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2007/11/09

一緒にがんばって、良かったね

私は、眠いときはさっさと
眠ってしまって、がばっと
起きて仕事をする。

しかし、時にはどうしても
眠るわけにはいかないことがある。

水戸がそうだった。
打ち上げが終わった後、
睡魔と闘いながら仕事をした。
サン・ディエゴにいる星野英一の
発表時間(slide presentation、口頭発表)
が近づいていて、
内容をfinalizeしなければならなかったからだ。

MacBookに向き合っていて、
はっと気付くと眠っている。
いかん、と気を取り直して
タイプしていると、
いつの間にか意識を失い、
画面にhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
と同じ文字が並んでいる。

必死になって仕上げた。
水戸の夜。
翌日。
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の収録。

ゲストは、パリコレなどを舞台に
活躍するヘア・デザイナーの
加茂克也さん。
素敵な人だった。

新宿からあずさに乗った。

前夜の睡眠不足で瞬時に眠りそうだったが、
仕事の資料を読まなければならないのと、
下車駅が茅野だったので、
松本まで寝過ごしてしまうのではないかと
それが心配で、
一生懸命起きていた。

はっと気付くと資料がだらんと
さがってカクンとしている。

だらん、カクン。
だらん、カクン。

繰り返しながら、
なんとか茅野まで来た。

おお、そうだ。
水戸のホテルで、トランクスを洗っていたら、
ぎゅうと一生懸命絞りすぎて
左手の親指の横の皮がはがれた。

上野駅でバンドエイドをしたが、
撮影時は外さなければならない。

ぼくは喋りながらよく手を動かす。
目立つんだ。

ひりひりしても、
トークに夢中だと忘れてしまう。

そんなこんなで、何だか大変な
日々が続いているが、
サン・ディエゴからうれしいメールが
届いた。

まずは発表を終えた星野英一から。

***

茂木さん

SfNの発表無事に終了しました。
ありがとうございました。
もっと修行します。

星野英一

***

須藤珠水によると、星野は「伝説となる
だろう大物ぶり」を発揮したとのこと。
通過儀礼が人を成長させる。星野くん、
がんばろうね。

それから、この日記でも紹介した
Visual one-shot learningのポスター
発表を終えた石川哲朗。

***

茂木さん!

ポスターは大盛況でした。
最初は不安でたまりませんでしたが、
ポスターを張ったすぐ後から、すぐに
隅々までじっくり読み始めてる人がいて
本当にドキドキしました。

3〜4時のコアタイムを過ぎて、5時を過ぎても
ポスターをはがさなきゃいけないぎりぎりまで
人がひっきりなしに聴きに来てくれました。
紙に印刷して丸く切りぬいたサンプルを用意して、
来た人に「トライしてみる?」と聞くと
全員から”YES!”という答えが返ってきて、
世界中の人たちにアハ体験をしてもらえました(笑)

そうやって楽しんでもらえて、かつ、
細かい結果も順番に説明すると、つたない英語
なのに辛抱強く聴き続けてくれて、
みんなにおもしろい研究だ、と言ってもらえて
すごく説明のし甲斐があって嬉しかった。

メッセージカードにもかなり書かれていて、
このポスターのhandoutをぜひ欲しいから
送ってくれとか、論文になったら教えてほしい、
という人がたくさんいてびっくりしました。

今回いろんな人に聴いてもらって議論して、
やっと自分のやってることにすごい自信がついて
かなりおもしろい方向性に来れてるんじゃないか、
という確信が持てました。
茂木さんのおかげです。すごく感謝してます。
本当にありがとうございます。充実感でいっぱい。

