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2007/09/05

ほうっと吐く息

ものを考えながら歩くのは
一番大切な時間。

代々木から
明治神宮の森を抜けて
原宿へ出る。

参道にできる「光の川」も、
両側から繁茂する木々の葉
の勢いに押されて細く、
しかしくっきりと、
強いコントラストを作っていた。

暗みと明るみの間を歩いていると、
茶色い小さな蝶が舞い、
紫の輝きが見えた。

ちらちらちら。
ちらちらちら。

ムラサキシジミ。
南方系の蝶で、子どもの
頃母親の実家である九州に
いくと出会うことができた。

温暖化の影響か、最近
東京都内でも個体数が増えている
ように感じる。

暗闇の中でその光輝に
出会った。
刻印された印象。

ものを考える時は孤独である。
世界の中にいながら、
極空の、おそらく誰も
まだ通っていない思考の
砂漠を通る。

だからこそ、歩き、
世界の消息に触れ、
魂を湿らせたい。

ほうっと吐く息の中から、
たくさんのムラサキシジミが
生まれ、世界中に飛んでいくとしたら。

9月 5, 2007 at 05:28 午前 |

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コメント

写真のもの、永遠に歩きつづけたいような路ですね。quite beautiful.

投稿: s | 2007/09/07 19:40:45

真冬に苺を探しに行かされた少女が
妖精に親切にしたお礼で
話すたびに口から綺麗なもの、お花や金貨が
飛び出てくるようになったという話がありましたね。

茂木さんの吐く息がすべてムラサキシジミになってしまったら
「ムラサキシジミは、もこもこしてかわいいやつだなあ。」と
仕事になりません、ね(笑)?

こんな台風のときにはどこに隠れているのでしょう?
かわいいムラサキシジミたちは
人間のように「他者の視線を報酬として必要」とすることもなく
こんな日でも淡々と生きているのかと思うと
いじらしいです。。。

「台風だから、明日仕事行きたくないよ!」とか
言わないですね、ムラサキシジミ。

投稿: | 2007/09/06 23:27:14

心惹かれる木漏れ日の道がすてきです。
けして暗さと明るさではなく
「暗み」と「明るみ」の溶け広がる響きから開かれる
空間へさそわれました。
遠い記憶へ入ってゆけそうです。

それから
この夏、『やわらか脳』を本屋さんで買いました!!
「アハ! センテンス破り」の章で私の答えが載って
いてとてもびっくりしました。光栄です!!
覚えていてくださって本当に嬉しかったです。
ありがとうございました。

投稿: 北爪満喜 | 2007/09/06 13:56:29

参道の「光の川」と蝶の「ちらちら」とした紫の輝き。。。
まるで、宮澤賢治の「一つのメルヘン」の世界のようですね。
そんな中で思索にふける贅沢な時間、というものを感じました。

投稿: | 2007/09/06 4:43:39

今朝、このエントリーを読んでコメントを書こうと思ったが、生憎5時台は私も出勤前の忙しい時間。なので、帰宅後、今こうして午後の10時台にコメントを書いている。

茂木博士のこよなく愛する“光の川”、黒々と繁茂する木陰に覆われて細りながら、光の部分が強く輝き、まさに見事なコントラスト。

…と、そこにちらちらちら、と現われる小さなムラサキシジミ。

暗闇に現われた、そのやさしくも光輝ある姿が、博士の脳裡にその印象を刻印する。

「ものを考える時は孤独である。世界の中にいながら、極空の、おそらく誰もまだ通っていない思考の砂漠を通る」

「だからこそ、歩き、世界の消息に触れ、魂を湿らせたい」


忙しい毎日にあっても、魂を湿らせることを忘れない若き脳科学者。

ムラサキシジミが、その湿らせた魂のはく息から生まれるという仮想に、
博士は今だ誰も通らぬ、思考の砂漠で、ひとり包まれている。

投稿: 銀鏡反応 | 2007/09/05 22:31:25

<ムラサキシジミ>、検索して写真みてみました。
羽のかたちも、かわいいのですね。。
ほうっ とするような道の風景、私は、
走るのは苦手だけど、歩くのは好きなので、
緑に囲まれて、すうっとした空気のなかを
歩いたときを今日、思い出せました。
昨日の「プロの流儀」拝見、山口様の言葉、心地良くて、
日常を忘れるほど見入ってました。安眠もできました。

投稿: | 2007/09/05 15:13:35

確かに、歩いている時に、アイディアを思い付く事が多いです。歩くのは、癒しの一つかも?(笑)

投稿: | 2007/09/05 13:26:19

孤独を愛しています。
孤独の中から沸き起こる、魂の叫びを愛しています。

沸き起こるのを待つ時さえあります。
沸き起こる瞬間をなくしたくない。

その叫びをサバンナの夜明けに向かって叫びたい。
きっと、白い息とともにその叫びは 紫色の世界で響くと思ってる。

投稿: | 2007/09/05 13:06:48

言葉がありません。

雨に対しては実に様々な日本語表現があるにもかかわらず、光がつくる模様に対しては、あまりにも言葉が少ない日本語ではないか...と、感じてます。
この歩道の写真をみて、光と影が織りなす様子を表現する言葉がありません。さらにいえば、水中のクジラなどに写る光の模様や、水たまりに光が反射して軒先にできるゆらゆらとした光模様にも、あてられる言葉がありません。CGの世界では“集光模様”などという業界用語的な言葉はありますが、もののあわれを感じる日本語ではありませんね。

空気中の光と影、水の中の光と影、水に反射する光と影の織りなす模様に対して、もっとたくさんの言葉があってもいいんじゃないかなぁ...と、思っているのです。

投稿: まる3 | 2007/09/05 9:26:07

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