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2007/11/16

「プライベート」から「普遍」に至る

ラーメンズの小林賢太郎、片桐仁さんと
お話する。

広告批評の河尻亨一さんがお誘い
くださった。

ラーメンズの活動については、
以前から注目していた。
そのコントの質は、きわめて
高い。
理知的ですぐれた言葉の造形力を持つ
小林さんと、圧倒的な存在感の
片桐さん。
小林さん、片桐さんともに、
最近は「ソロ活動」も多い。

面白く、温かく、動かされて
あっという間に時間が経った。

印象的だったのは、ラーメンズの「起源問題」。
小林さんが、片桐さんに出会うことで、
ラーメンズのスタイルが確立した。
その「プライベート」から「普遍」に至る
経緯が感動的である。

詳細は、「広告批評」の特集号を
ご覧ください。


ラーメンズの二人と。

日経サイエンス編集部で、
慶応大学理工学部の前野隆司教授と
お話する。

前野さんとは、以前からゆっくりと
お話したいと思っていた。

前野さんのご専門は、機械工学で、
振動工学から最近はロボットの
センサーやアクチュエーターへと
研究を広げていらっしゃる。

前野さんは、『錯覚する脳』、『脳の中の
「私」はなぜ見つからないのか』、『脳は
なぜ「心」をつくったのか』
などの一連の著作の中で、
クオリアは「幻想」であるという
議論を展開され、注目された。

現代の認知神経科学では、何ものかが
「幻想」(illusion)であるということ
自体には異議を唱えない。
そもそも、全ては脳内現象であり、
現実だと思っているものも
結局は神経細胞の活動が生み出した
「幻想」に相違ない。

途中の論理的推論、経験的検証の
ステップはほとんど同じであり、
最後の、「クオリアに機能的意義があるか」
という点において、前野さんと私は
見解を異にする。

前野さんは、エピソード記憶の記銘などの
意識の統合作用においてクオリアは
不可欠ではない、だから、とりあえずは
「幻想」であると整理しておくことで
足りると考えるのに対して、
私は、クオリアにこそ意識の機能の
本質があると考える。

初めてじっくりとお話した
前野さんとは、何となく気が
合って、お互いニコニコしていた。

前野さんは趣味が油絵を描く
ことだという。
私も、小学校5年の時に
突然思い立って油絵の教室に通い始め、
大学生になっても行っていた。

また前野さんとゆっくりお話したい。

(この日続く)

11月 16, 2007 at 08:39 午前 |

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コメント

油絵、いいですね。
わたしは、
猫2匹がわざとじゃれて
ジャマしに来る(ので、すぐ片せるもの)、
住み家が狭いので
すぐ乾いて押入れにしまえる(泣)、
使い慣れてる、などなどの理由で
ずっと、アクリルです。
水張りをすると
気持ちがしゃきっとするのが1番好き。
油絵はあこがれです。
ゆるやかな時間の流れ、
削り取ることで出る深み、
あのにおい。

投稿: たかはしまきこ | 2007/11/16 19:02:13

こんにちわ

将棋の羽生さんのように、将棋で先を読むなどの、先読みや、イメージで創造性を働かせるとき、クオリアが必要になるのではないでしょうか?(^^)

投稿: tain&片上泰助 | 2007/11/16 14:36:05

私は、お笑いが好きで、ラーメンズが好きです。
ラーメンズと対談できるなんていいなぁ茂木さん。

投稿: ザビィ | 2007/11/16 11:52:55

僕はよくクオリアだけ頭の中で立ち上がってきて「あれ、これ何のクオリアだっけ?」みたいな事がよくあります。

誰でもそういう事はあるんだと思いますが、ラベルがない薬瓶のようなクオリアを外の世界で表現すると発明やアートになるのかなあと思ってます。
クオリアがあると効率がいいのかなと。
副作用もあるけど。

投稿: 斉藤 | 2007/11/16 11:35:14

つづくな~。(笑い)
一日、囚われてしまうではないか~(笑い)

NHKの朝ドラマ「ちりとてちん」のソウソウとコソウジャクと
ソウジャク師匠みたいで、クスって笑ってしまいました。
白衣よく似合っていますね。
前々回の朝NHKドラ「いもたこなんきん」を思い出します。

最近、思うようになったのは、「幻想」と言うよりも
「蜃気楼」ではないかってことです。

・・・って、自分の得た現段階の
結果よりも、私が見た、あの写真の現象を話した方が、なにかヒントに
なる様な気がします。
(得た結果とは別ルートです。)


それは、

薄いベールの様なものの下。
または、それ自体がピントがぼけている写真なのかもしれません。
沢山並んでいました。

その一つがだんだんと、ピントが合ってきて、
浮き上がり、鮮やかにピッタとなった瞬間、その
並んでいた写真のようなものの組み換えが起こったんです。

その組み換えが起こることでまた、別の組み換えが起こり、
次から次へとガシャガシャガシャと続きました。
透明な手が見えたような、それとも、その動きで手が動いているように
イメージしてしまったのかは、、、多分、イメージしてしまったのかも。
でも、それが関係している可能性があるかもしれないので、結論
づけずにいます。

でも、これはもう、解明されている何かの現象かもしれませんね。

先日も、私が見た現象のことをドクター(主治医)さんに伝えると、
それは、妄想ではないと言われ、「じゃ私の見えたのはなんなんだ?。
じゃぁ、妄想ってなんだ。」と思っていたら、
心理学で解明されていたものだと言うことを最近知りました。

でも、それは通常の人では見ることのできない現象なんでは?と思っています。
だから、もう解明されているかも知れないのですが、今回の文書を
読んでフトそのことが思い出されたのでカキコしました。

もう、一つフト思い出したことがあったのですが、それは、
多分、書いたと思うので書きません。

追記 私は、薬を一切服用していないので薬の影響はありません。
(服用していないと言うか、、できない。それゆえ歯の痛みも
歯の近辺で止める術を知ってしまって、、困ったものです。)

投稿: あすか | 2007/11/16 10:43:16

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