだん
「澱」のようなものが
たまってきて、
そちらに気をとられて、
純粋なエネルギーを失って
しまう。
そうなってしまっては
もったいない。
他人から「あいつは
単純だ」とバカにされる
くらいでいい。
「オフィス ブラインド スポット」
の平塚一恵さんは凄腕の
public relationsの達人。
その畳みかけるような
プロモーションの仕方を
見ていると、
今まで私たちが仕掛けてきた
出版記念の対談とか、
インタビューとか、ああいった
ものは素人仕事だったと
思えてしまう。
PHP新書
『すべては音楽から生まれる』
のプロモーションを平塚さんが
やって下さっている。
心強い。
三省堂書店神保町本店で、
取材を二件受ける。
平塚さんがテキパキと仕切って
くださり、あれよあれよという
間に事が進んでいく。
引き続きサイン会。
1時間余りで、
97冊の本にサインさせて
いただいた。
東京国際フォーラムで、
「ハルモニア杯音楽コンクール」
の最終審査会。
鈴木慶一さん、小曽根真さん、小田島久恵さん、
山崎芳人さん、野口勉さんとご一緒する。
シューベルトの曲をアレンジした
バンドの演奏を聞く。
「クラッシック音楽」は100年以上の
歳月を経て受け継がれているわけで、
それだけの強度がある。
原曲の強度にアレンジがどれくらい
対抗できるか。これは
難しい課題である。
ヘタなアレンジでは、
原曲の純度に負けてしまう。
しかし音楽は不断に変化も
しなければならない。
そうでないと、生命が
枯渇してしまう。
それぞれ工夫を凝らし、
力のこもった演奏は素晴らしかった。
入賞者には、ラフォルジュルネ
2008出演へのエントリー権が
与えられた!
『すべては音楽から生まれる』
と
『脳を活かす勉強法』
の打ち上げ。
『すべては音楽から生まれる』
は、横田紀彦さんと丹所千佳
さんがご担当くださり、
大場葉子さんが素晴らしい文章に
して下さった。
『脳を活かす勉強法』
は木南勇二さんがご担当下さった。

木南さんと芸大大浦食堂で撮った写真。
木南さんは今では温厚な紳士だが、
高校のときは尾崎豊で、
1年で中退、バイクをぶっとばし、
骨が飛び出す大けがをした。
その後
大検ー>大学ー>PHP研究所
ー>仕事のできる温厚紳士編集者
と変遷する。
いやあ、人は見かけによらない。
つまりは、生命の本質は「更新」
ということですね。
人は何度でも生まれ変わることが
できる。
ハルモニア杯の審査を終え、
発表をすべくバックステージで
待機しているときから、
ある問題が気になって、
ずっと虚空を見つめてそのことを
考えていた。
未来は私たちに何をもたらすか。
人は何度でも生まれ変わることが
できる。
そんなことを考えていると、
すべては白い光の中に包まれた。
12月 31, 2007 at 10:45 午前 | Permalink
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2007/12/30
(本日)ハルモニア杯音楽コンクール
ハルモニア杯音楽コンクール
バンド・アレンジ部門
最終公開審査会
ゴールデンウィークに100万人が集まる国内最大の
クラシックの祭典、「ラ・フォル・ジュルネ『熱狂の日』
音楽祭2008」への出場エントリー権をかけた
「ハルモニア杯音楽コンクール」の最終公開審査会を行います。
2007年12月30日(日)
13:00〜
東京国際フォーラム
展示ホール特設ステージ
http://www.t-i-forum.co.jp/harmonia/contest/sub_06.php
http://www.t-i-forum.co.jp/harmonia/contest/sub_04.php
12月 30, 2007 at 09:01 午前 | Permalink
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布施英利 × 茂木健一郎 対談 ポッドキャスト
クラブキングの新堀さんからいただいたメールです。
*************
本日は、dictionary119号でも掲載させて頂きました、
布施英利さんとの対談がポッドキャストでも配信となり、
ご報告させていただきました。
今回、映像版と音声版がございます。(各全6回)
http://www.clubking.com/news/
たいへんご多忙と存じますが、ぜひご視聴くださいませ。
また、茂木さまのファンのみなさまにもぜひご視聴いただきたく、
よろしければクオリア日記にて、ご案内を頂けると幸いに存じます。
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TALK dictionary
茂木健一郎×布施英利 公開対談
ついに再開。脳科学者・茂木健一郎をホストに、
さまざまな分野のいろいろな方を招いての好評対談シリーズ。
このたびのゲストは、美術評論、東京芸術大学准教授の布施英利さん。
真の芸術作品の秘密とはなにか、
アーティスト、クリエイターの作品、世界との対峙の仕方など、
創作を考える上でのたくさんのヒントがちりばめられた対談となりました。
(映像版と音声版を各全6回構成で配信中)
http://www.clubking.com
http://www.clubking.com/news/
この対談を掲載したdictionary 119号(12/10発行)
も配布中
http://dictionary.clubking.com/

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紅白歌合戦、楽しみに拝見致します!
年内も、また年明けもたいへんにご多忙と存じますが、
どうぞお身体を大切にお過ごしくださいませ。
来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
+++++++++++++++++++++++++++++++
株式会社クラブキング
新堀桂子 keiko niibori
12月 30, 2007 at 08:46 午前 | Permalink
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6年ぶりの彗星軌道が重なったことが
朝から夜まで移動しながら
ずっと仕事。
途中、30分ほど車の中で
待機する時間帯があった。
パソコンを取りだして
仕事をしようとしたが、
いつの間にかうとうとと。
眠りは常に良き友だちである。
昔、塩谷賢と通った
「魚徳」の御主人、島名辰彦
さんが現在腕を振るう
「ダイニング ひかり」
にて、あんこう鍋の
忘年会をする。
花野剛一さん、佐藤泰子さん
田谷文彦さん、阿部ちゃん
金寿煥さん、北本壮さん、
池上高志さん、大川繁樹さん、
植田工さん、白洲信哉さん、
鈴木芳雄さん、大島加奈子さん、
河村隆夫さん、佐々木厚さん
大場旦さん、大場葉子さん
桑原茂一さん
がいらしてくださる。
宴も終盤。
メインテーブルから少し離れた
奥のテーブルで、
花野剛一さんと島名辰彦さんは、
佐々木厚さんの仲立ちで
硬い男の握手を交わしたのであった。

魚徳のオヤジと会うのは、
6年ぶりであった。
アンキモも6年ぶり。
あんこう鍋も6年ぶり。
宴にいらしてくださった方々とは、
仕事などの関係でいつもお目にかかって
いるが、
その軌跡の交錯と、6年ぶりの
彗星軌道が重なったことが、
不思議な感触として残り、
そのカレイドスコープの
ような模様をじっと見つめていた
夜だった。
いらしてくださった方々、
ありがとうございました。
そして、魚徳のオヤジ、ありがとう。
鈴木芳雄さんのブログ「フクヘン」には
宴の模様が見事な合成写真とともに
リポートされています。
http://fukuhen.lammfromm.jp/2007/12/post_250.html
12月 30, 2007 at 08:37 午前 | Permalink
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2007/12/29
巨いなる循環
東京証券取引所にて、
年末恒例の「大納会」の
記念打鐘をさせていただく。
常務執行役員の
浦西友義さんに
お話をうかがう。
すべてが電子化されている
取引所。
フロアにいる方々の
大切な任務は、
異常な値動きがないか、
不適切な取引が
行われていないか
見守っていて、
何か動きがあれば
必要な処置をとることだという。
1秒違っただけで大きな
影響がある。
即応することが求められる。
そこにあるのは、一つの
アスリートの世界である。
鐘は五回打つ。
「五穀豊穣」を願ってとのこと。
東京証券取引所に
自分の会社が上場でもしなければ
打つことができない。
貴重な機会である。
余韻があるから、それを十分に
味わってから打ってくださいと
言われた。
心を込めて打つ。硬い、
しっかりとした手応えのある
打ち心地だった。
続いて大納会のセレモニー。
東京証券取引所社長 齋藤淳
さんのご挨拶に続いて、
私が短くお話させていただいた。
手締めは、「三本締め」。
めでたく今年の取引がお開きと
なった。
続いて、ソニーコンピュータサイエンス
研究所の綾塚祐二さんと、
ソニー広報の滝沢富美夫さんに
ご協力いただいた
「アハ体験」のコーナーをする。
ちょうど、小学生たちが見学に来ていて、
何人かが壇上に上がってやりとりをしたり、
来場されていた一般の投資家の方々と
会話をしたりして、楽しい時間と
なった。
<記念の打鐘>
http://eyevio.jp/movie/86327
<ご挨拶>
http://eyevio.jp/movie/86331
移動して、
「脳と美」についての研究会。
美を客観的に定義しようとすることと、
主観的体験の方から探ること。
二つのアプローチが交錯するところに
スリリングな領域がある。
ソニーコンピュータサイエンス研究所。
東京工業大学の学生たちと、いろいろ
議論。
柳川透、関根崇泰と話しながら
歩く。
歳末の街の風情が心に沁みる。
五反田の「あさり」にて、小俣圭
くんの送別会。
小俣君は博士号を取得し、1月から
国立精神・神経センターの本田学
さんの下で新たなチャレンジをすることと
なった。
本田さん、小俣君をよろしくお願いします。
小俣君、がんばってね。
「初任給で何を買うのか?」
と聞いたら、小俣が、
「ダイヤモンドを買います」
と言ったので、皆が「うぉー」
と反応した。
「給料の三ヶ月分か?」
と誰かが言ったが、そういう
ことではなかった。
「ぼくが小学生の時、新聞の折り込み
か何かで、ダイヤモンドの広告があり、
それを見て、母親に、ぼくがダイヤモンド
買ってあげるよ、と言ったらしいんですよ。
おぼえていなかったんですけど、
中学生になった時に、母親に
こんなことがあったんだよ、と言われて、
それで、初任給をもらったら、
母親にどんな小さなものでもいいから
ダイヤモンドを買ってあげようと
思っていたのです。」
そのやさしさがうれしい。
そんな気持ちを忘れないで
いれば、これから絶対だいじょうぶ。
送別会を途中で抜けて、
白洲信哉主催の忘年会に向かう。
白洲明子さん、白洲千代子さん、
MIHOミュージアムの金子直樹さん、
瀬津雅陶堂の瀬津さんご夫妻、
家庭画報の押鐘裕子さん、電通の佐々木厚さん、
陶芸家の川瀬忍さん
などが同席。
信哉さんは、私が大好きな
熊谷守一の「喜雨」をかけて
下さっていた。
すっぽんも美味しかったし、
会話も面白かった。
お猪口もお酒も味わい
が深く。
素敵な時間をありがとう。
帰りは雨がざあざあ降っていた。
雨に濡れる街は
トランスフォーメーションした
ようで。
その雨を運んできたのは、
大気の中の巨いなる循環。
海から立ち上り、
風で運ばれ、やがて
地上に降りる。
お金も、雨も、人々の
思いも巡り運ばれていく。
自分が因果の連鎖の中に
つながっていることを
想う。
12月 29, 2007 at 11:24 午前 | Permalink
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2007/12/28
考える人 新連載 偶有性の自然誌
新潮社
「考える人」 2008年冬号
本日(2007年12月28日)発売
追悼特集
さようなら、こんにちは
河合隼雄さん
エッセイ
茂木健一郎 人生を何倍も経験して
新連載 茂木健一郎
偶有性の自然誌
第一回
「わからない」から始まる

http://www.shinchosha.co.jp/kangaeruhito/mokuji.html
「考える人」は、『脳と仮想』
のもととなった「仮想の系譜」
が連載された、私にとって
大切な雑誌です。
今年、大切な方、河合隼雄先生が
亡くなりました。
河合先生の追悼特集に、
エッセイを謹んで捧げました。
新連載『偶有性の自然誌』
が始まります。
現時点でのありったけを、
全力投球する覚悟です。
12月 28, 2007 at 09:00 午前 | Permalink
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『欲望する脳』 4刷
集英社新書
茂木健一郎『欲望する脳』
は、増刷(4刷、累計43000部)
が決定しました。
ご愛読に感謝いたします。
編集を担当してくださった
鯉沼広行さんからメールをいただき
ました。
茂木健一郎様
お世話になっております。
『欲望する脳』の重版が、また決定いたしました。
刊行後約ひと月で4刷になっております。
累計は43,000部になります。
紅白歌合戦の審査員になられて、
年末年始もお忙しそうですね。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
鯉沼広行拝
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12月 28, 2007 at 08:03 午前 | Permalink
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心穏やかにワンタン麺を食べる
どんな国に住んでいる人でも、
その国を襲うやっかいな情勢から
逃げることはできない。
典型として挙げられる
大きな国は、どこも、
それぞれ面倒な問題の一つや
二つは抱えている。
ブット元首相が暗殺された
パキスタンの人々にとっては、
まさに人ごとではなく、
逃れようのない情勢が
これから続く。
自分自身の身体からもまた、
逃れることはできない。
たとえば肝臓が反乱を起こしたり、
心臓が不調になったりと
いったことになれば
とにかく我慢して付き合わなければ
ならない。
今のところ、自分の身体から
逃れる術はない。
国との関係も、本当はそれに
似ている。
高校の頃など、生意気盛りで、
「進歩派」の友人と
「いざとなったら亡命すりゃあいいさ」
などと嘯いていた。
「どこに亡命しようか」
「オレはドイツがいいな」
「オレはアメリカにしよう」
などと言い合っていた。
今となっては、そんなに簡単な
ことじゃないという
くらいもちろんわかっている。
国民である前にひとりの人間であり、
大きな青空の下、どこにでも
好きに歩いていけるはずだが、
しかしできることならば
自分の住む国がまともで
あってくれた方がいい。
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の打ち合わせ。
歌舞伎役者 板東玉三郎さんの
回。
取材VTRを見ながら、
当日の質問事項を考え、確認する。
会話というものは
その場で流れていき、その中で
深まっていくものだが、
おおまかな枠組みのようなものを
つかんでおくのである。
言うまでもなく、玉三郎
さんは「女形」である。
住吉美紀さんは、玉三郎さんの
舞台を見て、
「こんな女の人のそばに
ずっといたい」
と、ハートマークが二つ
(つまり、両眼がハートで
ぴこんぴこんいっているという
状態ですね)になったという。