打ち上げの席で海の上に浮かんだ素敵なお店で
飲んだビールが最高においしかったです。

石川哲朗、サンディエゴにて

***

石川くん、オメデトウ。
「教師冥利」に尽きる。
一緒にがんばって、良かったね。

茅野の街は暗く、
目指すホテルのあたりに何があるのか
判らない。

探るようにして進む。

チェック・イン。
フロントの人が、電話で、
「すみません、あいにく全館満室で・・・」
と言っている。
なんだか、ドキドキする。

ほっと一息、ビールを飲みながら
資料を読み始めたが、
すぐに睡魔が襲う。

今度ばかりは、誘惑に負けることが
できる。
安心して意識の明かりを消し、
目覚めてすぐにスィッチを入れて
猛ダッシュする。

本来のスタイルが戻ってきた。

外の世界は、まだ闇に包まれている。

11月 9, 2007 at 05:53 午前 |

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受信: 2007/11/10 1:57:15

コメント

茂木さん、この日記、とても好きです。

茂木さん、なんて大人なのでしょう…うっ、うっつ。(涙です。)


わたしの勝手な想像なのですが、石川哲郎さんはポール・アーヴィング(アンの青春)のような繊細さを感じます。

茂木さんのまわりは素敵な方がいっぱいですね♫

お疲れ様です!!

投稿: | 2009/07/02 17:34:03

洗ったレタスを、回して水気取りする容器を使いながら
こんなモノでもあれば、トランクスだっても脱水できた
はずだし指を痛めなくても済んだなのになと思いました、
Uriです。

先日、パソコンが見たこと無い画面になりクラッシュし
年にわずか数回しか制作していない印刷入稿直前のDM
を含めお客様のデータの一部も一瞬にして失いましたが。
失ってみると、どうでもよかったりするモノは案外多い
というのをしみじみ実感中です。

広告デザインの仕事をしていた頃、その組織のどこかや
スタッフの誰かなどに惚れ込む要素が無いとその仕事に
熱意を持ってこなせない部分ありましたけれど。そんな
意味で、もし茂木さんのお世話係が必要になったら・・
立候補します。自分っ!

投稿: | 2007/11/11 18:10:51

お疲れさまです。°。♪
指の傷は治りましたか? どうぞアロエの軟膏を常備くださいませ。
わたしは料理をするようになってから火傷に悩まされます(+_+)

加茂克也さんという方を初めて存じました。20日の放送を楽しみにしています。

茂木さんのご本、色々と拝読させていただきたいです。

わたしは子供のころから眠気に逆らいながら物事を推し進めようとするタイプですが、ほとんど進んだ試しがありませんでした。これからは潔く眠り、起床後さわやかな気持ちで臨みたいと思います。

お仕事がんばってください。°。♪

投稿: | 2007/11/10 23:14:12

こんにちわ

Visual one-shot learningで、IQとの相関を調べれば、関係なくても、あっても、面白いかも?

星野英一さん、まさか、あの写真の顔でプレゼンしたのだろうか?
メガネをかけて、出っ歯でカメラを持っている、日本人のイメージを一新させたかも?(^^)


ところで、ダイ・ハード4.0を二回目を観ていたところ、悪役の副官みたいな男の腕に、「侍魂誇り」と漢字で、刺青をしていた。悪役の副官のアジア系女性も「マイ」と言う名前だし、ターミネーターでシュワちゃんも最初悪役だけど、アメリカでの日本人のウエイトを占めてきているのかな?(^^)

投稿: | 2007/11/09 23:06:31

サンディエゴから日本に帰られてから連日の激務、本当にお疲れ様です…。

激しい睡魔に襲われつつも、かの地にいる教え子の方の、研究発表内容の仕上げを為される茂木博士の姿に、彼等のより大きな成長を願い、将来を思う慈愛があふれていると見た。

博士の、その慈愛と厳しさが、教え子の皆さんを、充分世界に通用する、真に立派な知性の人に成長させることだろう。

茂木さんのような素晴らしい教育者に巡り合えた教え子の皆さんは、文字通り「弟子冥利」に尽きる、と思う。

投稿: 銀鏡反応 | 2007/11/09 22:34:18

学生時代の発表のドキドキ感が甦りました。不安と緊張で逃げ出したい気持ち。精査すればするほど足りない実力、ツマラナイ問題提起じゃないかという孤独感、でも時間がない…。
それでも発表すれば「此処良いよ良いよ」って必ず何処かを褒めてくれた先生達。「いつか戻ってきなね」って実業に出た自分を見送ってくれた先生達。

僕はあの頃の恩をいつになったら返せるんだろう。

投稿: | 2007/11/09 20:35:01

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