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2007/09/12

どうであれ

汐留の
電通本社にて
ミーティング。

NHKで、『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の打ち合わせ。

二酸化炭素などの温室効果ガスの
排出権ビジネスにかかわる吉高まりさんが
ゲストでいらっしゃる回。

テレビというメディアの課題の一つは、
「情報圧縮」をいかにやるか
ということである。

人間の脳には、たくわえられた
経験をろ過し、関係づけ、整理し、
やがて一つの言葉、概念に凝縮する
働きが備えられている。

ある時、芸術家の岡本太郎は、
パーティーで乾杯の発声を依頼されて、
「この酒を飲んだら死んでしまうと
思って飲め、乾杯!」
と叫んだという。

この言葉には、岡本太郎という
人の人生が凝縮している。

映像を素材とするテレビにおいて、
同じような凝縮ができるか
どうか。

それが課題である。

夕刻、雑誌の取材で武満眞樹さんと
お目にかかる。

武満眞樹さんは不思議な人で、
カタツムリを掴み、
それを指の上に載せて
しばし戯れていた。

茶室で照明に照らし出されながら、
カメラマンの注文に応じて
いろいろと姿勢を変えているうちに、
武満徹さんの音楽や、
『音、沈黙と測りあえるほどに』
の美しい装丁のことを思い出していた。

ああ、そうか、と思った。
周囲がどうであれ、
自分の内側から「光」を発すれば良い。

社会がどうであれ、世間がどうであれ、
日本がどうであれ、世界がどうであれ、
自分の内側に大切なものがあるならば、
そのロジックを追って、誠心誠意
寄り添い、起こる化学反応の中から、
「光」を発すれば良い。

そう思ったら、大分気が楽になった。

エアエッジのモデムを
換える。
故障だから、新しいものに
しようと思って出かけたが、
結局全く同じモデムであった。

しかし、なぜか、「機種交換」
になるのである。
交換の中には、自分自身との
交換も含まれているらしい。

ない間、ずっと不便だった。
急ぎの仕事を送ったり、
場所を調べたり、
必須のことができなかった。

その一方で、何だかほっとした
ような、そんな気分もあった。

塚谷裕一さんの『ドリアンー果物の王』
(中公新書)を読み、
さまざまな品種があること、とりわけ、
カラントゲンという品種が美味である
ことを知る。

まだ見ぬ熱帯の果実を想い、
沈黙と測りあう。


9月 12, 2007 at 07:37 午前 |

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コメント

こんばんは 茂木サン 。
二年前のクオリア日記にコメント出来るなんて、
タイムスリップしたようで 素敵な事ですね。
自身から 光り輝く 事を意識し 自分らしい光で
私自身 も 回りも 慈愛で
包み込む イメージを
大切にしていきます。

茂木サン shine ありがとう shine

投稿: サラリン | 2009/07/17 10:49:35

「この酒を飲んだら死んでしまうと
思って飲め、乾杯!」

①乾杯するときに、「これを飲んだら死んでしまう」と思ったら「エイヤ!!!」と目をつぶるのでは?

②お酒に対して、究極に集中するかな?

今までは、死ぬかもしれない・・なんて考えてお酒飲んだことないですが、「死」というキーワードで本当に新鮮な挨拶になっています。岡本さんはやっぱり切り口も爆発してます(笑)
「情報圧縮」も抽象的だけど、こういうことなんだろうなと思いました。

如何に、鋭くシンプルに切り込むか!!
そのときは、周囲がどうあるかは関係ない!
その切り口を周囲がどう受け止めるかは、結果に過ぎない!
間違っていれば、また修正すればいい!!
本物ならば、絶対に光が当たる・・・

