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2007/11/20

鈴木メロス

鈴木芳雄さんの話を聞きながら、
教室の窓を開け、
外の空気に触れてみた。

最初はひんやりと気持ちが
いいが、徐々に芯まで浸透してくる。

これは今日は上野公園は
ダメだなと思った。

授業の後、上野公演の砂場のところで
みんなで語り合う。

あの素晴らしい時間は、今年は
最後だったらしい。

鈴木さんは、具体例を
出しながら、雑誌を編集するという
作業の奥行き、難しさ、喜びを
縦横に語ってくださった。

印象的だったのは、「雑誌は読むよりも
作る方が何倍も面白い」という言葉。

「なるほど!」と膝を打つ。

それがプロフェッショナルの矜恃
であり、生きるよろこび
というものであろう。

題材として、2007年2月1日号
「脳科学者ならこう言うね!」
を取り上げて、詳細を解説する。

当事者だけに、舞台裏を良く知っている。

雑誌のできあがりを見た時、
そのエディトリアルの見事さに
本当に舌をまいた。

よく、あれだけの時間に、これだけの
記事を作るものだと思った。

特に感心したのは、「クオリア日記」
の使い方である。

上部の旅の記事、インタービュー記事が
「瞬発力」を表しているのに対して、
「クオリア日記」は「持続力」を
示しているのだという。

私自身も初めて聞いた構想が、
鈴木芳雄さんのアタマの中には最初から
あったのである。

鈴木芳雄さんの授業のパワーポイント等に
ついては、鈴木さんのブログ
フクヘンの昨日のエントリーに詳しい。

http://fukuhen.lammfromm.jp/2007/11/post_209.html

鈴木さんは、この日の授業のために、
九州の取材日程を一部切り上げて
駆けつけてくださった。

鈴木メロス、ありがとう!
空を見上げ、地に這い、水に身を浸して
深謝いたします。


東京芸術大学でレクチャーする鈴木芳雄さん


鈴木さんのレクチャーに聴き入る学生たち

鈴木さんや粟田大輔たちと連れ立って、
彫刻科の小俣英彦さんたちの
展覧会を、東京芸術大学美術館陳列館
にて見る。

粟田大輔は、日本語、英語で
テクストを寄せているのである。

小俣さんの作品名は「アトモス」。
樟をつかった巨大な作品。


小俣英彦さんと「アトモス」

6つの部分を組み合わせているという。

下から見上げると、照明が目になって、
まるで魔物が地上に降り立ったようであった。


降臨する。(小俣英彦「アトモス」)

すべての彫刻の野望は、降臨させる
ことである。

小俣英彦さんが、一生懸命にノミを
ふるって呼び降ろした何ものか。

鈴木芳雄さんもまた、Brutusに何ものかを
降臨させようとがんばっている。

根津の車屋で打ち上げ。

去年ニューヨークで写真を撮って
くださったうすやまきくこさん
http://www.usuyama.com/
美術ジャーナリスト藤原えりみさん、
スープストック社長の遠山正道さん
もいらっしゃる。

植田工が、遠山さんを紹介されて、
「あっ、どうも!」とお辞儀をした。


「あっ、遠山さん」と植田工。


「お世話になっています」と植田工。
となりで余裕の表情の粟田大輔くん。

4月に美術解剖学教室を卒業して、
就職した植田。

社会人としての反射神経が、もうきちんと
身についている。

遠山さんのネクタイが素敵だった。


鈴木芳雄さんと談笑する遠山正道さん。

皆で帰ろうと根津駅のホームに立った時、
向かいの壁がとてつも
なく美しく見えて、はっとした。

東京大学本郷キャンパスが近い。

学生時代、何百回と通った場所。

あの頃、毎日見ていたのに、
この美しさに気付かなかった。

美に目覚める瞬間、何らかの論理が
カチッとはまり、動き出す。

11月 20, 2007 at 07:31 午前 |

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コメント

今日は、芋虫小僧@新幹線(立ちっぱなし)です。

 Brutusは見るからにセンスのイイ雑誌なので鈴木さんのお話を直接聞きたかったです。鈴木さんは何故に茂木先生を特集したのでしょうか。講義mp3を聞けばわかりますかね。来週には聞けるかなあ。

 自分にとってBRUTUSは茂木先生を知るきっかけでした。日記もBRUTUSの演出から始まりました。映画のプロモーションムービーのように要所要所をピックアップしていて、冴えてて緊迫感があってカッコイイと思いました。これは読まねばなるまいに!
本編もけして期待を裏切らないもので、おかげですっかりファンになりました(笑)

 今まで知っていたものが素晴らしいと気づいたときは本当に嬉しいですよね。青い鳥がここにもいたのか!と思います。その美しさに、時が刻まれはじめて、音が変わる。今年は今までになく秋の空に心奪われています。

投稿: imomusikozou | 2007/11/23 13:53:14

わぁー。よかった!

ずいぶんと無理を続けている所に、休む時間が取れたり
すると、逆に調子を崩してしまう事があったりしますが。
素敵な発見ができて何よりです。これだから・・頑張れ
ちゃうのでしょうね。。
自分にも、根津駅の壁がマーク・ロスコの作品みたいに
見えてきましたよ。

そうだと聞いてから見ると確かに番組では視線を泳がせ
ないようにしているのが解りました。うふふです。
Uri

投稿: Uri | 2007/11/21 2:17:30

>印象的だったのは、「雑誌は読むよりも
作る方が何倍も面白い」という言葉。

最近、月額有料サイト、月額有料ブログなどが、あります。
鈴木さんほどの編集能力なら、莫大な利益を上げられるのではないでしょうか。
紙代、印刷代、製本代、書店費等の諸経費が、かかりませんので、その分、取材費や編集費にお金をかけられ、その分、良いものが出来ると思います。また、時々、本として出版すれば、モノとして残ります。


ん?、お前がやれって!? 今の私にはムリすっ。(^^)

投稿: tain&片上泰助 | 2007/11/20 15:28:19

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