玉三郎さまに見入る住吉美紀さん

取材をした本間一成ディレクターも見入る。

山口佐知子さんと、河瀬大作さんも
熱心に見入る。
有吉伸人さんと局内の「ばらえ亭」
でご飯を食べる。
ぼくは、いつまで立っても「ばらえ亭」
のことを「麺亭」だと思いこんでいる。
それで、店について、看板を見て、
「ああそうだ、本当はばらえ亭だった」
と毎回ビックリするのだ。
別に、「メンテイ」が身体にしみこんでいる
というわけではない。
そもそも
「免停」になったことなどないのに、
ラーメンのお店なので、そう思って
しまうのだろう。
ばらえ亭に行くと、かならず
ワンタン麺を食べる。
たまには他のものを注文しようと
しても、ついついワンタン麺にしてしまう。
とにかく美味しいのだ。
一方の有吉さんは、チキンが大好きなので、
ついつい鶏の唐揚げ丼を頼んでしまう。
ワンタン麺、鶏の唐揚げ。
それぞれの好物が、目の前に揃いました。
いただきます!
つるつるとしたワンタンが口の中を
すべり落ちていくと、ああ、幸せを
感じてしまう。
心穏やかにワンタン麺を食べる
ことができる国に住んでいる。
その幸運に感謝する。
12月 28, 2007 at 07:45 午前 | Permalink
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2007/12/27
第58回NHK紅白歌合戦
12月 27, 2007 at 09:48 午前 | Permalink
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十字屋午後のサロン
十字屋午後のサロン
東京・銀座・十字屋
「感動する脳」
2008年2月20日(水)14:00〜
http://www.jujiya.co.jp/event/salon.html
12月 27, 2007 at 09:47 午前 | Permalink
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すべては音楽から生まれる サイン会
12月 27, 2007 at 09:44 午前 | Permalink
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懺悔と決起
狂気とは「作品の不在」であると
フーコーは言う。
正気を特徴づけるものが、
社会の中で流通し、受容される
なんらかの有形物であると
すれば、
そのような精神運動の出口を
持たないのが狂気というもの
なのだろう。
だとすれば、どんな人の
中にも狂気の原形質はある。
出口を持たぬ忿怒の気配は
誰の中にもあるのだ。
だからこそ、実際的な操作や
道具立てに落とし込むことが
必要である。
漠たる野心や夢を抱き、
しかし具体的に何をしたら
良いのかわらかぬ若者の
Sturm und Drangは、
それだけでは狂気に近い。
意識の謎を解明したり、
時間の流れの不可思議を
探究しようとする試みは、
具体的な道具立てから離れる
時、狂気に近くなる。
ロマンティック・サイエンスや、
哲学に慣れ親しんでいる者は、
皆、狂気に友だちとして
の感情を抱いている。
そこに、自分がそうであるという
「メタ認知」があることで、
安定が保たれているのだ。
汐留の
日本テレビで『あらすじで楽しむ
世界名作劇場』の収録。
所ジョージさん、西尾由佳理さん、IKKOさん、
スザンヌさん、田中要次さん、渡辺正行さん、
勝俣州和さん、麒麟の田村裕さん、川島明さん、
ケンドーコバヤシさん、榊原郁恵さん、
千原ジュニアさん、にしおかすみこさん、
ボビー・オロゴンさん。
2008年1月14日
20:00〜21:48
に放送予定。
渋谷で、NHKの『プロフェッショナル
仕事の流儀』班の忘年会。
番組が始まった頃、河瀬大作デスク、
私とともに「極悪」三兄弟を
名乗っていた小池耕自さんは
その後「NHKスペシャル」へと
移ったが、
今宵ばかりは、とかけつけて
くださった。
撮影、音声、SE、編集・・・
各セクションの方々がこの一年を
ふり返った後、
デスクの河瀬大作さん、山本隆之さん、
細田美和子さん、柴田周平さん
が挨拶し、
私がひと言お話して、
最後にチーフプロデューサーの
有吉伸人さんがきわめて
面白い「懺悔と決起」のスピーチをした。
番組が始まって二年。
プロフェッショナル班は熱い。
周囲から、「あの人たちはあんなに
忙しいのに、なぜあんなに楽しそうなんだろう」
と不思議がられつつ、
プロフェッショナル班の人たちは熱い。
最も良質の表現は、「狂気」
が「作品」に結実した時に生み出される。
そして、それは、一つの命がけの
暗闇へのジャンプなのだ。
「懺悔と決起」が、それを促す。
12月 27, 2007 at 09:04 午前 | Permalink
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2007/12/26
脳と日本人 増刷
松岡正剛 茂木健一郎
『脳と日本人』 文藝春秋
は増刷(2刷、累計一万部)
となりました。
ご愛読に感謝いたします。
文藝春秋の大川繁樹さんからの
メールです。
茂木健一郎様
先日はお疲れのところ、「脳と日本人」の
打ち上げにおいでいただき、ありが
とうございました。
発売からちょうど一週間目の今日、増刷が
決まりました。2000部増刷で、
累計1万部です。私としても、かかわった
本での初めての増刷で、たいへんうれ
しいです。
ありがとうございました。
文藝春秋・大川繁樹拝
大川さんは長年『文學界』編集部
にいらして、編集長もされ、
最近書籍編集の部門に移られた、
「モーツァルト」への愛で
結ばれた盟友です。

http://www.bunshun.co.jp/book_db/3/69/71/9784163697109.shtml
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12月 26, 2007 at 08:46 午前 | Permalink
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黒ポン
東京大学情報学環教授の
佐倉統さんと、「科学という
文化」についてお話しする。
佐倉さんは
科学未来館の活動にさまざまなかたちで
参画されていて、
ウェブサイトdeep scienceを監修、同サイトで
ブログも書かれている。
日本にはヨーロッパ的な意味での
科学の文化が根付いていないと
言われて久しい。
日本が遅れているという言い方は
当然のことながら成立するとして、
日本独自のユニークな科学のあり方は
ないのか、というのが佐倉さんの
問い。
科学と、そのコミュニケーションの
あり方を巡って、たっぷりと
お話した。
現状を固定して考える
べきではない。
佐倉さんによると、今すぐれた
popular scienceの文化を持つイギリスも
また、ヴィクトリア朝時代は
科学コミュニケーションにおいて
見るべきものを持たなかったのである。
科学未来館の方々を交えてさらに、
日本のpublic understanding of science
の将来の姿を探る。
NHKエデュケーショナルの
近藤浩正さん、植木豊さんと
NHKの西口で待ち合わせ。
局内の喫茶店「丸コア」にて、
科学に関する表現の可能性について
お話する。
近藤さんのアイデアは、きっと
大きく実を結ぶことだろう。
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の生放送に向けての準備。
住吉美紀さん(すみきち)は
「生放送の女王」。
今まで何回生放送をしてきたのかと
言えば、100回は下らないと
住吉さん。
ぼくは「MC」という立場での
生放送は初めてである。
「始まってしまえば、時間が
来たら終わる」とは言うものの、
始めるまでの準備が大変。
大坪悦郎さん、細田美和子さんを
はじめとするコードネーム
「祭り班」の方々が、
用意周到な事前の作業を積み重ねて
来られた。
軽井沢の星野佳路さん、
東京の杉野英実さんと結んでの
中継。
視聴者の方々との「人生相談」の
やりとり。
ジングルベルなどの音楽の
送出のタイミング。
副調整室には、いつもにも
増してたくさんの方々がいて、
連絡、切り替え、指示に
携わった。
あとは、ボクと住吉美紀さんが
がんばるだけ。
住吉美紀さんが黒地に白抜きの
文字のパネルを持ち、
「ポーン!」という音とともに
引く。
(コードネーム「黒ポン」)
その瞬間に始まり、58分間。
「今、ここ」で起こっていることが、
同時に電波に乗って全国に
届けられているという、
静かで熱い興奮を味わった。
「才能とは、努力を継続する力である」
という流儀が投票で一位となった
羽生善治さんがゲストでスタジオに
いらっしゃる。
羽生さんや住吉さんと一緒に
濃縮した時間を楽しんだ。
放送終了後、羽生さんを囲んで
スタッフ皆で記念撮影。

みなさん、お疲れさまでした!
住吉美紀さんが
紅白の総合司会の準備で
プロフェッショナル班の忘年会に
来られないかもしれないので、
すみきちを囲んで
「お疲れさん」の会。
有吉伸人さんや、山本隆之さん、
河瀬大作さんをはじめ皆さんと
「わははは」「うふふふ」
と笑い、「無礼講」の悦ばしき
エネルギーに満ちた良い時間が
過ぎていった。
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の初めての生放送の心地よい余韻の中で。
12月 26, 2007 at 08:32 午前 | Permalink
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2007/12/25
Abundant Ichiro
Abundant Ichiro
The Qualia Journal
25th December 2007
http://qualiajournal.blogspot.com/
12月 25, 2007 at 07:38 午前 | Permalink
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プロフェッショナル 仕事の流儀 クリスマス・スペシャル
プロフェッショナル 仕事の流儀 クリスマス・スペシャル
英国に住んでいた頃、毎年この時期には
「クリスマス・スペシャル」が
放送されていた。
いつもとは少し雰囲気の異なる、
ちょっと浮き立った気分の、
そして何よりもgoodwill(良き意志)
に満ちた楽しい時間。
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
もクリスマス・スペシャルを迎えました。
しかも、初めての「生放送」
しかも、放送時間を58分に拡大。
プロフェッショナルの現場とを結ぶ
生中継や、
視聴者の方とのライブでのやりとりも
あります。

NHK総合
2007年12月25日(火)22:00〜22:44
http://www.nhk.or.jp/professional/
すみきち&スタッフブログ
12月 25, 2007 at 06:53 午前 | Permalink
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バッハのオルガン
教義の一部に心情的に
共鳴することはあるが、
今まで、特定の宗教の
「この後をついて行こう」
と思ったことはなかった。
それでも、街中を歩いている時、
すなわち、地球というこの巨大な
岩塊の表面を這っている時など、
「おい、これはどう考えても
不思議だぞ」と思うことはある。
137億年前にビッグバンで
宇宙が誕生し、その後、
軽い元素から重い元素へと
進化してここに至る。
生命が誕生し、多細胞となり、
やがて意識を持ち、思考能力を
持ち、宇宙とは何ゾや、
自分たちは何ものであるかと
悩む人類が誕生する。
これは、よくよく考えると
おかしいぞ。
この精緻な宇宙が
ここに存在するということ自体が、
一つの不可思議なことである。
「理神論」(deism)では、
神は宇宙の創造のみにかかわるの
であって、いったん宇宙ができて
しまえばあとは介入しないのだと
考えた。
17世紀オランダの哲学者
スピノザは神はすなわち自然である
(deus sive natura)とした。
すなわち、スピノザは
人格神や、神が奇跡や懲罰を
もって介入するという考え方を否定した。
スピノザの立場は、現在の
自然科学的世界観と整合性が
高い。
素粒子だけで出来ている
はずの私たちもまた自律的な主体性を
持ち、意識を持つ(という幻想を抱く)
という点に鑑みると、
果たして「神即自然」の理神論は
宇宙そのものたる神の人格の可能性を
払拭しきれるのかどうか、
本当のところはわからぬ。
そうだ、数日前にバケツに
水をくみ置きしたのだと
思い出した。
ベランダの水そうに水を足したら、
メダカが驚いて上がってきた。
それで、藻以外の何ものかが
生きているのかどうか
わからなかった小さな生態系の
中にちゃんとメダカが冬越ししている
ことがわかった。
メダカ水そうを見たあと、近くの
公園を歩いた。
あんなにたくさんアメンボや
メダカが溢れていたビオトープは
さびしい風景。
木々の葉は落ち、
寒風吹く斜面には自ら動くもの
の姿もない。
しかし、生命の線は
どこかで維持されている。
神即自然ならば、私自身も、
メダカたちも、藻も、あるいは、
地球の内部でずっと動けないでいる
岩塊も、神の一部であるはずだ。
キャラメルの口溶けも、
砂つぶも、しゃぶしゃぶのたれも
神の一部であるはずだ。
そう考えていると、バッハの
オルガンが聞こえてきたよ。
やることがありすぎて呆然と
するが、砂山を端から取り崩して
いくしかない。
砂一粒もまた神であるはずだから、
ぼくは今朝神と戯れる。
12月 25, 2007 at 06:43 午前 | Permalink
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2007/12/24
自分の感覚を信じること
ヨミウリ・ウィークリー
2008年1月6日・13日号
(2007年12月22日発売)
茂木健一郎 脳から始まる 第85回
自分の感覚を信じること
抜粋
イチローさんは、自身の中に一頭の「龍」を飼っている。間近でたっぷりとお話して、私はそのことを確信した。内なる「怪物」の制御があまりにも見事なために、私たちはそこにクールな求道者を見てしまう。しかし、求道者であれば、イチロー選手になれるわけではない。「過剰」を刈り込んで整えることはできるが、何もないところからエネルギーを無理に引き出すことはできない。
もともと過剰を内に秘めている者だけが、鍛錬の末に凛と張り詰めた動きを現出することができる。イチロー選手は、極めて精巧に制御された「龍」なのである。
全文は「ヨミウリ・ウィークリー」で。
http://info.yomiuri.co.jp/mag/yw/

12月 24, 2007 at 09:46 午前 | Permalink
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小野二郎さん
12月 24, 2007 at 09:41 午前 | Permalink
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お客様コーナー
12月 24, 2007 at 09:39 午前 | Permalink
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ドラマトゥルギーにおける「アンビバレンツ」
黒澤明の『生きる』で
秀逸なのは、
胃ガンで余命いくばくもない
ことを知り、生きる希望を失った
志村喬演じる市民課長が
部下の小田切とよ(小田切みき)
とレストランで対話する場面だろう。

