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2007/09/08

ギリシャ的明朗さ

朝日カルチャーセンターの後の
飲み会。

春まで東大の駒場の修士課程に
いて、それから新潟大学の
医学部に行った岩村憲クンが、
ニューヨーク土産だと言って、
アルベルト・アインシュタインと
チャールズ・ダーウィンの指人形を
買ってきてくれた。

恩師である池上高志には、
アインシュタイン人形を買って
きたのだという。

「普通に売ってたんですよ。」
と岩村クン。
「6ドルだったんですよ。」

あまりにもはまり過ぎている。
岩村くん、君ははいいやつだなあ。


アインシュタインとダーウィンの指人形を
くれた岩村憲くん。

ボクの子どもの頃からの
ヒーローはアインシュタインだったが、
最近ダーウィンが「殿堂」
に加わっている。

さっそく、二人のヒーローを
指にはめて「会話」した。

「おーい、アインシュタインくん」
「なんだい、ダーウィンくんじゃないか」
「最近はどうしているんだい?」
「いや、まあまあさ。君こそどうしている
んだい、ダーウィンくん」
「あいかわらず、庭にしゃがんでミミズを
眺めているよ。君はどうしているんだい、
アインシュタインくん」
「いやあ、進歩がないよ。統一場理論ばかり
考えている。」

ぼかあ、ちょっとマイッテいた。

新しい文化を創ることにつながる
仕事と、そうでないことがあるように思う。

日本は、新しい文化を本気で創るということが
すっかり苦手な国になってしまった。

で、ボクは、これからは、なるべく、
新しい文化を創ることにつながる
ことだけをやって行きたいと
思うんだ。

前途多難だなあ。

指のアインシュタインくんと
ダーウィンくんにそんなことを
話しかけていると、
バーのギリシャ彫像風の
壁掛けが目に入ってきた。

突然、大英博物館で
大好きだった
「ケンタウルス」の彫像が
思い出されて、ボクは
「ああ」と思った。

明朗さだ。
ギリシャ的明朗さ(Heiterkeit)だ。
それを目指すしか、もはやあるまい。


ケンタウルスの彫像(パンテノン神殿)、
大英博物館蔵

きっと、方法はあるはずだ。

暗闇が深いほど、明るさは眩い。

ギリシャ的明朗さは、暗黒を突き抜けた
ところにしか現れないのだと、覚悟を決める。

9月 8, 2007 at 07:02 午前 |

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コメント

こんばんは
お久しぶりです。
万年匿名希望です。

アインシュタインやダーウィン的パラダイムの文化は
自然な潮流でしたが
プリコジン的なものは、世界が今一つ吸収しきれない
からこそ我々にはメジャーなスタイルでは無いのだと
思います。

先生の目指すものは、ダーウィン+プリコジン的な
要素に近いなあと思っているので、
社会が吸収できる力を持つまで
宝箱をいっぱいにしていても良いのだと思います。

ところで最近先生は本当に元気無いですね。
私までヘコタレてしまいます。
一日三回は先生の日記をチェックするので
一日三回はヘコタレます。

色々あって大変で、なかなかうまくゆかなかったりすると思いますが,日本は英語圏を除けば、やっぱり本の量や質を見るだけでも豊かで余力のある国なので、そんな悪い方でもないと思います。
どうか元気出してください。
どうか元気を分けてください。

そういえば私は何故この日記に辿り着いたのだっけとか、
何故居心地が良かったのだっけとか、
最近飲むお酒は酷く不味いとか、

心が枯渇していることに気づきました。
よければまた冷たい水をわけてください。

投稿: | 2007/09/10 5:37:52

はじめまして

モルフォ蝶のことを検索していて
茂木さんのブログを見つけました
それ以来、読ませていただいてます

この日記系の、しんみりとした日記がとても気になります
わかる、、、といっては失礼かも知れませんが
とくに、「新しい文化」を創る話は
もうすこし、続きがお聞きしたいです

投稿: hizumita | 2007/09/09 11:50:01

二つのお人形・・・かわいいですね。
ぬいぐるみだから、柔らかそうですね。

前途多難だな~

実感こもっています。
閉鎖的な日本の中で、新しいことをやっていくことは
本当にたいへんなことだと思います。
また、根本的に西洋礼讃が抜けていない。
外国で注目されて始めて、「ああ、すごい」という
考え方ですね。
こういう底に流れる考え方に対抗するには、
「明朗さ」しかないのかもしれません。

暗闇は深いかもしれませんが、突き抜けてください。
気づきは始まっていると思いますよ。

投稿: | 2007/09/09 8:07:50

メタモルフォーゼ!