投稿: ふわく | 2007/09/13 5:46:56

周囲がどうであれ、
自分の内側から「光」を発すれば良い。

社会がどうであれ、世間がどうであれ、
日本がどうであれ、世界がどうであれ、

そうですよね!関係ないですよね!自分が、どうであるかですよね?
ぐずぐずと100の言葉を垂れ流しても、そんなの1つの行動にはかなわないし。口で言うのは簡単。

今の日本は政治家が首相になってもダメでしょう。
茂木さんがもう一人いたら、ぜひお願いしたいところですが。

投稿: | 2007/09/13 0:58:58

最近、岡本太郎の「明日の神話」(以下「神話」)が渋谷にやってくる、というニュースを小耳に挟んで、嗚呼!また遇えるんだ、あの「神話」に…と思い、感激した。

何故か?というと、去年の夏に若冲の作品と、当時汐留にやってきていた「明日の神話」を見ようと思いたったものの、結局見に行けなかったので、くやしー(涙)と思っていたところへ、「神話」が渋谷に展示されると聞いたから。

生前の太郎の姿を何度もTVのドキュメンタリーなどで見た事があるが、彼は他人がたじろぐほどの強烈な想念を全身から発していた。まるで放射光のように。それは太郎にとって、最も大切なものだったに違いない。

彼は自分の人生でどんなことがあっても、死ぬまでその放射光を発し続けていた…。

その光を、自ら作り上げる作品の中に、彼は込めつづけてきたのではないかと思う。

仮令何があっても、自分の中に大切なものがあれば、そこから光を発していく…私も、そういう人でありたい。

ドリアン…。
そういえば、銀座マリオンの近所の果物屋によくトゲトゲの巨大な実が置いてあるのを見かける。

岡本太郎の姿とドリアンのそれが、何故か頭の中で重なり合ったりぐるぐる回っていたりしている。

投稿: 銀鏡反応 | 2007/09/13 0:26:05

なかなか最後の酒は飲みづらいですねえ。日本にも自分の持ち前で勝負する(してた)人は多く存在しますね。木村忠太いいなあ流政之いいなあ・・とりとめもなく。
でもあべちゃんちょっとねえ。。

投稿: かめさんの再送 | 2007/09/12 22:18:42

果実ですか!熱帯の、ですか!
実は職場の冷蔵庫に、なぜだか
放置されていた果物があり、処分しようと
したところ…果物のてっぺんではむはむしている
マゴットちゃんを見つけてしまいました。。。

当分、果物を見るたびに思い出してしまいそうです。
ジャングルで鍛えられた茂木さんに
こんなことを言ったら
「たんぱく質だから食べなさい。」と
言われてしまいそうなので今まで黙っていました(笑)。

黙って処分すればいいものを、なぜ人は
わざわざ「うぁぁぁぁぁぁぁぁ~」と叫んで
人を呼び寄せ、マゴットちゃんを見せてあげたりするのでしょう?

ドリアンはにおいも見た目もすごいですね。
全身で「食べないで!」と言っているように
見えます(笑)。
ドクチョウのように。
植物の果実にもミュラー型の擬態のようなことは
おこるのでしょうか?

投稿: まり | 2007/09/12 22:15:19

テレビの内容を編集して、1時間の番組を15分程度に編集して、インターネットで、見れるようにすれば、良いビジネスモデルになると思うのだけど・・・・。


タイでは、無臭ドリアンの品種改良が進められているけど、成功するか?(笑)

投稿: tain&片上泰助 | 2007/09/12 11:51:02

わーーーあああ~ わーあああ~!!!

あまりにも共感して、全身から声があがってきます。

思いっきりわーーーーあーーと、

今日もどっかにいるであろう茂木さんに向かって叫びます。

何がどうあれかまうかもんか!

投稿: おおはたみやお | 2007/09/12 10:53:30

その人のフィルターを通して、
現れる世界に、触れることで、
光が差し込んでくる。
緻密なもの、目の粗いもの、
それぞれ、価値がある。。
世の中は、理不尽なことばかり、
だから、誠実さや辛抱のあとが
みえたとき、とても感動する。。

投稿: F | 2007/09/12 9:25:36

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