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2007/10/19

モーツァルトのオーボエ協奏曲のように

『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の収録。

ゲストは、沖縄で義肢装具士を
する佐喜眞保さん。

佐喜眞さんは、ご自身が小さな時から
障害に悩まれていて、
また、北海道で仕事をしている
時に出会った奥さんも
障害があり、
そんな中、義肢をつくり、
装具をつくって障害のある
方の生活を支える仕事に取り組んだ。

簡単には言い尽くせない
身体の障害と、コンプレックスに
悩んだ人生。

「その人生と、ごく普通の人生と、
もう一度やり直せたとしたら
どちらを選びますか?」
とうかがったら、
佐喜眞さんは、「自分の人生を
もう一度生きたい」と答えた。

本当に素晴らしい人だった。

担当ディレクターは須藤祐理さんと、
寺岡環さん。
撮影は中村與志久さん。
音声は伊奈勇人さん。
そして、デスクは柴田周平さん。

佐喜眞さんのあまりにも
波瀾万丈な人生は、
青森で無農薬でリンゴを
作っている木村秋則さんを
思い出させる。

その木村さんの回を担当したのは、
当時ディレクターだった
柴田周平さんであった。

柴田さんがらみで、
木村秋則さん、そして佐喜眞保さんと、
「生きる」ということに
関する人間の底力をガツーンと思い知らされた
よ。

柴田さんは、先の
箱根で行われたプロフェッショナル班
の合宿において、見事なギターさばきを
見せ、「ム?」と思わせた。

収録前のスタジオで、柴田さんが
有吉伸人チーフ・プロデューサーと
何やら話している。
「茂木さん、柴田の目下の悩みは、
いかに、恋愛関係なしで女性と接する
ことができるか、という方法論にあるん
ですよ。」
と有吉さん。

「えっ。どういうことですか?」

「つまりですねえ。柴田は、これまで、
女性と向き合った時は、常に恋愛がらみ
だったということですよ。」

なんじゃ〜、そりゃ〜!

佐喜眞保ご夫妻を
囲んで打ち上げをしている時、
寺岡さん(「てらさん」)や須藤さん(「すどちん」、あるいは「ユーリさん」)
が「うらやましい〜」とか、
「ふざけるな〜」と柴田さんを
突き上げ、一方の柴田さんは「ははは」
と余裕の表情で笑っていた。

思えば、有吉伸人さんが
柴田さんのことを
「しばきち」と呼んだ時に、
「タダモノではない」
と悟るべきだったのだった。

「・・・きちというのはね、
由緒ある名前なんですよ」
と有吉さん。

「うちの班では、ありきち、すみきち、
しばきちと三人しかいないんです。」

ちなみに、「ありきち」は有吉伸人、
「すみきち」は住吉美紀のことである。

しばきち、恐るべし。


プロフェッショナル合宿で、余裕の表情を見せる
柴田周平デスク。

収録前に雑誌「GQ」の取材があり、
お昼には日刊スポーツの取材があった。
そして、収録終了後は、
NHKのイベント用のDVDの収録
があった。

DVDの収録前、スタジオに佇んで
いると、突然ファンファーレが
鳴った。

あの、ロスアンジェルス・オリンピックの
テーマソングである。

なんじゃ、と思っていたら、
すどちんがしずしずとケーキを
運んできた。

「?」
と思っていると、「茂木さん、
おめでとうゴザイマス!」
と言う。

ケーキには、Happy Birthdayとある。

私の誕生日は10月20日であるが、
その前の最後の収録なので、
お祝いをして下さったのである。

ありがとう。みなさん!!!

ケーキは、『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の第三回に出演された杉野英実さんが
考えてくださったのだという。

http://www.nhk.or.jp/professional/backnumber/060124/index.html

チョコレートと洋酒とチェリーと。
杉野さんのケーキは、天国に昇るか
と思うほど、美味しかった。

佐喜眞保さんという素晴らしい方に
出会い、杉野さんのケーキで
祝ってもらえた。

そして、柴田デスクの本質が
アラワになった。

夜には、研究室の小俣圭の論文が、
英国学士院紀要
(Proceedings of the Royal Society)
に通ったとメールが入った。
苦労した甲斐があったね、小俣くん!

忙しかったが、モーツァルトの
オーボエ協奏曲のように
魂が踊り出す、
うれしい一日だった。

10月 19, 2007 at 07:39 午前 |

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コメント

茂木さ~ん。お誕生日おめでとうございます!
今日のよき日を記念して、こんなプレゼント。

も・ぎ・け・ん・い・ち・ろ・う

シャッフルするとぉ…

ぎろん もちい けう
議論  用い  希有 だって♪

これからもどんどん議論して、たましいの中核を目指してくださいね!