ケンタウロス&茂木健一郎>> ケンモギウルス!ばんざーい
・・(前略)
ぼかあ、ちょっとマイッテいた。

(どうしたの、先生 近頃ちょっと悩ましいな・・)
・・中略・・
突然、大英博物館で
大好きだった
「ケンタウルス」の彫像が
思い出されて、ボクは
「ああ」と思った。

明朗さだ。
ギリシャ的明朗さ(Heiterkeit)だ。
それを目指すしか、もはやあるまい。

(うおっ地中海世界への旅ですかい。さっそくトランス・ヨーロッパ・エクスプレスを押さえにかかりましょうぜ!)

きっと、方法はあるはずだ。

暗闇が深いほど、明るさは眩い。

ギリシャ的明朗さは、暗黒を突き抜けた
ところにしか現れないのだと、覚悟を決める。
>>

(いよいよTEEの旅が。ラディカルでマジカルなミステリー・ツアーがはじまるのでやんすね^。
やっぱ先生は男前だぜ、ねえ、ご隠居!)

(おまえさんのは「落語的明朗さ」なんじゃがなあ・・)

(ドンドン♪・・)

注:ケンモギウルス・・日本文化史上空前の怪物的進化を遂げた鬼族。上半身が茂木健一郎博士的であって、下半身はディープ・インパクト的プロポーションなんですけど(笑・・失礼!)。。

投稿: 風のモバイラー&野村和生 from nomgroove.com | 2007/09/09 3:19:31

>日本は、新しい文化を本気で創るということがすっかり苦手な国になってしまった。

とのことですが、個の単位では新しい文化を作ろうとしている人は多くいるのではないでしょうか?
私もその一端が担えるといいなあ、と思いながら音楽を続けています。

笙という楽器の可能性を引き出して世界に伝えた第一人者を幸運にも師とすることができ、まだまだ実力は伴っていないけれども、日本の音楽の伝統を探りながら新しいものを創ることができたら、と模索しています。

今、日本という国にいると、所有や消費ということが人を計る基準になっているように見えます。
しかし自分は「日本固有の文化とは何なんだ」と考えながら、それを新しいものへとつなげて行く努力を惜しまない人間でありたいと思い続けています。

投稿: | 2007/09/09 2:04:56

神道の清浄指向には古代ギリシアに似た明朗さがあると思うのですが、そこから何か組み立てることは出来ませんでしょうか?

投稿: CUSCUS | 2007/09/08 19:35:58

昨夜は本当に申し訳ないことをしました。

たしかに質問の仕方も悪かったし、この日記へのトラックバックや
コメントも博士の言われたことをただ鵜呑みにして書いていて、自分で咀嚼して考えて書いたものではない、という指摘もあたっています。

以後、ろくでもない質問は一切、慎みたいと思います。

ところで、暗闇が深いほど、明るさは眩い。という言葉をみて
似た表現があったので、ご紹介したいと思います。

「闇が深ければ深いほど、暁は近い」

これは私の尊敬するある偉人が述べた言葉です。


世界の闇が深ければ深いほど、輝く暁は必ず近くなる。
新たなる文化の夜明けも、この世界の暗黒が深ければ深いほど、近いと思いたいです。

投稿: 銀鏡反応 | 2007/09/08 16:01:43

朝晩は少し涼しくなってきました。
昼間は、まだ暑いですね。
夏バテで、身体がふらついてますが、
今日は、付き添いをお休みして、自宅で
掃除・洗濯などを、ゆっくりしてます。

私のpcの横には、くまのプーさんの
小さめぬいぐるみが、いつも座ってます。
人の悩み事を吸い取ってくれたり、
願い事を引き受けてくれたり、人形って、
ほんとに、助けてくれますよ。。

投稿: | 2007/09/08 13:37:19

ギリシャ人が馬なら、僕らは妬まれるほどピカピカの自転車に乗りたい。

投稿: | 2007/09/08 11:23:27

いいなぁ~~~~~~~~~~♪

それ欲っすぃ~~~~~~~~♪

バ~ンバンひらめきが訪れそう。

よかったね! 茂木さん(^_^)

投稿: ひみつのあこ | 2007/09/08 11:03:31

むむむむ、茂木さんの暗闇の中に、アインシュタインとダーウィンのミラーニューロンが見える・・・(笑)。

投稿: | 2007/09/08 8:46:21

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