「こんなもんでも作っていると
楽しいわよ。私これ作り出してから
日本中のあかんぼうと仲良しに
なった気がするの。ね、課長さんも
なんかつくってみたら?」
と小田切がうさぎのおもちゃを見せる。
志村は、うつむいたまま
「役所で一体、何を」
とつぶやく。
「そう、あそこじゃむりね。
あんなところやめて、どこか」
「もう遅い」
志村は黙り込み、音楽だけが
なり響く。
突然、志村は小田切の方を見て
にやと笑う。
恐ろしくなって、小田切は身体を
避ける。
「いや、おそくない。やればできる。ただ、
やる気になれば。」
志村の表情は一変し、異様な
力と光に満ちる。
そして、うさぎのおもちゃを
掴むと、無我夢中で階段を下りていく。
向かいの部屋では、学生たちが
パーティーをやっている。
その様子を、先ほどから
小田切はちらちらと見ていた。
あのように若い人どうして楽しんでいる。
私はこんな老いぼれと・・・
志村が階段を下りると、ちょうど
主役の女子学生がやってきた。
学生たちが階段の上に立って、
一斉に「ハッピーバースデー
トゥー ユー」
と歌い始める。
その歌に送り出されるように、
しかし、学生たちには全く気付かず、
おそらくは耳にも入らず
志村は階段を下りる。
人生は始まったばかりであり、
これから花咲く者たちと、
もはや残された時間が少ない者。
二つの運命が交錯し、
それとは知らずに
一つの歌で結びつけられる。
その感動は、世界の認識者の
戦慄なのだ。
ドラマトゥルギーにおける
「アンビバレンツ」。
黒澤明の映画は、最良の場合、
古代ギリシャやロシア文学、
あるいは日本の古典芸能に見られる
ような骨太の力動を感じさせる。
一つの拡大された形式美。
その精神運動の数理は、いつかは
きっと解明される日が来るのだろう。
心脳問題の一部分であると同時に、
厳粛たる精密科学の課題である。
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の収録。
食堂の横で
サンドウィッチを買って、
さっちん、こでりんと食べた。
歳末は、なんだかふわふわするなあ。
音楽美は素晴らしいが、
どこかで生の軌跡とつなげて
担保しないと、浮遊してしまう
ことがある。
ドラマというものを見据える
必要がある。
リヒャルト・ワグナーの
Poetry is the reason for music.
And drama is the reason for both.
という言葉を時々思い出して、
自分の人生をふり返るのだ。
12月 24, 2007 at 09:38 午前 | Permalink
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2007/12/23
きらきらと流れる
いちばん最初に
セーラ・マリ・カミングス
に会ったのは、2006年3月3日の
ことだったというが、
どうももっと前のような気もする。
セーラがジョセフと結婚するというので、
電通の佐々木厚さんと長野新幹線に
乗った。
天丼を食べて、すぐに眠った。
着いた。寒かった。
原研哉さんがいた。
原さんも、セーラの結婚式に
行くのだという。
桝一酒造の界隈は、相変わらず
美しかった。
客殿もできた。
蔵部もオープン。
セーラとジョセフが和服を着て
にこにこしている。
セレモニーが始まるには
まだ間がある。
市村次夫社長が案内してくださって、
客殿の中を見た。
原さんが宿泊する部屋を見学。
ライブラリーがある。
素敵な空間。
原さんや佐々木さんは泊まるが、
ボクは仕事があるので帰らなくちゃ
ならないのだ。
会場に戻る。
たくさんの人で、ボクたちは
声だけ聴いた。
佐々木厚さんと原研哉さんも耳を
澄ませている。

オブセッションに参加した人
代表でスピーチしたときだけ、
様子が見えた。
中庭に出て、鏡割りがあった。
ジョセフがお得意のバリトンを
披露した。
セーラが聴き入る。
麗しい光景。

続いてご馳走となった。
蔵部で、語り合う。
「お色直し」をしたセーラが
来て、いろいろな人と写真を撮った。
ボクも佐々木さんに撮っていただいた。

夜のとばりがおりた。
メタセコイアの巨木が愛しい。
クリスマスのときに、葉が落ちて
しまうのだと市村社長言われていたが、
そのちょっと弱いところが
またカワイイじゃないか。
皆でキャンドルを持って、
歌をうたった。
そうしたら時間になって、
市村社長のジャガーで
長野駅への人となった。
佐々木さんが一緒にいらした。
帰りは佐々木さんと市村社長が
懇談したことだろう。
セーラ、ジョセフ、おめでとう。
末永くお幸せに!
帰りの新幹線も熟睡した。
たまっていた睡眠に追いついた。
時間が、まるで
シャガールの『私と村』のような
不思議な印象で
きらきらと流れる。
そんな一日。
12月 23, 2007 at 09:27 午前 | Permalink
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「おじさん温泉」の真実
先日
たけちゃん(筑摩書房 増田健史)と
オオバタン(NHK出版 大場旦)
と出かけた
「おじさん温泉」の
写真を掲載イタシマス。

真剣なる議論を交わすオオバタンとたけちゃん

オオバタン近影

いつものようにタオル頭になったたけちゃん

おいたをするたけちゃん

翌日。帰りの電車の中で沈思黙考
12月 23, 2007 at 09:05 午前 | Permalink
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2007/12/22
『すべては音楽から生まれる』2刷
PHP新書
茂木健一郎 『すべては音楽から生まれる』
は増刷(2刷、累計25000部)
が決定しました。
ご愛読に感謝いたします!
PHP研究所の丹所千佳さんからの
メール
こんにちは。
いつもお世話になっております。
今日は増刷のお知らせです。
おかげさまで、『すべては音楽から生まれる』
の重版が決定いたしました。
この本で茂木先生が語られていることが、
クリスマスプレゼントのように幸福な調べとなって、
一人でも多くの読者の方々のもとで鳴り響いたら
いいな、と思っています。
amazon

12月 22, 2007 at 09:53 午前 | Permalink
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『クオリア原理主義』
石川哲朗
(東京工業大学大学院 修士課程 茂木研究室)
『クオリア原理主義』
(Radical Qualia Fundamentalism)
2007年度 The Brain Club Xmas Special グランプリ
(茂木研究室が年に一回開催する「作品」
の上演コンペで優勝しました)
youtube動画
http://jp.youtube.com/watch?v=BKqWZXqrWAk

12月 22, 2007 at 09:47 午前 | Permalink
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酒屋の小僧さんと椿三十郎
リメイクの『椿三十郎』
の告知をいろいろなところで見る。
それにつられて、「本家」の
黒澤明の『椿三十郎』が見たくなった。
通して見る時間などないが、
ちょっとかけていると、
「速さ」が印象的である。
ストーリー展開も速いし、
三船敏郎の動きも速い。
『用心棒』はもっと速い。
ぱっぱっぱっと動いて、
物事を片付けて、「あばよ」
と去っていく。
ミシュランの三つ星に輝いた
すきやばし次郎の小野二郎さんは、
82歳とは思えない速さで
寿司を握る。
「生きものとしての元気さ」
と「速さ」は大事である。
谷川浩司第十七世名人の「光速の寄せ」も
そうだが、ここは一つ
ぱっぱっぱっと行こうヨ。
NHKで「プロフェッショナル 仕事の流儀」
クリスマス・スペシャルの打ち合わせ。
その様子は、すみきち&スタッフブログ
に詳しい。
元気にやっています。みなさま、
12月25日午後10時をお楽しみに。
天王洲アイルで『たけしの新・世界
七不思議』の収録。
北野たけしさんのぎりぎりの
線をねらった危険球の連続を
堪能する。
市川森一さんに初めておめにかかる。
荒俣宏さん、織作峰子さん、鶴田真由さん、
大江麻理子さん。
2008年1月1日放送予定。
NHKで「プロフェッショナル 仕事の流儀」
のイチロースペシャルの回の試写、記者会見。
住吉美紀さん、有吉伸人チーフプロデューサー、
堤田ディレクターと一緒に質問にお答えする。
鈴木芳雄さんのブログ『フクヘン』
でレポートしてくださいました!
http://fukuhen.lammfromm.jp/2007/12/post_241.html
移動中は相変わらず手元の仕事を
している。
少しでも間が空くと、必死に
考える。
クラスターと同時性と消滅と。
朝日カルチャーセンター。
今年最後の「脳とこころを考える」
の授業。
ふり返ると、北野たけしさんの
生きものとしての元気さ、
そして速さは尋常ではなかった。
番組の冒頭の台詞を言う
ためにスタジオに立っているとき、
カメラが回るまで
タップダンスのように小刻みに
足を動かしている、
その後ろ姿のシルエットが
脳裏に鮮明である。
元気で動き回っていれば、
この世界は何とかなるんじゃないか。
酒屋の小僧さんが、「へいへい」と
言いながらかけずり回っている。
忙しく働いている。
そんなイメージ。
そういう気持ちを忘れなければ、
どんな世界でもなんとかなるんじゃないか。
むかしは、1月16日と7月16日
の二回の藪入り以外は休みはなかった。
ボクも、それくらいの休みくらいは
とれそうだ。
酒屋の小僧さんと椿三十郎が
つながった。
12月 22, 2007 at 09:42 午前 | Permalink
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2007/12/21
(本日)朝日カルチャーセンター ー脳と行動ー
12月 21, 2007 at 06:41 午前 | Permalink
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申し合わせたように青く
護国寺の講談社。
将棋の矢内理絵子・女流名人
とお目にかかる。
矢内さんは講談社から本を出される
予定で準備を進めていて、
今回の対談はその中に収録
されるとのこと。
思い起こせば、講談社に最初に
行ったのは、小沢久さんが
学芸にいらした時だった。
『心が脳を感じるとき』(1999年)
の打ち合わせで訪れたのだった。
あれから、小沢さんはブルーバックス編集部
に移り、
そして講談社の編集部門はほとんど
隣りに出来た新社屋に入った。
今回矢内さんの本を担当
するMOURA
http://moura.jp/
は、クラッシックな様式感が漂う
旧社屋に入っている。
デジタルの最先端が古い社屋に
入っているというのが面白い。
矢内さんは対局中クールで、
「笑顔を撮るのが難しい」
と取材記者に言われている
のだそうである。
しかし、内面は実は大変起伏が
烈しく、ただそれを
表面に出さない。
自分の感情の動きを
相手に悟られてはいけない。
そうなると、不利になる。
役者は、「感情を売り物にする
商売」と言うが、矢内さんも同じように
大きな感情の波の中で将棋を打つ。
ただ、役者と違って、その
感情を外に出さないのである。
女流名人と言っても、もちろん
いつも勝てるわけではなく、
勝率6割を超える矢内さんでも
3回に1回は負ける。
負けたときはひどく落ち込むという。
何回負けても、決して慣れることは
ない。
むしろ、慣れてはいけないのだと
矢内さん。
将棋の盤は、世界全体から見たら
小さいが、
その上で起こっていることに、
自分の全存在をかけること。
「集中力」というと、
普通は注意をそこに向ける
ことを指すが、それだけでなく、
自分の感情や行為や記憶、人格の
もてるだけの全てを
盤面に乗せていくこと、
そのようなcommitment、
involvementが、矢内さんの
将棋の醍醐味であり、また、
経験が有機的に組織されて
直感力を養うその秘密である
ように思った。
目に見えない思索の世界から
いきなり手が指されるという
意味では、巫女さんのようでも
ある。
集英社の岸尾昌子さんと
打ち合わせ。
来年予定されている
日高敏隆先生との
コスタリカ行きについて。
東京駅近辺のビルの上部が
申し合わせたように青く
輝いている。
ずっとそうなのかと思ったら、
今だけのイベントだった。
闇の中に光るものがすべて
ゆかしい。
大切なのは、目に見えない、
隠された精神宇宙の中で
光を見据え続けること。
「希望」が「光」と倒置
されることの意味。
今日も地球は私たちを乗せて
宇宙の中をぎゅんぎゅんと行く。
誰がつくったか知らないが、
とにかく不可思議である。
不可思議こそが希望そして
光の母胎となることが、
人類の知的探究心の
偉大なる発明である。
12月 21, 2007 at 06:39 午前 | Permalink
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2007/12/20
Flowers
朝8時、パレスホテル。
社会経済生産性本部主催の
勉強会でお話させていただく。
移動して、
ソニーコンピュータサイエンス研究所の
ミーティング。
システム生物学、脳科学、経済物理学、
ユーザーインターフェイス、情報幾何学などの
さまざまな問題を議論する。
移動しながら、ずっと仕事をしている。
ちょっとでも隙間があると何かを
やり始めるという生活が
すっかり習慣化してしまったなあ。
脳研究グループのミーティングに
つけられた名前は「The Brain Club」。
一年に一回、「クリスマス・スペシャル」
として、それぞれの人がつくった
作品を持ち寄って披露する。
最後に皆で投票して
チャンピオンを決める。
今年は、石川哲朗が、
政見放送の真似をして、
オレの『脳とクオリア』を
引用しながら、
「クオリア原理主義」を論じた
ビデオが一位を獲得した。
視線を定めるのがむずかしい
長回し。
石川くん、うまかったね!
しびれたよ。
オメデトウ。
ぜひYouTubeに
アップしておいてね。

「クオリア原理主義」を熱弁する石川哲朗クン。
(2007年度 The Brain Club Xmas Special グランプリ)
続いて研究室の忘年会。
私たちのメンバーはもちろん、
佐々木さんをはじめ電通の方々
カネボウの方々
東京芸術大学のみなさん
編集カンケイの方々
テレビカンケイの方々
池上高志カンケイ
本田の辻野さんカンケイ
研究室OB,長島久幸カンケイ。
同、大久保ふみカンケイ。
その他、知り合いいろいろカンケイ
様々な方にいらしていただきました。
今年も、あと少しで終わりです。
Season of goodwill。
つまりは、皆やさしい気持ちになり、
感謝し、この時ばかりは
にこにこと笑うこと。
私は、と言えば、
ずっと休みもなく仕事をしていて、
いつも追いかけられていて、
追いかけて、
ここの所、ハタと手を見て、
「まてよ」、「いやいやまだまだ」
と呆然としている時もあることを
近くにいる人は知っていようが、
来年はもう少し隙間を
つくりたいと思っているし
(scope for imagination)、
とにかく昨日は、皆様の
ご厚情に接し、そのシャワーを
浴びて、心の中にクリスマス・ツリーが
灯りました。
Xmas Specialにおける
私の演し物は、「Flowers」
でした。
研究室のメンバーを一人ひとり
思い浮かべながら書いた文章を
朗読しました。
ここに、再録イタシマス。
パワーポイントを使って、
文章の間には花の絵が差し挟まれて
イマス。
Flowers
いろいろな花がある。
真面目さの底に、太陽が微笑むような柔らかさがあります。
世界に交わり大人になりました。はにかみの魅力は変わりません。
炎のような情熱を胸に秘めている人です。
手堅く真面目に仕事を進めていく。そんな一面を発見しました。
あなたにとっては観念の世界が手に取るようにいきいきと感じられる。
あなたには独特のドライヴ感があります。
あなた自身が、雰囲気のある人です。
いかに生きるべきかという清々しい倫理感が伝わってきます。
深く入り込んだ関心から出る蘊蓄が魅力です。
丁寧かつ真摯に対象を扱うその姿勢に心動かされます。
高速回転の頭の中から放出される活気に目をうばわれて。
ネガティヴなようでいて、君は実はとってもポジティヴだ!
君の内なる静かな音楽の中に、きっと未来への道はある。
考える前にやってしまう。その思い切りがステキです。
君の頭の中には、常に複雑な宇宙が渦巻いているようです。
ことし一年、ありがとう。
来年も、一緒にがんばりましょう。
for
The Brain Club
Xmas special 2007
Happy holiday seasons!
12月 20, 2007 at 09:30 午前 | Permalink
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2007/12/19
脳を活かす勉強法 4刷
茂木健一郎
『脳を活かす勉強法』
PHP研究所
は、重版(4刷、累計5万5000部)
が決まりました。
ご愛読に感謝いたします。
PHP研究所の木南勇二さんから
のメール
茂木健一郎先生
再三失礼いたします。
4刷5,000部が決まりました。
累計55,000部です。
ありがとうございます。
まだまだこれからです。
木南拝

http://www.php.co.jp/bookstore/detail.php?isbn=978-4-569-69679-9
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12月 19, 2007 at 06:41 午前 | Permalink
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そこから来て還っていく
NHKで「プロフェッショナル 仕事の
流儀」の打ち合わせ。
柴田周平デスク(しばきち)と
有吉伸人チーフプロデューサー(ありきち)
さん、それに私だけで
ミニマルな陣容。
ほのぼのとする。
お土産にクッキーを持って
いったら、有吉さんは「すぐに食べる」
と書かれることを警戒してなかなか
手を出さなかった。
「茂木さん、自分のことを
書いてくださいよ〜」と有吉さん。
はい、心がけます。
お台場のフジテレビで
『ベストハウス123』の収録。
いろいろと面白いネタがあった。
マイベストは、dialatant。
YOUさんに「2本目もいるの?」
と聞かれたが、残念ながら
仕事があり、失礼しなければ
ならなかった。
文京シビックセンターにて、
東京大学と文京区の共催のサイエンスサロン。
原島博さん、河口洋一郎さんと
以前から親しみのあり、また
尊敬する方々との鼎談ということで、
楽しみにしていた。
Yahooにいらした
木戸冬子さんが、
東京大学大学院情報理工学系研究科
企画室 社会連携担当
に移られたということで、
久しぶりにお目にかかる。
河口洋一郎さんは、
コンピュータという
道具を用いてカンブリア爆発を
起こさせようとする。
種子島出身の河口さん。
子どもの頃から親しんだ海の
中で出会った様々な生物の質感に
何とか追いつこうとする。
「この宇宙じゃない、別の
宇宙に移住してみたくないですか」
と河口さん。
ボクは、大いに触発されて、
アートのmadnessとは
また違うかたちでの
科学のmadnessがあり、
その二つの嶺の間に薄い虹の
架け橋をつくりたいですね、
と応じた。
原島さんは、「今思いついた
んだけど」と前置きしてから
言われることが
抜群に面白く、
その「知の瞬発力」に感銘を
受けた。
あっという間に時間が過ぎ、
終了。
いやあ、面白かったなあ。
控え室で、それぞれが一枚の
色紙を描く。
楽しい時間の記念となりました。

