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2007/09/07

ワクワクは「進化からの贈り物」

「今度の台風は、強いままで
来るようですね。」
「これは、間違いなく上陸するな」
「これは、電車がとまるかもしれないゾ」
「風が強くなるかもしれないなあ」
「帰れなくなるかもしれない」
「うわあ、すごい雨になった。」

台風を待ちかまえる人たちの
会話は、なぜか少し楽しそうだ。

災害に見舞われるかもしれないのに
まるでワクワクしているようにも
見えるのはなぜか?

危険が迫った時に、ワクワクする
ことは、適応的だからである。

いたずらに不安に駆られたり、
恐怖にとらわれたりして
いたのでは、いざという時に
的確な判断をしたり、
敏捷に動いたりできない。

ワクワクは「進化からの贈り物」
なのである。

NHK出版へ。

『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の本でいつもお世話になっている
高井健太郎さん、小林玉樹さん
と打ち合わせ。

「茂木さん、コラムを毎回書くの
大変じゃないですか」
「いや、大丈夫です。大丈夫です。」
「あっ、そうですか。では、今後とも、
コラムはありということで、作らさせて
いただきます!」

コラムというのは、ゲストの方に
ついて私が本の中で書く数枚の文章
のことで、収録をふり返って
言語化しておくことは
私にとって楽しみにもなっている。


高井健太郎さん(左)と小林玉樹さん(右)

例によって「原稿取り立ての
鬼軍曹」大場旦と話す。

しかしながら、大丈夫だった。
筑摩書房の増田健史の慶事の
ことで盛り上がって、
大場旦も大いに楽しそうだったのである。


楽しそうな大場旦

今日ばかりは、鬼の原稿催促もない。
いやあ、たまにはほっとしないとね。

『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の収録は、生物学者の長沼毅さん。

http://home.hiroshima-u.ac.jp/hubol/members/naganuma.html 

出色のスタジオだった。
本当に面白かった。

長沼さんは、池上高志と同じ匂いが
する。
ひゃっほーと言いながら、
グリーンランドの氷原を行く。
温泉を掘る。
ロデオマシーンに乗りながら研究する。

長沼さんが研究しているのは、生命の
起源。
「どこをカットするのか、
困ったなあ」と担当の
本間一成ディレクターを悩ませ、
有吉伸人CPに
「いやあ、茂木さん、ああいう
人がいるんですねえ!」と
感嘆させ、「数字を持つ男」
河瀬大作デスクを
「茂木さん、これは取りに行きますよ!」
奮い立たせた
収録。

「科学界のインディ・ジョーンズ」
と呼ばれる長沼さんの活躍振り。
放送は、2007年9月18日
の予定。

http://www.nhk.or.jp/professional/schedule/index.html 

これは見逃せません。

住吉美紀さんも、「世界が広がった!
と目をキラキラさせていたのです。


住吉美紀さんと、長沼毅さん

台風は去ったが、私の仕事台風は
まだここにいる!
仕事がこんなにある、あんなに
あると思うと、
果たして乗り越えられるかどうか、
胸がワクワクしてくる!

進化からの優しい贈り物たちに
助けられて、今日もまたボクは
大いにがんばろうと思う。

9月 7, 2007 at 05:49 午前 |

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コメント

台風直前、実はチンパンジーよりキツネザルのほうが
ものすごくワクワクしていて適応性らしい!なんていう実験は
ないのでしょうか(笑)?

インドではベンガル猿の新郎の目の前で新婦の手を取る
という大胆なコトをなさっていらっしゃいましたね!
手足としっぽの長いハヌマンラングールは
街中にいたのでしょうか?
あの姿が仙人みたいで、なんとなく好きなんです。
実験に使おうとしたらリンゴやバナナには目もくれず、
「即身仏になります。」なんて言いそうな風貌。

今日のアインシュタインくんとダーウィンくんは
何をお話しているのでしょう?

ダーウィンくんの額にはご丁寧に3本のシワ。
大場さんは、すっかり撮られなれてカメラ目線(笑)。

秋の気配が感じられるとはいえ、まだまだ
あつはなついです。。。
はやく10月になってほしいです!

投稿: まり | 2007/09/08 20:43:39

今日ちょっと嫌なことがありました。人間関係におけるトラブル・・年に1回あるかないか。でも今、もう一度茂木さんの日記を読み返して、何故でしょう?元気が出ました。ありがとうございます。

投稿: | 2007/09/08 2:13:00

昨夜3時頃に台風の接近にて、自宅の窓ガラスがガダガダ、ドン!ドン!というように鳴りだし、目がぱっちり醒めた。

このところ、熟睡していない。何時も朝の3時~4時頃に目が醒める。

しかし、今度の台風は、格別のめざましだった!

私の場合、何故かこういう危険に対してワクワクなどしない。寧ろ逆である。

強風を受けてガダガダ鳴る窓ガラスやひゅうひゅう鳴る電線の音を聞いて、
恐怖を感じることが先立つ。


子供の頃から敏捷ではなかった。的確に状況判断し、適応するニューロンの働きが、自分の場合、非常にとはいえないまでも、他人より弱いらしいのだ。
親はそんな私をつれて、港区の愛育病院に毎週日曜に通い、担当のカウンセラーの先生につかせ、少しでも皆と同じになるように、カウンセリングをさせた。

それからいろいろあって、今日に至っているのだが、子供の頃からの敏捷さのなさは相変わらずである。

そんな私なのだが、社会生活にはナントカ適応できているようである。

投稿: 銀鏡反応 | 2007/09/07 23:18:37

茂木さん。
ありがとうございます。
自己の内へ内へ入り過ぎて
果たしてこれだけの仕事を乗り越えられるのか?
という、『the・ワクワク』を
すっかり忘れてしまってました。

今この時間から
『the・ワクワク』をスタートさせます。

いざ!!

本当にありがとうごさいます。

kaoriko

投稿: kaoriko | 2007/09/07 23:06:18

僕は広島に住んでいるので毎年台風は来ますが、やはりその度にワクワクします。街が水に浸かるといけないからと、缶詰やペットボトルの水を用意して、なぜか布団を被って天気予報を見たりしたくなります(^_^;)笑
でも、台風は遊園地で言えば絶叫マシーンよりお化け屋敷に近い気がしますね。それはおそらく、絶叫マシーンはある「お約束」に基づいてるのに対し、お化け屋敷は「いつ出るかわからない」といった不確実性、偶有性をはらんでいるからでしょう。そして、進化の過程で人間はその不確実性に喜びを感じることができるようになったのなら、人間は、彼の真に不確実な人生を愛すことのできる、幸せな生き物なのかもしれませんね。

投稿: 出口陽介 | 2007/09/07 15:52:55

確かに、台風が来るとワクワクしますね、地震だったら、ワクワクしませんね、何でだろう?

最近、絵を描いています、と言っても、ノートにイラストを落書きをする程度ですが、以前はきれいに、描こうと、神経を使っていましたが、思った事を、描けば良いと、頭を切り替えたところ、なぜか、ワクワクしてきました。絵を描くって、こんなにワクワクするものかと、不思議に思っています。

投稿: tain&片上泰助 | 2007/09/07 15:40:03

茂木博士のブログを読むようになって、
毎日のなかで、楽しみがふえた。
これは、楽しみじゃないと思ってたものが、
そう変化していく。いまもそうです。。
月の裏側にいるような時間が減ってきた。

いつも、いいものを知らせてくださって、
ありがとうございます。

投稿: F | 2007/09/07 8:46:32

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