投稿: ひみつのあこ | 2007/10/20 3:39:20

すばらしいプロをみせてくれるプロフェッショナルはほんとうのプロの作る番組です。
そのうちプロの定義は「NHKのプロフェッショナルで紹介される人」となるかな。

別の話題。
こういう符合があるとは。寝る前に日記を拝見していて目が醒めてしまった。
私はTuringがRoyal Society紀要に書いた化学的パターン形成の論文のコピーを今日家で探しまくったが、見つからなかった。そして、その時かけていたCDが、ローター・コッホとカラヤンによるモーツァルトのオーボエ協奏曲でした。

投稿: fructose | 2007/10/20 3:26:23

お誕生日おめでとうございます!
45歳になられたんですね。
いつまでも素敵な人でいてください。

そして素敵な1年となりますように。

投稿: koko | 2007/10/20 1:01:04

Uri です。こんばんは。

過去に、学校で一時期一緒だった人物がアーチスト奈良
美智氏だった。というのに気づくまで何十年かかるのよ!
という壮大な「アハ体験」を、ごく最近しまして。。
少しずつここのバックナンバーもチェックし始めました。

ニル・アドミナリ。。そうそう!ケガしたヒトに対する
時にも重要な姿勢。全てに当てはめられるのね!と嬉し
く思っていましたのに。幼気な茂木少年を見、あっさり
当たり前の事なのにヒトの成長するチカラに「うひょ〜」
と心躍らされてしまいました。。

できることなら気の利いたお祝いなどしたいものですが。
同時期に生まれ、こうして一方的にでも記事を読ませて
頂けてる。この巡り合わせに感謝しつつ。。

(思いっきり)お誕生日おめでとうございますっ!

投稿: Uri | 2007/10/19 23:41:22

初めてコチラにコメントさせていただきます。

ケーキとっても美味しそうです♪

一日早いですが
お誕生日おめでとうございますo(^-^)o☆


お祝いの演出とっても素敵だなぁと感じました。

投稿: AI.31.介護士 | 2007/10/19 22:47:04

小俣さん! 論文通過!
茂木さん!(ちょっと早いですが、) お誕生日!

おめでとうございます! 

京都の校長先生の回で、ガツンと一発衝撃を受けましたが、
この佐喜眞さんの回で、さらにもう一発衝撃を受けそうな予感...

最近、「プロフェッショナル」はノリにノッてますね♪
楽しみです!

小俣さん、茂木さんには、お祝いとして
モーツァルト:フルート協奏曲K.313冒頭の、
漲った陽気がさんさんと降りそそぐような
極上のパッセージをお贈り致します(笑)

投稿: zitterbewegung | 2007/10/19 21:36:28

何て、アツく深く心に沁みるような素敵な1日だったのでしょう。
お誕生日の前に、沢山の素敵な出来事に包まれた茂木さんに、心からのお祝いを♪

投稿: 吉田節子 | 2007/10/19 21:13:38

素晴らしいお誕生日のお祝い(というか前祝い)ですね…!

天国からの贈り物のような、あの杉野さんの手になる極上のバースデイケーキでお祝いしてもらえるなんて…そしてこのあと茂木さんご自身にとって、嬉しいサプライズが…。

この日の茂木さんは、銀河系で一番の幸せものになったに違いない。

小俣さんも、おめでとう御座います。


杉野さんといえば、「プロフェッショナル」の第三回にご登場なされたときに作っていただいた、素晴らしいチョコレートのお菓子を思い出します…。


障害をもって生きている人は…常人の何倍も何十倍も苦労の多い、筆舌に尽くし難い人生を送っている人が多いけれど、この佐喜眞さんと仰る方は、その人生の苦労をバネにして、義肢装具士という職業をとおして、同じ障害で悩み苦しむ多くの人たちの為に尽くしておられるのだ…きょうのこのエントリーを読むと、こんな感慨が胸にあふれる。

辛い障害とコンプレックスに屈せず、人に尽くす人生は、やはり地球人としてもっとも美しい生きざまの一つなのだ…。

本当に襟を正さなくては…と思わずには、いられない。


放映が本当に楽しみです…!


p.s.いよいよ明日は茂木さんのお誕生日ですね…!

素晴らしい一日でありますように。

投稿: 銀鏡反応 | 2007/10/19 18:55:35

こんにちわ

>「つまりですねえ。柴田は、これまで、
女性と向き合った時は、常に恋愛がらみ
だったということですよ。」

茂木さんも、「その人の生活と、その人が生み出す芸術作品は違う」の様な事を言っていたので、まあ良いのではないでしょうか?


早めの、お誕生日おめでとうございます(^^)。

投稿: tain&片上泰助 | 2007/10/19 15:00:37

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