(撮影 東京大学 大谷智子さん)
銀座へ移動。
文藝春秋社から刊行された
松岡正剛、茂木健一郎『脳と日本人』
の打ち上げパーティー。
松岡さんと、久しぶりにお話する。
対談をアレンジしてくださった
薄羽美江さん、会場を提供して
くださった
二期クラブの北山ひとみさん
も同席して楽しく。
文藝春秋の大川繁樹さん、
山田憲和さんと同じ方向なので、
一緒に帰る。
三人で話すのが、うち解けた
感じでほっとする。
車から見る街は、人工の光があるとは
言いながら、
やはり不可視の中に沈んでいる。
なぜ暗闇で心がなごむのか
と言えば、そこから来て
還っていくからであろう。
12月 19, 2007 at 06:40 午前 | Permalink
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2007/12/18
プロフェッショナル 仕事の流儀 長谷川祐子
プロフェッショナル 仕事の流儀 第72回
アートは人を“自由”にする
~ キュレーター・長谷川 祐子 ~
長谷川さんの「批評性の極意」
にしびれた。
ダメなものに出会った時には
「これは違う」
求めていたものと巡り会った
時には
「ここにあった」。
「これは違う」と
「ここにあった」。
この二つの原理に寄り添うだけで、
厳しくも甘美な人生の
軌跡は開かれる。

NHK総合
2007年12月18日(火)22:00〜22:44
http://www.nhk.or.jp/professional/
すみきち&スタッフブログ
Nikkei BP online 記事
評価の定まらないものと向き合う「特権」
〜キュレーター 長谷川祐子〜
12月 18, 2007 at 07:48 午前 | Permalink
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サイエンスサロン
サイエンスサロン
「芸術と科学はどう結びつくのか?」
日時 :2007年12月18日(火) 18:30~
場所 :文京区シビックセンター地下2階 区民ひろば
テーマ:芸術と科学はどう結びつくのか?
ゲスト:
茂木健一郎
河口洋一郎さん
(CGアーティスト,東京大学教授)
司会
原島博氏(コミュニケーション工学、東京大学教授)
料金 :無料
申込み:必要
問合せ:東京大学大学院情報学環コンテンツ創造教育研究コア
「文の京・大いなる学びシリーズ」実行委員会
http://content-gakubu.iii.u-tokyo.ac.jp/manabi/
12月 18, 2007 at 07:41 午前 | Permalink
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芥子粒の夢
鬼怒川温泉から一路南下した
スペーシアは、浅草へ。
「たけちゃんマンセブン」(増田健史)、
「怪奇オオバタン」(大場旦)と
別れて、大手町。
日経サイエンス編集部にて
対談。
景観工学がご専門の、
東京工業大学 齋藤潮教授。
最近は、道路は「早く安く」
つくれという圧力が高いが、
以前は、景観の流れを考えて
きちんと丁寧に設計して
いたものだという。
設計者がやぶをかき分け
予定ルートを歩き、
「ここで富士山が見える」
などというように見分けて
いたとのこと。
当時は、道路をつくる上で
ドイツのアウトバーンなど、
諸外国の関連文化を直接
学んで来た人たちが多かった。
それが、いつの間にか、
国内で完結するかたちに
なってしまったというのである。
東京芸術大学。
ウェッジの打ち合わせ、
朝日新聞の取材、
別冊PHPの取材。
池上高志の授業。
Kurt Vonnegutの言葉を
引きながら、
自由と創造性について深く
考えさせる名講義。

井戸のある裏道をふらりふらりと
歩いて、
そのまま、根津の車屋二階で
忘年会。
30名くらいが集まる。
布施英利さんもいらっしゃる。
宴もたけなわなころ、
蓮沼昌宏と粟田大輔が何やら
始めた。
窓に白い布を張り、
プロジェクタのスィッチを入れる。
宴席にいろいろ持ち込んでいるから
妙だなとは思ったが。
DVDの上映。
今年の「美術解剖学」の授業の
映像を編集したもの。
もうすでになつかしい。
私自身が喋った回。
塩谷賢、白洲信哉、福武総一郎さん、
小柳敦子さん、鈴木芳雄さん、そして、
池上高志。
最後に、江村哲二さんが
昨年講義してくださった時の
映像が流れた。
偲んで、よみがえる。
オレが講義をした一回分が
テープが破損して映像がないという
ことで、
その回だけ、音声に蓮沼が
アニメーションをつけた。

口パクだけの表現だったけれども、
面白かった。
蓮沼クン、粟田クン、ありがとう。
その気持ちがうれしかったよ。
池上と向き合って
話す。
信頼できる魂が目の前に
いると自分でも思わぬ告白が飛び出す。
「オレはさ、ど真ん中にまっすぐ
行くんだ。それが欠点なくらいだ。
クオリアだって、世間から見たら
端の方にあると思えるかもしれないが、
オレから見たら、ど真ん中。
むしろ、conventionalな
脳科学の方が、端の方にあると
思う。
ベイズだって、今の流行から
見ればど真ん中にあるのかもしれぬが、
オレにとっては、統計的な
アプローチから外れる
自由や一回性の問題の方が
ど真ん中に思えるんだよ。」
池上は、うんうんと聞いてくれた。
そうして、池上自身の告白。
「オレはさあ、一つひとつの
創造物を眺めてこれはいいなあ
と思うのもいいが、そういうものを
システマティックにつくり出す
装置のようなものの方に興味を
惹かれるんだよ。
そのためには、普遍的
法則として、variationを
つくりだす、その方法を
見つけなければならぬ。」
池上はvariationをつくり出すことに
かけている。
思えば、池上高志と、何度、
深い話、遠い夢、巨きな抱擁を
交わしてきたことだろう。
オレたちの抱くのは芥子粒の夢だが、
どこにいようとも、大宇宙に抱かれて
いる。
自分が小さいほど、
世界とのコントラストに戦慄する
その甘美な震えもまた大きくなる。
素晴らしい友人たちに恵まれ、
芥子粒はほんのり赤くなる。
(photos by Atsushi Sasaki)
12月 18, 2007 at 07:37 午前 | Permalink
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2007/12/17
東京芸術大学 美術解剖学 池上高志
東京芸術大学 美術解剖学
2007年度 後期第5回
池上高志
複雑系の科学のパイオニアであり、
理論的な立場から生命や認知プロセスを
研究している池上高志さんを
お迎えし、表象と突破と
よどみと微睡みについて大いに語って
いただきます。
池上さんは現代美術にもコミットしていて、
音楽家の渋谷慶一郎さんとのコラボレーション
作品も発表されています。
2007年12月17日(月)
午後3時35分〜午後5時
東京芸術大学 上野校地 美術学部 中央棟
第6講義室(2F)
(いつもの場所が集中講義で
仕えないため、教室が違います!)
http://www.geidai.ac.jp/access/ueno.html
12月 17, 2007 at 09:41 午前 | Permalink
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爆笑レッドカーペット
12月 17, 2007 at 09:39 午前 | Permalink
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おじさん温泉
NHKで『ようこそ! 赤毛のアンの世界へ』
の収録。
来年、松本侑子さんと松坂慶子さんが
出演される『赤毛のアン』を
題材とした語学番組が始まる。
それを前に1月3日(木)22:00〜
22:58にNHK教育テレビで
スペシャル番組が放映されるのである。
松本さん、松坂さんの他、
山瀬まみさん、アン役で大和田美帆さん、
それに、料理研究家の牧野哲大さん、
写真家の吉村和敏さんがいらした。
進行役は、NHKの渡邊あゆみアナウンサー。
控え室で、なつかしい顔に出会った。
松本正司さん。
二十年ぶりくらいであった。
松坂慶子さんがプリンスエドワード島に
行かれた時の映像を見たり、
大和田さんの案内でさまざまな
クイズやアンケートをしたりと
楽しかったが、終了後時間を
見ると19時30分を回っている。
増田健史から、「浅草発 鬼怒川温泉行きの
最終は、19時です」
とメールをもらっていた。
今年の「おじさん温泉」は
こりゃはて断念か。
と一瞬哀しい想いがよぎった。
そうしたら、NHKの人が
新幹線で宇都宮に出て、それから
車で行く手があると教えてくださった。
というわけで、今年もやってきました
おじさん温泉。
増田健史(筑摩書房)と
大場旦(NHK出版)は
すでに現地入りしていて、
二人でにこやかに談笑していた。
「今、「女子」(ジョシ)という言葉の是非
について議論していたんですよ、茂木さん」
と大場旦。
オオバタンはいつも怪奇オオバタンで
強面のオーラを放っているのであるが、
実は最近病気をした。
目にブドウ何とかが繁殖して、
入院して、抗生物質を摂取した。
だから、心配していたのだが、
試運転ながら、元気を取り戻している
ようだ。
「ジョシとは何ぞや」
という議論にしばらく花を咲かせた
後、増田健史がぽろっと言った。
「茂木さん、近頃、怒らなくなりましたねえ。」
カツンと来た。
「そんなこたあねえよ。例えば、○○○○○。
すげえアッタマに来ている。大体、○○○の
仕事というのは、○○○の利益を代表することに
決まっているじゃあねえか。そんなことも
押さえずに、○○○○なんだから。
アイツは、○○○だ。」
「まあ、茂木さん、単に、アタマが悪い、
お調子者が浮かれている、というだけの
話だと思いますよ。でも、そういうことこそ、
書けばいいのに。」
「そんなわけにもいかねえんだヨ。」
お風呂に入る。気持ちが良い。
部屋に戻る。大場旦、増田健史と
ともに、さらに喋る。
今日ばかりは、大場旦も、
「原稿何とかしてくださいよ」
とは言わない。
気が大きくなる。走る夢を見た。
冷気に首から上を晒す。
遠くに山が見える。
湯船に浸かって考えた。
現代人は温泉を分析し、何℃だ、
成分はナニナニだ、ナントカ泉だ
などと広告する。
それでも効能はあるような気が一応は
するが、昔の人が、正体を知らずに
見ていた幻想の中にこそ
突き動かすものはありそうだ。
これは、龍が地下で懐に
抱いていた水であるとか。
要素に還元することでは
抜け落ちてしまうもの。
「クオリア」は「龍の懐水」
につながっている。
今年もお世話になりました。
おじさん温泉。
特急で帰る。
どうやらカメラを宿において
きたらしく、
写真はアップできません。
すみません。
遠くに筑波山のシルエットが見える。
12月 17, 2007 at 09:38 午前 | Permalink
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2007/12/16
働くことの喜び
ヨミウリ・ウィークリー
2007年12月30日号
(2007年12月17日発売)
茂木健一郎 脳から始まる
働くことの喜び
抜粋
小学校2年生の時、私には欲しいおもちゃが出来た。母親にねだれば良かったのだけれども、私は「働いてお金を稼ぐ!」と宣言した。母親も何を思ったのか、「それじゃ、ご近所の八百屋さんで働いたら?」と言った。
それで、母親が八百屋さんに話をつけて、「モヤシをビニル袋に詰める」というアルバイトをした。箱の中にモヤシがたくさん入っていて、それを小分けにするのである。
(中略)ふり返ると、ちょっとおかしな点もある。本当のことを言えば、それは「労働」と胸を張れるような代物ではなかったかもしれない。私が店先にいることが、どれくらい経営上役に立ったかはわからない。きっと、八百屋の御主人は心の中で苦笑いしていたことだろう。
(中略)後にも先にも私がお店でアルバイトをしたのはこの時だけだった。わずか一週間の体験だったが、今でも強烈な印象として残っている。
全文は「ヨミウリ・ウィークリー」で。
http://info.yomiuri.co.jp/mag/yw/

12月 16, 2007 at 08:54 午前 | Permalink
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批評性は「我が身限り」
(昨日の日記に、関連写真を
新たにアップしました)
島田雅彦は、羽田に
着いてもまだ、
一生懸命手動で新しい
携帯電話に番号を入れ続けていた。
背後では、修学旅行生
たちが大人しく集合している。
しかし、そのような世情も、
携帯王子には目に入らない。

