« プロフェッショナル 仕事の流儀 命あるものと、向き合う | トップページ | 全スペクトラム »

2007/09/26

月がキレイですね

高西淳夫先生に
お目にかかるのは、久しぶり
だった。

早稲田大学は、日本の
ヒューマノイド研究のパイオニア、
加藤一郎先生の流れを
引き継ぐ、日本における
ロボット研究所の一大拠点
である。

人間が歩行する時には、
床への圧力のグラフに、
一歩あたり二つのピークがある。

高西さんの研究グループは、
そのような特性を再現する
二足歩行ロボットの開発に
成功した。

今までのヒューマノイドが、
膝を曲げて歩いている印象
であるのに対して、きちんと
膝を伸ばして歩いているように
見える。

「膝を伸ばした状態は、
力学的には特異点になるのです」
と高西さん。

その難所をうまくクリアする
ことで、膝伸ばし歩行が
実現したのだという。

会場には、森山和道さんの
姿も見えた。

相変わらず元気そうな森山さん。
質問は鋭く、そのまま議論したら
どんどん深い方にはまって
行きそうであった。

「人間であること」
自体には、究極の根拠はない。

「人間」とは、畢竟、一つの
イリュージョンである。

そのイリュージョンが、人間の
脳には強烈なインパクトを与える。

二足歩行をすることや、
顔の表情が豊かであるといった
特性が、進化の過程でお互いに
「同種」であると見分け、
コミュニケーションを図る
ための重要なシグナルとなって
きたからだろう。

人間にとって、機械であるのに
二足歩行し、顔の表情も
獲得しつつあるヒューマノイド
ロボットは、脳の中で分類不能な
エニグマとして
感知されている。
ヒューマノイド・ロボットを
研究するということは、すなわち、
容易には解くことのできない
心理的迷宮に踏み込むことを
意味する。

街を歩く。
空の月がひときわ美しい。

I love youの日本語訳を
「月がキレイですね」
としたのは夏目漱石である。

月は、大抵のものを浄化して
くれる。

地球に衛星があったおかげで、
私たちの心の中に育まれて
きたもの。

9月 26, 2007 at 06:17 午前 |

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 月がキレイですね:

» 遠野物語 柳田國男 トラックバック 須磨寺ものがたり
以前から一度読もうと思っていた、 柳田國男の「遠野物語」、 その本を手にしてから、 しばらくそのままに。 [続きを読む]

受信: 2007/09/26 16:09:33

» 月光 - 中秋の名月 - トラックバック この地球を受け継ぐ者へ † Life log
それは帰宅時には堂々と上がっていた。 道行く人で、夜空を見上げる人はほとんど皆無だった。 こんな見事な月が出ているのに。 何度も見上げた。 何度も路上駐車の車にぶつかりそうになった(笑) Canon EOS Kiss DX Mモード Tv1/100 Av11.0? シグマ200mm? ... [続きを読む]

受信: 2007/09/26 17:46:46

» パソコン派?携帯派? トラックバック きむ仮説。
自分はパソコンでウェブサイトを閲覧するよりも 携帯電話で見るほうが断然好きだ。 なぜなら パソコンでは画面が広いので横に ばーっと文字が並べられとても読みづらく 途中で読むのが嫌になってしまうのに対し、 携帯は限られた画面に限られた量しか 文字列がな....... [続きを読む]

受信: 2007/09/26 18:52:05

» 月光浴 トラックバック この地球を受け継ぐ者へ † Life log
新宿で飲み会があった。 ビルの8階の店で、窓から月が見えるか探してた。 飲んでいるみんなに、月のことを言った。 そうかそうかと夜空を探し始めた。 酔いつつ家に帰り、カメラを出してベランダへ出た。 雲に隠れつつ、今日も月が出ている。       ... [続きを読む]

