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2007/09/24

鉄サビの味

子どもの頃、
夏、神社の境内で昆虫採集を
していて、カラカラに喉が
かわくと、
 「おみず のませて ください!」
と大声で呼びかけて、
 それから、
 事務所の玄関の横にあった水道
の栓をひねった。

 顔を蛇口の下に置いて、
思い切りごくごく飲む。

 ちょっと鉄サビの味がする、
ちょっと情けなくて、
それでいて少し味わいがあって。

 身体が全体で反応していた。

 タデを摘んでは口に
含むのがなぜか流行っていて、
その酸っぱい味が、遊んでいる
時間の中でのアクセントとなった。

 あの頃の強烈な味と、
大人になって口にする
「洗練された」味は
単純に比較できない。

 粗っぽい、それでいて
ずしんと来る。
 そんなものは精神運動に
おいてもあるように思う。

 洗練とか、精密な文脈付けとか、
そんなものとは別に、
 ズドンと一発、思い切り
虚空を目指すそんな衝動は、
 子どもの頃、水道の蛇口から
直接飲んだ、
 あの鉄サビの水の味にきっと
似ている。

9月 24, 2007 at 07:43 午前 |

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コメント

洗練された味と鉄サビの味・・・
初めて見る比較です。でも、凄くいいたいことが伝わります。

言いたいことがストレートに伝わるのは、鉄サビですかね~
決しておいしくはないけど、印象に残ります。

夏、暑い日、からからに乾いたのどには、洗練された
ミネラルウォーターよりも蛇口からゴクゴク・・・が
あってます。

クーラーの効いた講演会では、洗練された味でないと
受け入れてもらえませんよね。

やはり、提示する「味」は、場面とタイミングと出し方の
調合が必要なのでしょうか?

タデの味も鉄サビの味を味付けしてます。
そういうスパイスも大事なポイントです。

投稿: | 2007/09/25 22:11:33

鉄錆の味。

何か求めるものの芯に触れた瞬間に
確かに似たような感覚を覚えます、

という感想より前に、

やっぱりたいしたものだなあって思います。
本当に。

別の視点から、自らの表現。
力の差を見た感覚。
同じ枝から遙か先へ
ポーンと飛んでしまわれた。

やっぱりスゴイですね。

スゴイって知ってはいるのですが
あまりの差に
やっぱりちょっとだけへこみます。

投稿: | 2007/09/25 2:36:03

今年はカナカナゼミの声を聞いていません。
私が気付かなかっただけで、
どこかでちゃんと鳴いていたのでしょうか?
それとも、これから鳴き始めるのでしょうか?

ナントカカントカなナントカカントカを入手されたら
子供の頃の昆虫採集とは、また違った楽しみ方ができますね!
ナントカカントカはゼミ中の隠し撮り用としては
不向きかもしれませんが(笑)。

体調は良くなられたのでしょうか?
にんにくは効いているのでしょうか?
それでは、おやすみなさい。。。

投稿: | 2007/09/25 1:17:34

小学校の夏の頃、下校中、ガソリンスタンドに、「水飲ませてー」と、言って、よく水を飲ませてもらった。夏の暑い頃だったので、単なる水だけど、旨かった事を憶えている。茂木さんの話を聞いて思い出した。

私は最近、「癒し」、「なごみ」にこだわっています。私にとって、新しい虚空領域を見つけた感じです。

投稿: | 2007/09/24 13:14:31

鉄錆びの味で思い出した。

子供の頃傷口を舐めた時、そこから滲み出る血液の味は、まさにその錆びた鉄分の味がしていた。

どこか金気くさくて、それでいて何とも言えない荒々しい味だった。

虚空に限らず、何かをドーンと目指す時の荒々しい衝動は
「鉄の味」がするのかもしれない。

投稿: 銀鏡反応 | 2007/09/24 9:50:23

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