これで、また、パソコンと
シンクロさせようとして
データが消えてしまったら、
あまりにも面白い。
いや、かわいそうである。
熊本空港で飛行機を待っていた時、
島田と、文学についていささか真面目なる
議論を交わした。
私と島田に共通しているところは、
いくら世評が高いものでも、
自分の基準からダメなものは
ダメだと貫くことだろう。
その結果、損をすることに
なってもかまわない。
先日、シンポジウムで半藤末利子さんが
「孫として漱石の一番好きなところは
権力におもねることがないところ」
と仰っていた。
今警戒すべきは、権力よりも、
ただ人気があるからとか、皆が
そう言っているからというポピュリズム
であろう。
人気があるものを、ただ追認している
だけでは意味がない。
しかし、そのようなヨイショが
メディアの中には随分多くはないか。
もっとも、別に声を上げて
「あれはね、評価が高い、人気がある
なんて言っている
けれども、全然ダメなんだよ」
などといちいち言う必要はない。
ただ黙って、そこから立ち去れば良い。
批評性は「我が身限り」のことで良い。
自分が愛する者には徹底的に寄り添い、
そしてもっと深く遠くに行けば良い。
「これはダメだ」と思うものからは、
ひそやかに遠ざかれば良い。
無限の広がりを持つ表象の宇宙の中で、
どの惑星に近づくのか、フライバイして
遠ざかるのか、遙かに望遠鏡で
眺めるのか。
その選択肢は限りない。
つまらない暗黒星の近くで
ぐずぐずしている暇などない。
スーパーノヴァを求め、
自らの中にヘリウムの合成
反応を喚起し、
必死になってジグザグに
微分光速のzitterbewegungを
重ねれば良い。
そして、自分だけの虹を追え!
「茂木さんや島田さんにとっても、
そんなに、ポピュリズムというのは
大変な問題なのですか。」
と、集英社の岸尾昌子さんは言う。
「それはそうだよ。自分の本が
重版にならなかったら、編集者に
申し訳ないじゃないか。」
「でも、茂木さんの本は重版になっている
じゃないですか。」
「自分の愛すること、信じる
ことと、多くの人に伝わることの間の、
ぎりぎりの塀の上を歩かなくちゃならない
んだよ。」
「まあ、しかし、あれだね、あの作家が
人気が出たお蔭で、いろんなものが
崩れていったね」(茂木)
「一番の悪影響は、後に続く書き手が、
こんなもんでいいんだと文学をなめた
ことでしょう」(島田)
「まあしかし、一種の焼畑として、
新たな生命の育みへの動きとして
積極的に評価することはできないかね」
(茂木)
「そりゃあ、だめでしょう。焼畑は
土壌を改良するけれども、あれは
劣化させるだけのことだからね。」
(島田)
罵詈雑言はこれくらいで
おしまい。
それを仕事にする気はない。
ボクも島田雅彦クンも、
そうだ、
自らの筆と絵の具で青空に
信じている虹を描くんだ。
この世には、ひそやかに美しいもの、
小さい真実、ぐんと伸びる種は
あるものだから。
島田雅彦クン、朝日新聞の
連載小説『徒然王子』、楽しみにしています。
量産宣言や良し。
それぞれ精一杯頑張って、
時にはお酒を飲んで楽しく弾けよう。
その時までには、新しい携帯に
番号が全部入っているといいね。
12月 16, 2007 at 08:44 午前 | Permalink
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2007/12/15
ブンコウシマダガハク
朝まだ早く、
羽田空港に向かいながら再び、
時間との格闘。
須藤珠水の論文が、条件付き採録に
なったのだけれども(オメデトウ!)
そのfinalizationの作業を
猛然とした。
途中で、須藤に電話して、
「あのさあ、7時くらいまでに送れな
かったら、その後のチャンスは、
宮崎に着いてからだから」
と伝えた。
空港に着いて、3つめのファイルを
finalizeしていたら、
集英社の岸尾昌子さんから
電話があった。
歩いていくと、島田雅彦とカメラの
中野さんが立っている。
チケットを受け取ってから
初めて、行き先が宮崎ではなく、
熊本だと知った。
「あれ、宮崎じゃなかった
んでしたっけ?」
「宮崎なのですが、熊本から
行くのです。」
椎葉村の椎葉勝さんの「民宿 焼畑」
を訪ねることになっていた。
飛行機の中で、島田と中野さんに
挟まれて、ボクはまたファイルを
finalizeした。
終わったので、おねむになった。
お休み〜。
宮崎空港に着いて、すぐ
須藤にファイルを送る。
あとはオネガイシマス。
岸尾さんの運転で、山道を
ぐいぐいと行く。
横を見ると、島田雅彦が
何やらやっている。
携帯電話を二つ持ち、
ノートに数字を書き付けながら
忙しそうである。

懸命に作業中の島田雅彦
「何をやっているんだよ」
「この前買った携帯電話の
住所録が消えちゃったから、
古い電話から一つずつ入れているんだよ。」
「ブルートゥースでできるんじゃ
なかったのか。」
「そうなんだけど、オレ、メカに
弱いんだよ。」
「もっと機能がシンプルなやつに
すればいいじゃないか。」
「あんまり簡単なやつだと、
年寄りみたいじゃないか。」
島田雅彦の見栄は
サマになっている。
途中、通潤橋のふもとで
団子汁(だごじる)を食べた。
斜面を上がり、橋を渡る。
水を通すこの橋は、時々
放水する。
上から見ると、すんばらしい。
そして、ちょっと目眩がする。
椎葉村は、ダム湖の横の道を
延々といく。
たどり着き、椎葉勝さんと
焼き畑を見る。
大いにインスピレーションを
受ける。
民宿 焼畑。
実にこれはいいですね。

談笑する島田雅彦と椎葉勝さん。
下って、夜、島田雅彦と熱く
語り合う。
この語り合いのために
熊本まで来たのだった。
島田と喋ると、いつもとは
違う何かが触発されて、
私は大いに勇気づけられる。
疾走するんだな、実に。これが。
いつも私はちょっとふざけて「文豪」
と呼んでいるが、時々「画伯」と
間違える。
まあ、同じもんだよ、ブンゴウも
ガハクも。
ブンコウシマダガハクと
熊本で縄文からビッグバン、
死と再生まで大いに語り合いました。
12月 15, 2007 at 07:25 午前 | Permalink
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2007/12/14
脳を活かす勉強法 3刷
12月 14, 2007 at 05:22 午前 | Permalink
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(本日発売)すべては音楽から生まれる
PHP新書
茂木健一郎 『すべては音楽から生まれる』
2007年12月14日発売
PHP研究所の横田紀彦さんと
丹所千佳さんが心をこめて作って
くださいました。
また、大場葉子さんが、私の話を素晴らしい
文章にしてくださいました。
音楽の神髄にどう近づけば良いのか。
剛速球を投げたつもりです。
ラ・フォル・ジュルネを創始した
ルネ・マルタン氏との対談も
収録されたお得な一冊です!
amazon

12月 14, 2007 at 05:21 午前 | Permalink
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メタ認知のかかわりの文化
朝、所用があって雨の道を歩く。
ただ、ごく普通に、静かな通りを
行く。
時間に追われて何かをする
必要もない。一生懸命集中
することもない。
自分の内側から湧き上がってくる
マグマを押さえることもない。
それが、極上の幸せに思えるのだ。
ソニーコンピュータサイエンス研究所。
読売新聞政治部の橋本五郎さんと、
日本の未来についてお話する。
正月の紙面に掲載される他、
CSのG+でも放送される予定。
読売新聞文化部の松本良一さんと、
来年5月のラ・フォル・ジュルネに
ついてお話する。
読売新聞科学部の山田哲朗さんと、
人工知能の未来についてお話する。
脳研究グループのミーティング。
東京工業大学大学院石川哲朗が、
one-shot learningについて考えている
ことを、Janet Metcalfeの論文を
引き合いに出して展開する。
Feeling of Knowingは
一種のメタ認知である。
一方、insightはそれに
関与する認知プロセスに関わる
メタ認知の欠如である。
メタ認知がone shot learningへの
誘い水となり、
一方でいよいよ本番の
criticalなプロセスそのものは、
メタ認知の不在の下に
進行する。
一連の認知過程における
「メタ認知のかかわりの文化」
そのダイナミクスをどうとらえるか。
続いて、東京工業大学大学院
高川華瑠奈がmood perceptionに
ついてのtaskのアイデアを出す。
auditory mirror neuronを
通しての共感のメカニズム。
それをディテクトする
秘密は、シンプルな課題の
中にあるだろう。
initiationとtermination
のダイナミクスが鍵。
Googleの方々に、
google book searchに
ついてのお話をうかがう。
グーグルの持っているロードマップ
がどのようなものであるか、
想像すると興味深い。
土肥さん、みなさん、ありがとう
ございました。
沖縄県産業振興公社の
金城清光さんがいらっしゃる。
来年講演に伺う、その打ち合わせ。
フジテレビのお台場スタジオへ。
『爆笑レッドカーペット』の
収録。
髭男爵、Fujiwara、世界のナベアツ、
など、皆さんの演技は鮮烈な印象。
この日の為に鍛錬し、
仕込んできたネタを爆発させる。
気合いが入っている。
面白いものを見せてくださって、
本当にありがとう。
感謝の思い。
17日(月)にオンエアの予定。
帰りの車の中で仕事を始める。
レインボウ・ブリッジも見ず。
努力する人たちが好きだ。
見上げれば、青空はどこまでも
高く続いている。
12月 14, 2007 at 05:20 午前 | Permalink
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2007/12/13
みずみずしい気配
朝起きて外に出て、雨が
降っていると、
なぜか胸が充たされる。
それはある匂いであり、
また、自分が意識なく横たわって
いた間に始まり、進行していた
プロセスへの覚醒であり、
空間の文法が変わったことへの
驚きである。
雨との相対運動で、
地面がずっと上の方へと昇り
続ける。
そんな想いがあるのだ。
時間に追われて、わーっと
身体と脳を動かしている。
そんなことばかりしている。
羽田空港に着く直前、
Voiceに掲載される1万字の原稿を終えた。
「偶有性の時代の国家観と人間観」
これ以上遅れると、もう難しいと
PHP総合研究所 国家経営研究本部の
島泰幸さんに「脅かされて」いた。
もう一度読み直し、送信した
時には、
ゲートが閉まろうとしていた。
飛行機の中で、眠りに追いつく。
空港に降りると、島さんから
のメールが届いていた。
茂木 健一郎 先生
拝復
ご原稿、ありがとうございました。
ご多忙のところ、貴重な時間を割いて
お書きいただきましたご原稿、
お礼の言葉も見つかりません。
大切に扱わせていただきます。
取り急ぎ、心より御礼申し上げます。
敬具
島 泰幸
鳥取西高校におじゃまする。
「著者と語る会」を開いていて、
今年はお招きいただいた。
歴史ある伝統校である。
会館に生徒たちがたくさんいて、
ぼくは喋った。
壇上で、何人かの代表と質疑応答した。
会場の生徒たちともやりとりした。
会議室で懇談会をした。
いろいろなやつらと喋った。
握手をして、写真を撮った。
いいなあと思った。
数学を専門とされている奥田俊一朗
先生が、
「いやあ、今日は生徒たちの
意外な積極面が見られて良かったです」
と言われた。
お世話になりました。
飛行機の中でうとうとする。
日本人には個性が乏しいと
言われるが、そんなのは嘘っぱちだ。
懲りたのである。
応仁の乱以降百年以上続いた
戦乱の世で、
自分の欲望を実現せんと
個性丸出しで闘う武将たちに
ほとほと懲りた。
徳川時代に、個性は裏地として
隠すようになった。
偶有性は生きる上で欠かせない
ものであるが、
取り扱いを間違えると
自我の芯にまで突き刺さって
くる。
烈しい偶有性の嵐は、
自我を鍛えるが、それは
劇薬でもある。
安土桃山に日本の文化は
輝いたが、それを準備した偶有性の
嵐は、同時に心優しき人には
耐え難いものだったろう。
東京に戻り、ご飯を食べていると
携帯が鳴った。
「通知不可能」とあるから
不思議に思って出たら、
イチローさんだった。
この間はお世話になりました。
楽しかったです。今どちらですか?
ロサンジェルスですか。何時ですか?
午前3時です。
どうして起きているんですか?
眠れないから起きているのです。
東京に戻ったら、またお目にかかり
ましょう。
頼もしい力動が伝わってくる。
「生きものとして元気な」イチローさん。
朝起きて、ずっと雨が降り続いていた
ことに気付くように、
すべての生きものの中にある
みずみずしい気配に拓かれていく。
12月 13, 2007 at 07:18 午前 | Permalink
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2007/12/12
大人だけが目指せる「子ども道」
ヨミウリ・ウィークリー
2007年12月23日号
(2007年12月10日発売)
茂木健一郎 脳から始まる 第83回
大人だけが目指せる「子ども道」
抜粋
「子どもの天才スイッチ」を「オン」にするにはどうすれば良いか?
荒井さんが長年の模索の結果身につけてきた方法論は極めて興味深いものであった。荒井さんは、わざと絵を描きにくくなるような工夫をするのである。いつも机の同じ場所で描くのではなく、いろいろ変えてみる。描く姿勢もさまざま試してみる。描いている途中で、鉛筆が折れてしまっても、気にしない。両指でやっとつまめるような芯を使って描き続ける。
全文は「ヨミウリ・ウィークリー」で。
http://info.yomiuri.co.jp/mag/yw/

12月 12, 2007 at 08:13 午前 | Permalink
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探りあてた
朝一番で、銀座の日産本社へ。
幻冬舎の増田(大島)加奈子さんに
「コンニチハ!」と言う。
佐々木厚さんと電通本社へ。
電通出身のクリエーター
内山光司さんと1時間30分
お話する。
ネット上において人々の
「熱」を集めるための秘訣は、
能動性に働きかけること。
押しつけはいけない。
user-generated content
の意味は大きい。
PHP研究所の丹所千佳さんと
半蔵門のTOKYO FMへ。
PHP新書から発売される
『すべては音楽から生まれる』
について、
「宝島」「日本経済新聞」
「クロワッサン」「Tokyo FM」
「一休.com」の取材を受ける。
厚生労働省で、ヨミウリ・ウィークリーの
二居隆司さんと落ち合う。
新年号の企画。
舛添要一厚生労働大臣に
お目にかかり、お話をうかがう。
大臣になって思うこと。ごく当たり前の
普通の幸せが大切である。
いかに少ない手間とコストで
目標を達成するかということが
政治の役割である。
厚生労働省を出て、自民党本部へ。
武部勤さんの主宰される
「日本夢づくり道場」。
当選一回の議員の方々に
意思決定や創造性の脳科学の話を
させていただく。

(photo by Tomio Takizawa)
パレス・ホテル。
読売新聞の読書委員会の慰労会。
鵜飼哲夫デスク、
待田晋哉さん、佐藤憲一さん、
松本良一さんをはじめ、読売新聞文化部の
方々や、川上弘美さん、梯久美子さん
などと談笑。
皆様、二年半お世話になりました!

