« プロフェッショナル 仕事の流儀 第14巻 | トップページ | 忙しい。 »

2007/09/16

個人における確率的振る舞いは

朝早く起きて仕事をしたり
準備をしていて、ふと
何となく格闘家のことを思った。

ショウビズとして華やかな裏には、
身体を張ることの哀しみも
あるに違いない。

格闘家の恋人は、そのような裏を
知り、感染して愛するように
なるのかもしれない。

ロシアの映像作家タルコフスキーの
名作『ストーカー』で、
そこに行くと希望が叶うという
「ゾーン」に案内する男の
妻は、男の哀しみ、聖なる仕事で
あるがゆえに差別されることの苦しさを
知っている。

だからこそ、愛が深まる。

チョコレートを一つ食べる。
秋はほろ苦く、甘い。
格闘家や案内人の哀しみをわかる
人間であり続けたい。

大手町の
日経サイエンス編集部

http://www.nikkei-bookdirect.com/science/index.php 

で、
連載「茂木健一郎と愉しむ科学のクオリア」
の対談。

今回のゲストは、国立健康・栄養研究所の
吉池信男さん。

肥満は健康における明らかな
リスクファクターであり、
個々人における健康状態の変遷は
確率的にしか予測できないにせよ、
国全体としては明確に
医療費の増大が生じるのだという。

つまり、やや太っているからと
言って必ずしもその人が
病気になるとは限らないが、
ポピュレーション全体としては、
確実に医療費負担が増大する。

従って、国の施策としては、
BMIなどの太りすぎ/痩せすぎ
の指標をマクロにある領域に
導くことが有効である。

そんな話をしながら、私は、
自分のBMIを計算してみた。

うーむ。

「27、28くらいから明らかな
病気の上昇トレンドが見られます」
と吉池さん。

さすがにそこまでは行かないものの、
やはカロリーバランスを
きちんと図らないと
いけない。

実は私は朝、時間があれば
近所の公園の森の中を走っていて、
運動することは好きなのであるが、
何しろ本格的なエキササイズを
する時間がないし、外食も多い。

個人における確率的振る舞いは、
希望的観測をも許容するが、
吉池さんのようにマクロな
トレンドを相手にすると、
そこにあるのは冷徹な相関だけである。

マクロな相関を下に、
自分の生という個を照射するという
思考回路を、受け取り、
私は少し考えを改めた。

汐留の日本テレビ。

『世界一受けたい授業』の
収録。

スペシャル番組で、
放送は2007年10月6日(土)
の予定。

放送作家の富樫香織さんは
何時会っても元気。

「茂木さん、疲れていますか?」
と富樫さん。

じゃないんだよ。
ぼかあ、格闘家の哀愁について
考えたいただけなんだよ。

身体を張って生きる。
言い訳しないで生きる。

ちょっとうら寂しい方が
人生はいいやね。

富樫さんは、『芸術脳』

http://www.amazon.co.jp/芸術脳-茂木-健一郎/dp/4104702021

の中で、

おじさんがモルフォ蝶をの標本を欲しがる
話を読んで、号泣したのだそうである。

ありがとう、富樫さん。
元気だけど、やさしいね。

9月 16, 2007 at 04:40 午前 |

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 個人における確率的振る舞いは:

» ボクラの時代 浅野忠信×寺島進×青山真冶 トラックバック 須磨寺ものがたり
2人の俳優と、映画監督という、 3人での対談、 遠慮のない、互いに認め合う、いい関係で、 笑いの耐えないトークが繰り広げられた。 [続きを読む]

受信: 2007/09/16 13:11:01

» 肥満外来について トラックバック 肥満外来
肥満外来での治療は痩せることだけを目的としていません。肥満は患者のストレスが原因で起こる場合もあります。 [続きを読む]

受信: 2007/09/16 16:48:12

» 本当に自己に正直に生きるには トラックバック 鈴木正和 ブログ日記  文学の痛みと感動 
本当に自己に正直に生きることは可能か。 名誉や私利私欲や権威や社会的身分ではなく、 自己の内面の声に、 徹頭徹尾、正直に、真摯に、倫理的に、 人は生きることはできるのだろうか。 掘り下げていけば、自己の欺瞞、繕い、建前、嘘、偽り、 人との関わりの中での誤魔化しや諂い、 そうしたものが目の前にはあるような気もして、 自己をごまかしているのではないか、 時折、そんな疑問に突き当たる。 本当に、考えて掘り下げているのか。 一生は一度だから、 そう思うと。 長月の秋の夜、ほんとう、という言葉につい... [続きを読む]

受信: 2007/09/16 22:55:39

コメント

あれ?えっ?「ステュディオス」? あっ、そういうこと・・。

長年もんもんとぐるぐると思っていた諸問題が、今日読み始めた  「芸術脳」の最初の最初で解明というか提示されてしまった。

拍子抜け~。ようやっと頭の中で言葉にして考えられるようになったところなので、正直もうちょっと自分で考えたあとこの佐藤雅彦さんとの対談は読みたかった。う~む。う~む。残念。