受信: 2007/09/27 1:05:06

» 予測とか予期とか… トラックバック なんでもあり! です 私の日記!! 
昼間は暑かったのに、夕方はひんやりとして。*早めの夕飯の支度にとりかかる。レンコンのサラダ。ひとつの節の間の穴は、金太郎飴のように同じだけれど節が変わるとその姿も変化する。茹でている最中にお酢を入れると白く変化する。*変化というものは、予測できるものとできないものがある。経済予測、天気予報… さまざまあれどげにむずかしきものは、人のこころなり。ある瞬間から次の瞬間に、自分が「何を考えているか」「どんな感覚か」人間にできることはその直後の(知覚した後の)セルフコントロール。とはいえ、これまた一生かけて... [続きを読む]

受信: 2007/09/27 5:18:18

コメント

はじめまして。
二ヶ月も前の記事に失礼致します。
私は大学で翻訳について学んでいる学生です。
漱石がI LOVE YOUを「月がきれいですね」と訳した」という旨、大変興味深いお話で、ぜひ研究の参考にしたいと考えているのですが、その件について書かれた文献を見つけることができませんでした。
ぜひ、出典元の文献等を教えていただけないでしょうか。
突然のぶしつけなお願いで大変申し訳ありません。
どうぞよろしくお願い致します。

投稿: | 2007/11/29 3:39:25

言葉はやっかいですね。
思ってもいないことをいくらでも
言ってしまうことができる(笑)。
「月がキレイですね」
「月がキレイですね」
「月がキレイですね」

格闘家の話で
「可哀想だた惚れたって事よ」
を思い出し、誰の言葉だったかと探したら
漱石でした。『三四郎』でした。
そんなきっかけで深まる愛も
あるのかもしれませんね。
同情を愛とカン違いする事も
あるのかもしれませんね。

執着を離れ、切り捨てる用意が整ったときに、
自分の未来を選ぶ自由意志の存在を感じます。

月のせいでしょうか?
少々悲しくてルナティックです。。。(笑)
家のドアを開けようと
鍵の代わりにパスモを出しました!

投稿: | 2007/09/27 21:04:45

今、朝の天気予報を見ています。

明日の夜には
素敵な月を見ることができます。
とても楽しみです。

「月がキレイですね」

ドキドキします。

どう続くのか、
その返事をどう訳しているのか
知りたいです。

投稿: | 2007/09/27 5:41:42

昨夜、自宅のベランダから観た、ポッカリと明るいお月様。

その白く輝く姿は、まさにどんなものも、清らかにしてくれる。

ふと戯れに、外に出てみた。青黒い夜空に広がる群雲の間から、明るい月が透き通った光を放って輝いていた。

I love you=月が綺麗ですね…。月光の下で浪漫を語りながら愛を告げるには、うってつけの訳語だとおもう。

ヒューマノイドは数年前、展覧会などで色々なタイプを見た事がある。小人型や、上半身しかない者、あるいは人間の女性そっくりにつくられたものなど。

ホンダやソニーが開発したヒューマノイドは、両者とも大変よく出来ていた。彼等は実に滑らかに、身体を動かすことが出来ていた。しかし、歩いたり走ったりするときは、何故か、膝を曲げていたようだ。

高西さんの研究チームが開発したような、膝をキチンとまっすぐ伸ばして歩いているものはいなかった記憶がある。

数年前と比べ、ヒューマノイドロボットの技術は各段に進歩しているようだけれど、どんなにそれが進化しようと、生身の人間にとって変わることだけは、永遠に出来そうにないような気がする。


投稿: 銀鏡反応 | 2007/09/26 22:31:21

ロボットは、経済面から見れば、労働を解放させ、お金の無い世界の始まりの一つだと、考えられると思うのです。


新しいパソコンに色々インストール中である。やっぱり茂木さんのブログを見るには、大画面がいいです(笑)。

投稿: | 2007/09/26 15:59:42

I love youの日本語訳を
「月がキレイですね」
としたのは夏目漱石である。

・・・なるほど。しびれました。

投稿: | 2007/09/26 12:51:34

コメントを書く