挨拶をされる鵜飼哲夫さん(右)と、
司会をつとめられた松本良一さん(左)

お世話になりました! 担当いただいた
佐藤憲一さん(手前)と待田晋哉さん(奥)
談笑の輪をしばし離れて、
ホテルの正面玄関から外に出る。
ひんやりとした空気に包まれる。
小さな池にビルの光が映る。
タクシー乗り場はすぐそこに
あるが、
ここは誰も通り過ぎることも、
省みることもない。
探りあてた。
それは、ずっと私とともに
あったに違いない。
12月 12, 2007 at 07:38 午前 | Permalink
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桑原茂一さんの日記
12月 12, 2007 at 06:47 午前 | Permalink
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2007/12/11
プロフェッショナル 仕事の流儀 荒井良二
プロフェッショナル 仕事の流儀 第71回
きのうの自分をこえてゆけ
~ 絵本作家・荒井良二 ~
荒井さんの創造への方法論は、
脳科学的見地からとても参考になった。
実際に目の前で絵を描いていただいて、
そのダイナミックな仕草に釘付け。
子どもであり続けることは
難しい。
子どもとは、ある一定の状態では
なく、常に変化し、進化する
存在だからだ。
荒井さんの「たいようオルガン」
は素晴らしい。
いつまでも子どもであることを
志向し続けられることは何よりも
素晴らしい。

NHK総合
2007年12月11日(火)22:00〜22:44
http://www.nhk.or.jp/professional/
すみきち&スタッフブログ
Nikkei BP online 記事
「子供」であり続けるための方法論
〜絵本作家 荒井良二〜
12月 11, 2007 at 07:50 午前 | Permalink
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それでも脳はたくらむ
それでも脳はたくらむ
ヨミウリ・ウィークリーに
連載中の「すべては脳から始まる」
が本になりました。
岡田健吾くんと濱美穂さんが
ご担当くださいました。
濱さんの素晴らしい言語感覚で、
ステキな仕上がりになりました。
茂木健一郎
中公新書ラクレ『それでも脳はたくらむ』

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12月 11, 2007 at 07:20 午前 | Permalink
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クリスマス・ツリーの光
夢の中で、いろいろ料理を
注文していて、
店の主人がやさしい風情で
立っているので、もう十分かとも
思ったが、
秋刀魚を焼いたものとご飯、
豚汁をさらに注文した。
食べられるかなあ。
覚めてしまったので、結末が
わからない。
なんであんなことをしたんだろう。
横に大根おろしがあって、
こんがりと温かい。
そんなほっとする秋刀魚に
出会いたいのかな。
昼と夜に、たまたま
うなぎ弁当が続いたことも
関係しているのかもしれない。
東京に帰り、麹町の日本テレビ
で打ち合わせをし、
たけしさんと所ジョージさんと
楠田枝里子さんの番組にうかがう。
磯野貴理さんといろいろ話す。
うなぎ弁当を食べる。
PHP研究所の近くのコンビニで、
380円の栄養ドリンクを飲む。
東京座会。
池内恵さん、牛村圭さん、北康利さん、
古川元久さん、若田部昌澄さん、永久寿夫さん、
江口克彦さんとお目にかかり、
教育問題を議論。
木南勇二さんから、
『脳を活かす勉強法』の売れ行きが
引き続き好調とうかがう。
丹所千佳さんから『すべては音楽から生まれる
脳とシューベルト』の見本をいただく。
この本は、来年のラ・フォル・ジュルネに
向けて、大葉葉子さんがすばらしい文章で
まとめてくださったのである。
PHP研究所から、京橋の
中央公論新社へ。
岡田健吾くん、濱美穂さん、
井之上達矢さんというお馴染みの
面々。
『それでも脳はたくらむ』数十冊に
サインをする。
都内主要書店に置かれるとのこと。
「イラスト」について、
新しい試みをした。
林美穂さんに、中央公論Adagioの
インタビューを受ける。
岡田クン、濱さん、井之上さんと
一緒にベルギービールの店へ。
「こうやって、どこかに
何時までに行かなければならない
という制約なしで
ひんやりとした夜の道を
歩くことができる。それだけで
本当に幸せ。」
タクシーの中で仕事を始めるが
すぐにうとうと。
筑摩書房の「たけちゃんマン
セブン」こと、増田健史は、
風邪を引いてしまい、その上、
「ちくま」に連載した「思考の補助線」
の単行本化に当たって必要な序論と
まえがき、あとがきの文章がぼくから
来ないので、
「原稿が来ないくらいじゃ
人間死にませんよ」と苦しい胸の
うちを吐露していたが、
すまん、たけちゃん。
ぼくは昨日、神戸から帰る
新幹線の中で完成し、
やっと耳をそろえて
原稿を送ることができたんだったね。
たけちゃんからメールが来た。
茂木健一郎さま
お原稿をすべて落手いたしました。
たしかに完済です!
「迷惑」だなんてとんでもないことで、
僕のほうこそ、
余計なご苦労ばかりおかけして、
すみませんでした。
なんだか、まだ病から快復せずに、
いつもに増してぼんやりしています。
そうした次第で、お原稿を拝読して、
いろいろお伝えしたい
思いがありますが、どうにもこうにも
文章にまとめ上げるのが
しんどい状況です。
今日のところは、お許しください。
ただ、ひと言。
まえがき、序論、あとがきという順序で
最後まで読み通して、
なぜだかじんわり涙があふれてくるのを、
抑えられませんでした。
このpassionが、まっすぐに届きますように。
【追伸】
大場さんの復活、大朗報ですね!
にちようび、会いましょう。
増田健史
「にちようび」というのは
恒例の「おじさん温泉」
のことで、大場旦が体調を崩して
開催が危ぶまれていた。
しかし、さすが大場旦。みごと
復活を遂げたのである。
暗闇の中に輝くクリスマス・
ツリーの光を見る想いがする。
12月 11, 2007 at 06:48 午前 | Permalink
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2007/12/10
ベートーベンのパウゼ
神戸は山があり、海がある。
新神戸の駅から
海に降りていくと、兵庫県立
美術館がある。
音楽を聴き、それからレクチャーをした。
ピアノは江頭義之さん。
ソプラノの濱崎加代子さん。
江頭さんは、ソロの演目として
モーツァルトとベートーベンを
選んだ。
ベートーベンのパウゼで、はっとした。
ライブでなければあり得ない
覚醒と感動。
濱崎さんは、関西二期会でオペラを
やっている。舞台を踏んでいる
人はいいなあ。歌曲に身体が
ぴったりと寄り添い、最後に静止する。
音楽は、聴くのも良いが、
自分でやるのはその100倍楽しいに
違いない。
そして、聴くのならば、何がなくとも
ライヴ。
江頭義之さん、濱崎加代子さん、
企画してくださった原伊都子さん、
スタッフの方々、そして、ご来場
いただいた皆さん、
ありがとうございました。
12月 10, 2007 at 07:37 午前 | Permalink
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2007/12/09
『ウェブ時代をゆく』書評
本日付の讀賣新聞に
梅田望夫さん の
『ウェブ時代をゆく』
の書評が掲載されています。
2年半読書委員をさせていただいて、
いろいろな本の書評を担当させて
いただきました。素晴らしい本の
数々に巡り会いました。
最後に『ウェブ時代をゆく』の書評を
担当することができて幸福でした。
ご担当いただいた待田晋哉さん、
佐藤憲一さんありがとうございました。
鵜飼哲夫さんの含蓄のある言葉、
脳裏に鮮明です。
讀賣新聞文化部の方々、お世話に
なりました!

12月 9, 2007 at 08:35 午前 | Permalink
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シャンパンの泡のような気分
収集家の中には、作品を
やたらと見られることを、
「目垢がつく」といって
嫌う人がいるという。
早朝、外を歩く。
もし、太陽がずっと上りっぱなし
だったらこの世界はどうだったろう。
暗闇の中、探る時間があり、
やがて、大地がぐるると回転して、
太陽がさーっと差してくる。
その巨大な運行の下、
地上のものたちが次第に
照射されてくる。
おお!
そうであったか、この世は、
こんな場所であったか。
毎朝感動が繰り返される。
地上の万物は、いつまでも
目垢はつかない。
桑原茂一さんのプロデュース
されるイベント
「ホープフル・モンスターを
探して」。
谷田一郎さんが、
表参道で偶然見つけたという
「人形を売るおばさん」
の話がおもしろかった。
布きれで作った、
ゆるいかたちの人形たち。
しかし、どこか惹き付けられる。
「これで絵が描ける」
と谷田さんは思われたの
だという。
谷田さんから代金を受け取った
おばさんは、そのまま近くの
回転寿司に入っていった。
谷田さんの「メジャーとは」
という議論。
「メジャー」なものは
いかに知覚され、そして形成
されるのか。
CMの最後に大企業のロゴが
出るだけで、「メジャー」
となる。
さらに「空き缶はくずかごに」
などと細かい字で注意書きが出ると、
また「メジャー」感が上がるという
のである。
控え室に戻り、谷田さんとにこにこ
話す。
娘さんを描いた絵が素敵!
北川フラムさんは、
10年間割烹をやっていた
ことがあるという。
「いやあ、たまたま、この会場の
隣りのビルでやっていたんですよ。」
「何でですか?」
「スタッフを食べさせなければ
ならなかったからね。」
途中で、北川さんが突然
麻雀の話をして、
うれしそうな様子が
何かヘンだなあ、と思い、
「北川さん、麻雀すごいんじゃ
ないですか」
と伺ったら、
「実は、生活するという意味では
一番自信があるのは、麻雀なんですよ」
と北川さん。
「点と線」がヘンな人なのである。
北川さんは、
東京芸術大学で坂本龍一さんの
先輩だった。
越後妻有トリエンナーレを
成功させ、
今、直島の地中美術館館長として、
福武書店の福武総一郎さんと
ともに瀬戸内海にアートの革命を
起こそうとされている。
そのような線は、「すごい!」
と思いつつたどることができるが、
どうしてそこに「10年間割烹」
とか、「麻雀が生活力一番自信がある」
という「点」が入るのか。
つくづく、不思議な人なのである。
「東京芸術大学の入試は、
デッサンの練習を全くしていなくて、
試験の前日になって、慌てて
画材屋さんに買いに走って、
友だちにどんな風に絵を描けばいいのか
聞いたんですよ。
実技の後の面接会場に行くと、そこに
受験生の絵がずらっと貼ってある。
それで、試験官が、「どれくらい
練習したんですか」と聞くので、
さすがに前日にやっただけだと言うと
怒るだろうと思って、
「三ヶ月くらいです」と答えたら、
「それにしてはヘタだねえ」
と言われたんですよ。」
と北川さん。
それでいて合格する。
北川フラムさん。
つくづく、不思議な人なのである。

セッション風景

北川フラムさんと
(photos by Atsushi Sasaki)
桑原茂一さんが、クリスマス・プレゼントを
下さった!
私のリュックは、穴が開いてしまって
いたのだが、見かねて、
茂一さんがリュックを下さった!
今までのはポーターだったのだけれども、
今度のは「ヘッド・ポーター」
と書いてある。
「ヘッド・ポーター」の
リュックを、桑原茂一さんが下さった。
わーい!
アイリッシュハープの吉野友加さんと、
ギターの影山敏彦さんのデュオ
ティコムーン(tico moon)のお二人が
生演奏をした。
サイレント・ナイトの後に、
桑原さんがステージに呼ばれた。
しずしずとケーキが運ばれてきた。
明けて今日が桑原茂一さんの
誕生日!
おめでとう、茂一さん。
「何回目ですか?」と尋ねても
教えてくれないので、
「40回目の誕生日です、おめでとう
ございます!」
とみんなで乾杯した。
明けて太陽は昇り、
目垢は落ち、
みんな、ぴっかぴか。
ティコ・ムーンの
「クリスマス・アルバム」 と
「Live at くるみの木」 を
聴く朝。
シャンパンの泡のような気分が
続いている。


12月 9, 2007 at 07:51 午前 | Permalink
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2007/12/08
(本日)ホープフル・モンスターを探して
天才桑原茂一のプロデュースする
トークイベントがあります!
新潮社『芸術脳』として
単行本化されている
伝説のdictionary talkシリーズ。
すごい空間になることは間違い
ありません。
CLUBKING presents
茂木健一郎 ジャパン・ツアー「ホープフル・モンスターを探して」
【日時】12月8日 土曜日 13時〜21時ごろ
【会場】ビジョナリーアーツ(渋谷セルリアンタワー裏)
【トークゲスト】谷田一郎(CMおよび映像ディレクター)、北川フラム(アートディレクター)
【ライブ出演】tico moon、snoweffect、TOSHIYUKI YASUDA、fussy
【チケット】前売り2,000円(11/20申込締切) 当日2,500円
(13時より当日券を販売いたします)
【詳細】
http://www.clubking.com/topics/archives/02event/128.php

12月 8, 2007 at 11:34 午前 | Permalink
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脳と日本人
松岡正剛 茂木健一郎
『脳と日本人』
文藝春秋
■内容紹介■
賢者二人があらゆる事象に多面的な
視線で取り組んだ一日の対話。脳科学、
クオリア、IT社会、宗教、文学等を
めぐる知的興奮の極致
夢の組み合わせが実現しました。
百科全書的知識を操る魔術師の
ごとき松岡正剛氏、脳科学者と
して鋭敏な才能を惜しげもなく
発揮し続ける茂木健一郎氏。
二人の英才が那須に集い、美
しい自然のなかで一日半かけ
て行われた対話は目もくらむ
ような予想もつかない多彩な
話題で溢れました。人間とは
いかなる存在であるのか?
日本文化の真の姿とは?
現代人が探るべき細き道とは?
いつまでも耳を傾けていたくなる
稀有なる知的コラボレーションで
す。(大川繁樹)

http://www.bunshun.co.jp/book_db/3/69/71/9784163697109.shtml
12月 8, 2007 at 11:33 午前 | Permalink
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広告批評 2007年12月号
12月 8, 2007 at 11:20 午前 | Permalink
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自発性
生物の最大の特徴の一つは
「自発性」である。
私たちは、外界の事物のうち、
「自ら動くもの」
と「外から動かされるもの」
を区別することができる。
たとえば、アメーバは前者であり、
風に舞う木の葉は後者である。
自発性は、生物界全体に
普遍的に見られる。
神経細胞の活動も、また、
自発的である。
何ら特別な性質ではなく、
通常のコネクショニストモデル
で結合されたユニットがあれば、
必然的に領域外からの入力が
なくても活動する。
自発性自体は、生命活動の基本的な
属性であり、
それなしに生物というものが
考えられない、いわば「大前提」
なのである。
そのような「素材」を、生物はうまく
活かす。
行動へと結びつける。
そして、他者との関係においても、
重要な意義を帯びる。
蝶は、ひらひらと
飛び、その軌道は容易には予想
できない。
あらかじめわかってしまえば、
鳥などの補食を助けてしまう。
人間も同じことであり、
社会的な関係において、
その振る舞いが完全に予測
できてしまっては、他者に
よるマニピュレーションを
可能にしてしまう。
ここに、ダブルバインドな
状況が生じる。
社会的知性の発現に
おいて、他人の心の状態を
推定する能力(「心の理論」)
は重要な意味を持つ。
お互いにある程度
相手の志向性が読み取れ、
その行動が予測可能な範囲内に
収まらなければ、協調行動
などとれない。
その一方で、完全に予測されては
いけない。
協調のための予測可能性と、
マニピュレートされないための
予測不可能性をバランス良く
持つことが、
進化の過程で各エージェントが
持つべき属性だったはずである。
忙しい一日だった。
朝一番の横浜から、切れ目なしに
ずっと仕事が続いた。
ゼミがあった。
柳川透と、
ソニーコンピュータサイエンス研究所
の近くの「すき家」に行って
牛丼を食べた。
戸嶋真弓さんが研究の構想発表を
している時に、所長の所眞理雄さんが
いらしてゼミの輪の中に座った。
今朝になって、珈琲を二杯飲んだ。
傾けるとWinnie the Pooh
がすべって行く
ペンを見つけた。
ベランダのみかんの葉は青々と
している。
気付いたら、
スターバックスの街は、
どんどん遠くなって、
何層もの自発的にうごめく
実体の向こうに行ってしまった。
未来は何をもたらすのか。
その自発性を畏れ、希望し、
私は待っている。
12月 8, 2007 at 11:06 午前 | Permalink
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2007/12/07
「脳と心を考える」 ー脳と行動ー
本日
朝日カルチャーセンター講座
「脳と心を考える」 ー脳と行動ー
第3回
2007年12月7日(金)
18時30分〜
新宿 朝日カルチャーセンター
http://www.acc-web.co.jp/sinjyuku/0710koza/A0301_html/A030101.html
12月 7, 2007 at 08:01 午前 | Permalink
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ひらめき脳 23刷
新潮新書 『ひらめき脳』は増刷(23刷、累計108000部)
となりました。
ご愛読に感謝いたします。
新潮社の金寿煥さんからのメール
茂木さま
グッドニュースです。
『ひらめき脳』が増刷!
23刷 累計108000部となりました。
粘り強く売れています。
新潮社 金寿煥