ちょっと暫く読まずに芸術脳置いておこうか・・。

投稿: おおはたみやお | 2007/09/17 20:23:08

個人の健康と国家財政の相関は面白いテーマですね。
家族1人1人が健康的な生活を心掛けると家計の収支が向上するという法則をどこかで聞いたことがあります。
敷衍して、家族1人1人が自然の環境に配慮した生活を心掛けると家計の収支が向上するということも言えるかも知れませんね。

投稿: naritoku | 2007/09/17 13:32:14

言い訳するもしないも状況に応じて、そのどちらかを
選択することができる自由があるときは幸せですね。

言葉を奪われてしまったものたちの声にならない言葉を
聞き取れる人間でいたい。
言い訳をしたくてもできないものたちの心を代弁できる
人間でありたい。
誰の(なにの)どんな言葉が聞き取れるかは
人によって得手不得手があるのだろうけれども。
私は言葉がなくては窒息してしまうから。。。
自分と同じ言葉を話す人に出会えたときは
心の底から嬉しい。
ここにこんなことを書いていること自体が
何かの言い訳なのでしょうか?
ただの利己的な偽善者なのでしょうか?
今日の「ぼく」はまた睡眠不足なのでしょうか?
「日月山水図屏風」は、そんなに素晴らしいものなのですか。
一度でいいから「日月山水図屏風」になってみたいです(笑)。

投稿: まり | 2007/09/17 0:00:56

台風が近づいていて、蒸し暑い一日です。
母の退院の日が決まって、これからは通院、
一生付き合うもので完治はしないですが、
ひとまず、私も倒れず、ほっとしています。
チョコレート!子供のころから変わらず好き。
ビターなものをカレーの隠し味にしたりします。
母はハヤシライスが好物で、トマトのなかに
梅干のペーストを少し入れると、酸味で、
夏の疲れも取れるし、お祝いに作ってあげよう。。

いま、雨が降り出しました。
ちょっと涼しくなった。食欲の秋。


投稿: F | 2007/09/16 16:13:12

二度目の投稿、失礼します。


人生の愛と哀愁は、チョコレートのほろ苦い甘味にも似ているような気がします。

ぴかぴかの「栄光」だけじゃない、うら寂しい側面も、人生にはあって丁度いいですもんね。

投稿: 銀鏡反応 | 2007/09/16 13:20:22

格闘家ということで、真っ先に思い出したのは力道山のこと。
(我ながらめっちゃ古いなぁ…)

御存知のように、彼は戦後日本にプロレスという格闘技を定着させた人物。必殺技の鮮やかな空手チョップは、今も語り継がれる伝説と化している。

その力道山は、華やかなスポットライトや喝采に包まれながら、格闘家の哀しみを背負って生きていたのはもちろんだが、彼の場合、朝鮮半島うまれという自らの「出自」を隠して、“百田”という「日本人」として生きなくてはならないという、もう一つの悲哀をも背負っていた。

身体を張ることの悲哀と、日本人を装って生きることへの、異国人としての悲哀。そんな二つの悲哀を背負いつつ、彼は文字通り身体を張って生き抜いたのだろう。

二つの悲哀を背負い続けることの苦しさを彼は一身に引き受け続けたのだ。


力道山を愛した人はそんな彼の姿にひかれ、彼が非業の死を遂げた後でも、ずっと愛し続けたに違いない。

こんなふうに、身体を張って生きる男の哀しみ、苦しみを私だったら、どこまでわかってあげられるだろうか。

投稿: 銀鏡反応 | 2007/09/16 13:08:30

格闘家の哀愁もあると思うのですが、格闘家の喜びもあると思います。自分の出した技で、観客がどよめき歓声が起きる、格闘家の至高の喜びではないでしょうか?
ニーチェ(詳しく読んでいませんが)に出てくる、綱渡りの男を思い出します。

BMI、私はヤバイデス(笑)。

投稿: tain&片上泰助 | 2007/09/16 12:08:04

   おはようございます。

格闘家、まさに茂木先生ですよね。
哀愁・・・チコレート・・・
喜びも、悲哀も、何粒か分けて戴いたような・・。

私も最近太り気味・・。
茂木先生のことを言っていられなくなりました。
通販のエアロビのビデオでも買おうかな? と迷います。
あの、軍隊出の方の・・。
哀愁漂う秋なのに、何故食欲の秋になってしまうのかしら?

プロフィールの写真が変わりましたね・・・。
芸術の秋~ですね。

投稿: tachimoto | 2007/09/16 10:48:19

何年か前に、ショコラという映画をみました。

とても美しい映画でしたが、全体に哀しみがただよっていたのを覚えています。
全体がショコラ色で・・・・

茂木博士の写真が秋色に衣替えされましたね。
すごく、素敵な写真です。
最近、とても、いい雰囲気に変身?されていらっしゃいます。
日記や本の内容はもちろんですが、
そういう茂木博士の変化も合わせて楽しませていただいています。
このブログにくると、脳が活性化され、しかも明るい方にに向かっていくのです。
ありがとうございます。

ぼかあ、格闘家の哀愁について
考えたいただけなんだよ。

↑コメント、とっても気に入りました♪♪

投稿: ふわく | 2007/09/16 6:37:15

コメントを書く