12月 7, 2007 at 07:59 午前 | Permalink
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『欲望する脳』 3刷
集英社新書
茂木健一郎『欲望する脳』
は、増刷(3刷、累計40000部)
が決定しました。
ご愛読に感謝いたします。
編集を担当してくださった
鯉沼広行さんからメールをいただき
ました。
あと、なんと『欲望する脳』に、
さらに重版が決定いたしました!
立て続けに3刷!ということになります。
今回も5000部ですので、累計40000部になりました。
この勢いで新年も突っ走ってほしいです。
本当は青読の人間も呼んで、『欲望する脳』
の打ち上げもしたいところですが、
年内はお忙しいでしょうか...。
何卒よろしくお願い申し上げます。
amazon

12月 7, 2007 at 07:55 午前 | Permalink
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脳を活かす勉強法 緊急重版決定
茂木健一郎
『脳を活かす勉強法』 軌跡の強化学習
PHP研究所
は、重版が決まりました。
PHP研究所の木南勇二さんからのメール
いつもお世話になります。
『脳を活かす勉強法』売れていて緊急重版が
決まりました。
またお時間取れましたら是非打ち上げをお願いいたします。
取り急ぎご報告まで。
PHP 木南拝
ご愛読に感謝いたします。

http://www.php.co.jp/bookstore/detail.php?isbn=978-4-569-69679-9
amazon
12月 7, 2007 at 07:53 午前 | Permalink
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The season of good will.
イチロー選手の取材については、
有吉伸人さんが「大きなオペレーション」
と呼んでいたように、
大変な人手とエネルギーが
投入されていた。
日本からアメリカに持ち込んだ機材は、
私は今まで知らなかったのだけれども、
「カルネ」という書類があり、
国際的な放送局のネットワークで、
「これは確かに日本のNHKが所有する
機材である」と保証することで
税関を通すのだという。
シアトルの空港に集結した
「機材」の山を見てびっくり。
海外ロケは大がかりである。

帰りの飛行機も有吉さんの
隣りになった。
有吉さんは見ていると面白い。
フライトアテンダントの人が
食事の準備をしている間に、
待ちきれなくなって眠ってしまう。
「ご飯ですよ」と起こされると、
「ああっ」とばかりにすぐに
起きて、目の前に置かれたものを
すぐに食べ始める。
そして、食べ終わると、また
眠ってしまう。
なんだか、「カワイイ」
のである。
ボクは、普段茶の間で気楽に
見られているテレビが、いかに
超絶技巧で作られているか
という話を有吉さんから聞くのが
好きだ。
有吉さんが起きている時間帯に、
音声のことを聞いた。
何でも、テレビの音声という
ものは、電波で飛ばして家庭で
受信するプロセスで
抜け落ちてしまう成分があるらしく、
それを補うために、あらかじめ
「加工」しておくらしい。
そのようなことも含めて、
音声編集の現場は大変なことに
なっていて、有吉さんでさえ、
全容は把握できないのだということだ。
とりわけ、『プロフェッショナル 仕事の流儀』
は映像はもちろん音声も凝りに凝った作りに
なっていて、何十ものトラックが
並列に処理、組み合わされるらしい。
ボクも、そのオソロシイ現場の
一端は垣間見たことがある。
東京に戻る。
カルネの荷物も、無事成田空港に
戻ってきた。
有吉さんが「大切な荷物!」
という感じで、「ひし」と寄り添って
いるのが責任感を表していて
いいねえ。
一仕事終えた、住吉美紀さんの
後ろ姿もいいですねえ。

六本木ヒルズで、アンジャッシュの
渡部建さんの番組PLATOnに
おじゃまする。
アンジャッシュのコントは以前から
見ていて、「ピーポー君」
とか「ADシリーズ」とか
好きである。
児嶋一哉さんと渡部建さんとのコンビは、
とても人が好い印象。
感触がやさしくて、小学生にでも親しまれる。
そのよく計算されたコントの中には、
「薄められた毒」が入っている。
だから、ワクチンのように効くのだ。
渡部さんと児嶋さんは、今でこそ
テレビ局の部屋でコントのリハーサルが
できるが、駆け出しの頃は、
公園で練習をしていたのだという。
大声を出すので、ケンカと間違えられて、
警察を呼ばれたこともあった。
台本は、喫茶店で書いていた。
ここでも、そのうちに夢中になって
声を出し、店の人に怒られた
こともあるという。
現在、コントを作り込むのに
約1ヶ月かけるという渡部さん。
わかりにくいネタではなく、
誰にでもわかるコントを作りたい。
その言葉に、志を感じた。
渡部さんが気を遣ってくださり、
マネージャーの方がわざわざ
ツタヤに走って、DVDを買いに
いって下さった。
「アンジャッシュ クラダシ」

「アンジャッシュ ネタベスト」

大切に見させていただきます。
ありがとうございました!
J-waveのある六本木ヒルズは、
イリュミネーションがすでに
クリスマスの気分。
The season of good will。
一区切りがついた。
その安堵がやがて全身に広がっていった。
12月 7, 2007 at 07:50 午前 | Permalink
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2007/12/06
PLATOn 2007年12月6日
アンジャッシュの渡部建さんが
ナヴィゲーターをされている
PLATOn
2007年12月6日(木)
22:00〜23:45
におじゃまいたします。
番組HPから、質問を募集中です。
http://www.j-wave.co.jp/original/platon/
12月 6, 2007 at 03:15 午前 | Permalink
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精神の威容
イチローさんと6時間に
わたってたっぷりとお話した。
自分の「感覚」を大切にしてきた
イチローさん。
現在使っているバットは、
少し普通のものよりも
細い。
バット工場を訪問して、握った
瞬間、「これだ!」と思った
のだという。
バッティングフォームが
通常のセオリーとは違うと
周囲からいろいろ言われても、
自分の感覚を信じることで、
日本のパシフィック・リーグでの
7年連続首位打者、
米国のアメリカン・リーグの
シアトル・マリナーズに移籍後
一年目でいきなりの首位打者、
新人王、MVPの獲得、
忘れもしない2004年のシーズンの
ジョージ・シスラーの記録を抜く
年間安打数の大リーグ新記録など、
数々の偉業を成し遂げてきた。
自分の感覚を信じて進むためには、
つまりは「結果」で示すしかない。
イチローさんの厳しい生き方
の芯に触れることができた。
そこには、グランドキャニオンの
ような精神の威容があった。
イチローさん、本当にありがとう。
2008年1月2日21時からの
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
スペシャルの放送を、お楽しみに。

一塁側、マリナーズのベンチ

セーフコ・フィールドの撮影風景。
ヘアメイクのAkikoさんと(akikoface.com)

石原哲也さん。打ち上げの店で。
12月 6, 2007 at 12:20 午前 | Permalink
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2007/12/05
「希望」が鮮烈に表象されることの不思議
夕刻、セイフィコ・フィールドに中継車の
入り口から入った。
考えてみると、一年中試合があると
中継に入っているNHKのスタッフが
いるのである。
プレジデンシャル・ルームは、
チーム・オーナーがお客さんを招いて
観戦する部屋。
アンバー色の落ち着いた部屋の
中で、すでに翌日の撮影に向けた
照明などの調整が行われていた。
絵作りを検討し、段取りを
確認し、当日にすべてがスムーズに
行くようにするのである。
そのために詰めるべき点は
驚くほど多い。
たとえば、映像のフレームの
中に入るアイテムをどのような
ものにするか。
一つひとつ検討する。
プレジデンシャル・ルームの
ガラスに金属の柱が反射して
目立つ。
そこで、黒いガムテープで
ガラス側の表面を覆う。
照明も微調整する必要がある。
壁に掛けられた歴史的写真に、
照明が当たって目立つ。
そこで、角度と広がりを
整える。
私と住吉美紀さん、それに
NEPの早野明生さんが
座り、段取りを確認した。
内側から見たセイフィコ・フィールドは
美しい。
クリスマスということで、特別に
内野の部分にイルミネーションが
施されていた。


回廊を歩くと、写真、新聞の記事
その他のドキュメントによってマリナーズの
歴史をふり返ることができる。
イチロー選手の存在がいかに大きく、
そしてシアトルの人たちにどれほど
愛されているかということを
実感できた。
イチロー選手がマリナーズ入り
した年、セイフィコ・フィールドで
初めてオールスター・ゲームが
開かれた。
その時の選手たちの先発・控えの
リストも掲示されていた。

二度と還らない、しかし
光輝に満ちた時間の記憶。
有吉伸人さんはどこにいっても
有吉さんで、
自分のやり方でアメリカ人スタッフを
交えて準備を進めている。

ボクは有吉さんについて
面白いことに気付いてしまった。
細かいところにおっちょこちょい
なところが、私の親友にして畏友、
田森佳秀に似ているのだ。
空港で移動する電車に乗って
いた時、他の旅行者に
「ジッパーが開いているわよ!」
と言われて、「すみません」
と荷物を直していたし、
報道ビザで入国しているのだけれども、
どの書類が必要なのか、
よくわかっていなかったし、
「この、アメリカ国内に
残していく品物の値段はいくら、
というのはどういう意味でしょう?」
とお土産の項について聞いていたし、
なんだか眺めていて、
大丈夫かなあ、助けてあげたいなあ
と思ってしまうのだ。
それでいて、番組作り、ドキュメンタリー
の演出論、映像の詰めについては、
余人を寄せ付けない鋭さとひらめきを
見せる。
やはり、一つのことに集中している
人というのはこうなってしまう
もんなのだろう。
今回、イチロー選手をシアトルにて
ずっと撮影していたのは堤田
ディレクター。
プレジデンシャル・ルームで、
撮影の指示をいろいろ
出す「フロア・ディレクター」
役を担う堤田さんは、
「いよいよ大詰めだ!」
というりりしい雰囲気に
満ちていた。
堤田さんと一緒に撮影指揮に携わるのが
河瀬大作デスク。
いったんホテルに返り、
さて、食事へ、と待ち合わせる
河瀬さんと堤田さんは本当にうれしそう
であった。
とりあえず、仕事に一段落
つけた男たちのつかの間の安堵。
河瀬さんと堤田さんは、一日早く
シアトル入りしているのだ。
クィーン・アン地区の中にある
タイ料理での食事会には、
長年イチロー選手を取材されている
小西慶三さんがいらした。
小西さんと、楽しく談笑する。
今回の番組は、小西さんの
助けがなければ成立しなかった、
と堤田さん。
小西さんに深謝。
街の至るところに
クリスマスのイルミネーション
がある。
暗闇の中の光を見る時、私たちの
中に「希望」が鮮烈に表象される
ことの不思議を改めて想う。
私の意識はいつしか
薄暮の中をさまよい、
やがて朝の光の中で目覚める。
12月 5, 2007 at 01:23 午前 | Permalink
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2007/12/04
プロフェッショナル 仕事の流儀 鈴木裕
プロフェッショナル 仕事の流儀 第70回
仕事は体で覚えるな
~ 文化財修理技術者・鈴木 裕 ~
鈴木さんが、自分の仕事にいろいろと
不満を持ちながらも続けることが
できたのは、「愛」があったからと
言われた時に、「これだ!」と思って
電気が走った。
継続は力である。そして、続けることを
可能にしてくれるのは、
対象に対する愛である。
文化財を修復するという仕事に
対する愛は、つまりは
時を超えてつながっていく、
残していくという
生命原理そのものの真ん中から
生まれているのであろう。

NHK総合
2007年12月4日(火)22:00〜22:44
http://www.nhk.or.jp/professional/
すみきち&スタッフブログ
Nikkei BP online 記事
達人は「習熟」を自ら否定する
〜文化財修理技術者 鈴木裕〜
12月 4, 2007 at 07:51 午前 | Permalink
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身体の修理
最後の24時間はつらかった。
夏目漱石のシンポジウムを終え
家に帰り、
いろいろな仕事にとりかかった。
中でも「大物」は、新潮社の雑誌『考える人』
に新しく連載が始まる「偶有性の自然誌」
の原稿30枚であった。
成田空港に向かうタクシーの中でも
必死に書き続けた。
猛然とタイプする謎の客を、
運転手さんはどう思っていたことだろう。
フロー状態。時間の流れが止まる。
到着した時に、「もうあと少し」
の状態であった。
しかし、集合時間も迫っている。
有吉伸人さんの携帯に電話して、
「今メールを送ったらそちらに
行きます!」と言って、
それから仕上げにかかった。
送信した時には、全速力
で疾走した後のように汗びっしょりで、
息もたえだえになっていた。
これじゃあ、体調も悪くなるはずである。
有吉さんの隣りの席でうごうごしながら、
機内食もサラダやフルーツ
(ビタミン、ビタミン!)
以外はとらずに眠っていった。
身体の節々が痛く、お腹も痛く、
いろいろなものがバラバラになって
いる気がする。
ずっとヘンな夢を見ていて、
同じところをぐるぐるする。
イミグレーションで、
住吉美紀さんと合流したあたりから、
やっとつながり始めて、
「修理」がうまく行ったような
気がしてきた。
というわけで、
シアトルにやってきました!

本番は明日。
着いたのはこちらの午前中。
夕方から、カメラリハーサル。
とりあえずは、修理。修理。
ベッドで眠っていたら、
電話が鳴る。
ドアを開けたら、茶色い紙袋
があった。
すみきちが、コーディネーターの
村山さんと一緒に近所の
スーパーに行き、
カリフォルニア・ロールを
買ってきてくれたのだ。
村山さんから電話。
「すみません。眠っていました」
まだ身体は修理中である。
部屋は高速インターネットが
通じる。
すみきちのブログは、もう更新
されていた。
速い!
http://blog.livedoor.jp/sumikichi_blog/
金寿煥さんから『偶有性の自然誌』
を受け取ったというメールが来る。
苦楽を友にする「同志」の編集者から
温かいリスポンスをもらうと、
本当にうれしい。
雨の高速道路、気がヘンになりそうな
ままに書き綴って良かった。
身体の修理もうまく行きそうである。
金さんのメールを引用する。
それにしても金さん、文章うまいな。
茂木さま
原稿たしかに拝受しました。お疲れ様です!
世間を真っ向から受け止め相手して、
相手の思っている以上の球を投げ返しても、
茂木さんの思った以上の反応がなくて傷ついて、
もうボロボロで傷だらけで、
でも、「巨大な知」と「私という永遠の謎かけ」に、
歯をくいしばって本気で格闘している茂木さんが、
「考える人」という雑誌に、
30枚というタフな論考を搾り出すように書いた、
そんな、「今」の茂木さんの一挙手一投足がにじみ出た、
すばらしい原稿ですね。嬉しいです。感無量です。
茂木さんが、偶有性の魅力をとらえ、
その素晴らしさを今回あらためてマニフェストとして、
送り出すその裏には、穿ちすぎかもしれませんが、
「○○よ、甘えるんじゃねえ!!」という怒りに似た何かを感じます。
(○○には、人間でも、日本人でも、知識人でも、大衆でも、
どのようなものも当てはまると思いますが)。
偶有性を深く認識し考えることは、
誰もが己の依って立つ位置というものを再認識せざるを得ません。
それを見ずして、何が言えるか!
何が環境保全だ!
何が国家だ!
何が文学だ!
何が芸術だ!
何が科学だ!
何が宗教だ!
そんな怒りに似た叫びが聞こえるようです。
科学の繭のなかで、甘えて生きている近代人、
思想のゆりかごに揺られて、言い訳ばかりしている現代人に対して、
まさに「甘えるんじゃねえ!」と、
狭隘な現代人の視野を広げるような批評性にあふれていると思います。
しかし(文章の)表面にはそんな下品な怒りは見せず、
あくまで穏やかで優しい茂木さんらしい文章。
幼少の頃の蝶とのふれあいから、
自然の一部である人間という存在、
過去から未来が立ち上り、
未来が過去へと通じるその緩やかでやさしい循環性。
まさに、
偶然と必然、
主観と客観、
過去と未来、
全体と部分、
普遍と特殊、
アナログとデジタル、
そして愛と憎しみ、
さまざまな極の間を往還する、
茂木さんらしい(茂木さんだけが!)全体性が志向された、
大変すばらしい原稿だと思います。
ラストもお見事。
美しくもさりげなく、余韻を引きずる見事なフィナーレです!
とまれ、ありがとうございました!
完璧なスタートが切れましたね。
連載、すばらしいものにいたしましょう!
行くとこまで行っちゃいましょう!
追伸
校正はどういたしますか?
新潮社 金寿煥
12月 4, 2007 at 07:41 午前 | Permalink
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2007/12/03
Bound for Seatle
本日の午後から、12月6日(木)
の夕刻まで、米国シアトルに行くため
日本を留守にいたします。
この間、インターネットへのアクセス
事情により、メールのやりとりが
通常よりも遅延する可能性があります。
ご了承ください。
12月 3, 2007 at 06:20 午前 | Permalink
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脳を活かす勉強法
12月 3, 2007 at 06:20 午前 | Permalink
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屈指の名店に見る寿司の原点
ヨミウリ・ウィークリー
2007年12月16日号
(2007年12月3日発売)
茂木健一郎 脳から始まる 第82回
屈指の名店に見る寿司の原点
抜粋
そのすきやばし次郎が、この程発売されたアジア初となる「ミシュランガイド東京」で、三つ星に選ばれた。実際に小野二郎さんの仕事ぶりの素晴らしさを体験したものとして、心からうれしい出来事だった。
同ガイドでやはり三つ星を獲得した恵比寿のレストラン「ジョエル・ロブション」を開いているフランス料理界のカリスマ、ジョエル・ロブション氏は、「すきやばし次郎」の常連だという。
「ロブションさんの舌は凄いですね」
と小野二郎さんが言う。
「お出しして、美味しいと思ったものは、もう一つくれと言われる。それが、その時の旬だとか、こちらが力を入れて仕入れたものばかりで、それをぴたりと当てるんですからねえ。」
味の道を究めた者どうしだけがわかりあう世界があるのだろう。
全文は「ヨミウリ・ウィークリー」で。
http://info.yomiuri.co.jp/mag/yw/

12月 3, 2007 at 06:04 午前 | Permalink
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行き交う人々の中に
四谷荒木町の橘屋にて、
歌舞伎ソムリエの
おくだ健太郎さんと対談。
あらかじめこういう話を
しようと用意するのではない。
良い対談というものは、むしろ
その場で「開かれて」いくものである。
おくださんとのやりとりで、
ぱーっといろいろなことが
開いた。
私の人生に、歌舞伎がどのように
かかわってきたか。
歌舞伎のどんなところを愛しているか。
ダイナミック・レンジの広さに
惹かれる。
人間は他の動物に比べて、
知性はもちろん感情の振れ幅が
大変大きいのである。
ところが、いつに間にか私たちは
文明の中でさまざまな
制約を受け入れ、全スペクトラムのうちの
ごく一部分だけを使って生活している。
自分の中に文明の可視光領域以外の
波長があることを忘れてしまっている。
歌舞伎の登場人物は、不条理な運命や
突然の悲劇に嘆き、わめき、そして笑う。
そのありさまを見ているうちに、
私たちの胸の中に本来潜んでいた
生命の振れ幅が復活していくのだ。
歌舞伎鑑賞とは、実に、一つの生命復活の
儀式なのである。
対談の様子は、
主婦と生活社カルチャー図解シリーズ
『「歌舞伎」がよくわかる本』(仮題)
に収録される予定。
歩いていて偶然見かけた
きしめんを食べ、それから
四谷区民センターへ。
新宿区主催の夏目漱石生誕140年記念
シンポジウム「漱石山房秋冬」
松山市長の中村時広さん、漱石の孫で
エッセイストの半藤末利子さん、
新宿区長の中山弘子さん、
朝日新聞記者で、『新聞記者 夏目漱石』
(平凡社新書)を書かれた
牧村健一郎さんとご一緒した。
中村市長とは、以前、白洲信哉と
「青山二郎展」で松山にうかがった
時以来である。
新宿区国際文化課の石川嘉則さんを
始めとする方々のお骨折りで、
たいへん素敵な時間となった。
半藤さんは、漱石の権力におもねない
ところが大好きだと言われる。
権威の象徴であった
東京帝国大学教授の職を断って
当時の「ベンチャー企業」であった
朝日新聞に入社して一記者となったり、
博士号授与の申し出を断ったり、
あるいは時の宰相西園寺公望さん
からの招待を
「時鳥厠半ばに出かねたり」
という句を添えて辞退するなど、
漱石の態度は徹底している。
そういう反骨精神と、
漱石の作品のクオリティが
関係していないはずがない。
時代は流れ、今おもねず抗する
必要があるのは、権力よりも
むしろ「数の力」というポピュリズムであろう。
人気がある、ということ
を絶対の指標にすると危ない。
ポピュリズムの潮の渦巻く
表層流ではなく、海底に密かに
潜む真珠をこそ一人静かに世間の
喧噪から遠く離れたところで模索
しなければならない。
シンポジウムに続いて、
三遊亭金翔さん、
三遊亭金馬さんの
落語会がある。
金馬さんのさすが!の話芸に
しびれる。
新宿駅まで雑踏の中を歩いた。
若い人、年老いた人、盛んな人、
ちょっと疲れた人。
学生時代、
よく、新宿近辺で飲んでいた。
今では全く遠征しない歌舞伎町の
方の飲み屋や、焼き肉店や、
映画館にも足をのばした。
行き交う人々の中に、
きっと昔の自分がいる。
そう思うと、胸がざわざわして、
春を迎える土の上の霜が溶ける
ようになって、
それから、思い切りどこまでも
どこまでも走っていきたく
なった。
12月 3, 2007 at 05:44 午前 | Permalink
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2007/12/02
きっと「生きる」に
家の近くの公園に、ビオトープ
として小さな水たまりが出来たのが
今年の春。
ジョギングをする道すがら、
時々のぞき込む。
観察しないとわからない
ことにいろいろと気付く。
落ち葉舞い、空気凍り、
草潜む冬のはじまり。
夏の盛りに、あれほどたくさん
泳いでいたメダカたちの数が
減ったことにある日ふと注意が
向いた。
どうしてだろう。
メダカが土に潜って越冬する
などという話は聞いたことが
ない。
背を向け、走りはじめて
やがて思い至った。
冬はエサが乏しくなる。
個体数も減る。
しかし、たとえ少しでも
棲息していれば、
翌春、エサの事情が改善
した時に、卵を産み、
増えることで、ふたたび
個体数が回復する。
つまり、エサという環境因子に
合わせて自分たちの数を
調節しているんだろうか。
そんなことを考えた。
「継続すること」
が生命の本質である。
続くためには、何でもやる。
個体数を調節するくらいの
ことは、当たり前のようにやる。
埼玉県立浦和高校で
講演。
埼玉県屈指の名門校である。
いかにして学ぶかをお話しする。
終了後、学生たちが何人か
校長室にやってきた。
特に熱心だったのは西クン。
またどこかで会おうね。
朝日カルチャーセンター。
加藤周一さんと小森陽一さんの
対談を拝聴する。
日高敏隆さんとの対談。
日高さん十八番の「幽霊」の
話を聞く。
Gilbert Ryleのghost in the machine
の話と合わせ、実に秀逸。
「真理」と「生きる」
のどちらをとるかと言えば、
きっと「生きる」に
軍配が上がる。
そもそも、生きることの中には、
容易には分解できない
幽霊が潜んでいる。
続けるしかない。
いろいろ工夫して、
それでもなおやり続ける
ことで
多様性と統合性が育まれて
いく。
冬の冷たい水の中で泳ぎ潜み
続けるメダカたちと、
私たちの志向性はゆるやかに
一致する。
12月 2, 2007 at 09:22 午前 | Permalink
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2007/12/01
(本日)日高敏隆 茂木健一郎 対談
朝日カルチャーセンター
対談 「野生脳」
日高敏隆 茂木健一郎
2007年12月1日(土)
16時30分〜18時30分
朝日カルチャーセンター 新宿教室
日高敏隆先生は、長年京都大学で教鞭をとられ、
動物行動学の第一人者として数々の
発見をされてきました。
『チョウはなぜ飛ぶか』、『春の数えかた』などの
御著書は、私にとってインスピレーションの
源泉となってきました。また、
『裸のサル』、『ソロモンの指環』、『利己的な遺伝子』など、日本の出版史に記念すべきさまざまな
訳書も世に出されています。
とりわけ忘れられないのは『鼻行類』。
すでに絶滅してしまった、「南の島に住む
奇妙ないきもの」たちを詳述したこの
本は、ブームとなりました。
長年動物行動を観察されてきた日高
先生からは、生命は、そして人間は
どのように見えるのでしょうか?
その類い希なる学識と温かく
ユーモアあふれるお人柄に接する
貴重な機会です。
私自身も本当に楽しみにしている
対談です。
http://www.acc-web.co.jp/sinjyuku/
詳細と申し込み

12月 1, 2007 at 09:02 午前 | Permalink
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世界一受けたい授業
今晩日本テレビ系列「世界一受けたい授業」
アハ体験やります。
12月 1, 2007 at 09:00 午前 | Permalink
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子ども道
ソニーコンピュータサイエンス研究所で
科学技術振興機構(JST)
研究開発戦略センターの
吉田明さんにお目にかかる。
大阪大学の小泉智史さんにお目にかかる。
六本木の政策研究大学院大学で、
東京大学物性研究所50周年記念を
記念するパネル・ディスカッション
「これから50年の科学は?」
に参加。
http://www.issp.u-tokyo.ac.jp/50th/50th_event.html
小宮山宏さん、佐倉統さん、吉田博さん
北澤宏一さん、中村桂子さん、柴山充弘さん。
東大物性研究所50年を受けて、
科学の現状と未来について語り合う。
柴山先生のユーモアあふれる名司会で
白熱。
NHKのBSフォーラムで放送予定。
ホテル・ニューオータニで、
月刊『文藝春秋』の座談会。
立花隆さん、玄侑宗久さん、白澤卓二さん、
大内尉義さん。
新潮社の金寿煥さんから
何度も「追い込み」の電話が入る。
しかしながら、以上のような次第で、
身動きがとれないのである。
六本木からニューオータニに向かう
車中で
あと300字まで詰めていた
小学館『和樂』の原稿を書こうとして、
MacBookのバッテリーが上がっている
ことを発見。
さらに、予備のもレベルがゼロになって
いることを見いだす。
自分の愚かさ加減を呪う。
精密機械のようにスケジュールを
組んでいるので、少しでも狂うと
破綻する。
呆然として、車窓から外を見る。
座談会会場に着き、すぐに
コンセントを探す。
ニューオータニからNHKに向かう車中で、
やっと原稿を終え、送信する。
送信し終わった時には、西玄関に
着いていた。
後に、
橋本麻里さんから温かいメールを
いただく。
お忙しい中で書かれたとは思えないほど、文中にゆったりした
あたたかい時間が流れていますね。そう、その記憶のなかに
温かい湯につかるように身を浸し、また肌寒い現実へと戻って
いくのが、我らワーカホリックの哀しい習い性、というもので
しょう。ありがとうございました。
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の収録。
ゲストは、絵本作家の荒井良二さん。
素敵な人。すばらしいお話だった。
子どもは実は子どもになり得ず、
「子ども道」を極めることができるのは
経験を積み、人の心がわかり、
酸いも甘いも噛み分けなけた
大人である。
苦み走ったいい子ども。
荒井さんの中に一人見つけた。
全てを終えると、午前0時を大きく
回っていた。
すみきちブログにあるように、
師走に入ったのである。
大人は、無我夢中で働いて、
もう一度子どもに生まれ変わる。
幾度も繰り返し生まれ変わる。
12月 1, 2007 at 08:56 午前 | Permalink
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